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カモシーこと、日本IBM 鴨志田です。 前回(IBM Watsonが支援する「働き方改革」第1弾:"会議編")は、身近な「働き方改革」として、会議の効率化に焦点を当ててご紹介いたしました。今回は、「電子メール や コミュニケーション手段」にメスを入れてみたいと思います。と言いますのも、前回も引用いたしましたが、2/3 を超える方から「電子メールの数をもっと減らすべき」という声があがっていますので、この多くの方の声にお応えしない訳にはいかないと思っております。 出典:ガートナー ジャパン「日本における社内コミュニケーションに関する調査」 そこで、電子メールの問題点は何かを改めて考えてみました。下表をご参照ください。 項番 電子メールの問題点 良い点としてとらえると 1. すぐに読んでもらえるかわからない 返事がいつくるかわからない やり取りの証拠として残る 2. 宛先に入れた人にしか伝わらない 必要な人に一度に伝達できる 3. 各人が情報ややるべきことを管理する必要がある 後からでも確認ができる 4. 転送されてしまう危険性がある 手軽に転送できる これらは「電子メールのパラドックス」と言われます。パラドックスとは、逆説や矛盾という意味です。本来、生産性を向上させるツールであったものが、反対に生産性を損ねる要因になってしまうことを表しています。生産性とメールの量の関係をグラフにすると以下のようになり、メールの量が膨大になると生産性が落ち込むことが読み取れます。 ではその「電子メールのパラドックスにならない方法」をご案内していきましょう。 1. 「返事がいつくるかわからない」への対応 「相手に読んでもらいたい」「返事が欲しい」というメールもそうでないメールもあると思います。本当にすぐにでも返事が欲しいような用件は、電子メールではなく、対面や電話で確認したほうが良いかもしれません。しかし、相手が捕まらない場合はひとまずメールを送っておくという手段はコミュニケーションを取る上での一手になります。そのような場合はこうしませんか? IBM の電子メール「IBM Verse」では、送信したメールにメモを付けたり、フォローするタイミングを設定したりすることができます。下図のように、メール送信の際に 1 クリックし日時設定とメモを書き込みます。すると「対応待ち」に格納されます。これによりこの用件は一旦忘れることができるのです。頭のなかで「これをやらなければ! あれを対処しなければ!」と考えていると作業や仕事に集中できず生産性を落としかねません。頭を空っぽにして別の仕事に集中していきましょう。 2.「レレレメール」にならないための対応 今度は送信側ではなく、受信側での場合を考えてみましょう。受信したメールに返信を出すことはよくあります。さらにその返信を待つということもあるでしょう。メールソフトによりますが、送受信が続くと「Re:Re:Re:」といつまでも Reply の Re: がつながっていく「レレレメール」になっていくことがあります。また、ちょっとした用件のメールに何分も何時間も掛けてやり取りした経験はありませんか? このような場合は、「在席確認とチャット機能」が役に立ちます。IBM Verse には在席確認とチャット機能が利用できるようになっています。 人を選んで在席状況を確認してチャットをすることもできますし、受信したメールに在席マークが表示されますので、そこからチャットで話しかけてサッと用件を済ましてしまうことも可能です。これにより、例えば 5 時間かかっていたやり取りが 50 秒で終わる、そして次の仕事に取り掛かるということもできるのです。 3.「情報の管理」への対応 「宛先に入れた人にしか伝わらない」「私その情報もらっていない」・・・とならないように、とりあえずcc に全員入れておく。このようなことありますよね。結果、不要なメールが増えてしまう、また反対にメールを受け取った人はその情報をフォルダ分けなどで整理しておく必要がある。いかにも非効率です。情報は共有しましょう、そして共有しておく場所を決めておき、必要なメンバーが把握/参加でき、経緯や最新情報/結果をいつでも見ることができるようにしておきましょう。これによって、類似情報が社内に点在したり、並行して複数の人が同じ作業をしたりする無駄を省くことができます。そして、最初の情報発信源がメールだった場合、IBM Verse では 1 クリックで情報共有の場に導いてくれるようになっています。 4.「転送の危険性」への対応 「送ったメールが誰かに転送されてしまう」これは致し方ないかもしれません。ですが少なくともメールに添付したファイルを勝手に転送されてしまわないように、場合によっては、ダウンロードすらできないように対処したいという利用シーンもあると思います。ファイルにパスワードを付ければ良いのでしょうか? もしくは、添付ファイルがある場合は自動的にファイルを暗号化できれば良いのでしょうか? 残念ながらそれでは不十分です。結局、受信者はファイルをダウンロードして、パスワードで復号できてしまいます。そんな信用ならない人にはファイルを送らなければ良い、ごもっともですが、すぐに共有したいということもあるでしょう。 このような場合は、「IBM Verse と Box」 を組み合わせて利用することをお勧めいたします。 IBM Verse でのメール作成時にファイル添付を示すクリップのアイコンがありますが、隣接して Box の “b” アイコンが表示されます。これをクリックすると、クラウド型コンテンツ(ファイル)管理である Box にアクセスします。Box からファイルを選択するとファイルを添付するのではなく、リンク情報だけを付けるようになります。これにより、万が一このメールが転送されてもファイル格納元の Box へのアクセス権がなければアクセスできませんし、Box のアクセス権限で、「プレビューアー」を設定しておくと、ファイルをプレビューすることはできますが、手元にダウンロードすることはできないようになります。手軽にセキュリティ高く、迅速・円滑な情報共有ができることと思います。 最後に・・・ このように電子メールの数そのものを減らすことは難しいかもしれませんが、電子メールの良いところは活かしながら、問題点をそれぞれの方法で対処していく、これにより、個人やチームの生産性を向上していくというのはいかがでしょうか? ご紹介しました IBM のソリューション(IBM Verse と Box)は、きっと皆様のメール処理の生産性向上のお役に立てるでしょう。是非ご検討なさってください。 ★予告★ 次回は、"もう少し Box に触れながら「資料の検索、共有や準備」にメスを入れます。ご期待ください!
こんにちは、てくさぽBLOG メンバーの佐藤です。 12/12(火)、12/13(水)にヒルトンお台場で開催されたNVIDIA主催のカンファレンス「GTC Japan 2017」に参加してきました。 本ブログは12/13(水)の内容になります。 1.GTC Japan 2017とは? GPUの雄NVIDIA主催のイベントとなります。 近年AI,ディープラーニングの市場規模が拡大していることもあり、話題のイベントとなります。 なお、昨年のレポートも参照ください。 ”参加してみた” GTC Japan 2016 2.基調講演 基調講演の始まる30分程前に到着したのですが長蛇の列でした。 基調講演会場に何とか入れましたが、入れなかった方もいたようです。 おなじみの革ジャンをまとったNVIDIAのCEOジェンスン・ファン氏が登壇し今年もひとりで説明。 当初の予定を超過して1時間半強、話しっぱなしでした。 内容をまとめると、大きく以下の3点をアピールしていました。 ・性能の飛躍がもたらす恩恵 ・シミュレーターonシミュレーター ・自動運転 レクサスはCG?と思いきや、リアルタイムレンダリングで、中央のロボットらしきものはVRで参加している人になります。 内装も、エンジンも部品単位でデータ化されています。 未来のデザインlabという事でしたが、ここでいう”デザイン”というのは単純に見た目だけでなく パーツの配置や組み付けの考慮という広い意味でのデザインとなります。 続いて、開発環境についての紹介です。 NVIDIAとしてはオンプレかクラウドかという選択を迫るわけではなく、クラウド環境でもオンプレ環境でも同じフレームワークで自由に使い分け、移行が出来るようにしています。 こちらの女性はディープラーニングによりAIが作り出した女性の写真です。 