こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの佐野です。
最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。
第一回は概要編 (業務の効率化に役立つRPAとは?~概要編~)、
第二回はWinActor (業務の効率化に役立つRPAとは? ~WinActor編~)
についてでしたが、今回の第三回はIBM社が提供している「IBM RPA with Automation Anywhere」(以下IBM RPA with AA)を紹介します。
IBM RPA with AAとは?
IBM RPA with AAは、IBM社の製品ではありますが、RPA部分の中身はAutomation Anywhere社の製品を利用しています。
Automation Anywhereという会社とその製品を日本国内で聞くことはまだ少ないかもしれませんが、Automation Anywhere社の製品は2018年2QのForrester WaveにおいてLeaderポジションと位置付けられています。
日本国内でのシェアは高くありませんが、全世界的に見ると認知度が高く実績も多い製品です。
さて、そのAutomation Anywhere社のRPA製品と組み合わせたIBM RPA with AAですが、他の製品と何が違うのでしょうか?
一番大きな違いは、業務全体を最適化するための支援ツールであるBusiness Automation Workflow製品(旧Business Process Manager)が同梱されていることです。
この製品と組み合わせて利用すると、対象業務の全体像やどこがボトルネックとなっているのかを把握できるようになり、またプロセスのどこが人間でどこをロボットに実施させるのか、を設定ができます。
IBM RPA with AAの製品としては”Platform”と”Platform Express”の2種類が提供されており、PlatformにはBusiness Automation Workflowだけでなく判断ロジックを外部で管理するIBM Operational Decision ManagerとOCR機能であるIBM DataCapも同梱されています。
なので、Platformを購入すればOCRの利用や複雑な判断が入るような処理を実装する時に別の製品を購入する必要がありません。
また、SAP連携やCitrix連携モジュールが製品内に用意されているため、これらの操作を自動化する際には楽にロボットを作成することができます。
IBM RPA with AAの使い方
まず、IBM RPA with AAは”サーバー型”の製品なので、管理サーバー(Control Room)が必須です。
ロボットの実行やステータスは管理サーバーで管理されますので、普段は管理サーバーを確認しておけば済みます。
サーバーでロボットを管理するので、勝手にロボットが増殖し誰も管理できていないという状況を防げるのが強みです。
ロボットを作る時には、一からロボットの動作を定義するのではなく、レコード機能を利用することができます。
オブジェクトを取得する”Smart Recorder”、座標を取得する”Screen Recorder”、HTMLの構造を取得する”Web Recorder”の3つのレコードを搭載しているので、場面に応じた最適な方法を選択することができます。
また、ロボットに実装できるコマンドは約500種類もあるため、大体の操作はAutomation Anywhereの機能で実現できます。
では、実際の操作を見てみましょう。
まずは簡単にメモ帳に”demo”と打ってそれを”demo.txt”ファイルとして保存するということをレコードします。
“Record”ボタンを押すと画面の右下に四角い”Recording”ウィンドウが表示されます。これがレコード中ということを示すもので、レコードが終わったら”Stop”ボタンを押すだけです。
結果は切れてしまっているので次の画面を見てください。
“Actions List”にレコードした結果が自動的に出力されています。
正しく実行できるのか”Run”ボタンを押して確認をすると、先ほどレコードした操作が同じように実行できていることが分かります。
※ファイル保存処理の部分が目視できないほど高速処理となってしまっています。分かりづらく申し訳ありません。
“Actions List”内の内容がロボットが実行する動作を定義したものですが、一見するとプログラミング言語で記載されているように見えます。
自分でロボットを作る時に全部書かないといけないとするとしんどい、と思うかもしれませんがご安心ください。
コードのように見えますが、ここは直接編集できず、設定はすべてGUIベースとなります。
例えば”If”の動作設定画面は以下のようになります。
画面では設定した特定のフォルダーがある時の動作を定義しています。If文で使う条件と比較する対象を設定するだけなのでコーディングとは全く違うものになります。
画面左側の”If/Else”カテゴリから”Folder Exists”を右側のペインにドラッグ&ドロップし、設定をするだけで1から3行目の動作が自動的に挿入されます。
ですので、簡単にロボットを作ることができるということが理解頂けるかと思います。
まとめ
今回はIBM RPA with Automation Anywhereの導入部分のみのご紹介で全てをご紹介しきれていません。
ロボットの動作を定義する部分の見た目はコーディングしているように見えますが、実際にはGUIで設定をしていること、レコード機能をうまく使えば手作業で動作を設定することが少なく済むことを理解頂ければ今回のブログは成功です。
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