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2024年12月26日

生成AIを活用してアプリケーション運用の簡素化と最適化を支援する「IBM Concert」

公開日:2024-12-26 世界の IT支出は増加の一途を辿っており、これに AI や最新の開発手法を組み合わせると、近い将来、企業が導入・開発するアプリケーションは爆発的な数量になることが予測されています。新たなテクノロジーは企業に革新をもたらすと同時に、複雑さももたらします。 この複雑なアプリケーションの運用・管理を効率化する方法として注目されているのが「生成AIの活用」です。 今回は、生成AI を活用した洞察で管理を強化し、オンプレミスやハイブリッドクラウド環境全体でアプリケーション運用の簡素化と最適化をサポートする「IBM Concert」をご紹介します。 目次 アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題 アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応 複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」 生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」 IBM Concertの3つの特徴 まとめ お問い合わせ アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題 ビジネス・アプリケーションは現在、柔軟なリソース配分ができるパブリッククラウドとコンプライアンスを自社でコントロールできるオンプレミス環境を組み合わせて利用するハイブリッドクラウド環境で展開することが主流になっており、今後さらに圧倒的な量のデータと依存関係、絡み合った相互接続や外部サービスとの連携を生み出すことが予測されるため、それらを管理するための様々なツールが必要とされています。 これらの「多すぎるデータ」「多すぎる環境」「多すぎるツール」がアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)の効率を低下させています。 ALM は、ソフトウェア・アプリケーションの構想、開発、デプロイ、管理、保守、および廃止のプロセスを指します。ALM では DevOps とビジネスの各チームがアプリケーション・ライフサイクル全体にわたって協力し合い、アプリケーションをデプロイして提供しており、そこには要件管理、コンピューター・プログラミング、ソフトウェア開発、ソフトウェア・テスト、保守、変更管理、継続的インテグレーション、プロジェクト管理などの多数の関連分野が含まれます。 一方で、ALMプロセスの導入においては大きく「効率的な拡張性」と「一貫した可視性」という2つの課題があります。これらは、ユーザーに継続的なサービスを提供しながらアプリケーションの複雑なシステム全体に更新、修正、新しいコードをデプロイする必要があるため、たいへん困難な作業です。 さらに、アプリケーションとワークロードがマルチクラウドおよびハイブリッドクラウド・プラットフォームに分散されていて、コンプライアンスなどのアプリケーション管理の重要な部分が特定の部門にサイロ化されている場合、それはさらに困難になります。サイロ化によりコンプライアンス、パフォーマンス、その他の重要な要素を維持しながらアプリケーションをリアルタイムで更新することは非常に難しくなる可能性があるからです。 そのため、これらの課題に対応し克服するには各部門を通した可視化と、さまざまな専門分野のチームおよびメンバーに洞察を提供する ALMソリューションを実装する必要があります。また、近年増え続けているサイバー攻撃へのリスクを最小化するためにアプリケーションのセキュリティ対策も欠かせません。 アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応 企業にとって増えづけるアプリケーションの複雑な管理とセキュリティレベルを最適化し効率化するためには、「リアクティブ(受け身)」から「プロアクティブ(積極的)」な対応に移行をし、問題が発生する前に課題を認識し、対策を練っておくことが重要です。その際に留意すべきポイントとして次の3つが挙げられます。 1. 脆弱性管理の導入と強化 サイバー攻撃から重要な資産を守るためには、脆弱性の管理・対応は重要なテーマです。企業の IT資産の脆弱性を発見し、優先順位を付け、対処するために必要となる継続的なプロセスを導入し強化することで、「プロアクティブな脆弱性の発見と解決」「戦略的なリソース配分」「より一貫した脆弱性管理プロセス」が実現し、脆弱性管理において戦略的に対処しセキュリティ体制を強化することができます。 脆弱性管理には主に次の5つのプロセスがあります。 資産インベントリと脆弱性の評価 脆弱性の優先順位付け 脆弱性の解決 検証と監視 報告と改善 特に1と2は非常に重要なタスクでありプロアクティブに対処する必要があるにも関わらず、リソースに限りがある状況においては軽視されがちであるのが現状です。 2. コンプライアンス要件への対応 精査できないほどの膨大なデータ量に対してコンプライアンス管理を効率化し、リソースの使用を最小限に抑え、セキュリティを強化するためには、コンプライアンスへの影響を一元的に把握することできるアプリケーション・コンプライアンスの管理が必要です。アプリケーション、セキュリティ、およびコンプライアンスの各チーム間でのシームレスな連携が可能となることで、リスク管理とコンプライアンス対応に割く時間とコストを削減できます。 コンプライアンス要件に対応することは、同時にセキュリティ証明書とアプリケーションのパフォーマンスを効率的に管理することも意味します。企業がネットワークに配置されたすべてのセキュリティ証明書のライフサイクルを監視・管理するプロセスは、リリースされるソフトウェアの完全性と信頼性を保証するためにも重要です。 3. 電子証明書管理の自動化 この10年間、セキュリティ強化と危殆化(compromise)リスクの軽減を目的に「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間は著しく短縮化の方向に進んでいます。米Google社から始まったこの動きは、2024年10月に米Apple社が現在最長398日の「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間を数年かけて徐々に短縮し、2027年までに最大45日に短縮する投票草案を提出したことでさらに加速しました。 有効期間の短縮化はセキュリティ上のメリットがある一方で、頻繁に更新作業が必要となり、アプリケーション管理者の運用にとって大きな負担となります。SSLサーバ証明書の取得やインストール、更新などといった業務を更新のたびに実施する必要があり、有効期限の異なる SSLサーバ証明書を複数利用している場合には、更新作業漏れによる有効期限切れが発生することでサービス中断のリスクにつながる懸念もあります。 リスクを最小化するためには、電子証明書管理を自動化することが不可欠です。 複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」 管理するアプリケーションの数が数十・数百となると、このようなポイントを人力で全て把握しタイムリーに対応することは非常に困難です。だからといって放置をすれば、セキュリティレベルが低下するだけでなく多くのリスクを抱え続けることとなります。 そこでこの状況を切り抜けるための方法として注目されているのが、生成AI を活用したアプリケーション管理の自動化です。 生成AI には、課題分類の改善、コード生成、自動修復システムの強化、コンテキスト対応の自動化、コードデバッグの高速化、提案の最適化、上質なドキュメントの生成、リバース・エンジニアリング機能、コードのリファクタリングなど、多くの潜在的なメリットがあります。 自律型IT運用によりオブザーバビリティー(可観測性)を強化することで、システムエンジニアは従来の ITヘルスメトリクスの監視に追われることから解放され、システム遅延、ネットワーク・トラフィック・メトリクス、ネットワーク飽和度、エラー率など、「ゴールデン・シグナル」といったアプリケーションの可用性に影響があるメトリックを把握できます。 また、セキュリティやコンプライアンスの領域でのデータ内異常の特定や過去の障害と対応方法などへの関連付けなどにも生成AI の活用は有用です。 生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」 ビジネス特化の AIソリューション「IBM watsonx」を搭載し、アプリケーション管理とテクノロジー運用を簡素化および最適化できる生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォームが「IBM Concert」です。 IBM Concert は、従来のアナリティクスと IBM watsonx の生成AI を組み合わせることで、運用の健全性に関する包括的な「インサイト(洞察)」を提供し、アプリケーションのライフサイクル全体にわたって重大なリスクを特定します。 具体的には、アプリケーション・データのインベントリ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込みアプリケーション・トポロジを構築することで、異なるツール間で生成・サイロ化された膨大な量のデータを元に統合的な見える化および洞察を行います。また、多様な環境やツールセットにわたる複雑なデータを解釈し、さまざまなディメンションを通じて脆弱性(CVEなど)やコンプライアンスの問題、期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理の問題などに関連するリスクの優先順位付けと軽減、関連するアクションの推奨を行います。 図1. IBM Concertのユースケースと機能概要 IBM Concertの3つの特徴 Concert には、大きく次の3つの特徴があります。 1. 360度アリーナ・ビューによりアプリケーションを統合的に可視化 Concert は、既存の環境やツールセットとシームレスに接続し、生成AI(watsonx)でリアルタイムのデータと依存関係をマッピングすることで「360度ビュー」を提供します。さらに、アプリケーション・データ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込み見える化とインパクト分析を行うことでアプリケーション・トポロジを構築し「アリーナ・ビュー」* を提供します。 これにより、脆弱性に関連するリスクや期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理、コンプライアンスの問題などを迅速に解決できます。 図2. アリーナ・ビュー *アリーナ・ビュー アリーナ・ビューは、現在のトポロジー(デプロイされたイメージ、ソース・レポジトリ、アプリケーション定義、環境、プライベート・アクセス・ポイント、および各エンティティ間の関係)をインタラクティブに表示します。オブジェクトの1つにカーソルを合わせるとその名前やその他の識別情報が表示され、依存関係がハイライトされます。また、フィルタリング機能を使い、アプリケーションに関連した情報のみを表示することも可能です。 2. ビジネス・インサイトを生成し問題解決を支援 Concert は、従来の分析と生成AI を組み合わせて運用の健全性に関する洞察を提供し、複雑なアプリケーション管理を省力化するとともに、アプリケーションのライフサイクル全体にわたる重大なリスクを特定します。 さまざまな環境のアプリケーションやツールセットからデータを引き出すことでアプリケーションを全方向から観測できるため、依存関係と接続を分析、リスクやコンプライアンス、費用、セキュリティなどにおける成果主導のビジネス・インサイト(洞察)を生成します。このインサイトを活用することで、アプリケーションの復旧時間を短縮することができます。 3. アプリケーションの状況を統合的に可視化しリスクや問題を把握し早期に意思決定できるように Concert に情報を集約し分析をすることで、アプリケーションに対する様々なリスクを早期に把握し対応することができます。 例えば、アプリケーションが持つ脆弱性への対応については、脆弱性とその影響範囲を把握することができ、リスクスコアに応じて自動的にチケットを起票しパッチを適用するといったアクションへ繋げることもできるため、対応にかかる時間を短縮できます。 証明書の管理についても同様に期限や対象を一元管理できるため、更新状況を把握しチケットシステムと連動させることで更新漏れを無くすことができます。また、設定したコンプライアンスポリシーに準拠しているかをスキャンすることで、コンプライアンス違反がどこで起きているのか、何が違反しているかを確認できます。 このように、Concert を活用することで多くのアプリケーションに対してのリスクを軽減し、早期に問題を解決することができるようになります。 まとめ エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェアおよびハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Concert も含めた watsonxシリーズのご支援が可能です。 「アプリケーション・ライフサイクル管理で悩んでいる」「AIを活用した自動化について知りたい」「watsonx.aiおよびwatsonxシリーズの理解を深めたい」 といったお悩みをお抱えのパートナー様は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。IBM製品の特徴や利点をお客様にわかりやすくご説明するとともに、IBM ソフトウェア・ハードウェアを組み合わせた、お客様・パートナー様のビジネスに最適なご提案をサポートいたします。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年12月26日

