2021年01月

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AIとハイブリッド・マルチクラウドで業務改革を戦略的にサポートする「IBM Cloud Pak for Business Automation」の3つの価値

DX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度による格付けもはじまり、いよいよ企業の DX推進は正念場を迎えています。

本記事では、DX への取り組みの中でも重要なテーマである業務改革について具体的に何から着手するべきなのか?を考察するとともに、20年間国内外の BPM領域においてリーダー的な位置付けにあり、2020年12月に新バージョンをリリースしたばかりの「IBM Cloud Pak for Business Automation」を紹介します。

 

Index


 

「DX認定制度」により、企業の新たな格付けがはじまった!

現在、「2025年の崖」を克服し日本の衰退局面を打破するべく、各企業は DX の本格的な推進を行っています。

デジタル技術の急速な発展がグローバル規模で経済や社会構造に影響をおよぼすようになり、「Society5.0(リアルタイムに情報やデータが活用・共有されるデジタル社会)」の実現を国が目指している中で、社会の変化は企業経営や企業経営の管理監督のあり方にも大きな変化をあたえています。その動きの1つが、経済産業省による「DX認定制度」です。
同制度の事務局である情報処理推進機構(IPA)は2020年11月9日、この「DX認定制度」のウェブ申請の受け付けを開始しました。

DX認定制度とは、2020年5月15日施行の情報処理促進法に基づき、公益法人なども含む法人と個人事業者を対象に DX を推進する上でのビジョンや戦略、体制などが準備されている「DX-Ready事業者」を経済産業省が認定する制度です。
この DX認定事業者からは、さらに「DX-Excellent企業」、「DX-Emerging企業」の選定が行われ、上場企業については、「DX銘柄制度」と連携されて銘柄選定企業の中から「DX銘柄」や「DX注目企業」を選定します。

DX認定制度によって企業は階層ピラミッド化され、”日本の公認 DX企業” として新たな「格付け」が行われることになったわけです。
これは今後日本においても企業価値を高め、生き残りをかけた真の DX化の対応が必須であることを示す明らかな狼煙である、といえるのではないでしょうか。

 

ビジネス・プロセスにおける生産性向上の課題

DX をすでに十分に進め、組織や生産体制の柔軟性を獲得できている企業は、急激な社会変化を前に新しいサービス提供や働き方への迅速な対応による事業継続が可能といえます。
しかし、DX に消極的な企業は競争力の相対的な低下や緊急事態下での事業継続リスクがあり、ひいては市場から淘汰される恐れもあります。

一方で日本国内には、生産年齢の人口減少や少子高齢化といった、我が国の構造的な問題が要因とされる人手不足の現状があります。
多くの企業が、事業を拡大していく中で増える業務量に対して容易に新たな人材を確保することは難しくなっており、人材不足とその背景に潜むビジネス・プロセスの「属人性」が、日本の DX推進を阻んでいる要因の1つとなっています。

そこで、現有の従業員を生かすために業務の効率化を進めていくことは、企業にとって重要な課題となっています。
ビジネス・プロセスを見直し再設計することで業務の効率化を図ることは、経費の削減や納期の改善など生産性の向上とともに、労働時間の短縮・ワークライフバランス向上といった社員の働き方改革にもつながります。つまり、企業のビジネス・プロセス改善(業務改革)は、DX の推進を図る上で重要なテーマの1つだといえるのです。

 

業務改革にビジネス・プロセスの見える化と
自動化が必要な理由

業務改革をするためにもっとも有効な手段が、ビジネス・プロセスとワークフローの「見える化」と「自動化」です。
企業はビジネス・プロセスを自動化することによって、生産性と顧客の満足度を向上させ、人材を価値の低いタスクからより価値の高いタスクに割り当てることができます。

ビジネス・プロセスとワークフローを見える化することで、「誰が」「どの時点で」「何を行っている」のかを理解・把握することができるようになり、ボトルネックになっている作業を判別し、ロボットに代替えさせるかフローを変えるか、の判断を行うことができます。

ビジネス・プロセスを整理し見える化した上で自動化する業務プロセスに RPA や OCR を組み込むことで、自動化の効果を最大限に発揮することができるようになります。これにより大幅な業務のスピードアップとコスト削減の効果を見込むことができ、その上属人化を最小化することができます。

 

業務の見える化・自動化を実現する「BAW」

業務の見える化・自動化を実現するのが「IBM Business Automation Workflow (BAW)」であり、この製品は BPM 領域において国内外で20年もの間リーダー的位置づけにあります。

