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2017年12月11日

【特集ブログ】IBM Watsonが支援する「働き方改革」 ~時間と場所を超えて個人とチームの力を最大化~

カモシーこと、日本IBM 鴨志田です。 昨今、「働き方改革」という言葉を耳にしない日はありませんが、実際に取り組まれている企業はどのくらいあるのでしょうか? ある調査によりますと、既に取り組んでいる企業の割合は、36.4%(2017年調査*1)と前年に比べ4.5ポイント上昇しています。一方、6割強の企業では、取り組んでいない、わからないという状況であり、「働き方改革」への取り組みも様々であり、またどこから取り組んでよいのかわからないお客様も多いという実態のようです。 日本の人口構成の変化に伴い、労働力の低下が避けられない今、限られた労働時間内でいかに効率良く生産性を高められるかが問われています。ここでは、身近なところから「生産性の向上」を追求し、「働き方改革」に寄与するソリューションをご紹介いたします。 *1 出展:NTTデータ経営研究所「働き方改革の取り組みと職場へのインパクト」   身近なところから生産性向上を目指す 日頃、仕事の中で、時間を取られてしまっていることは何でしょうか? 「会議」「メールの処理」「資料検索・作成」に多くの時間を費やしていませんか? そのため、「会議を減らしたい」「メールを減らしたい」と言った方の割合がそれぞれ、76%、68%にのぼります*2。また、日本IBMの社内調査によると資料の検索や作成といった資料準備にかかる時間に43%も取られてしまっているという結果があります。我々は、この「会議」「メール」「資料準備」といった身近なところにメスを入れ、生産性向上を目指し、働き方改革の第一歩を踏み出していただくことを推奨いたします。 *2 出展:ガートナー ジャパン「日本における社内コミュニケーションに関する調査」     効率よく会議をこなす 「会議」にもいろいろなタイプのものがあると思います。部門やチームでの定例会議や突発的な会議など様々です。 会議を開催するところから会議終了およびそこで出た宿題のフォローと言った会議に係る一連の行動を追ってみたいと思います。 項番 会議開催で 行うこと IT ツールを使った対応 予想効果 1 会議を招集 グループウェアで参加者および会議室の空き時間検索、会議招集、出欠の返信 各参加者への確認時間の削減 2 議題や資料の共有 グループウェアで会議案内時に連絡、または別途資料共有の場で共有 会議時間の短縮、説明・報告時間の削減による会議の質の向上 3 当日の開催 Web会議による外出先や自宅からの参加 移動時間(事業所に戻る、出張)の削減 4 議事録作成 共同編集ツールによるリアルタイム共有、質疑応答、アイディア出し等の共同作成・編集 発言機会の均等、リモート参加の孤立感の排除 5 宿題管理 同上 その場で認識、承諾 6 宿題の進捗 同上のツールを利用した進捗報告、コメント、タスク完了のOn/Off 次回の会議を待たずして進捗や早めの軌道修正   「きほんのき」グループウェアを使った空き時間検索 既にご利用の方も多いと思いますが、上記1. グループウェアを利用した会議参加者メンバーや会議室の空き時間検索および会議招集です。ここで最も大事なのは、メンバー自身の日頃予定を必ずグループウェアに登録していることです。これをやっておかないと空き時間検索の意味がなくなります。「あ、そこは予定が入ってます。手帳で管理してました」なんて言われるとせっかくの生産性向上が台無しです。基本中の基本(きほんのき)ですね。最近ですと、スマホでご自身の予定表を見ることも多いと思いますので、きちんとグループウェアに登録して、外出先やスマホで見えるように習慣づけられているのではないか思います。グループウェアの代表格である IBM Notes/Domino (IBM Verse も同様)のカレンダーの使い方ガイドがありますので、ご参照のほどお願いします。 ▼カレンダーのクイックリファレンス(IBM Knowledge Center ”IBM Notes 9.0.0" より)   会議の質の向上 続きまして上記2.議題や資料を事前に共有することによる「会議の質の向上」です。 会議を減らしたいと言ってもなかなか減らすことは難しいのではないでしょうか。であるならば、「会議の時間を短くする」「会議の時間配分を考え効果的に進める」ようにして会議の質の向上を目指してはいかがでしょうか。その方法はちょっとしたことで可能になります。つまり、事前に議題や当日の資料を共有しておくことです。カレンダーの本文内にそれらの内容を記載しても良いですし、Box などのファイル共有、Box Notes (後述します) などの文書管理ツールを利用して共有することも良いと思います。あとは、事前に共有したものを参加者全員が事前に目を通しておくことをルール化することが重要です。   Web会議による外出先や自宅からの参加 次に、3.「Web会議」です。先程も述べました通り、会議そのものを減らすことは容易ではないと思います。であるならば、会議の質を変えるとともに、その会議への参加方法も柔軟に対応できること、これも効率よく会議をこなし、生産性向上を図ることに繋がると思います。 これは利用者にとってありがたいツールです。直接対面で会議をすることが最も意思疎通を図れると思いますが、会議のための移動コストを考えると、Web会議で十分事が足りるという会議も多いのではないでしょうか。しかもPCで利用するだけでなく、タブレット端末等のスマートデバイスで手軽に利用できることが一層の利便性を増します。 IBM Connections Meetings Cloud というクラウド (SaaS) によるサービスで、インターネットに接続するだけで利用できます。 また、Web会議は、1.で紹介しましたグループウェアの会議招集の際に同時にセットすることができます。議長は会議室を予約するのと同じ感覚で、Web会議の部屋を選択するだけ、会議参加者は会議の時間になったらWeb会議に参加するボタンもしくは設定されたURLをクリックするだけで、会議に参加できます。           【 カレンダーにて会議やWeb会議の設定画面 】      【 Web 会議に スマートデバイスから参加 】   会議の進行や進捗を支援するBox Notes 続いて、4.-6.を支援するソリューションをご紹介します。「Box Notes」です。 Box は、クラウド(SaaS)型のファイル・コンテンツ管理ソリューションですが、Box Notesという便利な”おまけ”が付いています。「Box Notes」は、リアルタイムに共同編集できる文書管理ツールのようなもので、これを利用することで、会議議事録を作成できるだけでなく、 議題に対して質問や意見を同時に書き込んでいくことができます。特に、同じ会議室で参加している人だけでなく、リモートからWeb会議で参加している人であっても、タブレットなどから書き込みを行い、アイディア出しや意見を言い、会議に積極的に参加することができます。 さらに、ToDoを作成していくこともできるので、宿題事項はToDo(タスク)として列記することができます。従来、会議の議事録管理はどのようにされていましたでしょうか? 「誰かがWord等で作成し、会議終了後にメールに添付をして送る。一旦開いたら次の会議になるまで 見ない、宿題事項も次回の会議にならないと経過・結果がわからない」となっていませんか? Box Notesでは、宿題への書き込みがあった場合に通知を行ったり、"@-メンション"機能でお知らせをしたりすることができます。次の会議開催を待たずして、進捗を共有し、経過を見ていく中で、アドバイスをしたり方向性が違っていれば軌道修正をすることができるのです。 会議改善の例 ある製造業様の事例ですが、前述の1.-6.を利用することで次のような効果が出ています。 これまでの課題 ・会議に時間がかかり、半分は資料説明や報告の時間 ・次のアクションや進捗が見えない、次回の会議にならないとわからない IT・コラボレーションツールの利用での改善 ・事前に資料をアップし、対策討議に集中できる ・リアルタイムに議事録を生成し、全員でToDoを確認できる ・次回の会議を待たなくてもToDoの進捗を確認、コメントできる   以下の図で示すような数字で表す効果が出ています。           【 会議改善効果の例 】 是非、皆様も身近な「会議の改善」から「働き方改革」に着手してみませんか?   ★予告★ 次回は、"メール"にメスを入れます!ご期待ください。

