2023年10月

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【てくさぽBLOG】Windows Server 2012/R2のEnd Of Support(EOS)による対応方法

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの宮里です。

既に Windows Server 2012/R2 は End Of Support(以下 EOS)となっていますが、その後もそのまま使い続ける方も多いと思います。
EOS のまま使い続けた場合にはセキュリティ面・障害対応の観点でリスクがあるので、何らかの対策が必要です。

Windows Server 2012/R2 を使い続けられる方は、ぜひ本ブログを参考にしてリスク軽減のためのセキュリティ対策をご検討ください。

Windows Server 2012 / R2のEOS概要

EOS(End Of Support)とは、ソフトウェアやハードウェアのメーカーがその製品のサポートを終了することを意味します。

Windows Server 2012/R2 のサポートが終了した場合、具体的にどのようなサポートが得られなくなるのかご存知でしょうか。

まず Microsoft のサポート内容からご説明いたします。

Microsoftのサポート内容

Microsoft のサポートは、メインストリームと延長サポートの2段階に分かれています。

メインストリームサポート

セキュリティ更新プログラムに加え、新機能の追加や仕様変更などのサポートも提供されます。
(Windows Server発売後5年間)

    • インシデント サポート(無償/有償インシデント サポート、1時間ごとに課金されるサポート、保証請求のサポート)
    • セキュリティ更新プログラムのサポート
    • セキュリティ以外の更新プログラム要求

延長サポート

セキュリティ更新プログラムのみが提供されます。
(メインストリームサポート終了から5年間)

    • 有償サポート
    • セキュリティ更新プログラム(追加料金不要)
    • セキュリティ以外の更新プログラム要求

つまり、メインストリームサポートではセキュリティ更新プログラムに加え、Windows Server の最新機能を活用することができます。
一方延長サポートではセキュリティ更新プログラムのみが提供されるため、既存機能のアップデートや新機能の追加はされません。

なお、Windows Server 2012/R2 は以下の通り2023年10月10日で既に EOS を迎えています。

Windows Server 2012 / R2:2023年10月10日

参照:Microsoft ライフサイクル ポリシー

EOS後のリスクと対策

EOS になった製品を使い続けると、脆弱性を利用したサイバー攻撃によって被害を受けるリスクが高まります。

ランサムウェア攻撃による被害事例がありますので、以下にご紹介します。

*  *  *  *  *  *

とある会社で、ランサムウェア攻撃により基幹系の会計システムなどの複数のシステムやパソコンに被害が生じました。
同社グループ会社のネットワークから侵入されランサムウェア攻撃を実行されたことで、パソコン上のデータや Windowsサーバーのデータが暗号化され、脅迫文も残されていました。

この攻撃により、復旧に2か月かかっただけでなく個人情報の漏洩も発生しており、顧客や従業員に関する氏名や生年月日、電話番号、メールアドレスなど、約186万件の個人情報の流出が懸念されています。

*  *  *  *  *  *

上記の事例からも分かる通り、ランサムウェア攻撃の被害を受けるとビジネス機会が損失するばかりか、システムやデータの復旧に莫大な費用・時間がかかり、さらに、大量の個人情報漏洩の可能性は企業イメージを著しく低下させてしまいます。

セキュリティインシデントを防ぐためにはデジタル環境を安全に保つための防御策を立て、常に注意を払うことが必要です。

また、Windows 2012/R2 の EOS が及ぼす影響の範囲として、Windows上で稼働するソフトウェアにも注意が必要です。

EOS を迎えると、周辺機器やソフトウェアとの互換性も保証されなくなります。
そのため、周辺機器やソフトウェアのアップデートにより製品が利用できなくなる可能性があります。

これらのリスクを回避するために、EOS への対策を講じることはとても重要です。
以下に2つの具体的な対策をご紹介します。

EOSリスク回避のための2つの対策

1. 新バージョンまたは新製品への移行を検討する

早めに新バージョンまたは新製品への移行を検討しましょう。
新製品への移行にはコストがかかりますが、リスク回避のためには必要な投資と言えます。

2. セキュリティ対策を強化する

EOS となったバージョンを使い続ける場合は、残り続ける脆弱性のリスクを軽減するために、IPS/IDS/UTM の強化など自社の環境に合わせたセキュリティ対策を講じましょう。

EOS は ITインフラの担当者にとって避けて通れない課題です。
リスクを理解し早めに対策を講じることで、安全かつ円滑な移行を実現しましょう。

対応方法

ここまでは、EOS後のリスクとリスク軽減のための対策について解説してきました。
次に、具体的な対応方法について確認していきます。

Azure Stack HCIへ移行

バージョンアップが出来ないという場合も多いかと思います。
その場合は、Azure Stack HCI への移行を検討しましょう。

Azure Stack HCI* では、Windows Server 2012/R2 の拡張セキュリティ更新プログラムを2026年10月まで受けることが可能です。
バージョンアップの対応が無理なので、あればこの期間を利用して段階的に移行を進めるのが良いでしょう。