BAW は様々なシステムと連携しながら、最も効果的かつ柔軟な形でシステム全体を管理し、ビジネス・プロセスとワークフローを自動化してあらゆる業務のパフォーマンスを最適化します。これにより業務実行における様々な課題に対処し、オペレーションを改善して競争力を強化することができます。

また BAWは、BPMN や BPEL など標準に準拠しており、柔軟で容易な開発が可能です。
さらに、人間中心のプロセスおよびシステム中心のプロセスを制御するビジネス・プロセス層と多様な標準プロトコルをサポートし、各種データ・ソースやアプリケーション用のアダプタで広い接続性を持ったシステム連携層 (ESB) を構成します。

シンプルなワークフローの電子化のほか、AI や既存システムなどとシームレスな連携による高度な自動化が実現でき、主要業務におけるプロセス実行管理を最適化することで、ペーパーレス化とワークスタイルの変革、省力化や高効率化、業務の見える化と、人員最適化が可能になります。

BAW の活用事例として、回線工事の申し込みプロセスの改善があります。
電子化と自動化により作業時間が50%削減でき、手作業を無くすことでヒューマンエラーゼロを達成しています。
この事例から、業務プロセスの「見える化」「自動化」を行うことの重要性と威力が分かるのではないでしょうか。


 

生産性向上を戦略的にサポートする
IBM Cloud Pak for Business Automation

様々な業種の日常業務を見える化・自動化することができる BAW だけでなく、従業員の生産性向上を支援するためのソリューション群をセットで提供しているのが、IBM の業務自動化ソフトウェア「IBM Cloud Pak for Business Automation」です。

IBM Cloud Pak for Business Automation は、あらゆる業務の生産性向上をサポートするための自動化プラットフォームを提供し、企業内の業務プロセスにおいて一貫性のある効果的な経験を実現するとともに、運用プロセスを最適化できるようパフォーマンス・データを収集して可視化を向上させます。

また、変動する顧客の需要に対応するための迅速な拡張や縮退が可能なだけではなく、「ビジネス・プロセス」「意思決定」「コンテンツ」の変革を支援し、リモートおよびオンサイトの従業員の生産性向上を戦略的にサポートすることで、新しい製品とサービスを迅速に作成して競争上の優位性を獲得することができます。


 

IBM Cloud Pak for Business Automationの3つの価値

IBM Cloud Pak for Business Automation は企業内の業務を自動化する機能を強化するプラットフォームとして活用することができ、大きく3つの価値を提供します。

 

1.クラウドを自由に選択

Cloud Pak for Automation は、マルチクラウド環境で実現可能な IBM のインテリジェント・オートメーション・ソフトウェア・プラットフォームの最新の導入オプションであり、Red Hat OpenShift 上で稼働します。
そのため、様々なクラウド・プラットフォームで動作させることができます。

2.人手を介さないプロセスの自動化を実現

Cloud Pak for Automation は、事前に製品に統合されたワークフロー、コンテンツ、意思決定、キャプチャーの機能を活用することで、大規模にすべてのタイプの作業をインテリジェントにデジタル化、および自動化することができます。
これまでの単純な手作業の自動化の領域から、より人の代わりとなるプロセス管理や自動判断をおこなうルールエンジンなどのツールを組み合わせ、業務全体を自動化することで、手動プロセスを大幅に削減し大幅に生産性向上をすることが可能です。

3.AIの活用による判断の自動化

Cloud Pak for Automation は、人間と協働するインテリジェントなデジタル・ワーカーを構築して導入することにより、様々な分野で高いレベルの生産性を達成することができます。また、すべてのプラットフォーム・コンポーネントにわたるビジネス・データとシステム・データを収集し、一元化できます。
これにより、ビジネス・マネージャーがリアルタイムで運用パフォーマンスを確認できるため、運用の全体像を把握することが可能になり、業務の流れとパフォーマンスを見える化し、効率化と自動化を実現します。

 

さらに、シンプルかつ一貫性のあるライセンスにより、1つの柔軟なパッケージでプラットフォームを稼働できるだけでなく、必要な分のみを購入し、将来的にほかのプラットフォーム機能にライセンスを再割り当てすることができるため、容易に購入と運用ができることも魅力です。
そのため、企業の DX を推進する上で長期的に利用可能な安定したシステム・インフラとして活用いただけるソリューションだといえます。
それに加えて、オープン・テクノロジーへの継続的な投資を通じて企業の IT資産価値を最大化します。

 