2017年09月29日

いまさら聞けないInfiniBand

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。 最近、AIやディープラーニング基盤がブームとなっております。 そんな中で弊社にも1台では処理能力が不足するため、サーバー同士を接続してクラスタリングし、システムの処理能力を高めたいとの相談があります。 その際、ポイントとなるサーバー同士を接続するネットワーク基盤として、InfiniBandか10Gbps~40GbpsEtherとの比較で悩まれる方が多いかと思います。 InfiniBandはよくわからないからEtherでと選択される方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか? InfiniBandはメリットがありますが、残念ながらEtherほど普及はしていないため 資料も非常に少なく、何なのかよくわからない方も多いと思います。 そこで今回は「InfiniBand」について解説いたします。 InfiniBandの歴史 デビューは2000年となり、歴史はかなり古いです。 当初はIntelがPCI-Xの次世代規格として超強力に推進していましたが、結果PCI-Explessが主流となり目論見が外れIntelは早々に撤退、MicrosoftもWindowsServer2003でネイティブサポートしないことを発表したりと冬の時代が続きます。 最近では、2012年にIntelがQlogicからInfiniBand事業を買収して再参入といった動きがあります。 なお、WindowsServer2012以降では標準ドライバが付属しますので、現在では安心してお使いいただけます。 InfiniBandのコンセプト(理想) InfiniBandの基本コンセプトは“Bandwidth Out of the Box”となります。 抄訳しますと、PCI-Expressのような内部の広帯域バスをそのまま外部接続用のポートとして使用するとなります。 内部バスという数十cmという短距離からSASのような周辺機器系との数~10m程度の接続、Etherのような10kmといった長距離通信まですべてを賄うという野心的な規格でした。(当初の計画では…) InfiniBandの用途(現実) さて、InfiniBandの現実ですが、歴史でもふれたように 内部接続についてはPCI-Expressに奪われてしまい頓挫しました。 現実には内部接続で採用された例はありません。 また、周辺機器系との接続についてもUSBやSAS、FCが主流となっており、IBM Flash900のような一部の例を除いてInfiniBandの出番はありません。 当然のように長距離通信についてはEtherが主流となっており、こちらも出番がありません。 InfiniBand活躍する場面はIBMのA9000やEMCのVMAXといったStorageコントローラーとStorageコントローラ、もしくはStorageコントローラ、Storageドロワー間を超高速で接続するといった用途やHPCのノード間接続(サーバ同士の接続)に利用されています。 市販されている製品でも結構採用はされていますが、エンドユーザーの気づかないところに使われていることが多いです。 InfiniBandのメリット では何がInfiniBandの何が、メリットでしょうか? わかりやすく言いますと、3点です。 1.超高速 2.低レイテンシ 3.低価格 1.超高速 以下にInfiniBandの規格を並べます。 SDR DDR QDR FDR EDR 1X 2Gbps 4Gbps 8Gbps 14Gbps 25Gbps 4X 8Gbps 16Gbps 32Gbps 56Gbps 100Gbps 12X 24Gbps 48Gbps 96Gbps 168Gbps 300Gbps 1X、4X、12Xというのはチャンネル数で複数を束ねることにより高速化を実現します。 通常一般的に販売されているHCA(Etherカードのようなもの)やスイッチは4Xタイプのものですので 4Xを基準として見ていただくとわかりやすいかと思います。 現行世代はEDRとなり、100Gbpsになります。 なお、2017年中に次世代のHDRが登場予定です。 速度は4Xで200Gbpsとなります。 100GbpsならEtherもあるではないか?と思われる方もいると思いますが、次に記載する、2と3の理由からメリットがあります。 2.低レイテンシ InfiniBandは低レイテンシです。 ※1 理由は複数ありますが、TCP/IPと比較して、もともと高速にやり取りするために設計されていること、高速にやり取りするためのプロトコルが実装されていることが挙げられます。 その一つに最近はEtherでも実装されていますが、RDMAがあります。 RDMAはものすごくおおざっぱに説明しますと宅配BOXのような仕組みです。 TCP/IPですと、配達先の住人の有無の確認、荷物の受け渡し、印鑑の授与が必要で、すべてにおいて受取人(CPU)を介する必要がありますが RDMAですと、配達先の宅配BOX(メモリ)の空きを確認するだけで後はBOXに配達して、完了通知して終了となり、CPUをほとんど介さずにデータ転送することが可能です。 3.低価格 InfiniBandは速度のわりに超低価格です。 なぜか?ベンダーであるMellanoxが長年頑張ってきたのも 理由の一つですがSDR~EDR、すべての世代においてメタルケーブルを標準供給してきたのが非常に大きいです。 残念ながらEDRでは最大長が3メートルとなってしまいましたが、ラック内配線としては十分です。 光ケーブルですと長距離配線が可能ですが、トランシーバーモジュールの価格が非常に高価になりますので、価格が吊り上がります。 スイッチについても、FCスイッチと比較すると半額以下、しかも1台で済んでしまいます。 比較するメーカーによりますが、100GbpsEtherスイッチと比較しても相当に安価な価格で提供されています。 なお、3メートル以上の配線を行いたい場合は光ケーブルの用意もございますのでご安心ください。 必要なところのみ光ケーブルで配線してもらえればと思います。 参考:Mellanox MCP1600-E003 Passive Copper Cable IB EDR up to 100GbpsQSFP LSZH  3m 26AWG  mellanox.com 参考価格210ドル -100Gbpsでメタルケーブルは驚異的!26AWGなので取り回しはかなり固そうです。なお、画像はイメージなので、3mはありません。 参考:Mellanox MFA1A00-C100 Active Fiber Cable Ethernet 100GbE 100Gb/s QSFP LSZH 100m  mellanox.com 参考価格3057ドル -こちらはファイバの100mケーブル、トランシーバー内蔵しています。100mなので特に高額ですが、ファイバタイプだとこういう価格帯になります。 まとめ InfiniBandは特に同一ラック内といった短距離接続であれば比類なき速度と低価格を実現します。 IBMでも純正オプションとして供給しており、StorageではFlash900、サーバーではMinsky等のPowerSystemに搭載可能です。 供給ベンダも実質Mellanoxがほとんどで、一部Qlogic(Intel)といった状況ですので、相性問題も皆無です! ネックは知名度の低さだけですので、これを機にぜひ活用していただければと思います。 ※1 InfiniBandパフォーマンス http://jp.mellanox.com/page/performance_infiniband この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2017年09月28日

Lenovo 新ブランド『ThinkSystem』の登場!

皆さま、こんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 岡田です。 今年7月にインテル社が新しいサーバー用CPU「Xeon Processor Scalable Family(以下、Xeon Scalable)」を発表し、各サーバーメーカーからこの新型CPUを搭載したサーバーが発表されました。HPE社はGen9→Gen10、Dell EMC社は13G→14Gと順当な名称変更でしたが、Lenovo社はこれを機にサーバー、ストレージおよびネットワーク製品の新ブランドである「ThinkSystem」を発表しました。 まず全体像ですが、今回Lenovoエンタープライズ製品群は以下の3つのブランドに分けられることになりました。管理系の「XClarity」とソフトウェア・デファインド製品群の「ThinkAgile」、そしてサーバー・ストレージ・ネットワークスイッチを統合した「ThinkSystem」になります。 今回のブログでは、このうちのサーバー・ストレージ・ネットワークの「ThinkSystem」の特長について説明していきます。 1.2つのサーバーブランドの統合 これまでLenovoは旧IBM 系の「System x」と旧Lenovo系の「ThinkServer」の2種類がありましたが、今回統合され「ThinkSystem」サーバーとなりました。これまで「System x」と「ThinkServer」の使い分けに悩むこともあったかもしれませんが、今回、整理統合されたことで分かりやすくなりましたね。 以下が「ThinkSystem」サーバーのラインナップ一覧になります。「System x」と「ThinkServer」のラインナップが最新CPUのXeon Scalableを搭載してマージされました。 ・ラック型2ソケットサーバーのラインナップ拡大 今回新たにラック型サーバーに2U2ソケットの「SR590」、1U2ソケットの「SR570」が追加されています。 これまでLenovoの2ソケットラック型サーバーと言えば1Uの「x3550 M5」か、2Uの「x3650 M5」のどちらかでしたので、あまり選択肢がなく1Uか2Uかでモデルを決めていたのですが、今回、「バリュー」「バリュープラス」「メインストリーム」の3種類それぞれに1Uと2Uが並び、計6種類となりました。各サーバーの違いは搭載可能なCPU、メモリ、ディスク本数などが異なる点です。拡張性があまり必要でない場合に「バリュー」や「バリュープラス」のモデルを選択できるなど、要件に対してこれまで以上に柔軟にモデル選定ができるようになりますね。 ・その他サーバー タワー型、ブレード型サーバー、高密度サーバー、ミッション・クリティカルサーバーはそれぞれの現行モデルからの後継ThinkSystemサーバーがあるので、大きなラインナップ変更はありません。 ・1ソケットサーバーは「ThinkSystem」ではありません 今回、1ソケットサーバーはThinkSystemに統合されずにこれまでの名称のまま販売されます。System xでは1Uラック型の「System x3250 M6」、ThinkServerでは1Uラック型の「RS160」、タワー型の「TS150」「TS460」の計4種類が該当します。 ・サポートOSに注意 ThinkSystemサーバーではWindows Server 2008R2やESXi 5.5など、System x がサポートしている一部の古いOSをサポートしていません。ですので、これらのOSを利用する必要がある場合は、System x での導入を検討ください。 *サポートOSの詳細は各サーバーのシステムガイドをご確認ください。   2.ストレージ DSシリーズ/DBシリーズ ・Lenovo StorageはSシリーズ2種類(S2200/S3200)がこれまで販売されていましたが、ThinkSystemサーバーと合わせて更新され、DSシリーズとして新たに3種類(DS6200/4200/2200)が発表されました。 また、SANスイッチもこれまでのBシリーズ(16Gbps対応)からDBシリーズという32Gbps対応のSANスイッチにラインナップが更新されました。 大規模向けSANダイレクターのDB400D/800DはBシリーズ時にはなかったラインナップで、今回新たに追加されました。 なお、ストレージVシリーズ(V3700v2、V5030、V5030F)は今回、ThinkSystemに統合されていませんので、引き続き併売されます。 3.ネットワークスイッチ NEシリーズ ・ThinkSystemのネットワークスイッチはNEシリーズとして計5種類が発表されました。 これらのスイッチには、CNOS(Cloud Networking Operating System )という新しいネットワークOSが搭載されています。 このCNOSは、スケール性、簡単さ、オープン性、各種スクリプトによる自動化の実現に向けて開発されました。 まとめ いかがでしょうか。IBM時代からおなじみの「System x」サーバーはこれまで順当にM2→M3→M4→M5と名前を更新し続けていましたが、1種類を残しとうとう無くなります。昔から関わっていた者としては寂しいですが、1つに統合されてラインナップも拡充したThinkSystemは、お客様の選択肢も大きく広げてくれると期待しています。1ソケットサーバーやストレージのVシリーズなどThinkSystemに含まれなかったものもありますので、少し分かりづらいと思われるかもしれません。選定に迷ったら弊社までぜひご相談いただければデザインからモデル選定など幅広くご支援させていただきます。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2017年09月21日