ほかにも男性や老人が次々と映し出されていました。 これらは3Dのモデリングで描画しているわけではなくディープラーニングによって作り出しています。 注目は左の車窓 で、こちらも自動生成された画像になります。 このデモは学習結果から学習元のサンプルデータを作り出すことができるということで、たとえば自動運転の場合は実際に車を走らせなくてもマシンパワーさえあれば仮想空間に昼も夜も、何十、何千万台でも自動運転カーを走らすことができます。 結果、自動運転のラーニングを飛躍的に加速させることができます。 サプライズということで日本では未発表だったVOLTA版Titan Vが発表。 こちらは開発用のカードで複数枚未サポートですが、安価にGPUを使うことができます。 価格は2999USD。 実績としては画像認識系のソリューションで今まで4ラックのシステムをV100によりなんと1ノードになった!とのこと。 CEOいわく、GPUは買えば買うほどお得になるとの事。 次はバーチャルゴルフコースのバーチャルロボットのデモ 実際のロボットもゴルフコースも用意しなくても、パターゴルフのディープラーニングがバーチャルで実施できます。 学習開始はよちよちな動きで、ボールにも当たらない、途中からボールにあたるようになり、最後は100発100中になりました。 現実的な問題としてはこのシミュレーターの中だけですべてのテストを終わらせるのは厳しいはずですが、ロボットアームやロボットは学習過程において自分自身を破壊してしまったり、意図せず人間を傷つける事があるため、少なくとも人間ではありえないエラーを出さない程度に仮想で事前学習してくれるのは現時点でも有用と思われます。 基調講演は最後にこれがAI革命だ!と締めくくりました。 実機を用意しなくてもディープラーニングができるというのはかなり革新的でこうなるとコストや時間といった物理的な制約から解放されて膨大な量のテストができます。 しかも学習用のサンプルデータも作り出すことができる。 これが進むと、十分にテストができるため”初期ロットは不具合が多い”といった常識は変わっていきますし今まで量が膨大になりすぎるので、無意識に切り取られていたテストから新しい発見、発明が出るかもしれません。 3.セッション セッションはたくさんあり、どこも立ち見が出るほど大盛況でした。 1つだけ紹介したいと思います。 IBMからは、最近発表した「Power System AC922」に関する内容と、IBMが考えるプロセッサの将来についてです。 一般的に、GPUだけ高速なマシンはパフォーマンスを引き出すのにチューニングが難しい上級者向けとなります。 その点、AC922はCPUとGPUをNVLink2という高速なバスで接続することにより全体としてバランスの取れたマシンと言えると思います。 バスの比較ですが、一般的に使われているPCIe Gen3 x16では帯域は双方向32GB/sで、仮にPCIe Gen4になっても64GB/sにとどまります。 NVLink2ではこれが150GB/sとなり、高帯域幅を利用することが可能となります。 以下は4GPU構成の例です。 次にIBMが考える将来のAIアクセラレーターについてです。 IBMとしてはGPUは単体で将来的には今の10倍、それを並列に並べスケールすることにより、さらに10倍程度の性能が上限とみています。 次世代については、研究中の脳を模したSyNAPSEチップを用いることにより100倍以上の性能、次々世代は一部提供が開始されているIBM Q…量子コンピュータを想定しているようです。 注目が集まるIBM Qについて、先日50Qubitのプロトタイプが発表されましたが、50Qubitは量子コンピュータの一つの壁と言われています。 サービス提供がされればブレークスルーになるかもしれません。 将来が楽しみな発表でした。 4.おわりに 最後に、今年はトヨタが協業を発表したこともあって、ブースは車関係の内容が非常に多く日本における自動車業界の市場規模の大きさを体感しましたし、主催者の想定をはるかに超えた参加者だったようでした。 <関連情報> 動画・資料公開】12月20-21日【NI+C P主催】Webセミナー「遂に登場! POWER9 搭載サーバー “Newell”に迫る!」 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
カモシーこと、日本IBM 鴨志田です。 昨今、「働き方改革」という言葉を耳にしない日はありませんが、実際に取り組まれている企業はどのくらいあるのでしょうか? ある調査によりますと、既に取り組んでいる企業の割合は、36.4%(2017年調査*1)と前年に比べ4.5ポイント上昇しています。一方、6割強の企業では、取り組んでいない、わからないという状況であり、「働き方改革」への取り組みも様々であり、またどこから取り組んでよいのかわからないお客様も多いという実態のようです。 日本の人口構成の変化に伴い、労働力の低下が避けられない今、限られた労働時間内でいかに効率良く生産性を高められるかが問われています。ここでは、身近なところから「生産性の向上」を追求し、「働き方改革」に寄与するソリューションをご紹介いたします。 身近なところから生産性向上を目指す 日頃、仕事の中で、時間を取られてしまっていることは何でしょうか? 「会議」「メールの処理」「資料検索・作成」に多くの時間を費やしていませんか? そのため、「会議を減らしたい」「メールを減らしたい」と言った方の割合がそれぞれ、76%、68%にのぼります*2。また、日本IBMの社内調査によると資料の検索や作成といった資料準備にかかる時間に43%も取られてしまっているという結果があります。我々は、この「会議」「メール」「資料準備」といった身近なところにメスを入れ、生産性向上を目指し、働き方改革の第一歩を踏み出していただくことを推奨いたします。 効率よく会議をこなす 「会議」にもいろいろなタイプのものがあると思います。部門やチームでの定例会議や突発的な会議など様々です。 会議を開催するところから会議終了およびそこで出た宿題のフォローと言った会議に係る一連の行動を追ってみたいと思います。 項番 会議開催で 行うこと IT ツールを使った対応 予想効果 1 会議を招集 グループウェアで参加者および会議室の空き時間検索、会議招集、出欠の返信 各参加者への確認時間の削減 2 議題や資料の共有 グループウェアで会議案内時に連絡、または別途資料共有の場で共有 会議時間の短縮、説明・報告時間の削減による会議の質の向上 3 当日の開催 Web会議による外出先や自宅からの参加 移動時間(事業所に戻る、出張)の削減 4 議事録作成 共同編集ツールによるリアルタイム共有、質疑応答、アイディア出し等の共同作成・編集 発言機会の均等、リモート参加の孤立感の排除 5 宿題管理 同上 その場で認識、承諾 6 宿題の進捗 同上のツールを利用した進捗報告、コメント、タスク完了のOn/Off 次回の会議を待たずして進捗や早めの軌道修正 「きほんのき」グループウェアを使った空き時間検索 既にご利用の方も多いと思いますが、上記1. グループウェアを利用した会議参加者メンバーや会議室の空き時間検索および会議招集です。ここで最も大事なのは、メンバー自身の日頃予定を必ずグループウェアに登録していることです。これをやっておかないと空き時間検索の意味がなくなります。「あ、そこは予定が入ってます。手帳で管理してました」なんて言われるとせっかくの生産性向上が台無しです。基本中の基本(きほんのき)ですね。最近ですと、スマホでご自身の予定表を見ることも多いと思いますので、きちんとグループウェアに登録して、外出先やスマホで見えるように習慣づけられているのではないか思います。 会議の質の向上 続きまして上記2.議題や資料を事前に共有することによる「会議の質の向上」です。 会議を減らしたいと言ってもなかなか減らすことは難しいのではないでしょうか。であるならば、「会議の時間を短くする」「会議の時間配分を考え効果的に進める」ようにして会議の質の向上を目指してはいかがでしょうか。その方法はちょっとしたことで可能になります。つまり、事前に議題や当日の資料を共有しておくことです。カレンダーの本文内にそれらの内容を記載しても良いですし、Box などのファイル共有、Box Notes (後述します) などの文書管理ツールを利用して共有することも良いと思います。あとは、事前に共有したものを参加者全員が事前に目を通しておくことをルール化することが重要です。 Web会議による外出先や自宅からの参加 次に、3.