2020年06月

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OpenShiftに代表されるコンテナ環境へのIBMストレージの対応

IBMの岡田です。前回の「全包囲網。。。最新 IBMストレージ 概要」はいかがでしたか?

今回は、今流行りのコンテナ環境とIBMのストレージがどのようにこれらの環境に対応しているのかに触れてみたいと思います。

 

コンテナって何?

ある調査によると、クラウドファーストを掲げて次々とクラウド環境に IT を移していくといった流れは世界中の ITワークロードの5分の1ほど移ったところで一段落していると言われています。今日では従来型IT環境、仮想化環境、プライベートクラウド環境などのオンプレミス環境と、複数から成るパブリッククラウド環境を上手く使い分ける時代に入ってきたという人もいます。

何れにせよ、今後の IT はこう言った環境の種類に依存することなく、適材適所かつ必要に応じていかなる環境でも同じようにアプリケーション開発や検証ができ、完成されたアプリケーションをどこでも同じように作動させることができ、場合によってはそれぞれの環境で連携して動くと言った技術が必要になってきます。

この要求に応えることができるのがコンテナ技術です。

図1. 仮想環境とコンテナの比較

 

コンテナのメリット

図2.コンテナを使うことのメリット

どうしてコンテナ技術を用いるとこれらの要求を解決することができるのでしょうか?

それはコンテナ技術を用いることで、動かすべき対象つまりアプリケーションと、動かすための環境つまりインフラストラクチャーを明確に分けることができ、前者は同じコンテナ基盤であればどこでも同じように動かすことができ、後者はどんなプラットフォームでもこのコンテナ基盤を使えばどこでも同じ動作環境をアプリケーションに提供することができるからです。
別の見方をすると、従来型IT環境では機能要件と非機能要件を分けて考えることが時には困難な場合もありましたが、コンテナ環境ではこれらを明確に分けることができるわけです(図3参照)。

図3. 従来型IT環境とコンテナ環境での考え方の違い

 

Red Hat OpenShift について

このようなコンテナですが、その方式はいくつか存在し、ここ数年いろいろな方々が実際に触っていくうちに自然と多くの人に使われるものが絞られてきました。
また、その周りを司る管理機能についてもやはり幾つかの方式からここに至ってある程度代表的なものに絞られてきました。いわゆるデファクトという呼び方をしたりするものですが、恐らく現在デファクトのコンテナ用オーケストレーターと言えるものは Kubernetes ではないでしょうか?

この Kubernetes についての詳しい話はネット上にも沢山出てくると思いますので、ここではこれ以上触れません。
ちなみに最近はよくこの Kubernetes を “K8s” と書くことがあります。この K8s の “8” は Kubernetes の頭の “K” と最後の “s” に挟まれた “ubernete” の8文字を表しています。
Ruby 関連で i18n が internationalization を指すのと同じことです。そもそも IT の根本は如何にシステムを使って楽するかという怠け者の発想ですのでこんな略し方もわかる気がしますね。
(以下このブログでは、”Kubernetes” を “K8s” と表記します。)

さて本題に戻ります。
K8s 環境は実際にちゃんと作ろうとすると、周辺機能を選びつつ構築していくことが必要となります。
またこれらは通常 OSS で組むこととなるため、ミッションクリティカルな環境への適用は、何かあった際のクイックなサポート等の面から非常に難しくなります。

Red Hat OpenShift は、K8s を中心に置き、必要な周辺モジュールを全てパッケージ化した上で評価を完了させてある商用パッケージです。
そのため、要らぬところに労力を割くことなく、正しい K8s環境を短時間で構築することができます。しかも、商用であるがゆえに保守等もちゃんと付いています。

図4.OpenShift について

IBM はこの OpenShift をベースに各用途向けにコンテナ化された IBMソフトウェアを搭載し、パッケージ化した6つの IBM Cloud Pak というソリューションを提供しています。
(※詳しくは「製品・ソリューション/ソフトウェア」内で紹介されている、各種 IBM Cloud Pak をご参照ください。)

 

コンテナ環境下でのストレージのあり方

コンテナのメリットは先程ご説明しましたが、その中でも特にポータビリティという点は十分に考えられたソリューションです。

しかし、果たしてそれだけで十分でしょうか?

