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2019年09月24日

【やってみた】IBM Cloud Pak for Data 導入してみた

こんにちわ。 てくさぽ BLOG メンバーの佐野です。 2019年7月9日に IBM が RedHat の買収完了を発表しました。 RedHat の買収で IBM が得るものはいくつかありますが、その中でも特に "OpenShift" がハイブリッドクラウドのプラットフォームとして注目を集めています。 IBM は OpenShift を使って、IBM Cloud だけでなく AWS や Azure、GCP 上などのパブリッククラウド上でも簡単に IBM のソリューションを利用できるようにすることを考えています。 それを実現するための製品が "IBM Cloud Paks" シリーズとなっています。 1.IBM Cloud Paks とは? IBM Cloud Paks には2019年9月17日時点で5つの製品が出ています。 IBM Cloud Paks は単に 既存のIBM のソリューションをコンテナ化して提供しているだけでなく、可用性・拡張性が確保された上で企業ユース向けの様々な機能が実装された状態で利用できるようになっています。 そのため、個別に製品を購入し自力で様々なインフラ設計・設定をする必要がありません。 そんな IBM Cloud Paks シリーズの中でも今回は IBM Cloud Pak for Data(以下 ICP4D)の導入をしていきます。 ちなみに、今回の導入は kubernetes 環境としては OpenShift ではなく IBM Cloud Private を利用します。 2.IBM Cloud Pak for Data さて、今回導入する ICP4D はそもそもどういうソリューションなのでしょうか? 一言でいうなら、「データ分析のためのプラットフォーム」となります。 ICP4D を使って、データの収集・整形・カタログを整備して分析ツールにデータを渡し活用することができます。 このソリューションが特に効果を発揮するのはデータを分析ツールに渡すための前処理の効率化です。 データのカタログを作るための自動化支援機能(割り当てる用語の推奨やデータクラスの自動判別)を持っているため、人間がゼロから登録をする必要がありません。 また、本ソリューションに組み込まれている製品だけでなく、Add-on として使いたい製品を追加することができるので、「今は使わないけれど将来的に・・・」という対応も可能です。 「データ分析を個別の部署内だけでなくて対象を広げたい」「データ分析のためにいろいろなツールを使っていて運用負荷が高くなってきた」というようなお客様には最適なソリューションとなります。 3.事前準備 ICP4D 導入前の事前準備としては、 システム要件の確認 OS の設定 が必要になります。 システム要件は IBM の Knowledge Center を確認しましょう。 Installing Cloud Pak for Data 日本語での表示もできますが、最新の情報を確認する場合には英語表示にしてください。 今回は検証環境なので3ノードクラスタ(Master/Worker の機能を3台に導入する)構成とします。 環境は以下の図のようになっています。 今回はオンプレ環境なので ICP4D の画面へアクセスするために割り当てる仮想 IP を2つ用意します。 また、Add-on を追加で導入するため、CPU /メモリは最小要件よりも多く確保しています。 準備する環境について簡単にポイントを整理しておきます。 <CPU> 最新の CPU であればそれほど気にする必要はありませんが、SSE4.2 や AVX/AVX2 をサポートしている必要があります。 また、10ユーザー程度を想定した要件であるため、追加の Add-on やユーザー数が増加する場合には、コア数を多くした方がよいでしょう。 特にデータ仮想化機能を使う時にはインスタンスを作成するときに CPU やメモリを割り当てる必要がありますので、事前にどの機能に対してどれぐらいの割り当てをするのか検討をしておきましょう。 <メモリ> メモリについても CPU 同様に、使う機能やユーザー数に応じてどれぐらいのリソースが必要になるかを検討します。 <ディスク> ディスクについてはシステム要件内にも記載がありますが、root ファイルシステムで最低 100GB、インストールパス (ex. /ibm) で 500GB、データパス (ex. /data) で 500GB が必要になります。 この容量は最小要件なので、追加でインストールする Add-on やデータ容量によって追加のリソースを用意する必要があります。 また、root 容量はインストール前に警告が出てくるので 200GB 程度は割り当てしておいた方がよいでしょう。 ディスクにはパフォーマンス要件もあります。 よっぽど変なディスクでなければ問題ありませんが、Latency テストで 286 KB/s、Throughput テストで 209 MB/s が必要になります。※詳細はこちらの「Disk requirements」パートを参照下さい。 パフォーマンスについてもインストール前にチェックされるため、満たさない場合には警告が出てきます。 ※警告なのでインストールを進めることはできます。 <OS> OS としては Redhat Enterprise Linux 7.5 以上が必須となります。 OS 設定するポイントが多いので簡単ですが以下にまとめます。 ネットワークポートへ静的 IP アドレスの付与 DNS サーバーは必須 タイムゾーン設定 時刻同期設定(chrony) Firewall の無効化 SELinux の設定(permissive) インストールパス/データパスに対してファイルシステムの設定変更(noatime 設定) First Master ノードから他のノードへの SSH 接続設定(パスワード無し接続) (必要に応じて)Docker registry 設定 インストールする環境の準備は以上になります。 事前準備まで完了したら一度バックアップを取得しておきましょう。インストールに失敗した時に、OS を再導入し、1から設定をやり直すのは結構時間がかかりますので。 ※ここは結構重要なポイントです。 4.導入 ICP4D を導入するためのプログラムを Passport Advantage サイトからダウンロードしましょう。 入手方法はこちら インストールの実行には、当然ファイルに対して実行権限をつけないと進まないので、tar ファイルを解凍した後の "installer.x86_64.nnn" に +x 権限を付与することを忘れずに。 ICP4Dのインストール実行する前に、設定ファイルを作る必要があります。 環境に応じてファイルの内容を変える必要がありますので、こちらを参照しながら設定ファイル(wdp.conf)を作成しインストールパスに配置しましょう。 インストール実行前に事前チェックツールをダウンロードし実行します。 入手方法や実行方法はこちらに記載があります。 エラーや警告が出ていれば何か問題が発生していますので、メッセージをよく読んで解消しましょう。 事前チェックツールの実行をクリアすればいよいよインストールの実行です。 インストールの実行方法は設定ファイル(wdp.conf)作成の URL の項番5に記載があります。 が、インストール実行前にちょっと待ってください。 v2.1.0.2 でのインストールには約2.5時間ほどかかります。(環境や設定によって前後することがあります。) インストール開始後にコンソールを切断すると途中経過が分からなくなってしまうので、十分な時間を確保した上で実行するか、screen 上で実行して、切断した後でも途中経過が分かるようにしておくことをお勧めします。 また、インストールのログは以下のディレクトリ下に "wdp ほにゃらら"というファイル名で出力されているので、必要に応じて確認してください。 (インストールパス)/InstallPackage/tmp/ インストールを実行したコンソール上で出ないログも表示されるので、止まっているように見える場合にはこちらも確認した方がよいかもしれません。 ※インストールイメージを他ノードへ転送するところで結構時間がかかる場合が多いです。 インストール完了するまでの間ずっとログを見ていてもよいですが、(上記のような時間がかかる処理で)止まったり、Warning が大量に出るとドキドキヒヤヒヤしますので、「止まったら対処する」ぐらいの気持ちでいた方が精神衛生上よいです。 5.ICP4D 導入後 環境や構成にも依存しますが ICP4D v2.1.0.2 では約2.5-3時間程度で導入が完了するので、その間はひたすら待ちます。 インストールが無事に終わると、以下のようなメッセージが出てきます。 Installation was successful and took 02:55:05 Access the zen web portal using the following URL: https://xxx.xxx.xxx.xxx:31843 このメッセージが表示されれば無事 ICP4D の導入は完了です。記載されている URL にアクセスをして ICP4D の画面にログインしてみましょう。 ログインできて下のような画面が表示されれば OK です。必要に応じて Add-on の導入などを実施ください。 ※画面表示はブラウザの言語設定に依存します。添付画面は日本語設定になっているので日本語で表示されていますが、英語表示になっている場合にはブラウザの言語設定をご確認下さい。 Add-on の導入については Knowledge Center に記載がありますので、導入する Add-on 毎に用意するもの・手順をご確認下さい。該当箇所はこちら。 もし、エラーや Warning がログ上に表示されるようであれば、各ノードに対して設定変更をするなどで問題を解消するように対処して下さい。 6.まとめ ICP4D のインストーラは自動化されており、実行したらインストールが完了するまで人間が何か操作をする必要がありません。(最初に Y や A や Enter を押す必要はありますが。) 半面、途中でインストーラがエラーで止まってしまうと retry で先に進められれば問題は無いのですが、同じ場所で何度も止まってしまい、先に進まない場合にはエラーの原因を取り除くために多大な労力がかかります。 なので、本番導入前に何度もインストールを試してみるといった事前準備をしっかりしておくことが重要です。 OS 設定が漏れている、必要スペックが不足している、などの環境・事前設定以外の要因で止まってしまった場合には、原因究明や対処が難しい場合がほとんどです。 同じ環境・設定であっても OS レベルから再導入することでうまくいくこともあるので、うまくいかない場合には自力での問題解決にはある程度で見切りをつけて OS レベルから再導入することもご検討ください。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2019年08月23日