【参加レポート】「Lenovo Tech World 2024」に参加してきた

「Lenovo Tech World 2024」パネル こんにちは。ソリューション推進部の宮里です。 2024年11月26日に都内で開催された「Lenovo Tech World Japan 2024」に参加しました。 このイベントでは、AI技術の進化と多様な応用について、豊富な知見とともに最新のソリューションが紹介されました。主なポイントとしては、以下の内容が挙げられます。 Smarter AI for All:AI技術は様々な場所で利用できるようになっており、より多くの分野で活用されています。 Neptune水冷技術の進化:第6世代垂直式液体冷却システムによりデータセンターの効率が向上し、環境への負担も減少しています。 仮想化基盤とハイブリッドクラウド:仮想化技術とハイブリッドクラウドの導入によりお客様は運用コストを削減し、システムの拡張も容易になっています。 クライアントコンピューティング:AI搭載デバイスで作業効率がアップし、新しいカテゴリーのWindowsPCによってユーザー体験がさらに向上しています。 以下に、参加したセッションのより詳細な内容をお伝えいたします。 レポート目次 Smarter AI for All Sustainabilityに貢献する「Neptune(水冷技術)」 仮想環境に最適なHCIソリューション AI PCによるこれからの世界 まとめ レポート Smarter AI for All セッションの全体構成は「AI」を中心に展開されており、デバイス(Edgeやサーバーなど)やサービスも含めて全体的に AI が中心に位置づけられている内容となっていました。数年前の AI導入時代から AI を活用していく時代に入っていると考え「様々な場所でAIを稼働させることが必要」であるとメッセージされていました。 「Lenovo AI Now」のセッションではデモンストレーションがあり、実際に AI PC を操作している画面が映し出され、その機能が詳細に説明されました。特に印象的だったのは、スケジュール管理が非常にスムーズである点や、ローカルに保存されているファイルを検索する際にファイル名だけでなくその内容までをも読み取って検出できるという高度な検索機能です。 さらに、説明の中で非常に興味深い機能も紹介されました。それは、メールの返信文書を作成する際に使用者の書き方の癖を学習し、まるで実際に使用者が書いたかのような文章を自動作成するというものです。この説明を聞いて、AI技術が日々進化していることをあらためて実感しました。 Sustainabilityに貢献する「Neptune(水冷技術)」 第6世代の垂直式液体冷却システム「ThinkSystem N1380 Neptune」と、Neptune水冷技術を採用する高性能サーバー「ThinkSystem SC777 V4 Neptune」。レノボでは IBM からの技術継承以降、10年以上にわたり水冷技術を進化し続けてきた結果に繋がったとメッセージされています。AI や HPCデータセンター向けのサーバーであり、サステナビリティの観点で今後のデータセンターへの展開に注目していきたいと考えます。 以下にその特長について簡潔にご紹介いたします。 水冷サーバー 展示 レノボの Neptune®テクノロジーは水冷技術のスペシャリストとして知られ、”100%直接水冷(市場をリードする独自開発技術)” ”温水による冷却(最大45°Cまで)” ”ExaScaleからEveryScaleの設計によるPUE(電力使用効率)向上” が主な特長として挙げられます。 直接水冷の利点としては、”CPUやGPUなど、熱源となるコアコンポーネントを対象に冷却することによる高効率冷却” や ”グリコールを使用せず産業廃棄物扱いされない純水で冷却することによる環境への配慮” などが挙げられます。 第6世代Neptuneシステムは以下のラインナップとなっています。 NeptuneV5(6Uエンクロージャー):最大12ノード、23.4kW対応 NeptuneV6(13Uエンクロージャー):最大8ノード、60kW対応 仮想環境に最適なHCIソリューション 仮想化基盤の見直しは企業にとって重要な課題です。VMware製品のライセンス体系変更によるコストの増加やデータセンターの統合が進む中、運用コストの削減と管理の合理化が求められています。また、ハイブリッドクラウドの導入による拡張性、柔軟性、コスト削減が期待されています。レノボのソリューションは、これらのニーズに応えるための強力なツールです。 迅速なAI導入と仮想化基盤(ThinkAgile HCI) レノボの ThinkAgile HCIソリューションは、エッジからクラウドまであらゆるワークロードや、Nutanix GPT-in-a-box、Nutanix Edge AI、VMware Data Center、Azureクラウドサービスといった AIアプリケーションを容易に実行できるよう最適化されています。また、Microsoft、Nutanix、VMware と事前に統合されたソリューションが提供されるため、選択肢も柔軟、かつ、迅速な導入が可能です。さらに、データセンターの AIトレーニングと推論、エッジAI推論、データ分析、機械学習モデリングなど、複数のユースケースに対応し、多くのコンピュートと低コストを実現します。 仮想化基盤の移行とAIアプリケーション(ThinkAgile HX) ThinkAgile HXソリューションは、KVM をベースにした10年以上の歴史を持つ仮想化ソフトで多数の VM移行の実績があります。直感的な 1-Click管理が可能で、簡易なシングル・コンソール「Prism」でのエンドツーエンドの管理、監視と修復が行えます。また、アプリケーションの必要性に合わせた柔軟なシステム拡張やデータ保護が可能です。 生成AIソリューション(GPT-in-a-Box) GPT-in-a-Box は、Nutanix認定設計の AIターンキーソリューションで、Nutanix Cloud Infrastructure や Unified Storage、AI Infrastructure を統合しています。生成AI を迅速かつ簡単に導入・管理できるため、モデルのトレンドや変更にも迅速に対応できます。主なユースケースとしては、データセキュリティとプライバシーを管理する生成AIチャットボット、コード生成、コンテンツ作成、知財保護などが挙げられます。 仮想化基盤の統合とクラウド連携(ThinkAgile MX) ThinkAgile MX は、Hyper-Vベースの仮想化基盤で、Azureクラウドと連携した高可用性とデータ保護を提供します。仮想デスクトップ(AVD)をオンプレとクラウドでシームレスに統合でき、ネットワークやデータ主権の課題を克服することが可能です。小規模スイッチレス構成にも対応しているため、スモールスタートが可能です。 お客様事例:大阪回生病院様 大阪回生病院様は、電子カルテを含む部門システムの移行という大規模なプロジェクトに直面しました。プロジェクトの成功には、厳しいスケジュール内での実施とシステム停止を最小限に抑えることが課題でした。レノボの Professional Service部隊は迅速な対応と高い専門性を発揮し、半日間のシステム停止でデータ移行を完了させ、短期間での安定稼働を実現しました。 具体的なサービス内容としては以下が挙げられます。 コンサルティングサービス 現状調査と分析:ツールを使って現在の環境を調査し、課題や問題を明確化。 設計サービス:詳細なインフラ設計と、実績に基づいた策を提案。 ワークショップ:ビッグデータ活用やクラウド移行など、特定のテーマに応じたワークショップを開催。 移行支援サービス 移行アセスメント:現行環境の評価を行い、最適な移行方法を策定。 データマイグレーション:安全かつ効率的にデータを新しい環境に移行。 クラウド移行:ハイブリッドやプライベートクラウドへの移行を包括的にサポート。 プロジェクトマネジメントサービス プロジェクト計画:スコープ、スケジュール、リスク管理計画を包括的に作成。 定例会議の開催:進捗確認や課題の解決策を議論し、プロジェクトを円滑に進行。 品質管理とリスク管理:クロスチェック体制を確立し、リスクを分析・軽減。 ※詳細な内容につきましては以下のリンク先にてご確認ください。 GPT-in-a-Box 2.0 発表 : GenAI を活用する4つの方法(Nutanixサイト) 導入事例 - 大阪回生病院(Lenovoサイト) AI PCによるこれからの世界 クラウドとエッジAI の活用によりユーザーは作業を効率よくこなし、時間の使い方を変革することができます。具体的には、文章の読解サポートやリアルタイム翻訳、AIベースの画像編集などが可能となり、ビジネスでもその活用範囲が広がっています。AI による恩恵は「どのように時間を使うか」を変えることにあります。 小規模言語モデル(SLM)と大規模言語モデル(LLM)の違いも大きなポイントです。LLM は主にパブリッククラウドやデータセンターで動作し、大規模なリソースを消費します。一方、SLM はクライアントデバイスやエッジコンピューティングで動作し、小規模なリソースでの運用が可能です。この違いにより、クライアントデバイスでも生成AI の恩恵を受けられるようになります。 パーソナライズされた ”ローカルAI” により、業務の効率化が進みます。個人ごとのナレッジベースが作成され、情報検索、サマリ作成、文章のブラッシュアップなどをサポートします。また、PC操作のアシスタントとして、デバイス設定のコントロールや構成情報の迅速な確認、トラブルシューティングなどが可能です。 クラウドベースの AIガバナンスも重要なポイントです。クライアントとクラウドのインターフェイスにおいては、データのロケーション、コスト、パフォーマンスなどを考慮する必要があります。パーソナルナレッジベース(PKB)によるデータ管理が強化され、ローカルでの安全なデータ管理が可能です。 SLM由来の AI体験をオンデバイスで実現するための新しい WindowsPC が登場します。自然言語による処理や OCR、イメージの超解像度処理など、さまざまな AI機能が標準搭載され、コンピューティングパワーがユーザーに寄り添い、効率的な作業をサポートします。 AI の進化により私たちの作業効率が飛躍的に向上し、時間の使い方も大きく変わることが期待されます。 一部展示 まとめ 今後どのようにビジネスにもたらしていくのか、またもたらされるのか、楽しみですね! お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年12月23日