Azure Stack HCIとは:
Microsoft が提供しているハイブリッドクラウドインフラストラクチャサービスの一つです。
HCI とはハイパーコンバージドインフラストラクチャの略で、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク機能を一つに統合したソリューションを指します。
3層構造の仮想環境をx86サーバー+ソフトウェアにシンプルに統合管理することができます。

Azure Stack HCI

Azure Stack HCI への移行は、デジタルトランスフォーメーション戦略に一石を投じることになります。
これにより、企業は効率性の向上、柔軟性、さらなる拡張性を享受する機会を得ることができます。また、サーバー管理であるパッチ管理やバックアップなどの一部タスクの自動化が可能なため、不必要な管理タスクから解放されます。

Azure Stack HCIアプライアンス&認定ノードとしておすすめする製品が、「Lenovo ThinkAgile MX」です。

Lenovo のサーバーは最もセキュリティに優れた x86サーバーの評価を獲得しています。
ITICグローバルサーバーハードウェアセキュリティレポートによると、Lenovo ThinkSystemサーバーは、4年連続ですべてのx86サーバーディストリビューションの中で最高のセキュリティスコアを達成したとして評価され、また2022年には、ハッキング攻撃によるダウンタイムを経験した Lenovo ThinkSystemサーバーはわずか4%と報告されています。

Azure Stack HCI は、小規模な環境やミディアムエンタープライズをご利用のお客様全てに推奨できますが、Microsoft製品を中心に扱われているお客様や Windows Server をお使いのお客様、これからクラウド利用を進めたいとお考えのお客様には特に親和性が高い製品です。
最小1ノードから構成でき、他の HCI製品に比べ一番低い価格帯から幅広くご提供が可能です。

ロックダウンまたは仮想パッチで対応

「環境を変更できないが、その上で稼働するアプリケーションの互換性が問題で Windows 2012/R2 を使い続ける必要がある」というお客様は非常に多いと思います。
その場合は、ロックダウンまたは仮想パッチでリスクを減らすことができます。

ロックダウンと仮想パッチの違いについては、以下の図の通り対応方法や対応箇所が変わってきますので、今使っている環境にあった方法をご選択ください。

ロックダウンと仮想パッチ

ロックダウンと仮想パッチについて、以下でさらなる詳細をご説明します。

ロックダウン

ロックダウン方式とは、ユーザーが承認したアプリケーションのみが動作する状況を作り出す方式です。

事前に許可された挙動や機能以外の全ての動き(例えばマルウェアや不正行為)を阻止することができます。
これにより、産業用アプリケーションに対してファイルやレジストリの変更をブロックし、正規アプリケーションに見せかける DLLインジェクション等を防ぐといった、未知の脅威やゼロデイ攻撃の予防が可能です。

また、サポート終了OSもサポートし、かつパターン更新等の手間がかからないため、セキュリティ運用の負担軽減も可能です。

ロックダウンを実現するための製品としてお勧めなのが、「TXOne StellarProtect」です。

TXOne StellarProtect には以下の機能が備わっており、Windows 2012/R2環境であっても USB経由でのマルウェア侵入やランサムウェアへの対策を実現できます。

    • 産業用PCに適したウイルス対策
    • 産業用アプリケーションの保護
    • USBデバイス制御
    • ファイルレス攻撃対策
    • レガシーOS対応

仮想パッチ

脆弱性を狙う攻撃コードをネットワークレベルでブロックし仮想的にパッチが当たっている状態にすることだけでなく、脆弱性が悪用される前に迅速にシステムを保護し、実質的に脆弱性を悪用した攻撃を無効化する Intrusion Prevention System/Intrusion Detection System(IPS/IDS)の技術が利用されています。

システムに影響を与えずサポート終了OSの利用が可能なこともメリットの1つです。

仮想パッチを実現するための製品が、「Cloud One Workload Security」です。
以下の機能によって Windows 2012/R2 などの EOS後の OS を保護します。

    • ホストベースの仮想パッチ機能により脆弱性攻撃をブロック
    • サーバーセキュリティに必要な機能を1つの保護モジュールに実装
    • 管理サーバーの構築・運用が不要

まとめ

EOS後のサーバー更改は企業にとって重要な課題です。
EOS を迎えたサーバーをサイバー攻撃から守るため、Azure Stack HCI へ移行し延命させる、あるいは OS を守るためのセキュリティを行うなどの対策を進めましょう。

強固なセキュリティ対策は IT環境の持続的な安全性を確保するために不可欠であり、TXOne StellarProtect によるロックダウンや Cloud One Workload Security による仮想パッチを活用することで、Windows Server 2012/R2 であってもより高度なセキュリティ環境を構築することが可能です。