【参加してみた】IBM Notes/Domino Day 2017

皆さんこんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 佐野です。 9/19(火)に御茶ノ水ソラシティにて開催された「IBM Notes/Domino Day 2017 -今日と未来のコラボレーション」に参加してきました。 そのイベント内でいくつか参考になりそうな情報がありましたので共有します。 1.Domino Applications on Cloud 今まで、クラウドを検討したけれど、Notes DBだけがどうしてもオンプレ環境に残ってしまうんだよね・・・とクラウド移行を断念してしまっていた方には朗報です。自社開発のNotes DBもクラウド環境で利用できるサービスが10月から開始になります。 その名も「Domino Applications on Cloud」です。 詳細な内容が判明するGA(発表)は10月ということなので、料金は不明ですが、現時点で以下のことが判明しています。 ・課金は.nsf単位の月額課金 ・利用は最低10DBから ・PassportAdvantageとしての提供 ・BYOL(Bring Your Own License)モデル ←自分で購入したライセンスを持ち込むということです ・初期契約期間は最低1年間 ・PaaS(といいつつほぼSaaSに近い形)での提供 ・提供する環境はDocker上のDominoサーバー ・オンプレミスと同じ組織認証者を使用可能 ・オンプレ環境と複製することが可能 ・Notesクライアント、Webブラウザ、ICAAから利用可能(IMAPやPOPクライアントからはアクセス不可) ・保存データは暗号化される ・1DBあたり最大25GBの容量 ・月次レポートの提供 etc... これらのこと以外にも、Dominoサーバーのバージョンアップは勝手に行われますし、DAOSの有効化などもオプションで提供されるようです。 1点注意が必要なのは、Dominoサーバーの管理自体はIBM(サービス提供元)が実施します。オンプレではサーバーの設定を自身で変更することができましたが、このサービスでは、設定変更ができません。 細かいセキュリティ設定をしたい!とか、細かいログを取得して参照したい!ということができなくなります。 逆に良い点は、10月のサービス開始時点からデータセンターとして日本が選択できますので、国外にデータを持ち出す必要がなく、安心して使えるということがあります。初期は3拠点(アメリカ、日本、ドイツ・オランダ)のみですが、今後中国やオーストラリアにも拡大予定があるということなので、お客様拠点に近いDCにDBを配置することもできそうです。 これまではIBMとしてはメールのSaaSサービスしかなかったので、Notes/Dominoを使っているお客様のサービス利用の検討が活発化していくのではないでしょうか。   2.Notes/Dominoアップデート Notes/Dominoは2016年からバージョンを9.0.1から9.0.2に変えるというようなFixPackの提供ではなく障害修正と機能追加を行う「Feature Pack」というものを提供する形式に変わりました。 例えば、最新版だとFeature Pack 9が提供されており、バージョン情報としては「Domino 9.0.1 FP9」という書き方になります。 この変更によって、バージョンを変えずに新機能を利用できる環境となりました。実際に、IBM Cloud上でしか提供されていなかった「IBM Verse」をオンプレミスで利用できるように機能拡張していたり、ADFS3.0のサポートのように新しい機能へのサポートも追加されています。 次に予定されているFP10では以下のアップデートが予定されているということです。 ・DominoサーバーのDockerサポート ・JVM 1.8への対応 ・Eclipse/OSGi 4.6.2へのアップグレード ・Domino REST APIの拡張 DominoサーバーのDockerサポートは、Domino Applications on Cloudでも利用している技術ですが、一般的にどういう利用シーンが想定されるのかが気になりますね。 また、基調講演の中で、今後のNotes/Dominoについて、Globalの責任者であるEd Brillさんが「2018年にはDominoの新しいバージョン(9.0.2か10になるかは分からないけれど)について発表があるかもね」と言っていました。 Notes/Domino 9.0.1は現時点では最低でも2021年9月まではサポートをすると明示的に宣言していますが、後続バージョンが出てくれば、更に長期的なサポートが期待できるので、安心してご利用頂ける環境になってきますね。 ちなみに、Notes/Domino 8.5.xは2018年9月30日でサポート終了の発表がされていますので、該当バージョンをご利用の方は9.0.1へのバージョンアップと共にクラウド化というのも是非ご検討下さい。   3.まとめ 今回のイベントの目玉は間違いなくDomino Applications on Cloudの発表です。Office 365にメールは移行したけれど、アプリケーションだけはどうしてもオンプレで残ってしまった、というお客様は十分検討する価値があるサービスだと思います。 また、次バージョンについても示唆していたので、9.0.1でNotes/Dominoが終わってしまうということは無さそうです。 REST APIもどんどん拡張が進んでいるので、他システムからDominoのデータを呼び出すということもできる環境が整ってきています。 まだまだ進化するNotes/Dominoはこれからも楽しみですね。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2017年09月07日

最近のHCIまとめ[2017年9月版]

皆さんこんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 佐野です。 1年前ほど前と比べて、最近HCIを提供するベンダーが増えてきましたね。よい頃合いだと思いますので、現時点でのHCIについてまとめてみます。   Nutanix(Nutanix NXシリーズ及びOEM製品) HCIといえばNutanix。と言われるほどの存在になったのではないでしょうか。過去の記事で詳細をお伝えしているので、機能的なことはそちらをご参照ください。(ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説!、ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! vol2、ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! vol3) 最近のNutanixはHCIという枠組みを飛び出した発表を多数行っています。 例えば、「Xi Cloud Services」というパブリッククラウド上でNutanixのソフトウェアスタックを稼働させてIaaSとして提供するサービスがあります。当初はGoogle Cloud Platformでのみ稼働し、DR用途限定で開始のサービスです。 HCIと言えばオンプレミスに設置する専用ハードウェアというイメージがありますが、Nutanixはハイブリッドクラウドへの対応を進めています。 他にもNutanix Calmという機能でマーケットプレイスからプログラムを半自動で導入する機能も発表になっています。 これらの最新のサービス・機能は6月末のNutanixのイベントで発表になったもので、リリースはされていないため詳細が不明ですが、Nutanixが向かっている方向がHCIの枠にとらわれていないことが分かると思います。 他社の製品には無いのが、vSphereだけではなくHyper-VやXenServer、自社開発したAcropolis Hypervisorなど多くの種類のハイパーバイザーサポートです。 また、いろいろな会社の製品上でのサポートもあり、DellやLenovo製品上ではOEMとしての提供を、HPEやCiscoUCSでの稼働を「勝手にサポート」するなどしています。 極めつけは、IBM PowerSystem上での稼働もサポートしています。 HCIという枠組みを超えてどんどん進化するNutanixですので、「変わらないこと」を要件とするような環境にはもしかしたら向かないのかもしれませんね。   Dell EMC(VxRAIL) ハイパーバイザーとしては圧倒的なシェアを誇るVMwareが提供するvSANを使ったHCIがVxRAILです。管理はVxRAIL Managerから行います。(もちろんvCenterによる管理もあります) 特徴としてはNutanixと同じぐらいの製品ラインナップがあること、同梱ソフトウェアにEMCのRecoverPoint for VMやCloudArrayが含まれる事があります。 特にRecoverPoint for VMはRPOを数秒で設定できるので、仮想マシンをほぼ任意の時点に復旧することが可能となります。 CloudArrayは、クラウドにデータを逃がす機能ですが、この機能があるのはVxRAILとNutanixだけです。 x86サーバー向けのハイパーバイザーであるvSphereで有名なVMwareが提供するvSANがストレージ部分なので、VxRAILは今後も採用実績を伸ばしていくのではないかと想像します。   HPE(SimpliVity 380 with OmniStack) 今年の1月にHPEが買収したSimpliVityという会社の製品をProLiant上で稼働させるようにしたのが「SimpliVity 380 with OmniStack」です。 この製品の最大の特徴は、ストレージの機能を補うためのハードウェアアクセラレータを搭載しているという点です。 他のHCIはストレージをソフトウェアで定義していますが、SimpliVityはストレージの処理をこのアクセラレータに任せることで重複排除や圧縮の処理を他社よりも粒度のサイズを小さく処理でき、より高いデータ削減効果を得られるようにしています。 ディスクに書き込みデータ到達する前にデータ容量や書き込み回数が減るので、その分パフォーマンスが上がる効果もありそうです。 個人的に気になるのは、HPEらしくディスクの保護はRAIDを採用している点です。現時点ではAll Flashモデルだけなのであまり気にしなくてもよいのですが、HDDモデルが出てくると当然大容量HDDを搭載することになります。RAIDによる保護の欠点は障害時のリカバリが容量に比例して遅くなる点にあり、復旧処理中に二次障害が発生するとデータ全損となる恐れもあります。 SimpliVityでは他のノードに同じデータをコピーして保護するのでさすがにデータが飛んでしまうような状況は無さそうですが、今後1台あたりのHDD容量が増えてくると(HCIかどうかに関わらず)注意が必要となります。   Cisco(HyperFlex) 過去のブログ記事で詳細を書いていますので、詳しくはそちらをご参照頂きたいと思います。 上記のブログにも記載がありますが、Blade型ノードが使えるのがHyperFlexの特徴の一つとなります。 しかし、UCSファブリックインターコネクト(以下FI)というネットワークポートと管理機能が一体になった製品が別途必要になるというところが注意点です。 FIの存在がCisco UCSの強みではありますが、HyperFlexを導入する際にもFIは必須の機器になります。   NetApp 詳細情報があまり出ていませんが、SolidFireをベースにしたAll FlashのHCIです。ストレージ部分はSolidFireでONTAPではないようです。 概要としては2U4ノードのシャーシにストレージノードとコンピューティングノードを混載する構成で、最小で2シャーシからになります。また、ストレージとコンピュート部分が完全に分離しています。 All Flashストレージなので当然高パフォーマンスが期待できますが、その分価格に反映されるのが懸念事項です。 いかんせんこれ以上の詳細な情報が無いので、現時点では何とも言えないところです。この絵だけ見ると、これってHCIなの?と思うのですが。。。   まとめ 各社それぞれ特徴があるので、ケースバイケースでどの製品を採用するのか、適材適所での採用となることが多くなりそうです。 国内での実績ではNutanixやVxRAILが多いですが、SimpliVityもこれから伸びてきそうです。 ご紹介した5つの製品は全て弊社からご提案することもできますので、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2017年07月19日