「Web会議」です。先程も述べました通り、会議そのものを減らすことは容易ではないと思います。であるならば、会議の質を変えるとともに、その会議への参加方法も柔軟に対応できること、これも効率よく会議をこなし、生産性向上を図ることに繋がると思います。 これは利用者にとってありがたいツールです。直接対面で会議をすることが最も意思疎通を図れると思いますが、会議のための移動コストを考えると、Web会議で十分事が足りるという会議も多いのではないでしょうか。しかもPCで利用するだけでなく、タブレット端末等のスマートデバイスで手軽に利用できることが一層の利便性を増します。 IBM Connections Meetings Cloud というクラウド (SaaS) によるサービスで、インターネットに接続するだけで利用できます。 また、Web会議は、1.で紹介しましたグループウェアの会議招集の際に同時にセットすることができます。議長は会議室を予約するのと同じ感覚で、Web会議の部屋を選択するだけ、会議参加者は会議の時間になったらWeb会議に参加するボタンもしくは設定されたURLをクリックするだけで、会議に参加できます。 【 カレンダーにて会議やWeb会議の設定画面 】 【 Web 会議に スマートデバイスから参加 】 会議の進行や進捗を支援するBox Notes 続いて、4.-6.を支援するソリューションをご紹介します。「Box Notes」です。 Box は、クラウド(SaaS)型のファイル・コンテンツ管理ソリューションですが、Box Notesという便利な”おまけ”が付いています。「Box Notes」は、リアルタイムに共同編集できる文書管理ツールのようなもので、これを利用することで、会議議事録を作成できるだけでなく、 議題に対して質問や意見を同時に書き込んでいくことができます。特に、同じ会議室で参加している人だけでなく、リモートからWeb会議で参加している人であっても、タブレットなどから書き込みを行い、アイディア出しや意見を言い、会議に積極的に参加することができます。 さらに、ToDoを作成していくこともできるので、宿題事項はToDo(タスク)として列記することができます。従来、会議の議事録管理はどのようにされていましたでしょうか? 「誰かがWord等で作成し、会議終了後にメールに添付をして送る。一旦開いたら次の会議になるまで 見ない、宿題事項も次回の会議にならないと経過・結果がわからない」となっていませんか? Box Notesでは、宿題への書き込みがあった場合に通知を行ったり、"@-メンション"機能でお知らせをしたりすることができます。次の会議開催を待たずして、進捗を共有し、経過を見ていく中で、アドバイスをしたり方向性が違っていれば軌道修正をすることができるのです。 会議改善の例 ある製造業様の事例ですが、前述の1.-6.を利用することで次のような効果が出ています。 これまでの課題 ・会議に時間がかかり、半分は資料説明や報告の時間 ・次のアクションや進捗が見えない、次回の会議にならないとわからない IT・コラボレーションツールの利用での改善 ・事前に資料をアップし、対策討議に集中できる ・リアルタイムに議事録を生成し、全員でToDoを確認できる ・次回の会議を待たなくてもToDoの進捗を確認、コメントできる 以下の図で示すような数字で表す効果が出ています。 【 会議改善効果の例 】 是非、皆様も身近な「会議の改善」から「働き方改革」に着手してみませんか? ★予告★ 次回は、"メール"にメスを入れます!ご期待ください。
皆さま、こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの岡田です。 前回ブログでLenovoの新ブランド「ThinkSystem」について書きましたが、第2弾として「ThinkSystem」製品の統合管理を行う「XClarity」についてお伝えします。 まず改めて全体像になりますが、今回Lenovoエンタープライズ製品群は以下の3つのブランドに分けられることになり、管理系製品は「XClarity」としてまとめられました。これまでIMMやUEFIと呼ばれていたサーバーの管理機能が新機能とともに「XClarity」ブランドに統合されました。 今回のブログでは、このうちの「XClarity」での新機能の特長について説明していきます。 まず「XClarity」製品群の全体は以下になります。これまでも販売されていた製品に加えて3つの新機能(「XClarity Provisioning Manager」「XClarity Controller」「XClarity Essentials」)が発表されました。 1.XClarity Provisioning Manager 以前はUEFIと呼ばれていた、ThinkSystemサーバーに組み込まれるプロビジョニングツールです。 以下のようにこれまでの無機質な画面から、直感的に操作できるような画面になり、操作性が向上しました。 日本語表記にも対応しました! 画面のメニューを上から順番に実施していくとサーバー導入が完了するような画面構成になっていますので、 セットアップの時にどの項目の設定が必要か迷うことが少なくなりますね。 2.XClarity Controller これまでIMMと呼ばれていた、ハードウェア監視のための管理コントローラーです。 JavaやActiveXプラグインがなくても、 HTML5準拠のサポートブラウザーでリモートKVMを利用できますようになりました。 これまでJava バージョンによってはうまく動作しないということもありましたが、これで互換性に悩まされることがなくなりますね。 こちらも日本語表記に対応しました。 3.XClarity Essentials 以前はToolCenterと呼ばれていた、ThinkSystemサーバー の管理をサポートするサーバー管理ツール群で、以下の機能が提供されます。 ・UpdateXpress/OneCLI ・・・ThinkSystemの全てのファームウェアをリモートから更新可能 (ドライバーはローカルのみ)。OneCLIはコマンドラインです。 ・BoMC (Bootable Media Creator) ・・・ オフラインでファームウェアを更新するためのブータブルメディア(ISO、USBメモリー、PXEイメージ)を作成できます。 まとめ これまで述べてきた内容を整理すると以下のようになります。 上記のとおり、これまでの各種管理系ツールが整理されてシンプルになったことがお分かりいただけると思います。発表された新機能はいずれも使いやすさの向上を目指してユーザーインターフェイスの刷新やツールの統合が行われており、これらを利用することでシステム構築や運用を担当するエンジニアの皆さんの作業の効率化のお役に立つと思います。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。 最近 AI やディープラーニング基盤がブームとなっています。 そんな中弊社にも「1台では処理能力が不足するため、サーバー同士を接続してクラスタリングしシステムの処理能力を高めたい」との相談があります。 その際ポイントとなるサーバー同士を接続するネットワーク基盤として、InfiniBand か 10Gbps~40GbpsEther との比較で悩まれる方が多いかと思います。 InfiniBand はよくわからないから Ether でと選択される方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか? InfiniBand はメリットがありますが、残念ながら Ether ほど普及はしていないため資料も非常に少なく、何なのかよくわからない方も多いと思います。 そこで今回は「InfiniBand」について解説していきます。 InfiniBandの歴史 デビューは2000年となり、歴史はかなり古いです。 当初は Intel が PCI-X の次世代規格として超強力に推進していましたが、結果 PCI-Expless が主流となり目論見が外れ Intel は早々に撤退、Microsoft も WindowsServer2003 でネイティブサポートしないことを発表したりと冬の時代が続きます。 最近では、2012年に Intel が Qlogic から InfiniBand 事業を買収して再参入といった動きがあります。 なお、WindowsServer2012 以降では標準ドライバが付属しますので、現在では安心してお使いいただけます。 