アプリケーションの作りにもよりますが、普通にコンテナ内のストレージを使いアプリケーションを動かすと、コンテナが不要となり消し去った際データも一緒に消えてしまいます。
複数のコンテナを並列に動かすような作りの場合にはデータを連携する必要があるかもしれません。

図5.永続ストレージの必要性

つまり、コンテナから独立したデータの器が必要となります。
これが永続ストレージというものです(図5参照)。

最近の IT の記述書などでよく “PV” という文字を見かけます。それは “Persistent Volume” の略であり、永続ストレージはその PV を使って定義づけられます。

では、永続ストレージにはどのような接続形態があるのでしょうか?

 

永続ストレージの接続形態

図6で示す通り、永続ストレージにはいくつかの形態があります。ちなみに一番左は通常のコンテナでのストレージのあり方で、この方法だとコンテナと共にデータは消えることとなります。

図6. K8s 環境でのストレージのあり方

ノード内の永続ストレージという点では OpenShift においては Red Hat OpenShift Container Storage が使われます。こちらはノード依存性がありますので複数ノードにまたがって連携することはできません。

それに対し、外部にストレージを保つ方法があります。ソフトウェア・デファインド・ストレージかハードウェア製品かに関わらず、K8s ノード外にあるストレージを使うため、仮にノードごとに何らかの理由で停止するようなことがあってもデータはキープされます。
(※どのような製品が対応可能かは後ほど触れます。)

これらの接続方法は、実は K8s のバージョンによって変わってきます。
ここでは K8s を包含した OpenShift のバージョンでお話しします。

図7. OpenShift のバージョンによる接続方法の違い

 

CSI

CSI とは Container Storage Interface の略です。K8s のストレージはこうあるべきという考えに基づき、K8s とは独立にプロトコルを標準化したものです。

よって、CSI を使うことで K8s ユーザーはストレージのメーカーや製品を意識することなく同じに使うことができるようになります。逆に言うと各メーカーの優位性を出すことが難しくなります。
とは言え、IBMストレージとしては後述の通りハードウェア製品とソフトウェア・デファインド・ストレージ製品との連携でより便利に使うことが可能です。

 

IBM のストレージ対応

さて、ここまではどちらかと言うとコンテナ側のお話をしてきましたが、いよいよ IBM のストレージの対応についてお話していきましょう。

 

ブロックストレージ編

図8. IBM のブロックストレージの CSI 対応状況

IBM FlashSystem は、IBMストレージのブロックストレージにあたります。

FlashSystem はいち早く CSI にも対応しています。
もちろん FlashSystem 同様 IBM Spectrum Virtualize ファミリーのアプライアンス製品 SAN Volume Controller も、ソフトウェア・デファインド・ストレージとしてクラウド上にポーティング済みの IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud も、対応済みです。

オンプレミスとパブリック・クラウド間でのデータ連携も永続ストレージ間で実施できるため、コンテナ上のアプリのポータビリティをオンプレミスとパブリック・クラウドの間でデータも含めて実現することができます。
実際、図2で示したコンテナのメリットは、ちゃんと永続ストレージを使ってどのプラットフォーム上でもできないと完璧にこなすことはできません。これが IBM のコンテナ対応のバリューです。

当然のことながら、フラグシップであるところの DS8000シリーズも CSI 対応済みです。

 

ファイルストレージ編

次にファイルストレージについて見てみましょう。

図9. IBM のファイルストレージの CSI 対応状況

IBMのファイルストレージと言えば、IBM Spectrum Scale というソフトウェア・デファインド・ストレージ製品ですが、アプライアンス製品として IBM Elastic Storage Server という製品があります。(第一回目のブログでもご紹介しましたね。)
この ESS についても CSI 対応済みということになります。

こちらも IBM Spectrum Scale の機能を使ってプラットフォーム間でデータを連携することができます(Active File Management 機能は後日別の回での解説を予定しています)。

