皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。
IBM のグローバルイベントである「IBM Think 2018」(以下 Think)に参加するため、ラスベガスに行ってきました。
Think は 3/18-22の 5日間開催で、IBM の最新の情報や事例などのセッションが 2,700 以上(!)もあり、注力イベントになります。
セキュリティ、Watson 、ブロックチェーンといった最新テクノロジーや量子コンピュータIBM Qといった製品に至るまで幅広い範囲をカバーしています。
本記事ではハードウェアを中心の内容をお届けします。
1.伝統と革新のメインフレームIBM Z
IBM Z 関連でいくつか発表・言及がありました。
IBM Zというとメインフレームで枯れたハードウェアで老朽化にともない粛々とリプレースを繰り返す…そんなイメージがあるかと思います。
セキュリティに関しては、z14から、すべてのデータをOSレベルで100%暗号化を実現しています。
しかし、メインフレームであれば基本的にはローカルネットワーク上にあるはずで、そこまで強固な暗号化がそもそも必要なのか?という疑問が出るかと思います。
IBMからのメッセージは、データ活用、クラウド化、ブロックチェーンといったキーワードでした。
すなわちIBM Zのデータをもっと活用してより新しいサービスを提供しよう!
新しいサービスには、Watson等の他のシステムとの連携が必要になり、様々なシステムとつながることになり、よりいっそう脅威にさらされやすくなることを意味しています。
IBM Zは他のシステムとの連携で攻めに転じつつ、100%暗号化で守りも万全という攻守がそろったシステムとなります。
写真はz14、クリアパネルで中が見えるようになっていた特別な展示モデルです。
正確に言うと拡張ボードの筐体、中央のバックプレーンに対して前後で拡張ボードが刺さるという効率的なデザイン。
昔を知る人間からすると、NEC PC‐9800シリーズのCバスを彷彿とさせる構造。
2.OpenPower
OpenPower系ですが、IBM Powerとは別に展示がありました。
日本で未発売の1U Power9モデルやラックスペース社のモデル、Googleの社内使用の特別モデル
珍しいところでは、ロシア製の2Uで4ソケット、メモリが最大8TB搭載可能なPower8マシンもありました。
OpenPowerも盛り上がりを見せています。
ラックスペース社の実機。
普段はクラウド提供のため、実機がみられることはほぼないと思います。
PCIeをフレキシブルケーブル延長して横向きGPUを搭載するという凄い仕様
写真右のジャバラは何かと思ったら、引き出し構造になっており2.5インチのDiskスロットが横向きに並んでいる構造です。
おかげでスペース効率はかなりよさそうです。
3.IBM Q
IBMは量子ゲート方式の量子コンピュータを世界で唯一サービス提供しています。
ハードだけでなくソフトまで提供しているのはIBMのみで、今回新たに早期アクセス版の発表もあり
日本からは日立金属、本田技術研究所、長瀬産業、慶應義塾大学が参加します。
50Qbitの試作機の展示がありました。
といってもそのほとんどは冷却装置になります。
量子コンピュータにおける量子もつれ状態(重ね合わせ)の状態を維持するには、絶対零度近くまで冷やす必要があるためです。
また、電磁波といったノイズも影響を受けるため、実際動かすときはさらにカバーが付きます。
4.最後に
全体的な印象としては、例年開催しているIBMの複数のイベントをThinkに集約するという初めての試みもあったため非常に盛況でした。
会場はとても広かったのですが、それでも参加者が4万人ということもあり、基調講演といった特別なセッションがおわると人の流れがすごかったです。
基本すべて英語で行われますが、だんだん耳も慣れてきますので、習うより慣れろとはまさにこのことでした。
来年はサンフランシスコで行われますので興味のある方は参加をおすすめします。
Think2019のために、予定はあけておいてね!との事。
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