EOS後のサーバー更新、そしてそのセキュリティ対策については、細心の注意を払い最適な対策を行いましょう。

この記事が参考となれば幸いです。
また、おすすめとして紹介した Azure Stack HCI を導入して検証したブログもございますので、是非そちらもご覧ください。

関連情報

お問い合わせ

この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部

E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

 

その他の記事

2025年06月09日

安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(後編)

Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管されて丸6年が経ちました。 Domino は、高い開発生産性と堅牢性を兼ね備えたアプリケーション基盤で、長きにわたり企業の業務効率化を支えてきた歴史ある製品です。一方、重ねてきた実績の分だけ、バージョンアップに対する課題も垣間見えます。 今回は、エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware のテクニカルリードである松浦光様に HCL Domino のビジネス状況や今後の展開など、多岐にわたり話を伺いました。(本ページは後半です[前半も公開中]) 対談者 【ゲスト】 エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware テクニカルリード 松浦 光 様 【インタビュアー】 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 ソリューション企画部 松田 秀幸 ※対談者情報は2025年6月9日時点 新バージョン V14.5 が刻む新たな一歩 生成AI を Domino の中に ── この夏に新バージョンの出荷が予定されていますね。 松浦: はい、2025年6月にバージョン V14.5 の出荷が予定されています。 ── V14.5 のポイントは何でしょうか? 松浦: 目玉の1つとして、Domino の中に AI を持つ「Domino IQ」 という機能がリリースされます。 なぜ、わざわざ自社で生成AI を持たなければいけないか、と思われる方もいると思いますが、理由の1つはセキュリティです。 Domino と生成AI の統合「Domino IQ」 自社のベストプラクティスを得られる ── 「Domino IQ」は、どのようなものでしょうか? 松浦: 完全にローカルで生成AI を持つことで、機密度が高い自社の情報についても問い合わせできるようになります。 加えて、自社の Domino を20~30年使い続けているお客様は結構多く、その積み重ねた情報に注目しています。そこで、今まで溜め込んだナレッジを生成AI に教え込み、ベテランの方が持つナレッジや自社のベストプラクティスを回答する生成AI を作っていく 流れですね。 このような利用も考えて、Domino IQ を開発しています。 ── 生成AI のモデルは、HCL で作っているのですか。 松浦: HCL で開発しているわけではなく、オープンソースの LLM を使っています。今ベータ版で使えるのは、Meta社の Llama3.2 などです。 ゼロから HCL で作ったものではなく、もう既に賢く育てられた LLM を使える点が大きな強みの1つだと思います。RAG を使って LLM に足りない情報を学習させられるようになるので、自社のデータベースで蓄えていた情報を AI が活用できるようになります。 Domino による生成AI の活用方法 ── RAG による拡張はキーになりそうですね。 松浦: Domino に溜まっている色々な情報やデータを社外や国外の生成AI に出さなくても、Domino IQ で新しい使い方が可能です。 ── Domino と生成AI の組み合わせで業務効率も向上しそうですね。 松浦: Domino は、業界用語や社内用語なども扱える 『生き字引き』のような人に代わる存在になっていき、皆さんの業務を支えられる のではないかと考えています。 REST API による効率的なシステム間の連携 ── フロントエンドの作り込みはどうでしょうか。例えば、チャットボット以外の入口を作る必要はありますか? 松浦: フロントエンドは何でもいいと考えていて、様々な Web やモバイルアプリに組み込むこともできますし、Notesクライアントが好きであれば Notesクライアントでもいいですし、Nomad Web でもいいと思います。Nomad Mobile というスマホやタブレット向けの Notesクライアント相当のものもあるので、それを使ってもいいですね。 ── 他社システムとの連携はどうでしょうか? 松浦: 前半でも少し触れたディレクトリサービスの連携だけではなく、REST API で他社システムと繋ぐことも想定しています。