IBM Cloud Paksとは

レガシーシステムの問題点を解決し、オープンなコンテナ技術によるアプリの可搬性の向上とオープンなオーケストレーションによる管理・運用の効率化を実現するのが、プラットフォームを最適化する IBM のソリューション「IBM Cloud Paks」です。

IBM Cloud Paks は、エンタープライズにおけるユースケース別に製品化されており、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウド、エッジ・コンピューティングと同じアーキテクチャーで提供しており、これらを活用していくことでモダナイゼーションを効率的に進めていくことができます。
また、企業固有のアプリケーション、データ、ワークロードの要件に対応する最適なアーキテクチャーと手法を選択できます。
IBM のハイブリッド・マルチクラウド・プラットフォームは、Linux や Kubernetes などのオープン・テクノロジーに基づいているため、選択したクラウド上でデータやアプリケーションを安全に展開・実行・管理でき、将来にわたってロックインされるリスクもありません。



 
 


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2025年06月09日

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で開発しているわけではなく、オープンソースの LLM を使っています。今ベータ版で使えるのは、Meta社の Llama3.2 などです。 ゼロから HCL で作ったものではなく、もう既に賢く育てられた LLM を使える点が大きな強みの1つだと思います。RAG を使って LLM に足りない情報を学習させられるようになるので、自社のデータベースで蓄えていた情報を AI が活用できるようになります。 Domino による生成AI の活用方法 ── RAG による拡張はキーになりそうですね。 松浦: Domino に溜まっている色々な情報やデータを社外や国外の生成AI に出さなくても、Domino IQ で新しい使い方が可能です。 ── Domino と生成AI の組み合わせで業務効率も向上しそうですね。 松浦: Domino は、業界用語や社内用語なども扱える 『生き字引き』のような人に代わる存在になっていき、皆さんの業務を支えられる のではないかと考えています。 REST API による効率的なシステム間の連携 ── フロントエンドの作り込みはどうでしょうか。例えば、チャットボット以外の入口を作る必要はありますか? 松浦: フロントエンドは何でもいいと考えていて、様々な Web やモバイルアプリに組み込むこともできますし、Notesクライアントが好きであれば Notesクライアントでもいいですし、Nomad Web でもいいと思います。Nomad Mobile というスマホやタブレット向けの Notesクライアント相当のものもあるので、それを使ってもいいですね。 ── 他社システムとの連携はどうでしょうか? 松浦: 前半でも少し触れたディレクトリサービスの連携だけではなく、REST API で他社システムと繋ぐことも想定しています。例えばフロントエンドとしては、チャットボットはもちろん、それ以外にも様々なシステムから入力してもらうこともできます。 Domino IQ 用に設定された Domino Server は、Dbserver プロセスから推論エンジンを起動する。(画像クリックで拡大)(出典:HCL Software|Configuring / Configuring users and servers / Domino IQ) 松浦: オープンソースの LLM を Dominoサーバーのデータディレクトリの下にインストールし、アプリケーションからの参照は、簡単な Lotus Script の読み込み・書き込みという2つのメソッドで問い合わせる仕様です。 先程も触れましたが、既存の LLM を使える点は大きな強みだと思います。 バージョンアップの鍵は互換性の安心感 新旧バージョンの互換性は移行チェックツールで担保する ── 互換性を気にされる方が多いと思いますが、いかがでしょうか? 松浦: 12.0.1 については 64bit対応、Open Java への変更があり、10 から 14 のタイミングで足回りをアップデートしました。その対応も含めて確認したところ、アプリケーションの互換性に関しては問題はありませんでした。 それでも互換性に懸念をお持ちのお客様には、NotesConsortium(ノーツコンソーシアム)で会員特典として利用できる移行チェックツールの使用も検討していただきたいと思います。 NotesConsortium(ノーツコンソーシアム) Domino に関する様々な知識やノウハウを交換、蓄積して会員同志で共有するユーザーコミュニティ 引用 以前のバージョンの環境で動作していたプリケーションの互換性(@関数/LotusScriptのみ) をチェックするツール、アプリケーションコードチェッカー(NDACC)をご提供しています。 カンタン移行判定ツールもご利用頂けます。 引用元:NotesConsortium「会員の特典」|移行支援ツールの提供 移行チェックツールとその効果 ── 実際に 9、10 から、V14、V14.5 へのバージョンアップは、移行チェックツールで試した場合の非互換はどれぐらいでしょうか。 松浦: 非互換はほとんどありません。 一言で非互換といっても、インパクトの程度は異なります。少し見た目が変わってしまうといった軽微なものから、挙動が変わってしまうという大きなものまであります。 移行チェックツールも過去20年以上の歴史があり、インパクトが小さい内容もチェックする仕組みでしたが、今はインパクトが小さい内容はチェックから外せるようになりました。 ── 非互換性の影響が少なく、迅速かつ正確な対応が可能であれば、安心してバージョンアップできますね。 松浦: もちろんインパクトの大小に関わらずチェックすることもできるので、気になる方は互換性に関するすべての内容を把握できます。すべてを確認していただいても、大きな影響を及ぼすような非互換はほとんどない と思います。 バージョンアップ vs 他社製品への移行 バージョンアップはしないが、移行もしない ── 前半にも話があったとおり、Domino の旧バージョンを利用されているお客様は多いようですね。 松浦: はい、旧バージョンのまま利用されているお客様も多いです。やはり、「バージョンアップをしなくても現状で満足」というのが理由 だと思います。 ── 一方で Domino から別製品への移行を検討されるお客様の声も聞きます。他製品への移行が検討される理由についてはいかがでしょうか。 松浦: DX を旗印に企業の形を大きく変えたいと思われた時に、エンドユーザーが日々使う情報系システムを刷新するのは象徴的だと思います。特に社外から新しい CIO が来たという様なケースだと顕著です。 引用 DX推進の際の障壁としては、「投資するための予算確保が少ない」が最も多くなっており、今後DXをさらに推進していく上で、約4割が「IT投資にかかる予算の増加」に取り組みたいと回答しました。 引用元:一般社団法人 中小企業個人情報セキュリティー推進協会「アンケート調査レポート」|「DX推進に成功している経営者」の実態調査アンケートの結果について ── DX の観点はひとつの肝かもしれませんね。 松浦: Web対応やモバイル対応、AI対応への再投資に対して、もっと価値を出していけるのではないかと考えています。 ── ただ、基幹的な情報系システムだと、気軽に移行するわけにはいかないですよね。 松浦: 他社ツールへのスイッチングコストの中には教育費を含め色々なものが発生するので、それだけお金をかける価値があるのかということに悩みながら検討されていると感じます。 やはりコストが大きいということで、移行ではなく共存で落ち着く ことがかなり多いですね。 HCL Domino の運用事例 内製化で自社の強みを生かしたDXを実践(日経XTECH) 20年で培ったデジタルカイゼンの文化 エームサービスの現場とIT部門をつなぐNotes(ZDNET Japan) 結論!バージョンアップが最適解 ── 他社製品への移行リスクや未知のコストも考えると、Domino を利用し続けるのがよさそうですね。 松浦: 異なる基盤でも併用して共存でき、互換性も担保されている ので最新バージョンアップでの利用をお勧めします。 ── ここまでの話以外で、他社製品への移行が検討される理由はありますか? 松浦: お客様から、Notesクライアントの強力な機能は変わらずご評価いただきながらも、そのインストールやセットアップなどの運用管理はやはり大変だ、という声もいただいております。 ── 最新バージョンでも同様でしょうか? 松浦: 最新バージョンでは改善されています。具体的には、V14 では ブラウザベースで Notesクライアントとほぼ同じようなことができる「HCL Nomad」という機能があります。特長は、専用Notesクライアントのインストールが必要ない点と、ブラウザベースなので複数の端末から使っていただける点です。 ── 「今までNotesクライアントでしかできなかったことが、Web でもできるようになる」ということでしょうか? 松浦: 例えば、Excelマクロを使った帳票の集計業務などですね。これまでは、Notesクライアント内でオフィス系のアプリケーションを起動するようなものは、ブラウザのセキュリティ制限によりブラウザからの利用ができませんでした。 しかし、2025年6月に出る新バージョン V14.5 は「HCL Nomad Web」が COM をサポートするのが目玉機能の1つで、Nomad Web から Excel や Word や PowerPoint を起動してマクロ実行などができるようになります。 ── V14.5 における進化の1つですね。 松浦: はい、バージョンアップの利点ともいえます。 すでに、以前から使用されているお客様がトライアルを始めている という状況です。 バージョンアップを推奨する理由 新旧バージョンの互換性を担保している。 コミュニケーション基盤が別製品でも、Domino を併用できる。 Domino IQ の実装/HCL Nomad Web の COMサポート HCL Domino について問い合わせる 今後の戦略 V14.5 は 描いたロードマップの答え合わせになるバージョン ── 今後の HCL の Domino のロードマップ、戦略はどのようになっているでしょうか。 松浦: この夏に出荷予定の V14.5 では実行環境のアップデートやスマホ・Web対応の進化や生成AI連携など、HCL になってから大きく描いたロードマップの答え合わせになるバージョンです。 アプリケーションを作り、うまく使ってもらう というのが、Domino の軸になっていると思います。Notesクライアントで動くアプリケーションから Webブラウザやモバイルで動くアプリケーションまで、様々なものがあります。それらを支えていくというのが Domino の DNA です。 ── 確固たる理念と設計思想があるのですね。支えるためには、Web対応や生成AI連携なども見越した拡張性も重要だと。 松浦: 作成したアプリケーションを拡張していくという方向性として API連携が挙げられます。Domino だけで全ての業務が回るとは考えていないので、周辺の製品サービスとの連携が簡単にできる というのがポイントの1つです。 