【参加してきた】IBM i World 2019

こんにちは。2019年7月4日(水)に大手町プレイスカンファレンス・センタービルで開催された「IBM i World 2019 東京」 に、高橋・河野の2名で参加してきました。 約400人収容の会場は満席、会場参加以外にも LIVE 配信で約200人が聴講との事で、IBM i World への関心度の高さが見受けられます。2019東京のアジェンダは AI にフォーカスしており、IBM i の方向性が示されていると感じました。 アジェンダは、以下の通りです。 I (アイ=わたし=お客様ご自身)、AI、IBM i。基幹業務に AI を実装するための最適解とは。 【お客様講演】検証! AI 認識画像は基幹システムを強化できるのか? 【お客様講演】全社員参加によるデータ分析の実現!更にデータ x AI による DX の実現に向けて! パネルディスカッション『RPG vs .Java』より快適なビジネスアプリ開発言語は?   I (アイ=わたし=お客様ご自身)、AI、IBM i。基幹業務に AI を実装するための最適解とは。 セッション開始時に、毎度のことながら、IBM 久野さんによる IBM i に関する聴講者のイメージ調査があり、「堅牢性」、「継承性」、「信頼性」、「手間いらず」等が上位ワードとして浮かび上がっておりました。従来からの IBM i のイメージ通りですが、最終講演でどのように変わるのか、あるいは変わらないのか、といった点が毎度の楽しみでもあります。 当講演のキーワードは”アジリティ”です。IBM i は、その特長である、HW+OS+DB+Application の垂直統合に加え、リアルタイムで AI /モバイル/ DB / Application の水平連携を通じてシステムをアジャイル開発することで、精度を高めつつスピードアップした対応を実現させます。さらに  Application では既存資産を活かしつつ機能強化を図れるのが、IBM i です。 [caption id="attachment_68350" align="alignnone" width="600"] IBM i での水平統合・垂直統合のイメージ[/caption] [caption id="attachment_68351" align="alignnone" width="600"] IBM i とAIソリューションの水平連携イメージ1[/caption] [caption id="attachment_68352" align="alignnone" width="600"] IBM i と AI ソリューションの水平連携イメージ2[/caption] 【お客様講演】検証! AI 認識画像は基幹システムを強化できるのか? お客様講演の1つ目は、コンビニ向け食品や冷凍総菜等の食品製造の会社です。 コンビニでの商品の入れ替えは年間1000品目以上あり、さらに今後も増え続けていくことは確実で、それに伴った労働力不足の問題がますます深刻化することが懸念されています。また、不良品の発生は経営に多大な影響を及ぼすため、検品・検査の強化が経営課題でもあります。 そこで検品・検査業務への AI 活用を検討しましたが、社内には AI の知識を持った人材がおらず、メンバーとして加入している IBM ユーザー研究会に相談してみましたが、研究会メンバーにも AI に精通した人材がいなかったため、研究会の研究テーマとして取り上げてもらい検討を進める事となりました。 その活動の中で、データサイエンティストなしでディープラーニングが可能であり、学習データの加工、ディープラーニング学習モデルの作成、推論と表示を GUI で誰でも実行できる PowerAI Vision であれば今回のニーズにマッチするのではないかとの推論に基づき、PowerAI Vision を用いての検証を進めることになりました。 「サンドイッチ製造の最終検品作業で画像解析を用い、NG 商品を検出して作業員により最終確認を行う」というのが命題でしたが、NG となるべき状態が検知できずに OK となるケースがあり、改善が必要でした。 そこで、精度を高める施策として「画像判定コンテスト」を実施しました。コンテスト参加者が競い合い試行錯誤した結果、チューニングの勘所として特徴的な NG  画像の学習データ化、一つの画像データを角度を変えて枚数を増やし、学習データを増やす(学習データ数が多いほど、ディープラーニングは精度が高まる)、色を付けずモノクロにする(色の判断要素は、今回のケースでは無駄な要素になるため無くす)等様々なアイデアが生まれ、精度向上に繋がりました。 AI では「100%の精度ではなく、80%を目指して最後は人間が判断する」という完全自動化ではなく、支援システムの位置づけとした事が成功につながった要因とのことでした。 今回得られた知見を参考に、今後は IBM i の基幹システムと AI の連携を深め AI 活用の領域を拡げていく予定とのことです。 講演者も、「AI 活用がどこまで会社全体の生産性向上に寄与できるか」ということを期待されていました。 【お客様講演】全社員参加によるデータ分析の実現!更にデータ x AI による DX の実現に向けて! お客様講演の2つ目は、ポリエチレン製ゴミ袋、食品保存袋、水切り袋、紙製ゴミ袋などの製造・販売の会社です。 本来の分析の目的とは、何が起きているのかを “早く知り”、“早く施策を打つ”事です。そのためには、「何のために分析を行うのか」、「現状の理解」、「目的の確認」、そして何と言っても「施策の実施」が重要であるということを強調されていました。 以前のシステムは基幹システムを IBM i で運用し、データ分析はバッチ処理でした。DWH サーバーは別途構築した専用のシステムで、IBM i のデータと連携していました。その結果、データ準備からバッチ計算で解析するまでの流れで大変時間がかかっていました。 そこで、データ準備から解析開始までのタイムラグによるデータの齟齬を発生させず、かつ、分析プログラム開発のためのスキルをカバーしてくれる Db2 Web Query for i を2010年に採用されました。筆者が素晴らしいと感じたのは、この分析システムに「ウェブQ」という愛称まで作り、社内の誰でも使えるところまでデータ分析業務を全社に展開・浸透されていたことです。そうした「全員参加によるデータ分析の実現」が、より高度なデータ分析業務へ進む原動力になったのであろうと納得いたしました。 次のステージである機械学習によるデータ分析は、ハードルが高かったものの、2019年5月 から1ヶ月間 H2O Driverless AI で検証を行ったことにより、月別販売数予測(時系列データ)で従来の経験者による予測を上回る結果を出せました。 30名の営業がそれぞれ、毎月、数日をかけて計算している予測業務のワークロードを削減し、かつ予測精度も向上するため、営業生産性の大幅な向上が期待されるとのことです。 今後は、2020年2月の本番稼働を目指してデータ整備等の準備を進めていくとともに、デジタル化のステップアップを続けていきたいという意気込みを感じました。 パネルディスカッション『RPG vs .Java』より快適なビジネスアプリ開発言語は? パネルディスカッションは、RPG と Java のプロ同士による高質なデュエットのように味わい深いものでした。一方は、IBM iという閉じた世界の中で60年間使い続けられた RPG であり、一方は、オープン・システムの旗手として、あらゆるデバイスで稼働する命題をもった Java です。 しかし、どちらもアプリケーション開発の生産性向上とシステム安定性を追求し、どちらが優れているという競合ではなく、企業での開発アジリティを高めることに注目しているというディスカッションになっていきました。既存の RPG コードをすべて Java 化するのではなく、変わらない RPG の基幹系ロジック部分などはそのまま生かして利用し、新しい機能やユーザーインターフェース部分は Java 化するのが効率的ではないかとの結論で、双方言語のプロ同士で合意されていました。 これを老舗の温泉旅館のリノベーションに例えて、「古い部分を作り直すのではなく、よい良いところは残しつつ、現代的な空間や機能追加部分を建て増した方がより優れた旅館になるのでは」という説明に、多くの方が頷かれていました。 今後 DX と呼ばれるデジタルトランスフォーメーションが進むと、基幹系業務をクラウドやモバイルにて利用しなければならなくなります。そのようになったとき、「基幹系業務を一から作り直すのではなく、一部を取り込む方が生産性も安定性も高くなるだろう」というディスカッションは、IBM i ユーザーやパートナー企業の方々にとって朗報だったと思われます。 会場の皆さんは、食いつくように壇上の一挙手一投足に反応されていました。   最後に 全過程終了後、再び IBM 久野さんによる IBM i に関する再度のイメージ調査があり、上位キーワードは「アジリティ」や「温泉旅館」に変わっておりました。 IBM i の未来を会場の皆様と共有した、一体感を感じる今年の IBM i World でした。 ご参考サイト ・IBM PowerAI Vision : https://www.ibm.com/jp-ja/marketplace/ibm-powerai-vision ・H2O Driverless AI  : https://www.ibm.com/jp-ja/marketplace/driverless-ai   ※この記事は2019年7月5日時点の情報をもとに作成しております。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 企画本部 事業企画部 e-Mail:voice_partners@NIandC.co.jp

