2023年06月

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次もやっぱりx86サーバー?いえ、Oracle SE2を動かすならIBM Power10 S1014に四得あり!

Oracle Database を比較的低コストで利用できるエディションとして Oracle SE2 は知られた存在ですが、このデータベースを動かすなら「IBM Power10 S1014」が最も有力な候補であることをご存じでしょうか。

TCOコストやパフォーマンス、バージョン対応、セキュリティという観点で、旧世代の Powerシリーズよりも、何より x86サーバー環境よりも多大なメリットを有しています。

本記事では Oracle SE2サーバーとしての IBM Power10 S1014 の魅力を深堀りしていきます。

Oracle SE2を最も経済的に使うならIBM Power10 S1014

Oracle Database は、企業情報システムのデータベースとして他には代えがたい独特のポジショニングを有しています。
その一方、ライセンスコストに関しては企業の懸念材料になり続けていることも事実です。

そうした中、Oracle Database の標準機能を実装していながら低コストで利用できるエディションが「Oracle Standard Edition 2(SE2)」です。
SE2 の上位エディションである Oracle EE を EE特有の機能を駆使することなく使っているのであれば(*1)、Oracle SE2 にスイッチするだけでもコストダウンを図ることができます。

加えてハードウェアの選択でもコストダウン効果を得ようというなら、ぜひ、IBM Power10 の「S1014」を第一候補として検討してみてください
S1014 は IBM Power10ラインナップのエントリークラスに相当するスケールアウトモデルのサーバーですが、実はとても有用なのです。

さらに、IBM Power10 の採用は、性能の高さを生かしたサーバー統合という形でのコストメリットも生み出せます。
下図の表は、Power8 や Power9 と比較したときに、Oracle SE2用サーバーとしてどれだけパフォーマンスが高いかを示したものです。

Oracle SE2サーバーとしてのIBM Power10の実力比較

図1:Oracle SE2サーバーとしてのIBM Power10の実力比較

見かけの価格は高いように感じても、サーバー統合により全体コストを下げられます
Oracle SE2 が分散して何台もある状況であれば、ご検討いただく価値は十分にあるでしょう。

*1. Oracle Database製品およびエディションによる機能の差異

対x86サーバー環境ではさらに大きな優位性を発揮

このように、IBM Power10 は従来の Powerラインナップと比較してさまざまなメリットがありますが、対x86サーバー環境ではさらにそれ以上の優位性を発揮します。

そもそも、IBM Power10 は1ソケットで高いパフォーマンスを有します。
x86サーバーが HMT2(Hardware Multithreading 2)実装であるのに対し、IBM Power10 は SMT8(Simultaneous Multithreading 8)をサポートしており、トランザクション処理のキャパシティが非常に高く、まさにデータベースに適したサーバーであるといえるでしょう。

一方で Oracle SE2 は、1データベースあたりの同時処理可能スレッド数が16に制限されているため、プラットフォームに関わらず SE2用の基盤にデータベースを仮想統合することで、今時のハードウェアリソースを余すところなく活用でき TCO削減につながります。

IBM Power10 には仮想化技術である PowerVM が搭載されているため、複数の SE2データベースを仮想統合する際にも仮想化ソフトウェアを追加で購入する必要がありません。DBごとにリソース管理が行えるというメリットもあります。

さらに、PowerVM はハードウェアと密接に連携した仮想化のため、オーバーヘッドが非常に少ないという特長があります。
CPUシェアが可能であるとともに CPU利用効率が高いため、より多くのデータベースを効率的に稼働させることができます。

ある調査では、S1014 24Coreモデルでの Oracle SE2搭載は、上位機種のx86サーバーと比べて24%、Oracle製データベースアプライアンスとの比較では最大38%、TCO が低くなると算出されています。

IBM Power10 では OS である AIX のライブアップデートができ、OSアップデート時は一部の更新を除いてほぼ再起動が不要です。”信頼性” “可用性” “セキュリティ” という点でも、サーバープラットフォームとして業界で高い評価を受け続けています。
このように、様々な観点で安定した稼働を実現でき、運用負荷を大きく軽減します。

古いバージョンの Oracle Database もそのまま稼働できます。
IBM Power10 で Oracle Database を動かすメリットとして、比較的古いバージョンを搭載できる、ということがあります。

以下の図は IBM Power10 における Oracle Database のシングルインスタンスの構成サポート状況の図で、表の中の〇は推奨バージョン、△は稼働可能バージョン(現在はOracleがサポート終了しているがかつて動作保証されていた組合せ)であることを示しています。

IBM Power10におけるOracle Databaseのシングルインスタンスの構成サポート状況

図2:IBM Power10におけるOracle Databaseのシングルインスタンスサポート状況

これを見ると、さかのぼって Oracle 11.2(11gリリース2)まで対応可能になっています。

データベースサーバーは基幹システムであり、その変化が実業務にインパクトを与えるためになかなかバージョンを上げられないというケースも多々あるかと思います。
そのような場合でも IBM Power10 であれば、バージョンを上げずにそのままの状態で稼働させながら大きなパフォーマンス向上を実現させることが可能です。

セキュリティでも一歩先行く機能を実装

セキュリティもまた、ビジネスの継続性を考える上で非常に重要なポイントです。
ここでも IBM Power10 S1014 は Oracle SE2 の稼働に大きく貢献します。

AIX上で稼働することで、競合する OS と比較し脆弱性を低く抑えることができます。
脆弱性に関するレポートは、23年間で286件、年あたり平均14件という少なさです。

また、IBM Power10 は物理メモリ上のデータを常に暗号化するという透過的メモリ暗号化を実装しており、処理性能に影響を与えることなく脅威からデータを守ることが可能です。
AIX ではファイルシステムの暗号化も標準機能として提供しているためデータベース側で特段の対応が不要である点も、運用負荷の軽減につながります。

IBM Power10は透過的メモリ暗号化でデータを保護

図3:IBM Power10は透過的メモリ暗号化でデータを保護

Oracleに関する悩みはNI+C Pにご相談ください

エヌアイシー・パートナーズでは、IBM Power10 S1014 をインフラとする Oracle SE2サーバー構築に当たり、潜在ニーズを含めたシステム構成の検討から具体的な構成案の作成までサポートします。また、データベースサーバーを取り巻くシステム全体の提案支援も行っています。

エンドユーザーのお客様の課題を解決するために、リセラーの皆様と一緒に知恵を絞り、汗をかくことがモットーです。

「何となく次もx86サーバー」という提案は、いったん脇に置いてみてください。
Oracle で悩んでおられるお客様のその課題、IBM Power10 S1014 であっさり解決できるかもしれません。

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2025年08月21日

【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました

公開日:2025-08-21 こんにちは。てくさぽブログメンバーの佐野です。 2025年7月17日に「watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ」第一回を開催しました。 2024年12月にもwatsonx Orchestrate(以下wxO)のハンズオンセミナーを開催しておりますが、6月にwxOの大幅なアップデートが入り使い方・作り方が大きく変更になったため、最新情報と基本的な使い方をいち早くお届けするべく企画・開催しました。 また、ハンズオンだけでなくワークショップの時間を設け、wxOがどのように使えるのかを参加者同士でディスカッションし、最後に各チーム毎に発表・共有をすることでwxOの理解を進めるとともに参加者同士のコミュニケーションを図りました。 本ブログではこのテクニカルワークショップについて簡単ですがご紹介します。 目次 watsonx Orchestrate概要 watsonx Orchestrateハンズオン ワークショップ まとめ お問い合わせ watsonx Orchestrate概要 旧wxOと比べて新wxOはAgentの開発方法が変わっています。画面が変わったのはもちろんのこと、エージェントで実行部分を示す用語も「Skill」から「Tool」へ変更となっています。他に大きく変わったのは以下の点になります。 新しく「Knowledge」機能が追加され、Agent内にファイルを添付することができ、簡易的なRAGの構成をNo-Codeで実現 Agent内で定義しているToolを呼び出す際に、LLMが自動でチャットに入力されたテキストから必要な情報を抜き出し、Toolへ渡す Agentから他のAgentを呼び出せる(wxO以外のAgentも呼び出せる)Multi-Agent Orchestration機能 「Behavior」に日本語で返答させたりAgentの挙動を定義 人事業務や購買業務、営業業務といった特定業務向けの事前定義Agentを提供 AgentやToolをPythonで実装するためのAgent Development Kit (ADK)および開発者向けのDeveloper Editionを提供 モニタリング機能でAgent処理履歴のトレース情報を参照可能 自社で開発したエージェントを提供する”Agent Connect”というAIエージェントのエコシステム上でマーケットプレイス環境 wxOの各エディション内の機能の変更と課金対象の変更 このように大きな機能追加や使い方の変更が入ったことをご紹介し、理解頂きました。 watsonx OrchestrateでAgentを作成する時の主な設定項目は以下のようなものがあります。 watsonx Orchestrateハンズオン 概要でお伝えしたように、用語も変わった上に画面も新しくなっています。 そのため、AI Agentを動作させるための以下の基本的な操作をハンズオンで体験頂きました。 wxO環境の説明や基本的な操作 Agentの新規作成 Toolの作成・利用 Knowledgeを利用した簡易的なRAG Agent Tool Builderを利用しFlowやCodeblockの作成 Agentから他のAgentを呼び出し これらのハンズオンはCodeblockを除きNo-CodeでWebブラウザ上の操作で実行できるため、プログラミングやシステム開発の知識・経験が無くてもAI Agentを動かすことができます。Codeblock機能はAgentの動作・処理順を定義する”Flow”の中でPythonを使ってデータを操作するための機能であり、簡易的なETLを実現するものです。 今回のハンズオンでは、サンプルとその手順をご用意したので、参加者の方々が一通りのことを体験頂くことができました。実際にハンズオンで体験頂いた内容のサンプルをいくつかご紹介します。 Agentのサンプル1:都市名からお天気情報を返答するAgent APIで他サービスを呼び出し、都市名を入力すると天気と気温を回答してくれます。 複数の都市名を入力し、表形式で回答してもらうこともできます。 Agentのサンプル2:簡易的なRAG Agent ファイルを添付し、そのファイルの内容から回答をしてくれる機能です。 ハンズオンではIBMの2024年度の年次レポートを添付し、その内容を元に財務パフォーマンスのサマリーを回答させました。 ファイルの該当箇所が参照できるので、根拠を確認できるのがよいところです。 ファイルは事前にAgentに添付しておくこともできますし、ユーザー自身がファイルを添付する使い方もできます。 ワークショップ 今回、ハンズオンだけでなくwxOを自社または自社のお客様がどのように利用すると効率化できるか?という観点でチームに分かれてワークショップを行いました。 1チーム4人の合計3チームに分かれてNI+C Pメンバーがファシリテートしながらアイディア出し・ディスカッションを行いました。 最後に各チームのディスカッション結果を発表いただき、「こんなことできたらいいな」というアイディアを全員で共有し合いました。 ワークショップで上がった意見の中からいくつかピックアップします。 市役所の窓口業務を実施するAI Agent チャットだけでなく音声対応もできる 個別業務を処理するTool/Agentと情報参照のRAGを併用してユーザーへの問い合わせへ回答 ブログを書いてくれるAI Agent 過去のブログを参考にして文体や言い回しを自分流に ドラフト書くAgent、推敲Agent、ファクトチェックAgentなど組み合わせ 薬局の在庫予測や自動発注にAI Agentを活用 まとめ 新しくなったwxOのハンズオンを1か月とちょっとで実施するというチャレンジングなワークショップでしたが、無事終えることができてホッとしています。 ご参加頂いた方々からのアンケートで「最新情報を知り、その環境で動作させられたのがよかった」とご意見を頂いており、準備した甲斐があったと嬉しく思っております。 wxOテクニカルワークショップの第二回も企画しておりますし、他の製品についても企画中ですので、この記事をご覧の皆様のお役に立てるよう、今後も企画・実現していきます。 「こんなことやって欲しい」というご意見ありましたら是非ご意見お願いいたします。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年08月04日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの高村です。 早速ですが、今年5月に開催されたIBMの年次イベント「Think2025」で、watsonx Orchestrateの新機能が発表されました!その中の一つとして、開発者向けの「Agent Development Kit(以下、ADK)」があります。今回はこのADKを活用し、watsonx Orchestrate環境への接続やエージェントの追加といった操作を行い、その使用感をご紹介します。  なお、watsonx Orchestrateについては、今年2月、3月に公開した「watsonx OrchestrateやってみたBLOG」でご紹介しておりますので、是非こちらもご一読ください。 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1) 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part2) 目次 はじめに ADKとは? ADK使ってみた さいごに お問い合わせ はじめに Think2025で発表された新機能は、6月に環境へ追加されました。それ以前の環境とは、メニュー構成や操作方法、機能名称に変更があります。 例えばこれまで「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」へと名称変更されています。 アップデート後の環境につきましては、別ブログにて改めて詳しくご紹介させていただく予定ですので、ぜひご期待ください! ADKとは? まずはADKについてご紹介します。ADKとは開発者向けにwatsonx OrchestrateのAgentやToolをスクラッチ開発するための開発キットになります。ローカル端末などに導入し、pythonベースで開発を行うことができます。 また、ADKとは別に、watsonx Orchestrate Developer Editionをローカル端末に導入することで、ADKで開発したAgentやToolのテストが可能になります。なお、watsonx Orchestrate Developer EditionはDockerコンテナ上で動作し、現時点のハードウェア要件はCPUは最小8コア、メモリは最小16GBが必要です。詳細はInstalling the watsonx Orchestrate Developer Editionをご確認ください。   ADKとwatsonx Orchestrate Developer Editionを利用することで、コードの迅速な作成・修正や柔軟なカスタマイズに加え、環境へのデプロイ前にローカルでテスト・修正が可能となり、作業効率の向上が期待できます。 ADK使ってみた 前述ではADKでAgent開発し、watsonx Orchestrate Developer Editionで動作確認、SaaS watsonx Orchestrateへインポートする構築の流れをお話しましたが、今回の検証における動作確認は検証環境として利用しているIBM Cloud 上のwatsonx Orchestrate利用します。よって前述したwatsonx Orchestrate Developer Editionは利用せず、ADKからwatsonx Orchestrate検証環境へAgentとToolを直接インポートし、動作確認を行いたいと思います。また、ADKのインストール先は自分の端末ではなく、IBM Cloud上に構築したUbuntuのVirtual Server Instance(以下、VSI)を使用します。検証環境の構成イメージは下記の図の通りです。 尚、ADKのインストール要件はPython 3.11以上、Pip、そして仮想環境(以下venv)が必要です。詳細については、Getting started with the ADKをご確認ください。 それでは早速使ってみましょう! VSIのプロビジョニング まずはADKをインストールするVSIをプロビジョニングします。本ブログではプロビジョニング方法について詳しく記載いたしませんが、手順は「【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud Object Storageを接続してみた(Part1)」のVSI for VPCの作成をご参考ください。 OSはUbuntu 22.04 LTS Jammy Jellyfish Minimal Install、リソースは2vCPU,4GB RAMで作成しました。VSI作成時にSSH鍵が必要なるので作成を忘れないようにしてください。 作成すると数分で起動します。端末からSSHログインするため浮動IPが必要になります。赤枠で囲った浮動IPを作成しインスタンスに紐づけします。以上でVSIの作成は完了です。 Ubuntuの設定 ターミナルを開きsshでUbuntuにログインします。私はWindowsのコマンドプロンプトを使用しました。Ubuntuユーザでログイン後、rootパスワードを設定し、スイッチできるようにします。 ubuntu@nicptestvsi:~$ sudo passwd root New password: Retype new password: passwd: password updated successfully ubuntu@nicptestvsi:~$ su - pythonのバージョンを確認したところ3.10.12でした。ADKの要件は3.11以上ですので、バージョンアップが必要になります。最初は3.13にバージョンアップしてみたのですが、後続作業と最新バージョンではパッケージが合わなかったのかうまく動かず…仕切り直して3.11を利用することにしました! root@nicptestvsi:~# apt install python3.11 バージョンアップ後、デフォルトバージョンとして3.11を指定します。 root@nicptestvsi:~# sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.10 1 sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.11 2 sudo update-alternatives --config python3 update-alternatives: using /usr/bin/python3.10 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode update-alternatives: using /usr/bin/python3.11 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode There are 2 choices for the alternative python3 (providing /usr/bin/python3).Selection Path Priority Status ------------------------------------------------------------ * 0 /usr/bin/python3.11 2 auto mode 1 /usr/bin/python3.10 1 manual mode 2 /usr/bin/python3.11 2 manual modePress <enter> to keep the current choice[*], or type selection number: 2 root@nicptestvsi:~# root@nicptestvsi:~# python3 --version Python 3.11.13 次に下記コマンドを実行して任意のvenvを作成します。 python3 -m venv /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest <環境のパスを指定 venvを活性化してログインします。下記コマンド結果のようにvenvに入れましたらUbuntuの設定は完了です。 root@nicptestvsi:~# source /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest/bin/activate (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# ADKのインストール 以下コマンドを実行してADKをインストールします。ADKは6月時点で1.5.1が最新バージョンです。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# pip install ibm-watsonx-orchestrate Collecting ibm-watsonx-orchestrate Downloading ibm_watsonx_orchestrate-1.5.1-py3-none-any.whl.metadata (1.4 kB) Collecting certifi>=2024.8.30 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading certifi-2025.6.15-py3-none-any.whl.metadata (2.4 kB) Collecting click<8.2.0,>=8.0.0 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading click-8.1.8-py3-none-any.whl.metadata (2.3 kB) Collecting docstring-parser<1.0,>=0.16 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading docstring_parser-0.16-py3-none-any.whl.metadata (3.0 kB) Collecting httpx<1.0.0,>=0.28.1 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading httpx-0.28.1-py3-none-any.whl.metadata (7.1 kB) ----中略---- (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate --version ADK Version: 1.5.1 ADKの環境設定 次にADKの環境設定を行います。watsonx OrchestrateのインスタンスIDが必要になるため、watsonx OrchestrateのSetting画面に入り確認します。下記画面をご参考にしてください。 環境設定コマンドはこちらになります。-nの後はvenv名を指定し、-uの後はインスタンスIDを指定します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env add -n <仮想環境名> -u <環境のインスタンスID> [INFO] - Environment 'my-name' has been created [INFO] - Existing environment with name 'nicpse' found. Would you like to update the environment 'nicpse'? (Y/n)y [INFO] - Environment 'nicpse' has been created 以下コマンドを実行して、IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateと認証設定をします。APIキーの取得方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」のAPIキーの取得をご確認ください。尚、リモート環境に対する認証は2時間ごとに期限切れになります。期限が切れた場合は再度認証する必要があります。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env activate nicpse --apikey <APIキー> [INFO] - Environment 'my-ibmcloud-saas-account' is now active [INFO] - Environment 'nicpse' is now active 下記コマンドを実行してCLIから利用できる環境のリストを表示します。IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateがactiveとなっていました! (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env list nicpse https://api.us-south.watson-orchestrate.cloud.ibm.com/instances/XXXXXXXX (active) local http://localhost:XXXX Toolとagentのインポート 次にToolとAgentのインポートを行います。ToolとはAgentがタスクを実行する際に利用する機能です。今回は、IBM様より共有いただいたyfinanceを活用したToolおよびAgentのコードを、ADKを用いてインポートします。なお、yfinanceはヤフーファイナンスから株価などの金融データを取得するためのPythonライブラリです。 最初にToolのインポートを行います。下記の様に、scpなどでToolファイルとrequirements.txtをディレクトリにアップロードしておきます。requirementsファイルは他のモジュールと依存関係がある場合使用します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# ls -l total 12 -rw-r--r-- 1 root root 0 Jun 24 04:42 __init__.py drwxr-xr-x 2 root root 4096 Jun 24 04:38 __pycache__ -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 8 Jun 24 03:02 requirements.txt -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 1778 Jun 24 02:46 yfinance_agent.py 下記コマンドを実行してToolファイルとrequirementsファイルをインポートします。企業情報を取得するstock_infoと株価を取得するstock_quoteの2つのToolがインポートされました。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate tools import -k python -f "./yfinance_agent.py" -r "./requirements.txt" [INFO] - Using requirement file: "./requirements.txt" [INFO] - Tool 'stock_info' imported successfully [INFO] - Tool 'stock_quote' imported successfully listコマンドを実行するとインポートされたToolを確認できます。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:# orchestrate tools list ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┳ ┃ Name ┃ Description ┃ Permission ┃ Type ┃ Toolkit ┃ App ID ┃ ┡━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━╇ │───────────┼────────────┼── │ send_mail_brevo │ send a meil using Brevo. │ write_only │ python │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_quote │ 企業のTickerSymbolを用いて株価… │ read_only │ python │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ Untitled_6160RC │ No description │ read_only │ openapi │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_info │ 企業のTickerSymbolを用いて企業… │ read_only │ python │ │ │ └─────────────────────────────────┴──── 次にAgentをインポートします。下記コマンドを実行します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate agents import -f ./yfinance_agent.yaml agent listコマンドでインポート済みのAgentを確認できました。Agentが使用するToolも表示されています。 (your-venv-adktest) # orchestrate agents list ┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━ ┃ Name ┃ Description ┃ LLM ┃ Style ┃ Collaborators ┃ Tools ┃ Knowledge Base ┃  ┡━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━ │ yfinance_age… │ 企業の会社情… │ watsonx/meta- │ react │ │ stock_info, │ │ │ │ │ llama/llama-3 │ │ │ stock_quote │ │ ││ │ │ -2-90b-vision ││ │ -instruct │ │  IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで動作確認 インポートしたAgentとToolをIBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで確認します。 watsonx Orchestrateへログインし、BuildからAgent Builderを選択します。 yfinanceエージェントが表示されているので、クリックします。 クリックすると、Agent作成画面に入ります。UIから基盤モデルを変更したり、Agentの振る舞いなど変更することができます。 スクロールして、Toolsetを確認するとADKからインポートしたToolが登録されています。 右のPreviewからAgentの動きを確認することができます。今回はDeployせずPreviewで確認します。入力欄には「IBMの株価は?」と質問してみます。しばらくすると本日の株価が回答されました。Show Reasoningを開くと推論過程を確認することができます。株価を取得するTool「stock_quote」を使用し、AIがユーザの入力から自動的にTicker symbolを入力していることがわかります。 次に「IBMの企業情報」と質問をします。しばらくするとAIがユーザの入力からTicker symbolを入力し、Tool「stock_info」を利用して企業情報を取得、回答されました。ユーザの入力内容からAgentが使用するToolを選択し、実行していることがわかります。   さいごに ADKのご紹介とADKを使ってToolとAgentのインポートを行いました。 ADKのインストールおよび設定について、Pythonバージョンの設定やvenvの作成でつまずく部分はありましたが、venvが作成できればその後の設定はスムーズに進められました。 今回はVSI上のUbuntuサーバにADKをインストールしましたが、ご自身の端末に導入することで、より気軽にAgent開発を行えるかと思います。なお、今回は検証対象外でしたが、watsonx Orchestrate Developer Editionを利用する場合は、インストール要件としてやや高めのスペックが必要になる点にご注意ください。 検証時のADKのバージョンは1.5.1でしたが、7月末では1.8.0が最新バージョンとなっています。比較的頻繁にアップデートされますので適宜Release Notesをご確認ください。バージョンアップでコマンドオプションも変更される場合があるため、マニュアルを確認するかコマンドに`--help`を付与してパラメータを確認することをおすすめします。   お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; }

2025年07月11日

【参加レポート】Domino Hub 2025

公開日:2025-07-11 みなさまこんにちは。ソリューション企画部 松田です。 2025年6月19日・20日と2日間に渡って開催された「Domino Hub 2025」に参加しました。これは HCL Ambassador有志が企画・実行する Dominoコミュニティイベントです。去年に続き、今回が3回目の開催となります。 昨年同様、今回もエヌアイシー・パートナーズはスポンサーとしてご支援させていただき、両日参加いたしました。そのレポートをお送りします。 目次 イベント概要 セッション内容 - Domino 14.5 リリース 特徴的機能とライセンス改定 -ロードマップ -お客様事例:曽根田工業様 最後に 関連情報 お問い合わせ イベント概要 「Domino Hub」は、HCL Ambassadorが主宰となり、Dominoの利用者、開発者、ソリューションベンダーが一堂に会するコミュニティイベントです。今回は1日目がオンライン、2日目はオンサイトのみの開催でした。 特に2日目は参加率が非常に高かったとのことで、会場も大変盛況でした。結婚式場としても使われている今回の会場は、中庭から陽の光が差し込み、解放感があるラグジュアリーな空間で、一般的なビジネスミーティングよりも上質な雰囲気が感じられました。 併せて展示ブースも設置され、Dominoアプリケーションがスマートフォンやブラウザで使えるようになる「HCL Nomad」などのHCL製品とともに、様々なビジネスパートナー様の多彩な関連製品が数多く展示・紹介されていました。 セッション内容 2日間で全22セッションが行われました。セッションはHCLをはじめ、HCL Ambassadorから、様々な開発ベンダー、製品ベンダー、エンドユーザーからの事例紹介などのセッション、そしてパネルディスカッションがありました。まずHCLからのセッション内でのトピックをお伝えします。機能のみならずライセンスまわりで大きなニュースもありました。 Domino 14.5 リリース 特徴的機能とライセンス改定 Domino Hubの2日前、2025年6月17日にリリースされました。 Domino IQ 特徴的な機能で最も注目すべき、今回もご説明に時間を割かれていたのが「Domino IQ」です。 一言で言えば「Domino内にローカルでLLMを持たせ、蓄積されてきたDominoアプリ内の情報も取り込み、セキュアな環境で生成AIを用いた業務を実現する」ものです。 企業内業務で生成AIをどのように実装し利用していくかは今、皆様の大きな関心事項であられると思います。自社のDomino環境内で、Dominoアプリケーションを用い、Notesクライアントからそれが実現できることになります。 (画像クリックで拡大) Nomad for Web COM対応 またNomad for WebがCOMに対応したことにより、これまではNotesクライアントだけでしかできなかったExcelやPowerPointを埋め込んだDiminoアプリもブラウザから利用できるようになりました。 ライセンスダッシュボード:DLAUの統合 これまでGitHubからダウンロードしてセットアップしていたDomino License Analysis Utility (DLAU)がDomino内にデフォルトで統合され、The Domino License Administration (DLA) となりました。 (画像クリックで拡大) ライセンス改定 そしてライセンスにも大きなベネフィットが付加されました。CCB Termライセンスにはこれまで「Domino Leapで5アプリケーションまで開発・利用が可能」という権利が含まれていましたが、2025年7月1日からその制限がなくなりました。すなわち「2025年7月1日以後有効なCCB Termライセンスをお持ちのお客様は、Domino Leapのフル機能が利用できる」となります。 同時に、Domino Leapライセンスの利用範囲であるHCL Enterprise Integrator(HEI)の利用権利も含まれます。これでCCB Termライセンスのみで、追加費用なく「ブラウザによるノーコード/ローコード開発」「基幹業務とDominoアプリケーションの連携」が可能になります。 さらにCCB Termで利用できるSametime Chatで添付ファイルと画像添付も可能になりました。 ロードマップ Domino、Notes、Verse、Nomadなど各ソリューションについてのロードマップも紹介されました。先々の計画は出てこないものですが、このようにHCLから明確に提示されることにより、Dominoをお使いのお客様はこれからも安心して利用を継続していただけると思います。 Dominoのロードマップ(画像クリックで拡大) Notesのロードマップ(画像クリックで拡大) Nomad, VerseといったエンドユーザーのUI部分が短期間でバージョンアップされていく。(画像クリックで拡大) お客様事例:曽根田工業 様 Dominoユーザーの有限会社曽根田工業 代表取締役 曽根田 直樹 様より、Domino事例のご講演がありました。曽根田様は2001年に静岡県磐田市で個人で起業され、切削機械の刃物を製造されています。曽根田様のお話で非常に興味深かった部分を抜粋致します。 "独立・起業するにあたり、前職で使っていたNotes/Dominoを自社でも使うことにした。現在は大手メーカーからの発注依頼や過去に作った品番の再発注など数多く受けており、当時のCAD/CAMのデータや販売管理データなどをDominoに入れて運用している。 オンプレミス環境のリスクやセキュリティ、IT技術のトレンドに合わせてクラウド化を検討した場合、Dominoからは離れたほうがいいのではないか?と思い、他社SaaS製品も検討しトライアルで利用登録をした。 しばらく触れずにいたところ、アカウント情報に登録していた支払い口座から利用料の引き落としがされていなかったためアカウントが凍結、さらに保存していたデータも突然消去されてしまっていた。支払いが滞っただけで中身まで削除されてしまうようなシステムには会社の大事な資産であるデータを載せられないので、「Dominoを『やめることを止める』判断」をした。" Dominoから他製品への移行を検討され断念されるお客様は多く、その理由は「Dominoの業務アプリケーションを、サービス内容を落とさずに別プラットフォームに移行することがはなはだ困難である」ということをよくお聞きしますが、この点にも意外な理由が潜んでいました。 最後に 初の2年連続開催となった今年のDominoHubは、コミュニティの力を象徴するかのような盛り上がりを見せました。14.5のリリース、生成AIの実装、ライセンス強化など、今後のDominoの発展を確信させる要素が数多く披露されたほか、実際のユーザー事例も非常に示唆に富むものでした。加えてロードマップの提示による未来への安心感も得られました。 DominoHubは単なる情報共有の場に留まらず、技術、コミュニティ、そしてビジネスの未来を交差させる特別な場となっています。これからもこのような取り組みが継続していき、多くのDominoユーザー、デベロッパー、そして販売パートナーが更なる価値を引き出していけることを楽しみにしています。これからもDominoと私たちの未来を築いていきましょう。 関連情報 「Domino Hub」大阪開催 Domino Hubは、2025年9月18日に大阪でのオンサイト開催が決定致しました。詳細およびお申し込みについては、こちらのリンクからご確認ください。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; } figcaption { color: #7c7f78; font-size: smaller; }

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