兄弟製品に繋げる二段構えの展開 ── バージョンアップ以外での、ビジネス戦略は何かありますか? 松浦: アーキテクチャは異なりますが、開発環境の観点も含めれば兄弟製品といえるものがあります。 例えば Volt MX という製品には、モバイルOS を含む様々なプラットフォームのネイティブアプリケーションを作る機能があり、単一の開発環境で作成できます。 ── 開発するアプリケーションによって、戦略の幅が広がりますね。 松浦: Volt MX は一例ですが、プラットフォームを問わず使っていただけるような 本格的なアプリケーションについては兄弟製品 に繋げていく、という二段構えの戦略を考えています。 ── 兄弟製品への横展開…Domino が秘めるビジネスの可能性といえそうですね。 松浦: 今後のロードマップは、我々が描いた V14.5 の評価をユーザーから得ながらアプリケーションの軸はぶらさずに兄弟製品と補完しながら作っていく予定です。 ── Volt MX 以外に、どのような兄弟製品がありますか? 松浦: Nomad Web Designer、Domino Leap という製品があり、どちらもブラウザで動きます。 Domino Leap は、エンドユーザー様が『ITの専門知識を必要とせずに簡単にアプリケーションを作成したい』というローコードの需要を補完できるツールとして位置づけています。 Nomad Web Designer は今まで Windows PC でしか提供されなかった Domino Designer を MacOS でも同じように使えるようにしたイメージです。 ── いくつもの製品があり今後の展開も楽しみですが、まずは V14.5 からですね。 松浦: 旧バージョンをご利用中のお客様においては、まず他社製品との連携までかと思っています。 今は塩漬けの状態で、Domino の中だけで流通している情報があると思うので、それを他のシステムにも流通させてもらいたいですね。 1つの製品内だけでは情報の流れが停滞することもあると思います。業務の活性化のためにも、他社製品やAIとうまく連携し Domino を『情報の流れを淀ませないような解決策』という位置づけ に持っていきたいという思いもあります。 HCL 様からのメッセージ 過去にとらわれない新たな事例でアプローチ ── 長年 Domino を販売されているパートナー様に、特にお伝えしたいことはありますか。 松浦: HCL に移ってから使っていただいてるお客様から、「色々なツールを使っているが、やはり Domino は凄く良い製品だよね」という声をいただくことがとても増えている気がします。 お客様がやりたいことに耳を傾けると、今までにない新しい使い方 もどんどん出てきます。 弊社サイトで公開しているお客様事例にも掲載しているので、Domino を長らく販売していただいているパートナー様はもちろん、Domino の販売に興味をお持ちの企業様にも、ぜひご覧いただければ嬉しいです。 Domino はかゆいところに手が届く業務アプリを作るには最適なツールだと思うので、そこを強みとしてどんどんビジネスを仕掛けて欲しいと思っています。 インフラの観点においても、堅牢でパフォーマンスのいい製品に仕上がっていますし、他の SaaS製品との連携も充実しているので、「今までの Domino ってこうだよね」という枠の中だけで考えずに 販売していただきたいと思います。 V14.x を避けて V12 にする意味はない ── では最後に、Dominoユーザー様、パートナー様へのメッセージをお願いします。 松浦: Domino に限らず、バージョンアップの際は『どのバージョンにするか』を迷われるケースがよくあります。 今回のバージョンアップは V14.5 と刻まれたバージョンなので、V14 や V12 という実績があるバージョンを検討したいと思われるお客様もいるかと思いますが、この度 V14.0 の非互換検査をしたところ、12.0.1以上であればアップデートされたプラットフォームとして動作が変わらないことが分かりました。つまり、『14.5 もしくは 14 を避けて V12 にする意味はない』 ということなので、ぜひ最新バージョンを検討していただきたいと思います。 14.5 も新機能を使わなければ 14 と同じような挙動なので、保守期間が残っている新バージョンを使っていただいて、興味のある新機能にトライしていただくのが良いのかなと考えています。 ── 本日はありがとうございました。 HCL Domino について問い合わせる まとめ ここまで HCL Domino の新バージョンや今後の展開など、多岐にわたり HCLSoftware 松浦様にお伺いしてきました。 最後に、前半の話を含め HCL Domino の特長となる強みとバージョンアップを推奨する理由をまとめます。 HCL Domino の強み 高い開発生産性と堅牢性 簡潔で迅速なアプリケーションの開発。 長期的に使用されることに適した、運用の安定性。 優れた互換性と柔軟性 チェックツールにより、新旧バージョンの互換性を担保している。 古いバージョンのデータやアプリケーションも最新バージョンで動作可能。 コミュニケーション基盤が別製品でも、Domino を併用できる。 新バージョン V14.5 の新機能「Domino IQ」 セキュリティを確保しながら自社データを活用した生成AI の活用が可能。 過去のナレッジを活用し、業務改善を支援。 Domino の現状とバージョンアップを推奨する理由 Domino の現状 Domino は35年以上にわたり利用されている製品で、現在も市場は活況。 ユーザー数は多く、旧バージョンのまま利用される「塩漬け運用」も多い。 バージョンアップを推奨する理由 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2025年06月09日