2019年07月29日

【参加してみた】Power Systems テクニカル・ワークショップ 2019

こんにちは。テクサポ BLOG メンバーの河野です。 今回は2019年6月26日(水)~28日(金)の3日間、日本アイ・ビー・エム株式会社本社にて開催されました「Power Systems テクニカル・ワークショップ 2019」に参加してきました。 このワークショップは年に1度 米国の IBM Power Systems の技術担当者が招聘され、最新情報だけではなく、IBMの今後の戦略と方向性を直接聞けるワークショップになります。今年は IBM ラボサービスから実際にお客様先でデリバリーを実施している技術者によるセッションもありました。複数の OS を統合する Power Systems の特徴などを米国の技術者から直接聞けるため、オーディエンスも多く、非常に盛り上がりました。このあたりからも、参加者の期待が伝わってきたワークショップでした。 3日間の内容は、以下の通りです。 Day 1 26日(水) 【Cognitive/AI, High Availability】 Power Systems Software 最新情報 Power HA for Linux/VMRM HA and DR 情報 AI/Watson Studio Local/Watson Machine Learning Accelerator 情報 IBM Cloud Private/Hortonworks Data Platform 情報 Day 2 27日(木) 【Power Systems, AIX and IBM i】 AIX アップデート・戦略情報 Nutanix Power Systems H/W 最新情報 Hybrid / Multi Cloud 戦略 IBM i 7.4 最新情報 Power HA for IBM i / Db2 Mirror Day 3 28日(金)  【IBM i】 IBM i アップデート・戦略情報 IBM i 開発環境 全体感としては、新製品発表などの目新しい情報はありませんでしたが、最新情報と Power Systems の進む方向性という点でハードウェアというより ソフトウェアを含めたクラウドを意識したメッセージを打ち出しており、今まで以上に クラウドを中心としたソリューションへの関心度を高くする必要があると感じました。また何よりも講師の方の説明に力が入っていたのが記憶に残っています。 以下、特にメッセージの強かった Day 1、 Day 3 のセッションについてお伝えします。 Day 1 Power Systems Software 最新情報では、クラウドへの移行を容易にするツールが増えている点が印象的でした。特に印象に残っているツールとしては、Private Cloud Management での PowerVC(プライベートクラウド向け管理ツール)や CMC(IBM Cloud Management Console)です。 PowerVCについて PowerVC の説明では、サーバーや ストレージ 以外に VMware Cloud も管理可能 (VMware vRealise) なツールであり、ユーザーニーズに応じた Edition を揃えている、とのことでした。以下の1~3の内容からもクラウドの技術がベースになってきていることがわかりますし、今後ますます積極的に取り入れていく方針を打ち出していました。 PowerVCのEditionラインナップ 1 Power VC Standard Edition 数分で VM を Deploy、VM の自動回復など 2 IBM Cloud Power VC Manager Power VC Standard Edition に加え 単一クリックによる展開 3 IBM Cloud Power VC Manager for SDI IBM Cloud VC Manager に加え IBM Spectrum Scale を包含 ※Data Management Edition 5.0 PowerVC バージョン1.4.3 先月にあたる6月21日にはバージョン 1.4.3 がリリースされ、バージョン1.4.3では 次の1~6の機能が提供されるなど、クラウド以外にもマルチベンダー(SW)を意識しています。 全 POWER9 エンタープライズサーバーをサポート 冗長化された HMC の自動フェールオーバーをサポート Dell EMC の PowerMAX のサポート 日立の GAD をサポート VMAX REST のアップグレード OpenStack Stein のサポート 上図のように、PowerVC は Software-Defined Network、Software-Defined Storage、Software-Defined Compute と連携され、機能拡張が可能な次世代のシステム基盤となります。   IBM Cloud Management Console (CMC)について CMC は SaaS ベースの管理ツールであり、複数のシステム、地域、データセンターに跨った環境でも、統合ビューの提供を可能にするツールです。運用管理において クラウド環境の管理を可能にする機能が備わってきています。   その他のトピック さらに POWER9 のリリースから PowerVM Enterprise Edition(Power VM EE) は必須機能となっており、これによりいつでも クラウドへの移行が可能となります。今後ますます多くなるワークロード(多くのワークロードを処理する必要がでてくる)を最適なリソースで対応していく基盤には、POWER9 をベースとしてクラウドや仮想化技術を取り入れる方向であることを打ち出していました。 Power HA for Linux/VMRM HA and DR  では、VMRM (VM Recovery Manager) HA と VMRM DR を PowerHA の廉価版ソリューションとして発表されている点や、 PowerHA for Linux が AIX 版より廉価な点からも、今後のセリングでクラウドを意識した提案が多くなってくると考えます。(PowerHA に GUI のツールが備わっているというのは個人的には大きなニュースでした。) また、データ量が増え続け、計算機能に強いインフラの必要性が増すことが予想されるため、業界の Hadoop デファクトである Hortonworks と IBM インフラ・AI ソリューションのコラボレーションに対する需要が高まるという説明がありました。一連のイメージとしては、まず IBM Cloud Private for Data をベースに、Watson Studio でベースモデルを構築します。次に Watson Machine Learning で、マシンラーニングやディープラーニングのモデルの管理・展開を実現します。最後に Watson OpenScale でモデルの監視・運用を実施する、という流れです。AI のポートフォリオの(リマインドの観点での)説明もあり、この説明でスッキリとソフトウェアの整理ができました。 Day 3 セッションでの注目は「アプリケーションのモダナイゼーション戦略」です。 IBM i のモダナイゼーションが注力しているのは、”アプリケーション”、”データベース”、”基幹データの分析”の3点でした。 ビジネスの迅速な変化に対応するためには、システム基盤の在り方も クラウドやモバイルへの対応を強化する必要があるとメッセージしています。また、 IBM i では多くのアプリケーションやツールをサポートしている点も強調しています。 RPG は IBM i では主力言語であり、パフォーマンスや性能が良くユーザー離れが極めて低いことを強みに昔から根強いファンがいます。一方で新しい技術者の育成という点では、なかなか若い世代を取り込めていないことが懸念されていましたが、RPG は進化してきており、従来のカラム指向が現在ではフリーフォーマットとなっている点など、新しい技術者にも触れ易い環境に進化しているとのことです。 RPG のモダナイゼーション化ツールとして ARCAD (5733-AC1 ARCAD RPG Converter for i) が提供されており、従来の RPG からフリーフォームの RPG への変換を可能にします。 また、 ILE によるモジュールやサービス・プログラムにより、迅速な環境提供だけでなく、機能単位でアプリケーションを切り出した構成であるため保守容易性の観点でも利点が多いとメッセージしています。 データベースに関しては、Db2 for i は多様なインターフェースを提供しています。従来の CL コマンドや API での手法から、簡単な SQL 文で済ませられることが可能となります。アプリケーションと同様に携わり易い環境に進化しており、パフォーマンスにも効果が表れてきていることもメッセージしていました。また基幹データ分析では、Db2 Web Query for i による機能拡張があり、進化していることを伝えています。 まとめ Power Systems の戦略として、システム基盤へのクラウドの取り込みを積極的に推進するなど、ソフトウェアの機能を強化しています。IBM i の開発環境では”モダナイゼーション”というキーワードの元、RPG など従来の開発言語環境(オンプレミス)から、ハイブリッドクラウド環境を意識したサービス指向に向かっています。 数年前と比較して、ハイブリッドクラウドや Hadoop、IBM i のモダナイゼーションがリアル・ビジネスに向けたフェーズに移ってきていることを実感できるワークショップでした。 今後は IBM が打ち出している方向を意識しながら、提案の幅を広げて訴求していこうと考えます。   ※この記事は2019年6月28日時点の情報をもとに作成しています。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2019年05月09日

