特集・ブログ

全て

2021年12月28日

【10分で早わかり】IBM Power10の真の価値とは(前編)

登場者 ゲスト 日本アイ・ビー・エム株式会社 テクノロジー事業本部 IBM Power 第二テクニカル・セールス 部長 釘井 睦和 氏 インタビュアー エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 テクニカル・サポート部 佐藤 正忠 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 ソリューション推進部 村上 文香   キーワードは「アジリティー」と「摩擦レス」 今日、日本の企業は様々な経営課題に直面しています。 さらなるスピード経営の実現、クラウドや AI活用による DX推進で継続的な成長を追求する一方で、情報セキュリティ対策を高度化し、脱炭素社会や SDGs の実現に向けた施策も必要です。 こうした中、IBM Power10 は「アジリティー」と「摩擦レス」をキーワードに、このような経営課題に応えるために誕生しました。 具体的にどのような解決策が提供されているのでしょうか。 日本アイ・ビー・エム (以下 IBM) で Power テクニカル・セールスを担当されている、ITスペシャリスト 釘井 睦和 氏にお話を伺いました。 ※当インタビューは「前編 (当記事)」「後編」に分けてお送りします。   世界のCEOが注目しているテーマは「アジリティー」 - 本日はよろしくお願いいたします。 日ごろ日本企業と対話される中で様々な声を聞かれると思いますが、課題としてはどのようなものが多いでしょうか。 釘井) IBMには、お客様の声を聞く媒体の1つとして、定期的にグローバル経営層に対してアンケート調査を行い、その結果を発表している「IBM CEO Study」があります。 世界中の13,000名以上の CxO (最高責任者) レベルの経営層に、今日のデジタル時代をリードするために何が必要かについて尋ねるものです。 2021年度は前年がコロナ禍に見舞われた転換の年であったため、かつてない規模での調査を実施しているのですが、それによると、56%の CEO が「アジャイルで柔軟なオペレーションを積極的に追求する必要がある」と回答しました (図1)。 「アジャイルである」とは、俊敏であること、機敏であること。つまり、状況に合わせて自在に "伸び縮み" できることを意味します。 アンケート回答の結果は、不確実性の高い時代の危機を乗り切るために、企業にとってこの経営判断や組織づくりにおける俊敏性、機敏性を指す「アジリティー」を持つことが必須となっている状況を表しています。 [caption id="attachment_109017" align="alignnone" width="491"] 図1:今後2,3年で最も良い業績を生み出すための最重要課題とは?出典:IBM CEO Study (グローバル経営陣スタディ)[/caption] 確かに、コロナ禍以降の状況が時々刻々と変化したこの2年を振り返れば誰でも実感できることです。 昨日は可能であったことが今日はそうでなくなり、今日禁じられていたことが明日は許可されるという世界。紙の裏表のように変わる環境に即応して適切な対策を講じることができなければ、企業経営はたやすく危機に陥るリスクをはらんでいました。 「アジリティー」とは、俊敏であること、機敏であること。つまり、状況に合わせて自在に "伸び縮み" できることを意味します。 経営と IT が不可分である今日、このような危機を乗り切ろうと思えば、IT こそがこの「アジリティー」を持つことを強く求められているのです。 そして必然と言えますが、「アジリティー」を担うのが IT です。 - 新しく登場した IBM Power10 はまさに「アジリティー」と「摩擦レス」をキーワードとして誕生していますね。 釘井) そのとおりです。この「アジリティー」を象徴する機能として、IBM Power10 には「Dynamic Capacity」が備わっています。以前の IBM Power でも一部のモデルで提供されていましたが、このバージョンで全面展開となります。 どういう仕組みかというと、同じサーバーモデルでエンタープライズプールという形で "チームを組む" ことによって、コアやメモリーといったリソースを全サーバーで共有が可能になります。 超過して使いそうな可能性がある場合は、従量制課金の考え方でそれぞれのサーバーでリソースを事前購入して搭載しておきます。 このようにしておけば、ふだんは最小限に見積もった容量で利用し、一時的に利用が増えるというときも特段の準備なく用意しておいたリソースで事業を継続できます。超過使用量は分単位で課金計算が行われ、それはハードウェア管理コンソールを通じて Cloud Management Console で自動管理されたデータで確認できます。 そして、一時的な利用増大が終了すればまた元の状態に戻れます。 これまでは、利用が増えればサーバーを追加するしか選択肢がなく、調達するまでのタイムラグをどうしのぐか、という問題がありました。さらに、利用が減っても一度増やしたサーバーを減らすのは簡単ではありません (図2)。 [caption id="attachment_109018" align="alignnone" width="547"] 図2:Dynamic Capacityを用いたシナリオ例[/caption] - なるほど。ちなみにリソースを事前購入しておくのはなぜですか。 Cloud Management Console で使用量が確認できるのであれば、すべてオンデマンドで課金計算してもいいように思います。 釘井) 事前購入の方が、発生するコストを想定しやすいからです。 クラウド利用でも見受けられることですが、日本のお客様はコストが予想以上に膨らむことを懸念されます。事前購入はコストコントロールに配慮した仕組みです。 将来的に「Dynamic Capacity」は、IBM Cloud上で動く IBM Power Virtual Server を含めた利用も可能になる予定です。これを併用することによって、より急激な利用増大ニーズにも対応しやすくなります。 コロナ禍でマスク販売サイトやワクチン接種予約サイトへのアクセス集中を私たちは経験しましたが、産業界でも同様のことは起きています。 システムの拡大・縮小対応がますます現実的になる中、ニーズは高いと思われます。 - いつごろ利用可能になりそうでしょうか。 釘井) 現時点では開発意向表明のみが出ていて提供時期をお伝えすることはできませんが、北米の数社でパイロットとして利用が始まっていると聞いていますので、比較的早い段階で提供できるのではと考えています。   IBM Power10で「ハイブリッドクラウド」と「AI」をどう実現するか 釘井) IBM Power10 は、IBM としての方向性である「ハイブリッドクラウド」と「AI」とも足並みを揃えたシステムになっています。 - IBM Power10 で対応する「ハイブリッドクラウド」とはどのようなものですか。 お客様は実際どのように「ハイブリッドクラウド」環境をお使いでしょうか。 釘井) お客様のクラウドニーズはほんとうに様々です。最も多い利用ケースは、開発・検証環境の実装ですね。 従来オンプレミスシステムでは、開発・検証環境の構築は不自由さを強いられていました。 それなりの環境を基幹システム基盤に環境を確保すれば、本番システムの性能に影響を与えてしまいます。かといって制限を設ければ、十分な開発・検証が実施できません。 その点クラウドであれば、必要なときに必要なボリュームを用意して心ゆくまでリソースを活用、作業が終われば即撤収、という使い方ができます。 また、災害対策としても有効です。 これまでは「途切れない事業継続のためには、本番システムと同様のシステムを遠隔地にご用意ください」と申し上げるしかありませんでした。 しかし、クラウドであればハードウェアを別途調達する必要はありませんから、災害対策コストは軽減されます。 しかも、IBM Cloudのコロケーション環境で仮想環境を提供しているIBM Power Virtual Server を利用すれば、オンプレミスの本番システムとまったく同じアーキテクチャーをもった災害対策環境を、オンデマンドで構築することができます。 必要なデータをクラウド・ストレージにコピーしておく、サービス環境を立ち上げるのに必要な定義情報を IBM Cloud に保管しておく、といった準備は必要です。 こうすることで、平常時は最低限のサーバーのみで運用コストを抑えつつ、万が一のときは災害対策用の業務サーバーを自動作成して迅速に事業継続を図れます。この方法もよく選択されるクラウド活用法です。 システム運用からの解放やクラウド先端技術活用のために全面的なクラウドへのリフト&シフトを進められているお客様があるかと思えば、その一方で、パフォーマンスやコストコントロールの観点から「脱クラウド」を掲げ、オンプレミスシステムへ回帰されるお客様もいらっしゃいます。 IBM Power10 は、これらすべてのニーズに対応します。 つまり、オンプレミスシステム志向からクラウド志向まで、お客様がどのフェーズにおられても、また、どのフェーズに移行されようとしても、IBM Power Virtual Server との連携によって「摩擦レス」にシステムの構築・移行を実現します。 - よくわかりました。 それでは「AI」という方向性についてはいかがですか。 AI活用といえば、お客様は「IBM Power AC922」などを用いてディープラーニングによる機械学習を行ってきたかと思うのですが、それが IBM Power10 でも行えるようになるのでしょうか。 釘井) AI活用には、学習と推論という2つの側面があります。 膨大なシステムリソースが必要になる学習には、引き続き「IBM Power AC922」のようなGPUを搭載したサーバーが有利です。 しかし、完成したモデルにデータを投入して推論させる段階になると、必ずしも GPUマシンを用いる必要はありません。 たとえるなら、レーシングコースを走るなら F1カーが最適ですが、街なかを走行するのにも F1カーに乗りますか?ということになります。 IBM Power10 は「Train Anywhere, Deploy Here」をキーワードに掲げ、データの蓄積された場所、つまり基幹システム上で推論を実行することを想定しています。 その意味では「すでにモデルはいくつか作り上げた、そこに生のデータを当てて検証を繰り返し、さらに精度を向上させていきたい」といった、AI活用がある程度進んだお客様にお勧めしたい機能です。 このサーバーは、Matrix Math Assist (以下 MMA) という行列計算などを専門として処理するエンジンが IBM Power10 のチップに組みこまれており、MMA につながるメモリーまわりの帯域幅やキャッシュ容量も増えているため、膨大なデータを高速に処理することができます。 例えば、同じ筐体内に業務システムを動かす IBM i や AIX の区画、AI を動かす Linux区画を置き、IBM i や AIX の区画に続々入ってくる日時の営業トランザクションや製品の需要情報を Linux区画に送って推論を行い、その最新計算結果をまた業務システム側に反映する、といった利用法が考えられます。 「データのある場所でAIを実行しよう」が、IBM Power10 のメッセージです。   後編「さらなる経営課題に応えるIBM Power10」~へ進む     この記事に関するお問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 企画本部 事業企画部 この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。 お問い合わせ   関連情報 早わかり!ここが進化したIBM Power10 (コラム) - よりスピーディに、よりスマートに、企業活動を発展させ、デジタル競争の勝者となるためには…?   .btn_B{ height:25px; } .btn_B a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_B a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }  

2021年12月28日

【てくさぽBLOG】Azure Stack HCIを導入してみた Vol.1 -Azure Stack HCI構築編-

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの宮里です。 今回はAzure Stack HCIの検証をしてみたので3回シリーズで検証で得られた知見をお伝えします。 (さらに…)

2021年12月21日

【てくさぽBLOG】IBMソフトウェア(Passport Advantage)ライセンスのまとめ [2022年12月版]

