こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの佐野です。
最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。
第一回記事は概要編でしたが、今回は第二回としてNTT-AT社が製品として出荷している「WinActor®」を紹介します。
1.WinActorってどんな製品?
RPA製品全般的にですが、実現できることは「パソコン上の操作の実行」です。
例えば、Webページ上の特定の情報をExcelに転記する、テキストのデータを読み込んでWebサイトに入力する、などがあります。
WinActorはNTT-AT社が開発した製品で、初期の製品出荷開始が2014年と既に4年もの出荷実績があります。
この製品の主な特長としては以下が挙げられます。
・日本国内でのシェアNo.1(情報元:WinActorサイト)
・国産製品なのでGUIはもちろん日本語
・フローチャート形式でシナリオを作成
実際のロボット作成画面は以下のようになります。
画面の左下の部分がロボットの動作を定義する画面ですが、フローチャートのようになっていることが分かりますね。
・WinActorが用意している部品や画像マッチングを利用して様々なアプリケーションの操作が可能
ExcelやWordなどはWinActor自体が用意している部品を使って、例えばExcelのアクティブなセルの移動や値のコピー、書式設定といった操作を実現できます。
それ以外の部品の用意されていないアプリケーションに関しては画像マッチングで対象を特定することで、様々なアプリケーションの操作が可能になります。
簡単な例として、NotesDBに対する新規文書作成操作のデモを画像認識とテキスト入力だけで作ったのでご覧下さい。
デモの中で、黄色の枠が画像認識をした部分の動作になります。例えば最初の画面では「ディスカッション」と書かれた文字の画像を認識してNotesDBを開いています。
・専用サーバーが不要で、WindowsPC 1台だけでも稼働可能
WinActorはサーバーを用意する必要が無く、PC上にインストール・稼働可能です。
WinActorを利用開始するための初期投資としてはWinActorライセンス費用+シナリオ作成作業費用(+WinActor実行用PC)のみですので、安価にRPAの利用が開始できます。
サーバー不要でPC上のみで完結できる製品をデスクトップ型の製品と呼びますが、対して専用サーバーでロボットの実行・管理をする製品もあります。こちらはサーバー型の製品となります。
それぞれの違いについては次章で解説をします。
2.デスクトップ型とサーバー型
今回紹介しているWinActorは「デスクトップ型」の製品ですが、世の中の他のRPA製品には「サーバー型」のものもあります。
何が違うのでしょうか?
ポイントは「ロボットの管理」です。
デスクトップ型
デスクトップ型はRPAのソフトウェアをPC上に導入し、そこでロボットを稼働させます。
全て1台の端末上で完結するため、個人の端末上でも、部門共有PCでも導入することができ、現場での取り回しが容易な形式です。
デスクトップ型の利用イメージとしては以下のようになります。
1つ注意が必要な点としては、デスクトップ型の製品ではロボットが処理を実行している時にはPCを占有するため、個人のPCに入れるというよりも専用PCを用意することを推奨しています。
デスクトップ型製品では、簡単にロボットを作成・稼働できるのがよい点ですが、反面、全社で統一管理をしたいという要望がある場合には不向きです。
WinActorの場合、統合管理するソリューションを追加できるよう準備していますので、このような要望にも対応できるように機能拡張をしています。
サーバー型
デスクトップ型はデスクトップ上でロボットを動かす。それに対してサーバー型は「サーバー上でロボットを動かす」から「サーバー型」なんじゃないか?と推測するかもしれません。
サーバー型は「ロボットをサーバー上で管理する」のでサーバー型と呼ばれます。
当然管理するためのサーバーを別途用意する必要がありますので、その分費用も高くなりがちですが、ロボットの実行環境を増やしたい場合には一元管理するメリットが活きるので比較的大きな環境向けといえるでしょう。
また、製品にもよりますが、PC上でもサーバー上でもどちらでもロボットを実行可能です。
ロボットの実行は管理サーバー上で管理されますので、管理者が管理サーバー上でスケジュール実行や実行トリガーの設定をすることによって実行できます。(手動実行もできます)
構成のイメージは以下のようになります。
3.まとめ
WinActorの画面イメージや簡単なデモ動画をご紹介しましたが、どのような製品かイメージがついたでしょうか。
WinActorはロボットを作る操作がさほど難しくなく、RPAで実現する生産性向上の第一歩として使い始める製品としては非常に有用です。
まずは身近な業務で複数の人が同じような業務を行っているのであれば、そこからRPA化を着手してみるのもいいのではないでしょうか。
※WinActor®はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
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