2022年03月

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【てくさぽBLOG】Azure Stack HCIを導入してみた Vol.2 -管理機能編-

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの宮里です。

前回に引き続きAzure Stack HCIの検証で得られた知見をお伝えします。検証の目的は、Azure Stack HCIの構築・管理・クラウドとの連携をどのような手順でおこなうのか、使いやすいのか、を実機を使って体感してみることです。
今回は3回シリーズの2回目で、Azure Stack HCIを管理するサーバーを構築した手順をご紹介します。

Azure Stack HCIを導入してみた Vol.1 -Azure Stack HCI構築編-
Azure Stack HCIを導入してみた Vol.2 -管理機能編- *本編
Azure Stack HCIを導入してみた Vol.3 -Azureと連携編-

なお、現在のAzure Stack HCIは専用のAzure Stack HCI OSを利用してクラウドから管理するAzure Stack HCIと、従来からのWindows Server DataCenterエディションを利用するAzure Stack HCIの2つがありますが、本ブログのAzure Stack HCIはWindows Server DataCenterエディションの方となります。

 

Index


 

はじめに

第一回に続いて、今回は管理機能の検証としてWindows Admin Center(以下、WAC)サーバーとLenovo XClarity Administrator(以下、LXCA)サーバーを構築した内容になります。

今回の検証環境の概要図はこちらになります。WACサーバーとLXCAサーバーは仮想マシンで立てることにしたのでMXサーバー以外にもう1台物理サーバーを用意し、そこにHyper-V環境を構築しました。このHyper-V環境上にWACサーバーとLXCAサーバーを構築します。

LXCAはハードウェアを一元管理するサーバーです。そのためAzure Stack HCIを利用するにあたって必須ではなくオプションですが、WAC向けにLenovo XClarity Integrator for Microsoft Windows Admin CenterというLXCAと連携させる拡張機能が提供されているので、WACでハードウェアまで管理できるとどのように便利になるかを確認するために検証してみました。



 

1. Windows Admin Center(WAC)の構築

WACはマイクロソフト社が提供する無償で利用できるリモート管理ツールです。Azure Stack HCIはWindows Server 2019の標準機能を組み合わせて利用するので、そのままでは複数の管理ツールを使い分ける必要があります。WACを利用することでWebベースで一元管理が可能なので今回はその構築と実際の利用を検証してみました。

ブログ記事の順番は前後しますが、今回の検証ではまずWACサーバーを構築してからAzure Stack HCIサーバーを構築しました。Azure Stack HCIサーバー構築については当ブログ第一回を参照ください。

1-1. WACインストール

WACのホームページからインストールファイルをダウンロードします。ダウンロードには以下のフォームで必要情報を入力し[Continue]をクリックするとダウンロードが始まります。

WACの展開方式はいくつかありますが、管理するWACと管理対象のMXノードが分かれていてWACには複数クライアントから接続できるゲートウェイサーバー方式が実際の案件でも選択される場合が多いとの想定から、ゲートウェイサーバーで検証することにしました。

最初の画面で[使用許諾契約書に同意します] にチェックを入れ、次に進みます。診断データのマイクロソフトへの送信はデフォルトのままで進みます。

デフォルトのまま次に進みます。

SSL証明書も今回は検証なので自己署名証明書のままで進みます。

インストールが完了したら、表示されているURLに接続して管理者アカウントでログインします。

WACに接続して自身のサーバーが確認できれば完了です。特に設定項目を変更することなくほぼデフォルトでインストールできてとても簡単でした。

1-2. クラスタの追加と確認

MXサーバーの2台をWACに追加し、続いて第一回で作成したnicp-clusterという名前のWindowsサーバークラスタを追加します。追加が完了すると以下のように確認できますのでこれをクリックして接続します。

WACからできるクラスタ管理を確認しました。以下のように状態を確認したり、

ボリュームを作成できることや、

仮想マシンの作成などもできました。

使ってみた感想としては、WACのインストール作業や操作性はシンプルでわかりやすく、スムーズに済みました。
GUIなども見易いのですぐ慣れると思います。

 

2. Lenovo XClarity Administratorの構築

続いてLenovo社のXClarity Administrator(以下、LXCA)を構築します。LXCAは無償で利用できるハードウェア管理ツールです。*LXCAはサポートは無いので本番利用でサポートが必要な場合はXClarity Proを購入する必要があります。

2-1. LXCAインストール

まずLXCAのファイルをダウンロードします。仮想アプライアンス形式で提供されているので、今回はHyper-V用をダウンロードしました。
次にHyper-VマネージャーでLXCA用仮想マシンを作成します。仮想マシンの新規作成ウィザードが始まります。

分かりやすい仮想マシン名を付けて次に進みます。

仮想マシンの世代を「第一世代」、次の画面でメモリ割り当てを8GBにします。このあたりはLXCAのマニュアルを参考にしました。

今回の検証環境は固定IPの利用が必要な環境だったのでネットワークは一旦「接続しない」とし、後で固定IPを設定してからネットワークに接続することにしました。
次の画面で「既存の仮想ハードディスクを使用する」を選択し、ダウンロードしたLXCAのファイルを指定します。