例えばフロントエンドとしては、チャットボットはもちろん、それ以外にも様々なシステムから入力してもらうこともできます。 Domino IQ 用に設定された Domino Server は、Dbserver プロセスから推論エンジンを起動する。(画像クリックで拡大)(出典:HCL Software|Configuring / Configuring users and servers / Domino IQ) 松浦: オープンソースの LLM を Dominoサーバーのデータディレクトリの下にインストールし、アプリケーションからの参照は、簡単な Lotus Script の読み込み・書き込みという2つのメソッドで問い合わせる仕様です。 先程も触れましたが、既存の LLM を使える点は大きな強みだと思います。 バージョンアップの鍵は互換性の安心感 新旧バージョンの互換性は移行チェックツールで担保する ── 互換性を気にされる方が多いと思いますが、いかがでしょうか? 松浦: 12.0.1 については 64bit対応、Open Java への変更があり、10 から 14 のタイミングで足回りをアップデートしました。その対応も含めて確認したところ、アプリケーションの互換性に関しては問題はありませんでした。 それでも互換性に懸念をお持ちのお客様には、NotesConsortium(ノーツコンソーシアム)で会員特典として利用できる移行チェックツールの使用も検討していただきたいと思います。 NotesConsortium(ノーツコンソーシアム) Domino に関する様々な知識やノウハウを交換、蓄積して会員同志で共有するユーザーコミュニティ 引用 以前のバージョンの環境で動作していたプリケーションの互換性(@関数/LotusScriptのみ) をチェックするツール、アプリケーションコードチェッカー(NDACC)をご提供しています。 カンタン移行判定ツールもご利用頂けます。 引用元:NotesConsortium「会員の特典」|移行支援ツールの提供 移行チェックツールとその効果 ── 実際に 9、10 から、V14、V14.5 へのバージョンアップは、移行チェックツールで試した場合の非互換はどれぐらいでしょうか。 松浦: 非互換はほとんどありません。 一言で非互換といっても、インパクトの程度は異なります。少し見た目が変わってしまうといった軽微なものから、挙動が変わってしまうという大きなものまであります。 移行チェックツールも過去20年以上の歴史があり、インパクトが小さい内容もチェックする仕組みでしたが、今はインパクトが小さい内容はチェックから外せるようになりました。 ── 非互換性の影響が少なく、迅速かつ正確な対応が可能であれば、安心してバージョンアップできますね。 松浦: もちろんインパクトの大小に関わらずチェックすることもできるので、気になる方は互換性に関するすべての内容を把握できます。すべてを確認していただいても、大きな影響を及ぼすような非互換はほとんどない と思います。 バージョンアップ vs 他社製品への移行 バージョンアップはしないが、移行もしない ── 前半にも話があったとおり、Domino の旧バージョンを利用されているお客様は多いようですね。 松浦: はい、旧バージョンのまま利用されているお客様も多いです。やはり、「バージョンアップをしなくても現状で満足」というのが理由 だと思います。 ── 一方で Domino から別製品への移行を検討されるお客様の声も聞きます。他製品への移行が検討される理由についてはいかがでしょうか。 松浦: DX を旗印に企業の形を大きく変えたいと思われた時に、エンドユーザーが日々使う情報系システムを刷新するのは象徴的だと思います。特に社外から新しい CIO が来たという様なケースだと顕著です。 引用 DX推進の際の障壁としては、「投資するための予算確保が少ない」が最も多くなっており、今後DXをさらに推進していく上で、約4割が「IT投資にかかる予算の増加」に取り組みたいと回答しました。 引用元:一般社団法人 中小企業個人情報セキュリティー推進協会「アンケート調査レポート」|「DX推進に成功している経営者」の実態調査アンケートの結果について ── DX の観点はひとつの肝かもしれませんね。 松浦: Web対応やモバイル対応、AI対応への再投資に対して、もっと価値を出していけるのではないかと考えています。 ── ただ、基幹的な情報系システムだと、気軽に移行するわけにはいかないですよね。 松浦: 他社ツールへのスイッチングコストの中には教育費を含め色々なものが発生するので、それだけお金をかける価値があるのかということに悩みながら検討されていると感じます。 やはりコストが大きいということで、移行ではなく共存で落ち着く ことがかなり多いですね。 HCL Domino の運用事例 内製化で自社の強みを生かしたDXを実践(日経XTECH) 20年で培ったデジタルカイゼンの文化 エームサービスの現場とIT部門をつなぐNotes(ZDNET Japan) 結論!バージョンアップが最適解 ── 他社製品への移行リスクや未知のコストも考えると、Domino を利用し続けるのがよさそうですね。 