IBM Spectrum Scale を用いると、ある面白いこともできます。
これも詳しくは後日解説しますが、少しだけお話すると、IBM Spectrum Scale は NAS、オブジェクトストレージを含むマルチプロトコル対応です。CSI で静的プロビジョニングを用いてコンテナからアクセスできるようにすると、既存で NAS 等で使っているボリュームを見せることも可能となります。
さらに IBM Spectrum Scale は Unified Access という機能で同じファイルを NAS としてもオブジェクト・ストレージとしても共有できる機能があるため、コンテナでも同一ファイルを使うことが可能となり、実質的に従来型IT とコンテナとの間でもデータが連携できることになります。

従来型のシステムとコンテナのアプリ間でデータ連携できることのメリットは、まさに最初に述べた環境を用途などで使い分ける現在の IT環境には無くてはならない機能です。
これも IBMストレージの大きなメリットです。

ハードウェア製品、アプライアンス製品、ソフトウェア製品を通じてブロックストレージ、ファイルストレージ共に IBM はコンテナ対応済みであると言えます。

 

オブジェクト・ストレージ編

オブジェクト・ストレージは基本的に RESTful API による HTTP 接続が使われます。
よってコンテナに限ったことではありませんが、ブロックやファイルストレージとは異なり、独自ドライバや CSI を介する必要はなく、アプリケーションから直接 I/O することが可能です。

IBM は IBM Cloud Object Storage というソフトウェア・デファインド・ストレージを扱っています。
また IBM Spectrum Scale もオブジェクト・ストレージとして使用可能です。

オブジェクト・ストレージについては AI&Bigデータの回で詳しくお話することにしましょう。

 

ソフトウェア・デファインド・ストレージのもう一つの対応

図10. IBM Storage Suite for IBM Cloud Paks

現在取り扱っているコンテナ対応済みソフトウェア・デファインド・ストレージを取りまとめて、IBM Storage Suite for IBM Cloud Paks という名前で IBM Cloud Paks 向けに提供を始めました。

ここには IBM の前述のソフトウェア・デファインド・ストレージ製品3つと、メタデータ、タグマネージメントといった機能を持った IBM Spectrum Discover、それに Red Hat OpenShift でネイティブなRed Hat OpenShift Container Storage と根強いファンの多い Red Hat Ceph Storage を加えた6つをワンパッケージにしました。

この Suite 製品の面白いところは、OCS(Red Hat OpenShift Container Storage)の契約 VPC数(契約対象の仮想プロセッサコア数)に応じた容量分を自由に何種類でも組合わせて使うことができるというところです(もちろん単体で全容量使うのもありです)。

この手のコンテナ環境・クラウド環境でストレージを使うことは、はじめは何をどのくらい使うべきかわかっていない状況だったりするものです。特にアジャイル、アジャイルと言われる昨今、「とにかくやってみよう」という傾向が強いのも事実です。
そんな時にこのパッケージを使うと、容量を超えない限りどのストレージをいくら使っても自由ですので、使ってみて決めていくということができます。

まさに現在のクラウド時代にふさわしいストレージパッケージと言えるでしょう。

 

今回のまとめ

ここまで見てきた通り、IBM のストレージ製品は2020年7月現在取り扱っているものとしてはブロック、ファイル、オブジェクト・ストレージであり、これらすべてコンテナ対応が完了しています。

図11. IBMストレージの OpenShift 対応状況

Red Hat OpenShift あるいは各種 IBM Cloud Pak においては、接続性も含めて検証済みであり安全にお使いいただけます。

もしコンテナ環境をご検討中であれば、ハードウェアもクラウド上のソフトウェア・デファインド・ストレージもあり上下のデータ連携が可能な IBM のストレージ製品を、ぜひご活用ください!

 

お読みいただきまして、ありがとうございます。
次回はハイブリッド・クラウド、マルチ・クラウドに適切なストレージについてお話する予定です。お楽しみに!