AI ビジネス:今こそ Bluemix で Watson 日本語版を使うべき4つの理由

この記事のポイント Watson API によって、急速に成長する 第3次 AI (人工知能)ブームの波に乗り遅れることなくビジネスに参入できる機会が広がっています。 当ブログは、企画部の担当が改めて Watson ビジネスについてその可能性を考え、「今だからこそ利用するタイミングである」と判断した理由について記載します。 主に営業、企画、マーケティングやマネージャークラスの方を対象として記述しております。 内容は担当者の個人的な見解が含まれております。また、急成長している市場とテクノロジーですので、最新の情報はリンクのソースを見て確認いただきますよう予め了承ください。   先に結論:「今こそ、Bluemix で Watson 日本語版を使うべき4つの理由」 1.IBM Watson の日本語環境は7月から、大きな縛りがなくなり、より利用しやすくなった 2.Watson は、コグニティブ・システムを実現するための要素を Web API  として提供している 3.API エコノミーは 260 兆円を超える市場に成長する予測がある 4.Bluemix はクラウドサービスのデパートのような存在でありながら、すぐに利用開始可能である 上記4つの理由によって、技術者だけでなく、ビジネスを拡大させるミッションの営業、企画、マーケティングの方も Bluemix を評価・利用しない理由が見当たらないという結論に至りました。 1.4.については、弊社のビジネスパートナー様向けに、"MERITひろば" にて詳細をご紹介しています。   日々進展するWatson API(日本語対応)ここをチェックしよう   「え?12 個でしょ?13 個なの?」 弊社の企画部のリサーチメンバーにおいても、今日(2017年7月1日)現在での Watson API の日本語環境リリースは 13 個か?12 個か?で意見がわかれていました。 正解は 12 個。IBM Bluemix カタログの Web サイトで公開されています。ログインしなくとも見ることができるのでまずはページを開いて俯瞰してみましょう。 https://console.bluemix.net/catalog/?category=watson     13 個だと認識していたメンバーは IBM WatsonのDeveloper Cloudのサイトを見ていました。 https://www.ibm.com/watson/jp-ja/developercloud/services-catalog.html   前者は IBM Bluemix のサイト、後者は IBM マーケットプレイスのサイト。マーケットプレイスはリリースされて間もないのですが、ある API は IBM 以外の会社が開発し、カタログとして掲載しているので数に違いが出ました。 今後、マーケットプレイスの API は増えていく見込みです。   12個どころではない、実は以前からフル機能使えていたBluemix   英語 Web サイトではもっと多くの APIs が公開されており、英語アレルギーが無い人々、開発者などはフル機能の恩恵、先行者利益を得ていたことでしょう。 しかし、焦らなくとも大丈夫です。この市場はまだまだ今後成長することが予想されており、この記事を読んでからすぐに「まずはやってみよう」という気持ちで進めてください。 手順や契約など不明な点がある方はお気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。弊社ビジネスパートナー様は担当がご説明差し上げます。 日本語の IBM Bluemix サイトに掲載されている API もまだ完全に日本語対応していないのですが、日々進展しております。   260兆円市場? そもそも API(エーピーアイ)とは?   アプリケーションプログラミングインタフェース(API、英: Application Programming Interface)とは、ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様である。(出典:Wikipedia) この API はWeb API のことを示しており、ソフトウェアの一部を Web 上に公開することによって、誰でも外部から利用することができる仕組みです。 例えば、Instagram (インスタグラム)のアカウントを作成するときに、Facebook アカウントでそのまま利用することができますが、他のアプリ、サービスのアカウントで認証する仕組みも API を使っているのです。アプリケーション同士が連携でき、開発側は API を使うことでその機能を自社で開発する必要がないという大きな利点があります。 この API を提供する側の市場は「APIエコノミー」と呼ばれ、2018年には 260 兆円市場に成長するという予測もあります。 出典:http://news.mynavi.jp/articles/2016/01/12/bizapieconomy/     では、API 提供者しか利益を享受出来ないのかと言えばそうではありません。 API を組み合わせる、データを提供する、新たなサービスを作るといった”付加価値”をつけることで新たなビジネスを創出できる点が重要なのです。 海外で人気の API をローカライズ(翻訳)してサービス提供するだけでも立派なモデルとなり得ると思います。 また、この2年ではチャットボットを使った会話形のサービスも数多く生まれてきましたが、 Conversation という Watson API の日本語版を使うことでチャットボットの開発は効率化され、貴社の資産(データ)があらたなビジネスにつながる可能性が高まっています。 スタートアップや Web 系のベンチャーは当たり前のように使っている API を是非、貴社のビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。   2017年7月版 APIを使ったデモサイトを見てみよう!   百聞は一見にしかず、実際に Watson API デモを見てみましょう。12個の API から今回は 2 つの API デモサイトをご紹介。   その1:画像から意味を検出しちゃう! 「Visual Recognition」   この API はその名のとおり、画像を判別する機能で、ユーザ独自の画像判別モデルを手軽に作成できます。 Web 上で公開されているいくつかのデモの中で、日本情報通信株式会社の Bluemix デモサイト に記載されている記事を紹介します。     「ハッピーターン」と「ばかうけ」を判別することが出来る? 日本人にピッタリの良いデモですね(笑)。判定させるために、ハッピーターンとばかうけの画像をWatsonに学習させています。   また、技術サイト Qiita では、Twitter で話題になった「ラブラドールとフライドチキン」の画像を Visual Recognition API で判定させてみたブログもありす。   そこで、私も使ってみました。デモサイトは英語版ですが、画像系なので抵抗ありません。 エンジニアではないため、試しに画像を Upload しただけ、10 分で体験しました。 サイトは冒頭で紹介した IBM Watson Developer Cloud の英語版サイト。   サンプルの画像をクリックするか、自分で画像をアップロードしてみよう!とのことで、この画像をアップロードすることにします。   そうです、MERITひろば のロゴです。 学習をさせていない Watson に判定さてみます。ロゴ画像を指定し、待つこと5秒。結果がこちら。   Watson が MERIT ひろば のロゴから読み取った意味は「Jobcentre」 0.57、「Office」 0.57と続きます。Watsonは正解に対する確信度を0~1の数字で表しているので、0.5をちょっと超えていますがが「うーん、たぶんJobcentre?」という感じでしょうか。 ハッピーターンの時のように学習させてませんから無理もありません。 ところで、jobcentre とは何でしょうか。どうやら、イギリス版ハローワークのようです。   Google は似ている画像を検索していますが、Visual Recognition API はネット上を検索するのではなく、その画像の意味を考えたのですね。 今後は「あの MERITひろば でしょ?」と Watson に言わせたいと思いました。   その2:テキストから筆者の性格を推定しちゃう「Personality Insights」   次は、言語分析をして、文章を書いた人の思考や性格を推定する API です。 https://personality-insights-livedemo.mybluemix.net/   では、早速このブログ記事のここまでの文章をコピペして診断します。・・・約 3,400 文字ですが、待つこと2秒で結果がでました。   かなり攻めの姿勢がある人物ですね(笑) 右上に記載されている「下記のような傾向がありそうです」については、具体的ですのでわかりやすく、正直あたっていると思います。 Twitter アカウントを入力すると過去のツイートから性格判断をしてくれます。 さて、この API をビジネスに展開するにはどのようなアプローチが考えられるでしょうか。 例えば、人事・採用の現場で SNS のデータから人物の特性を見る・・・というのは序の口で、特定の著者の文章を学習させ、校閲をWatsonが実施し、「この著者はこのような表記を使わない。もしかして◯◯では?」という示唆をしてくれるかも知れません。 もちろん、商品のマーケティングで SNS を分析して消費者の反応を解析するのにも役に立ちます。「これヤバくない?」がどちらの意味のヤバイなのかは前後の会話や状況、その人の過去のヤバイの使い方によって反対できるのかも知れません。   自社でどのように Bluemix 、Watson API を検証し、ビジネスにつなげていけばよいか   ここまではテクノロジーの可能性を見てきましたが、いざ自分たちのビジネスにつなげるにはどのようなアプローチが必要でしょうか。 使ってみる!という最初の一歩を踏み出すには、まずは自分(自社)の得意な領域で評価してみるのが良いと思います。 例えば、IBM の特約店など、旧来から IBM 製品を販売してきた企業の場合を考えてみます。 会社では Notes を利用していますが、Notes に蓄積されている文書データの解析に Watson を利用してみることを検討したとします。そうです、共有 DB などの膨大な文書が存在しているはずです。 これらは、カテゴリに分けて整理されていると思いますが、探す時だけでなく、文書を作成し登録する際にも「どのカテゴリが適しているか」に悩んだことはありませんか? テキスト解析を活用すれば、ユーザは文章を Notes に放り込むだけで、Watson が文書の中身をみて、適切なカテゴリに配置してくれるという仕組みが考えれます。 これによって、社員の生産性があがる可能性があります。 このようなナレッジを社内に作ることで、自社の顧客の製造業に対して、製品の利用者のデータが膨大に集まっているが活用できていないケースを見つけ、サービスを構築することにつながるかも知れません。(もしくはデータを集めるビジネスモデルを提案できるかも知れません)     最後に   IBM Bluemix、IBM Watson API (日本語対応)について、2017 年は「まずは使ってみる」というビジネスの準備期間として取り組んでみてはいかがでしょうか。 この Web サイトを運営しているメンバーの一人が「日々投稿しているページのサムネイル画像の選択が大変なので、Watson に自動選定してほしい!」と言っていました。 今は人間がやっているが、自動化できるのではないか? 自動化されると助かる!という領域こそが Watson ビジネスの切り口になると思います。 若手のエンジニアや Web サービスを企画したい人に Watson API を使ったコンテストを実施し、その可能性を検証してみるものも良いでしょう。 API やクラウド、オープン系の技術をビジネスにつなげるきっかけは意外なところにあるかも知れません。 そのきっかけ作りをお手伝いします。お気軽に弊社までお問い合わせください。   ご案内 7月27日、8月31日に日本 IBM が主催となる IBM Watson 実践セミナーが東京で開催されます。ビジネスパートナー限定のセミナーです。 詳細はMERITひろば の案内ページをご覧ください。     ご参考情報 製品情報 ▼IBM Bluemix 関連製品情報 ▼IBM API Connect ▼IBM Watson Explorer(WEX)