IBM i からクラウドへのバックアップソリューションのご紹介

こんにちは。 企画推進部の久田です。 新時代のバックアップと言われている IBM Cloud Storage Solution for i (以下、CS4i と記載)についてご紹介したいと思います。CS4i はIBM Cloud や Amazon S3 のクラウド上へ IBM i のデータをバックアップし、簡易な災害対策としても注目されているソリューションです。 IBM i でのバックアップ方法 従来の IBM i  では、多くの場合(バックアップ対象のデータ容量によっては) IBM i 筐体内のディスクへのバックアップや、外部媒体へ保管するケースでも物理テープへのバックアップ(バックアップ後は物理搬送で遠隔地保管)を行っていました。ただし、ここ数年は「生産性向上」や「業務効率化」、「デジタルトランスフォーメーションの推進」により、クラウドファーストへと IT 変革を進める企業が増加しています。 CS4i  も2016年の発表以降、年々導入されるユーザー様は増加の傾向にあります。それはまさに、「生産性向上」、「業務効率化」、「コスト削減」においてユーザー様から評価を得られている証拠です。そこで今回、具体的に CS4i 導入のメリットをご紹介いたします。 従来の主なIBM i でのバックアップ取得とCS4i を利用したクラウド連携のバックアップイメージ CS4i のメリット CS4i を採用することによるメリットをご紹介いたします。 コスト低減  クラウドへのバックアップによりコスト低減 バックアップ先のハードウェアやメディアを準備する必要がないため、初期および運用時のコストを削減できる 圧縮機能によるデータ量削減の結果、クラウド使用料やデータの転送時間短縮が期待できる 新スキルの習得が不要  IBM i からのコマンドラインや GUI からバックアップリストアを実行するため、既存のスキルをそのまま流用することが可能 ※既存スキルの流用が可能 運用の負担軽減 テープ媒体が不要なため、それにまつわる運用コストの低減が期待できる 特にメディアの世代管理のわずらわしさから解放される  オンプレミスの VTL 装置と比較して、クラウドの場合バックアップの容量追加が簡単 ※VTL装置は仮想テープライブラリとして、ハードディスク上に仮想のテープドライブを疑似的に作り、システム(OS)からテープドライブが接続されているかのように見せかける仕組み 以上のメリットによりユーザー様から評価を得られ、採用実績が増えております。 考慮事項 CS4i を導入するうえでは考慮すべき点もあります。 障害対策やDR 対策の観点で、データ容量や帯域などがRPO (Recovery Point Objective:目標復旧時点)やRTO (Recovery Time Objective:目標復旧時間)を満たせる構成になるか、事前にシミュレーションをする必要があります。 ※CS4i はレベル1に該当します。 クラウドへの保管対象であるバックアップデータ容量でのコストシミュレーションが必要です。具体的には、リカバリーポイントまで定めた業務復旧時間内にリストア処理が完了するかのシミュレーションをクラウド使用時のコスト v.s. オンプレミス構成時のコストの観点で必要になります。また、業務復旧時間内に完了しないシミュレーション結果の場合は、回線帯域を増やした場合のコストシミュレーションも状況に応じて必要になります。 クラウドを利用する場合は自社のセキュリティポリシーに抵触しないか確認が必要です。 ご参考情報(CS4i V1.2 の参考価格) CS4i を導入するうえでは、CS4iの費用とCloudの費用が必要になります。また、IBM Cloud Object Storage(ICOS)は、IBM CloudのStorageを示します。 ※以下のCS4i V1.2 価格参考情報ではIBM Cloudでの試算です まとめ CS4i では簡単にクラウド環境へ仮想テープ・イメージをバックアップすることが可能です。操作も OS コマンドと同様なため、実装に際し高度な技術を要しません。クラウドや別拠点へのバックアップを行うことで災害時の対策にもなります。価格も廉価でありますので直ぐに検討に踏み切れるソリューションです。HW の更改時やデータの活用方法を改革される際は、是非、CS4i 導入をご検討下さい。 ※この記事は2019年5月8日時点の情報を基に作成しています。