InfiniBandのコンセプト (理想) InfiniBand の基本コンセプトは “Bandwidth Out of the Box” です。 抄訳すると「PCI-Express のような内部の広帯域バスをそのまま外部接続用のポートとして使用する」となります。 内部バスという数十cm という短距離から SAS のような周辺機器系との数~10m程度の接続、Ether のような 10km といった長距離通信まですべてを賄うという野心的な規格でした。(当初の計画では…) InfiniBandの用途 (現実) さて、InfiniBand の現実ですが、歴史でもふれたように内部接続については PCI-Express に奪われてしまい頓挫しました。 現実には内部接続で採用された例はありません。 また、周辺機器系との接続についても USB や SAS、FC が主流となっており、IBM Flash900 のような一部の例を除いて InfiniBand の出番はありません。 当然のように長距離通信については Ether が主流となっており、こちらも出番がありません。 InfiniBand が活躍する場面は IBM の A9000 や EMC の VMAX といった Storageコントローラと Storageコントローラ、もしくは Storageコントローラと Storageドロワー間を超高速で接続するといった用途や、HPC のノード間接続 (サーバ同士の接続) に利用されています。 市販されている製品でも結構採用はされていますが、エンドユーザーの気づかないところに使われていることが多いです。 InfiniBandのメリット では何が InfiniBand の何が、メリットでしょうか? わかりやすく言うと、以下の3点です。 超高速 低レイテンシ 低価格 1.超高速 以下に InfiniBand の規格を並べます。 SDR DDR QDR FDR EDR 1X 2Gbps 4Gbps 8Gbps 14Gbps 25Gbps 4X 8Gbps 16Gbps 32Gbps 56Gbps 100Gbps 12X 24Gbps 48Gbps 96Gbps 168Gbps 300Gbps 1X、4X、12X というのはチャンネル数で複数を束ねることにより高速化を実現します。 通常一般的に販売されている HCA (Etherカードのようなもの)やスイッチは4Xタイプのものなので、4X を基準として見るとわかりやすいかと思います。 現行世代は EDR となり、100Gbps になります。 なお、2017年中に次世代の HDR が登場予定です。速度は 4X で 200Gbps となります。 「100Gbps なら Ether もあるではないか」と思われる方もいると思いますが、次に記載する2と3の理由からメリットがあります。 2.低レイテンシ InfiniBand は低レイテンシです。*1 理由は複数ありますが、TCP/IP と比較してもともと高速にやり取りするために設計されていること、高速にやり取りするためのプロトコルが実装されていることが挙げられます。 その一つに、最近は Ether でも実装されていますが、RDMA があります。 RDMA は、ものすごくおおざっぱに説明すると宅配BOX のような仕組みです。 TCP/IP だと、配達先の住人の有無の確認、荷物の受け渡し、印鑑の授与が必要で、すべてにおいて受取人 (CPU) を介する必要がありますが、RDMA だと、配達先の宅配BOX (メモリ) の空きを確認するだけで、後は BOX に配達して完了通知して終了となり、CPU をほとんど介さずにデータ転送することが可能です。 *1. InfiniBandパフォーマンス : http://jp.mellanox.com/page/performance_infiniband 3.低価格 InfiniBand は速度のわりに超低価格です。 なぜか?ベンダーである Mellanox が長年頑張ってきたのも理由の一つですが、SDR~EDR すべての世代においてメタルケーブルを標準供給してきたのが非常に大きいです。 残念ながら EDR では最大長が 3メートルとなってしまいましたが、ラック内配線としては十分です。 光ケーブルだと長距離配線が可能ですが、トランシーバーモジュールの価格が非常に高価になりますので価格が吊り上がります。 スイッチについても、FCスイッチと比較すると半額以下、しかも1台で済んでしまいます。 比較するメーカーによりますが、100GbpsEtherスイッチと比較しても相当に安価な価格で提供されています。 なお、3M以上の配線を行いたい場合は光ケーブルの用意もありますのでご安心ください。 必要なところのみ光ケーブルで配線してもらえればと思います。 参考 : Mellanox MCP1600-E003 Passive Copper Cable IB EDR up to 100GbpsQSFP LSZH 3m 26AWG mellanox.com 参考価格210ドル - 100Gbpsでメタルケーブルは驚異的!26AWGなので取り回しはかなり固そうです。 Mellanox MFA1A00-C100 Active Fiber Cable Ethernet 100GbE 100Gb/s QSFP LSZH 100m mellanox.com 参考価格3057ドル - こちらはファイバの100mケーブル、トランシーバー内蔵しています。100mなので特に高額ですが、ファイバタイプだとこういう価格帯になります。 まとめ InfiniBand は同一ラック内といった短距離接続であれば比類なき速度と低価格を実現します。 IBM でも純正オプションとして供給しており、Storage では Flash900、サーバーでは Minsky等の PowerSystem に搭載可能です。 供給ベンダも実質 Mellanox がほとんどで一部 Qlogic (Intel) といった状況ですので、相性問題も皆無です! 知名度が高いわけではありませんが、これを機にぜひ活用していただければと思います。 お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
皆さま、こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの岡田です。 今年7月にインテル社が新しいサーバー用CPU「Xeon Processor Scalable Family(以下、Xeon Scalable)」を発表し、各サーバーメーカーからこの新型CPUを搭載したサーバーが発表されました。HPE社はGen9→Gen10、Dell EMC社は13G→14Gと順当な名称変更でしたが、Lenovo社はこれを機にサーバー、ストレージおよびネットワーク製品の新ブランドである「ThinkSystem」を発表しました。 まず全体像ですが、今回Lenovoエンタープライズ製品群は以下の3つのブランドに分けられることになりました。管理系の「XClarity」とソフトウェア・デファインド製品群の「ThinkAgile」、そしてサーバー・ストレージ・ネットワークスイッチを統合した「ThinkSystem」になります。 今回のブログでは、このうちのサーバー・ストレージ・ネットワークの「ThinkSystem」の特長について説明していきます。 1.2つのサーバーブランドの統合 これまでLenovoは旧IBM 系の「System x」と旧Lenovo系の「ThinkServer」の2種類がありましたが、今回統合され「ThinkSystem」サーバーとなりました。これまで「System x」と「ThinkServer」の使い分けに悩むこともあったかもしれませんが、今回、整理統合されたことで分かりやすくなりましたね。 以下が「ThinkSystem」サーバーのラインナップ一覧になります。「System x」と「ThinkServer」のラインナップが最新CPUのXeon Scalableを搭載してマージされました。 ・ラック型2ソケットサーバーのラインナップ拡大 今回新たにラック型サーバーに2U2ソケットの「SR590」、1U2ソケットの「SR570」が追加されています。 これまでLenovoの2ソケットラック型サーバーと言えば1Uの「x3550 M5」か、2Uの「x3650 M5」のどちらかでしたので、あまり選択肢がなく1Uか2Uかでモデルを決めていたのですが、今回、「バリュー」「バリュープラス」「メインストリーム」の3種類それぞれに1Uと2Uが並び、計6種類となりました。