2017年06月30日

Cisco HyperFlex アップデート

皆さま、こんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 岡田です。 仮想インフラの提案が必要になった際に、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCIと省略)を検討することも多くなってきたのではないでしょうか。Nutanixを始め各社からHCIが提供されていますが、Cisco社もCisco UCS(以下、UCSと省略)をベースにしたHCIを提供しています。過去2回のCisco UCSブログに続き3回目の今回は、今年4月に発表になった、Cisco社のHCIであるHypertFlexとその最新アップデートの 2.0について紹介させていただきます。 (1回目)Cisco UCSってなんだ? (2回目)Cisco UCS Emulatorを触ってみよう!   1.そもそもHyperFlexとは 2.0を説明する前に、HyperFlexそのものについて説明します。 HyperFlex は2016年3月に発表されたUCSベースのHCI製品です。 ⇒ ここではHCIそのものの説明は割愛しますので、ご興味ありましたらこちらもご覧ください。(今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは) ・ハードウェアの特長 ラック型の「HX220c」「HX240c」、Blade型の「B200 M4」があります。(ちなみにコンピュートノード用途限定ですがBlade型のHCIがあるのはHyperFlexだけです)。最初のリリースではディスク構成としてはSSD+HDDのハイブリッド構成しか選択できないことや、既にUCSサーバーとファブリックインターコネクト(以下、FIと省略)を持っていても、HyperFlexは専用のFIが必要なことが課題でした。 ・対応ハイパーバイザー 現時点vSphereのみで、管理はvSphere Web Clientから行います。 以下のようにvCenterからHyperFlexのクラスタを管理することができます。 ・統合管理 コンピューティング、ストレージに加え、ネットワークの管理も統合できます。これはUCSが持つ特長ですが、他のHCIと比べてHyperFlexの特徴でもあります。 ・共有ストレージ HCIはサーバーのローカルディスクをソフトウェアを利用して共有ストレージ化してハイパーバイザーに提供しています。これをSoftware Defined Storage(以下、SDSと省略)と言いますが、HyperFlexのSDS部分は仮想アプライアンス型でSpringPath社の製品をOEM利用しています。 このような特長を持つHyperFlexが進化したものがHyperFlex2.0になります。 2.HyperFlex 2.0とは このようなHyperFlexですが、今年4月に2.0が発表になりました。 2.0の新しいトピックは以下になります。 ・オールフラッシュノードの追加 これまではハイブリッドモデルのみでしたが、オールフラッシュモデルが追加されました。これによりハイブリッドモデルと比べて大幅なパフォーマンス向上が可能となりますので、高い性能要件が求められる案件でもHyperFlexを検討できますね。NutanixやVxRailでは既にオールフラッシュモデルが選択できましたので、HyperFlexも追いついたということですね。 ちなみに、気になる性能ですが、HyperFlexのハイブリッドモデルと比べて最大で6倍のIOPS、5分の1の遅延になるとのことです。 ・40 Gbpsファブリックインターコネクトへの接続の対応  UCSファブリックインターコネクト(以下、FIと省略)の第三世代モデルであるUCS6300シリーズに対応し、40Gbpsネットワークが利用可能になります。オールフラッシュモデルの対応と合わせて、より高い負荷に対応できるようになりました。 ・既存FIへのHyperFlexノード追加 これまではHyperFlex専用のFIが必要であることが運用面および費用面での課題でしたが、2.0からは既存FI環境にHyperFlexノードを追加して構成することが可能になります。これにより、既存のFIを有効活用してUCSサーバーとHyperFlexをUCS Managerから統合管理することが可能となります。既にUCSとFIをお持ちの環境では管理効率が良くなりますね。 ・HyperFlex Edge(ROBO)登場 リモートオフィス/ブランチオフィス(ROBO: Remote Office and Branch Office)向けに設計されたシンプルなソリューションで、HX220ハイブリッドモデル3ノード構成。FIなしで1Gbネットワークが利用可能。ただし、拡張はできません。 ROBO向けとはなっていますが、FIが不要ということもあり、小規模案件でも検討できるかもしれませんね。 ・ その他に、HTML GUIオプションの提供やRESTful APIのサポートといった操作性の向上に関連したアップデートも含まれます。   3.まとめ いかがでしょうか。HyperFlexも他のHCIと同様に継続的にアップグレードが行われて進化していることがご理解いただけたかと思います。HyperFlexを選択する一番のメリットは、FIとUCS Managerでの統合管理だと思いますので、既にUCS環境が導入済みのお客様には最適なHCIです。また、まだUCS・FI環境をお持ちでない場合もまずはHyperFlex+FIを導入して、その後に続くサーバー導入にもUCSを選択いただくことで同様に統合管理が実現できます。 ぜひHCI選択の候補にHyperFlexもご検討ください。 ==================================================================== <関連情報> MERIT広場には、以下のような関連の製品情報、サポート保守のサービスの情報が提供されております。あわせて、ぜひ、ご活用ください。 ※ビジネスパートナー専用サイト(MERITひろば)のコンテンツです。ログイン or 新規会員登録が必要となります。 10分でわかる『Cisco UCS 製品』まとめ IBMの技術員がサポートする「CISCO UCS IBM保守サービス」 ==================================================================== この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2017年06月20日

WASのバージョンアップでビジネスが拡がる!?

