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こんにちは、営業促進部 IBMハードウェア保守担当チームです。 今回は「IBMハードウェア保守契約について」をテーマとして取り上げました。みなさんよくご存知とは思いますが、保守の知識が混同されている場合が見受けられますので改めておさらいしたいと思います。 目次 保証と保守契約 サービスの時間帯 契約の種類 IBM保守契約(更新・解約) 保守廃止と特別保守延長 お問い合わせ 保証と保守契約 IBM製品には通常、一定期間「保証」がついており、無償で機械の修復を受けられます。ただし、準備された保証サービスには故障受付時間に制限があったり、翌日対応となる場合もあります。 保守契約とは、上記の保証期間が終了した後も引続き機械の修復を受けられるサービスです。また、保証期間の機器へのさらなるサービス、例えば24時間対応などを求める場合にも、保守契約を締結し保証サービスを強化することも可能です。 サービスの時間帯 現在IBM保守契約で選択できる時間帯は以下の2つです。※以前は4つの時間帯がありましたが、2022年5月より変更されました 09:00 - 18:00/月曜日 - 金曜日(翌営業日対応) 00:00 - 24:00/月曜日 - 日曜日 いずれの場合もまずは対応時間内に IBMサービスライン障害受付窓口に連絡し、その後技術員が手配される形となります。 契約の種類 保守サービスの基本はオンサイトサービスで、障害時に IBM技術員が契約で特定した設置先に向かい現地で修復作業を行うものです。IBM ではこのオンサイトサービスの他に次のようなオプションサービスが用意されています。 ※これらのオプションサービスは対象機器がオンサイトサービスを契約していることが前提となります ベーシックセレクション 対象機器のファームウェア更新と年一回の定期点検を提供します。通常ファームウェアの更新はお客様作業となっていますが、当サービスを締結することにより、障害時のファームウェア更新はもとより年一回定期点検時に予防保守としてファームウェアの更新が行われます。ちなみに、ファームウェア更新と定期点検はそれぞれ別々のオプションサービスとしても準備されていますが、提供可能な時間帯に制約があるためベーシックセレクションのほうが断然オススメです。 メディア・リテンション 保守作業時に取り外したハードディスクやソリッドステートドライブ機構がお客様へお渡しされるサービスです。例えば、障害のあったハードディスクを IBM技術員が良品と交換した場合障害品は IBM の持ち帰りとなりますが、このオプションサービスを締結することにより障害品もお客様にお渡しされます。 IBM保守契約(更新・解約) IBM保守契約は原則自動更新です。したがって、契約時にサービス終了期間を設定しないかぎり自動で更新されます。 更新時期は契約時に設定した更新月1日です。自動更新を終了したい場合、例えば機器の使用の終了が予定されている場合などは、希望解約日の2ヶ月以上前に書面で通知いただくことが必要となります。 解約を通知するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。 対象となる機械の保守契約期間が1年以上 保守契約期間が2ヶ月以上経過した機械を設置場所から撤去し、かつ使用を中止した場合 弊社側の原因による保守料増額の効力発生日 保守廃止と特別保守延長 IBM製品は機種ごとに保守廃止が通知されます。(例えば「2023年12月31日をもってこのモデルは保守廃止」という形) 発表された機器が保守契約を締結している場合、保守契約も廃止日で終了となり「保守サービス提供廃止に伴う解約通知書」が発行されます。保守廃止日以降も対象機器を使用することが必要でどうしても保守契約したい場合は、IBM に特別保守延長申請を行います。IBM にて部品の確保状況などから申請が吟味され、承認された場合は IBM が指定した期間を最長に特別保守延長契約を締結することが可能となります。 いかがでしたか。その他ハードウェア保守についてご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }
こんにちは、エヌアイシー・パートナーズ高村です。 今回の【早わかり】ではIBM CloudサービスのIBM Cloud Object Storageの見積方法をご紹介したいと思います。 冒頭から余談ですがIBM Cloud Object Storageは"IBM COS"や"ICOS"と略されるようです。資料などを検索するとIBM COSと略す資料が若干多かったので、このブログではIBM COSと記載します。 IBM COSの概要 まずはじめに、簡単にIBM COSのご紹介です。IBM COSはオブジェクトストレージといわれるストレージになります。オブジェクトストレージとはその名のとおり、データをオブジェクト単位で扱うストレージです。よく耳にするストレージとしては、ブロックストレージ、ファイルストレージがありますので表にまとめてみました。 ブロックストレージ データ保存方法 記憶領域を論理ボリュームという単位で分割、さらに内部を固定長のブロックに切り出し、そのブロックにデータを保存 プロトコル FC、SCSI、iSCSI、FCoE 主なIBM製品 IBM SpectrumVirtualize (Flash System製品など) ファイルストレージ データ保存方法 フォルダ、ディレクトリといった形式で階層的に管理、保存 プロトコル CIFS、NAS、FTP 主なIBM製品 IBM Spectrum Scale、IBM Elastic Storage System オブジェクトストレージ データ保存方法 データ・ファイルをオブジェクトと呼ばれる断片に分割し、それらのオブジェクトを単一のリポジトリーに保存 プロトコル HTTP/HTTPS(REST API) 主なIBM製品 IBM Cloud Object Storage ファイルストレージはディレクトリごとの保存サイズに上限がありますが、オブジェクトストレージは階層のないフラットな空間に保存されるので大量のデータ保存に向いていますね。 IBM COSの特徴 IBM COSですが、主な特徴をご紹介します。 1.多様な提供形態 IBM Cloudサービスでの提供とオンプレミス環境で利用可能です。オンプレミス環境ではSoftware Defined Storageまたはアプライアンス製品がございます。例えばバックアップストレージはIBM CloudサービスのIBM COSを使用するなどハイブリッドでのご利用も可能で、お客様のニーズにあった提供形態を選択することができます。 2.高い信頼性、可用性 Information Dispersal Algorithm(IDA:情報伝播アルゴリズム)という技術により、保存データ容量を抑えるとともに、データを強固に守ります。またIBM Cloudサービスでのご利用ですが、レジリエンシーオプションの選択によってリージョンを超えてデータを複数のデータセンターに分散格納する"クロスリージョン"、同一地域内にある複数のデータセンターに分散する"リージョン"のオプションを選択でき高可用性を実現しています。 3.コスト削減 IBM Cloudサービスの場合、1GB/月から使える安価な従量課金モデルとなっています。また4つのストレージクラスがあり、特にSmart Tierは毎月のアクセスを追跡し 3つの価格設定(Hot、Cool、Cold)から1カ月の使用量に応じた料金を算出します。これは変更が頻繁に起こるワークロードや予測しづらいワークロードに有用で、コスト最適化を実現できます。 IBM COSの概要が見えてきましたね。ここでは細かい機能説明は記載しませんが、詳細な情報が欲しいという方はお気軽に文末に記載の お問合せ先 までご連絡ください。 見積ですが、提供形態によって見積方法が異なります。今回はIBM Cloudサービスを利用する際のIBM COS見積方法をご紹介します。 1) IBM COS見積に必要な情報 IBM COSの見積には以下表中の情報が必要になります。 項目 説明 レジリエンシー 以下3つのオプションから選択 Cross Region : 一つのGeo内の3つのRegionに跨ってデータが保管され、最高の可用性と回復性に優れる Regional : 一つのRegion内の複数のゾーンに跨って保管され、可用性とパフォーマンスに優れる Single Site : 一つのデータセンター内の複数のデバイスに跨って保管され最も局地性に優れる ロケーション データ保管するロケーション:上記のレジリエンシーの選択によって異なる。日本では東京、大阪が選択可能 ストレージクラス 以下4つのストレージクラスから選択 Smart Tier:アクセス頻度が動的または予測不可能、hot,cool,coldの料金レートに自動分類し毎月のストレージコストを最適化 Standard:アクセス頻度が高い Vault:Standardよりアクセス頻度が低い Cold Vault:最小限のアクセスでよい ストレージ容量(GB/月) 月に利用するストレージ容量(GB単位) クラスA(1,000回当り)呼び出し データへの書き込みに対する要求の数、1,000回単位で課金 クラスB(10,000回当り)呼び出し データへの読み取りに対する要求の数、10,000回単位の課金 データ取得(GB/月) IBM COSからダウンロードするデータの量(GB単位) 今回は以下の想定で見積してみたいと思います。通常はバックアップストレージとして利用します。障害が発生し、データのリストアが必要になった場合にIBM COSからデータダウンロードを行う想定です。よって緊急時のデータ取得費用も確認するため、データ取得は"年1回10,000GBダウンロード"として算出してみたいと思います。 ・レジリエンシー⇒Regional ・ロケーション⇒東京 ・ストレージクラス⇒Smart Tier ・ストレージ容量(GB/月)⇒50,000GB/月 ・クラスA(1,000回当り)呼び出し⇒1 ・クラスB(10,000回当り)呼び出し⇒1 ・データ取得⇒年1回に10,000GBダウンロードを想定 2) IBM COSの見積方法 ①以下URL先のIBM CloudのCloud Object Storageのサイトへ入ります。ここではIBM Cloudのログインは不要です。IBM Cloudのアカウントを持っていない方でも見積もることができるので気軽に確認できますね。 https://cloud.ibm.com/objectstorage/create#pricing ②要件に沿って、赤枠をクリックして設定します。通貨は米国にします。 選択すると下に各項目毎に月額が表示されるので、ストレージ・クラス料金体系の赤枠内Smart Tierを確認します。※金額は2022年11月時点の金額になります。 ③各項目の費用が出たので、要件から計算します。Smart-Tierは自動コスト最適化が適用されるので厳密な金額は出せません。よって今回はSmart Tierで一番費用の高いHotの料金で計算しようと思います。またデータ取得は年1回ダウンロード想定なので、ダウンロード月の費用とダウンロード無しの月の費用を算出してみます。※通貨は$で算出していますので、適宜日本円に換算してご確認ください。 年1回ダウンロード月の費用は表中青字の金額になります。 項目 単価 数量 小計 ①ストレージ容量(Smart Tier,GB) $0.0237 50,000 $1,185 ②クラスA(1,000回当り)呼び出し $0.005 1 $0.005 ③クラスB(10,000回当り)呼び出し $0.005 1 $0.005 ④データ取得(GB) $0.14 10,000 $1,400 総合計/月 $2,585.01 ダウロード無しの月額費用は、上記④の費用を除いた金額になるため、$1,185.01/月になります。 さいごに いかがでしょうか。見積にあたって少し計算がありますが、数分で費用を確認できます。 IBM Cloudを利用する際はバックアップストレージとしてご利用される案件も多いと思いますので是非ご提案活動にお役立てください。 お問合せ この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp
こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。 2022年7月20日に IBM より Power10 Scale Out Model の発表がありました。 既にリリースされている E1080モデルと比較して、リーズナブルな価格帯を実現してます。 今回は IBM Power の設計に注目し、どのような点が優れているのか?他社との違いは何か?にポイントを絞ってご紹介します。 Powerの3要素 Powerの設計は主に以下の3つの要素から形成されます。 パフォーマンス 資産継承 システム連続稼働(可用性 、セキュリティ) 1.パフォーマンス Power9からPower10 の主だった進化ポイントは以下の通りです。 Power9 Power10 最大搭載コア数 12 15 L2キャッシュ 512kB/Core 2MB/Core L3キャッシュ 120MB/チップ 120MB/チップ PCle Gen4 Gen5 消費電力 - Power9の半分 また、次の点も進化しています。 新命令セットISAを追加(AIやセキュリティ対応) 実行ユニット 128Bit (整数/浮動小数対応) ×8/Core OMIメモリ 1024GB/s対応 以上の観点からもパフォーマンスUPされていることがわかりますが、ここではさらに代表的なx86CPUとの比較について、独自の視点でまとめてみました。 会社名 IBM INTEL AMD CPU名称 Power10 Xeon SP 3rd EPYC 7003 プロセスルール Samsung 7nm Intel 10nm TSMC 7nm+GF 14nm ダイサイズ 602㎟ 非公開 8×81㎟+416㎟ トランジスタ数 180億 非公開 8 ×33.2億⁺84億 (パッケージ328億) コア数 15 40 64 1コアあたりのトランジスタ数 12億 非公開 5.125億 1コアあたりのスレッド数 8 2 2 L2キャッシュ/Core 2MB 1MB 512KB L3キャッシュ(共有) 120MB 60MB 32MB×8⁼256MB L3キャッシュ/Core 8MB 1.5MB 4MB CPUクロック 3.55GHz~4.0GHz 2.3GHz~3.4GHz 2.45GHz~3.5GHz メモリクロック DDR4 3200MHz DDR4 3200MHz DDR4 3200MHz メモリチャンネル 16ch(OMI) 8ch(ダイレクト接続) 8ch(ダイレクト接続) メモリ帯域 1024GB/s 200GB/s 200GB/s 比較いただければわかると思いますが、Power10は非常に豪華な構成です。 1Coreあたりの資源投入量が多く、メモリ帯域も非常に高いです。 「クロック数が高い」「1Coreあたりのキャッシュが多い」「スレッド数が多い」となり、性能向上に対して妥協なく取り組んでいます。 Intel® 64 and IA-32 Architectures Optimization Reference Manual を参考により詳しく見ていきます。 Intel Power アーキテクチャ Skylake Power10 整数同時実行数 4 8 浮動小数同時実行数 3 8 512Bit行列演算同時実行数 2 4 Power10は、1Coreあたりの同時実行数が整数、浮動小数、行列演算すべてにおいて上回っています。 SMT8は、単純な水増しではなく、同時に8つの演算を並列して実行できるだけの構造になっていることがお判りいただけるかと思います。 同時にOMI (後ほど詳細を説明します) によってより多くのメモリ帯域を確保しています。 2.資産継承 Powerは互換性について重視しています。 通常、CPUのアーキテクチャ変更はOS側で吸収するというのが一般的ですが、OSとCPU両方開発しているIBMは違います(IBMのStrong Pointの1つです!) PowerはCPU自体に互換モードを備えており、100%の互換性を担保します。 つまり、Power10ではPower9モード、Power8モードが利用可能ですので、従来の環境から一旦そのままで移行したいケースや、CPUの相性が心配といった場合でも互換モードを使うことによって安心して移行することが可能です。 ただし、互換性を最重視した結果、互換モードではPower10から新たに対応している命令セット、例えばMMA(Matirix Multiply Assist)命令は対応できない為、性能が十分に発揮できないケースがございます。 移行後はOSを最新化していただくのがおすすめです。 3.システム連続稼働(可用性、セキュリティ) IBM Powerは非常に障害に強い、ダウンタイムが少ないプラットフォームというのは周知の事実かと思います。 では、どのようにしてこのような堅牢な環境になっているのでしょうか? 従来よりPowerはプロセッサー周りについては非常に堅牢なRAS機能を搭載しています。 これらの機能は引き続きPower10でも継承されています。 First Failure Data Capture Processor Instruction Retry L2/L3 Cache ECC protections with cache line-delete Power and cooling monitor function integrated into processors’ on chip controllers CRC checked processor fabric bus retry with spare data lane 追加されたPower10のRAS機能とセキュリティ機能について解説します。 Power10では、主にプロセッサー外部のRASおよびセキュリティ機能が強化されています。 OMI (Open Memory Interface) : 本来パラレル転送であるDDR4メモリをシリアル転送化するメモリインターフェースです。 シリアル転送化により、より高速にするだけでなく、従来では不可能だったCPU-メモリ間のアクセスの障害についても帯域を半減させて縮退動作させることが可能になりました。 ※Powr10プロセッサーはPower9プロセッサーと比べ4倍以上の帯域幅を確保により、高速処理を実現 Chipkill : Chipkill は従来のECCメモリより高い可用性があり、RAIDパリティのような機能です。 DIMMの中に多数搭載されたメモリチップのうち一つが障害を起こしてもリカバリします。 スペアチップ : RAIDのスペアドライブと同じでDIMM内にスペア用のメモリチップを用意することにより障害を起こしたチップを切り離し、容量を少なくすることなく代替メモリチップに切り替えます。 透過的メモリ暗号化: メインメモリ上に展開されたパスワード等のデータは暗号化が難しいため常にセキュリティリスクにさらされています。 近年ではサイドチャネル攻撃により、別の仮想区画のデータを覗き見る手段が指摘されており、これらの攻撃に対しては、根本的な対抗策はメインメモリの暗号化となります。 Power10は専用の暗号化エンジンをDIMM上に配置することにより、パフォーマンス劣化なくメモリ暗号化を実現しています。 Power10が先駆けた性能改良、セキュリティを実装しているか、を解説いたしました。 おわりに Power10は高速、高可用性、高いセキュリティとすべての要求に応えるプロセッサーとなります。 特にセキュリティについては、現状で攻撃が存在しないとしても悪意ある攻撃が登場するとゼロディ攻撃にさらされるため、対策が遅れがちになります。 さらに修正不可能なバグがあった場合は、明日サーバーを入れ替えるということも現実的にできないので、問題が発覚する前によりセキュアな機能を先んじて実装するというのが非常に大切です。 将来も安心して利用できるインフラ環境としてPower10を覚えていただければと思います。 今後Power10での提案活動が加速ていくことを期待してます。 お問い合わせ この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp 関連情報 出荷から半年、IBM Power10が市場に与えたインパクトとは? (インタビュー) 【10分で早わかり】インタビュー記事「Power10の真の価値とは」 (インタビュー) 早わかり!ここが進化したIBM Power10! (コラム)
こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。 セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント 1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。 3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。 さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。 お問い合わせ この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp
こんにちは。 事業企画部メンバーの栗本です。 例えば「Db2 V11.5 はいつまでサポートがありますか?」など、継続してお問い合わせの多い IBMソフトウェア製品の「サポート・ポリシー」について説明いたします。 (さらに…)
こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの宮里です。 前回に引き続きAzure Stack HCIの検証で得られた知見をお伝えします。検証の目的は、Azure Stack HCIの構築・管理・クラウドとの連携をどのような手順でおこなうのか、使いやすいのか、を実機を使って体感してみることです。 今回は3回シリーズの2回目で、Azure Stack HCIを管理するサーバーを構築した手順をご紹介します。 Azure Stack HCIを導入してみた Vol.1 -Azure Stack HCI構築編- Azure Stack HCIを導入してみた Vol.2 -管理機能編- *本編 Azure Stack HCIを導入してみた Vol.3 -Azureと連携編- なお、現在のAzure Stack HCIは専用のAzure Stack HCI OSを利用してクラウドから管理するAzure Stack HCIと、従来からのWindows Server DataCenterエディションを利用するAzure Stack HCIの2つがありますが、本ブログのAzure Stack HCIはWindows Server DataCenterエディションの方となります。 Index はじめに 1. Windows Admin Center (WAC) の構築 2. Lenovo XClarity Administratorの構築 3. WACとLXCAの連携 さいごに お問い合わせ はじめに 第一回に続いて、今回は管理機能の検証としてWindows Admin Center(以下、WAC)サーバーとLenovo XClarity Administrator(以下、LXCA)サーバーを構築した内容になります。 今回の検証環境の概要図はこちらになります。WACサーバーとLXCAサーバーは仮想マシンで立てることにしたのでMXサーバー以外にもう1台物理サーバーを用意し、そこにHyper-V環境を構築しました。このHyper-V環境上にWACサーバーとLXCAサーバーを構築します。 LXCAはハードウェアを一元管理するサーバーです。そのためAzure Stack HCIを利用するにあたって必須ではなくオプションですが、WAC向けにLenovo XClarity Integrator for Microsoft Windows Admin CenterというLXCAと連携させる拡張機能が提供されているので、WACでハードウェアまで管理できるとどのように便利になるかを確認するために検証してみました。 1. Windows Admin Center(WAC)の構築 WACはマイクロソフト社が提供する無償で利用できるリモート管理ツールです。Azure Stack HCIはWindows Server 2019の標準機能を組み合わせて利用するので、そのままでは複数の管理ツールを使い分ける必要があります。WACを利用することでWebベースで一元管理が可能なので今回はその構築と実際の利用を検証してみました。 ブログ記事の順番は前後しますが、今回の検証ではまずWACサーバーを構築してからAzure Stack HCIサーバーを構築しました。Azure Stack HCIサーバー構築については当ブログ第一回を参照ください。 1-1. WACインストール WACのホームページからインストールファイルをダウンロードします。ダウンロードには以下のフォームで必要情報を入力し[Continue]をクリックするとダウンロードが始まります。 WACの展開方式はいくつかありますが、管理するWACと管理対象のMXノードが分かれていてWACには複数クライアントから接続できるゲートウェイサーバー方式が実際の案件でも選択される場合が多いとの想定から、ゲートウェイサーバーで検証することにしました。 最初の画面で[使用許諾契約書に同意します] にチェックを入れ、次に進みます。診断データのマイクロソフトへの送信はデフォルトのままで進みます。 デフォルトのまま次に進みます。 SSL証明書も今回は検証なので自己署名証明書のままで進みます。 インストールが完了したら、表示されているURLに接続して管理者アカウントでログインします。 WACに接続して自身のサーバーが確認できれば完了です。特に設定項目を変更することなくほぼデフォルトでインストールできてとても簡単でした。 1-2. クラスタの追加と確認 MXサーバーの2台をWACに追加し、続いて第一回で作成したnicp-clusterという名前のWindowsサーバークラスタを追加します。追加が完了すると以下のように確認できますのでこれをクリックして接続します。 WACからできるクラスタ管理を確認しました。以下のように状態を確認したり、 ボリュームを作成できることや、 仮想マシンの作成などもできました。 使ってみた感想としては、WACのインストール作業や操作性はシンプルでわかりやすく、スムーズに済みました。 GUIなども見易いのですぐ慣れると思います。 2. Lenovo XClarity Administratorの構築 続いてLenovo社のXClarity Administrator(以下、LXCA)を構築します。LXCAは無償で利用できるハードウェア管理ツールです。*LXCAはサポートは無いので本番利用でサポートが必要な場合はXClarity Proを購入する必要があります。 2-1. LXCAインストール まずLXCAのファイルをダウンロードします。仮想アプライアンス形式で提供されているので、今回はHyper-V用をダウンロードしました。 次にHyper-VマネージャーでLXCA用仮想マシンを作成します。仮想マシンの新規作成ウィザードが始まります。 分かりやすい仮想マシン名を付けて次に進みます。 仮想マシンの世代を「第一世代」、次の画面でメモリ割り当てを8GBにします。このあたりはLXCAのマニュアルを参考にしました。 今回の検証環境は固定IPの利用が必要な環境だったのでネットワークは一旦「接続しない」とし、後で固定IPを設定してからネットワークに接続することにしました。 次の画面で「既存の仮想ハードディスクを使用する」を選択し、ダウンロードしたLXCAのファイルを指定します。 これで仮想マシンの作成は完了です。以下の設定値で作成しました。 仮想マシン後に1箇所設定を変更します。作成した仮想マシンの設定画面で、仮想プロセッサの数をデフォルトの1個から2個に変更します。これも上記LXCAマニュアルに書かれている内容です。 ここまで終わったら仮想マシンを起動します。 起動が完了すると、仮想マシン画面上に以下のようにネットワーク設定を選択する画面が表示されるので”1. To set a static IP address for Lenovo XClarity virtual appliance eth0 port"を選択して固定IP設定に入ります。 続けるかどうかのメッセージが出るので”y”と入力します。 次に設定するIPの種類を聞かれるので”ipv4"と入力します。 続いてIPv4の各項目を入力していきます。IP address、netmask、gateway、DNS1、DNS2と順番に入力していきます。 継続するかの確認が出たら”y”を入力します。 しばらくすると固定IPが設定された画面が表示されます。 この後、Hyper-Vマネージャーにて仮想スイッチに接続することでネットワークに接続できます。 以上でLXCAがネットワークに接続しました。 2-2. LXCA初期セットアップ ブラウザでLXCA仮想マシンのIPアドレスに接続するとライセンス使用許諾から始まり各項目を順番に設定していくようになっています。では、早速設定していきましょう。 まずはライセンス使用許諾からです。内容を確認し[同意する]をクリックします。 次にユーザー・アカウントの作成です。スーパーバイザー・アカウントを2つ作成するようあるのでrootとroot2という2つのユーザーを作成しました。 次はネットワーク設定です。固定IPの設定は済んでいるのでここは確認だけでした。 次はサービスおよびサポート設定の構成です。左ペインにある[定期的なデータ・アップロード]から[サービス・リカバリー・パスワード]までの各項目を設定します。 以下は2つ目の[コール・ホームの構成]画面です。本番では管理対象サーバーがコール・ホーム対象のイベントを記録した際に自動的に通報される機能の設定を行いますが、今回は検証なのでここはスキップしました。 3つ目の[Lenovoアップロード・ファシリティー]の設定画面です。Lenovoサポートからサービス・データのアップロードを指示された場合のアップロード設定を行います。こちらも今回の検証では利用しないのでスキップしました。 4つ目の[保証]画面です。内容を確認してそのまま[適用]をクリックします。 5つ目の[Lenovo Bulletin Service]設定画面です。Lenovo がセキュリティや新バージョンリリースなどの情報をXCLAに送信するのを許可する設定です。デフォルトで許可する設定になっていますのでそのまま[適用]をクリックします。 6つ目の[サービス・リカバリー・パスワード]設定画面です。リカバリーの際に利用するパスワードを設定します。 すべての項目の設定が完了したら[システム管理の開始]をクリックします。 最初にデモデータを含めるかを選択します。どちらでもよいです。 [新しいデバイスの検出と管理]画面で、MXノードのXClarity Controller(管理プロセッサのこと。以下、XCC)のIPアドレスを手動登録します。 XCCのIPアドレスを入力して次の画面でユーザーID・パスワードを入力して登録します。 以下のようにMXノード2台のXCCを登録しました。 以上でLXCAのインストールと設定は完了です。 3. WACとLXCAの連携 WAC対応のLenovo XClarity Integrator(以下、LXCI)を利用することで、WAC画面からLXCAの管理情報にアクセスすることができるようになります。これでWACからハードウェア管理もできるようになります。 まず、WACにて[Lenovo XClarity Integrator]という拡張機能をインストールします。 左ペインの[拡張]を選択し、右ペインで[Lenovo XClarity Integrator]を選択してインストールします。 インストールが完了すると、[設定]から[Lenovo XClarity Integrator]が選択できるようになるのでこれを選択します。 LXCAを登録します。LXCAのIPアドレスと初期セットアップで登録したスーパーバイザーアカウントで接続します。 接続が完了するとLXCAが[接続済み]というステータスで確認できますのでこれをクリックします。 次にMXノードをLXCAに追加します。画面ではnicp01というMXノードに接続しています。拡張機能がインストールされたので、ノードの左ペインに[Lenovo XClarity Integrator]が選択できるようになったのでこれを選択して右ペインで”接続されたXClarity Administrator管理サーバーにノードを追加する”を選択してLXCAのIPアドレスを指定します。 するとWAC上のLenovo XClarity Integrator画面にMXノードが追加されます。以下はMXノード2台の登録が済んだ状態です。ThinkAgile MXと正しく認識されていることが確認できます。 WACに統合されたLXCAを利用してみました。以下のようにWACからLXCAのハードウェア情報を確認することができます。 このように、WACとLXCAの連携もとても簡単にできました。WAC上でハードウェア管理もできるようになるのでWACもLXCAも利用するのであればぜひ連携機能も利用してみては、と思います。 最後に WACとLXCAを連携することでHW、SWの両方を一度に管理することが出来、あれこれ見に行くことが無くなるので非常に見易く、便利だと感じました。 それぞれWACとLXCAの操作も切り分けが出来ていて、操作としてもGUIがシンプルであるため困ることは無いでしょう。 是非ともWACにLXCAを連携して使ってみてください。 管理機能編は以上になります。 如何でしたでしょうか、次はクラウド連携編になりますので是非ご覧ください。 お問い合わせ この記事に関するご質問は下記までご連絡ください エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの宮里です。 今回はAzure Stack HCIの検証をしてみたので3回シリーズで検証で得られた知見をお伝えします。 (さらに…)
※この記事は2022年12月26日時点の情報をもとに作成しています * * * * * * こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 継続してお問い合わせの多い、IBMソフトウェア(Passport Advantage:以下 PA)のライセンス体系について説明します。全網羅的ではなく代表的なもののみ説明するので、載っていない製品や課金体系については個別にお問い合わせください。 目次 IBMソフトウェア(PA)のライセンスとソフトウェア・サブスクリプション&サポート 課金体系 まとめ お問い合わせ IBMソフトウェア(PA)のライセンスとソフトウェア・サブスクリプション&サポート IBMソフトウェアを利用するために必要な権利は「ライセンス」「製品サポート」の2つに大別されます。 ライセンス:ソフトウェアを使用する権利 製品サポート:製品に対する各種問い合わせ、トラブル対応、バージョン・アップの権利 製品サポートは「IBMソフトウェア・サブスクリプションおよびサポート」(以下 SS&S)ともいいます。ライセンスと SS&S には、それぞれ以下の種類があります。 ライセンス 永久ライセンス:Perpetual License(買い切り型ライセンス) 期間限定ライセンス:Term License(期間使用型ライセンス) SS&S 継続SS&S:製品サポートを継続する場合に必要 新規SS&S:SS&Sの契約を停止した(空白期間が生じた)製品サポートを再開する場合に必要 永久ライセンスを購入すると対象ソフトウェアを永久的に使用できます。また、1年間の SS&S が付加されているので、1年目は製品サポートを受けられます。なお、SS&S の購入は1年単位です。 2年目以降は、継続SS&S を購入することで製品サポートを継続して受けられます。(図1-A)継続SS&S を購入しない場合、製品サポートに空白期間が生じたのちに再開する際には新規SS&S を購入する必要があります。(図1-B) 図1:2年目以降のSS&S購入による違い 期間限定ライセンスは以下が提供されます。 指定された期間に対してのソフトウェア使用権(ライセンス) 指定された期間中の製品サポート(SS&S) 期間限定ライセンスにはライセンスとSS&Sが必ず含まれるため、契約期間中に製品サポートも受けられる点が永久ライセンスと異なります。また、期間限定ライセンスは以下の種類があります。 サブスクリプションライセンス(Subscription License) 月額ライセンス(Monthly License) 期間限定ライセンス(Fixed Term License) それぞれの特徴は以下に記載の通りです。 各ライセンスの特徴 サブスクリプションライセンス(Subscription License) 契約期間:12か月から60か月 最短期間:12か月 途中解約:不可 製品サポート(SS&S):あり 月額ライセンス(Monthly License) 契約期間:1か月から60か月 最短期間:1か月 途中解約:30日前に書面で通知 製品サポート(SS&S):あり 期間限定ライセンス(Fixed Term License) 契約期間:12か月の固定期間 最短期間:12か月の固定期間 途中解約:30日前に書面で通知 製品サポート(SS&S):あり スモールスタートするプロジェクトや PoCプロジェクトにおいて期間限定ライセンスを採用することで、"初期投資を抑えることができる" や "必要なくなったら停止ができる" といったメリットがあります。特に、DXの実装段階においてはプロジェクトを素早く立ち上げ、効果がなければやめるという進め方が多くなります。このようなケースでは期間限定ライセンスのご利用が適しています。 一方、長期利用をする場合に期間限定ライセンスを採用することは永久ライセンスと比べてコスト増となることが多くなります。 プロジェクトの特徴や特性に合わせて期間限定ライセンス/永久ライセンスを選択し、最適なものを選びましょう。 課金体系 IBMソフトウェアの課金体系は「Passport Advantage / Passport Common License Types & Definitions」(IBMサイト/英語)にも記載がありますが、なんだか堅苦しい記述になっているのでざっくり解説をします。 課金体系は大きく「ユーザー課金」「サーバー課金」「その他」の3種類に分類できます。製品によってはユーザー課金とサーバー課金を組み合わせて買う必要があります。 具体的にもう少し詳しくみていきましょう。 ユーザー課金 Authorized User(許可ユーザー) 許可ユーザーは名前の通り、ソフトウェアを利用するユーザー数に応じた課金単位です。「どのPCからアクセスするか」ではなく、利用者個人に紐付きます。例えば、あるユーザーが PC だけでなく iPhone からアクセスをしても1ライセンスです。 図2:「許可ユーザー」におけるライセンスの数え方 Authorized User Single Install(許可ユーザー・シングルインストール) この課金単位は少し特殊です。考え方は許可ユーザーとほぼ同じですが、ユーザーと利用するサーバーを紐付ける必要があります。 具体例を挙げて説明します。 例えば、サーバーAとサーバーBの2台を稼働させ、サーバーAには管理者、ユーザー1、ユーザー2の3人がアクセスします。サーバーBにはユーザー1とユーザー2がアクセスをします。Authorized User の考え方ではユーザー数とイコールになるので3ライセンスとなりますが、Authorized User Single Install では "サーバーA:3ライセンス / サーバーB:2ライセンス =合計5ライセンス" の購入が必要となります。 この課金単位を利用している代表的な製品は Db2 v11.1以前のバージョンです。最新の Db2 では後述の Virtual Processor Core課金が使われこのカウント方法は使われないため、ご注意ください。 図3:「許可ユーザー・シングルインストール」におけるライセンスの数え方 Concurrent User(同時接続ユーザー) 同時接続ユーザーの場合は、サーバーなどに一時点で同時に接続しているユーザー数分のライセンスとなります。たとえ10ユーザーいたとしても、同時に利用しているのが2ユーザーなのであれば2ライセンスとなります。 代表的な製品としては、SPSS がこの課金単位での購入が可能です。 図4:「同時接続ユーザー」におけるライセンスの数え方 User Value Unit(ユーザー・バリュー・ユニット) ユーザー・バリュー・ユニット(UVU)でのユーザー数のカウントは Authorized User と同じ考えですが、製品によって以下のポイントが異なる場合があります。 ユーザーの種類(例:社内ユーザー、社外ユーザー) 総ユーザー数に応じた階段式の係数(例:1,000ユーザーまでは係数1、1,001から5,000ユーザーまでは係数0.8、それ以降は係数0.6、など) 製品によってカウント方法や上記の係数などが異なるので、UVU課金単位の製品を購入する場合には IBMサイトのライセンスインフォメーション(英語)から対象製品を検索するか、個別に取引先にご確認ください。 代表的な製品としては、IBM Security Verify Access(旧 ISAM、TAM)があります。 図5:「ユーザー・バリュー・ユニット」におけるライセンスの数え方 サーバー課金 Install(インストール) インストール課金単位はソフトウェアをインストールしたマシン数に対する課金です。1台に導入するのであれば数量は1で、利用するユーザー数は関係ありません。 代表的な製品としては、IBM Security Guardium Key Lifecycle Manager がこの課金単位です。 図6:「インストール課金」の場合 Processor Value Unit(プロセッサー・バリュー・ユニット:PVU) 課金単位に関する問い合わせで一番数が多いのが、この PVU課金です。 PVU課金では、利用する CPU に応じた係数が決まっています。係数表は「Processor Value Units (PVUs)」(IBMサイト/英語)に掲載されています。この表の係数を元に、コア数を掛け算した数量のライセンス購入が必要となります。 例えば、Intel Xeon E5-2609v4 であれば最大2ソケットマシンにしか搭載できないので、先の PVU表からコアあたりの PVU値は 70PVU となります。この CPU は 8コアCPU であるため、1CPUサーバーの場合には "70PVU / コア×8コア / CPU×1CPU =560PVU" となります。 Intel CPU の場合、4ソケットマシンには100PVU、4ソケットを超えると 120PVU と、係数が変わるので、数量を確定するためには何ソケットサーバーなのかを調べておく必要があります。 図7:PVUはCPUに応じた係数に総コア数を乗じて算出する。 気を付けないといけないのは、サーバー更改や仮想化統合をする場合です。 割り当てコア数は変わっていなくても、物理サーバーのソケット数が変わることで PVU値が上がってしまうケースがあるので注意が必要です。また、新しい CPU は搭載しているコア数の最小数がどんどん増えているので、「現行機は2コアで稼働しているけれど更改後は4コアで稼働(=不足分の追加ライセンスが必要)」なんてこともよくあります。 多くの IBMソフトウェア製品がこの課金単位を利用しています。 Managed Virtual Server(管理対象仮想サーバー) 管理対象仮想サーバー課金単位はインストール課金と同じ考え方です。数量はソフトウェアを導入する仮想サーバー数をカウントします。 下図の場合には2台の仮想サーバーにソフトウェアを導入するので、2ライセンスとなります。なお、仮想環境ではなく物理サーバーが対象の場合には1ライセンスとしてカウントします。 この課金単位を使っている代表的な製品は、Instana や Turbonomic ARM があります。 図8:「管理対象仮想サーバー課金単位」はソフトウェアを導入する仮想サーバーを数える。 Virtual Processor Core(仮想プロセッサーコア) 仮想プロセッサーコア(VPC)課金単位は仮想サーバーに割り当てられたコア数(仮想環境の場合)、もしくは物理サーバーに搭載しているコア数(物理サーバーの場合)をカウントします。 PVU課金と違って CPUソケット数や種類による係数はなく、単純にコア数をカウントするだけなので環境を選びません。 この課金単位を使うのは、IBM Db2 Standard Edition や IBM Cloud Pakシリーズです。PVU課金のようにプラットフォームの影響を受けないので、計算がシンプルなのが特徴です。 図9:「VPC課金単位」は単純にコア数を数える。 その他 Client Device(クライアント・デバイス) クライアント・デバイス課金単位は、対象をサーバーではなく一般的なユーザーが利用するような端末に限定する課金体系です。 例えば、パソコンやスマートフォンなどが対象です。サーバーを対象とする場合には別の課金単位を用意している場合がほとんどです。 図10:「クライアント・デバイス課金単位」はパソコンやスマートフォンなどが対象 Resource Value Unit(リソース・バリュー・ユニット:RVU) RVU課金単位は、製品によって「何を課金対象とするのか」が変わる厄介な課金単位です。 例えば、Netcool OMNIbus では監視対象機器の物理台数が RVU数となります。似たような製品で、Tivoli Monitoring では監視対象のコア数が RVU数とカウントされます。 製品によってカウント方法が異なるので、RVU課金の場合は何をカウント対象とするのかを個別の製品ごとに確認が必要です。カウント対象を把握するにはIBMサイトのライセンスインフォメーション(英語)で対象製品を検索するか、個別に取引先にご確認ください。 図11:「RVU課金単位」はカウント対象が製品ごとに異なる。 まとめ IBMソフトウェアのライセンス体系と課金体系に関して簡単な解説をしました。 従来は一度構築したシステムを長期間使用することが多く、永久ライセンス(所有)にメリットがありましたが、昨今の IT環境の変化の速さやデータ量の増加、システムのライフサイクルの短期化などの背景から、期間限定ライセンスを採用することでメリットを享受できます。 期間限定ライセンスも選択肢に入れていただくことで、ご利用になる環境に最適なライセンスを選択できるようになります。ご不明な点がございましたら、以下の窓口までお問い合わせください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合わせは、以下のメールアドレスまでご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; 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