2019年03月11日

データ爆発の時代の備えとして「高速テープ」と「フラッシュ・ストレージ」を活用したデータ階層管理ソリューションの勧め

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの河野です。 昨今、データ分析やAIといったキーワードを目にしない日は無いというくらい日常会話で使われてきています。データ分析やAIが重要視されるようになってきた背景には、流行語にもなったビッグデータの出現により、例えば顧客に商品を買ってもらうために有効な広告を検討するための分析をすることで、購入してもらう確率を上げることができるようになります。 このように、大量のデータは企業にとっての価値をもたらす要素であり、戦略を考えるにはとても重要な役割を担っています。 このような”ビッグデータ”を効率的に利用・保管/管理するためのソリューションをご紹介いたします 増大し続けるデータ量 データという観点で一番ホットなトピックは、メディア業界における4K,8Kの商業放送の開始です。4K,8K放送が始まったことで映像コンテンツのデータ容量が爆発的に増えています。 どれぐらいデータが増えるのか?については、具体的には画面サイズが HDから4K に変わることで画素数が4倍となり、4Kから8Kに解像度をあげることでも4倍となります。(図 フルハイビジョン, 4K, 8Kの画素数 参照) 更に1画素あたりのビット数や1秒あたりのフレーム数(コマ数)も増加傾向になりますので、データ量もそれに比例して増加していきます。 図 フルハイビジョン, 4K, 8Kの画素数 どれぐらいのデータ量が必要となるのか?についても計算してみましょう。実際の映像データ自身は圧縮して送信されますが、ここでは計算を簡単にするために非圧縮の場合で計算してみます。 1画素あたりはRGBをそれぞれ8bitでの表現と想定し、8bit×3=24bitとなります。 1分あたりに必要な容量は、「総画素数」×24bit×1秒当たりのコマ数(今回は60fpsを想定)×60秒 で計算できます。 フルHD・4K・8Kのそれぞれで容量を計算し、1年間に必要な容量とともに表にまとめてみました。 1分程度であれば、フルHDの画質でスマートフォンのストレージに入るぐらいですが、8Kともなると保管が難しくなるぐらいの容量であることが分かります。 これを1年分保管するとなると、フルHDでも11.7PBと莫大な容量が必要となってきます。 データ分析の観点では、分析対象となるデータが多いほど精度が高まるため大量のデータを保管・準備することが必要になります。 このような大容量データを保管するために最適なストレージは”テープ”となります。 テープはLTO8で1巻あたり12TB(非圧縮)/30TB(圧縮)の保管が可能で、360MB/s(非圧縮:FHドライブ)/900MB/s(圧縮:FHドライブ)の速度で読み書きが可能です。 また、読み書きしないときには電力を消費しないので、消費電力が少なくてランニングコストも少なく済みます。そのため、長期保管するようなデータを保管する先としては最適なストレージといえます。 高速な分析処理の重要性 データ量の増加とともに着目されるのが、高速な分析処理です。 蓄積され続ける大量データを分析するために翌日にならないと結果が出ないというようなタイムスパンでは、情報が飽和している今の時代では適切なアクションのタイミングを逸してしまいます。 適切なアクションを適切なタイミングで実施するためにデータの収集や分析に費やす時間を短縮して、ビジネスに反映することができる環境を用意することが重要です。 サーバの処理性能はもちろんのことデータを読み書きするストレージも分析処理を高速化する上で重要な検討課題です。 分析処理を高速化するための最も簡単な方法がフラッシュ・ストレージの採用です。理想としてはストレージをすべてフラッシュ・ストレージにするオール・フラッシュ化をすることが望ましいところですが、フラッシュ・ストレージはディスクストレージと比べて高価なため、コスト的な観点から導入を躊躇されるユーザーの方も多数いらっしゃいます。 そこでお勧めしたいのがフラッシュ・ストレージとテープとを組み合わせたソリューションです。 フラッシュ・ストレージとテープ装置を組み合わせたソリューション 「コストと性能」という相反する課題は、既存の複数のソリューションを組合せることで解決ができます。コストはテープによって、性能はフラッシュ・ストレージによって得られます。ここで更に組み合わせるSoftware Defined Storage(以降SDS)ソリューションにより、運用面・管理面でもユーザーに負担をかけずに自動化することができます。 このソリューションであれば、企業の生産性も向上し導入のハードルも下がってくるのではないかと考えます。 この統合ソリューションは、以下3点が特長になります。 (1) フラッシュ・ストレージの性能 (2) 一定期間アクセスの無いするアーカイブ・データはコスト・メリットのあるテープ・ライブラリに自動的に移管 ※フラッシュ・ストレージ上ではアーカイブ・データは削除され、フラッシュ・ストレージの容量に余裕が生まれます (3) テープ・ライブラリのデータは、ユーザーからのアクセスに応じてフラッシュ・ストレージへ簡単にデータ移動および再利用が可能 上記により、ユーザーとシステム運用管理者の双方にメリットをもたらします。 IBM製品で実現するソリューション IBM製品で構成すると以下のようなイメージになります。 データ管理用にフラッシュ・ストレージとテープ・ライブラリーを接続したサーバー および サーバーに導入されたIBM Spectrum ScaleとIBM Spectrum Protect等のSDS製品でこのソリューションが成り立ちます。 IBM Spectrum Scaleは、データ階層管理機能をもち使用頻度の高いデータはフラッシュ・ストレージに配置し、使われなないデータは自動的にテープ・ライブラリーへデータ移管を行います。 IBM Spectrum Protectは、IBM Spectrum Scaleが使われないデータと判断したデータをテープ・ライブラリーへ転送(アーカイブ)させます。テープ・ライブラリー上で管理されているデータであっても、ユーザー自身のディレクトリーやフォルダー上にあるファイルとしてアクセスが可能です。 ユーザーは、ファイルをクリックすることにより、テープ・ライブラリーからフラッシュ・ストレージへデータのアップロードさせることも可能です。その後 一定期間放置すると、フラッシュ・ストレージからテープ・ライブラリーへ自動的に移管されます。この階層管理の仕組みの中にSASやSATAなどのHDDメディアを組み合わせることも可能ですが、ソリューション全体が複雑になりやすいこと、運用設計や運用管理の検討が不可欠であり、高度なノウハウが必要になるため、どういう構成にするのかは状況次第といったところでしょうか。 まとめ 今後、増え続けるデータをいかに安く保管するのかは重要な課題です。また、データ分析やAI利用の高速化のためのフラッシュ・ストレージの検討も重要な要素です。 コストの観点で利用できるフラッシュ・ストレージのリソースが限られることも考えられますので、フラッシュ・ストレージ上に格納したいが消去してはいけないようなデータをテープ・ライブラリーに移管させる機能をSDSを用いて自動化することで、分析業務の高速化と運用コストの低減を同時に図れます。 データ爆発の時代の備えとして”「高速なテープライブラリー」と「フラッシュ・ストレージ」を活用したデータ階層管理ソリューション”を是非ご検討下さい。 ※この記事は2019年2月20日時点の情報を基に作成しています。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp  

2018年12月12日

業務の効率化に役立つRPAとは? ~IBM RPA with Automation Anywhere編~

こんにちわ。 てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。 第一回は概要編 (業務の効率化に役立つRPAとは?~概要編~)、 第二回はWinActor (業務の効率化に役立つRPAとは? ~WinActor編~) についてでしたが、今回の第三回はIBM社が提供している「IBM RPA with Automation Anywhere」(以下IBM RPA with AA)を紹介します。 IBM RPA with AAとは? IBM RPA with AAは、IBM社の製品ではありますが、RPA部分の中身はAutomation Anywhere社の製品を利用しています。 Automation Anywhereという会社とその製品を日本国内で聞くことはまだ少ないかもしれませんが、Automation Anywhere社の製品は2018年2QのForrester WaveにおいてLeaderポジションと位置付けられています。 日本国内でのシェアは高くありませんが、全世界的に見ると認知度が高く実績も多い製品です。 ※参考:Automation Anywhere社のサイト さて、そのAutomation Anywhere社のRPA製品と組み合わせたIBM RPA with AAですが、他の製品と何が違うのでしょうか? 一番大きな違いは、業務全体を最適化するための支援ツールであるBusiness Automation Workflow製品(旧Business Process Manager)が同梱されていることです。 この製品と組み合わせて利用すると、対象業務の全体像やどこがボトルネックとなっているのかを把握できるようになり、またプロセスのどこが人間でどこをロボットに実施させるのか、を設定ができます。 IBM RPA with AAの製品としては"Platform"と"Platform Express"の2種類が提供されており、PlatformにはBusiness Automation Workflowだけでなく判断ロジックを外部で管理するIBM Operational Decision ManagerとOCR機能であるIBM DataCapも同梱されています。 なので、Platformを購入すればOCRの利用や複雑な判断が入るような処理を実装する時に別の製品を購入する必要がありません。 また、SAP連携やCitrix連携モジュールが製品内に用意されているため、これらの操作を自動化する際には楽にロボットを作成することができます。 IBM RPA with AAの使い方 まず、IBM RPA with AAは"サーバー型"の製品なので、管理サーバー(Control Room)が必須です。 ロボットの実行やステータスは管理サーバーで管理されますので、普段は管理サーバーを確認しておけば済みます。 サーバーでロボットを管理するので、勝手にロボットが増殖し誰も管理できていないという状況を防げるのが強みです。 ロボットを作る時には、一からロボットの動作を定義するのではなく、レコード機能を利用することができます。 オブジェクトを取得する"Smart Recorder"、座標を取得する"Screen Recorder"、HTMLの構造を取得する"Web Recorder"の3つのレコードを搭載しているので、場面に応じた最適な方法を選択することができます。 また、ロボットに実装できるコマンドは約500種類もあるため、大体の操作はAutomation Anywhereの機能で実現できます。 では、実際の操作を見てみましょう。 まずは簡単にメモ帳に"demo"と打ってそれを"demo.txt"ファイルとして保存するということをレコードします。 "Record"ボタンを押すと画面の右下に四角い"Recording"ウィンドウが表示されます。これがレコード中ということを示すもので、レコードが終わったら"Stop"ボタンを押すだけです。 結果は切れてしまっているので次の画面を見てください。 "Actions List"にレコードした結果が自動的に出力されています。 正しく実行できるのか"Run"ボタンを押して確認をすると、先ほどレコードした操作が同じように実行できていることが分かります。 ※ファイル保存処理の部分が目視できないほど高速処理となってしまっています。分かりづらく申し訳ありません。 "Actions List"内の内容がロボットが実行する動作を定義したものですが、一見するとプログラミング言語で記載されているように見えます。 自分でロボットを作る時に全部書かないといけないとするとしんどい、と思うかもしれませんがご安心ください。 コードのように見えますが、ここは直接編集できず、設定はすべてGUIベースとなります。 例えば"If"の動作設定画面は以下のようになります。 画面では設定した特定のフォルダーがある時の動作を定義しています。If文で使う条件と比較する対象を設定するだけなのでコーディングとは全く違うものになります。 画面左側の"If/Else"カテゴリから"Folder Exists"を右側のペインにドラッグ&ドロップし、設定をするだけで1から3行目の動作が自動的に挿入されます。 ですので、簡単にロボットを作ることができるということが理解頂けるかと思います。 まとめ 今回はIBM RPA with Automation Anywhereの導入部分のみのご紹介で全てをご紹介しきれていません。 ロボットの動作を定義する部分の見た目はコーディングしているように見えますが、実際にはGUIで設定をしていること、レコード機能をうまく使えば手作業で動作を設定することが少なく済むことを理解頂ければ今回のブログは成功です。 より詳細なご説明をご希望される場合は、遠慮なくお問合せ下さい。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年09月25日