※この記事は2022年12月26日時点の情報をもとに作成しています *  *  *  *  *  * こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 継続してお問い合わせの多い、IBMソフトウェア(Passport Advantage:以下 PA)のライセンス体系について説明します。全網羅的ではなく代表的なもののみ説明するので、載っていない製品や課金体系については個別にお問い合わせください。 目次 IBMソフトウェア(PA)のライセンスとソフトウェア・サブスクリプション&サポート 課金体系 まとめ お問い合わせ IBMソフトウェア(PA)のライセンスとソフトウェア・サブスクリプション&サポート IBMソフトウェアを利用するために必要な権利は「ライセンス」「製品サポート」の2つに大別されます。 ライセンス:ソフトウェアを使用する権利 製品サポート:製品に対する各種問い合わせ、トラブル対応、バージョン・アップの権利 製品サポートは「IBMソフトウェア・サブスクリプションおよびサポート」(以下 SS&S)ともいいます。ライセンスと SS&S には、それぞれ以下の種類があります。 ライセンス 永久ライセンス:Perpetual License(買い切り型ライセンス) 期間限定ライセンス:Term License(期間使用型ライセンス) SS&S 継続SS&S:製品サポートを継続する場合に必要 新規SS&S:SS&Sの契約を停止した(空白期間が生じた)製品サポートを再開する場合に必要 永久ライセンスを購入すると対象ソフトウェアを永久的に使用できます。また、1年間の SS&S が付加されているので、1年目は製品サポートを受けられます。なお、SS&S の購入は1年単位です。 2年目以降は、継続SS&S を購入することで製品サポートを継続して受けられます。(図1-A)継続SS&S を購入しない場合、製品サポートに空白期間が生じたのちに再開する際には新規SS&S を購入する必要があります。(図1-B) 図1:2年目以降のSS&S購入による違い 期間限定ライセンスは以下が提供されます。 指定された期間に対してのソフトウェア使用権(ライセンス) 指定された期間中の製品サポート(SS&S) 期間限定ライセンスにはライセンスとSS&Sが必ず含まれるため、契約期間中に製品サポートも受けられる点が永久ライセンスと異なります。また、期間限定ライセンスは以下の種類があります。 サブスクリプションライセンス(Subscription License) 月額ライセンス(Monthly License) 期間限定ライセンス(Fixed Term License) それぞれの特徴は以下に記載の通りです。 各ライセンスの特徴 サブスクリプションライセンス(Subscription License) 契約期間:12か月から60か月 最短期間:12か月 途中解約:不可 製品サポート(SS&S):あり 月額ライセンス(Monthly License) 契約期間:1か月から60か月 最短期間:1か月 途中解約:30日前に書面で通知 製品サポート(SS&S):あり 期間限定ライセンス(Fixed Term License) 契約期間:12か月の固定期間 最短期間:12か月の固定期間 途中解約:30日前に書面で通知 製品サポート(SS&S):あり スモールスタートするプロジェクトや PoCプロジェクトにおいて期間限定ライセンスを採用することで、"初期投資を抑えることができる" や "必要なくなったら停止ができる" といったメリットがあります。特に、DXの実装段階においてはプロジェクトを素早く立ち上げ、効果がなければやめるという進め方が多くなります。このようなケースでは期間限定ライセンスのご利用が適しています。 一方、長期利用をする場合に期間限定ライセンスを採用することは永久ライセンスと比べてコスト増となることが多くなります。 プロジェクトの特徴や特性に合わせて期間限定ライセンス/永久ライセンスを選択し、最適なものを選びましょう。 課金体系 IBMソフトウェアの課金体系は「Passport Advantage / Passport Common License Types & Definitions」(IBMサイト/英語)にも記載がありますが、なんだか堅苦しい記述になっているのでざっくり解説をします。 課金体系は大きく「ユーザー課金」「サーバー課金」「その他」の3種類に分類できます。製品によってはユーザー課金とサーバー課金を組み合わせて買う必要があります。 具体的にもう少し詳しくみていきましょう。 ユーザー課金 Authorized User(許可ユーザー) 許可ユーザーは名前の通り、ソフトウェアを利用するユーザー数に応じた課金単位です。「どのPCからアクセスするか」ではなく、利用者個人に紐付きます。例えば、あるユーザーが PC だけでなく iPhone からアクセスをしても1ライセンスです。 図2:「許可ユーザー」におけるライセンスの数え方 Authorized User Single Install(許可ユーザー・シングルインストール) この課金単位は少し特殊です。考え方は許可ユーザーとほぼ同じですが、ユーザーと利用するサーバーを紐付ける必要があります。 具体例を挙げて説明します。 例えば、サーバーAとサーバーBの2台を稼働させ、サーバーAには管理者、ユーザー1、ユーザー2の3人がアクセスします。サーバーBにはユーザー1とユーザー2がアクセスをします。Authorized User の考え方ではユーザー数とイコールになるので3ライセンスとなりますが、Authorized User Single Install では "サーバーA:3ライセンス / サーバーB:2ライセンス =合計5ライセンス" の購入が必要となります。 この課金単位を利用している代表的な製品は Db2 v11.1以前のバージョンです。最新の Db2 では後述の Virtual Processor Core課金が使われこのカウント方法は使われないため、ご注意ください。 図3:「許可ユーザー・シングルインストール」におけるライセンスの数え方 Concurrent User(同時接続ユーザー) 同時接続ユーザーの場合は、サーバーなどに一時点で同時に接続しているユーザー数分のライセンスとなります。たとえ10ユーザーいたとしても、同時に利用しているのが2ユーザーなのであれば2ライセンスとなります。 代表的な製品としては、SPSS がこの課金単位での購入が可能です。 図4:「同時接続ユーザー」におけるライセンスの数え方 User Value Unit(ユーザー・バリュー・ユニット) ユーザー・バリュー・ユニット(UVU)でのユーザー数のカウントは Authorized User と同じ考えですが、製品によって以下のポイントが異なる場合があります。 ユーザーの種類(例:社内ユーザー、社外ユーザー) 総ユーザー数に応じた階段式の係数(例:1,000ユーザーまでは係数1、1,001から5,000ユーザーまでは係数0.8、それ以降は係数0.6、など) 製品によってカウント方法や上記の係数などが異なるので、UVU課金単位の製品を購入する場合には IBMサイトのライセンスインフォメーション(英語)から対象製品を検索するか、個別に取引先にご確認ください。 代表的な製品としては、IBM Security Verify Access(旧 ISAM、TAM)があります。 図5:「ユーザー・バリュー・ユニット」におけるライセンスの数え方 サーバー課金 Install(インストール) インストール課金単位はソフトウェアをインストールしたマシン数に対する課金です。1台に導入するのであれば数量は1で、利用するユーザー数は関係ありません。 代表的な製品としては、IBM Security Guardium Key Lifecycle Manager がこの課金単位です。 図6:「インストール課金」の場合 Processor Value Unit(プロセッサー・バリュー・ユニット:PVU) 課金単位に関する問い合わせで一番数が多いのが、この PVU課金です。 PVU課金では、利用する CPU に応じた係数が決まっています。係数表は「Processor Value Units (PVUs)」(IBMサイト/英語)に掲載されています。この表の係数を元に、コア数を掛け算した数量のライセンス購入が必要となります。 例えば、Intel Xeon E5-2609v4 であれば最大2ソケットマシンにしか搭載できないので、先の PVU表からコアあたりの PVU値は 70PVU となります。この CPU は 8コアCPU であるため、1CPUサーバーの場合には "70PVU / コア×8コア / CPU×1CPU =560PVU" となります。 Intel CPU の場合、4ソケットマシンには100PVU、4ソケットを超えると 120PVU と、係数が変わるので、数量を確定するためには何ソケットサーバーなのかを調べておく必要があります。 図7:PVUはCPUに応じた係数に総コア数を乗じて算出する。 気を付けないといけないのは、サーバー更改や仮想化統合をする場合です。 割り当てコア数は変わっていなくても、物理サーバーのソケット数が変わることで PVU値が上がってしまうケースがあるので注意が必要です。また、新しい CPU は搭載しているコア数の最小数がどんどん増えているので、「現行機は2コアで稼働しているけれど更改後は4コアで稼働(=不足分の追加ライセンスが必要)」なんてこともよくあります。 多くの IBMソフトウェア製品がこの課金単位を利用しています。 Managed Virtual Server(管理対象仮想サーバー) 管理対象仮想サーバー課金単位はインストール課金と同じ考え方です。数量はソフトウェアを導入する仮想サーバー数をカウントします。 下図の場合には2台の仮想サーバーにソフトウェアを導入するので、2ライセンスとなります。なお、仮想環境ではなく物理サーバーが対象の場合には1ライセンスとしてカウントします。 この課金単位を使っている代表的な製品は、Instana や Turbonomic ARM があります。 図8:「管理対象仮想サーバー課金単位」はソフトウェアを導入する仮想サーバーを数える。 Virtual Processor Core(仮想プロセッサーコア) 仮想プロセッサーコア(VPC)課金単位は仮想サーバーに割り当てられたコア数(仮想環境の場合)、もしくは物理サーバーに搭載しているコア数(物理サーバーの場合)をカウントします。 PVU課金と違って CPUソケット数や種類による係数はなく、単純にコア数をカウントするだけなので環境を選びません。 この課金単位を使うのは、IBM Db2 Standard Edition や IBM Cloud Pakシリーズです。PVU課金のようにプラットフォームの影響を受けないので、計算がシンプルなのが特徴です。 図9:「VPC課金単位」は単純にコア数を数える。 その他 Client Device(クライアント・デバイス) クライアント・デバイス課金単位は、対象をサーバーではなく一般的なユーザーが利用するような端末に限定する課金体系です。 例えば、パソコンやスマートフォンなどが対象です。サーバーを対象とする場合には別の課金単位を用意している場合がほとんどです。 図10:「クライアント・デバイス課金単位」はパソコンやスマートフォンなどが対象 Resource Value Unit(リソース・バリュー・ユニット:RVU) RVU課金単位は、製品によって「何を課金対象とするのか」が変わる厄介な課金単位です。 例えば、Netcool OMNIbus では監視対象機器の物理台数が RVU数となります。似たような製品で、Tivoli Monitoring では監視対象のコア数が RVU数とカウントされます。 製品によってカウント方法が異なるので、RVU課金の場合は何をカウント対象とするのかを個別の製品ごとに確認が必要です。カウント対象を把握するにはIBMサイトのライセンスインフォメーション(英語)で対象製品を検索するか、個別に取引先にご確認ください。 図11:「RVU課金単位」はカウント対象が製品ごとに異なる。 まとめ IBMソフトウェアのライセンス体系と課金体系に関して簡単な解説をしました。 従来は一度構築したシステムを長期間使用することが多く、永久ライセンス(所有)にメリットがありましたが、昨今の IT環境の変化の速さやデータ量の増加、システムのライフサイクルの短期化などの背景から、期間限定ライセンスを採用することでメリットを享受できます。 期間限定ライセンスも選択肢に入れていただくことで、ご利用になる環境に最適なライセンスを選択できるようになります。ご不明な点がございましたら、以下の窓口までお問い合わせください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合わせは、以下のメールアドレスまでご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#dceefe; text-align:center; border:2px solid #51aafd; color:#FFFFFF; font-size:16px; font-weight:normal; border-radius:16px; -webkit-border-radius:16px; -moz-border-radius:16px; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#FFFFFF; color:#51aafd; margin-left:0px; margin-top:0px; border:2px solid #51aafd; box-shadow:0px 0px 0px 0px #FFFFFF inset; } .btn_B{ height:30px; } .btn_B a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#085399; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; font-weight:normal; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #085399 ; transition: all 0.5s ease; } .btn_B a:hover{ background:#085399; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; border:1px solid #FFFFFF; box-shadow:0px 0px 0px 4px #085399 ; } .btn_CTA{ height:30px; margin-bottom:40px; width:450px; } .btn_CTA a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#6200f5; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #6200f5; transition: all 0.5s ease; } .btn_CTA a:hover{ background:#bf94ff; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #bf94ff; } figure{ text-align:center; } figcaption{ font-size:80%; }