松浦: 異なる基盤でも併用して共存でき、互換性も担保されている ので最新バージョンアップでの利用をお勧めします。 ── ここまでの話以外で、他社製品への移行が検討される理由はありますか? 松浦: お客様から、Notesクライアントの強力な機能は変わらずご評価いただきながらも、そのインストールやセットアップなどの運用管理はやはり大変だ、という声もいただいております。 ── 最新バージョンでも同様でしょうか? 松浦: 最新バージョンでは改善されています。具体的には、V14 では ブラウザベースで Notesクライアントとほぼ同じようなことができる「HCL Nomad」という機能があります。特長は、専用Notesクライアントのインストールが必要ない点と、ブラウザベースなので複数の端末から使っていただける点です。 ── 「今までNotesクライアントでしかできなかったことが、Web でもできるようになる」ということでしょうか? 松浦: 例えば、Excelマクロを使った帳票の集計業務などですね。これまでは、Notesクライアント内でオフィス系のアプリケーションを起動するようなものは、ブラウザのセキュリティ制限によりブラウザからの利用ができませんでした。 しかし、2025年6月に出る新バージョン V14.5 は「HCL Nomad Web」が COM をサポートするのが目玉機能の1つで、Nomad Web から Excel や Word や PowerPoint を起動してマクロ実行などができるようになります。 ── V14.5 における進化の1つですね。 松浦: はい、バージョンアップの利点ともいえます。 すでに、以前から使用されているお客様がトライアルを始めている という状況です。 バージョンアップを推奨する理由 新旧バージョンの互換性を担保している。 コミュニケーション基盤が別製品でも、Domino を併用できる。 Domino IQ の実装/HCL Nomad Web の COMサポート HCL Domino について問い合わせる 今後の戦略 V14.5 は 描いたロードマップの答え合わせになるバージョン ── 今後の HCL の Domino のロードマップ、戦略はどのようになっているでしょうか。 松浦: この夏に出荷予定の V14.5 では実行環境のアップデートやスマホ・Web対応の進化や生成AI連携など、HCL になってから大きく描いたロードマップの答え合わせになるバージョンです。 アプリケーションを作り、うまく使ってもらう というのが、Domino の軸になっていると思います。Notesクライアントで動くアプリケーションから Webブラウザやモバイルで動くアプリケーションまで、様々なものがあります。それらを支えていくというのが Domino の DNA です。 ── 確固たる理念と設計思想があるのですね。支えるためには、Web対応や生成AI連携なども見越した拡張性も重要だと。 松浦: 作成したアプリケーションを拡張していくという方向性として API連携が挙げられます。Domino だけで全ての業務が回るとは考えていないので、周辺の製品サービスとの連携が簡単にできる というのがポイントの1つです。 兄弟製品に繋げる二段構えの展開 ── バージョンアップ以外での、ビジネス戦略は何かありますか? 松浦: アーキテクチャは異なりますが、開発環境の観点も含めれば兄弟製品といえるものがあります。 例えば Volt MX という製品には、モバイルOS を含む様々なプラットフォームのネイティブアプリケーションを作る機能があり、単一の開発環境で作成できます。 ── 開発するアプリケーションによって、戦略の幅が広がりますね。 松浦: Volt MX は一例ですが、プラットフォームを問わず使っていただけるような 本格的なアプリケーションについては兄弟製品 に繋げていく、という二段構えの戦略を考えています。 ── 兄弟製品への横展開…Domino が秘めるビジネスの可能性といえそうですね。 松浦: 今後のロードマップは、我々が描いた V14.5 の評価をユーザーから得ながらアプリケーションの軸はぶらさずに兄弟製品と補完しながら作っていく予定です。 ── Volt MX 以外に、どのような兄弟製品がありますか? 松浦: Nomad Web Designer、Domino Leap という製品があり、どちらもブラウザで動きます。 Domino Leap は、エンドユーザー様が『ITの専門知識を必要とせずに簡単にアプリケーションを作成したい』というローコードの需要を補完できるツールとして位置づけています。 Nomad Web Designer は今まで Windows PC でしか提供されなかった Domino Designer を MacOS でも同じように使えるようにしたイメージです。 ── いくつもの製品があり今後の展開も楽しみですが、まずは V14.5 からですね。 松浦: 旧バージョンをご利用中のお客様においては、まず他社製品との連携までかと思っています。 今は塩漬けの状態で、Domino の中だけで流通している情報があると思うので、それを他のシステムにも流通させてもらいたいですね。 1つの製品内だけでは情報の流れが停滞することもあると思います。