これで仮想マシンの作成は完了です。以下の設定値で作成しました。

仮想マシン後に1箇所設定を変更します。作成した仮想マシンの設定画面で、仮想プロセッサの数をデフォルトの1個から2個に変更します。これも上記LXCAマニュアルに書かれている内容です。

ここまで終わったら仮想マシンを起動します。
起動が完了すると、仮想マシン画面上に以下のようにネットワーク設定を選択する画面が表示されるので”1. To set a static IP address for Lenovo XClarity virtual appliance eth0 port”を選択して固定IP設定に入ります。
続けるかどうかのメッセージが出るので”y”と入力します。
次に設定するIPの種類を聞かれるので”ipv4″と入力します。

続いてIPv4の各項目を入力していきます。IP address、netmask、gateway、DNS1、DNS2と順番に入力していきます。
継続するかの確認が出たら”y”を入力します。

しばらくすると固定IPが設定された画面が表示されます。
この後、Hyper-Vマネージャーにて仮想スイッチに接続することでネットワークに接続できます。

以上でLXCAがネットワークに接続しました。

2-2. LXCA初期セットアップ

ブラウザでLXCA仮想マシンのIPアドレスに接続するとライセンス使用許諾から始まり各項目を順番に設定していくようになっています。では、早速設定していきましょう。

まずはライセンス使用許諾からです。内容を確認し[同意する]をクリックします。

次にユーザー・アカウントの作成です。スーパーバイザー・アカウントを2つ作成するようあるのでrootとroot2という2つのユーザーを作成しました。

次はネットワーク設定です。固定IPの設定は済んでいるのでここは確認だけでした。

次はサービスおよびサポート設定の構成です。左ペインにある[定期的なデータ・アップロード]から[サービス・リカバリー・パスワード]までの各項目を設定します。

以下は2つ目の[コール・ホームの構成]画面です。本番では管理対象サーバーがコール・ホーム対象のイベントを記録した際に自動的に通報される機能の設定を行いますが、今回は検証なのでここはスキップしました。

3つ目の[Lenovoアップロード・ファシリティー]の設定画面です。Lenovoサポートからサービス・データのアップロードを指示された場合のアップロード設定を行います。こちらも今回の検証では利用しないのでスキップしました。

4つ目の[保証]画面です。内容を確認してそのまま[適用]をクリックします。

5つ目の[Lenovo Bulletin Service]設定画面です。Lenovo がセキュリティや新バージョンリリースなどの情報をXCLAに送信するのを許可する設定です。デフォルトで許可する設定になっていますのでそのまま[適用]をクリックします。

6つ目の[サービス・リカバリー・パスワード]設定画面です。リカバリーの際に利用するパスワードを設定します。

すべての項目の設定が完了したら[システム管理の開始]をクリックします。

最初にデモデータを含めるかを選択します。どちらでもよいです。

[新しいデバイスの検出と管理]画面で、MXノードのXClarity Controller(管理プロセッサのこと。以下、XCC)のIPアドレスを手動登録します。

XCCのIPアドレスを入力して次の画面でユーザーID・パスワードを入力して登録します。

以下のようにMXノード2台のXCCを登録しました。

以上でLXCAのインストールと設定は完了です。

 

3. WACとLXCAの連携

WAC対応のLenovo XClarity Integrator(以下、LXCI)を利用することで、WAC画面からLXCAの管理情報にアクセスすることができるようになります。これでWACからハードウェア管理もできるようになります。

まず、WACにて[Lenovo XClarity Integrator]という拡張機能をインストールします。
左ペインの[拡張]を選択し、右ペインで[Lenovo XClarity Integrator]を選択してインストールします。

インストールが完了すると、[設定]から[Lenovo XClarity Integrator]が選択できるようになるのでこれを選択します。

LXCAを登録します。LXCAのIPアドレスと初期セットアップで登録したスーパーバイザーアカウントで接続します。

接続が完了するとLXCAが[接続済み]というステータスで確認できますのでこれをクリックします。

次にMXノードをLXCAに追加します。画面ではnicp01というMXノードに接続しています。拡張機能がインストールされたので、ノードの左ペインに[Lenovo XClarity Integrator]が選択できるようになったのでこれを選択して右ペインで”接続されたXClarity Administrator管理サーバーにノードを追加する”を選択してLXCAのIPアドレスを指定します。

するとWAC上のLenovo XClarity Integrator画面にMXノードが追加されます。以下はMXノード2台の登録が済んだ状態です。ThinkAgile MXと正しく認識されていることが確認できます。

WACに統合されたLXCAを利用してみました。以下のようにWACからLXCAのハードウェア情報を確認することができます。

このように、WACとLXCAの連携もとても簡単にできました。WAC上でハードウェア管理もできるようになるのでWACもLXCAも利用するのであればぜひ連携機能も利用してみては、と思います。