皆様こんにちは。ちょっとお久し振りのてくさぽBLOGです。 このコラムを読んでくださっている皆様の中には、アプリケーションサーバーの構築や販売経験をお持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。 オンプレでもクラウドでも、B2BでもB2Cでも、Webシステムにアプリケーションサーバーは欠かせない存在ですが、その実行プラットフォームであるIBM WebSphere Application Server(以降WASと記載)は、この競争が激しい市場で8年連続TOPシェアを誇る製品です。 WASは昨年2016年6月に最新バージョンであるV9.0が発表されていますが、保守サポートが終了しない限りSWのバージョンアップはしたくない・・というお客様が多いかもしれません。 でも、バージョンアップが保守サポートの制限だけでなくお客様にとって有意義であれば、是非ご提案したいですよね。今日はそんなバージョンアップのお話をしたいと思います。 1.Java SE 6はもうすぐサポート終了 WASにはJavaの実行環境が含まれていますが、Java SE(JDK) 6がサポート終了間近となっていることはご存じですか。 それって結構古いWASでしょ?うちのお客様はそんな古いバージョンは使ってないはず・・と思いきや、そうでもないかもしれません。 Java SEの最新バージョンは8ですので、下図のように古いバージョンのWASをお使いであれば、是非バージョンアップのご検討に入っていただきたいと思います。 2.バージョンアップの利点 とはいえ、Javaの保守サポート終了という理由だけでバージョンアップするのは・・・と躊躇されている皆さんに、是非このブログを参考にしていただきたいと思います。 最新バージョンのWAS V9.0は、Javaの最新仕様に対応しているだけでなく、お客様のビジネス傾向に合わせて以下の特長を持っています。 特長1.多様なクラウド環境への対応 特長2.マイクロサービスとAPIエコノミーへの参画を推進 特長3.従来のPVU課金モデルに加え、仮想コア・ベースの月額課金モデルのライセンス体系も登場  特長3の詳細はこちら(MERITひろばへ) WASは、基幹システムとエンドユーザーに近いシステム、いずれにも対応しています。 エンドユーザーに近いシステムは変化が激しく、素早い開発や継続的なデリバリーが必須要素となり、マイクロサービスアーキテクチャー型で、インフラもすぐに利用可能なクラウド環境が活用されます。 一方、基幹システムを中心とした安定したエンタープライズ・アプリケーションでは、オンプレ環境でのウォーターフォール型開発が依然として引き継がれていますが、基幹システムが保持している情報をエンド・ユーザーに素早く提供したいというニーズから、API公開する方法、マイクロサービス化といった検討も始まりつつあります。 そしてこれらの2極化したものを連携する仕組みとしてAPIが注目されています。 クラウドやAPIエコノミーへの対応など多様化する用途に対応できる最新バージョンでは、用途に応じたラインタイムが選べるようにもなっています。 3.Libertyランタイムの検討のタイミング 今後のクラウド展開を考えると、もっと軽量なランタイムが欲しいですよね。 先程用途に応じたラインタイムを選べると書きましたが、WASは軽量なLibertyラインタイムを提供しています。 また、従来のラインタイムに比べ、運用の自動化や新機能のいち早い利用も実現されています。 Libertyランタイムはたった5秒で起動でき、メモリー使用量60MB ディスク使用量100MBと軽量で、リソース使用量で課金されるクラウドの利用に適しています。また、構成ファイルはserver.xmlという1ファイルのみのため移行も簡単ですし、再起動なしで構成変更が可能です。 では、何故このような軽量化が実現できたのでしょう。 それはフィーチャーと呼ばれる必要な機能単位だけを柔軟に組み合わせて利用しているからです。使わないフィーチャーはメモリーにロードされないため、高速に起動できます。 また、新機能は新しいフィーチャーで提供され、従来のフィーチャーも使い続けることができるため、ランタイムの更新が不要です。このゼロ・マイグレーションという新しい概念により、既存構成やアプリケーションへの影響を最小化でき、最新ラインタイムへの移行が楽になります。 4.ランタイム選びは注意点もある 他にも、今回ご紹介できなかった多くの特長を持つLibertyランタイムですが、注意点もあります。 たとえば、LibertyはWAS V8.5以降から提供されたランタイムのため、従来の古いランタイムとはサポートしているJavaのレベルが異なるため、使用できない古いAPIが存在します。 また、プロセスの起動・停止方法やログの種類、アプリケーションのデプロイ方法など、運用の仕組みも変わってきます。 5.ほかのアプリケーション・サーバーも気になる!? もしかしたらWASのバージョンアップどころか、JBoss、WebLogic、Apache Tomcatなど他製品への切り替えが検討されている・・・どいうケースもあるかもしれませんね(涙)。 WASは8年連続TOPシェアを誇る製品ですので多くの特長を持っていますが、今回は軽量性と課金体系について比較してみました。 ・軽量性 起動時間とメモリー使用量(フットプリント)を比較した左グラフでは、LibertyランタイムはTomcatに少し劣っているものの、JBossやGlassfish(Weblogicのオープンソース版)の半分以下と非常に軽量です。 また、右のグラフでは、Libertyランタイムはどの製品よりも性能(スループット)が高く、Tomcatより20%も性能が高いことがわかります。 ・課金 WASにはランタイムが2種類ありますが、ラインタイムによらず課金体系が豊富です。 オープンソースはライセンス・フリーですが、エンタープライズのお客様には保守サポート付きのメーカー版を選択されているケースが多いのではないでしょうか。WASはご使用環境によって最適な体系を選択することができるよう、複数の課金体系が用意されています。 たとえば、大規模な仮想環境では、物理サーバー全体の性能で課金するとかなり高額になってしまいますね。 その場合には、アプリケーションが稼働しているサーバーの性能分だけ課金する、サブキャパシティ・ライセンス体系が用意されています。この課金体系はRedHat社のJBossでは提供されていません。 また、仮想コア数のみで課金計算できる体系も提供されています。パブリック・クラウドでは、物理サーバーのコア数などの情報を開示していないケースもありますので、コア数を数えるだけ見積もることができますし、もちろん月額課金も用意されています。 6.最後に 実はLibertyランタイムは最新バージョンではないバージョン8.5でも提供されています。しかしながら、是非WASのバージョンアップと共に、新しいLibertyランタイムの検討もお勧めしたいと思います。 この軽量なLibertyランタイムの無償評価版と日本語の技術情報がこちらからダウンロード可能ですので、是非お試しください。 http://ibm.biz/LibertyJPN この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2017年06月02日