各サーバーの違いは搭載可能なCPU、メモリ、ディスク本数などが異なる点です。拡張性があまり必要でない場合に「バリュー」や「バリュープラス」のモデルを選択できるなど、要件に対してこれまで以上に柔軟にモデル選定ができるようになりますね。 ・その他サーバー タワー型、ブレード型サーバー、高密度サーバー、ミッション・クリティカルサーバーはそれぞれの現行モデルからの後継ThinkSystemサーバーがあるので、大きなラインナップ変更はありません。 ・1ソケットサーバーは「ThinkSystem」ではありません 今回、1ソケットサーバーはThinkSystemに統合されずにこれまでの名称のまま販売されます。System xでは1Uラック型の「System x3250 M6」、ThinkServerでは1Uラック型の「RS160」、タワー型の「TS150」「TS460」の計4種類が該当します。 ・サポートOSに注意 ThinkSystemサーバーではWindows Server 2008R2やESXi 5.5など、System x がサポートしている一部の古いOSをサポートしていません。ですので、これらのOSを利用する必要がある場合は、System x での導入を検討ください。 *サポートOSの詳細は各サーバーのシステムガイドをご確認ください。 2.ストレージ DSシリーズ/DBシリーズ ・Lenovo StorageはSシリーズ2種類(S2200/S3200)がこれまで販売されていましたが、ThinkSystemサーバーと合わせて更新され、DSシリーズとして新たに3種類(DS6200/4200/2200)が発表されました。 また、SANスイッチもこれまでのBシリーズ(16Gbps対応)からDBシリーズという32Gbps対応のSANスイッチにラインナップが更新されました。 大規模向けSANダイレクターのDB400D/800DはBシリーズ時にはなかったラインナップで、今回新たに追加されました。 なお、ストレージVシリーズ(V3700v2、V5030、V5030F)は今回、ThinkSystemに統合されていませんので、引き続き併売されます。 3.ネットワークスイッチ NEシリーズ ・ThinkSystemのネットワークスイッチはNEシリーズとして計5種類が発表されました。 これらのスイッチには、CNOS(Cloud Networking Operating System )という新しいネットワークOSが搭載されています。 このCNOSは、スケール性、簡単さ、オープン性、各種スクリプトによる自動化の実現に向けて開発されました。 まとめ いかがでしょうか。IBM時代からおなじみの「System x」サーバーはこれまで順当にM2→M3→M4→M5と名前を更新し続けていましたが、1種類を残しとうとう無くなります。昔から関わっていた者としては寂しいですが、1つに統合されてラインナップも拡充したThinkSystemは、お客様の選択肢も大きく広げてくれると期待しています。1ソケットサーバーやストレージのVシリーズなどThinkSystemに含まれなかったものもありますので、少し分かりづらいと思われるかもしれません。選定に迷ったら弊社までぜひご相談いただければデザインからモデル選定など幅広くご支援させていただきます。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 9/19(火)に御茶ノ水ソラシティにて開催された「IBM Notes/Domino Day 2017 -今日と未来のコラボレーション」に参加してきました。 そのイベント内でいくつか参考になりそうな情報がありましたので共有します。 1.Domino Applications on Cloud 今まで、クラウドを検討したけれど、Notes DBだけがどうしてもオンプレ環境に残ってしまうんだよね・・・とクラウド移行を断念してしまっていた方には朗報です。自社開発のNotes DBもクラウド環境で利用できるサービスが10月から開始になります。 その名も「Domino Applications on Cloud」です。 詳細な内容が判明するGA(発表)は10月ということなので、料金は不明ですが、現時点で以下のことが判明しています。 ・課金は.nsf単位の月額課金 ・利用は最低10DBから ・PassportAdvantageとしての提供 ・BYOL(Bring Your Own License)モデル ←自分で購入したライセンスを持ち込むということです ・初期契約期間は最低1年間 ・PaaS(といいつつほぼSaaSに近い形)での提供 ・提供する環境はDocker上のDominoサーバー ・オンプレミスと同じ組織認証者を使用可能 ・オンプレ環境と複製することが可能 ・Notesクライアント、Webブラウザ、ICAAから利用可能(IMAPやPOPクライアントからはアクセス不可) ・保存データは暗号化される ・1DBあたり最大25GBの容量 ・月次レポートの提供 etc... これらのこと以外にも、Dominoサーバーのバージョンアップは勝手に行われますし、DAOSの有効化などもオプションで提供されるようです。 1点注意が必要なのは、Dominoサーバーの管理自体はIBM(サービス提供元)が実施します。オンプレではサーバーの設定を自身で変更することができましたが、このサービスでは、設定変更ができません。 細かいセキュリティ設定をしたい!とか、細かいログを取得して参照したい!ということができなくなります。 逆に良い点は、10月のサービス開始時点からデータセンターとして日本が選択できますので、国外にデータを持ち出す必要がなく、安心して使えるということがあります。初期は3拠点(アメリカ、日本、ドイツ・オランダ)のみですが、今後中国やオーストラリアにも拡大予定があるということなので、お客様拠点に近いDCにDBを配置することもできそうです。 これまではIBMとしてはメールのSaaSサービスしかなかったので、Notes/Dominoを使っているお客様のサービス利用の検討が活発化していくのではないでしょうか。 2.Notes/Dominoアップデート Notes/Dominoは2016年からバージョンを9.0.1から9.0.2に変えるというようなFixPackの提供ではなく障害修正と機能追加を行う「Feature Pack」というものを提供する形式に変わりました。 例えば、最新版だとFeature Pack 9が提供されており、バージョン情報としては「Domino 9.0.1 FP9」という書き方になります。 この変更によって、バージョンを変えずに新機能を利用できる環境となりました。実際に、IBM Cloud上でしか提供されていなかった「IBM Verse」をオンプレミスで利用できるように機能拡張していたり、ADFS3.0のサポートのように新しい機能へのサポートも追加されています。 次に予定されているFP10では以下のアップデートが予定されているということです。 ・DominoサーバーのDockerサポート ・JVM 1.8への対応 ・Eclipse/OSGi 4.6.2へのアップグレード ・Domino REST APIの拡張 DominoサーバーのDockerサポートは、Domino Applications on Cloudでも利用している技術ですが、一般的にどういう利用シーンが想定されるのかが気になりますね。 また、基調講演の中で、今後のNotes/Dominoについて、Globalの責任者であるEd Brillさんが「2018年にはDominoの新しいバージョン(9.0.2か10になるかは分からないけれど)について発表があるかもね」と言っていました。 Notes/Domino 9.0.1は現時点では最低でも2021年9月まではサポートをすると明示的に宣言していますが、後続バージョンが出てくれば、更に長期的なサポートが期待できるので、安心してご利用頂ける環境になってきますね。 ちなみに、Notes/Domino 8.5.xは2018年9月30日でサポート終了の発表がされていますので、該当バージョンをご利用の方は9.0.1へのバージョンアップと共にクラウド化というのも是非ご検討下さい。 3.まとめ 今回のイベントの目玉は間違いなくDomino Applications on Cloudの発表です。Office 365にメールは移行したけれど、アプリケーションだけはどうしてもオンプレで残ってしまった、というお客様は十分検討する価値があるサービスだと思います。 