 

最後に

WACとLXCAを連携することでHW、SWの両方を一度に管理することが出来、あれこれ見に行くことが無くなるので非常に見易く、便利だと感じました。
それぞれWACとLXCAの操作も切り分けが出来ていて、操作としてもGUIがシンプルであるため困ることは無いでしょう。
是非ともWACにLXCAを連携して使ってみてください。

 

管理機能編は以上になります。
如何でしたでしょうか、次はクラウド連携編になりますので是非ご覧ください。

 

お問い合わせ

この記事に関するご質問は下記までご連絡ください
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部
E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

 

その他の記事

2025年07月11日

【参加レポート】Domino Hub 2025

公開日:2025-07-11 みなさまこんにちは。ソリューション企画部 松田です。 2025年6月19日・20日と2日間に渡って開催された「Domino Hub 2025」に参加しました。これは HCL Ambassador有志が企画・実行する Dominoコミュニティイベントです。去年に続き、今回が3回目の開催となります。 昨年同様、今回もエヌアイシー・パートナーズはスポンサーとしてご支援させていただき、両日参加いたしました。そのレポートをお送りします。 目次 イベント概要 セッション内容 - Domino 14.5 リリース 特徴的機能とライセンス改定 -ロードマップ -お客様事例:曽根田工業様 最後に 関連情報 お問い合わせ イベント概要 「Domino Hub」は、HCL Ambassadorが主宰となり、Dominoの利用者、開発者、ソリューションベンダーが一堂に会するコミュニティイベントです。今回は1日目がオンライン、2日目はオンサイトのみの開催でした。 特に2日目は参加率が非常に高かったとのことで、会場も大変盛況でした。結婚式場としても使われている今回の会場は、中庭から陽の光が差し込み、解放感があるラグジュアリーな空間で、一般的なビジネスミーティングよりも上質な雰囲気が感じられました。 併せて展示ブースも設置され、Dominoアプリケーションがスマートフォンやブラウザで使えるようになる「HCL Nomad」などのHCL製品とともに、様々なビジネスパートナー様の多彩な関連製品が数多く展示・紹介されていました。 セッション内容 2日間で全22セッションが行われました。セッションはHCLをはじめ、HCL Ambassadorから、様々な開発ベンダー、製品ベンダー、エンドユーザーからの事例紹介などのセッション、そしてパネルディスカッションがありました。まずHCLからのセッション内でのトピックをお伝えします。機能のみならずライセンスまわりで大きなニュースもありました。 Domino 14.5 リリース 特徴的機能とライセンス改定 Domino Hubの2日前、2025年6月17日にリリースされました。 Domino IQ 特徴的な機能で最も注目すべき、今回もご説明に時間を割かれていたのが「Domino IQ」です。 一言で言えば「Domino内にローカルでLLMを持たせ、蓄積されてきたDominoアプリ内の情報も取り込み、セキュアな環境で生成AIを用いた業務を実現する」ものです。 企業内業務で生成AIをどのように実装し利用していくかは今、皆様の大きな関心事項であられると思います。自社のDomino環境内で、Dominoアプリケーションを用い、Notesクライアントからそれが実現できることになります。 (画像クリックで拡大) Nomad for Web COM対応 またNomad for WebがCOMに対応したことにより、これまではNotesクライアントだけでしかできなかったExcelやPowerPointを埋め込んだDiminoアプリもブラウザから利用できるようになりました。 ライセンスダッシュボード:DLAUの統合 これまでGitHubからダウンロードしてセットアップしていたDomino License Analysis Utility (DLAU)がDomino内にデフォルトで統合され、The Domino License Administration (DLA) となりました。 (画像クリックで拡大) ライセンス改定 そしてライセンスにも大きなベネフィットが付加されました。CCB Termライセンスにはこれまで「Domino Leapで5アプリケーションまで開発・利用が可能」という権利が含まれていましたが、2025年7月1日からその制限がなくなりました。すなわち「2025年7月1日以後有効なCCB Termライセンスをお持ちのお客様は、Domino Leapのフル機能が利用できる」となります。 同時に、Domino Leapライセンスの利用範囲であるHCL Enterprise Integrator(HEI)の利用権利も含まれます。これでCCB Termライセンスのみで、追加費用なく「ブラウザによるノーコード/ローコード開発」「基幹業務とDominoアプリケーションの連携」が可能になります。 さらにCCB Termで利用できるSametime Chatで添付ファイルと画像添付も可能になりました。 ロードマップ Domino、Notes、Verse、Nomadなど各ソリューションについてのロードマップも紹介されました。先々の計画は出てこないものですが、このようにHCLから明確に提示されることにより、Dominoをお使いのお客様はこれからも安心して利用を継続していただけると思います。 Dominoのロードマップ(画像クリックで拡大) Notesのロードマップ(画像クリックで拡大) Nomad, VerseといったエンドユーザーのUI部分が短期間でバージョンアップされていく。(画像クリックで拡大) お客様事例:曽根田工業 様 Dominoユーザーの有限会社曽根田工業 代表取締役 曽根田 直樹 様より、Domino事例のご講演がありました。曽根田様は2001年に静岡県磐田市で個人で企業され、切削機械の刃物を製造されています。曽根田様のお話で非常に興味深かった部分を抜粋致します。 "独立・起業するにあたり、前職で使っていたNotes/Dominoを自社でも使うことにした。現在は大手メーカーからの発注依頼や過去に作った品番の再発注など数多く受けており、当時のCAD/CAMのデータや販売管理データなどをDominoに入れて運用している。 オンプレミス環境のリスクやセキュリティ、IT技術のトレンドに合わせてクラウド化を検討した場合、Dominoからは離れたほうがいいのではないか?と思い、他社SaaS製品も検討しトライアルで利用登録をした。 しばらく触れずにいたところ、アカウント情報に登録していた支払い口座から利用料の引き落としがされていなかったためアカウントが凍結、さらに保存していたデータも突然消去されてしまっていた。支払いが滞っただけで中身まで削除されてしまうようなシステムには会社の大事な資産であるデータを載せられないので、「Dominoを『やめることを止める』判断」をした。" Dominoから他製品への移行を検討され断念されるお客様は多く、その理由は「Dominoの業務アプリケーションを、サービス内容を落とさずに別プラットフォームに移行することがはなはだ困難である」ということをよくお聞きしますが、この点にも意外な理由が潜んでいました。 最後に 初の2年連続開催となった今年のDominoHubは、コミュニティの力を象徴するかのような盛り上がりを見せました。14.5のリリース、生成AIの実装、ライセンス強化など、今後のDominoの発展を確信させる要素が数多く披露されたほか、実際のユーザー事例も非常に示唆に富むものでした。加えてロードマップの提示による未来への安心感も得られました。 DominoHubは単なる情報共有の場に留まらず、技術、コミュニティ、そしてビジネスの未来を交差させる特別な場となっています。これからもこのような取り組みが継続していき、多くのDominoユーザー、デベロッパー、そして販売パートナーが更なる価値を引き出していけることを楽しみにしています。これからもDominoと私たちの未来を築いていきましょう。 関連情報 「Domino Hub」大阪開催 Domino Hubは、2025年9月18日に大阪でのオンサイト開催が決定致しました。詳細およびお申し込みについては、こちらのリンクからご確認ください。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; } figcaption { color: #7c7f78; font-size: smaller; }