参加してみた!IBM Watson Summit 2017 ~ コグニティブはどこまで浸透したのか?~

参加メンバーにインタビュー 皆さま、こんにちは。 企画部のWebサイト運営担当です。 去る 4月27日、28日にグランドプリンスホテル新高輪で開催された「IBM Watson Summit 2017」の参加レポートをお届けします。昨年の”参加してみた”レポート同様、Summit に参加した弊社エヌアイシー・パートナーズのメンバーにインタビューしました。 企画担当:では早速。まず、はじめに、昨年の Watson Summit と比較して感じた違いを「ひとこと」で教えてください。   昨年の Watson Summit と比較して Kさん:昨年はみずほ銀行のコールセンターの事例が中心だったが今年は他社のコールセンターの事例も多かった。国内の大手銀行、生保は Watson の採用もしくは導入検討が進んでおり、裾野が広がってきたのだと思う。 Jさん:蔦屋(TSUTAYA)と地銀支店が連携した事例などもありましたね。 Aさん:昨年は「これからの時代はコグニティブだ」という言葉が多かったのですが、すでに実装している企業もあり、更に AI やチャットボットなど Watson に関連するテクノロジーもユーザ側がコグニティブを意識してなくても利用していると感じました。 また、この 1 年で日本IBM が直接受けた Watson 案件は 200 件を超えているという話を聞きました。いよいよ実案件でも Watson、と言った感じがしました。 代表的な事例まとめ( Watson の活用事例 2017年) ◆海外の Watson 米国では大手税務サービス企業の H&R BLOCK が顧客が作成した確定申告の内容を確認し、より多くの還付金を得られるようにアドバイスするサービスに Watsonを利用するなどサービスの展開が進んでいる。 ◆日本の Watson 日本では銀行、生保のコールセンターで Watson が採用されている。この一年の特長としては「知識ベース」と言われる Watson の辞書にあたるナレッジを収集、蓄積し、分析する活動が活発である。これらの知識ベースを「学習済み Watson 」としてサービス展開を視野に入れている。 三井住友銀行は企業の信用力変化を示すニュースを自動収集するための知識ベースを構築 トランスコスモスは自社のコールセンター運営知見を複数の知識ベースにまとめる 三菱自動車は自動車の不具合兆候を把握し、未然防止につながる情報や顧客の声を可視化する知識ベースを構築 また、国内大手企業以外にもベンチャーや研究開発型の企業がWatsonの活用を開始している QUICK は金融マーケット情報の自然言語照会に取り組む ファーマクラウドは調剤薬局向けの在庫医薬シェアリングサービスに Watson のチャット機能を付加 アイ・ラーニング社はプログラミング研修で受講者の質問に回答する Watson や個々人の最適なラーニングパスを提示する Watson を活用提供 日本電通は基幹システムとの連携で総務・人事・経理関連の社員向けチャットボットを提供 企画担当:事例がどんどん増えているということですね。ところで、イベントの形式として昨年と違う点として、今年は会場に入る一般の参加者も有料のイベントになりましたよね。展示数が増え、内容も充実した思いますが、会場の様子はいかがでしょうか。 Aさん:参加者の総数は減っているはずですが、混み具合は去年と同じか、それ以上に感じましたよ。私どもの親会社である日本情報通信(株)はダイヤモンドの更に上のマーキー(Marquee)というトップのスポンサーとして出展していましたが、ブースエリアも賑わっていました。 ご参考:▼【出展レポート】 IBM Watson Summit 2017 [gallery link="file" size="large" ids="49156,49157,49158"]   企画担当:なるほど、イベント会場盛況で内容としては先行事例だけでなく、Watson 採用事例の裾野が広がってきたのですね。本題に入る前に、Watson の話題がどれだけ盛り上がっていたかを企画部の Web 担当として、ちょっと違う視点で調べてみました。   ネットでみる Watson の盛り上がり IBM Watson の注目度合いはネットの検索量でも推し量ることができます。下図は世界中の人が過去5年間の「IBM Watson」を検索したボリュームです。(Google Trendより) トレンドラインは右肩あがりですね。(大きな谷間はクリスマス〜年末のシーズンです)   ついでに地域別の検索ボリュームをみると、1 位はシンガポール、次いでUS、インドと IT、開発の先進国と重なります。日本は 9 位でした。     地域別の集計を都市別のメッシュを変えてみると・・・中央区が世界で 2  位です! 我が社も中央区にかまえていますのでその影響でしょうか(笑) (ツッコミ:日本IBM本社も中央区です!)   1 位のポキプシー、3 位のオースティンも IBM の研究所があり、 IT の中心都市ですからね、2 位 の中央区は検索の世界ではリードしています。 企画担当:また、昨年当サイトにて掲載の Watson Summit2016 の記事 もイベント開催1ヶ月程度前から期間中にかけて、アクセス数が 200%Up になっていました。大手メディアサイトではない弊社のページにアクセスしてくださって感謝です。   今年の Watson Summit で使われた「メッセージ」「キーワード」とは? 企画担当:このようにネットの世界でも注目されている IBM Watson について、Summit で感じたことをもっと伺おうと思います。今年の Summit の「メッセージ」はどのようなものか教えてください。メッセージが難しければ、良く使われていたキーワードでも良いです。   ハイブリッドクラウドに見る【非機能要件】と【Lift&Shift】というキーワード Jさん:そうですね、今年の Watson Summit を一言でいうなら、「Cognitive on IBM Cloud」というメッセージを鮮明に感じました。 企画担当:Watson と Cloud が明確に一つに繋がったのですね。では、まず「IBM Cloud」についてのメッセージはいかがでしょう。 Aさん:クラウドというメッセージにおいて「非機能要件」という言葉は頻繁に聞きました。当初は「API connect を利用してオンプレからクラウドに上げると Watson が使えるんだよ」という事かと思ってましたが、そうではなく、オンプレをそのままクラウドに上げるのではなく、それぞれを分ける。というメッセージでした。   企画担当:「非機能要件」という言葉はあまり馴染みがなかったのですが、どういった定義なのでしょうか。 Jさん:「Lift&Shift」という言葉も一緒に使われていました。ハイブリッド・クラウドを構築するにあたって、既存のアプリケーションを変えなくてよいものと書き直してクラウドに持っていくものの 2つ に分けて考えるというところから来ています。この時に変えなくてよいものをパブリック・クラウドに持っていくと、従来はオンプレのアプリケーションの下層で動いていた管理、監視、制御などの部分もクラウド上で自分で構築する必要に迫られる。この部分を「非機能要件」と呼んでいます。 一方で、書き直すクラウドにもっていくアプリケーションの移行方法を「Lift&Shift」と呼んでいるようです。 Aさん:そうそう、オンプレをそのままパブリック・クラウドに上げるのは無理があるので、IBM Bluemix Infrastructure (Softlayer) では、ベアメタルを用意しているんですよ、オンプレからシステム管理も含めてベアメタルに持っていけばいんだよ、というメッセージですね。 Kさん:「非機能要件」と「Lift&Shift」については、どのセッションでも話題として出ていました。 企画担当:なるほど、IBM Bluemix Infrastructure(SoftLayer)の強みを活かしたアプローチですね。クラウドのキーワード、メッセージは他にもありましたか?   クラウド時代の戦略【オープンスタンダート】とは? Jさん:IBM Cloud はBluemix という PaaS 環境がベースになっているので、まずはそこから入り、アプリケーションの差別化に Watson / コグニティブ が IBM の強みとなっています。さらにアプリケーションが使うデータがキーとなります。データという意味では IT 業界では DB のあるべき姿を考え、SQL と NonSQL のトピックになりがちですが、「データレイク」をキチンと管理しようという話をされています。 これらのデータの扱いについては、IBM は全て「オープンスタンダード」で答えています。つまり IBM というベンダー製品で抱え込むのではなく、仕様をオープンにしていく、オープンソースを活用するという意味です。IBM はオープンスタンダードに投資し、そこから出てきたテクノロジー、会社を買収するという戦略をとっていて、全方位で隙間がないように、ニッチなエリアに対しても同じ「オープンスタンダード」を戦略にしています。エンドユーザから見ても「ベンダーロックインを回避でき、自由度が広がる」という利点につながります。 Aさん:「データレイク」というキーワードは昨年のWatson Summitでも登場してましたね。 Sさん:私は 3 月にラスベガスで開催された IBM 最大のイベントInterconnect 2017 に参加してきましたが、テクニカルな面での IBM のメッセージは Watson Summit もほぼ同じでした。 IBM Bluemix Infrastructure (SoftLayer) 関連では Cloud Automation Manager というマルチクラウド、オンプレのいずれにも対応したデプロイ管理ツールがオープンスタンダードのひとつだと思います。マルチクラウドということは SoftLayer だけでなく、AWS や Azure なども対象となるということです。現在は、IBM Bluemix 上に無料で提供開始していて注目されています。 企画担当:Blumix 自体がオープン・クラウド・アーキテクチャーの実装プラットフォームですから戦略は理解しやすいですね。では次に、Watson に関連した製品・サービスという切り口ではどのようなメッセージ、キーワードが Summit で話題になっていましたか?   Watson の知識データ Jさん:データの扱いについてですが、知識ベースの構築しかり、大事なのはデータを Watson で扱える状態にすることです。いわゆる「コーパス」と呼ばれる AI の知識データですね。ここをどう構築していくかが鍵でもあり、泥臭い領域ではあるのですが、このテキスト分析の行程で「Watson Knowledge Studio」を大々的にメッセージしていました。「Watson Knowledge Studio」は、開発者と各分野の専門家が協力して、特定の業界向で利用されている言葉の意味を理解する機械学習モデルを、開発者と知見者である専門家が協力して作成できるクラウド・ベースのアプリケーションです。ブラウザ環境ですし、無料トライアルもあるので試しに使ってみるユーザが増えると思います。 ご参考:▼IBM Watson Knowledge Studio Watson Knowledge Studioの画面   企画担当:Web サイトを見ると「特定の業界向けのカスタム・アノテーター・コンポーネントを作成できる」と表記されていますが、要するに「業界特有の用語や知識のニュアンスを Watson に教えることができる」という感じですね。やはりテキスト分析は重要ですよね。 Aさん:ユーザのセッションで女性研究員2名によるテキスト分析の話がありました。大量のデータの中に、「川崎」という文字が出てきた時に人の名前なのか地名なのかをどのように識別させるかというトピックなど興味深い話でした。ユーザは色々試行錯誤されているようです。   学習済み Watson の提供 Jさん:一昔前の AI  はルールの定義という作業でひとつひとつの言葉を定義する必要がありました。そして機械学習が主流になっていくのです。IBM ではこの領域は SPSS のテキストマイニングなどのナレッジが活かされています。サービスインまでに Watson にある程度覚えさせる行程とリリース後に覚えさせる行程がありますが、コグニティブの世界ではこのコーパスを作るところは泥臭い作業で、特にリリース後のユーザの参加は必須ですね。 企画担当:データ分析の領域において、近年は「データサイエンティスト」という分析担当者に注目されていましたね。 Jさん:最近、IBM は「データサイエンティストのようなスーパーマンはそんなに多くはいない」と言い始めています。確かに私も個人的に存在を一人も知りません(笑)。DSX(Data Science Experience)というプラットフォームを IBM は用意しています。一人のスーパーマンではなく、データの準備、整備、プログラム開発、分析など行程をわけてチームワークでデータサイエンスを始めるためのプラットフォーム。こういうのが出てくるのは Knowledge Studio と同様に市場がコグニティブの導入検討ではなく、実際の導入の際に生産性に影響しているプロセスの改善ニーズがあるのだと思います。Watson も「何に使えるのか」から「どうやって効率的に使うか」のフェーズに入ってきたのですね。 Data Science Experienceの画面   企画担当:全体のメッセージは先行事例から次のフェーズに来ているということですね。先行投資できる企業は良いですが、研究や開発に大きな投資ができない企業はどうすれば良いでしょうか。 Jさん:IBM はインダストリー別に「”学習済み” Watson」をリリースしていくとこのイベントでも発信しています。例えば「Watson automobile」は自動車業界向けというように業界別にパッケージし、金融、製薬など現在 80 種類ほどの学習済 Watson をリリースしていくとのこと。 企画担当:企業が持つ「データレイク」やナレッジを知識ベースとして提供し、学習済みの Watson が用意されていく、オープンスタンダードな思想をもとに Watson を利用したサービスが増えていく・・・こんな近未来が見えてきますね。 Jさん:気象データや医療文献情報などもそのうちの一つですね。IBM 自体も The Weather Company を買収して、気象データを提供する側になっています。   今後のビジネス展開 - API 化 企画担当:こういった環境において、ビジネス面で考えるとシステムインテグレーターやソリューションプロバイダーはどのような戦術が必要になるのでしょうか。 Aさん:私の理解ですが、Watson は API のことを示していると思います。そして知識ベースは個別のインダストリーで用意する。この知識ベースを構築する行程はシステムインテグレータなどのベンダーがユーザをリードし、一緒に構築していく領域だと思います。 Kさん:テキスト分析、データマイニングの経験が豊富なベンダーは優位ですね。また、Web アプリ、API 開発が得意なベンダーにもチャンスだと思います。IBM は「IBM マーケットプレイス」をラウンチしていますが、日本国内はまだ立ち上がったばかりです。 このマーケットプレイスで開発ベンダーは開発した API、ソリューションをカタログ化して掲載できるのです。   企画担当:なるほど、開発力はあるが営業力が弱いといったベンチャー型の会社や部門は参入のチャンスですね。 Jさん:そうですね、「今後は API 化してほしい」というのが IBM のメッセージです。ユーザ、パートナー企業を含めた「API エコノミーの推進」とも言えます。 企画担当:ありがとうございます。初歩的な質問をしますが、一般企業が API 化することの利点ってどんなことがありますか? Jさん:例えば、フライト情報を検索、表示する旅行会社のアプリがあって、コンシューマーがフライト情報にアクセスする度に航空会社の Web を参照するアプリの仕様だと提供側の航空会社の Web サーバの負荷は高くなります。いわゆる Web スクレイピング、Web クローリングという技術ですね。これを API アクセスすることで Web サーバーの負荷が減ります。情報開示側が API 化しておくことで、開発ベンダーは様々な API を組合せてより良いサービスやアプリケーションを作っていけるのです。 Aさん:API 化しておけば、「Lift&Shift」の際に、クラウド or オンプレ という移行もスムーズになりそうです。 Jさん:API 化はマイクロサービス化と言い換えてもいいだろうと思います。 企画担当:開発会社、エンジニアから見て、API 実装自体は新しいことではないと思いますが、マーケットプレイスにパッケージしてカタログ化していくことも最初から意識するという点でベンダーにとっては新しいビジネスモデルになりそうですね。 IBM マーケットプレイスなどのエコシステムについてはディストリビューターの弊社としても要ウォッチですね。 今後もエヌアイシー・パートナーズの取引先の皆様には専用Web サイト「MERITひろば」でより詳しい情報を掲載していきたいと思います。 本日はありがとうございました。   【関連リンク】