業務の活性化のためにも、他社製品やAIとうまく連携し Domino を『情報の流れを淀ませないような解決策』という位置づけ に持っていきたいという思いもあります。 HCL 様からのメッセージ 過去にとらわれない新たな事例でアプローチ ── 長年 Domino を販売されているパートナー様に、特にお伝えしたいことはありますか。 松浦: HCL に移ってから使っていただいてるお客様から、「色々なツールを使っているが、やはり Domino は凄く良い製品だよね」という声をいただくことがとても増えている気がします。 お客様がやりたいことに耳を傾けると、今までにない新しい使い方 もどんどん出てきます。 弊社サイトで公開しているお客様事例にも掲載しているので、Domino を長らく販売していただいているパートナー様はもちろん、Domino の販売に興味をお持ちの企業様にも、ぜひご覧いただければ嬉しいです。 Domino はかゆいところに手が届く業務アプリを作るには最適なツールだと思うので、そこを強みとしてどんどんビジネスを仕掛けて欲しいと思っています。 インフラの観点においても、堅牢でパフォーマンスのいい製品に仕上がっていますし、他の SaaS製品との連携も充実しているので、「今までの Domino ってこうだよね」という枠の中だけで考えずに 販売していただきたいと思います。 V14.x を避けて V12 にする意味はない ── では最後に、Dominoユーザー様、パートナー様へのメッセージをお願いします。 松浦: Domino に限らず、バージョンアップの際は『どのバージョンにするか』を迷われるケースがよくあります。 今回のバージョンアップは V14.5 と刻まれたバージョンなので、V14 や V12 という実績があるバージョンを検討したいと思われるお客様もいるかと思いますが、この度 V14.0 の非互換検査をしたところ、12.0.1以上であればアップデートされたプラットフォームとして動作が変わらないことが分かりました。つまり、『14.5 もしくは 14 を避けて V12 にする意味はない』 ということなので、ぜひ最新バージョンを検討していただきたいと思います。 14.5 も新機能を使わなければ 14 と同じような挙動なので、保守期間が残っている新バージョンを使っていただいて、興味のある新機能にトライしていただくのが良いのかなと考えています。 ── 本日はありがとうございました。 HCL Domino について問い合わせる まとめ ここまで HCL Domino の新バージョンや今後の展開など、多岐にわたり HCLSoftware 松浦様にお伺いしてきました。 最後に、前半の話を含め HCL Domino の特長となる強みとバージョンアップを推奨する理由をまとめます。 HCL Domino の強み 高い開発生産性と堅牢性 簡潔で迅速なアプリケーションの開発。 長期的に使用されることに適した、運用の安定性。 優れた互換性と柔軟性 チェックツールにより、新旧バージョンの互換性を担保している。 古いバージョンのデータやアプリケーションも最新バージョンで動作可能。 コミュニケーション基盤が別製品でも、Domino を併用できる。 新バージョン V14.5 の新機能「Domino IQ」 セキュリティを確保しながら自社データを活用した生成AI の活用が可能。 過去のナレッジを活用し、業務改善を支援。 Domino の現状とバージョンアップを推奨する理由 Domino の現状 Domino は35年以上にわたり利用されている製品で、現在も市場は活況。 ユーザー数は多く、旧バージョンのまま利用される「塩漬け運用」も多い。 バージョンアップを推奨する理由 サポートが終了したテクノロジーへの脆弱性対応として必要。 新旧バージョンの互換性を担保している。 Domino は他社製品との共存が可能。 新バージョンは V14.5で、新たな機能が追加された。 (本ページは後半です[前半も公開中]) HCL Domino について問い合わせる このページを見ている人におすすめのページ 安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(前編) HCL Domino 製品紹介ページ Com-PASS Cloud|Domino Notes アプリのお預かりサービス .recommend-list{ margin-top: 0px; } ol.recommend-list li { color: #9b9b9b; } #recommend{ font-family: "Noto Sans Japanese"; font-size: 16px; font-weight: 700; color: #9b9b9b; border: none; padding: 0; margin-bottom: 10px; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A 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2025年06月09日