2025年06月30日

APMとARMのシームレスな連携で効率的な統合アプリケーション運用管理を実現する ~Instana+Turbonomicのシナジー~

公開日:2025-06-30 ワークロードが変化しつづけるハイブリッド・クラウド環境下においては、アプリケーションスタックが複雑化し、分散され、流動的となり、それがアーキテクチャーと、正しい設計および変化する需要に対応できる十分なリソースの提供を難しくしています。 複雑化したIT環境で、システムの正常性やパフォーマンスリスクに対応するためには、アプリケーションの運用管理において、アプリケーションとインフラ両方の情報を一元管理します。そして、統合的に参照することができ、システムの変調を見逃さない高度な可観測性を実現するアプリケーションの運用の高度化が重要となります。 本コラムでは、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)ツール「IBM Instana Observability」(以下 Instana)とアプリケーション・リソース管理(ARM)ソリューション「IBM Turbonomic」の連携で生まれる、統合アプリケーション運用管理の相乗効果について紹介します。 目次 1. 複雑化したIT環境に求められるAPMによる可視化とアプリケーションの運用高度化 2. アプリケーションリソース管理の課題を解決するARMの活用 3. APMとARMの統合が可能にするアプリケーションの運用管理の効率化 4. InstanaとTurbonomicの連携による、一元的な管理の相乗効果 5. InstanaとTurbonomicの連携による、統合的なアプリケーションの運用管理の価値 6. まとめ お問い合わせ 1. 複雑化したIT環境に求められるAPMによる可視化とアプリケーションの運用高度化 アプリケーションの稼働環境がオンプレミスだけでなくクラウド環境へ拡大しています。クラウド上では様々なクラウドネイティブなサービスが稼働しており、それを利用することはコスト面・スピード面で必然となっています。しかし、クラウドネイティブ環境が増え続けることで複雑化しがちであり、そのような複雑なクラウドネイティブ環境の運用監視をいかに効率的に行うか、がビジネスにおいて大きな課題となっています。 システムを構成するハードウェアとソフトウェアが正常に稼動しているかについて、個々の状態を把握することに主眼がおかれた従来型モニタリングは、ハードウェアの障害やソフトウェアの異常を素早く検知することに役立つ一方で、ハードウェアの故障やサービスの停止をともなわないアプリケーションの性能低下などが検知することが難しく、原因の特定に非常に多くの時間がかかります。 また、従来型モニタリングの多くは、各環境で利用されている言語やプログラムにあわせた事前の導入と構成・設定が必要なだけではなく、サービス間の依存関係が把握できず、固定の閾値を超えたかどうかの確認しかできないため、ダイナミックに変化しつづけるクラウドネイティブ環境に追随していくことは困難です。 これに対して、アプリケーションのパフォーマンスを監視し、問題が発生した際に迅速に検知し、解決するのが、アプリケーションパフォーマンス管理(Application Performance Management: APM)による「アプリケーションの運用高度化」です。 APMにより、アプリケーションが本番環境で正常に動作していることをモニタリングして、システムやアプリケーションが利用者に提供している「サービスの品質」と「システムの状態」を可視化し、トランザクションのパフォーマンスの状態を測定するのが可能になります。 IBMのAPMツール「Instana」は、「自動化」「コンテキストの把握と解析」「インテリジェントなアクション」の特長を持ち、デジタルプラットフォームの効率的な管理および迅速な障害個所の特定など、クラウドネイティブ環境の可視化を実現しアプリケーションの可用性向上に貢献します。 2. アプリケーションリソース管理の課題を解決するARMの活用 一方、アプリケーションが安定したパフォーマンスを提供し続けるには、アプリケーションがユーザからのリクエストを処理するため必要なリソースを確保することが前提条件となります。 そのためには、適切なリソースを割り当て、必要に応じて増減させる管理をする必要があります。その上で、利用者の要望を実現する高度な機能とストレスのない使いやすいUX/UIの提供、24時間365日無停止での安定したサービスの継続、急激なアクセスの増加にも耐える拡張性や俊敏性が求められます。さらには、システム上で実行されるアプリケーションが、事前に定義されたセキュリティポリシーやルールに完全に適合していなくてはなりません。 しかし、アプリケーションスタックが複雑化し、ワークロードが変化しつづけるハイブリッド・クラウド環境下で、従来のインフラ中心のアプローチや手動ツールを使った人手主体の管理や監視手法だけで24時間365日アプリケーションリソースを維持管理し、適切なリソースを予測し確保し続けることは非常に困難です。 また、リソース不足にならないように、必要以上の余剰な CPU/メモリ/ディスクなどのサーバリソースを持たせることは、コスト面で大きな負担となります。さらに、多頻度のリリースに対応しうる高速・高効率で、継続的な品質担保に対応することが求められる一方で、高スキルのIT人材が、慢性的に不足していることも現状の管理体制の大きな負担となっています。 これに対して、コンピュートリソースの不足を早期に把握し、最適化を行い人手をかけずに適切な意思決定を適切なタイミングで行うことで、アプリケーションのレスポンスを維持するのが、アプリケーションリソース管理(Application Resource Management : ARM)です。 IBM の AI駆動型ARMソリューション「IBM Turbonomic ARM」は、アプリケーションからインフラまでをフルスタックで可視化し、アプリケーションが必要とする ITリソースを最適化します。そして、AI を用いてアプリケーションパフォーマンス、コンプライアンスおよびコストの継続的な管理を可能にします。 