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Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管されて丸6年が経ちました。 Domino は、高い開発生産性と堅牢性を兼ね備えたアプリケーション基盤で、長きにわたり企業の業務効率化を支えてきた歴史ある製品です。一方、重ねてきた実績の分だけ、バージョンアップに対する課題も垣間見えます。 今回は、エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware のテクニカルリードである松浦光様に HCL Domino のビジネス状況や今後の展開など、多岐にわたり話を伺いました。前半では「Domino の現状」を中心に、後半では「新バージョンの登場と互換性」をテーマにバージョンアップについてより具体的に語っていただきました。(本ページは前半です[後半も公開中]) 対談者 【ゲスト】 エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware テクニカルリード 松浦 光 様 【インタビュアー】 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 ソリューション企画部 松田 秀幸 ※対談者情報は2025年6月9日時点 HCL Domino の現状 製品の変遷と現在のビジネス状況 ── Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管(2019年7月)されてからも丸6年が経ちました。今、HCL としての Domino のビジネス状況はいかがでしょうか。 松浦: 現在も利用していただいているユーザーも多く、市場としては活況です。 見た目や使い勝手も含めた新機能が多く実装されてきた点、バージョンアップのサイクルが非常に良いペース で進んできている点が、ユーザー様、パートナー様から製品投資として評価をいただいてます。 一方、Domino のクラウドに対する対応が SaaS としてではなく Amazon や Google などのクラウドキャリアとの協業による提供に主眼をおいているので、その点が他の SaaS型コミュニケーションツールと比べてもう少しなんとかならないかという声は未だにいただいている状況です。 ── Domino のクラウドに対して、SaaS型コミュニケーションツールとしても期待もされているということですね。 松浦: 運用に関する負荷を下げたいということだと思います。 加えて人材確保やノウハウ継承などの課題に対し、生成AI との連携など新しい領域へのチャレンジがトレンドになっています。 旧バージョンでの利用も多い ── バージョンアップのサイクルといえば、多く利用されているバージョンは何でしょうか? 松浦: お陰様で現時点の最新バージョンである V14 が順調に立ち上がっています。ただ実は、特定のバージョンでいわゆる『塩付け運用』をされているお客様も多くいます。 そのような状況の中で1点、昨年末にあったケースについてお話しさせてください。 2024年12月13日に重要障害が発生し、多くのお客様と関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしました。大変申し訳なく思っております。この場を借りて、お詫び申し上げます。 対応として修正モジュールの適用をお願いしておりますが、実はこの障害は35年前のコードに含まれていたもので、Domino のすべてのバージョンで発生していました。 そのような中で、Domino の塩漬け運用をされているお客様、他社移行の事例記事になっており HCL とまったくお取引がないお客様からもお問い合わせをいただいています。 ── 古いバージョンのまま Domino を利用され続けているユーザー様もまだまだ多くいらっしゃる、ということが分かったのですね。 松浦: はい、良くも悪くも先ほどお話したような状態で、HCL と最近お付き合いがないお客様からもお問い合わせをいただくケースがありました。 古いバージョンを利用する際の注意点 ── 古いバージョンのまま利用することへの懸念は何でしょうか? 松浦: Java など サポートが終了したテクノロジーへの脆弱性対応 が懸念されます。 また、旧バージョンでは DXに対して十分な役割を果たせるとは言い難いです。新バージョンでは Web対応やモバイル対応、AI対応での活用もイメージしています。 例えば、新バージョンである V14.5 には、Domino と生成AI を統合した機能もあります。 ──『塩付け運用』をされた場合、サポート面はどうでしょうか。 