2017年03月23日

【速報】InterConnect 2017の基調講演の概要

皆さんこんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 佐野です。 私は今、IBM のグローバルイベントである「IBM InterConnect 2017」(以下 InterConnect )に参加するため、ラスベガスまでやってきています。 InterConnect は 3/20-23 の 4日間開催で、IBM 社の最新の情報や事例などのセッションが 2,000 以上も組まれているため(当然全部は聞けません)、非常に密度の濃いイベント内容となっています。 クラウドサービス(Bluemix)やセキュリティ、Watson と言った IBM が注力している製品群に加えて、マイクロサービスやブロックチェーンといった最新テクノロジーや従来からある WebSphere Application Server といった製品に至るまで幅広い範囲をカバーしています。 このイベントの基調講演は 3/20 と 21 の 2回 に分かれていますが、本記事では内容をまとめて要約してお届けします。   1.注目トピック Watson 関連でいくつか発表・言及がありました。 既に発表済みではありますが、Watson の質疑応答システムと QRadar が連携してインシデントの絞り込みや洞察を得るのに役立つ IBM QRadar Advisor with Watson の紹介、Watson Visual Recognition を使った画像解析のソリューションについてもデモを交えて解説をしていました。 セキュリティに関しては、先の QRadar の話と、セキュリティの免疫システムである「IBM Security Immune System」について話がありました。 Security Immune System は概念の話で、製品の話ではありませんが、昨今は全てのセキュリティリスクをシャットアウトすることは非常に困難であり、またセキュリティインシデントの数も非常に大量に発生することから、人間だけでは対処しきれない状況となってきていますので、Watson も活用しつつ、セキュリティ対策をしましょう。というのがざっくりした内容です。 ブロックチェーンに関しては、ダイヤモンドの原産地証明などのためにブロックチェーンを活用している事例を発表しました。 ダイヤモンドの取引では、戦争の資金を得ることなどの目的のために、ダイヤモンドを利用することを禁じる「キンバリー・プロセス」に準拠する必要があります。 原産地を証明する、価値を証明するためにも、改ざんが不可能な監査台帳が必要となり、そのプラットフォームとして IBM のブロックチェーンが利用されています。 2.協業関連 IBM と他企業との協業関連としては以下の発表がありました。 ・RedHat 社との協業: IBM クラウド上で RedHat 製品をサービスとして提供 ・Indiegogo + Arrow Electronics + IBM(Watson) : IoT の協業でスタートアップ企業に対して Watson サービスの利用促進 ・Galvanize との提携 : Bluemix Garage の一環で、Watson API を主とした機械学習に関する協業 ・Intel 社とのパートナーシップ: エコシステムを構築するために、Intel 社とのパートナーシップを提携 Salesforce 社とのパートナーシップは既に発表済みですが、Salesforce CEO のマーク・ベニオフが2日目の基調講演で登壇していました。   3.2日目の IBM CEO ジニー・ロメッティーのメッセージ 要約すると、IBM は以下の強みを結びつけることで大きな課題を解決できる、と言っています。 ・Enterprise Strong :業界向けのノウハウを豊富に持っているので、業界特化のソリューションを提供できる ・データファースト:お客様が持っているデータを利用して、分析により洞察を得たり、またそのデータをより活用するためのデータ管理ソリューションなどを提供できる ・コグニティブ:いわずもがな、Watson のことです。画像解析にはもちろん、音声認識も人間を超える数値をたたき出している 4.その他 ・金融向けに特化した「IBM Cloud for Finacial Services」の発表:決済などの機能を持ったクラウドサービスの提供 ・IBM Cloud Automation Manager :マルチクラウドの環境を単一のコンソールから操作することが可能となる製品 ・Kubernetes のコンテナーが IBM Cloud (Bluemix)上で動作可能に ・Hyperledger Fabric v1.0 : IBM のブロックチェーンがついに正式リリース版に ・IBM Cloud Object Storage Flex :詳細は不明ですが、エクサバイトクラスのデータを 99.999 % の可用性で運用可能なストレージプラットフォーム。AWS などと比べても費用が安価になるとのこと 参考:ZDNetの記事:IBM InterConnect 2017開幕--AWS、Azureを強く意識 5.最後に 全体的な印象としては、Watson を既存製品と組み合わせや企業を跨った協業ソリューションの活用に関する内容が多かったように思います。また、セキュリティにもいくつか言及していたので、注力する姿が見られました。 会場はとても広く、セッション会場が 30以上あることもあり、場所によっては移動で 10分以上はかかる、なんてことも結構ざらにあります。 また、海外のイベントであるため、基調講演などの特別なセッションを除いては当然全て英語です。時々何を言っているか理解できないこともありますが、それもまた勉強、ということになるでしょうか。 最新の情報をいち早く入手したい!この分野の詳しい情報をゲットしてビジネスに役立てたい!という目的には最適ですので、興味がありましたら是非来年の参加を検討してみて下さい。 (現地の様子) ・自分が座った席から撮った基調講演会場の様子。右側がステージとなります。まだ少し空席がありますね。 ・基調講演終了後の帰り道。参加者が多いのでめっちゃ混んでます。みんなが個別セッション会場に向かうので、途中までこんな状態が続きます   <3/28更新> 現地で行動を共にしていたNI+Cの大島さんもブログを書いていますので是非こちらも参考にしてください。 [InterConnect2017]現地レポート 3/19 [InterConnect2017]現地レポート 3/20 [InterConnect2017]現地レポート 振り返り [InterConnect2017]現地レポート 最終日   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

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