業務の効率化に役立つRPAとは? ~WinActor編~

こんにちわ。 てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。 第一回記事は概要編でしたが、今回は第二回としてNTT-AT社が製品として出荷している「WinActor®」を紹介します。 1.WinActorってどんな製品? RPA製品全般的にですが、実現できることは「パソコン上の操作の実行」です。 例えば、Webページ上の特定の情報をExcelに転記する、テキストのデータを読み込んでWebサイトに入力する、などがあります。 WinActorはNTT-AT社が開発した製品で、初期の製品出荷開始が2014年と既に4年もの出荷実績があります。 この製品の主な特長としては以下が挙げられます。 ・日本国内でのシェアNo.1(情報元:WinActorサイト) ・国産製品なのでGUIはもちろん日本語 ・フローチャート形式でシナリオを作成 実際のロボット作成画面は以下のようになります。 画面の左下の部分がロボットの動作を定義する画面ですが、フローチャートのようになっていることが分かりますね。 ・WinActorが用意している部品や画像マッチングを利用して様々なアプリケーションの操作が可能 ExcelやWordなどはWinActor自体が用意している部品を使って、例えばExcelのアクティブなセルの移動や値のコピー、書式設定といった操作を実現できます。 それ以外の部品の用意されていないアプリケーションに関しては画像マッチングで対象を特定することで、様々なアプリケーションの操作が可能になります。 簡単な例として、NotesDBに対する新規文書作成操作のデモを画像認識とテキスト入力だけで作ったのでご覧下さい。 デモの中で、黄色の枠が画像認識をした部分の動作になります。例えば最初の画面では「ディスカッション」と書かれた文字の画像を認識してNotesDBを開いています。 ・専用サーバーが不要で、WindowsPC 1台だけでも稼働可能 WinActorはサーバーを用意する必要が無く、PC上にインストール・稼働可能です。 WinActorを利用開始するための初期投資としてはWinActorライセンス費用+シナリオ作成作業費用(+WinActor実行用PC)のみですので、安価にRPAの利用が開始できます。 サーバー不要でPC上のみで完結できる製品をデスクトップ型の製品と呼びますが、対して専用サーバーでロボットの実行・管理をする製品もあります。こちらはサーバー型の製品となります。 それぞれの違いについては次章で解説をします。   2.デスクトップ型とサーバー型 今回紹介しているWinActorは「デスクトップ型」の製品ですが、世の中の他のRPA製品には「サーバー型」のものもあります。 何が違うのでしょうか? ポイントは「ロボットの管理」です。 デスクトップ型 デスクトップ型はRPAのソフトウェアをPC上に導入し、そこでロボットを稼働させます。 全て1台の端末上で完結するため、個人の端末上でも、部門共有PCでも導入することができ、現場での取り回しが容易な形式です。 デスクトップ型の利用イメージとしては以下のようになります。 1つ注意が必要な点としては、デスクトップ型の製品ではロボットが処理を実行している時にはPCを占有するため、個人のPCに入れるというよりも専用PCを用意することを推奨しています。 デスクトップ型製品では、簡単にロボットを作成・稼働できるのがよい点ですが、反面、全社で統一管理をしたいという要望がある場合には不向きです。 WinActorの場合、統合管理するソリューションを追加できるよう準備していますので、このような要望にも対応できるように機能拡張をしています。 サーバー型 デスクトップ型はデスクトップ上でロボットを動かす。それに対してサーバー型は「サーバー上でロボットを動かす」から「サーバー型」なんじゃないか?と推測するかもしれません。 サーバー型は「ロボットをサーバー上で管理する」のでサーバー型と呼ばれます。 当然管理するためのサーバーを別途用意する必要がありますので、その分費用も高くなりがちですが、ロボットの実行環境を増やしたい場合には一元管理するメリットが活きるので比較的大きな環境向けといえるでしょう。 また、製品にもよりますが、PC上でもサーバー上でもどちらでもロボットを実行可能です。 ロボットの実行は管理サーバー上で管理されますので、管理者が管理サーバー上でスケジュール実行や実行トリガーの設定をすることによって実行できます。(手動実行もできます) 構成のイメージは以下のようになります。   3.まとめ WinActorの画面イメージや簡単なデモ動画をご紹介しましたが、どのような製品かイメージがついたでしょうか。 WinActorはロボットを作る操作がさほど難しくなく、RPAで実現する生産性向上の第一歩として使い始める製品としては非常に有用です。 まずは身近な業務で複数の人が同じような業務を行っているのであれば、そこからRPA化を着手してみるのもいいのではないでしょうか。   ※WinActor®はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年08月29日