3. APMとARMの統合が可能にするアプリケーションの運用管理の効率化 アプリケーション運用管理の効率化は、宣言的に定義されたシステムのあるべき状態にシステムを制御する各種のオーケストレータによって、APMとARMを活用し徹底して自動化することで実現できます。ただし、システムで現在起きている問題のリアルタイムでの監視や、オーケストレータを介した問題へ自動に対処することはもちろん、あるべき姿へ迅速に回帰する「クローズドループサイクル(循環生産)」型のプロセスを実現することが不可欠となります。 このプロセスにおいて、APMとARMをそれぞれ独立した状態で活用するだけでは、目的に応じた画面の切り替えやツールごとの設定・操作などに非常に手間が掛かります。 APMであるInstanaとARMであるTurbonomicを連携することで、「統合的なアプリケーションの運用管理」を実現し、運用管理作業効率を向上することで以下のような効果を発揮します。 (1)ワンストップでインフラやアプリUXなどのパフォーマンスを統合管理できる (2)素早く問題の発生を検知し原因を特定できる (3)新規の監視対象を自動で認識でき個別の作業が不要となる (4)メンテナンスに工数がかからない 4. InstanaとTurbonomicの連携による、一元的な管理の相乗効果 InstanaとTurbonomicを連携させ、双方向の統合を設定することで、画面を切り替えることなく、1ヵ所・1画面の一元化された操作で、効率的に統合的なアプリケーションの運用管理を行うことが可能です。 InstanaとTurbonomic の連携による相乗効果には、次のようなものか挙げられます。 (1)アプリケーションレベルからインフラレベルまで統一管理できる TurbonomicにInstanaの情報を連携することにより、1つの画面でインフラからアプリケーションレベルまでアプリケーション・スタック全体を統合的に可視化し、操作もシームレスに連携することで、パフォーマンスのリスクを把握しリソースを最適化するための積極的な推奨策を得るとともに、リスクの軽減や迅速な判断をすることが可能になります。 (2)故障が発生する前に予兆を検知して事前に対応できる アプリケーション視点でのパフォーマンス・障害分析とインフラ観点でのリソース分析と最適化を同時に行うことで、障害の発生を未然に防ぐための対策を実施できるようになるため、アプリケーションの可用性を向上することができるようになります。 そのため、リソースの輻輳を最小限に抑えることができ、その効果として、平均修復時間(MTTR)と平均故障間隔(MTBF)を改善し、機会損失を最小限に抑えます。 (3)パフォーマンスに影響するリソースを理解し対応ができるようになる Instanaは、Turbonomicの実行したアクションと監視対象アプリケーションのパフォーマンスへの影響について、履歴の記録を得ることができます。また、Turbonomicによって提供されるリソース自動最適化機能を統合し、IT環境全体の集約された性能を最適な状態に維持します。これにより、ユーザは、単一の場所から一元的にアプリケーションを監視し、リアルタイムのデータと需要に基づいた状況に合わせて、需要に則したリソース割りあて・確保の決定を実行することができます。 InstanaとTurbonomicの統合によって、クラウド環境やKubernetesのリソース費用を正確に把握できるようになるため、十分に活用されていないリソースやオーバープロビジョニングされたリソースを最適化するための推奨案が得られます。これを元に、ハイブリッド(セルフ・マネージド)やクラウドネイティブ、Kubernetesのワークロードのパフォーマンス改善、効率化、コンプライアンス対応、コスト削減を促進し、クラウドの無駄を削減するとともに、その効果を向上させることが可能になります。 5. InstanaとTurbonomicの連携による、統合的なアプリケーションの運用管理の価値 このようにInstanaとTurbonomicを連携させることで、お客様は、インフラ・アプリケーションを統合的に可視化できるようになるだけでなく、アプリケーションのパフォーマンスリスクに素早く対応することが可能になります。 また、Turbonomicと連携できるAPMはInstanaだけではなく、お客様が、現在お使いになっているAPMとも連携することも可能です。さらには下図のロードマップのように、APM+ARMだけでなく、他のソリューションとも連携させることで、お客様のアプリケーションの運用高度化をさらに進め、ビジネスにより大きな価値をもたらすことができます。 図1:InstanaとTurbonomicの連携によるアプリケーションの運用高度化 6. まとめ このように、InstanaとTurbonomicを連携させた一元的な操作によって、複雑化したIT環境においても、ワンストップでインフラやアプリUXなどを監視・管理し、リソースの無駄やクラウド費用の増加なしに、アプリケーションに最適なリソースを動的に割りあてることができます。これにより、効率的なアプリケーションの管理の実現と、期待どおりのパフォーマンスを発揮して顧客のニーズを満たすことが可能になります。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社は、IBMソフトウェア(SW)とハードウェア(HW)の認定ディストリビュータとして、InstanaおよびTurbonomicに関する支援が可能です。 お客様のニーズや要件に合わせて、IBMのSWとHWを組み合わせた最適な提案やカスタマイズの支援、IBM製品の特長・利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスに最適な提案でサポートいたします。 「シナジー効果の高いInstanaおよびTurbonomicに絡めたセールスをサポートしてほしい」といったご要望があれば、いつでもお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2025年06月26日