安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(前編)

Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管されて丸6年が経ちました。 Domino は、高い開発生産性と堅牢性を兼ね備えたアプリケーション基盤で、長きにわたり企業の業務効率化を支えてきた歴史ある製品です。一方、重ねてきた実績の分だけ、バージョンアップに対する課題も垣間見えます。 今回は、エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware のテクニカルリードである松浦光様に HCL Domino のビジネス状況や今後の展開など、多岐にわたり話を伺いました。前半では「Domino の現状」を中心に、後半では「新バージョンの登場と互換性」をテーマにバージョンアップについてより具体的に語っていただきました。(本ページは前半です[後半も公開中]) 対談者 【ゲスト】 エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware テクニカルリード 松浦 光 様 【インタビュアー】 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 ソリューション企画部 松田 秀幸 ※対談者情報は2025年6月9日時点 HCL Domino の現状 製品の変遷と現在のビジネス状況 ── Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管(2019年7月)されてからも丸6年が経ちました。今、HCL としての Domino のビジネス状況はいかがでしょうか。 松浦: 現在も利用していただいているユーザーも多く、市場としては活況です。 見た目や使い勝手も含めた新機能が多く実装されてきた点、バージョンアップのサイクルが非常に良いペース で進んできている点が、ユーザー様、パートナー様から製品投資として評価をいただいてます。 一方、Domino のクラウドに対する対応が SaaS としてではなく Amazon や Google などのクラウドキャリアとの協業による提供に主眼をおいているので、その点が他の SaaS型コミュニケーションツールと比べてもう少しなんとかならないかという声は未だにいただいている状況です。 ── Domino のクラウドに対して、SaaS型コミュニケーションツールとしても期待もされているということですね。 松浦: 運用に関する負荷を下げたいということだと思います。 加えて人材確保やノウハウ継承などの課題に対し、生成AI との連携など新しい領域へのチャレンジがトレンドになっています。 旧バージョンでの利用も多い ── バージョンアップのサイクルといえば、多く利用されているバージョンは何でしょうか? 松浦: お陰様で現時点の最新バージョンである V14 が順調に立ち上がっています。ただ実は、特定のバージョンでいわゆる『塩付け運用』をされているお客様も多くいます。 そのような状況の中で1点、昨年末にあったケースについてお話しさせてください。 2024年12月13日に重要障害が発生し、多くのお客様と関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしました。大変申し訳なく思っております。この場を借りて、お詫び申し上げます。 対応として修正モジュールの適用をお願いしておりますが、実はこの障害は35年前のコードに含まれていたもので、Domino のすべてのバージョンで発生していました。 そのような中で、Domino の塩漬け運用をされているお客様、他社移行の事例記事になっており HCL とまったくお取引がないお客様からもお問い合わせをいただいています。 ── 古いバージョンのまま Domino を利用され続けているユーザー様もまだまだ多くいらっしゃる、ということが分かったのですね。 松浦: はい、良くも悪くも先ほどお話したような状態で、HCL と最近お付き合いがないお客様からもお問い合わせをいただくケースがありました。 古いバージョンを利用する際の注意点 ── 古いバージョンのまま利用することへの懸念は何でしょうか? 松浦: Java など サポートが終了したテクノロジーへの脆弱性対応 が懸念されます。 また、旧バージョンでは DXに対して十分な役割を果たせるとは言い難いです。新バージョンでは Web対応やモバイル対応、AI対応での活用もイメージしています。 例えば、新バージョンである V14.5 には、Domino と生成AI を統合した機能もあります。 ──『塩付け運用』をされた場合、サポート面はどうでしょうか。 松浦: 多くの塩漬け運用されているお客様からの声をお聞きすると、サポートが終了したバージョンで安定運用ができていたというのが Domino に対する今までの理解だったと思いますが、今回のようなことだけでなく、脆弱性対応も必要になるので、やはり サポートを受けられるバージョンの必要性 を意識していただけたのではないかと考えています。 Domino が選ばれ続ける理由 情報系基幹システムとしての性能と安定性 ── 旧バージョンでの利用も含め、Domino が利用され続ける理由は何でしょうか? 松浦: 情報系の基幹システムとして必要十分な機能を備えている点が大きいですね。 Domino が誕生した当初から兼ね備えており、「バージョンアップをしなくても現状で満足」というユーザーがいらっしゃる理由になっています。 ── Domino が古いまま使用されるのはなぜか、この点をより詳しくお聞かせください。捨てられないけれどバージョンアップもしない、というのは、なぜでしょうか? 松浦: 例えば、四半世紀前のデータがそのまま最新バージョンでも読み込めるなど、下位互換、上位互換性が非常に高い。動いてしまうがゆえに、使えてしまう。 便利に使っていただけるのはいいことなのですが、やはり15年前、20年前に作ったアプリケーションなので、見た目が古くなってくるというのは当然あります。 Domino でのアプリ開発の優位性 ── 一般的な市場感として Domino はすでに別製品に移行されてしまったという風潮もありますが、いかがでしょうか? 松浦: Domino はアプリケーションの開発生産性が非常に高い製品 だというのは、市場の評価として強くあります。 同じようなアプリケーションを、例えば SaaS型の Webベースの他製品、ノーコードの製品やローコードの製品に切り替えることにチャレンジされているお客様はいらっしゃると思うのですが、なかなかうまくいかないということを伺っております。 ── うまくいかないというのは? 松浦: その製品が悪いとか機能が足りないという話ではなく、Domino だと簡単にでき過ぎてしまうということで、エンドユーザーの満足度を得られないというのが1つの原因だとお客様はおっしゃっています。 他社製品と共存できるメリット ── メールはもう SaaSメールに移行しているという話はよく聞きますが、アプリケーションについては Domino の利用を続けているということでしょうか? 