また、次バージョンについても示唆していたので、9.0.1でNotes/Dominoが終わってしまうということは無さそうです。 REST APIもどんどん拡張が進んでいるので、他システムからDominoのデータを呼び出すということもできる環境が整ってきています。 まだまだ進化するNotes/Dominoはこれからも楽しみですね。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 1年前ほど前と比べて、最近HCIを提供するベンダーが増えてきましたね。よい頃合いだと思いますので、現時点でのHCIについてまとめてみます。 Nutanix(Nutanix NXシリーズ及びOEM製品) HCIといえばNutanix。と言われるほどの存在になったのではないでしょうか。過去の記事で詳細をお伝えしているので、機能的なことはそちらをご参照ください。(ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説!、ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! vol2、ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! vol3) 最近のNutanixはHCIという枠組みを飛び出した発表を多数行っています。 例えば、「Xi Cloud Services」というパブリッククラウド上でNutanixのソフトウェアスタックを稼働させてIaaSとして提供するサービスがあります。当初はGoogle Cloud Platformでのみ稼働し、DR用途限定で開始のサービスです。 HCIと言えばオンプレミスに設置する専用ハードウェアというイメージがありますが、Nutanixはハイブリッドクラウドへの対応を進めています。 他にもNutanix Calmという機能でマーケットプレイスからプログラムを半自動で導入する機能も発表になっています。 これらの最新のサービス・機能は6月末のNutanixのイベントで発表になったもので、リリースはされていないため詳細が不明ですが、Nutanixが向かっている方向がHCIの枠にとらわれていないことが分かると思います。 他社の製品には無いのが、vSphereだけではなくHyper-VやXenServer、自社開発したAcropolis Hypervisorなど多くの種類のハイパーバイザーサポートです。 また、いろいろな会社の製品上でのサポートもあり、DellやLenovo製品上ではOEMとしての提供を、HPEやCiscoUCSでの稼働を「勝手にサポート」するなどしています。 極めつけは、IBM PowerSystem上での稼働もサポートしています。 HCIという枠組みを超えてどんどん進化するNutanixですので、「変わらないこと」を要件とするような環境にはもしかしたら向かないのかもしれませんね。 Dell EMC(VxRAIL) ハイパーバイザーとしては圧倒的なシェアを誇るVMwareが提供するvSANを使ったHCIがVxRAILです。管理はVxRAIL Managerから行います。(もちろんvCenterによる管理もあります) 特徴としてはNutanixと同じぐらいの製品ラインナップがあること、同梱ソフトウェアにEMCのRecoverPoint for VMやCloudArrayが含まれる事があります。 特にRecoverPoint for VMはRPOを数秒で設定できるので、仮想マシンをほぼ任意の時点に復旧することが可能となります。 CloudArrayは、クラウドにデータを逃がす機能ですが、この機能があるのはVxRAILとNutanixだけです。 x86サーバー向けのハイパーバイザーであるvSphereで有名なVMwareが提供するvSANがストレージ部分なので、VxRAILは今後も採用実績を伸ばしていくのではないかと想像します。 HPE(SimpliVity 380 with OmniStack) 今年の1月にHPEが買収したSimpliVityという会社の製品をProLiant上で稼働させるようにしたのが「SimpliVity 380 with OmniStack」です。 この製品の最大の特徴は、ストレージの機能を補うためのハードウェアアクセラレータを搭載しているという点です。 他のHCIはストレージをソフトウェアで定義していますが、SimpliVityはストレージの処理をこのアクセラレータに任せることで重複排除や圧縮の処理を他社よりも粒度のサイズを小さく処理でき、より高いデータ削減効果を得られるようにしています。 ディスクに書き込みデータ到達する前にデータ容量や書き込み回数が減るので、その分パフォーマンスが上がる効果もありそうです。 個人的に気になるのは、HPEらしくディスクの保護はRAIDを採用している点です。現時点ではAll Flashモデルだけなのであまり気にしなくてもよいのですが、HDDモデルが出てくると当然大容量HDDを搭載することになります。RAIDによる保護の欠点は障害時のリカバリが容量に比例して遅くなる点にあり、復旧処理中に二次障害が発生するとデータ全損となる恐れもあります。 SimpliVityでは他のノードに同じデータをコピーして保護するのでさすがにデータが飛んでしまうような状況は無さそうですが、今後1台あたりのHDD容量が増えてくると(HCIかどうかに関わらず)注意が必要となります。 Cisco(HyperFlex) 過去のブログ記事で詳細を書いていますので、詳しくはそちらをご参照頂きたいと思います。 上記のブログにも記載がありますが、Blade型ノードが使えるのがHyperFlexの特徴の一つとなります。 しかし、UCSファブリックインターコネクト(以下FI)というネットワークポートと管理機能が一体になった製品が別途必要になるというところが注意点です。 FIの存在がCisco UCSの強みではありますが、HyperFlexを導入する際にもFIは必須の機器になります。 NetApp 詳細情報があまり出ていませんが、SolidFireをベースにしたAll FlashのHCIです。ストレージ部分はSolidFireでONTAPではないようです。 概要としては2U4ノードのシャーシにストレージノードとコンピューティングノードを混載する構成で、最小で2シャーシからになります。また、ストレージとコンピュート部分が完全に分離しています。 All Flashストレージなので当然高パフォーマンスが期待できますが、その分価格に反映されるのが懸念事項です。 いかんせんこれ以上の詳細な情報が無いので、現時点では何とも言えないところです。この絵だけ見ると、これってHCIなの?と思うのですが。。。 まとめ 各社それぞれ特徴があるので、ケースバイケースでどの製品を採用するのか、適材適所での採用となることが多くなりそうです。 国内での実績ではNutanixやVxRAILが多いですが、SimpliVityもこれから伸びてきそうです。 ご紹介した5つの製品は全て弊社からご提案することもできますので、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
この記事のポイント Watson API によって、急速に成長する 第3次 AI (人工知能)ブームの波に乗り遅れることなくビジネスに参入できる機会が広がっています。 当ブログは、企画部の担当が改めて Watson ビジネスについてその可能性を考え、「今だからこそ利用するタイミングである」と判断した理由について記載します。 主に営業、企画、マーケティングやマネージャークラスの方を対象として記述しております。 内容は担当者の個人的な見解が含まれております。また、急成長している市場とテクノロジーですので、最新の情報はリンクのソースを見て確認いただきますよう予め了承ください。 先に結論:「今こそ、Bluemix で Watson 日本語版を使うべき4つの理由」 1.IBM Watson の日本語環境は7月から、大きな縛りがなくなり、より利用しやすくなった 2.Watson は、コグニティブ・システムを実現するための要素を Web API として提供している 3.API エコノミーは 260 兆円を超える市場に成長する予測がある 4.Bluemix はクラウドサービスのデパートのような存在でありながら、すぐに利用開始可能である 上記4つの理由によって、技術者だけでなく、ビジネスを拡大させるミッションの営業、企画、マーケティングの方も Bluemix を評価・利用しない理由が見当たらないという結論に至りました。 