大容量データの長期保管とコスト削減を両立 – IBM Storage Deep Archiveのメリット

公開日:2024-12-23 DX によるデータ活用の進展により、近年、企業で保有するデータ容量が急激に増加しています。一つの企業がペタバイトクラスのデータを持つことも珍しくありません。このような大量のデータの保管場所としてクラウドが選ばれることが多いですが、データ容量が増えると最も安価なストレージを使用してもコストが大幅に上昇してしまいます。 そこで注目していただきたいのが、IBM の次世代長期アーカイブソリューション「IBM Storage Deep Archive」です。導入が容易で、かつデータ保管コストを大幅に削減できるのが特徴です。 本コラムでは、その概要とともに、コストを抑えながら重要な大容量データを長期間保管する方法をご紹介します。 目次 大容量データの時代 – 企業が抱えるペタバイト級のデータ 大容量データのクラウド保管 – コスト面での難題 クラウドよりも経済的 – 大容量データの低コスト保管に最適 まとめ お問い合わせ 大容量データの時代 – 企業が抱えるペタバイト級のデータ 近年の技術革新とデジタル化の進展により、以下の分野で取り扱われるデータ量は急激に増加しています。これらのデータは日常的に使用されないものの、必要な際には速やかに参照できるよう長期にわたり安全に保管することが求められています。 例えば、以下のような分野のデータがあります。 HPC(高性能計算) 高性能計算システムでは、大規模なシミュレーションや計算モデルの結果として生成されるデータセットは非常に膨大です。これらのデータは研究や分析のために長期保管が必要であり、再現性の確認や後続の研究の基盤として重要です。 分析データ ビッグデータ分析や機械学習の普及により、企業や研究機関では大量の分析データが生成されています。これらのデータは将来の意思決定や新たなインサイトの発見のために保管しておく必要がありますが、日常的なアクセス頻度は高くありません。 研究データ 科学研究や工学分野で生成されるデータは、実験結果や観測データ、シミュレーションの出力など、多岐にわたります。これらのデータは、将来の研究や過去の記録の検証のために長期保存が求められます。 医療、ゲノム、製薬 患者の医療記録やゲノム解析データ、臨床試験の結果など、医療・製薬分野のデータは非常に重要です。長い期間アクセスされない場合もありますが、後続の治療や研究のために保管しておく必要があります。 映像、動画、エンタメ 映像制作や放送業界では、過去の作品や未使用の素材、大規模な映像プロジェクトのデータを長期保存する必要があります。頻繁にはアクセスされませんが、リメイクや再利用の際に重要な資産となります。 監査対応、法定保管資料 企業の監査対応や法的要件に基づく記録の保管は長期間にわたる保存が必要です。これらのデータは日常的にアクセスされることはほとんどありませんが、コンプライアンスや証拠として重要な役割を果たします。 大容量データのクラウド保管 – コスト面での難題 これらのデータを持つ企業にとって、長期間にわたってアクセスされないことを考慮しながら安全かつ効率的に保管することはますます重要な課題となっています。 例えば AWS S3 などのクラウドストレージは、スケーラビリティ、信頼性、アクセス性の高さから多くの企業に利用されています。これらのサービスは必要なストレージ容量を瞬時に拡張でき、データへのアクセスも非常に柔軟です。 しかし、大容量データの長期保管においては、そのコストが企業に大きな影響を与える要因となりえます。そのため、ペタバイト級に届く大容量データの長期保管においては、クラウド以外の手段でコスト効率の高い保管ソリューションを検討する必要があります。 クラウドよりも経済的 – 大容量データの低コスト保管に最適 そこでご注目いただきたいのが、大容量データの保管に最適化された次世代の長期アーカイブ・ソリューションである「IBM Storage Deep Archive」です。 このソリューションは、IBM Diamondbackテープライブラリを基盤としてミッドレンジとハイエンドの中間に位置づけられたテープ・ストレージと統合されています。また、S3 Glacierストレージクラスの標準化されたインターフェースを提供し、使いやすさを重視しています。 図1. 廉価なテープをS3オブジェクトAPIでアクセス 以下に、具体的な特徴や利点をご紹介します。 経済性 IBM Storage Deep Archive の最大の特長は ”コスト効率” です。1ラックで最大27PBのデータを格納でき、従来のクラウドストレージの約1/20以下のコストで保管が可能です。特に長期間の視点でのコスト抑制が求められる二次および三次のデータ保管には最適な選択肢です。 長期保存の信頼性 テープ・ストレージは数十年にわたりデータを安全に保管できるため、HPC(高性能計算)で生成されるデータや複雑な分析データ、研究データ、医療・ゲノム・製薬分野のデータなどの保管にも適しています。さらに、過去の映像素材や未使用のフィルムを低コストで長期にわたり保管することが可能で、法定保管資料や監査対応のデータ保管にも理想的です。 エア・ギャップ IBM Storage Deep Archive は物理的にネットワークから切り離せるテープ・ストレージを使用しており、サイバー攻撃や不正アクセスからデータを保護するためのエア・ギャップを実現します。これにより、重要なデータのセキュリティが格段に向上します。 導入のしやすさ IBM Storage Deep Archive は特別な設定が不要で、一般的なネットワークアクセスを使用して簡単に接続できます。既に AWS S3 Glacier対応のアプリケーションを使用している場合でも、接続先を IBM Storage Deep Archive に変えるだけで利用を開始できます。テープに関する専門技術がなくても、オブジェクトストレージ管理者であれば問題なくサポート可能です。 まとめ IBM Storage Deep Archive は、大容量データの二次および三次保管に最適なソリューションです。経済性、導入のしやすさ、長期保存の信頼性、エア・ギャップなど、多くの利点を提供します。これにより、企業は重要なデータを安全かつ経済的に長期保管し、ビジネスの継続性を確保することができます。 エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェア/ハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Storage Deep Archive のお客様への提案をサポートします。また、IBMのソフトウェア製品およびハードウェア製品を組み合わせた最適な提案を提供するとともに、製品の特長や利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスをサポートします。 「お客様のニーズや要件に合わせて総合的なIBMソリューションを提案したい」「IBM製品の機能や適用方法についての問い合わせに適切に対応したい」「IBM製品の特長や利点を活かしてお客様ビジネスに最適なプランを提示したい」 といったご要望をお持ちの際は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年12月18日