次世代型のインフラ構築を実現するIBM Fusion HCIがクラウドシフトを加速

公開日:2025-06-26 クラウドファースト時代となり、企業のインフラ構築においてもクラウドネイティブなアーキテクチャをめざす潮流が高まりつつあります。なかでも重要な技術とされるのが、コンテナベースの基盤づくりで、アプリケーションをコンテナ化できれば、その移植性や効率性、スケーラビリティなどが大きく高まり、ビジネスの展開を高速化できると期待が集まっています。 しかし、基盤のコンテナ化は、これまでのシステム構築のあり方と大きく“作法”が異なり、専門のナレッジやスキルが求められます。ただでさえ IT人材が不足している今日、一朝一夕に移行するのは難しく、この点が多くの企業にとって大きなジレンマとなっています。 貴社においても、 「クラウド移行は進めたものの、残るオンプレミスシステムとどう連携させればいいのか」 「自社で腰を据えてAI活用に取り組みたいが、社内リソースが足りない」 などのお悩みはないでしょうか。 今回は、企業が課題を抱えがちな次世代型のインフラ構築をあっさり実現するソリューションIBM Fusion HCIを紹介します。 目次 インフラ基盤が抱える課題 IBM Fusion HCIの概要 インフラ基盤が抱える課題への最適策 IBM Fusion HCIを利用したユースケース 次世代のインフラ基盤への鍵を握るIBM Fusion HCI お問い合わせ インフラ基盤が抱える課題 今日、企業情報システムのインフラ基盤は様々な意味で岐路に立っているといえます。これまで同様の手法では、刻一刻と変化し続けるビジネス環境を受けとめきれず企業競争力を低下させる恐れもあります。 例えば、具体的な危惧の内容として次のようなものがあります。 1. クラウドネイティブなアーキテクチャ導入の高い難易度 クラウドネイティブなアーキテクチャは柔軟性やスケーラビリティを重視した設計手法で、ビジネススピードの向上にも貢献します。しかしその導入には既存のシステムとは手法が異なるため、互換性確保や高度な専門知識を持つ人材の確保といった点に障壁があります。また、従来型の開発手法から移行する際には、文化的変革や技術的理解のギャップが課題になっています。結果、プロジェクトを立ち上げたものの頓挫してしまった、というケースも発生しています。 2. マルチクラウド戦略を推進する上での壁 マルチクラウド戦略とは複数のクラウドサービスを使い分けることで、効率的なリソース管理やリスク分散を実現することを指します。多くの企業が「オンプレとクラウドを統合」または「複数のクラウド環境を最適化」したいと考えています。 しかし、相互接続性やデータ移動に大きな課題があります。また、異なるプロバイダ間での運用調整やコスト管理の複雑化も実践の妨げになりがちです。特に、各クラウド特有の設計要件への対応やパブリッククラウドとプライベートクラウド間のデータ連携には多くのリソースとノウハウが必要です。 3. 自社AIワークロードの拡大 AIワークロードの拡大は、迅速なデータ処理や大量データ解析を可能にします。しかし、これに伴って高性能なインフラ整備が求められます。既存のインフラでは計算負荷が高く、パフォーマンスが著しく制限されるためです。慎重に選定を進めなければ計算資源の増加による費用の急増が発生するリスクがあります。 エッジ環境でのデータ処理や通信コストの抑制に対応できる基盤という観点も重視しなければなりません。開発プロセスの最適化や適切な AIモデルの選定なども大きな課題です。 4. VMware基盤のコスト問題 すべての企業に当てはまるわけではありませんが、仮想化基盤として VMware を採用するのは普遍的なソリューションであり、信頼性の高い仮想化テクノロジーを提供します。 しかし、近年そのコスト問題が大きく取り沙汰されており、ライセンス料や運用費用の高さが企業にとって大きな負担となっています。長期的な予算圧迫を招く可能性があり、特に運用規模が拡大していくビジネス環境の場合、コスト管理が難航するリスクがあります。さらに、技術的な側面では仮想マシン単位でしか運用管理できないという点があり、リソースの効率的な活用に限界があります。 IBM Fusion HCIの概要 IBM Fusion HCI は、上記のようなインフラ課題を解決するために登場したハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソリューションです。コンテナ(Red Hat OpenShift、以下 OpenShift)ベースのシステムを構築するために必要な機能をあらかじめすべてパッケージ化しており、コンテナ専用のオール・イン・ワンソリューションといえます。 具体的に必要な機能とは、統合運用管理ダッシュボード、ストレージファイルシステム、バックアップリストア、コンテナ、仮想マシンを指しており、オプションでデータ連携カタログも選択できます。納品後最短4時間で構築が完了し、すぐに使用を開始することができます。 図1:IBM Fusion HCI概念図 これにより、企業において統合データ管理やクラウドとの透過的アクセス、アプリケーションの高速化といった次世代志向のインフラ構築が実現します。また、IBM Fusion HCI はサーバー/スイッチも統合管理でき、サポートを IBM に統一できるという点においても企業の運用管理負荷を大きく軽減することが可能です。AI を含む負荷の高いワークロードにも対応できます。 このプラットフォームで、データ管理、計算リソース、ストレージを効率的に統合できるため、AIアプリケーションの実行に必要な環境がシームレスに整います。例えば、AIモデルのトレーニングや推論処理を高速化するために計算資源にスケーラビリティをもたせるといったことも可能です。さらに、セキュリティ面でも信頼性の高い機能が提供されており、企業の重要なデータを安全に保護します。 インフラ基盤が抱える課題への最適策 IBM Fusion HCI は 導入しやすく柔軟でパフォーマンスに優れたインフラ基盤 です。コンテナベースのシステム構築を進めたい企業にとって最適の選択肢といえ、そのメリットとしては次のようなものがあります。 1. クラウドネイティブへのスムーズな移行を実現 Red Hat OpenShift を基盤とし、これをあらかじめパッケージした HCI であるため、ユーザーはクラウドネイティブなコンテナ基盤を導入する際に設計を始めとした複雑な調整を省けます。また、専用インストーラーを搭載しており導入をスムーズに進めることができるため、製品が到着したその日からデジタルトランスフォーメーションに着手することが可能です。 2. マルチクラウド/エッジ環境への移行 IBM Fusion HCI は、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジ環境のどこでも稼働することができます。