 

 


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2025年12月24日

【イベントレポート】Automation テクニカルワークショップ第一回 開催しました

公開日:2025-12-24 こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの和田です。 2025年11月26日に「Automation テクニカルワークショップ」第一回を開催しました。 本ワークショップは、2025年7月および9月に実施した「watsonx Orchestrate ハンズオンセミナー」に続く取り組みとして、IBM Automation製品群の中で弊社が注力しているAIOpsソリューションを中心に企画検討し、利用イメージがつきやすいInstanaのハンズオンを実施しました。 ハンズオンだけでなくワークショップ形式でのセッションを通じて、ITシステム運用の現場で直面する課題をどのように解決できるのか、Instanaを活用した具体的な方法を参加者同士が議論しました。また、セッションの最後には各チームごとに成果を発表・共有する場を設け、Instanaに対する理解を深めるとともに、参加者間の交流を促進することを目的としました。 本ブログでは、このテクニカルワークショップの内容について簡単にご紹介いたします。 目次 ワークショップアジェンダ Instana概要 Instanaハンズオン グループワーク まとめ お問い合わせ ワークショップアジェンダ ワークショップのアジェンダについては以下の通り実施いたしました。 IBM AIOpsソリューション概要 Instana 座学 Instana ハンズオン Instana最新情報 グループワーク IBM AIOpsソリューション概要では、IBMが取り揃えているAIOpsソリューションのラインナップと利用シーンをご紹介し、その中でもお客様のROIが高いお勧めのソリューションをピックアップしてご紹介しました。 また、Instana最新情報ではIBM様にご登壇いただき、DBMarlinとの連携やAIでの監視支援、LLMのトークン数を収集できる機能など最新アップデート情報をご紹介いただきました。 Instana概要 Instanaについては過去にこちらの記事でご説明しております。 今回はInstanaのAgentを導入することからハンズオンで実施しますので、Instana Agentがどのようにデータを収集するかについてご説明します。 InstanaはAgentのセンサー機能が監視対象を自動検出してデータ収集します。 Agent自体がセンサー機能を持っているわけではなく、Agentインストール後にセンサー機能をインストールし、そのセンサー機能で各コンポーネントを検出しデータを収集しています。 Instana Agentは収集したデータをInstana バックエンド(SaaSもしくは自己ホスト)に送信します。   Instanaハンズオン Instana Agentの導入からInstanaでの情報確認、障害発生時のエラー発生箇所確認をハンズオンで体験頂きました。 実施内容 環境の説明/ログイン Instana Agentのインストール インフラストラクチャー情報確認 アプリケーション設定/アプリケーション情報確認 アラートチャネル作成/アラート設定 障害注入/エラー発生箇所確認   今回のハンズオンではサンプルアプリケーションを導入してあるサーバーを参加人数分ご用意したので、参加者の方々全員がInstana Agentの導入を体験いただけました。 ハンズオンではInstana Agentの導入を行うためCLIでサーバーにログインいただきました。 普段CLIを利用されないかたもいらっしゃったのでログインに苦戦された方もいましたが、AgentのインストールはLinuxの場合ワンライナーで導入できるため、Agent導入はスムーズに行えてました。 実際にAgent導入したサーバの情報やアプリケーションの情報をみていただくことで、Instanaではどういった情報が表示されるのか、どういった操作感なのかを体験していただけました。 また、サンプルアプリケーションにエラーを発生させるスクリプトもご用意しましたので、実際にエラーが起きた場合正常時と比較しどのように見えるか、アラート設定をした場合、どのような通知がくるのかを体験いただきました。 その他のハンズオンについて詳しく知りたい方は、ブログの最後に記載している「お問い合わせ」までお気軽にご連絡ください。 グループワーク 今回、ハンズオンだけでなくITシステム運用の現場における課題を洗い出し、それらの課題を解決する手段としてInstanaがどう使えるかという観点でチームに分かれてグループワークを行いました。 1チーム4,5人の合計3チームに分かれてNI+C Pメンバーがファシリテートしながらアイディア出し・ディスカッションを行いました。 当日上がった課題及びInstanaを活用することで改善できることをいくつかピックアップします。 運用の属人化がおきている 障害原因の特定までをInstanaがガイドしてくれるためどんな人でも対応できる ログの分析に時間がかかる Instanaの画面上でログの確認・分析ができるため時間短縮できる ご参加して頂いたパートナー様が携わっていらっしゃる業務や、業務の経験年数が異なることより多様な意見が出ておりました。 アドバイザーで参加いただいたIBM様も含め、各チーム貴重な意見交換をできるグループワークとなりました。 グループワークの感想について、「他の会社の意見が聞けてよかった」や、「Instanaを利用するシーンがより理解できた」といったような意見をいただきました。 まとめ このたび、Automation製品に関する初めてのワークショップを無事に開催することができ、安堵しております。 ご参加いただいた皆様からのアンケートでは、「はじめてInstanaに触れましたが、実際に障害が発生した際の挙動を見ることができたうえ、他社の方々との交流や意見交換の機会もあり、大変有意義な時間となりました」とのご意見をいただきました。このようなお声をいただけたことで、準備を重ねてきた甲斐があったと感じ、心より嬉しく思っております。 今後も、製品を実際に体験いただけるハンズオンや、参加者同士が交流・情報共有を行えるワークショップを継続的に開催してまいります。ご興味ある方は是非ご参加いただけますと幸いです。 また、「こんなことをやってほしい」「この製品を使ったワークショップをお願いしたい」といったご要望がございましたら、ぜひお気軽にお聞かせください。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年12月24日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateでAIエージェント開発してみた(Part1)

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 8月は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた」でADKの操作感や感想をご紹介しました。今回は、2025年6月のアップデート後のwatsonx OrchestrateのUIからエージェントを開発し、操作感や感想を2回に分けてご紹介いたします。なお、Part2ではエージェントのデモ動画もご紹介する予定ですのでぜひご期待ください! 目次 はじめに サンプルエージェントのシナリオ サンプルエージェント開発 さいごに お問い合わせ はじめに 6月のアップデートで、watsonx Orchestrateはメニュー構成・操作方法・機能名称が変更されました。例えば、従来「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」に変更されています。Toolとは、AIエージェントが呼び出して実行するアクションの部品と考えて頂ければと思います。ユーザーがチャットへ自然言語で問い合わせると、AIエージェントは内容に応じて適切なツールを選択して実行します。これにより、生成AIによる要約や抽出などのテキスト処理だけでなく、外部システムやサービスと連携した処理も行うことができます。 その他の変更点については、「【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました」内でもご紹介していますのをご参照ください。 サンプルエージェントのシナリオ サンプルエージェントのシナリオは、企画担当者が在庫商品を参照し、在庫情報に基づいて顧客へキャンペーンメールを送信する作業を想定しています。 通常は、担当者が在庫情報を確認するためにデータベースへログインし、目視でキャンペーン対象商品を選定したうえでメールの文面を作成することが想定されます。キャンペーンメール送信対象はSFAなどのシステムで確認し、メールツールを利用して送信します。振り返ると、データベース・SFA・メールツールと複数のシステムを利用し、対象商品の選定やメール内容を人力で考える必要があるため、作業は煩雑で時間と労力を要します。 watsonx Orchestrateを導入すると、AIエージェントが在庫情報と顧客情報の取得し、在庫の多い商品のキャンペーンメール文面をAIが作成し、メールの作成・送信までを一気通貫で実行することが可能です。 サンプルエージェントの開発 それではサンプルエージェントを開発します。開発ではIBM Cloud 上の watsonx Orchestrate、メールツール(Brevoに弊社アカウントを紐づけて利用)、SFA の Salesforce(弊社 Sandbox 環境)を利用します。 本記事Part1では図のピンクで囲った部分「Salesforceから顧客情報を取得」と「在庫情報の取得」をご紹介いたします。 watsonx Orchestrateへログイン・環境のご紹介 watsonx Orchestrateへのログイン方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1)」をご参照ください。ログインすると下記のチャット画面に入ります。作成したAIエージェントをデプロイすると、このチャット画面から問い合わせをすることができます。 左上のメニューバーをクリックします。一番上の「Chat」をクリックすると前述のチャットインターフェース画面に遷移します。「Discover」をクリックするとwatsonx Orchestrateに事前定義されたエージェントやツールのカタログをみることができます。 「Discover」内の事前定義エージェント、ツールを簡単にご紹介します。TypeをAgentsに絞ります。事前定義エージェントとは、特定のシステムとの接続が定義されたエージェントが提供されており、環境接続設定を行うとすぐ利用することが可能です。(watsonx Orchestrateのプランによっては追加費用がかかるエージェントがございます。) TypeをToolsに絞ると特定システムで利用できるツールが提供されています。下記画面はSalesforceで利用できる事前定義ツールの一覧です。今回はSalesforceから顧客情報を取得するため「List accounts in Salesforce」と「List contacts in Salesforce」のツールを使用します。ツールの機能は下記になります。 List accounts in Salesforce:ユーザーの入力に基づき、Salesforceからアカウント情報を表示 List contacts in Salesforce:ユーザーの入力に基づき、Salesforce からアカウントの連絡先を表示 Salesforceとの接続設定 Salesforceの事前定義ツールを用いてエージェントが顧客情報を取得できるようにするため、はじめにSalesforceとの接続設定を行います。 1. Salesforce側設定(コンシュマー鍵と秘密鍵の生成) Salesforceへログインし、設定>外部クライアントアプリケーション>外部クライアントアプリケーションマネージャーをクリックします。コールバックURLは「https://ご使用リージョン/mfe_connectors/api/v1/agentic/oauth/_callback」と設定します。OAuth範囲は下記画面の通りを設定します。 コンシュマー鍵と秘密鍵をクリックし、生成されたコンシュマー鍵と秘密鍵をメモをしておきます。Salesforceの設定は以上です。 2. watsonx Orchestrate側設定(接続設定と接続確認) watsonx OrchestrateのメニューからManage>Connectionsをクリックします。 接続設定の一覧が表示されるのでSalesforceを探し、鉛筆マークをクリックします。 下記画面が表示されます。Draft環境、Live環境と環境を分けて設定することができます。今回はDraftで設定します。各項目には以下を値を入力します。 Server URL:Salesforce環境のURL TokenURL:Salesforce環境のURL/services/oauth2/token Authorization URL:Salesforce環境のURL/services/oauth2/authorize ClientID:Salesforceで取得したコンシュマー鍵 Client Secret:Salesforceで取得した秘密鍵 下にスクロールし、Credential typeを選択します。Member credentialsにするとユーザーは個人の認証情報を使用してアプリケーションにアクセスできます。ここではTeam credentialsにし、チームメンバーが資格情報を使用してアプリケーションにアクセスできるようにします。最後にConnectをクリックします。 Webブラウザが開き、Salesforceのログイン画面が表示されます。ユーザ名、パスワードを入力してログインします。 watsonx Orchestrateの画面に戻り、Connectedとなっていることを確認しSaveします。 下記の様にConnectされている状態で緑のチェックがついていることを確認します。 Salesforceとwatsonx Orchestrateの接続設定は完了です。 Salesforceの事前定義ツール構成 それではエージェントを作成し、Salesforceから顧客情報を呼び出すツールをエージェントに構成していきます。 メニューのBuildをクリックします。 Create agent +をクリックしてエージェント作成画面に入ります。 Nameには任意のエージェント名、Decriptionはエージェントの説明を入力します。最後にCreateをクリックします。 下記画面が表示されます。エージェントが使用するモデルを選択します。2025年12月時点はllama-3-2-90b-vision-instruct(Default)、llama-3-405b-instruct、GPT-OSS 120B-OpenAI(via Groq)が利用できます。Agent Development Kitからは外部のLLMを紐づけることも可能です。弊社環境はgpt-oss-120bを紐づけています。今回はGPT-OSS 120B-OpenAI(via Groq)を指定します。 下にスクロールします。Welcomeメッセージとクイックスタートプロンプトを設定することができます。今回はデフォルトのままにします。 Agent Styleを設定することができます。Agent styleとはユーザの要求に対してどのように理解、決定、タスクを完了するか定義するものです。現在は DefaultとReActの2種類から選択することができます。今回はDefaultを指定します。 なお、Voice modalityではユーザとのコミュニケーションに音声を利用することができますが、今回は利用しません。 KnowledgeはエージェントでRAGを実装することができます。後程設定します。 エージェントが使用するツールを設定します。Toolset欄のAdd tool+をクリックします。 以下画面が表示されるのでCatalogをクリックします。 Appsの中からSalesforceにチェックを入れます。右側にエージェントが使用できるSalesforceのツール一覧が表示されます。 List accounts in Salesforceを選択しAdd to agentをクリックします。同様にList contacts in Salesforceも追加します。 Toolsetの画面に戻ると以下の様にツールが登録されています。 Behaviorのセクションまで下にスクロールします。Behaviorではエージェントがユーザの要求に対してどのように反応し、応答するか振る舞いを定義します。以下のように振る舞いを定義します。 ここまで設定したところでエージェントの動きを確認します。検証ではデプロイはせず右画面のPreviewから確認したいと思います。 チャットに「アカウントリストを教えて」と入力します。しばらくするとエージェントが登録したList accounts in Salesforceを使用してSalesforceからアカウント情報を取得、回答してくれました。(企業名は検証用に疑似的に作成しています) 次に担当者の連絡先を知りたいので、チャットへ「D&Gソリューションのコンタクトリストを表示して」と問い合わせます。しばらくすると、エージェントが指定した企業名をキーに「List contacts in Salesforce」を実行し、担当者名と連絡先を回答してくれました。このように、ツール自体はSalesforceからアカウント情報やコンタクトリストを取得する機能ですが、チャットで指定した企業名をキーとして、エージェントが絞り込んで回答することができます。 Salesforceの事前定義ツールの構成は完了です。 Knowledgeの構成 エージェントが在庫データから情報検索できるようにKnowledgeを構成します。2025年12月時点、構成できるデータソースはwatsonx.dataのMilvus、Elasticserch、AstraDB、カスタムサービス、watsonx Orchestrateへ直接アップロードの6つです。ここではサンプルのCSVファイルを用意し、直接watsonx Orchestrateへアップロードします。 Knowledgeセクションまでスクロールし、Add source +をクリックします。 New knowledgeをクリックします。 Select sourceからUpload filesを選択してNextをクリックします。 CSVファイルをドラッグアンドドロップしてNextをクリックします。 NameにはKnowledgeの任意の名前を、Descriptionにはユーザーからどのような要求でKnowledgeを使用するかを入力します。最後にSaveをクリックします。 下記画面の通り、Knowledgeが作成されました。 PreviewからエージェントがKnowledgeを使用して回答できるか確認します。チャットから「在庫情報を表形式で回答して」と問い合わせると下記画面のようにKnowledgeのCSVファイルデータを参照して表形式で回答されました。 矢印をプルダウンすると参照先を確認することができます。 行数が多いため、「在庫の多い上位5件を表形式で回答して」と問い合わせます。しばらくすると数量の多い上位5件の商品を表形式で回答してくれました。在庫一覧の提示だけでなく、ユーザーの要求から、情報を絞り込んだ回答も可能であることが確認できました。 Knowledgeの構成は完了です。 さいごに Part1ではAIエージェントを作成し、Salesforce環境へ接続して事前定義ツールを用いて顧客情報を取得。さらに、在庫データをKnowledgeに構成してRAGを実装しました。 今回はSalesforceの事前定義ツールとして「List accounts in Salesforce」と「List contacts in Salesforce」を構成しました。各ツールはアカウントやコンタクト情報をリストする機能ですが、List accountsの結果をAIが受け取り、ユーザーが特定の企業を指定すると、その企業のコンタクト情報を回答できることが確認できました。また、Knowledgeでは在庫データを表形式で提示するだけでなく、在庫の多い上位5件の抽出などの絞り込みも可能で、エージェント的な振る舞いを確認できました。 Part 2では、在庫の多い商品を基にAIがキャンペーンメールを作成し、コンタクト宛に送信する機能をエージェントへ実装したいと思います! お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp     .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

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