2021年11月18日

【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud x86環境を接続してみた

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの村上です。 本ブログは、IBM Power Virtual Server をトライしてみた内容や感想をご紹介するブログです。 シリーズ化していますので、まずインデックスのご紹介をします。   インデックス ・IBM Power Virtual ServerでAIX環境を作ってみた ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境にSWを導入してみた  ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境を日本ロケールにしてみた ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.1) ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.2) ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud x86環境を接続してみた ←今回 今回は、Power Virtual ServerのAIX環境を IBM Cloud の x86環境と接続する方法をご紹介します。   セクション 以下の1)~6)のセクションに分けてご紹介します。 1)  接続イメージの説明 2)  Direct Link Connect の説明 3)  Direct Link Connect の作成 4)  Caseを利用した接続依頼 5)  VSI for VC の作成 6)  AIX環境とx86環境の接続確認 最後に お問い合わせ 検証はAIXのインスタンスで行いましたが、IBM i のインスタンスでも同等の手順で操作を行うことができます。 利用したクライアント端末(私のPC)は、Windows10 pro バージョン2004(検証当時)です。   1) 接続イメージ の説明 Power Virtual Server のAIX環境と IBM Cloud の x86環境 はロケーションが異なる別のサービスで、ネットワークは直接つながっていません(2021年11月時点)。 そこで、お互いの環境を接続する方法が IBM Cloud から提供されています。 Direct Link Connect を利用する方法です。 今回は、上記の図の青色の線「Direct Link Connect」 を作成し、オレンジ色のubuntuサーバ(仮想サーバ・インスタンス(VSI))とAIXサーバを接続することが目的です。IBM Cloud環境の「仮想プライベート・クラウド(VPC)」と「仮想サーバ・インスタンス(VSI)」は未作成だったので、新規に作成し手順もブログ内に残しました。   2) Direct Link Connect の説明 Direct Link Connect と Power Virtual Server は全く別のサービスですので、Direct Link Connect は新規に作成する必要があります。 Direct Link Connect は IBM Cloud のポータルから作成(契約)します。 1)でも記載した通り、Power Virtual Server は IBM Cloud の x86環境と異なるコロケーションサイトを利用しており、ネットワークも直接つながっていません。そのため、Direct Link Connect を 契約し設定することで x86環境と接続することが可能となります。 Direct Link Connect には、従来からある「Classic」と新しく提供が開始された「2.0」があり、どちらも無料で利用できるので、今回は新機能が充実している「2.0」を利用します Direct Link Connect 利用条件(IBM Cloud 柔らか層本20211124版 p.85より) ・1データセンターあたり、10Gbps ポート x 2回線(HA) まで無料 ・Global routing を利用しても追加費用は不要 ・Direct Link Connect の申請時、「Network Provider」は「IBM Power Virtual Server」を選択すること(「3) Direct Link Connect の作成」 でも触れます)   3) Direct Link Connect の作成 では早速、Direct Link Connect を作成します。 ・IBM Cloud にログインし、左上にある「ナビゲーション・メニュー」→「相互接続性(Interconnectivity)」を選択します。   相互接続性(Interconnectivity) の画面に移動しました。 ・「Direct Link」を選択します。 ・「Direct Linkの注文」を選択します。 ・「Direct Link Connect」を選択します Direct Link Connect の構成パラメーターを選択する画面に移動しました。 ・「リソース」情報は以下を入力・選択します。 > Direct Link 名:tok-powervs(任意の文字列) > リソース・グループ:Default ここから、Direct Link Connect の構成パラメータを設定していきます。 ・「ゲートウェイ」では以下の順番で選択します。 > ジオグラフィー:APAC > 市場:Tokyo > タイプ:すべて > サイト:Tokyo 4 > 経路指定:ローカル(グローバルを選択すると別リージョンへ接続可能) プロバイダー:IBM POWER VS 速度は、50Mbps~10Gbps まで8種類から選択可能です。どの速度でも金額は変わりません。IBM推奨は1Gbps以上です。 ・速度とポート(1つ)を選択します。 > 速度:1Gbps(10Gbpsにしようかと思いましたが、何となく遠慮してみました) > ポート:SL-TOK04-POWERIAASLITE-1-1-(ASR1) ※ 選択するポートは「速度範囲」が当てはまるものを選びます。今回は、どのポートでも当てはまりますので一番上のポートを選びました。 ・「請求処理」で「従量制」を選択します。 ・「BGP」は以下の通り選択および入力します > BGPピアリング・サブネット:「IPの手動選択」を選択 > 範囲:「169.254.0.0/16」を選択(169.254.0.0/16 から) > 自分のIPv4 CIDR:「169.254.0.2/30」を選択 > IBM IPv4 CIDR:「169.254.0.1/30」を選択 > BGP ASN:「64999」を入力 ※ BGPピアリングは「169.254.0.0/16 」から範囲を指定します。今回は特に決めごともないので自由に設定しました。 ※ BGP ASNは Direct Link Connect の構成ガイドにある通り、「64999」を指定します。 ・「接続」は初期状態のまま変更しません。 ここまで入力が出来たら構成パラメータの設定は完了です。 ・画面の右側に表示されるサマリーを確認し「作成」ボタンをクリックします。 Direct Link Connect の作成が受け付けられたメッセージが出力されます。 暫く待つと Direct Linkの「状況」が「構成中」→「プロビジョン済み」に代わります。作成したDirect Link名「tok-powervs」 をクリックし詳細画面を表示します。 下記の詳細情報は「4) Caseを利用した接続依頼」で利用しますので、このまま表示させておくかコピペしておきます。 Direct Link Connect の作成が完了しました!   4) Caseを利用した接続依頼 次に、Power Virtual Server のAIX環境とDirect Link Connect の情報を紐付けるための作業を行います。この作業は、IBM Cloud のWEBポータル画面やIBM Cloud CLI 、API からは実施できません。Case を利用して、IBMのSEさん(?) へ接続のリクエストを出します。 Caseとは、IBMのサポートコミュニティの「問い合わせ」のことです ・IBM Cloud のWEBポータル画面の右上にある「サポート」をクリックします。 ・「Caseの作成」をクリックします。 ・「リソース」を選択します。 ・「Caseの作成」画面で以下を選択し「次へ」をクリックします。 > トピック:「Power Virtual Server」をプルダウンから選択 > 名前:「Power Virtual Server-g5」にチェックを入れる 下記の画面に移動したら、依頼内容を記載することができます。 Caseに依頼する情報は、「3) Direct Link Connect の作成」の最後に表示した詳細情報を利用し、以下のように記載しました。Case は英語で記載する必要があります。 実は、日本語でCaseを依頼してしまったことがあったのですが(英語で記入することをすっかり忘れていました)、担当SEさんが丁寧に英語に翻訳してくださって「質問はこういう意味であっていますか?」と返信が来ました。優しいです。 Caseの記載方法はQiitaのブログを参考にさせてもらっています。 サブジェクト:PowerVS : Direct Link 2.0 Request  説明: <Inquiry regarding Direct Link Connect for PowerVS> I ordered Direct Link Connect from IBM Cloud portal and its provisioning has finished. The detail information is as follows. Please proceed at Power VS side to establish Direct Link Connect. Thanks. --- Data creaged : Tue,Mar 2,2021,13:49:39 JST Resource group : Default Provider : IBM POWER VS Routing : Local Speed : 1 Gbps Billing : Metered User CIDR : 169.254.0.2/30 IBM CIDR : 169.254.0.1/30 BGP ASN : 64999 IBM ASN : 13884 Port : SL-TOK04-POWERIAASLITE-1-1-(ASR1) Location : Tokyo 4 Service key : (「サービス・キー」にある値を記載します) BGP status : Idle VLAN : 3921Connected VLAN : CIDR public-192_168_187_32-29-VLAN_2032 : 192.168.187.32/29 ・記載が完了したら「Caseの作成」ページの一番下にある「次へ」をクリックします。 ・記載した内容を確認し「Caseの送信」をクリックします。 下記のメッセージが出力されたらCaseによる申請が完了しています。   数日後・・サポート・センターよりPower Virtual Server 側の接続が完了されたお知らせが来ました。 依頼内容を間違えてしまったのと少しのんびりやっていたので、接続完了まで5日くらいかかりました。Advanced Supportに入っていないので、対応はクイックではない印象ですが、Caseの担当SEさんより私の方がのんびり返信しているので問題ないです。 修正がなければ、2日程度時間を用意していれば確実に接続してもらえそうです。 IBM CloudのWEBポータル画面ではBCPのステータスが「確立済み」になっていました。 Direct Link Connect とPower Virtual Server の接続が完了しました!   5) VSI for VPC の作成 Direct Link Connect がPower Virtual Server と接続できたので、IBM Cloud の x86環境とちゃちゃっと接続したいところではありますが、実はまだ仮想プライベート・クラウド(VPC)もIBM Cloud のx86環境(仮想サーバインスタンス(VSI)) もありません。。 そのため、この検証のためにx86環境を作っていきます。画面ショットを取得していない部分は文字のみで説明しています。 ・「ナビゲーションメニュー」から「VPCインフラストラクチャー」を選択します。 > 左のメニューから「VPC」を選択し、「作成」をクリックします。 ・「新規仮想プライベート・クラウド」の画面で以下のように入力・選択します。 > 名前:tok-vpc(任意の名前でOK) > リソース・グループ:Default(変更なし) > タグ:(記載なしのまま) > Region:「東京」にチェック > デフォルト・セキュリティー・グループ:「SSHを許可」「Pingを許可」にチェック > クラシック・アクセス:「クラシック・リソースへのアクセスを有効にします」は無効 > デフォルトのアドレス接頭部:「各ゾーンのデフォルト接頭部の作成」にチェック ・「サブネット」の項目では「サブネットの追加」をクリックします。 ・画面の左に「VPC用の新規サブネット」が表示されるので以下の情報を入力し「保存」をクリックします。 > 名前:tok-vpc-subnet(任意の名前) > ゾーン:「東京1」(東京1~3まで選択できます) > リソース・グループ:Default(初期値のまま) > タグ:(記載なしのまま) > IP選択範囲 >> アドレス接頭部:10.244.128.0/18 >> アドレスの数:256 >> IP範囲:10.244.1.0/24 > ルーティング・テーブル:(記載なしのまま) > サブネット・アクセス制御リスト:(記載なしのまま) > パブリック・ゲートウェイ:「接続済み」にチェック 保存が完了したらVPCの作成承認画面になりますので「仮想プライベート・クラウドの作成」をクリックしVPCを作成します。 仮想プライベート・クラウド(VPC)の作成が完了しました!   続いて、VPCの中に仮想サーバ・インスタンス(VSI)を作成します。 ・「カタログ」に「virtual server」と入力するとリストに「Virtual Server for VPC」が出てくるので選択します。 「VPC用の新規仮想サーバ」の作成画面になります。 ・「詳細」では以下の通り入力・選択します。 > 名前:tok-test-vsi(任意の名前でOK) > リソース・グループ:Default > タグ:(記載なしのまま) > ロケーション:東京1(東京1~3が選択できます) > 仮想サーバのタイプ:パブリック >    プロセッサー・アーキテクチャー:x86 ・「オペレーティング・システム」と「プロファイル」は以下を選択しました。 (SSH鍵はAIXインスタンス作成時に作ったものを利用します) ・「配置グループ」「ブート・ボリューム」「データ・ボリューム」は初期値のままとします。 ・「ネットワーキング」では以下を選択します。 > 仮想プライベート・クラウド:tok-vpc (先ほど作成したVPC) ・「ネットワーク・インターフェース」は初期値のままとします。 ここまで入力と選択ができたら左画面に出力されているサマリーを確認し「仮想サーバ・インスタンスの作成」をクリックしてVSIを作成します。 下記のような表示となります。 「状況」が「稼働中」になったら作成完了です(2分くらいで稼働中になりました)。 仮想サーバ・インスタンス(VSI)の作成が完了しました!   次に、VSIをインターネット経由でアクセスできるようにするために、浮動IPアドレスを作成して割り当てます。浮動IPは、フローティングIPとも呼ばれています。 ・IBM Cloud ポータル画面の左上にある「ナビゲーション・メニュー」→「VPCインフラストラクチャー」→「浮動IP」を選択します。 ・「VPC用の浮動IP」の画面で「作成」をクリックします。 左画面に「浮動IPの予約」画面が出力されます。 ・「浮動IPの予約」画面では以下を選択・入力します。 > 浮動IP名:tok-test-vsi-ip(任意の名前でOK) > リソース・グループ:Default > タグ:(記載なし) >ロケーション:「東京3」を選択 > バインドするインスタンス:「tok-test-vsi」を選択(作成したVSI) > ネットワーク・インターフェース:「en0」を選択 すべての設定ができたら「IPの予約」をクリック 浮動IPが割り振られました。 私のPCから作成した浮動IPに疎通できるか確認します。 疎通ができました。 浮動IPの設定が完了しました!   6)AIX環境とx86環境の接続確認 いよいよ、Direct Link Connect と VPC を接続します。 ・「ナビゲーションメニュー」→「相互接続性(Interconnectivity)」→「Direct Link」で「Direct Link」の画面を表示します。 ・左の3つの点をクリックし「接続の追加」を選択します。 ・「接続の追加」で以下を選択・入力し「追加」をクリックします。 > 接続の作成:アカウントに新規接続を追加します。 > ネットワーク接続:VPC > 地域:東京 > 使用可能な接続:tok-vpc > 接続の名前:tok-powervs(任意の名前) 以下のメッセージが出力されます。 2分程度経つと、状況が「作動可能」になります。 これで、VPC と Direct Link Connect がつながりました。 AIX環境とx86環境間でPing疎通ができるかの確認を行います。 ・AIXインスタンスにログインし、VSI環境にpingを投げます。 AIX環境とx86環境が疎通できました! AIXサーバからVSIのubuntuサーバにssh でログインできることも確認できました。   今回で Power Virtual Server のブログは終了です。 検証を通して沢山の新しい知識を培うことができ、とても充実した機会でした!   最後に 2021年は多くのお客様が、Power Systems のオンプレミス更改の考え方を見直すと同時に、 クラウド化を本格的に検討されました。 特に、中小企業のお客様は、クラウド化を選択することで得るメリットがお客様ご自身の負担やストレスを減らす手助けになられたように感じます。 2021年10月から、Power Virtual Server は安価な新ネットワークサービスが開始になったり、IBM i  のライセンス移行オファリングが始まったりと、ユーザの目線に立った新機能が続々登場しています。 より身近なクラウドになってきました。 さて、2022年はアフターコロナが訪れるでしょうか。 海外旅行に行きたいです。   お問い合わせ この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp  