1.4.については、弊社のビジネスパートナー様向けに、"MERITひろば" にて詳細をご紹介しています。 日々進展するWatson API(日本語対応)ここをチェックしよう 「え?12 個でしょ?13 個なの?」 弊社の企画部のリサーチメンバーにおいても、今日(2017年7月1日)現在での Watson API の日本語環境リリースは 13 個か?12 個か?で意見がわかれていました。 正解は 12 個。IBM Bluemix カタログの Web サイトで公開されています。ログインしなくとも見ることができるのでまずはページを開いて俯瞰してみましょう。 13 個だと認識していたメンバーは IBM WatsonのDeveloper Cloudのサイトを見ていました。 前者は IBM Bluemix のサイト、後者は IBM マーケットプレイスのサイト。マーケットプレイスはリリースされて間もないのですが、ある API は IBM 以外の会社が開発し、カタログとして掲載しているので数に違いが出ました。 今後、マーケットプレイスの API は増えていく見込みです。 12個どころではない、実は以前からフル機能使えていたBluemix 英語 Web サイトではもっと多くの APIs が公開されており、英語アレルギーが無い人々、開発者などはフル機能の恩恵、先行者利益を得ていたことでしょう。 しかし、焦らなくとも大丈夫です。この市場はまだまだ今後成長することが予想されており、この記事を読んでからすぐに「まずはやってみよう」という気持ちで進めてください。 手順や契約など不明な点がある方はお気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。弊社ビジネスパートナー様は担当がご説明差し上げます。 日本語の IBM Bluemix サイトに掲載されている API もまだ完全に日本語対応していないのですが、日々進展しております。 260兆円市場? そもそも API(エーピーアイ)とは? アプリケーションプログラミングインタフェース(API、英: Application Programming Interface)とは、ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様である。(出典:Wikipedia) この API はWeb API のことを示しており、ソフトウェアの一部を Web 上に公開することによって、誰でも外部から利用することができる仕組みです。 例えば、Instagram (インスタグラム)のアカウントを作成するときに、Facebook アカウントでそのまま利用することができますが、他のアプリ、サービスのアカウントで認証する仕組みも API を使っているのです。アプリケーション同士が連携でき、開発側は API を使うことでその機能を自社で開発する必要がないという大きな利点があります。 この API を提供する側の市場は「APIエコノミー」と呼ばれ、2018年には 260 兆円市場に成長するという予測もあります。 では、API 提供者しか利益を享受出来ないのかと言えばそうではありません。 API を組み合わせる、データを提供する、新たなサービスを作るといった”付加価値”をつけることで新たなビジネスを創出できる点が重要なのです。 海外で人気の API をローカライズ(翻訳)してサービス提供するだけでも立派なモデルとなり得ると思います。 また、この2年ではチャットボットを使った会話形のサービスも数多く生まれてきましたが、 Conversation という Watson API の日本語版を使うことでチャットボットの開発は効率化され、貴社の資産(データ)があらたなビジネスにつながる可能性が高まっています。 スタートアップや Web 系のベンチャーは当たり前のように使っている API を是非、貴社のビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。 2017年7月版 APIを使ったデモサイトを見てみよう! 百聞は一見にしかず、実際に Watson API デモを見てみましょう。12個の API から今回は 2 つの API デモサイトをご紹介。 その1:画像から意味を検出しちゃう! 「Visual Recognition」 この API はその名のとおり、画像を判別する機能で、ユーザ独自の画像判別モデルを手軽に作成できます。 Web 上で公開されているいくつかのデモの中で、日本情報通信株式会社の Bluemix デモサイト に記載されている記事を紹介します。 「ハッピーターン」と「ばかうけ」を判別することが出来る? 日本人にピッタリの良いデモですね(笑)。判定させるために、ハッピーターンとばかうけの画像をWatsonに学習させています。 また、技術サイト Qiita では、X(旧称:Twitter)で話題になった「ラブラドールとフライドチキン」の画像を Visual Recognition API で判定させてみたブログもありす。 そこで、私も使ってみました。デモサイトは英語版ですが、画像系なので抵抗ありません。 エンジニアではないため、試しに画像を Upload しただけ、10 分で体験しました。 サイトは冒頭で紹介した IBM Watson Developer Cloud の英語版サイト。 サンプルの画像をクリックするか、自分で画像をアップロードしてみよう!とのことで、この画像をアップロードすることにします。 そうです、MERITひろば のロゴです。 学習をさせていない Watson に判定さてみます。ロゴ画像を指定し、待つこと5秒。結果がこちら。 Watson が MERIT ひろば のロゴから読み取った意味は「Jobcentre」 0.57、「Office」 0.57と続きます。Watsonは正解に対する確信度を0~1の数字で表しているので、0.5をちょっと超えていますがが「うーん、たぶんJobcentre?」という感じでしょうか。 ハッピーターンの時のように学習させてませんから無理もありません。 ところで、jobcentre とは何でしょうか。どうやら、イギリス版ハローワークのようです。 Google は似ている画像を検索していますが、Visual Recognition API はネット上を検索するのではなく、その画像の意味を考えたのですね。 今後は「あの MERITひろば でしょ?」と Watson に言わせたいと思いました。 その2:テキストから筆者の性格を推定しちゃう「Personality Insights」 次は、言語分析をして、文章を書いた人の思考や性格を推定する API です。 では、早速このブログ記事のここまでの文章をコピペして診断します。・・・約 3,400 文字ですが、待つこと2秒で結果がでました。 かなり攻めの姿勢がある人物ですね(笑) 右上に記載されている「下記のような傾向がありそうです」については、具体的ですのでわかりやすく、正直あたっていると思います。 X(旧称:Twitter)アカウントを入力すると過去のツイートから性格判断をしてくれます。 さて、この API をビジネスに展開するにはどのようなアプローチが考えられるでしょうか。 例えば、人事・採用の現場で SNS のデータから人物の特性を見る・・・というのは序の口で、特定の著者の文章を学習させ、校閲をWatsonが実施し、「この著者はこのような表記を使わない。もしかして◯◯では?」という示唆をしてくれるかも知れません。 もちろん、商品のマーケティングで SNS を分析して消費者の反応を解析するのにも役に立ちます。「これヤバくない?」がどちらの意味のヤバイなのかは前後の会話や状況、その人の過去のヤバイの使い方によって反対できるのかも知れません。 自社でどのように Bluemix 、Watson API を検証し、ビジネスにつなげていけばよいか ここまではテクノロジーの可能性を見てきましたが、いざ自分たちのビジネスにつなげるにはどのようなアプローチが必要でしょうか。 使ってみる!という最初の一歩を踏み出すには、まずは自分(自社)の得意な領域で評価してみるのが良いと思います。 例えば、IBM の特約店など、旧来から IBM 製品を販売してきた企業の場合を考えてみます。 会社では Notes を利用していますが、Notes に蓄積されている文書データの解析に Watson を利用してみることを検討したとします。