パッチ配信だけじゃない、HCLが語るこれで分かる「HCL BigFix」のすべて

IBM から HCLSoftware に移管されて丸5年が経った「HCL BigFix」。 HCL BigFix はさらなる進化を遂げ、従来からの強みであるパッチ配信のみならず、脆弱性を可視化して是正するプロセスも含み包括的なサイバーハイジーンソリューションとして高い評価を得ています。 今回は、エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware の BigFix セールスディレクターである鉄村季哉様に HCL BigFix のビジネス状況にどのような変化があったのか、どのように進化してきたのかなど、多岐にわたり話を伺いました。 対談者 【ゲスト】 エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware BigFix セールスディレクター 鉄村 季哉 様 【インタビュアー】 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 ソリューション企画部 松田 秀幸 ※対談者情報は2024年12月18日時点 セキュリティの現状と HCL BigFix 高評価ポイントは、使いやすさ・正確性・セキュリティ ── HCL BigFix が IBM から HCLSoftware に移管されて丸5年が経ちました。HCL BigFix のビジネス状況を教えていただけますか。 鉄村:HCL BigFix は毎年右肩上がりの成長を続け、多くの企業様、業種でご導入いただいています。HCL BigFix は急速に技術革新を遂げ、特にセキュリティエリアでの強化が顕著でした。元々パッチ配信に強みを持っていましたが、EDR(Endpoint Detection and Response)、SIEM(Security Information and Event Management)、脆弱性管理など、セキュリティの様々な側面にも対応できるようになりました。ゼロトラストの強化やランサムウェアへの対策も進み、最新のセキュリティパッチを適用することで外部からの攻撃を防ぎ、脆弱性を可視化して是正するプロセスも含まれています。これにより、HCL BigFix は単なるパッチ配信ツールではなく、包括的なサイバーハイジーンソリューションとして進化しています。 ── このような進化を遂げる中で、特に印象的な事例があれば教えてください。 鉄村:自動車業界や家具製造業など、多くの企業が脆弱性管理機能に注目し、HCL BigFix を導入しています。テクノロジーソリューションの評価とレビューが掲載される Gartner Peer Insights においても ユーザーから高く評価 されています。特に 使いやすさ、正確性、セキュリティについては、他社の類似製品に勝る良い評価 をいただいています。 ── HCLSoftware といえば、特に日本では Domino のユーザー様が多くてそのイメージが強いですが、HCL BigFix は HCLSoftware Japan のビジネスとしては現在どのような位置付けでしょうか。 鉄村:確かに Domino のイメージは強いと思います。しかし、Domino 以上に HCL BigFix も成長をしております。現時点では Domino と同等、または業種によっては Domino 以上に製品を導入してるお客様が多くなっています。 脆弱性を可視化して是正する ──「脆弱性の管理」という観点からも新しい機能が付加されたのですね。 鉄村:その通りです。ゼロトラストの強化やランサムウェアの高度化、ハイブリッドな環境への対応が課題となっています。HCL BigFix はこれらの課題に対するソリューションを提供しています。例えば、最新のセキュリティパッチを OS やアプリケーションに適用し、外部からの攻撃を防止します。また、脆弱性を可視化して是正するプロセスも含まれます。外部脅威が増え、インフラネットワーク端末に対してのアタックが多岐に渡ってくるのですが、その中で HCL BigFix ができることが衛生管理(サイバーハイジーン) です。管理されている端末に対して最新のセキュリティパッチをあてて、それが OS であったりアプリレベルで最大限、外部からのアタックを防止します。とはいえ、ゼロトラストであっても必ず悪さをするものです。セキュリティホールを突いてアタックしてくるものがあるので、それも可視化して是正するというプロセスを踏めるのが HCL BigFix です。 ── パッチ配信のみならず様々なセキュリティの課題も広まってきており、それに迅速に対応されているということだと思いますが、特に直近で印象的な事例はありますか。 鉄村:セキュリティ製品なのでお客様名は開示できませんが、例えば自動車業界で HCL BigFix の脆弱性管理機能に目をつけて導入していただいたり、大手の家具製造業様でも脆弱性診断に関心を持たれて導入していただいています。これらのお客様はいくつかの他社製品もご検討されていましたが、先程 Gartner Peer Insights でも HCL BigFix が特に評価されている使いやすさ、正確性、セキュリティーの観点から HCL BigFix を選ばれたとのことです。 他社製品も補完する強力なパッチ配信 業界一高いパッチ適用率を実現できる理由 ── とはいえ HCL BigFix の最大の特長といえば、やはりパッチ配信・ソフトウェア配信でしょうか。 鉄村:HCL BigFix のパッチの適用率は、業界でも一番の適用率を誇っています。 その適用率は 98パーセントですが、言ってみれば「1回やれば1回であたる」。パッチをあてると簡単に言っても、うまくいかないことが多々あり、例えば他社のものでは大体6割程度と言われています。つまり約2回に1回程度は失敗しており、パッチ1つあてるだけでも多くの工数が必要になり無駄な時間が生じます。一方 HCL BigFix の場合、その ターゲットになったパッチに関しては必ずあてられる、完遂できる といったメリットがあります。 ── その適用率 98パーセントをどのように実現しているのかを簡単にご説明いただけますか。 鉄村:通常ですと、管理サーバーからパッチをあてたい管理端末に対してあてにいく「プッシュ型」と呼ばれる手法が取られています。その失敗の理由としては、一度パッチをあてて失敗すればもう一度最初からやり直し、つまりゼロスクラッチになってしまうという仕組みであるためです。それに対し HCL BigFix の強みは、管理サーバーからのプッシュでありつつ、一方で端末には軽いエージェントを導入し、このエージェントがネットワークに繋がっていないオフライン時は何もせず、オンラインになった時点で必要なパッチを自律的に取りにいきます。これを「プル型」と言います。HCL BigFix はプル型・プッシュ型の双方向でコミュニケーションを取る ので、必ずパッチをあてられます。 ── 端末がネットワークに繋がっていない時にプッシュだけしていても、いつまでもパッチ適用されない。しかし繋がった時に端末側からプルで自律的に取りに行くので、必ずパッチ配信作業が行われることになる、ということですね。 必ずパッチをあてる HCL BigFix の独自機能 鉄村:また他社製品にはない「帯域制御機能」があります。例えばパッチをひとつあてるにしても、場合によってはそのネットワークの環境が細くあてられないといったことも多々あります。HCL BigFix の場合だと 帯域制御機能を利用し、10 の帯域があるところにその 0.5 だけパッチのための道を確保する、というイメージです。 ── それは例えば、在宅勤務で人によっては太い回線で契約してる人もいればそうじゃない人もいる。細い回線環境の人が仕事をしていたら突然パッチが配信されて、PC のパフォーマンスが急に落ちて仕事ができなくなる。そのようなことも解消できるのでしょうか。 鉄村:まさにおっしゃる通りです。本当に細いネットワークを使わざるを得ない場合でも、パッチをあてる道として帯域を確保しておけば、時間はかかってもしたとしても必ず完遂するというのが大きいと思います。 WSUS 廃止に対する HCL BigFix の強み ── マイクロソフト様は WSUS の廃止をアナウンスされていますが、HCLSoftware としてはこの点についてはいかがでしょうか。 鉄村:以前から、WSUS は必ずしも初回のパッチ適応ではあたりきれないことがありました。HCL BigFix ではプッシュ&プル型の構成となっておりますので、初回のパッチ適応で必ずあてられるということが大きな点です。その点で強みはありましたが、今回のマイクロソフト様の発表で、より一層 HCL BigFix の強みが生きてくるのではないかと思います。 引用 クラウドを介したシンプルなWindows管理を目指すビジョンの一環として、Microsoftは将来的にWindows Server Update Services (WSUS) を廃止する計画であることを発表しました。 引用元:Microsoft「Windows Blogs」|Windows Server Update Services (WSUS) の廃止 ── Windows10 の EOS も 2025年10月に迫っていますが、HCL BigFix でこれに対応できるソリューションはありますか? 鉄村:Windows11 へのアップグレードには、HCL BigFix の OS展開機能で端末に容易に Windows11 をデプロイメントできます。また Windows10 の EOS以後もマイクロソフトの ESU に加入し利用を続けられるお客様に対しても、HCL BigFix が適切なパッチを提供しますので、ご安心ください。 脆弱性管理と修復 脆弱性の存在を可視化する ── いまお客様のニーズが特に高いソリューションとしては何が挙げられるでしょうか。 鉄村:冒頭でもお伝えした通り、脆弱性管理としても HCL BigFix に着目していただいております。