業務の効率化に役立つRPAとは?~概要編~

こんにちわ。 てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。 どんなソリューションなのか?どういうところに適用する(できる)のか?が言葉を聞いただけではなかなか理解しづらいので、今回はRPAの概要編ということで解説をいたします。   1.RPAって? RPAは"Robotic Process Automation"の略です。”Robotic”とあるので、Pepperのようなロボットを想像するかもしれません。 または、工場などに設置されているような製品を組み立てるために使う機械を想像するかもしれません。 実はRPAでいう”ロボット”は物理的なロボットではなく”ソフトウェアのロボット”を指します。ソフトウェアなので、”パソコン上の操作を自動化する”ためのロボットとなります。 よくあるRPAの使い方の例としては以下のようなものがあります。 例1:Excel(CSV)で受け取ったお客様情報一覧を社内の顧客管理システムに入力する 例2:ECサイトを巡って自社製品の実勢価格を一覧としてExcelにまとめる 上記のようなことを実現できる、PC操作を自動化するためのソフトウェアロボ=RPA なわけですが、RPAが最も威力を発揮するのは複数のアプリケーションをまたぐ操作の自動化です。 Excel内で完結する処理なのであれば、マクロで済んでしまいますが、RPAはExcelをはじめとした、Webブラウザや専用アプリケーション間のデータの橋渡しができるソリューションです。 例えば、顧客マスタのExcel(CSV)を元に顧客管理システムと販売管理システムのそれぞれに顧客情報を登録することができます。 世の中にはRPAソリューションが多数ありますが、大きく2種類の特長に分類できます。 サーバー実行型 デスクトップ実行型 サーバー実行型は実行するロボットをサーバー上で管理します。特に多くのロボットを稼働させる場合には実行スケジュールの調整やスケールアウトの柔軟性が高いという点でも集中管理する場合にはサーバー型が最適です。 それに対してデスクトップ実行型はユーザーの端末上でロボットを稼働させることができます。サーバーを用意する必要がないため、すぐに始められる(スモールスタートできる)ところが良い点です。 デスクトップ実行型はRDA(Robotic Desktop Automation)と呼ばれることもあります。 サーバー実行型・クライアント実行型のどちらがよいのか?という問いには、それぞれにメリット・デメリットがあるのでケース・バイ・ケースとしか言えません。どのような業務を対象とするのか、どの程度の規模になるのかによって、最適なものを選択する必要があります。 海外製品も含めたRPAのメジャーな製品を分類すると以下のようになります。   2.RPAを使うとどういう効果があるの? RPAを導入すると以下の効果が見込めます。 人為的な操作ミスによる手戻りの削減 業務のスピードアップ・効率化 人間がより付加価値の高い仕事に時間を割けるようになる また、RPAを導入する際に業務プロセスの見直しをすることが多いので、副次的な効果として、業務プロセスの簡素化を実現することもあります。 RPAを導入することによって効果が大きくなる業務は以下のようなパターンです。 業務の量が多く、転記やシステムへの入力といった操作の繰り返し 同じ内容(例:お客様情報)を複数システムへ登録 他には、RPA単体ではなくOCR製品と組み合わせて帳票の読み取りからシステムへの入力までを自動化する、という業務も効果が大きくなります。 このように、人間の判断が比較的少ない操作をRPAにより自動化することで従業員のワークロード削減に繋がります。 さらに、対象業務によってはお客様の待ち時間が減少し、顧客満足度向上につながる、なんてことも有り得ます。 具体的な例として、弊社内で実装した例を以下に挙げます。 この例では、メーカーのサイトにある発表レターを弊社のサイトに掲載する業務の自動化になります。 この仕組みを実装することで、人間が定型的・定期的に実行していた業務の一部を自動化でき、メーカーサイト・CMS・Notesと3か所あった作業ポイントがCMSのみの1か所に集約できています。   3.RPAでロボットを作るにはどうしたらよいの? 製品にもよりますが、ロボットは主に以下の2種類の方法で動作を定義することができます。 1.操作を録画し再現する 2.操作を手作業で定義する 最もお手軽なのは1.による録画ですので、この機能を利用することが基本となりますが、人間が実行した操作を記録するだけなので人間が頭で判断しているコト(例えば条件分岐や繰り返し操作)を網羅してロボットを作ることができません。 そのため、条件分岐などを実装するためには、2.を使うことになります。 ロボットの定義は実行してすぐに動作を確認することができるので、「1.で録画」→「2.で条件分岐・繰り返し操作を実装」→ロボットを実行して動作確認→他の操作を「1.で録画」→「2.で条件分岐・繰り返し操作を実装」→ロボットを実行して動作確認・・・ ということを繰り返してロボットを作っていきます。 製品によっても違う部分がありますが、Webブラウザの操作を記録する場合、HTML構文解析機能をもっているものは、HTMLタグのどの項目をどのように変える(入力する)のか、ということを判断できるので、精度が高くなります。 また、画像認識機能を持つ製品もあり、それらの製品ではウィンドウ内の位置情報だけでなく「どのボタンを押すか」を画像一致で検索・実行できます。 ロボットの一連の動作を定義したものを”シナリオ”と呼びますが、シナリオの書き方が製品毎に大きく異なります。 フローチャートのように動作を定義していくものもあれば、まるでプログラミング言語でコーディングをするかのようにシナリオを作るものもあります。 RPAとしての機能だけではなく、維持運用のことも考慮して”どのようにシナリオを作るのか?”も気を付けた方がよいポイントです。 「ロボットを作るにはどういうスキルセットが必要なの?」と聞かれることも多いのですが、条件分岐・繰り返しもあり、正しい処理に直すためのデバッグを考えるとプログラミングを全くやったことが無い人だけでは難しいです。 しかし、バリバリのプログラミングスキルが必要かというとそうでもないので、Excelマクロを組んだことがある人であれば問題ないレベルではないかと思います。   4.まとめ 今回は概要の解説ですが、実際には製品によって実現できることが大きく変わってきます。モノによっては、RPA製品単体で実現出来るけれど、別の製品だと他の製品を購入・連携させないといけない、なんてこともあります。 また、Webブラウザの操作はHTML構文解析機能を利用するため精度が高いのですが、それ以外のアプリケーション(Office製品除く)は専用のモジュールが用意されていないことが多いので、画像認識や座標指定での実装となり、精度が落ち、実装できることに制限が発生することが多いです。 製品選定をする場合には、RPA製品としてどのようなモジュールが用意されているのかについても気にした方がよいポイントの一つです。 次回以降に、弊社が取扱いできる2製品(WinActor、IBM RPA with Automation Anywhere)を検証しましたので、その内容や製品の特長も含めて解説をしていきますのでお楽しみに。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年07月13日

【参加してみた】IBM i World 2018

皆さんこんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 河野です。 2018年6月に IBM i が AS/400 として誕生してから30年が経ちました。 IBM i は、この30年間に様々なテクノロジーを吸収し、名称をその時々で変えつつ、性能も大幅に進歩しています。長きにわたり全世界のユーザーに支持されているのは、移植性、堅牢性等の製品コンセプトが、誕生から変わらないことが、大きな要因ではないでしょうか。 次の30年に向けてスタートを切った、IBM i。全世界にも中継された、記念すべき IBM i  World 2018に参加してきました様子をご報告します。   IBM i  World 2018は、秋葉原コンベンション・ホールで開催されました。会場内は満席で、その期待と熱気が伝わってきました。そして、14:00 の定刻通りにオープニング・セッションが開始されました。   IBM i ユーザーがすぐにでも取り組める事例 講演は、どれも興味深いものでした。その中でも IBM i ユーザーがすぐに取り組める話として、九州三菱自動車販売株式会社様の開発事例が特に興味深かったので、ご紹介します。 九州三菱自動車販売様では、来店のお客様情報をリアルタイムに把握できないという課題に対して、ナンバープレートをカメラで読み取り、リアルタイムにお客様担当者へ通知する仕組みを導入していました。 しかし、1台のPCにしか情報が届かないために、結果として“ご用件を伺って予約いただいたお客様”に対して、ご来店時に再度ご用件を伺うといったような“効率の悪さ”があり、うまく仕組みを活用できていない、という課題がありました。そこで、通知を専用PCではなく、音声で担当者のPCに知らせる、インカムで来店通知を一斉発報する仕組みを構築しました。 その際に必要となったのが、ナンバープレート読み取り機能と IBM i 上の顧客データとの連携です。そこで、採用した技術がOSS(Open Source Software)を組合せて独自開発して、IBM i と連携させる仕組みでした。 最新の IBM i は、OSS 連携ツールが充実してきており、また、ユーザー研究会等の IBM i コミュニティからアドバイスやヒントが得られることも、実装する上で大きかったようです。 開発が進み、最終的には、インカムへ音声通知する仕組みまでを3ヶ月で完了しました。   私は、IBM i は基幹システム、という堅いイメージがあったのですが、最近の活用のされかたは、画像情報とリアルタイム連携するなど、進化し続けていることを改めて感じました。 増々 OSS が進化することと思います。OSS の進化に併せOSS との連携(データ連携)に関連しセキュリティやネットワークといった技術との連携も意識して取り組みが必要となってくるはず、と感じました。 事例発表の後、IBM からの使用技術の説明があり、更に理解を深めることができ、参加されたユーザーの方々もチャレンジして欲しい内容の話でした。   働き方改革に貢献する事例 もう一つのユーザー事例は、住商モンブラン株式会社様の働き方改革に対する取り組みでした。 それは、IBM i 上のリアルタイムの売り上げデータを IBM Watson へデータ連携することにより、生産計画のための分析資料を、簡単に作成できるというものでした。 住商モンブラン様では、IBM i の基幹データをコアに、様々なツールと簡単に連携させることにより、生産性が向上し、残業を削減させることに成功しました。これはまさに、今問われている働き方改革に IBM i とそのデータ活用が貢献する話でした。   最新技術との連携で課題解決に貢献する IBM i 今後は、IBM i を企業を支える基幹システムとしての役割だけはなく、生産性向上、顧客満足度向上、企業価値の向上など多くの役割を担える、ということがわかった IBM i World 2018での事例紹介でした。 今後も、IBM i をフォローしていきたいと思います。   ※この記事は2018年7月6日時点の情報を基に作成しています。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年06月27日