松浦: 多くの塩漬け運用されているお客様からの声をお聞きすると、サポートが終了したバージョンで安定運用ができていたというのが Domino に対する今までの理解だったと思いますが、今回のようなことだけでなく、脆弱性対応も必要になるので、やはり サポートを受けられるバージョンの必要性 を意識していただけたのではないかと考えています。 Domino が選ばれ続ける理由 情報系基幹システムとしての性能と安定性 ── 旧バージョンでの利用も含め、Domino が利用され続ける理由は何でしょうか? 松浦: 情報系の基幹システムとして必要十分な機能を備えている点が大きいですね。 Domino が誕生した当初から兼ね備えており、「バージョンアップをしなくても現状で満足」というユーザーがいらっしゃる理由になっています。 ── Domino が古いまま使用されるのはなぜか、この点をより詳しくお聞かせください。捨てられないけれどバージョンアップもしない、というのは、なぜでしょうか? 松浦: 例えば、四半世紀前のデータがそのまま最新バージョンでも読み込めるなど、下位互換、上位互換性が非常に高い。動いてしまうがゆえに、使えてしまう。 便利に使っていただけるのはいいことなのですが、やはり15年前、20年前に作ったアプリケーションなので、見た目が古くなってくるというのは当然あります。 Domino でのアプリ開発の優位性 ── 一般的な市場感として Domino はすでに別製品に移行されてしまったという風潮もありますが、いかがでしょうか? 松浦: Domino はアプリケーションの開発生産性が非常に高い製品 だというのは、市場の評価として強くあります。 同じようなアプリケーションを、例えば SaaS型の Webベースの他製品、ノーコードの製品やローコードの製品に切り替えることにチャレンジされているお客様はいらっしゃると思うのですが、なかなかうまくいかないということを伺っております。 ── うまくいかないというのは? 松浦: その製品が悪いとか機能が足りないという話ではなく、Domino だと簡単にでき過ぎてしまうということで、エンドユーザーの満足度を得られないというのが1つの原因だとお客様はおっしゃっています。 他社製品と共存できるメリット ── メールはもう SaaSメールに移行しているという話はよく聞きますが、アプリケーションについては Domino の利用を続けているということでしょうか? 松浦: コミュニケーション基盤に関しては、在宅勤務やリモートワークが一般的になったので、好みの Web会議サービスに付帯したものへ切り替えたというお客様はいらっしゃると思います。 ただ、先ほどの話にあったように、アプリケーションはなかなか切り替えるのが難しいというのがあります。アプリケーション利用のために Domino が残っているというケース、共存されているというケースなど、多々あると思います。 ── Domino 以外のコミュニケーション基盤とアプリケーション基盤としての Domino を併用し、いわば一つのシステムとして使えると。 松浦: はい、その通りです。コミュニケーション基盤は別の製品を、アプリケーション基盤としては Domino を使っている 事例を、弊社ホームページにも事例記事として掲載しています。 ── コミュニケーション基盤とアプリケーション基盤でそれぞれのいいいとこ取りをされているのですね。 松浦: Domino と他製品が共存ができることは、バージョンアップの観点でも大きなポイントだと思います。 ──「基盤が2つあると運用管理も2倍になるのか」という疑問も出そうですが、どのような運用が可能でしょうか。 松浦: コミュニケーション基盤では、例えば1人に1つメールアドレスを発行するのが一般的だと思います。その場合、そちらのディレクトリシステムをメインにし、Domino は二次ディレクトリとして運用することもできます。 また、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)参照で認証委託をさせることもできますし、Dominoディレクトリと他のディレクトリ…例えばAzure AD(Azure Active Directory)のようなディレクトリサービスと連携させて運用している事例も多くあり、各社のやりたいことと運用負荷のバランスを考えて様々な方法がとれます。 なぜ Domino のバージョンを上げないのか 高い互換性が仇になっている?「動いてしまう」ジレンマ ── 互換性が高いということは、バージョンアップの障壁が低いともいえますね。 松浦: 互換性の高さは、単に過去のデータが「動く」以上の価値を提供していると考えています。 もし他社製品に移行する場合、往々にしてデータ移行が膨大なコストや技術的課題を伴い、互換性の問題が原因で取り残されたデータが発生するケースも見受けられます。Domino の場合、こうした課題を意識することなく 過去の資産を活用し続けることが可能 であり、移行リスクや未知のコストを回避 できる点でも独自の競争力を持っています。 ── 一方で、見た目を新しくすることは、バージョンアップの動機にはならない。 松浦: 見た目を新しくする機能もリリースはしていますが、そこに手をつけるよりは塩漬けで使ってしまおう、その方がお金がかからずに済む、ということで、古いバージョンのまま使うという決断をするお客様もいるのかなと思っています。 ── 確かに Notesクライアントだけを見たら、そんなに大きく変わらないですよね。 松浦: アーキテクチャは変わらないですし、Windows で動いてしまえばクリティカルな障害もなければ、上げる理由も作れなかったというところです(笑)。 最新バージョンは、バージョンアップをする理由になるか ── 大きな障害がなく動かせる状況の中で、上げる理由は何かとなると「最新バージョン V14 で何ができるのか」でしょうか。 松浦: そうですね。お客様が最新バージョンに上げる理由としては DX が多い印象です。再投資をする際の Web対応やモバイル対応、AI対応があります。そのようなところで、もっと価値を出していけるのではないかと考えています。 ── V14.5 については、後半でさらに詳しくお聞かせください。 松浦: 最新バージョンには、Domino と生成AI を統合した機能もあります。V14.5 は、大きく進化した面もあるので是非語らせてください(笑)。 ── 楽しみにしています(笑)。後半では、新バージョン V14.5 の新機能やアップデート、互換性についてお聞かせください。 HCL Domino について問い合わせる まとめ ここまで Domino の現状について、HCLSoftware 松浦様にお伺いしてきました。 最後に、前半のまとめと後半のトピックをご紹介します。 前半のまとめ Domino の現状 Domino は35年以上にわたり利用されている製品で、現在も市場は活況。 ユーザー数は多く、旧バージョンのまま利用されるケースも多い。 長期的に利用される理由は、高い開発生産性と安定性。 利用され続ける理由 Domino は情報系基幹システムとして必要十分な機能を備えている。 高い下位互換性と上位互換性があり、古いデータやアプリケーションが最新バージョンでも問題なく動作する。 旧バージョンの課題 特定バージョンを使い続ける「塩漬け運用」が多く、安定性を理由にアップグレードしないユーザーが多い。 古いままでもシステムが動作するため、アップグレードの動機になりにくい。 見た目の改良も費用対効果が低いとして、アップデートしないケースが多い。 Domino のバージョンアップと他社製品への移行 Domino は他社製品との共存が可能。 新バージョンは V14.5で、新たな機能が追加された。 DX領域での価値提供が、バージョンアップの理由となる可能性を秘めている。 次回予告 後半では、より具体的に新バージョン、互換性についてお届けします。 新バージョン V14.5 の機能はもちろん、今後のビジネス戦略も語って頂きました。 新バージョン V14.5 が刻む新たな一歩 生成AI を Domino の中に Domino と生成AI の統合「Domino IQ」 自社のベストプラクティスを得られる Domino による生成AI の活用方法 REST API による効率的なシステム間の連携 バージョンアップの鍵は互換性の安心感 移行チェックツールとその効果 新旧バージョンの互換性は移行チェックツールで担保する バージョンアップ vs 他社製品への移行 バージョンアップはしないが、移行もしない 結論!バージョンアップが最適解 今後の戦略 V14.5 は 描いたロードマップの答え合わせになるバージョン 兄弟製品に繋げる二段構えの展開 HCL 様からのメッセージ 過去にとらわれない新たな事例でアプローチ V14.x を避けて V12 にする意味はない (本ページは前半です[後半も公開中]) HCL Domino について問い合わせる このページを見ている人におすすめのページ 安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(後編) HCL Domino 製品紹介ページ Com-PASS Cloud|Domino Notes アプリのお預かりサービス .recommend-list{ margin-top: 0px; } ol.recommend-list li { color: #9b9b9b; } #recommend{ font-family: "Noto Sans Japanese"; font-size: 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