2021年10月20日

企業の問題解決と競争力強化にAIやクラウド・ネイティブ技術の活用が必須である理由

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進が叫ばれる中、現在まだ多くの企業のビジネスは依然としてレガシーシステムが担っており、新規開発や修正作業に多大な工数と時間を必要としている状況にあります。 (さらに…)

2021年10月20日

WebSphere Application Serverユーザー必見!IBM WebSphere Automation活用の3つのメリット

ここ数年、IT運用の複雑性が問題視されています。この複雑性が従来のアプリケーションと最新のアプリケーションを同時に稼働させることを困難にしているからです。 そのため、市場投入の遅れや高額な運用コストが生じ、企業がROIを最大化しながら迅速にトランスフォーメーションを実施するための障害ともなっています。 これは IBM WebSphere Application Server(以下 WAS)のユーザーにとっても同様の課題です。 本記事では、WASの抱える課題と、既存の環境を変更することなく WASの運用を自動化・一元化することでアプリケーション・ワークロードの実行にかかる時間と労力を節約し、さらに、セキュリティとレジリエンシー、パフォーマンスを向上させる「IBM WebSphere Automation」について解説します。   Index WebSphereブランドの中核製品「IBM WebSphere Application Server」 WASユーザーが抱える悩み WASの運用を自動化・一元化する新ソリューション「IBM WebSphere Automation」 IBM WebSphere Automation活用の3つのメリット Cloud Pak for Watson AIOpsとの連携でより効率的に ぜひ、エヌアイシー・パートナーズにご相談ください この記事に関するお問い合わせ 関連情報   WebSphereブランドの中核製品 「IBM WebSphere Application Server」 IBMのミドルウェア・ソフトウェアブランド「WebSphere」の中で最も有名な製品が「IBM WebSphere Application Server (WAS)」です。 WASは、多くのミッションクリティカルを支える商用の Webアプリケーションサーバーとして1998年から提供されており、安定稼働が評価され長年にわたり多くのユーザーに利用されてきました。 WASの特長は、Webアプリケーション環境の一般的な3層構造 (Webサーバー・アプリケーションサーバー・DBサーバー) のうち、WAS単体で "Webサーバー" と "アプリケーションサーバー" 両方の機能を提供できることや、Webサーバーからリクエストを受け Java/PHP/Ruby などで作成されたアプリケーションを実行し、動的なコンテンツの生成が可能なことにあります。 さらに、負荷分散機能を持ったエディション "Network Deployment" により、大規模環境にもこの製品1つで対応が可能です。 また、ワークロード全体の可視性を高めエンタープライズ・アプリケーションを分析し、Kubernetes への対応を促進できるように設計されていることも、WASが多くのユーザーに活用される理由となっています。   WASユーザーが抱える悩み 多くのミッションクリティカルなシステムを支える基盤ミドルウェアとして長年にわたり企業に選ばれ活用されてきたWASですが、この歴史があるからこそ浮上する課題もあります。 それが「運用効率の低下」です。例えば、以下のようなことが起きています。 システムのサイロ化によってWASが複数のシステムにまたがって運用されており、それぞれを個別に管理しているため人手がかかる Webアプリケーションシステムのセキュリティ強化のためには、開発したアプリケーションだけではなく基盤であるWASの脆弱性を把握して速やかにパッチを適用することが重要だが、一括で状態が確認できず、調査・適用に手間がかかる 多くのミッションクリティカルシステムを支える基盤ミドルウェアであるのに、企業全体で一貫したポリシー適用が難しい これらWASが抱える問題を、費用対効果や脆弱性対策などの観点から解決するのが 「IBM WebSphere Automation」です。   WASの運用を自動化・一元化する新ソリューション 「IBM WebSphere Automation」 2021年5月12日、8つの新ソリューションの1つとしてIBMがオンラインイベント "Think 2021" で発表したのが、「IBM WebSphere Automation」です。 IBM WebSphere Automation なら、サイロ化したシステムに散在するWASの運用を、自動化かつ一元化することが可能です。既存環境の変更は必要ありません。 同時に、一貫したポリシーの適用を実現することで脆弱性対策を強化し、レジリエンシーとパフォーマンスの向上も実現します。 これにより、運用/管理の手間とコストを減らしアプリケーション開発にかける時間を創出。 アプリケーションの迅速な市場投入を可能にすることで、ROIを最大化します。 それでは、IBM WebSphere Automation活用の各メリットを詳しく見ていきましょう。   IBM WebSphere Automation活用の3つのメリット 1. 一貫したポリシーを適用したセキュアな運用 IBM WebSphere Automation は、サイロ化した各システムに散在するWASの管理を一元化することでリスクを低減し、コンプライアンスに厳格に対応します。 管理の一元化により、一貫したポリシー適用が可能になるだけでなく単一のダッシュボードを使用することで、運用チームが最も関連性の高い情報にアクセスすることを容易にします。 また、潜在するリスクに対しても自動的にリスクを検知し、各システムに散在するWASに対してパッチを効率的に配布することによって、DevSecOps をより積極的に実践することが可能になります。   2. 運用のレジリエンシーを確立し、イノベーションのための時間を創出 IBM WebSphere Automation は、WASの管理や運用を自動化することで煩雑な手作業を削減し、最適なリソース活用を通してコストと時間を節約します。 自動化によってルーティーン作業を削減し障害を素早く復旧することで、チームの対応能力強化に寄与し運用の効率化とレジリエンシーを確立します。 これにより、人手不足の解消、さらに、WASやLibertyの環境管理にかかるコストとその複雑性を最小限に抑えることが可能になります。 また、WASの運用管理工数の削減でチームの時間をより価値の高い活動にあてることができるため、イノベーションのための時間や機会を 生み出すことも大きな効果です。   3. 運用パフォーマンスの向上 IBM WebSphere Automation を活用し、様々な環境からの情報を統合するダッシュボードを活用することで、個々の環境を確認しなくてよくなるため運用効率を改善できます。 また、作業の自動化を行うことができるため、様々な環境に共通したベストプラクティスを展開することで安定稼働を実現できます。 これらにより、運用パフォーマンスを向上することができるため、コスト削減だけでなく安定稼働が可能となります。   Cloud Pak for Watson AIOpsとの連携でより効率的に さらに IBM WebSphere Automationは、「IBM Cloud Pak for AIOps」との連携でより効率的なWASの運用管理を実現することができます。 IBM Cloud Pak for AIOps は、AIを活用してIT運用の課題を解決できる運用基盤で、監視データを集約・分析し、現在なにが起こっているのかをリアルタイムに捕捉。問題発生をとらえ影響範囲を予測し、対処方法を提案します。 これらは、1つのダッシュボードで運用全体を確認できるため、複雑でサイロ化されたマルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境でIT運用が抱える課題の迅速な解決を可能にします。 IBM Cloud Pak for AIOps は、予兆を検知することでプロアクティブ (積極的) な保全活動もできるようさらに製品を進化させており、今後の動向にも注目したいところです。   ぜひ、エヌアイシー・パートナーズにご相談ください エヌアイシー・パートナーズは IBM Value Add Distributor として、お客さまの課題に対し長年の実績とIBM製品への深い理解を持って、IBM製品を組み合わせた複合的な解決策をご提案しています。 以下に当てはまる顧客の課題を解決したい方は、ぜひ、エヌアイシー・パートナーズまでご相談ください。 クラウド・テクノロジーに関する経験が乏しく、お客様の運用提案ができていない お客様にアプリケーションサーバーの高額な運用コストの削減提案を実施したい お客様が利用しているWAS環境は様々な企業が個別に導入しているため、一貫したポリシー適用が難しい WASの脆弱性対策が一貫してできていない 費用対効果を最大化できるソリューションを採用したい 構築スキルの習得が難しい     この記事に関するお問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 企画本部 事業企画部 この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。 お問い合わせ   関連情報 IBM WebSphere Application Server (WAS) (製品情報) 【やってみた】WebSphere Hybrid Edition導入してみた:OpenShift導入編 (ブログ)   .btn_B{ height:25px; } .btn_B a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_B a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }  

2021年10月18日

【早わかり】ここが進化したIBM Power10!

日本企業が取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(以下 DX)は、もはや助走期間を過ぎました。 2025年の崖を乗り越えデジタル競争の勝者となるためには、よりスピーディに、よりスマートに、企業活動を発展させていく必要があります。 経営とITが不可分である今日、その原動力となるのは企業情報システムです。 なかでも基幹システムは、より多くの処理をこなすだけでなく、より高いパフォーマンスで処理する能力が今まで以上に求められています。 さらに、取るべき戦略を多角的な視点で分析しすばやく意思決定を行っていくために、AIを日常的に活用していく必要があります。 また、ランサムウェアを始め、企業にとってシステムへの脅威は高まる一方で、従来以上にセキュリティ強化を図ることは不可欠です。セキュリティ強化という観点では、データのみならずハードウェアやOSも視野に入れなくてはなりません。 加えて近年は、産業界全体で脱炭素社会の実現をめざしており、企業の取り組みの進度が取引先選別のポイントにもなろうとしています。 企業が直面するこうした様々な課題を解決するために進化したのが、IBM Powerの最新版「IBM Power10」です。 当コラムでは、ハイエンドエンタープライズシステムE1080を基準に、POWER9からパワーアップした機能の数々と、おすすめの活用シーンを紹介します。   Index POWER9から大きくステップアップしたPower10 今のビジネスにすぐ貢献 -IBM Power10の適用シーン- POWER9との違いを知りぬいたエヌアイシー・パートナーズにご相談を この記事に関するお問い合わせ 関連情報   POWER9から大きくステップアップしたPower10 IBMは、プロセッサーからメモリーインターフェース、筐体間通信までを一貫して設計する唯一のベンダーです。 そのため、ビジネス最前線での利用ニーズを見極めながら、あらゆるコンポーネントを相互に最適化させて作り上げることが可能です。 これまでもその取り組みは行われてきましたが、IBM Power10においてその利点が最大限に発揮されたといえそうです。   システム全体で目指したパフォーマンスの向上 Power10プロセッサーは、7nm (ナノ・メートル) にて製造されています。POWER9の14nmからプロセスルールを半分にすることにより、最大15コアの搭載が実現しました。 トランジスタ密度がさらに向上したことでコアパフォーマンスが向上し、より多くのワークロードへの対応が可能になります。 実際 IBMによる自社製品の比較検証で、コアパフォーマンスはE980と比較して20~30%増加※1、E880Cとの比較では55~80%増加※1しているといいます。 これは、こうした既存機種を複数ノードで利用していたワークロードがあれば、E1080へ統合可能であることを意味します。 また、コアライセンス体系を持つソフトウェア利用ではライセンス費用の見直しにもなります。 メモリーでは、新しいOpen Memory Interface (以下 OMI) が導入されました。 チップあたり16チャネル搭載が可能となった結果、最大1TB/sの帯域幅を実現。POWER9の230GB/sに比して、4倍以上の性能向上となっています。 また、PowerAXONにより、筐体間でのメモリーのシェア (クラスタリング) が可能になり、メモリー使用の最適化が行えます。 一方インタフェースにおいては、POWER9はPCIe Gen4でしたが、PCIe Gen5にアップデートされたことで、従来比1.8倍※1の帯域幅を提供します。 このように、IBM Power10は、CPU単体性能の向上だけでなく、チップからメモリー、I/Oデバイス、ノード間に至るまでシステム全体で広帯域・低遅延のデータ通信を実現し、コアを中心に行うデータ連携のボトルネックが様々な点で解消されています。 ※1. IBMによる自社製品調べ (2021年9月)   ハードウェアレベルからのセキュリティ強化 企業の重要な資産である情報システムを守り抜くために「セキュリティはあらゆる角度から考慮すべきだ」とIBMは考えています。 IBM Power10においても、ハードウェアであるプラットフォームからアプリケーションレベルでのワークロードまで、Power10セキュリティエコシステムと称された様々なセキュリティ対策が施されています。 特に目を引くハードウェアのセキュリティ対策では、メモリー暗号化機能が強化されました。 チップ上のメモリーコントローラ内に搭載された暗号化エンジンにより、OSやアプリケーションの種類に関わらず、透過的かつ容易にデータを暗号化できます。 その能力も、POWER9に比べ4倍※1 のAES暗号化エンジンをすべてのCPUコアに搭載しているため、約40%以上の高速化がされており、アプリケーションパフォーマンスへの影響を最小限に抑制可能です。 また、このシステムは来たるべき時代に備え、量子コンピュータにも耐えうる暗号化や、暗号化されたデータを復号化することなく演算を行えるデザインであることも大きな特長です。 つまり、IBM Power10は、ハードウェアレベルから強力なセキュリティ対策を施すことで保護とパフォーマンスを両立しており、新しい脅威にも対応できるといえます。 ※1. IBMによる自社製品調べ (2021年9月)   IBM Power10だけでもAI活用が可能に ますます本格化するであろうAI活用のために、Power10プロセッサー上で高速な推論環境が構築できるようになりました。 それが、Matrix-Multiply Assist (以下 MMA) で、機械学習、ディープラーニングなどのアルゴリズムを効率的に実行するための行列演算エンジンです。POWER9に比べて最大20倍※1のAI推論処理性能を有しています。 また、機械学習やディープラーニングで作ったモデルを共通のフォーマット、ランタイムで実行できるようにする、Open Neural Network Exchange (以下 ONNX) をサポートしています。 これをハブとして活用することで、機械学習やディープラーニングの学習にどのフレームワークを利用しても同じフォーマットで実行・推論することが可能です。 このように、IBM Power10では、CPUだけでもAIの推論が実行でき、かつ、ソフトウェアを含めよりスコ―プの大きなエコシステムの構築を支援することで企業のAI活用を促進します。 ※1. IBMによる自社製品調べ (2021年9月)   可用性、信頼性、保守性をさらにパワーアップ 1年365日停止することの許されないミッションクリティカルなビジネスを支えるため、IBM Power10は、さらに信頼性、可用性を高めています。 リトライ/リカバリーと自己修復のための機能を備えたプロセッサーや、OMIに接続する先進的なメモリーDIMMの搭載がまさにそのためのもの。 さらに、IBM Power10のDIMMは、業界標準のDIMMと比較してメモリーの信頼性と可用性が2倍向上※2しています。 また、新しいノンアクティブ32Gb SMPケーブル採用により、信頼性が向上したのみならず時間領域反射率測定 (TDR) による障害分離が可能になり、保守性も上がりました。 加えてバックプレーン内の配線も不要になり、バスのパフォーマンス向上に寄与しています。 ※2.  ITIC 2020 Global Server Hardware, Server OS Reliability Report (2020年4月) に基づく   脱炭素社会実現に向けたエネルギーの高効率化 エネルギー効率の向上という点も、IBM Powerは30年以上にわたり注力を続けてきました。 今回7nmを実現したPower10プロセッサーは、POWER9に比べて約3倍のエネルギー効率を実現しています。 これは高集積とリソースの効率的な活用が可能になるということで、同じ規模のワークロードであればより少ないインフラで処理が行えるということです。 消費電力の削減、ひいてはCO2排出量の削減につながることで、単に企業内でTCO削減が実現するというだけでなく脱炭素社会実現に向けた取り組みにもなります。 サステナブル時代に生きる企業にとって、エネルギーを意識した活動はもはや使命といえます。   今のビジネスにすぐ貢献 -IBM Power10の適用シーン- より少ないインフラで稼働してコスト削減 最大15コアという高集積なPower10プロセッサーを有効活用することにより、様々な業務の "コンパクト化" が実現できます。 まず、アプリケーション稼働にリソースが必要な場合、多くのコアで筐体数を減らせます。 例えば、POWER E980 2ノードで稼働していたシステムは Power E1080 1ノードに集約できる可能性があり、そうなれば約33%の消費電力が削減可能※1です。 次に、OracleやSAP HANAなど、アプリケーションのライセンス課金体系がCPU単位である場合、コアの集積度向上とコアあたりの性能向上により、TCO削減の効果が期待できます。 またIBMは、IBM Power10がAIX、IBM i、Linix上で稼働する数千ものISVアプリケーションに対応することを表明しています。 これにより、例えば、RedHat OpenShift対応の様々な業務をこの上で動かすことも可能です。 ※1. IBMによる自社製品調べ (2021年9月)   データがある場所でAIを実行 "Train Anywhere, Deploy here"。これは、IBM Power10におけるAIコンセプトです。 その意味は、"学習はどの場所でも、デプロイは「IBM Power10」で" というものです。 AIのモデルというのは、一度作れば終わりではありません。変化する社会情勢や事業環境に合わせて日々アップデートする必要があります。 そこで最適なのが、Power10プロセッサーに搭載されたMMAの行列演算エンジンです。 これを用いれば、作成したモデルを基幹業務が稼働しているプラットフォームのすぐ横で動かすことができます。 例えば、同じAIXで稼働している基幹業務のすぐ隣にLinux区画を作り、そこでAIモデルを実行するといった具合です。 外部からやってくるトランザクションデータを取り込むにも同じ筐体で稼働するため、データ転送のオーバーヘッドが小さく管理するプラットフォームも小さく抑えられます (図1)。 また、高パフォーマンスのIBM Power10を用いることにより、システム全体としてのSLA達成も容易になります。 図1. IBM Power10でのAI活用シナリオ例   "摩擦レス" にハイブリッドクラウドを動的に拡張 クラウドへのリフト&シフトが進行している今日ですが、「従来のITとうまく統合できない」と悩んでいる企業が多いのも事実です。 その解決策としてIBM Power10では、DynamicCapacityという機能が提供されています。 これは、コアやメモリーといったサーバーリソースを同じモデルのすべてのサーバー同士 (プール) で共有できるというもの。 また、プール内の総起動分を超過して使用した分は事前購入した従量制容量のクラウドリソースで増強できます (図2)。 図2. IBM Power10のDynamic Capacity そのため、企業はサーバーごとのリソース不足という問題から解放されるだけでなく、バースト的に発生したビジネスピークにいつでも対応可能になります。 また、これをリフト&シフトの一環とし、そのままクラウド上で業務を続けることもできます。 つまり、このシステムは、アプリケーションが実行されている環境がオンプレミスに限られていないということです。 クラウドへも "摩擦レス" に移行でき、そこでも同様のスケーラビリティ、パフォーマンスが得られるということは、大きな差別化ポイントといえるでしょう。   POWER9との違いを知りぬいたエヌアイシー・パートナーズにご相談を こうして見てくると、IBM Power10は、様々な面でブレークスルーを果たしています。 サーバー全体、また、クラウドを含めた情報システム全体のエコシステムという観点で、大きな性能向上、セキュリティ強化、機能追加を果たしたことがよくわかります。 まさに、ハードウェアからOS、ソフトウェア、クラウドまですべてを手がける、IBMならではの価値提案です。 「新しい分野にチャレンジしたい」 「迅速な意思決定のためにシステムパフォーマンスを上げたい」 「凶悪化の一途をたどるサイバー攻撃からシステムを守りたい」 「サステナブル対応が喫緊の課題だ」 といったご要望やお悩みを抱えるエンドユーザー企業のご担当者の方は、IBM Power Systemsに長く携わり、ローンチ以前からIBM Power10に注目し、POWER9との違いも知りぬいたエヌアイシー・パートナーズに、ぜひ、ご相談ください。     この記事に関するお問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 企画本部 事業企画部 この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。 お問い合わせ   関連情報 【10分で早わかり】インタビュー記事「Power10の真の価値とは」(インタビュー) - 日本IBM Powerテクニカル・セールス ITスペシャリスト の釘井 睦和 氏に「Power10の真の価値」についてお話を伺いました! 【外部サイト】(IBMサイト) Power10プロセッサー搭載 IBM Powerの特長 Power10プロセッサー搭載サーバー発表に向けて   .btn_B{ height:25px; } .btn_B a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_B a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }  

2021年10月04日

運用担当者の負担を軽減!多様化するシステムに悩まないIBM Elastic Storage System

「データが増え続け、業務に支障をきたさないように運用するのに苦労している」「増えたデータを活用しきれていない」「運用担当者は日々の業務運用で手一杯」。 このような悩みを打ち明けられていることはないでしょうか。 IoTや5Gといったテクノロジーの導入など、今企業では取得できるデータの幅が大きく広がり、データをどう集め、どう格納し、どう活用するか、さらに、急速に増えたデータをどう管理するかは、企業にとって重要なテーマになっています。 このような企業の課題解決の糸口としておすすめなのが、アプライアンス型のストレージです。 ハードウェアとソフトウェアが一体となって提供されるこの製品は、別途サーバーやソフトウェアを選定・初期構築する必要がなく、運用の負担を軽減できます。 さらに、最新のアプライアンスは大容量で拡張性にも富んでいるため、これから「データを蓄積していきたい」「AI活用に着手し、少しずつ本格化させたい」というニーズにも適しています。 そこで本記事では、スケール・アウト型の共用ファイルシステムである「IBM Spectrum Scale」をベースとしたアプライアンス・ストレージ 「IBM Elastic Storage System」を紹介します。   Index ハードウェアとソフトウェアが一体化した統合ソリューション 「IBM Elastic Storage System」 IBM Elastic Storage System内のエンジン「IBM Spectrum Scale」 IBM Elastic Storage Systemが誇る6つの特長 豊富なモデルの組み合わせで自由なカスタマイズが可能に エヌアイシー・パートナーズが、モデル選びを支援します この記事に関するお問い合わせ 関連情報   ハードウェアとソフトウェアが一体化した統合ソリューション 「IBM Elastic Storage System」 IBM Elastic Storage System (以下 IBM ESS) は、アプライアンス・ストレージです。 ハードウェアの構築、ソフトウェアのインストール、そして動作テストまでも工場で事前に実施した上でお客様サイトに搬入されます。 そのため、現場ではただちにラックへのマウント作業に入れます。 また、事前に綿密な設計を施さなくてもエンタープライズレベルのパフォーマンスや可用性を発揮するよう開発されており、短期間で本番運用を開始することができます。 さらに、運用開始後のシステムアップデートも、OSからファームウェアおよび IBM Spectrum Scale、IBM ESS に特化した部分に至るまで包括的なパッチプログラムは IBM から提供されるので、お客様側ではバッチプログラムを適用するだけで済みます。 そのため、ソフトウェア間の互換性のずれなどを気にすることなく、常に最新の状態で利用できます。 包括的なサービス提供ということに関しては、保守についても同様です。 ハードウェア、ソフトウェアの切り分けなく、問い合わせ窓口は IBM に一本化できます。 管理性に優れているのも IBM ESS の大きな特長です。 視認性に富んだ GUI管理ツールを備えており、これを用いることでストレージ専門の担当者でない方もわかりやすくかつ効果的に日常管理を行えます。   IBM Elastic Storage System内のエンジン 「IBM Spectrum Scale」 このストレージは、アプライアンスながら Software Defined Storage に属しています。 ベースになっているのは、Software Defined Storage であるスケール・アウト型の共用ファイルシステム IBM Spectrum Scale です。 IBM は長年このテクノロジーの発展に精力を傾けてきました。 長いデータソースのプロトコルを管理するパートとデータを管理するパートが別に存在し、それぞれ必要に応じて柔軟に追加可能です。 そのため、 最初は最少構成で導入して徐々に適用を広げていくといったスモールスタートが可能で、ご要件に合わせていつでも簡単に柔軟に拡張できます。 なかでもメリットの大きな機能として挙げられるのは、データの階層管理機能と拠点間ファイル連携機能です。 データの階層管理機能は、データのアクセス頻度に応じて高頻度のものは高速ストレージに、頻度の低いデータは低速ストレージに、とデータの適材適所保存が可能。 ユーザーは、どのストレージプール上にファイルがあるかを意識する必要はなく、データが移動してもいつも同じ操作でアクセスが可能です。 拠点間ファイル連携機能は Active File Management と呼ばれるもので、複数拠点間での非同期コピーを自動で実現します。 データすべてを選択することが可能なら、一部に絞ることもできます。 また、キャッシュはリードオンリー、リード/ライト、DR など様々なモードが選べるため、現場ユーザーの必要とするデータを本社から定期的に配信したり、逆に現場のデータを本社に自動収集する、といったデータ管理が容易に実現できます。   IBM Elastic Storage Systemが誇る6つの特長 IBM ESS がアプライアンス・ストレージとして持つ特長をご紹介します。   1. 可用性・性能設計いらずのSpectrum Scale RAID IBM ESS は、データ保護機能である RAID が設計ずみのソフトウェア機能として提供されます。 このため、通常のストレージのようにストレージ装置側で別途設計する手間をかける必要はありません。 また、このソフトウェアRAID は、一般的なディスク・ドライブでも十分にエンタープライズレベルのパフォーマンスを発揮します。   2. サイレント・データ破壊を検出可能なEnd-to-endチェックサム ストレージ管理においては、常に読み書きできるデータが保管されていることが重要です。 しかし、ときにはコンピュータシステム内部で電磁気的な干渉が発生し、メモリの中でビットが自発的に反転してしまうことがあります。 いわゆる "サイレント・データ破壊" で、通常は障害と見なされず読み出してからデータが壊れていることがわかるという厄介な事象です。 その点IBM ESS には、書きこみ時のチェックサムと読み出し時のチェックサムを比較するEnd-to-endチェックサム機能があります。 異常を検知した段階でRAID復旧が行われますので運用停止はありません。   3. パフォーマンス向上に貢献する小容量ファイルの高速Write このアプライアンス・ストレージでは、NVMeドライブあるいはサーバープロセッサー上の NVDIMMカードが高機能な RAIDコントローラの役割を担っています。 これにより、4KiB未満の小容量データをメタデータ内に直接格納することができます。 これをキャッシュに書きこんだ後ただちに IBM ESS内の I/Oサーバ間で自動レプリケーションが行われ、これを持って格納完了とします。 そのため、IoTデータなど小容量ながら新しいデータが次々送られてくるような利用ケースにおいてはさらにパフォーマンスを向上させることが可能です(図1)。 図1. IBM ESSの小容量ファイル高速Write機能   4. NVDIMM/NVMeによる停電耐性実現で、UPSバックアップいらず IBM ESS の NVDIMMカード/NVMeドライブは強力です。 まずデータに関しては、直接ディスク書込みをもって格納完了とするライトスルー機能を実現しています。 また、メタデータに関しては上記の特長3.でも触れたとおり、キャッシュ書き込みと2台の I/Oサーバ間でのレプリケーションで格納完了となります。 どちらかの I/Oサーバに障害が発生しても、片方の I/Oサーバで代替運転が可能です。 停電耐性も高く、万が一不測の停電が起きた場合でもNVDIMMカード/NVMeドライブ上のキャパシタがキャッシュ上のデータをただちにフラッシュに退避させます。 これにより、データ消失のリスクを最小限に抑えます。   5. 様々な容量のデータに最適対応 ストレージの性能は扱うデータの大きさによっても変化します。 大容量ファイルならば、ディスク内のブロックサイズを大きく設定したほうがパフォーマンス的に有利です。 しかし、小容量ファイルを大きなブロックサイズで管理すると断片化傾向が高まってしまい、性能が低下する上にデータの格納効率も低下してしまいます。 IBM ESSは、ファイルシステム単位で最適なブロックサイズを指定できます。 また、1つのブロックを複数のサブ・ブロックで構成可能であるため、小容量データを効率よく格納できます。 例えば、最大のブロックサイズである 16MiB である場合、16KiB のサブ・ブロックが最大1,024個まで構成可能です。 これにより、ストレージの実効容量を有効に活用できます。   6. 手間をかけずに容量の追加・拡張が可能 このアプライアンスはシステム拡張も容易です。 "小さく生んで大きく育てる" ことができる秘密が、この特長にあります。 これから AI活用を本格化させようという場合にはまさに不可欠な機能といえるでしょう。 増設の際、IBM Spectrum Scale がデータのリバランスをバックグランドで自動実行します。増設前後でデータを退避させたり切り戻したり、といった作業は必要ありません。 このため、当初にパフォーマンスや容量見積もりに頭を悩ませる懸念から解放されます。   豊富なモデルの組み合わせで自由なカスタマイズが可能に IBM ESS は、ラインナップが豊富なことも大きな魅力です。 速度重視モデルと容量重視モデルが用意されているので、エンドユーザー企業のニーズにフィットした構成を実現できます。 ただし、正直なところモデルがありすぎるために迷うことも事実です。また、選択したモデル路線をその後継続して利用することになるため、最初のモデル選びには慎重さも求められます。 そこで IBM では、モデル選択のために FOSDE tool というデザインツールを提供しています。 FOSDE tool は、正式名称を「File Object Solution Design Engine tool」といい、Webで提供されています。 IBMid があれば自由に利用することが可能です。 大きく、"案件管理" "IBM Spectrum Scale や IBM ESS の検討事項リスト" "ESS構成" という3つの機能があり、ウィザード形式で1つ1つステップを踏みながら最適なモデルを絞りこめるようになっています。 基本は英語表記ですが、検討事項リストなどには日本語訳がついています。 例えば ESS構成機能では、プルダウンメニューを選択していくだけで構成可能なモデルをどんどん特定していくことができます。 実効容量の計算やパフォーマンスの予測なども可能ですから、ここで欲しいストレージ性能をいろいろシミュレーションできるというわけです(図2)。 図2. FOSDE toolを使ったESS構成シミュレーション例   エヌアイシー・パートナーズが、モデル選びを支援します エヌアイシー・パートナーズでは、エンドユーザー企業の課題解決をパートナーとともに考え、提案できる体制を整えています。 IBM ESS に関しても、IBM Spectrum Scale を含めて技術の詳細に精通したエンジニアがいつでも構成設計をお手伝いします。 もちろん、構成作業を支援する FOSDE tool が存在します。入力した内容は IBM と共有でき、選択した構成に無理がないかどうかなどの観点でレビューが提供されることになっています。 ただ、英語表記ということもあり、ウィザードを進める過程では疑問・質問が生じることもあるかと思います。 そうした際は、ぜひ、エヌアイシー・パートナーズにご相談ください。パートナー、エンドユーザー企業の立場に立って支援させていただきます。     この記事に関するお問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 企画本部 事業企画部 この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。 お問い合わせ   関連情報 IBMストレージ製品 (製品情報) - ストレージ機能のソフトウェア化を実現した SDS製品 (Software Defined Storage) も含め、幅広いラインアップを取りそろえています。   .btn_B{ height:25px; } .btn_B a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_B a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }  

2021年09月17日

【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.2)

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの村上です。 本ブログは、IBM Power Virtual Server をトライしてみた内容や感想をご紹介するブログです。 シリーズ化していますので、まずインデックスのご紹介をします。   インデックス ・IBM Power Virtual ServerでAIX環境を作ってみた ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境にSWを導入してみた  ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境を日本ロケールにしてみた ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.1) ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.2) ←今回 ・IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud x86環境を接続してみた 今回は、AIX環境のバックアップ手順のご紹介です。 検証環境で2種類のバックアップ方法を試しましたので、Part.1 とPart.2(本ブログ)に分けてご紹介しています。 本ブログでは 「AIX環境をバックアップしてみた Part.2」として、FlashCopy によるバックアップ手順をご紹介します。   セクション 以下の1)~4)のセクションに分けてご紹介します。 1)  FlashCopy の説明 2)  IBM Cloud CLI 導入 3)  FlashCopy によるバックアップの事前準備 4)  FlashCopy の実施 検証はAIXのインスタンスで行いましたが、IBM i のインスタンスでも同等の手順で操作を行うことができます。 利用したクライアント端末(私のPC)は、Windows10 pro バージョン2004です。 1) FlashCopy の説明 Power Virtual Server で実装する FlashCopy  は以下の仕様となっています(IBM Cloud 柔らか層本 20210915版より)。 説明 ・IBM Cloud で提供されており、外部ストレージ装置のコピーを実施する ・バックアップ/リストアの時間が大幅に削減できる ・NWデータ転送量を削減できる 主な用途 ・データベース領域のバックアップ(容量が大きいものにおススメ) ・VM全体のバックアップ 対象 rootvg を含む任意のボリューム 保管場所 外部ストレージ装置 取得時の LPAR停止有無 不要 ※ ファイルの整合性担保のためにバックアップ前にはアプリの静止、LPAR停止が推奨される 制約事項 など ・リストア時はアプリ静止、LPAR停止が推奨 ・GUIは未実装であり、API呼び出しでのみ実行可能(2021年9月 時点) ・FlashCopy 先のストレージは無償で利用可能 ・インスタンス削除と同時にFlashCopy データも消失する FlashCopyとは、「Snapshot 」「Clone 」「Point in time Copy」とも呼ばれ、ある一時点のボリュームのコピーを作成する機能です。コピー元とコピー先は異なるLUN(ストレージのボリューム単位)を使用することができ、バックアップ手法として利用されています。 FlashCopy 先のディスクは課金されず無料で利用することができますが、バックアップデータの実体をWEBインターフェースの画面で確認することはできません。また、インスタンスを削除するタイミングで FlashCopy のデータも消失するため、バックアップデータはICOSなどへのデータのエクスポートが推奨されています。 2) IBM Cloud CLI 導入 FlashCopy を実施する前に、実施環境(ローカルPC)の準備を行います。 Power Virtual Server の FlashCopy は「IBM Cloud API 」を利用します。残念ながらWEBインターフェース画面では FlashCopy 機能が提供されていません(2021年9月時点)。 FlashCopy の実行は「IBM Cloud API 」で行いますが、Power Virtual Server へのログインやFlashCopy に必要なパラメータ取得などで 「IBM Cloud CLI 」も利用します。 IBM Cloud API とは 仮想サーバを簡単にデプロイおよび構成するために利用されるAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェイス) :利用する場合、モジュールとしてのインストールは不要 IBM Cloud CLI とは IBM Cloud のリソースを管理するためのCLI(コマンド・ライン・インターフェイス) :利用する場合、モジュールとしてのインストールが必要 「IBM Cloud CLI 」を利用するためには、ローカルPCに「IBM Cloud CLI」のモジュールをインストールする必要があります。 では、IBM Cloud CLI のインストール作業を行っていきます。 ・WEBブラウザーを利用して、GitHub の IBM Cloud リポジトリーにアクセスします。 ・IBM Cloud CLI を導入するPCのOSを選択します(私のPCは下記のピンク色で囲んだOS)。 IBM Cloud CLI のインストーラーがローカルPC内にダウンロードされました。 ※ 上記は2021年1月時点のバージョンで、2021年9月時点の最新版は v2.0.3 です。 ・ローカルPC内にダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして起動します。 「IBM Cloud CLI の インストール・ウィザード」が表示されます。 ・「Next」をクリックします 「License Agreement 」の画面が表示されます ・「I accept the terms in the license agreement」にチェックを入れます ・「Next」をクリックします 「Ready to Install the Program」の画面が表示されます。 ・「Install」をクリックします 「The installation completed successfully」のメッセージでインストールが正常に終了した画面が表示されます。 ・「Finish」をクリックします IBM Cloud CLI のインストールが完了です! IBM Cloud CLI が正常にインストールされていることを確認します。 これ以降の作業では、CUI を利用して検証を行います。CUI は Windows標準搭載の「Windows PowerShell」を利用します。(※画面ショットの 固有の値はマスキングします) ・Windows PowerShell を起動し IBM Cloud CLI のバージョン確認コマンドを入力します。 > ibmcloud -v 上記の通り、IBM Cloud CLI  1.3.0 でした。私のPC内の IBM Cloud CLI は、2021年1月頃に導入したので、かなりバージョンが古くなっているようです。 ・IBM Cloud CLIのバージョンアップを行います。 > ibmcloud update →「今すぐ更新しますか?[Y/n]」で「Y」を入力 自動でIBM Cloud CLI のインストーラーが立ち上がります。 ・インストールウィザードの画面で「Next」→「Finish」と進めます ・インストールウィザードが終了したらIBM Cloud CLI のバージョンを確認します。 > ibmcloud -v IBM Cloud CLI  2.0.3 にUpdateできていることが確認できました。 次に、Power Virtual Server 専用のプラグイン(power-iaas/pi )を導入します。IBM Cloud CLI で Power Virtual Server を操作するためには、専用のプラグインが必要になるためです。 ・ibmcloud コマンドでプラグインの一覧を表示します > ibmcloud plugin repo-plugins -r "IBM Cloud" ・「power-iaas/pi」が「未インストール」になっていることを確認し「power-iaas/pi」を導入します。 > ibmcloud plugin install power-iaas プラグインが導入出来ました。 ・導入したプラグインのバージョンを確認します > ibmcloud plugin list 「状況」欄に「更新が使用可能です」と出力されている場合、プラグインのバージョンが古くなっています。 ・プラグインをUpdateします > ibmcloud plugin update 最新バージョンにUpdateでき、「状況」が空欄になりました。 IBM Cloud CLI の準備は完了です! 3) FlashCopy によるバックアップの事前準備 FlashCopy を実施する前にFlashCopyに必要なパラメーターを用意します(パラメータは IBM Cloud API Docs の「Create a PVM instance snapshot」に記載されています)。 単純に出力できないパラメーターは変数に代入していきます。 FlashCopy に必要なパラメーター(変数)は以下となります。 内容 パラメーター/ 変数 ①IBM Cloud へログイン  - ②認証情報 A.  $TOKEN : IBM Cloud IAM アクセストークン B.  $CRN:Cloud Resource Name ③Pathのパラメータ C.  $CLOUD_INSTANCE_ID :Cloud Instance ID D.  $PVM_INSTANCE_ID:PVM Instance ID ④Bodyのパラメータ ・name ・description E.  $VOL_ID:Volume ID それでは、上記の①~④の順番で、パラメータ(変数)を取得していきます。 ① IBM Cloud へログイン ・IBM Cloud へログインします(対話式コマンドでログインを行います)。 >  ibmcloud login   →「Email」にIBM Cloud ログインIDを入力  →「Password」にIBM Cloud ログイン時のパスワードを入力  →「アカウント選択」で利用するアカウントが複数ある場合はアカウントNo.を選択 IBM Cloud にログインができました。 ② 認証情報 の取得 ②では、Power Virtual Server の認証情報を取得します。 Power Virtual Server で IBM Cloud API を利用するためには、すべてのリクエストに 「IBM Cloud IAM アクセストークン」 と 「CRN※」が必要で、これは認証情報と呼ばれます。 ※ CRN:Cloud Resource Name の略。Power Virtual Server のインスタンスID と テナントIDが含まれたもの。 A. IBM Cloud IAM アクセストークンの取得 ・IBM Cloud CLI を利用しアクセストークンを出力します。 > ibmcloud iam oauth-tokens ・必要なストリングをjsonを利用して抽出し、結果を「$TOKEN 」変数に入れます。 > $TOKEN = (ibmcloud iam oauth-tokens --output JSON | ConvertFrom-Json ).iam_token IBM Cloud IAM アクセストークンのパラメータ変数「$TOKEN」 が取得できました。 B. CRNの取得 ・IBM Cloud CLI を利用しCRNを出力します。 > ibmcloud pi service-list ・出力したCRN ID のストリングを抜き出し「$CRN」変数に代入します。 > $CRN = ( ibmcloud pi service-list --json | ConvertFrom-Json).crn 「$CRN」が取得できました。 ③ Pathのパラメータ取得 ③では、FlashCopy の実行文の Path 部分に設定するパラメータを取得します。 C.  Cloud Instance ID の取得 Cloud Instance ID を取得するためには「テナント ID」が必要です。「テナント ID」は「IBM Cloud のアカウントID」のことで、以下の通り、IBMCloud のWEB画面でも確認できます(https://cloud.ibm.com/account/settings)。 上記で確認できるIDをIBM Cloud CLI とAPI で取得します。 ・IBM Cloud CLI を利用し「$TENANT_ID」変数に IBM Cloud アカウントID(テナントID)を代入します。 > $TENANT_ID = (ibmcloud account show --output JSON | ConvertFrom-Json ).account_id ・IBM Cloud API を利用し、テナント状況「$TENANT_STATE」変数を作成します。 $TENANT_STATE = ( ` >> curl.exe -X GET ` >>    https://tok.power-iaas.cloud.ibm.com//pcloud/v1/tenants/$TENANT_ID ` >>   -H "Authorization: $TOKEN" ` >>   -H "CRN: $CRN" ` >>   -H "Content-Type: application/json"  ` >> | ConvertFrom-Json ) ・「$TENANT_STATE 」の「cloudInstances」キーに「cloudInstanceID」が含まれているため(上記のピンク色で囲んだ値)、この値を「$CLOUD_INSTANCE_ID」変数に代入します。 > $TENANT_STATE.cloudInstances > $CLOUD_INSTANCE_ID = ( $TENANT_STATE.cloudInstances).cloudInstanceID 「$CLOUD_INSTANCE_ID」 が取得できました。   D.  PVM Instance ID の取得 PVM Instance ID は、Power Virtual Server のインスタンスID のことです。下記の通り、IBM Cloud のWEB画面からも確認できます。 ・IBM Cloud CLI を利用してインスタンス情報を取得し結果を「$INSTANCE」変数に代入します。 > $INSTANCE = ( ibmcloud pi instances --json | ConvertFrom-Json ) ・「$INSTANCE」変数の「Payload.pvmInstances」キーの配下「pvmInstanceID」キーの値を「$PVM_INSTANCE_ID」変数に代入します。 >$PVM_INSTANCE_ID = ( $INSTANCE.Payload.pvmInstances.pvmInstanceID) 「$PVM_INSTANCE_ID」 が取得できました。 ④ Body のパラメータ取得 ④では、FlashCopy 実行文の Body 部分に設定するパラメータを取得します。 「name」と「description」は任意の値で構いません。 ・ name   :   test ・ description   :   snapshot-test と設定することにしました。 E.  Volume ID の取得 ややこしいのですが、Volume ID は Volume Name を指しています。実際に、Volume ID というパラメーターもあるので間違えないように注意が必要です。Volume ID は、以下の通りWEB画面でも確認できます。 ・IBM Cloud CLIを利用してインスタンス名をリストし、インスタンスに紐づくボリュームを調べます。 > ibmcloud pi instances > ibmcloud pi instance-list-volumes AIX72-test ・上記のピンク色で囲んだ値を「$VOL_ID」変数に代入します。 > $VOL_ID =(ibmcloud pi instance-list-volumes AIX72-test --json |ConvertFrom-Json ).Payload.volumes.name 「$VOL_ID」 が取得できました。 4) FlashCopy の実施 すべてのパラメータが取得できたので、いよいよ(やっと) FlashCopy を実行します。 ・念のため、3)で取得したパラメータ(変数)がきちんと出力されるか確認します。 FlashCopy の実行文は IBM Cloud API Doc に記載がある以下の文です。この実行文を例に、上記の取得したパラメーター(変数)を当てはめて FlashCopy を実行します。 curl -X POST   https://us-east.power-iaas.cloud.ibm.com/pcloud/v1/cloud-instances/ ${CLOUD_INSTANCE_ID}/ pvm-instances/{pvm_instance_id}/snapshots      -H 'Authorization: Bearer <>'      -H 'CRN: crn:v1...'      -H 'Content-Type: application/json'      -d '{            "name": "VM1-SS",           "description": "Snapshot for VM1",           "volumeIDs":["VM1-7397dc00-0000035b-boot-0"]            }' 上記の実行文の通り、色々と試してみましたが、Body の部分( -d 以降) が PowerShell ではうまく実行できません。 そのため、Qiitaのブログを参考にさせていただき、Body は変数に当てはめて FlashCopy を実行しました(他の部分もかなり参考にさせていただいているブログです!)。 ・FlashCopy 実行文のBody の部分のみ変数に当てはめます。 > $BODY = '{"name": "test", "description": "snapshot-test","volumeIDs": ["' + $VOL_ID + '"] }' ・IBM Cloud API を利用して、FlashCopy を実行します。 > ( $BODY | curl.exe -X POST ` >> https://tok.power-iaas.cloud.ibm.com/pcloud/v1/cloud-instances/ $CLOUD_INSTANCE_ID/pvm-instances/$PVM_INSTANCE_ID/snapshots ` >> -H "Authorization: $TOKEN" ` >> -H "CRN: $CRN" ` >> -H "Content-Type: application/json" ` >> -d `@- ) FlashCopy が完了しました! ・FlashCopy が正常に完了していることを IBM Cloud API を利用して確認します。(参考「Get all snapshots for this PVM instance」) > curl.exe -X GET ` >> https://tok.power-iaas.cloud.ibm.com/pcloud/v1/cloud-instances/ $CLOUD_INSTANCE_ID/pvm-instances/$PVM_INSTANCE_ID/snapshots ` >> -H "Authorization: $TOKEN" ` >> -H "CRN: $CRN" ` >> -H "Content-Type: application/json" 上記のピンク色で囲んだ値が FlashCopy の結果を示しています。 「percentComplete」が「100」、「status」が「available」であれば、FlashCopy が成功しています。 FlashCopy が成功していることを確認できました! この後、AIX環境に変更を加えて、取得したFlashCopy のデータのリストアを行い、変更前の状態に戻っているところまで確認しましたが、長くなりましたのでブログはここで終了します。 リストアは「Restore a PVM Instance snapshot」を参考にし、今回のバックアップ手順で取得したパラメータを利用すると簡単に実行できました。 次のブログでは、IBM Cloud IA環境との接続手順をご紹介します。↓ ☆準備中です☆【やってみた】IBM Power Virtual Server AIX環境と IBM Cloud IA環境を接続してみた   最後に 今回の検証は、IBM Cloud API Docs や Qiita に投稿されているブログ を参考にさせていただきました。 Part.1 のImage Capture を利用したバックアップ方法と比べると、今回は慣れないAPIを利用したこともあり調査にとても時間が掛かりました。また、バックアップ処理自体はあっという間でも事前準備にも時間を取られました。 そのため、スピードを求められる開発環境や検証環境には、Image Capture の利用がおすすめです。 実際の運用に組み込むとしたら、FlashCopyでしょうか。 OS、ストレージ、データベース、アプリケーション。バックアップ対象も方法も様々で、バックアップ方法のドキュメントを読んでもイメージが湧かないことがよくありますが、実際に検証をしてみることで、イメージが湧き、メリットやデメリットを捉えることができるので、お客さまにも伝えやすくなります。 今後も時間を見つけ、こつこつ検証をしていきたいと思います。   お問い合わせ この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp  

2021年09月16日

設備保全管理は事後保全から将来の事業を生み出すための“予防保全”へ

製造現場やプラントでの設備資産保全業務は、「人手不足」と「属人性」がボトルネックとなって生産性向上を妨げられていることが少なくありません。日常的に安全を確保し効率的に設備資産保全業務を運用するためには、トラブルや故障時だけに実施する「後手の対応」ではなく、未然にトラブルや故障を防ぐ「予防保全」の発想を基にした保全管理業務のDXが必要となります。 本記事では、設備資産保全業務の課題解決とともに設備資産保全業務のDXを加速する統合型デジタル・プラットフォーム「IBM Maximo Application Suite」をご紹介いたします。 目次 設備資産保全業務の課題とソリューションの必要性 保全戦略を進化させる設備管理パッケージ「IBM Maximo Application Suite」 IBM Maximo Application Suiteの3つの強み IBM Maximo Application Suiteが企業の成長に寄与する理由 ビジネス機会を逃していませんか?NI+C Pなら提案・サポートが可能です この記事に関するお問い合わせ 関連情報 設備資産保全業務の課題とソリューションの必要性 製造現場やプラントの設備資産保全業務は、これまで慢性的に「深刻な人手不足」や「設備の老朽化」、それに伴う「作業品質の低下」などの課題を抱え、その対応に迫られてきました。これら「人手不足」と「属人性」を背景とした課題だけでなく、昨今ではさらにコロナ禍における「リモート作業」や「少人数での業務遂行」もそれに加わっています。 今、設備資産保全業務には非常時にも事業を継続するための新たな取り組みが急務とされるとともに、その実現に必要となる柔軟な基盤が求められています。 こうした状況の改善方法の1つが「予防保全」へのDXを支援するソリューションの導入です。「予防保全」とは、設備構造や情報を見える化し、稼働状況や履歴、環境などを総合把握することで、トラブルが起きてから後追いで対応する従来の「事後保全」ではなく、先回りしてトラブルを予防することを意味します。 この「予防保全」を実現する戦略的設備管理ソリューションがもたらすのは、現場における人手不足と属人性からの脱却だけではありません。管理部門に対しては、生産設備の稼働時間を最大化することにより、設備停止に伴う「機会損失の最小化」、無駄に部品を交換しないことによる「交換費用の最小化」など、新たな設備資産保全業務の改善策ももたらします。 また、従来は作業負荷や入力フォーマットの物理的な限界などから記録が限定的だった保全作業の実施履歴も、現在では、IoTセンサーやモバイル端末などによって様々なデータを取得・記録できるテクノロジーが整ってきています。そして、これらの情報のすべてを保管し分析することで、設備・機器の管理に必要な予防、予測に用いることができるのです。 最近ではこれらのデータを AI とエッジ・コンピューティングを活用し分析することで以前とは桁違いの高レベルの洞察へと変換し、設備・機器の信頼性の向上と障害に強い運用を実現するために活用できます。ただ、このようなソリューションの機能を一度にすべて手にしても使いきれない恐れがあるため、自社に必要な機能のみを必要になったときに取得できる方が使わない機能に投資をしなくて済み、経済効率が高いといえます。 そこで力を発揮するのが「IBM Maximo Application Suite」です。続いて下記では、その強みと企業の成長に寄与する理由を紹介します。 保全戦略を進化させる設備管理パッケージ「IBM Maximo Application Suite」 製造現場やプラントにおいて、作業者や技術者、管理者が日々使用している CMMS(設備保全管理システム)または EAM(エンタープライズ資産管理)システムの中で、現在世界で最も利用されているソリューションの1つが、統合型デジタル・プラットフォーム「IBM Maximo Application Suite(以下 IBM MAS)」です。 IBM MAS は、Red Hat OpenShift を基盤に実績のある Maximo EAM(エンタープライズ・アセット・マネジメント)および APM(アプリケーション・パフォーマンス管理)ソリューションを単一パッケージ化しています。これにより、障害に強く信頼性の高い設備保全管理と運用に必須のインテリジェンスを提供し、将来の事業を生み出す設備保全の DX加速を支援するソリューションとなっています。 IBM MAS によって、製造現場やプラントは「ニューノーマル(新常態)」と呼ばれる現在の状況に対応する手段を構築するとともに、設備保全管理の新たな洞察と新しい働き方の循環モデルを実現し、保全戦略そのものを進化させることができるのです。 図1. IBM Maximo Application Suite主要機能一覧 ※バージョンによりご利用できる機能の範囲は異なります※予定情報を含みます※利用コンポーネント(CP4D、Kafkaなど)はアプリケーション毎に異なります IBM Maximo Application Suiteの3つの強み 次に、IBM MAS の3つの強みを紹介しましょう。 1. 豊富な導入実績と高度な専門知識を誇る、強力なコミュニティ基盤 IBM MAS の大きな強みの1つは、約30年に渡り積み上げられたIBMの豊富な導入実績です。 IBM は、その実績で生み出された多くのクライアントから成るユーザーグループを支援しており、そこで収集されたお客さまの声は IBM MAS の開発にしっかりと取り入れられています。 また、IBM には強力な業界ごとの専門知識を持つグローバル EAM(エンタープライズ・アセット・マネジメント)ビジネスパートナーたちがおり、長年にわたり製品の品質向上に寄与し続けています。 これらの分厚いコミュニティ基盤と高度な専門知識が、 IBM MAS の構成に大きな価値を与える基盤となっているのです。そのため、規制準拠を支援する IBM MAS の適応力はユーザーから高く評価されています。 2. カスタマイズの容易さが生み出す、スピード感ある開発 2つ目の強みは、高度なカスタマイズをアプリケーション内で容易に実行可能なことです。 IBM MAS の「テーラリング機能」は、プログラミングなしの GUI による簡単設定でユーザー要件に合わせた高度なカスタマイズを実行することができます。しかも、同機能によるカスタマイズはバージョンアップ対応時でも製品のサポート内です。 つまり、同機能を最大活用することにより、開発期間や工数、リスクを低減し、長期に使用するシステムの TCO(Total Cost of Ownership)を低減することが可能になります。また製品の持つ機能でカスタマイズを実現するため、簡単かつ素早くシステムを組織の固有のニーズに適合させ、効果を素早く得ることができるのです。 3. 必要な機能のみを簡単導入、成長に合わせて必要なアプリを追加購入 3つめの強みは、当初は必要な機能のみを導入し、ビジネスの成長やユーザーの状況に応じて必要なアプリケーションを簡単に追加導入できることです。 これにより、アプリケーションの使用開始タイミングをいつでも自由に変更できるだけでなくムダなく必要なときに必要な機能を追加できるため、資産ライフサイクルに大きな柔軟性を加えることができます。 またスイート製品全体でユーザー単位のライセンスを使用できるため、ユーザーは含まれる全ソリューションを利用でき、データの収集と分析、分析に基づく保全の実施にいたる包括的なソリューションを実現することが可能です。 IBM Maximo Application Suiteが企業の成長に寄与する理由 このように、IBM MAS は急速に変化する状況や想定外が続く状況下であっても、事後保全だけでなく将来の事業を生み出すための設備保全管理の「予防保全」を実現します。 次に、IBM MAS が企業の成長に寄与する理由を「マネジメント」「現場」「保全」の各視点から紹介しましょう。 【マネジメントの視点】保全戦略の高度化と現場の徹底的な見える化の実現 IBM MAS による設備構造・情報の見える化によって、「設備構造の全体俯瞰」と「ドリルダウン」が可能になります。 そのため、直感的に稼働状況や履歴、環境など製造現場の総合的な状態を把握できるだけでなく、データの集計レベルをさらに詳細に掘り下げることも可能です。 これにより、保全戦略の高度化や現場の徹底的な見える化を実現するとともに、データに基づく意思決定を素早く行うことができるようになります。 【現場の視点】日常業務の効率化の実現 IBM MAS は、今まで紙ベースだった「在庫の予実管理」「設備台帳」「状態保全・予知保全の記録」といった情報を、システム上に集約・保管します。 そのため、「点検・検査結果や設備情報の一元管理」や「直感的な情報検索や参照」が可能になります。 これにより、現場では日常点検を行う前の履歴を確認しやすくなるといった効果を得ることができ、記録を元に分析を進めることで属人性の排除や省人化を実現することができます。 【保全の視点】保全コストの最適化 IBM MAS でデジタル化された「在庫の予実管理」や「設備台帳連携」、「状態保全・予知保全」などの情報を一元管理することで、情報検索を可能にするだけでなく想定外の事象が発生する頻度を下げる「計画外の保全防止」や「保全作業の効率化」にも有効です。 これにより日常点検を効率化するとともに、保全コストを最適化することができます。 NI+C Pならご提案サポートが可能です エヌアイシー・パートナーズは IBM Value Add Distributor として、お客さまの課題に対し長年の実績を持って IBM製品を組み合わせた複合的な解決策をご提案しています。また、IBM Maximo Visual Inspection の検証環境を提供可能なため、パートナー様提案前の技術検証(PoC)も可能です。 以下に当てはまるお客様の課題を解決したい方は、ぜひ、エヌアイシー・パートナーズまでご相談ください。 資産ロケーションと利用状況をトラッキング・可視化できていない 複雑化しすぎている資産管理作業と契約体系をシンプルにしたい 運用コストとメンテナンスコストを低減できていない 資産のライフサイクルを延長し、メンテナンスを最適化したい 機器資産の管理方法・ツールが分散しており、包括的な計画が立てられていない この記事に関するお問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ 関連情報 IBM Maximo Visual Inspection (旧 IBM Visual Insights)(製品情報)- AI による業務の生産性向上、業務改革に取り組まれる方向けのソリューションです。   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

1 6 7 8 9 10 23
back to top