“イノベーションはエンジニアがリードする!” IBM Think Japan 2018 に行ってきた

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの山田です。 6月11日―12日に開催された IBM Think Japan 2018に参加してきました。 今、IT業界ではデベロッパー向けのイベントが増えていますが、IBM Think Japan 2018 も、初日を Code Day と称して3,000人を超えるデベロッパーが参加するイベントとなりました。 そのキーメッセージは、 世界はITでできている。イノベーションはエンジニアがリードする。 です。   イノベーションを牽引するエンジニアの時代 今年3月に開催されたラスベガスの IBM Think にも参加しましたが、Code Dayと銘打ってエンジニア向けの日程を設けたり、新世代エンジニアを登壇させたりという企画は、日本独自のものでした。この新世代エンジニアを登壇させるという企画からはグローバル以上に強いメッセージを感じました。逆にいえば、日本ではまだまだエンジニアへのフォーカスが弱いという証拠なのかもしれません。 新世代エンジニア4名が登壇した「エンジニア達の世界観」をテーマとしたパネルディスカッションは、IBMイベントとしては異色でした。 ここがポイント! 彼らは異口同音に、場所や時間にとらわれない働き方が理想であり、エンジニアはそれを実現できると述べている コミュニティへの所属は、個人だけでなく組織や社会への貢献につながる エンジニアは課題を持つ現場と一緒に解決に取り組むことが大事 特に、高齢化という現場の課題を挙げ、テクノロジーによる身体能力拡張や自動化の研究に取り組んでいるという話では、若者たちが高齢化への取り組みを前向きなチャレンジとしてとらえ、日本ならではの強みになると考えていることに感動と期待を感じました。 IBMの主催イベントでありながら、IBM製品やテクノロジーについてまったく話題にしなかったことも面白く、こういった発想をもつエンジニアの皆さんが、どのようなテクノロジーを評価し、どのようなツールを使うのかを、市場は注目しているに違いないと感じました。   IBM Code Patterns はまさにデベロッパーのためのツール 今回のイベントで大々的に発表された 「IBM Code Patterns(コードパターン)」は、まさに彼らにとって有効なツールになりえるのではと思いました。 IBM Code Patterns は、アプリケーション開発に役立つアイデアやコードが、以下のような作りたいアプリケーションの目的別に提供されたものです。例えば、ブロックチェーン・ネットワークを構築する、API Connect と Secure Gateway を使用してハイブリッド・クラウドを作成するなど、ディベロッパーのための様々ツールを提供しています。   コードを読む時間が短縮できるというメリット IBM Code Patterns では、作りたいアプリケーションの目的別にアーキテクチャ、サンプルコード、ドキュメント類がまとめて提供され、コードを読む時間が短縮できるというメリットがあります。 モバイル、クラウド、AI など、現在のアプリケーション開発は複数のテクノロジーが複雑に絡み合っています。そのため、それぞれの分野のスぺシャリストが、コミュニティで活動することが重要です。また、エンタープライズの世界では業種ごとの専門的要件なども関係するため、Context(文脈)も重要になっています。これらの状況を踏まえ、IBM Code Patternsがアプリケーション開発に役立つアイデアやコードを提供することで、開発者の次のステージをサポートするのです。 更にコグニティブの出現とともに”開発者は意思決定者に進化した”というメッセージにもある通り、エンジニアはテクノロジーを使って言われたものを作るのではなく、クリエーターであり、イノベーターであり、ダイバーシティを表現する存在として期待されているということと捉えることができます。   印象に残ったセッション 40以上の Breakout Session では、テクノロジーや開発手法などのトピックがデモやユースケースを通じて具体的に紹介されていました。 二日目の General Session では、この1年でどんなことが起きたのかを日本IBMの社長であるエリー・キーナン氏が振り返っていました。 テクノロジーの変革は大きく飛躍しました。 AI の認知度が上がり、日本でも Watson 導入企業は7倍になった ブロックチェーンの導入により、トレーサビリティの時間も7日から2.2秒に短縮された 量子コンピューターで、アジア初の HUB を開設した テクノロジー以外のことでは、ディスラプション(破壊的イノベーション)について語っていたことが記憶に焼き付いています。元々ディスラプションは Uber のように業界以外から起きると言われていました。しかし、実は業界 TOP の既存企業によるディスラプションが大幅に拡大していることが分かったそうです。 これは、既存企業が持つ非公開データの存在が大きく影響しているようで、データの重要性を裏付ける現象だと言えるでしょう。   楽天の取り組み Keynote として講演された楽天の事例は、初日のエンジニアによるイノベーションと、ディスラプションとなりえる企業の戦略を表したものだったと感じました。 楽天は、昨年、Watson のテクノロジーと楽天のビジネス上のノウハウを活用し、”楽天AIプラットフォーム”という社内システムを構築しましたが、驚くべきことに、1年間に38ものチャットボットを立ち上げ、サービスの品質や利便性を向上させているとのことでした。 更に、このような楽天エンジニアのスペックやその取り巻く環境も興味深いものがありました。 世界8か国に4,600人のエンジニアを抱え、国内に至っても日本人比率は、41% とまさにグローバル化されています。また、女性が23%を占めるダイバーシティな環境でもあります。社内の英語公用語化も、世界中から優秀なエンジニアを集めるための1つの施策だったそうなので、エンジニアへの期待値は相当高いと言えます。 今後、ブロックチェーンの技術を活用した楽天ポイントのグローバル通貨化の構想もあり、楽天ポイントを通じて個人的にも先進テクノロジーの恩恵を受けることができるのかとワクワクしました。 もはや仮想通貨に限らず様々なエリアで活用される技術となったブロックチェーンについては、近いうちに特集で取り上げたいと思います。   まとめ 最後に、初日に講演していたWatsonの生みの親グラディ・ブーチ氏は、 今やデベロッパーはすばらしいコードを書くだけでなく、経済的価値をもち、倫理的・道徳的な課題を解決するコードを書かないといけない。世界を変えているのでその責任があるのだ。 と語っていました。 正直、そこまで言う?とその時は思いました。しかし、二日間セッションに参加するうちに、IBMはこんなにもエンジニアを大事にしている、と感じると共に、ビジネスパートナー様をサポートする立場として、エンジニア向けにどんなサポートができるのかを考えさせられるイベントとなりました。   ※この記事は2018年6月27日時点の情報を基に作成しています。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

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