そうです、共有 DB などの膨大な文書が存在しているはずです。 これらは、カテゴリに分けて整理されていると思いますが、探す時だけでなく、文書を作成し登録する際にも「どのカテゴリが適しているか」に悩んだことはありませんか? テキスト解析を活用すれば、ユーザは文章を Notes に放り込むだけで、Watson が文書の中身をみて、適切なカテゴリに配置してくれるという仕組みが考えれます。 これによって、社員の生産性があがる可能性があります。 このようなナレッジを社内に作ることで、自社の顧客の製造業に対して、製品の利用者のデータが膨大に集まっているが活用できていないケースを見つけ、サービスを構築することにつながるかも知れません。(もしくはデータを集めるビジネスモデルを提案できるかも知れません) 最後に IBM Bluemix、IBM Watson API (日本語対応)について、2017 年は「まずは使ってみる」というビジネスの準備期間として取り組んでみてはいかがでしょうか。 この Web サイトを運営しているメンバーの一人が「日々投稿しているページのサムネイル画像の選択が大変なので、Watson に自動選定してほしい!」と言っていました。 今は人間がやっているが、自動化できるのではないか? 自動化されると助かる!という領域こそが Watson ビジネスの切り口になると思います。 若手のエンジニアや Web サービスを企画したい人に Watson API を使ったコンテストを実施し、その可能性を検証してみるものも良いでしょう。 API やクラウド、オープン系の技術をビジネスにつなげるきっかけは意外なところにあるかも知れません。 そのきっかけ作りをお手伝いします。お気軽に弊社までお問い合わせください。 ご案内 7月27日、8月31日に日本 IBM が主催となる IBM Watson 実践セミナーが東京で開催されます。ビジネスパートナー限定のセミナーです。 詳細はMERITひろばの案内ページをご覧ください。
皆さま、こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの岡田です。 仮想インフラの提案が必要になった際に、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下 HCI)を検討することも多くなってきたのではないでしょうか。Nutanixを始め各社からHCIが提供されていますが、Cisco社もCisco UCS(以下 UCS)をベースにしたHCIを提供しています。過去2回のCisco UCSブログに続き3回目の今回は、今年4月に発表になった、Cisco社のHCIであるHypertFlexとその最新アップデートの 2.0について紹介させていただきます。 (1回目)Cisco UCSってなんだ? (2回目)Cisco UCS Emulatorを触ってみよう! 1.そもそもHyperFlexとは 2.0を説明する前に、HyperFlexそのものについて説明します。 HyperFlex は2016年3月に発表されたUCSベースのHCI製品です。 ⇒ ここではHCIそのものの説明は割愛しますので、ご興味ありましたらこちらもご覧ください。(今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは) ・ハードウェアの特長 ラック型の「HX220c」「HX240c」、Blade型の「B200 M4」があります。(ちなみにコンピュートノード用途限定ですがBlade型のHCIがあるのはHyperFlexだけです)。最初のリリースではディスク構成としてはSSD+HDDのハイブリッド構成しか選択できないことや、既にUCSサーバーとファブリックインターコネクト(以下、FIと省略)を持っていても、HyperFlexは専用のFIが必要なことが課題でした。 ・対応ハイパーバイザー 現時点vSphereのみで、管理はvSphere Web Clientから行います。 以下のようにvCenterからHyperFlexのクラスタを管理することができます。 ・統合管理 コンピューティング、ストレージに加え、ネットワークの管理も統合できます。これはUCSが持つ特長ですが、他のHCIと比べてHyperFlexの特徴でもあります。 ・共有ストレージ HCIはサーバーのローカルディスクをソフトウェアを利用して共有ストレージ化してハイパーバイザーに提供しています。これをSoftware Defined Storage(以下、SDSと省略)と言いますが、HyperFlexのSDS部分は仮想アプライアンス型でSpringPath社の製品をOEM利用しています。 このような特長を持つHyperFlexが進化したものがHyperFlex2.0になります。 2.HyperFlex 2.0とは このようなHyperFlexですが、今年4月に2.0が発表になりました。 2.0の新しいトピックは以下になります。 ・オールフラッシュノードの追加 これまではハイブリッドモデルのみでしたが、オールフラッシュモデルが追加されました。これによりハイブリッドモデルと比べて大幅なパフォーマンス向上が可能となりますので、高い性能要件が求められる案件でもHyperFlexを検討できますね。NutanixやVxRailでは既にオールフラッシュモデルが選択できましたので、HyperFlexも追いついたということですね。 ちなみに、気になる性能ですが、HyperFlexのハイブリッドモデルと比べて最大で6倍のIOPS、5分の1の遅延になるとのことです。 ・40 Gbpsファブリックインターコネクトへの接続の対応 UCSファブリックインターコネクト(以下、FIと省略)の第三世代モデルであるUCS6300シリーズに対応し、40Gbpsネットワークが利用可能になります。オールフラッシュモデルの対応と合わせて、より高い負荷に対応できるようになりました。 ・既存FIへのHyperFlexノード追加 これまではHyperFlex専用のFIが必要であることが運用面および費用面での課題でしたが、2.0からは既存FI環境にHyperFlexノードを追加して構成することが可能になります。これにより、既存のFIを有効活用してUCSサーバーとHyperFlexをUCS Managerから統合管理することが可能となります。既にUCSとFIをお持ちの環境では管理効率が良くなりますね。 ・HyperFlex Edge(ROBO)登場 リモートオフィス/ブランチオフィス(ROBO: Remote Office and Branch Office)向けに設計されたシンプルなソリューションで、HX220ハイブリッドモデル3ノード構成。FIなしで1Gbネットワークが利用可能。ただし、拡張はできません。 ROBO向けとはなっていますが、FIが不要ということもあり、小規模案件でも検討できるかもしれませんね。 ・ その他に、HTML GUIオプションの提供やRESTful APIのサポートといった操作性の向上に関連したアップデートも含まれます。 3.まとめ いかがでしょうか。HyperFlexも他のHCIと同様に継続的にアップグレードが行われて進化していることがご理解いただけたかと思います。HyperFlexを選択する一番のメリットは、FIとUCS Managerでの統合管理だと思いますので、既にUCS環境が導入済みのお客様には最適なHCIです。また、まだUCS・FI環境をお持ちでない場合もまずはHyperFlex+FIを導入して、その後に続くサーバー導入にもUCSを選択いただくことで同様に統合管理が実現できます。 ぜひHCI選択の候補にHyperFlexもご検討ください。 ==================================================================== <関連情報> MERIT広場には、以下のような関連の製品情報、サポート保守のサービスの情報が提供されております。あわせて、ぜひ、ご活用ください。 ※ビジネスパートナー専用サイト(MERITひろば)のコンテンツです。ログイン or 新規会員登録が必要となります。 10分でわかる『Cisco UCS 製品』まとめ IBMの技術員がサポートする「CISCO UCS IBM保守サービス」 ==================================================================== この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp