様々な用途への活用が進む機械学習。なかでも実用化が進んでいる分野の1つが異常検知です。
従来は人がチェックしていた異常を機械学習で検知することにより、負担軽減・精度向上などにつながると期待を集めています。
また、モデル生成などを自動化する機械学習ソリューションが登場、導入のハードルが大きく下がったことも後押しとなり、普及が本格化しつつあります。
本記事では、活用が進む現状とともに、導入の課題とその解決策までをまとめて紹介します。
Index
- 機械学習の異常検知では、何を検知できるのか?
- 人材・データ・インフラ、異常検知導入を阻む3つのハードル
- 導入のハードルを大きく下げる、最新ツール・ソリューションとは
- 「H2O Driverless AI」をPoC環境でお試しいただけます
- この記事に関するお問い合わせ
- 関連情報
機械学習の異常検知では、何を検知できるのか?
機械学習の異常検知はセンサーデータや画像データなどを学習させ、正常として定義したデータとマッチしないデータパターンを検知することで実現します。
大きく、期待されるデータと異なるデータが現れたときに検知する「外れ値検知」、異常が起きているタイミングを部分的に検知する「異常部位検出」、データの急激な変化を検知する「変化点検知」の3つの手法があります。
これらの手法や機械学習のモデルなどを用途にあわせて選択、チューニングすることで、精度を高めていくのです。
実際に活用が進んでいる事例として、製造業における検品作業があります。設備から出力されるセンサーデータから問題発生を検知するのとあわせ、画像データからキズや欠陥がないかを検知することで高い精度を実現。ベテランスタッフのスキル継承、検品作業の負担軽減、人件費削減など大きな効果につながっています。
ほかにも、小売業では店舗における人の振る舞いの異常検知や、売り場の状態(欠品や位置ずれなど)を監視・分析することで売り場メンテナンスの効率化につなげる事例、金融業における不正検知など様々なシーンで導入されています。
人材・データ・インフラ、異常検知導入を阻む3つのハードル
このように活用が進む異常検知ですが、いざ自社で取り入れるとなるとハードルが高いもの。なかでもまず挙げられるのが「人材」です。
機械学習の手法やモデルから自社の目的にあったものを適用し、精度を上げるには専門知識が欠かせません。
これらの知識・スキルを持つデータサイエンティストが、自社にそろっている企業は少ないのではないでしょうか。
また、もう1つ課題となるのが「データ」。
機械学習を行うには適切なデータがそろっていることが前提であり、データ量が多ければ多いほど精度が上がります。ですが、「機械学習に使える適切なデータがない」「データ量が少ない」といったケースは多く、この準備に機械学習のワークロードのうち大半を費やすとも言われています。
最後に検討が必要なのがインフラです。
クラウドファーストが当たり前になった今、特に機械学習のような最新技術はクラウド上に構築するケースも多く見られます。
しかし、利用するデータは機密レベルが高いことが多く、精度を上げるためにデータ量を増やすとネットワークのコスト増にもつながります。また、機械学習では様々なデータで試行錯誤し精度を上げるため、その都度、大量のデータをクラウドにアップロードする必要があります。
予算・パフォーマンス・セキュリティのバランスを考慮すると、オンプレミスでの導入が有力候補に。オンプレミスでどのように機械学習の環境を構築するかも大きなハードルとなるのです。
導入のハードルを大きく下げる、最新ツール・ソリューションとは
上記の状況の解決策として今注目されているのが、モデル生成など従来データサイエンティストが担っていた部分を自動化し、コーディング不要で機械学習を開発できるツールです。
なかでも「H2O Driverless AI」は使いやすいUIで、精度の高いモデルを作成できることが強み。「どのデータが結果への影響が大きいか」といった重みづけも自動でおこなうため、データサイエンティストのような専門家がいなくても自社で導入することが可能になります。
もちろん「期待する結果を得るために、どういったデータが影響するか、そのデータはどこにあるのか」といったツールを活用する前段階の作業が必要なことは変わりません。ただし、これらは自社業務に密接にかかわるもの。社内業務に精通した人材で対応できるケースも多いでしょう。
こういったソリューションを利用することで、環境構築のハードルは大きく下がるはずです。オンプレミスでの導入が容易になれば、クラウドにはあげられなかったデータを分析できるなど活用の幅も広がります。
従来、人が手作業でしていた異常のチェックを機械学習で自動化することにより、業務効率化・コスト削減・負担軽減・品質向上など得られる効果は大きいもの。すでにこのようなツールを駆使し、機械学習による異常検知を導入している企業も増えています。「業務に活用するとしたら、どこに取り入られるのか」をまずは検討してみてはいかがでしょうか。
「H2O Driverless AI」をPoC環境でお試しいただけます
記事内で取り上げた「H2O Driverless AI」のPoC環境をご用意していますので、検証などの用途でご利用いただけます。ご利用いただき効果や使い易さなど、検証から導入の可否を判断できるのが大きなメリットです。
AIによる機械学習の導入をお考えの企業様には、要件定義前の検討段階でのご利用をおすすめしております。
PoC環境の利用をご希望の場合は、お取引のあるパートナー様経由での申請をお願いいたします。お取引のあるパートナー様が不明の場合はお問い合わせください。
※競合製品取り扱い企業様のお申し込みについてはお断りする場合がありますので、予めご了承ください。
この記事に関するお問い合わせ
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
企画本部 事業企画部
この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。
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