特に、ハイブリッドクラウドのアプローチを強化するために設計された新しいサービス「IBM Cloud Satellite」を活用すれば、IBM Cloud サービスのメリットを IBM Fusion HCI の環境にも容易に拡張できます。 例えば、データが特定の地域に留まる必要がある法規制に従う際に、IBM Cloud Satellite はその地域でのデプロイメントをサポートしつつ IBM Cloud が提供する最新の AI、セキュリティ、ストレージ機能をオンプレミス環境で利用できます。 この透過的なデータ連携能力は、マルチクラウド環境のデータ制御に大きな力を発揮します。 3. AIワークロードに対する優れた対応力 セルフ型オンプレミスクラウドの提供 IBM Fusion HCI は AIワークロードに特化した柔軟で高度なインフラ基盤を提供します。強みは、watsonx との連携によるセルフ型オンプレミスクラウドの構築が可能 である点です。この連携により、クラウドの利便性をオンプレミス環境に取り入れ、AIモデルのトレーニングやインファレンス(推論)作業をシームレスかつ効率的に進められます。 AI処理に最適化された設計 IBM Fusion HCI には高速な AI処理を実現する設計が施されています。NVIDIA GPU の活用を可能とし、AIモデルのトレーニングや推論の速度を飛躍的に向上させます。また、watsonx.data と組み合わせることでデータクエリのパフォーマンスを従来インフラの最大90倍まで高速化 することが可能です。 エンタープライズグレードのデータ基盤 IBM Fusion HCI はデータレイクハウスとしての機能を提供し、AIワークロードに必要なデータ収集・分析基盤の構築を支援します。エンタープライズ規模の大容量データ管理に対応し高い柔軟性と拡張性を持つため、DX を推進する企業にとって理想的な選択肢と言えます。 4. コスト削減と効率性の向上 VMwareのライセンス費用をカット IBM Fusion HCI は、VMware を利用した仮想化基盤の代替として大幅なコスト削減の可能性とします。物理サーバー上に Red Hat OpenShift環境を直接構築する仕組みによって VMwareライセンス費用や運用コストを削減すると同時に、OpenShift利用における費用も最適化できます。 効率的なリソース管理 コンテナ単位での精細なリソース管理を実現する IBM Fusion HCI は、従来の仮想マシン管理よりも大きな効率性を発揮します。これにより、仮想化環境の課題(例:仮想マシン単位でしかリソースを扱えない問題)を解消し、リソースの使用効率を最大化します。 運用負荷とコストの削減 IBM Fusion HCI は設計・導入・運用にかかる負担を軽減し、運用管理の効率化を達成します。IBM による一元的なサポートが可能なため、トラブル発生時の対応が迅速かつスムーズです。また、watsonx を活用した次世代ワークロードに最適化されており、最新技術を活用しながら長期的なライセンスコストの抑制を実現します。 5. 障害時の運用負荷負担削減 IBM Fusion HCI は、システムの信頼性を高めるために設計された自動監視および報告機能である CallHome機能を搭載しています。そのため、障害発生時に IBM に自動通知でき、運用負担を軽減することができます。統合管理コンソールによりシステムの状態を一元的に確認できるため、トラブルシューティングも容易に行うことができます。 IBM Fusion HCIを利用したユースケース 1. IoTサービスでの利用 製造業で IoTサービスを開始したいという場合、製品や生産機械から IoTデータを収集し、このデータをクラウドなど IoTサービスの拠点に送る必要があります。しかし、生産拠点によってはセキュリティやネットワーク要件が厳しくデータをクラウドに出せないということもあります。 そこで、条件の厳しい工場には IBM Fusion HCI を設置しクラウド同様の IoTサービスを展開することで、エンドユーザーにデータから得られる知見を提供できます。 2. マルチクラウドでの利用 すでに進んでいるクラウド移行を統一管理したい場合にも IBM Fusion HCI は活躍します。例えば、複数クラウドの OpenShift環境に統一したセキュリティポリシーを適用するとした場合、お客様サイトの IBM Fusion HCI を起点として IBM Cloud を介して様々なロケーションの OpenShiftサービスを一元化できます。ポリシーをアップデートする際も変更が自動的に反映されるため、運用管理の負荷が大きく軽減できます。 3. AIワークロードでの利用 AIデータ処理を IBM Fusion HCI上の NVIDIA A100 GPU で実行することができます。これにより、大規模な AIシステムを構成するコアシステムやクラウド上の AIアプリケーションのデータへライブストリーミングすることができます。また、エッジで処理を終えてから、コアシステムやクラウド上のデータレイクやデータウェアハウスに送信するといったことも可能です。 図2:エッジのIBM Fusion HCIでAIデータ処理を実行 次世代のインフラ基盤への鍵を握るIBM Fusion HCI 未来志向のインフラ基盤に求められるのは「柔軟性」「効率性」「スピード」「安全性」です。IBM Fusion HCI は、これらすべてを備えた次世代型のソリューションとして、顧客提案の新しい切り札になると考えられます。 エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェア/ハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Fusion HCI のお客様への提案をサポートします。また、IBM のソフトウェア製品およびハードウェア製品を組み合わせた最適な提案を提供するとともに、製品の特長や利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスをサポートしています。 「お客様のニーズや要件に合わせて総合的なIBMソリューションを提案したい」 「IBM製品の機能や適用方法についての問い合わせに適切に対応したい」 「IBM製品の特長や利点を活かしてお客様ビジネスに最適なプランを提示したい」 といったご要望をお持ちの際は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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