松浦: コミュニケーション基盤に関しては、在宅勤務やリモートワークが一般的になったので、好みの Web会議サービスに付帯したものへ切り替えたというお客様はいらっしゃると思います。 ただ、先ほどの話にあったように、アプリケーションはなかなか切り替えるのが難しいというのがあります。アプリケーション利用のために Domino が残っているというケース、共存されているというケースなど、多々あると思います。 ── Domino 以外のコミュニケーション基盤とアプリケーション基盤としての Domino を併用し、いわば一つのシステムとして使えると。 松浦: はい、その通りです。コミュニケーション基盤は別の製品を、アプリケーション基盤としては Domino を使っている 事例を、弊社ホームページにも事例記事として掲載しています。 ── コミュニケーション基盤とアプリケーション基盤でそれぞれのいいいとこ取りをされているのですね。 松浦: Domino と他製品が共存ができることは、バージョンアップの観点でも大きなポイントだと思います。 ──「基盤が2つあると運用管理も2倍になるのか」という疑問も出そうですが、どのような運用が可能でしょうか。 松浦: コミュニケーション基盤では、例えば1人に1つメールアドレスを発行するのが一般的だと思います。その場合、そちらのディレクトリシステムをメインにし、Domino は二次ディレクトリとして運用することもできます。 また、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)参照で認証委託をさせることもできますし、Dominoディレクトリと他のディレクトリ…例えばAzure AD(Azure Active Directory)のようなディレクトリサービスと連携させて運用している事例も多くあり、各社のやりたいことと運用負荷のバランスを考えて様々な方法がとれます。 なぜ Domino のバージョンを上げないのか 高い互換性が仇になっている?「動いてしまう」ジレンマ ── 互換性が高いということは、バージョンアップの障壁が低いともいえますね。 松浦: 互換性の高さは、単に過去のデータが「動く」以上の価値を提供していると考えています。 もし他社製品に移行する場合、往々にしてデータ移行が膨大なコストや技術的課題を伴い、互換性の問題が原因で取り残されたデータが発生するケースも見受けられます。Domino の場合、こうした課題を意識することなく 過去の資産を活用し続けることが可能 であり、移行リスクや未知のコストを回避 できる点でも独自の競争力を持っています。 ── 一方で、見た目を新しくすることは、バージョンアップの動機にはならない。 松浦: 見た目を新しくする機能もリリースはしていますが、そこに手をつけるよりは塩漬けで使ってしまおう、その方がお金がかからずに済む、ということで、古いバージョンのまま使うという決断をするお客様もいるのかなと思っています。 ── 確かに Notesクライアントだけを見たら、そんなに大きく変わらないですよね。 松浦: アーキテクチャは変わらないですし、Windows で動いてしまえばクリティカルな障害もなければ、上げる理由も作れなかったというところです(笑)。 最新バージョンは、バージョンアップをする理由になるか ── 大きな障害がなく動かせる状況の中で、上げる理由は何かとなると「最新バージョン V14 で何ができるのか」でしょうか。 松浦: そうですね。お客様が最新バージョンに上げる理由としては DX が多い印象です。再投資をする際の Web対応やモバイル対応、AI対応があります。そのようなところで、もっと価値を出していけるのではないかと考えています。 ── V14.5 については、後半でさらに詳しくお聞かせください。 松浦: 最新バージョンには、Domino と生成AI を統合した機能もあります。V14.5 は、大きく進化した面もあるので是非語らせてください(笑)。 ── 楽しみにしています(笑)。後半では、新バージョン V14.5 の新機能やアップデート、互換性についてお聞かせください。 HCL Domino について問い合わせる まとめ ここまで Domino の現状について、HCLSoftware 松浦様にお伺いしてきました。 最後に、前半のまとめと後半のトピックをご紹介します。 前半のまとめ Domino の現状 Domino は35年以上にわたり利用されている製品で、現在も市場は活況。 ユーザー数は多く、旧バージョンのまま利用されるケースも多い。 長期的に利用される理由は、高い開発生産性と安定性。 利用され続ける理由 Domino は情報系基幹システムとして必要十分な機能を備えている。 高い下位互換性と上位互換性があり、古いデータやアプリケーションが最新バージョンでも問題なく動作する。 旧バージョンの課題 特定バージョンを使い続ける「塩漬け運用」が多く、安定性を理由にアップグレードしないユーザーが多い。 古いままでもシステムが動作するため、アップグレードの動機になりにくい。 見た目の改良も費用対効果が低いとして、アップデートしないケースが多い。 Domino のバージョンアップと他社製品への移行 Domino は他社製品との共存が可能。 新バージョンは V14.5で、新たな機能が追加された。 DX領域での価値提供が、バージョンアップの理由となる可能性を秘めている。 次回予告 後半では、より具体的に新バージョン、互換性についてお届けします。 新バージョン V14.5 の機能はもちろん、今後のビジネス戦略も語って頂きました。 新バージョン V14.5 が刻む新たな一歩 生成AI を Domino の中に Domino と生成AI の統合「Domino IQ」 自社のベストプラクティスを得られる Domino による生成AI の活用方法 REST API による効率的なシステム間の連携 バージョンアップの鍵は互換性の安心感 移行チェックツールとその効果 新旧バージョンの互換性は移行チェックツールで担保する バージョンアップ vs 他社製品への移行 バージョンアップはしないが、移行もしない 結論!バージョンアップが最適解 今後の戦略 V14.5 は 描いたロードマップの答え合わせになるバージョン 兄弟製品に繋げる二段構えの展開 HCL 様からのメッセージ 過去にとらわれない新たな事例でアプローチ V14.x を避けて V12 にする意味はない (本ページは前半です[後半も公開中]) HCL Domino について問い合わせる このページを見ている人におすすめのページ 安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(後編) HCL Domino 製品紹介ページ Com-PASS Cloud|Domino Notes アプリのお預かりサービス .recommend-list{ margin-top: 0px; } ol.recommend-list li { color: #9b9b9b; } #recommend{ font-family: "Noto Sans Japanese"; font-size: 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