管理されている端末に対して脆弱性があるかどうかを発見し、HCL BigFix を介して必要なセキュリティのパッチセキュリティプログラムをあてられる、というのが大きなポイントです。脆弱性の発見、それを是正するとなると2つのアクションが必要になります。例えば情報システム部が脆弱性を発見し、それをまた別の部隊が是正をするとなるのですが、HCL BigFix ですとこれらの垣根を超えて、HCL BigFix が脆弱性を発見し、それに対して適切なパッチがあればシームレスにそのままの流れで修正できます。 ── HCL BigFix の脆弱性診断というのは、どの機能を使ってどういうことをするのでしょうか? 鉄村:CyberFOCUS Analytics という機能があります。これは、端末の脆弱性を発見し、それに対して適切なセキュリティパッチプログラムを提供するものです。管理されている端末で、どの脆弱性を帯びているかをグラフとして可視化 して、管理されている方でも容易に何の脆弱性を帯びているのかを発見でき、それに応じて必要なパッチをあてていただけます。MITRE APT や CISA KEV の情報と連携し、管理しているエンドポイントの脆弱性をマッピングし、脅威種類の一覧、パッチ適用が過ぎている日数の把握、深刻度の把握、脆弱性評価などが可能となります。 CyberFOCUS Analytics 機能で CISA による既知の悪用された脆弱性を簡単に把握できる。(画像クリックで拡大) CyberFOCUS Analytics の特長 管理端末の脆弱性を可視化し、パッチの優先順位をつける。 エンドポイント端末に脆弱性可否を確認することによりリスクマネージメントを改善 他社製品と連携し脆弱性の「発見」と「是正」をシームレスに 鉄村:あわせて Insight for Vulnerability Remediation(以下IVR)があります。こちらは他社の脆弱性診断ツールと連携し、そのツールが検知・発見した脆弱性を適切なパッチを適用する機能です。Tenable、Qualys、Rapid7 の3製品の脆弱性診断ツールに対応しています。これらの製品は端末の脆弱性の発見・検知はしますが、その後是正するためには「自らマニュアルで対応してくださいね」となります。しかし HCL BigFix は、これらの脆弱性診断ツールが検知・発見した脆弱性に対して連携し、適切なセキュリティパッチをあてて、本来あるべき姿にします。 Insight for Vulnerability Remediation は Tenable、Qualys、Rapid7 に対応(画像クリックで拡大) Insight for Vulnerability Remediation の特長 脆弱性診断ツール(Tenable、Qualys、Rapid7)との連携 脆弱性診断ツールが検知した脆弱性を BigFix が是正 鉄村:HCL BigFix IVR は、脆弱性診断ツールとの連携を容易にし、セキュリティ管理の効率を大幅に向上させます。脆弱性診断ツールが検出した脆弱性情報を自動的に HCL BigFix に取り込み、該当するデバイスに対して適切なパッチを迅速かつ正確に適用することが可能です。これにより、脆弱性対応の時間を短縮し、セキュリティリスクを効果的に軽減 できます。 ── つまり、脆弱性を可視化し、また診断をするだけではなく、その修復までを一気通貫で行える、ということでしょうか。 鉄村:はい、その通りです。 ── 今お話しいただいた IVR もですが、HCL BigFix は他社製品と連携したり、お客様が競合製品だと思ってるものは実は競合ではなく、お互いのできることできないことを上手く組み合わせるというような使い方ができますね。その観点で良い事例などあるでしょうか。 鉄村:お客様からよく「国産の資産管理ツールの名前はよく耳にします」と言われます。HCL BigFix は確かにそれらの製品とバッティングする部分はありますが、それらが提供していない機能も持っています。よって HCL BigFix と 連携してさらに効果を発揮できる ということもあります。例えばその「国産の資産管理ツール」は、ソフトウェア、ハードウェアネットワーキングの可視化などはできてもパッチ提供はできません。しかしその後にはパッチの提供も行わなければなりません。その際に、例えば Microsoft WSUS(Windows Server Update Services)であったり MCM(Microsoft Configuration Manager)を使用します。しかし冒頭でお話した通りこちらの製品群はパッチの適用率があまりよくないので、その点を補完すべくパッチ配信は HCL BigFix を利用するというお客様もいらっしゃいます。 ── なるほど。例えば他社製品を使っているから HCL BigFix を使う必要はないよ、というわけではないということですね。 鉄村:はい、そうです。他社製資産管理ツールのユーザー様にも、ぜひ HCL BigFix をご検討いただきたいと思います。 AI、MDM など、HCL BigFix の強化点 企業特有の問題点もカバーする HCL BigFix AEX ── HCL BigFix が搭載している AI機能について教えてください。 鉄村:HCL BigFix AEX(AI-driven Employee Experience)という機能があります。これは、ユーザーに対して会話式のスマートでインテリジェントなチャットボットを提供するものです。何か問題があればユーザーがわざわざヘルプデスクに問い合わせなくても自ら問題解決ができます。もちろんセキュリティの問題点をプロンプトで確認するという使い方もありますが、HCL BigFix のパスワードを変更したいといったことでもプロンプトを入力していただければ適切な回答が返ってきます。企業によっては企業特有の問題点であったり、雛形があるかと思います。HCL BigFix AEX を導入する前に、そのような 企業特有の問題点や雛形を事前に HCLSoftware がファインチューニング を行うので、いつでも企業の問題点に対して、質問に対して回答がその場で得られます。 HCL BigFix の全てを盛り込んだのが HCL BigFix Workspace ── ここまでの話には出てこなかったのですが、モバイルデバイス管理も HCL BigFix の機能としてはありますよね。 鉄村:ではここで HCL BigFix Workspace の話をさせてください。Workspace は、HCL BigFix の製品群のバンドルスイートです。HCL BigFix のすべてのライセンスをバンドルし、かつ MDM(Mobile Device Management)を行う HCL BigFix Mobile を付加したものです。 通常、端末というとPC端末やサーバーなどがメインになってくると思いますが、HCL BigFix Mobile で MDM機能を使うことによって、利用されているスマートデバイス、例えば iPhone や iPad、Android ベースのタブレットなども含めて管理ができるようになります。言ってみれば、Workspace が HCL BigFix の総決算 と言いますか、HCL BigFix が持っている全てのもののてんこ盛りです。 ライセンスごとに備えている機能が異なるので、用途に応じた選択ができる。(画像クリックで拡大) ── ひとつのベンダーのひとつの製品で、あらゆるエンドポイントを統合的に管理できると言えるのは、HCL BigFix だけなのでしょうか。 鉄村:はい、現時点では他にはないと思います。 ── ありがとうございます。では最後に一言お願いいたします。 鉄村:HCL BigFix の最大の強みは、セキュリティ、コンプライアンス、資産管理など、エンドポイント管理に必要な機能をすべて持ち合わせている ことです。ぜひ今回の記事をお読みいただき興味をお持ちいただけたようであれば、何なりとエヌアイシーパートナーズ様、HCL までお問合せください。 HCL BigFix について問い合わせる まとめ ここまで HCL BigFix について、HCLSoftware 鉄村様にお伺いしてきました。 最後に、HCL BigFix の特長となる強みをまとめます。 BigFixの強み セキュリティの強化 脆弱性対応の迅速化:リアルタイムで脆弱性を特定し、必要なパッチを即時適用 自動化によるヒューマンエラーの削減:エンドポイント全体に一貫したセキュリティポリシーを適用 コンプライアンスの簡素化 監査準備の効率化:エンドポイントの設定状況やソフトウェアの利用状況を継続的に監視し、必要なコンプライアンス要件を常に満たす状態を維持 詳細なレポート生成:規制対応を証明するための正確でタイムリーなデータ提供 資産管理の最適化 リアルタイム可視化:ネットワークに接続されたすべてのエンドポイントを管理対象として即時に把握可能 ソフトウェアの最適化:使用状況の分析により、不要なライセンスコストを削減 All-in-Oneの利便性 HCL BigFix は、これらすべての機能を単一プラットフォームで実現するため、複数ツールの導入が不要 運用の簡素化、コスト削減、そして迅速な問題解決を可能にし、エンドポイント管理のあらゆるニーズに対応 HCL BigFix について問い合わせる このページを見ている人におすすめのページ HCL BigFix 製品紹介ページ .recommend-list{ margin-top: 0px; } ol.recommend-list li { color: #9b9b9b; } #recommend{ font-family: "Noto Sans Japanese"; font-size: 16px; font-weight: 700; color: #9b9b9b; border: none; padding: 0; margin-bottom: 10px; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; 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2024年12月10日

【参加レポート】「IBM TechXchange Japan 2024」に参加してきた

IBM TechXchange Japan 2024 会場一部 こんにちは。 2024年11月27日、日本IBM社のテクノロジーイベント「IBM TechXchange Japan 2024」がホテル雅叙園東京で開催されました。(弊社もスポンサーとして協賛させていただきました) 50近くのセッションでは、IBM製品のテクノロジーに関する最新情報がふんだんに盛り込まれており、見所としては、デモや事例紹介、お客様講演などが挙げられます。最新の IBMテクノロジーを直接目の当たりにし、その性能や利用方法を知ることができるイベントです。また、ハンズオンの場も提供されており、テクノロジーを実際に触りながら学べる環境も整っていました。 TechXchange は、ただ情報を吸収するだけでなくコミュニティを形成できる場であることにも重きが置かれており、IBM技術者との交流の場も用意されていました。 エヌアイシー・パートナーズ(弊社)からは10名程度の社員が本イベントに参加しました。以下に、参加社員のコメントをカテゴリ・ブランド別にピックアップしご紹介いたします。ぜひご覧ください。 目次 カテゴリ・ブランド別レポート watsonx IT Automation Storage Cloud SPSS Appito Power Security 量子コンピュータ Application Runtimes and Integration まとめ お問い合わせ カテゴリ別レポート watsonx 今回のイベントでは、RAG体験や watsonx Orchestrate のハンズオン・事例紹介など、生成AI関連のセッションが多く設けられていました。そのうちの多くのセッションでは席がほとんどすべて埋まる程の参加者がおり、生成AI に対する注目度が感じられました。 ここでは『生成AIの解体新書、RAGの大解剖』のセッションの内容についてご紹介いたします。 弊社も社内で RAG検証を行った際、”回答精度が悪く効率化につながらない” という課題に直面しました。この課題を解決するためには、 (精度を上げるために)正しい知識を与える 4つの技法「Chunking」「Hybrid-Search」「Re-ranking」「Metadata」を使う というヒントを参考に RAG を準備していけばよいということが理解できました。 TechXchange での製品や機能の紹介は多くの場合デモを通して行われるためイメージが湧きやすく、すぐにでも業務へ活用可能な情報を収集できることが特色です。今回のセッションでも実用的で有益な情報を得ることができました。 IT Automation IBM Automation関連では、3つのブレイクアウト・セッションに参加しました。 1つ目のセッションでは、今後直面するであろう運用課題の認識および IBM のアプローチについてが紹介されました。運用課題の認識としては、複雑化するシステムにおいて、そのシステムの管理(脆弱性対応のリスク管理など)に時間が割かれており対応負荷が懸念されるという課題が、IBM の事例とともに紹介されました。IBM の運用自動化ツールである IBM Concert では、先述の課題に対しどの部分の負荷を低減させられるかということが説明されました。 2つ目のセッションでは、AIサービスの運用と課題、それに対する運用方法の実現についてが紹介されました。AIサービスに対する運用課題やアプリケーション監視の重要性についての説明があったうえで、IBM Instana Observability の概要とその活用方法が紹介されました。 3つ目のセッションでは、障害発生時の原因分析時の手間と問題解決にかかる時間に対して、検証事例を踏まえた AI での洞察による原因分析の対応速度向上についてが紹介されました。IBM Cloud Pak for AIOps と IBM Sevone の活用による、ネットワークトポロジー情報からの障害原因分析箇所特定の掲示・補助についてが解説されました。 Storage IBM Storage については、2つのブレイクアウト・セッションに参加しました。 1つ目のセッションでは、IBM Storage FlashSystem の提供する AI機能を利用したランサムウェアの脅威検出と、フラッシュグリッドコンセプトに基づくワークロードの平準化についての紹介がありました。 具体的には、FlashSystem を使用してデータの圧縮率や暗号化レベル、アクセスパターンを監視しランサムウェアの兆候を検知する方法や、AI を活用してストレージパーティションの移行対象を推奨する機能が説明されました。システム運用の新たな形態を理解すれば、より安心して FlashSystem を利用できます。 2つ目のセッションでは、AI を効率良く動かすストレージ基盤として、IBM の Data&AI ストレージ製品の優位性について、GPU との連携における IBM Storage Scale、および、IBM watsonx プラットフォームに最適な基盤である IBM Fusion HCI がメイントピックとして紹介されました。 AI の台頭により、ストレージ基盤における高速処理の性能は不可欠ですが、それだけではなく、様々な機能や基盤との親和性、安全性も踏まえたうえでストレージ基盤を選択していくことが重要であると感じました。 Cloud 近年、VMware のライセンス費用高騰が多くの企業で問題となっています。そんな中このセッションでは、IBM Cloud を活用した VMware Cloud Foundation on IBM Cloud の利点と戦略についての詳しい説明がありました。 具体的なポイントとして、IBM Cloud を利用することで VMware の vSphere7環境のサポート期限が2026年10月まで延長されることが挙げられます。また、通常は3年契約が求められるところを1年から契約可能、という柔軟な契約プランも提供されています。これらの特典から、VMware の移行先として IBM Cloud は非常に魅力的な選択肢と言えます。私自身も自信を持ってお客様に IBM Cloud を提案したいと感じました。 VMware のライセンス費用高騰でお困りのお客様にとって、IBM Cloud は有力な解決策となり得ます。セッションで紹介された情報を基に、より多くの企業がこの優れたソリューションを活用できるようサポートしていきたいと思います。 SPSS SPSS のユーザー会として、2コマの講演がありました。 産業技術総合研究所のセッションでは、IoTデータの分析について、50億以上のデータ分析が SQL Pushback の機能を使うことで処理速度を上げられるということや、Netezza を使うことでその処理速度を各段に早くできるということが説明されました。 東日本旅客鉄道株式会社のセッションでは、操作に対する結果の確認において、IoTデータの分析テクニックとして、時間をずらした結果やかかった時間のデータを使うことで異常検知に役立てている、という話がありました。 他のセッションでも取り上げられていましたが、業務利用のためには SPSS Server や CADS を利用して自動化することで、属人化を排除したり分析結果を素早く入手できるようになり、クーポン配布にも役立てられるという話もありました。 分析結果をいかに早く入手し、仮説検証を繰り返す回数をいかに増やすことができるか、ということが大事であることを理解できるセッションでした。 Appito 『クラウド利用の最適化とアジャイルの効果的な実践に向けて』というセッションに参加しました。 ”ビジネス価値を創出するためのクラウドファイナンス管理や開発リソース管理の重要性を理解する” という目的のもとに、Apptio、IBM Cloudability、IBM Targetprocess が紹介されました。 特に興味深かったのは IBM Cloudability のデモです。IBM Cloudability は、クラウドを通じたビジネス価値を最大化するための方法論である FinOps を適用しています。 このデモでは、 クラウド、インスタンス、アプリケーション単位で利用金額を可視化し、適した財政なのかリコメンデーションすることができるPlanning機能は、未来の予測値により、予算化の計画やアクションの検討に役立てられる ということを理解できました。 日本は労働人口減少による課題に早急に取り組まねばなりませんが、投資の最適化に向けて少ない稼働で取り組めるテクノロジーがあることが認識され採用されるよう、弊社からも発信していきたいと感じました。 Power IBM Power では、2つのブレイクアウト・セッションに参加しました。 1つ目のセッションでは、オンプレミスやエッジ環境で利用できる IBM Power の生成AI技術を、安全かつ迅速に展開する方法が紹介されました。 具体的な活用事例として、タイの大学病院での AIソリューションの導入や、金融業界における不正取引検索アシスタントの利用例が紹介されました。また、Power10 ハードウェアの特長と実装方法や、RAG(検索拡張生成)モデルの統合方法の解説もありました。(※2024年12月18日開催予定のワークショップで更に詳しく学べます) 2つ目のセッションでは、IBM i開発の技術者不足に対する解決策として、IBM i Code Assistant が紹介されました。 生成AI が仕様書作成やコード解析、RPGコードの生成・変換にどのように役立つかが、デモを通して解説されました。さらに、watsonx.ai との連携デモや日本独自の RPGコードアシスタントプロジェクトについての解説もあり、AI を使った効率的な IBM i開発手法の現状と今後の展望が語られました。 今回のセッションやデモを通して、Power上での AI活用事例を知ることができました。今後の更なる進化や可能性にも期待したいと思います。 Security 『生成AI時代に考えるべきデータ・セキュリティー』というセッションに参加しました。 最近注目を集めている「生成AI」に関連するセキュリティ面での重要なポイントが分かりやすく解説されました。 生成AI は便利なツールとして広く普及しており、多くの人が日常的に利用しています。しかし同時に悪用されるリスクもあり、脅威となり得る一面も持っています。生成AI における重要な課題として、「マルチモデル」「ハイブリッド/マルチクラウド」「ガバナンス」「スケーリングによる価値」「データの重要性」の5つが挙げられました。 これらの課題に対する IBM のセキュリティ製品として、このセッションでは特に「IBM Guardium AI Security」が取り上げられ、その機能として、各種AIサービスへの簡単な接続や未把握の AIデプロイメントの検出、視覚化された脆弱性情報の連携などが重要なポイントとして解説されました。さらに、IBM Guardium Data Security Center など他のソリューションとの組み合わせによる解決方法も紹介されました。 生成AI におけるデータ・セキュリティの問題点や注意点、IBM のセキュリティ製品のラインナップについて理解を深めることができました。 量子コンピュータ 現在の IBM の量子コンピューターとして最新の Quantum 2 は、133Qbit のマシンが3基格納されているマシンです。今後エラー訂正技術を向上し、5年後には1.2万Qbitマシンを実現するということが構想されています。 また、すべてのワークロードに対して量子コンピューターで処理することが最適とは限らないため、古典コンピューターとの組み合わせによる構成も検証段階に入っています。具体的には、スーパーコンピューターである富岳と連携させることでワークロードに応じて最適なマシンを選択し処理する、というようなことも今後検証されていきます。その使い分けをユーザーが意識しなくて済むよう AI が判断する、という構想もあるそうです。 今日まで多くの場合 ”餅は餅屋” という使い分けが必要とされてきましたが、その使い分けすら意識しなくて済む時代がくるとしたらワクワクしますね。 Application Runtimes and Integration iPaaS ってご存知ですか? iPaaS(Integration Platform as a Service)は、複数のクラウドサービスやオンプレミスなどで管理されている独立化したデータを一元的に連携するためのソリューションであり、ローコード・ノーコードで開発することができます。 IBM の iPaaS では、データ連携の処理フローの途中で生成AI を呼び出し、分析やデータ抽出・要約などをした結果を連携先のシステムへ渡す、ということが可能です。別の仕組みを作る必要が無いため、既存の業務を変えることなくパフォーマンス向上や従業員の負荷軽減を実現できます。さらに、AI のファインチューニングを行うためのデータ連携にも利用でき、様々な業務の効率向上に寄与します。 また、AIサービスの利用管理ツールである AI Gateway では、キャッシュ機能でのレスポンス向上や、利用トークン量を可視化する AIサービスの制限が可能です。 企業利用においてはやはり実態を把握することが大事なので、このようなソリューションもあると嬉しいですね。 まとめ 以上のように、今回の IBM TechXchang Japan 2024 は、最新の IBMテクノロジーの学習の場として大いに活用することができました。次回の開催が待ち遠しいですね。 IBM Quantum System Two 展示 ※本ブログは参加者の主観が含まれており、記載されている情報は正確性に欠ける場合があります。記載内容についてより詳細な情報をご希望される方は、以下の問い合わせ先までご連絡ください。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年11月28日

複雑化した業務を効率化し、個人の生産性をアップするためにAIができること ~AIアシスタント「IBM watsonx Orchestrate」とは~

公開日:2024-11-28 私たちは日々の業務の中で様々なシステムや複数のアプリケーションを活用し、多数の自動化ツールを使って業務をこなしています。しかし、複数のツールが独立して存在しシステム間の連携に負担を強いられているのであれば、本当の意味での業務の効率化とはいえません。 今回は、業務効率化に対して AI ができることとは何か、その効果について解説するとともに、自然言語処理を使用し従業員の意図を理解して作業をサポートすることで複雑な作業を自動化・効率化する、IBM の AIアシスタント「IBM watsonx Orchestrate」をご紹介します。 目次 「部分最適」が従業員の業務効率化を阻む 企業内に残された自動化されていない業務 複数のアプリによる「部分最適」な自動化を「全体最適」する「エージェント型AI」 複雑な作業を自動化・効率化するAIアシスタント「IBM watsonx Orchestrate」 watsonx Orchestrateの特長とその効果 まとめ お問い合わせ 「部分最適」が従業員の業務効率化を阻む 1990年代以降、世界は PC の誕生および普及とともにコンピューターの歴史上大きな転換点となった「オープンシステム全盛時代の自動化」に突入し、PC とオープンシステム、インターネットの登場と普及は事務処理の速度や柔軟性を向上させました。 オープンシステム全盛時代の自動化では、ジョブ管理や資産管理、インシデント管理、データ活用など、それぞれのエリアに対する最適化を目指し、業務のシステム化およびアプリケーション・パッケージによる自動化が行われました。しかし、同時にそれは「部分最適」であるがために、システムが追加されるごとに人手による業務が発生し、実際に運用する従業員の業務を増加させました。 例えば、様々なシステムやアプリケーションを導入した結果、社内に複数の自動化ツールが乱立するようになり、従業員がそれらの扱いを理解するための負担や操作の手間が増えて思うように生産性を上げられないといったケースがあります。 社内に次々と導入される新たなシステムによる様々な自動化ツールが従業員の負担を増し、それが効率化を阻む要因にもなっていたのです 企業内に残された自動化されていない業務 ”業務の自動化”は、企業が取り組むべき課題の上位にランクインしています。 2022年8月に公開された ITR のホワイトペーパー『業務自動化に向けた国内企業の現状と展望』*1 によれば、業務自動化をテーマにした国内大企業(年商規模500億円以上)の部長級以上の役職者に対するアンケート調査の結果、”業務の自動化” を最重要事項と認識している回答者の割合は45%と、”コミュニケーション/コラボレーションの高度化” に次ぐ2番目に高い値を示しています。 図1. DXテーマの重視度(最重要課題と認識している割合) *1. 出典:ITRプレスリリース「ITRがホワイトペーパー『業務自動化に向けた国内企業の現状と展望』を発行 - 目的に即した自動化テクノロジの選定アプローチを解説」(2022年8月18日) 一方で、自動化から取り残されている業務もあります。 例えば、定常的に行わない処理や例外処理、さまざまな認証情報の管理やログイン、システム間でのデータのコピー、反復的な作業など、手作業中心のプロセスや紙・Eメール・表計算ソフトなどからなっている業務、複数システムが必要で処理が煩雑な作業などがそれに当たります。 これらは本来、もっとも自動化したい中位・低位のスキルやリソースで対応可能な業務が自動化から取り残されている要因の1つとして、RPA をはじめとする既存の自動化技術の決定的な弱点である「柔軟性の欠如」があります。状況によって判断が必要な業務の自動化を事前定義するのは、一定の ITスキルがあっても難しいことです。加えて、たとえ複雑な処理を定義して業務を自動化できたとしても、得られるメリットとコスト・手間を比較した時、それらは「費用対効果が低い」と評価されがちです。 そのような理由で、自動化されないまま企業内のあちこちに残ってしまっている業務が数多く存在します。 複数のアプリによる「部分最適」な自動化を「全体最適」する「エージェント型AI」 企業における業務の自動化を実現する方法として注目されている手法に、ハイパーオートメーションがあります。 ハイパーオートメーションとは、RPA、AI、機械学習(ML)、ローコード/ノーコードプラットフォームなど、様々なテクノロジーとツールを組み合わせてビジネスプロセスやタスクを実行し、複数の部署にまたがるものも含めた業務プロセス全体を自動化・最適化する概念です。RPA よりも高度で範囲の広い業務の自動化が可能なため、組織の効率化や俊敏性の向上、イノベーションの加速、ビジネス成果の改善を目指す包括的なプロセス改善において、その効果が期待されています。 その中において、これまで手がつけ難かった個人の業務を効率化するツールとして注目されているのが、「エージェント型AI(Agentic AI)」です。 エージェント型AI は、ユーザーが目標をインプットすることでルールベースのアルゴリズムや機械学習モデルを用いて意思決定を行い、適切な行動を選択し、人間の介入なしに特定のタスクを実行することが可能な自律型インテリジェントシステムです。例えば、反復的なタスクを AIエージェントに任せることにより、仮想労働力として仕事を補強して人の作業負荷を軽減し組織全体の生産性を向上させ、個々人がよりコアな業務に集中することを可能にします。 Gartner社は、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド*2 における3つのカテゴリの一つとしてこの「Agentic AI」を取り上げています。 *2. 出典:Gartner社サイト「Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表」(2024年10月28日) 複雑な作業を自動化・効率化するAIアシスタント「IBM watsonx Orchestrate」 生成AI を活用して業務をサポートし、複雑な作業を自動化・効率化するのが、IBM の AIアシスタント(エージェント型AI)「watsonx Orchestrate」です。 watsonx Orchestrate は、自然言語を用いてユーザーと様々なシステムやアプリケーションの間に入り、事前定義された「スキル」と呼ばれる自動化のタスクで外部の API を呼び出し、これまで人間にしかできなかった柔軟な処理を実行してシステム化の対象外だった日常業務を支援します。コンシェルジュのように様々な業務の相談に対応し、ユーザー一人ひとりの「アシスタント」として一緒に仕事を進めてくれます。 そのプロセスは、 相互作用する:ユーザーがwatsonx Orchestrateのチャット機能で対話すると、watsonx Orchestrateがユーザーの意図や要求を理解し、業務を把握する上で必要な情報を把握する 考える:把握した意図の実現に必要なプロセスを自動的に考える 実行する:必要な処理の流れを自動的に判断して実行する というもので、自動化で求められる「相互作用する」「考える」「実行する」という人間の認知能力を watsonx Orchestrate が代替します。 図2. watsonx Orchestrateの仕組み watsonx Orchestrateの特長とその効果 watsonx Orchestrate の特長を3つにまとめてご紹介します。 1. 自然な対話形式で操作が可能 1つ目のポイントは「自然な対話形式」です。 watsonx Orchestrate は、関連キーワードや口語を入力することで簡単にスタートさせることができます。人と話すようにチャットするだけで操作でき、ユーザーと相互作用することで双方向に対話し、必要な処理の呼び出しや次に行う処理を提案してくれます。 例えば、”経費精算をしたい” ”営業日報・議事録を作成したい” といったことをチャットで指示するだけで、watsonx Orchestrate が「業務における疑問に対して解決策を提案」し「業務を代行」してくれます。 対話型AI とオートメーション機能を備え、仕事のやり方を変革しながら生産性向上やコスト削減、アジリティ向上を実現し、大切な業務により多くの時間を割くことが可能になります。 2. 多様なアプリとの連携が可能 2つ目のポイントは、多様なアプリとの連携が可能であることです。 基幹システム、ERP、外部サービスなどに対する操作を、watsonx Orchestrate に登録した「スキル」を呼び出すことで実行します。watsonx Orchestrate では標準機能として Salesforce や Box のような「業務アプリ」がスキル・カタログに「プリビルド・スキル」として登録されているため、導入後すぐに利用することができます。現在40のアプリケーションと1000以上のスキルを利用でき、今後も順次ラインナップの強が予定されています。 これらのスキルを組み合わせてフローとして構成したものを「スキルフロー」と呼び、スキルを組み合わせて1つの一連のスキルとして利用することができます。 また、スキルとして生成AI を呼び出すことにより、メールや申請書、議事録の文章の要約や作成などの様々な処理も実行してくれます。watsonx Orchestrate に搭載された IBM の生成AI は AI for Business を念頭にオープンソースでライトな LLM(大規模言語モデル)となっており、ビジネスユースに最適化されています。 さらに、OpenAPI に準拠したサービスと接続できるため、OpenAPI の定義ファイルを作成しインポートすればスキル・カタログに登録が無い外部アプリも「カスタム・スキル」として容易に取り込むことができ、これまで使ってきたアプリも簡単に watsonx Orchestrate上で操作することが可能です。 3. ローコード・ノーコードで簡単設定 3つ目のポイントは、「ローコード・ノーコード」で簡単に設定が可能なことです。 watsonx Orchestrate では自動化する業務プロセスを定義する際、コーディングを行うことなく処理を組み込むことができます。 例えば、複数の手続きやその変更、関連部署への連携を行うためには、複数システムの連携による業務の自動化が必要ですが、これに対してもwatsonx Orchestrateは、スキルの選択から、情報の抽出、関連部署の担当者へのメールの作成・送信まで、各業務処理の一連のワークフロー設定をすべてグラフィカルな設定画面で行うことができ、ノーコードで編集可能な GUI となっています。 わかりやすい設定画面から最小限の編集を行うことで、様々な業務処理を自動で実行するワークフローを構築することができます。 また、スキルと自動化機能を構築するための「スキル・スタジオ」を使用すれば、部門の専門家が独自のカスタム・スキルとワークフローを迅速かつ容易に構築でき、さらにカスタマイズ版の AIアシスタントを作成できるため、人事や財務、営業、調達など、企業の様々な職務に役立ちます。 まとめ エヌアイシー・パートナーズは IBM ソフトウェアおよびハードウェアの認定ディストリビューターとして、watsonx Orchestrate だけではなく、watsonx.ai をはじめとした watsonxシリーズの支援が可能です。 お客様のニーズや要件に合わせて IBM の SW と HW を組み合わせた最適な提案へのカスタマイズを支援するとともに、IBM製品の特徴や利点をわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスに最適な提案をサポートいたします。 「お客様に業務自動化を勧めたい」「watsonx Orchestrateについて詳しく知りたい」「watsonx Orchestrateをはじめとしたwatsonxシリーズを絡めたセールスを支援してほしい」 といったご要望があれば、いつでもお気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年10月25日

【参加レポート】IBM TechXchange 2024 ~ラスベガスから速報をお届け~

IBM TechXchange 2024 in Las Vegas こんにちは。現在エヌアイシー・パートナーズ 技術企画本部のメンバーで、アメリカのラスベガスで開催されている「IBM TechXchange 2024」に参加しています。(現地時間:2024年10月24日、日本時間:2024年10月25日時点) (さらに…)

2024年09月04日

【早わかり】RDS for Db2のご紹介

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 2023年11月の AWS re:Invent 2023 にて、Amazon Relational Database Service for Db2(以下、RDS for Db2)が発表されました。マネージドサービスである Amazon RDS上で Db2 が利用できるようになったとのことで、クラウド移行を検討されているお客様や運用負荷を削減したいお客様にとって最適なサービスではないかと思います。 今回は「RDS for Db2」の概要について、さくっとご紹介したいと思います。 目次 お客様が抱える課題 RDS for Db2とは? まとめ お問い合わせ お客様が抱える課題 IBM Db2 は、ミッションクリティカルなワークロード向けに構築された Relational Database Management Service(RDBMS)です。昨年30周年を迎え、最新の Db2 には AI機能が実装がされるなど、進化し続けている製品です。 今もなお多くのお客様にご利用いただいている製品ですが、ご利用に関して以下の様な課題を抱えているお客様もいらっしゃるのではないでしょうか? 異なる物理的な場所で高可用性構成を組み、災害時のリスクを軽減したい。 社内標準でAWSを利用する方針でDb2の移行を検討しているが、構築および運用にあてる要員が不足している。 このような課題を、RDS for Db2 が解決します! RDS for Db2とは? RDS for Db2 とは、フルマネージド・リレーショナルデータベースサービスである AWS RDS にて Db2 をご利用できるサービスです。 以下に RDS for Db2 の特徴をご紹介します。 フルマネージド環境 AWS EC2 に Db2 を導入する場合、OS導入以降はお客様にて構築・運用管理が必要ですが、RDS for Db2 は OSパッチ適用から高可用性まで AWS による管理となり、お客様の運用負荷が軽減されるメリットがあります。 高可用性の構成 オンプレミスの場合、同一データセンター内の隣同士のラックで高可用性構成をとることがあるかと思います。RDS for Db2 では、AWSリージョン内の1つ以上のデータセンターで構成されるアベイラビリティゾーン(AZ)間で高可用性を構成することができます。 2つのアベイラビリティゾーンにまたがった構成で、データは別の AZ にあるインスタンスへ同期される仕様です。プライマリインスタンスに障害が発生した際には、自動または手動でスタンバイインスタンスにフェイルオーバーします。 バックアップ方法 RDS for Db2 では、自動バックアップ/手動バックアップを利用する方法があります。 自動バックアップは保持期間が最大35日ですが、トランザクションログを用いてポイントタイムリカバリを行うことができます。また、共通の注意事項として既存の DBインスタンスにはリストアできず、新規インスタンスにリストアとなります。 自動バックアップ 手動バックアップ バックアップ対象データ DBインスタンスのスナップショット トランザクションログ DBインスタンスのスナップショット 保持期間 最大35日 無制限 ポイントタイムリカバリ 〇(最短で5分前) ✖ 別リージョンへのスナップショットコピー 〇 〇 リストア時の注意事項 新規のDBインスタンスにリストア。既存のDBインスタンスにリストアは不可。エンドポイントを変えたくない場合は、元のインスタンス識別子を新規インスタンス作成時に指定。 移行方法 移行方法の選択は、既存Db2 の OSの種類やダウンタイムの要件によりいくつかの方法から選択できます。 以下は、「Amazon RDS for Db2 へのデータマイグレーション戦略」(AWSサイト)に記載の移行方法の意思決定ツリーを日本語化したものです。Db2 のデータを Amazon RDS for Db2 に移行するための OSSツール「Db2 Migration Tool(Db2MT)」を利用した方法や IBM Data Replication(別途ライセンス必要)の Qレプリケーションを利用した方法など、要件にあった移行方法を選択可能です。 費用について IBM Db2ライセンスは、IBM パスポート・アドバンテージ製品のご契約をしていただき、ライセンス持ち込み(BYOL)で利用します。(後述に記載) ※AWSインフラは別途AWSサービスのご契約が必要です AWSインフラ AWS RDS のコンピューティングリソースは従量課金制で、多様なスペックから選択できます。 vCPU は最小2vCPU~最大128vCPU、メモリは最小2GB~最大512GB、データベースのストレージは最小100GiB~最大64TiBを選択でき、汎用SSD/プロビジョンドIOPS(SSD)(高パフォーマンス、低レイテンシー、高スループットを必要とするワークロード向け)のストレージを選択できます。 以下に、東京リージョンでマルチ AZ配置(1つのスタンバイ)とした費用感を記載しました。 ※記載の費用感は2024年8月時点の「Amazon RDS for Db2 の料金」(AWSサイト)から引用した金額であり、正確な金額は都度AWSサイトにてご確認ください タイプ 費用 インスタンス db.m6i.xlarge4vCPU, 16GiBメモリ 時間あたりUSD 0.988 ストレージ 汎用SSD(gp3)-ストレージ1TB 毎月1GBあたりUSD 0.276 月額(1ヶ月744時間、1$=150円とした場合):約15万円~ IBM Db2ライセンス 2024年8月時点の RDS for Db2 で BYOL が可能な Db2ライセンスは以下です。 ※Non-producitionライセンス、旧エディションのBYOLは適用不可となりますのでご注意ください(今後変更となる可能性あり) 適用可能エディション Standard Edition Advanced Edition 課金体系 VPC 契約形態 Perpetual License Subscription License Monthly License 補足 Perpectual Licenseは有効なSS&Sが必要 ライセンス管理について IBM Db2 の AWS RDS への BYOL については「Eligible Public Cloud BYOSL Policy」(IBMサイト)に記載されている通り、AWS が提供するサービスである AWS License Manager(AWSサイト)を使用してライセンス管理を行います。 まとめ 今回は RDS for Db2 の概要についてご紹介しました。AWS の AZ間で高可用性構成を簡単に実現したい、構築・運用の要員が不足しているためバックアップやパッチ適用を自動化したい、といった課題がある場合は、RDS for Db2 を是非ご検討いただければと思います。 一方で、バージョンアップやパッチの適用に関して、事前に検証した上でリリースを行いたいというお話を時折お聞きします。 RDS for Db2 においてはエンジンのアップグレードは手動で行うことができますが、AWS が緊急性が高いと判断したソフトウェアパッチについては適用が自動的にスケジュールされる場合もあります。このようにスケジュールされてしまうのが困る場合には、OS以上をお客様自身で管理する AWS EC2 に IBM Db2 を導入する方法をお勧めします。AWS EC2 のプロビジョニングや OS以上の運用、IBM Db2 の導入・運用、および高可用性構成はお客様の責任となりますが、お客様の任意のタイミングでソフトウェアパッチ適用を行うことが可能です。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年08月09日

【参加レポート】Interop Tokyo 2024

こんにちは。ソリューション推進部 宮里です。 「Interop Tokyo 2024」へ行ってきました。 今回は "Smarter AI for all" というビジョンのもと、PC からサーバやハイパフォーマンスコンピューティング等の展示がされていました。 展示ブースを訪れ体感したことや情報収集したことをお伝えしますので、ぜひご覧ください。 (さらに…)

2024年07月02日

【参加レポート】Domino Hub 2024

こんにちは。ソリューション企画部 松田です。 2024年6月13日・14日と2日間に渡って開催された「Domino Hub 2024」に参加しました。これは HCL Ambassador有志が企画・実行する Dominoコミュニティイベントです。好評だった一昨年に続き、2回目の開催となります。 参加者総数は約250名。さらに、残念ながら当日参加できなかった多くの方も、アーカイブでセッション動画をご覧になっているそうです。 以下にそのレポートをお届けします。 目次 イベント概要 セッション内容 - HCLSoftware 日本カントリーマネージャーからのキーメッセージ -『HCL Notes/Domino V14 へのバージョンアップで広がる世界のご紹介』 -『HCL Dominoアプリ モダナイゼーションの実践方法』 - ノーツコンソーシアムがNomad Web評価環境を提供 セッションリプレイと大阪開催 最後に お問い合わせ イベント概要 Domino Hub は、Domino の利用者、開発者、ソリューションベンダーが一堂に会するコミュニティイベントです。初日はオンライン、2日目はオンラインとオンサイトのハイブリッド形式で進行されました。2日間ノンストップで Domino の話ばかり聞き続けたのですが、まさに圧巻でした。飽きる瞬間が一切なく、どのセッションも興味深いお話ばかりでした。 (写真提供:Domino Hub 2024 事務局) 今回のイベントには日本の HCL Ambassador 2024 の10名全員が集結しました。これは日本はもちろん、世界でも初めてのことではないでしょうか。 (写真提供:HCLSoftware Japan) セッション内容 2日間で全23セッションが行われ、HCL Ambassador の皆様や Dominoソリューションのベンダー、開発者、エンドユーザーから数多くのトピックのセッションが提供されました。様々なツールの紹介、自社の事例、Domino の裏技、そして Domino の最新機能のデモを交えた詳しい紹介など非常に多岐に渡る内容でした。それぞれが Domino のユニークさ、強力さを物語っており、スピーカーの皆様の Domino への強い思いを感じ、すべてにおいて目が離せないものでした。一つ一つ取り上げていきたいところですが、今回はHCLからのセッションに焦点を当ててご紹介します。 HCLSoftware 日本カントリーマネージャーからのキーメッセージ まず HCLSoftware の日本カントリーマネージャーである大野洋一氏のキーメッセージが印象的でした。 ・「DominoはHCLにとってもっとも重要なソリューションである」・「DominoはHCLビジネスの中核であり常に製品投資を行っている」 Domino が IBM から HCL に移管された2019年以後の Domino の進化を改めて考えると、大変うなづけるお言葉ですね。 『HCL Notes/Domino V14へのバージョンアップで広がる世界のご紹介』 そして1日目の HCLSoftware Technical Advisor 松尾邦夫氏の当セッションは、「HCL Notes/Dominoではなく、HCL Dominoと表現する。クライアントを選ばないアプリケーションサーバーであるDominoが核である」という宣言から始まりました。 Notesクライアントも Webブラウザもスマホも Progpressive Web Apps(PWA)も、すべてがクライアントである現在の Domino ならではです。さらに、昔からは考えられないほどに簡単になったバージョンアップ、コードチェッカー V14、様々なテンプレートが入手できる Dominoマーケットプレイス、そしてロードマップの紹介がありました。 次バージョン Rio Grande は2025年中ごろリリース予定、それに先立ち2024年8-9月から Early Access を開始します。Domino はまだまだ進化を続けています。 『HCL Dominoアプリ モダナイゼーションの実践方法』 2日目の HCLSoftware Technical Sales 臼井 修氏によるセッションは、30分で Domino V14 の注目すべき特長的な機能のすべてが分かる内容でした。Nomad Mobile、Nomad Web、Nomad Designer、Domino Restyle、Domino REST API、そして Volt MX Go。この短さで駆け足でもおなか一杯でもなく、逆に足りなくもない、という完璧な内容。割愛する部分も的確です。デモムービーもふだんに利用されていて非常に分かりやすい内容でした。ぜひセッションリプレイをご覧ください。 ノーツコンソーシアムがNomad Web評価環境を提供 Domino のユーザー団体である「ノーツコンソーシアム」のセッションにも触れたいと思います。これまでのアプリケーションチェッカーのみならず、Nomad Web の AWS上での評価環境を提供されているという情報がありました。自社の Dominoデータベースを Nomad Web で利用するとどうなるのか? についても、どこからでも簡単に評価できそうです。Domino Web Designer も利用できます。 ノーツコンソーシアムでは研究会も活発に行われているので、まだご加入でないお客様やパートナー様もぜひご検討ください。AWSマーケットプレイスにも Domino が展開されています(AWSからそれに関するセッションもありました)。 セッションリプレイと大阪開催 各セッションのリプレイは「DominoHub 2024 参加申し込みフォーム」から登録して "DominoHub イベントポータル" にログインしていただくことで、今からでも視聴可能です。セッションによっては資料のダウンロードも可能です。こちらは7月半ばにクローズ予定とのことですので、ぜひお早めにご活用ください。 そして Domino Hub は、2024年9月19日に大阪でのオンサイト開催が決定いたしました。詳細およびお申し込みについては「こちら」からご確認ください。 最後に HCL主導ではなく、ユーザー、開発者、ソリューションベンダーが主体となってこれだけのイベントを開催できる。そして、その中身の充実度。これが今の Domino の勢いと元気、さらには将来展望を如実に表しているのではないでしょうか。 このようなイベントが実現する背景には、活発なコミュニティ活動と、ユーザーや開発者たちが自発的に集まり、知識や経験を共有し合う文化が根付いていることが挙げられます。最新の Dominoバージョンの新機能に関するディスカッションや、導入事例の共有、様々なワークショップなど、多岐にわたる内容が提供されており、参加者はそれぞれの立場で有益な情報を得ることができます。 今後もこうしたコミュニティ主導の取り組みが続くことで、HCL Domino はさらに多くのユーザーに支持され、ますます成長していくでしょう。だからこそ、まだまだ HCL Domino から目が離せません。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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