2021年08月

17

【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.1)

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの村上です。

本ブログは、IBM Power Virtual Server をトライしてみた内容や感想をご紹介するブログです。

シリーズ化していますので、まずインデックスのご紹介をします。

 

インデックス

IBM Power Virtual ServerでAIX環境を作ってみた
IBM Power Virtual ServerのAIX環境にSWを導入してみた 
IBM Power Virtual ServerのAIX環境を日本ロケールにしてみた 
IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.1) ←今回
IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.2)
IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud x86環境を接続してみた

今回は、AIX環境のバックアップ手順のご紹介です。
検証環境で2種類のバックアップ方法を試しましたので、Part.1(本ブログ)とPart.2に分けてご紹介いたします。

 

Power Virtual Server バックアップ方法

Power Virtual Server の AIX インスタンスでは、以下の4種類のバックアップ方法が推奨されています。
技術寄りな人が最初に読む_IBMCloud柔らか層本 を参照(情報は20210811版より抜粋)

取得方法 提供方法 取得対象
Image Capture IBM Cloud で提供される 任意のVolumeGroup
Flash Copy IBM Cloud で提供される 任意のVolumeGroup
mksysb / savevg AIX OS標準でサポートされる方式 任意のVolumeGroup
バックアップ・ソフトウェア利用 お客さまが別途ソフトウェアを購入 OS領域以外のデータ領域

上記の表の太字にしていない「mksysb / savevg」と「バックアップ・ソフトウェア利用」のバックアップ方法は、オンプレミス環境で頻繁に利用されているのでイメージが付きやすいと思います。
そのため、IBM Cloud の機能で提供されている「Image Capture」と「Flash Copy」のバックアップ方法を試すことにしました。

今回は 「AIX環境をバックアップしてみた Part.1」として、Image Capture によるバックアップ取得手順、そのバックアップデータを IBM Cloud Object Storage に保管する手順をご紹介します。

 

セクション

以下の1)~4)のセクションに分けてご紹介します。

1)  Image Capture の説明
2)  Image Capture によるバックアップ取得
3)  IBM Cloud Object Storage の準備
4)  IBM Cloud Object Storage への保管

準備工程にかかる時間は別として、2) の「 Image Capture によるバックアップ取得」は数十秒(バックアップ容量が20GB(USEDは13GB))、4) の「IBM Cloud Object Storage への保管」は約17分程度(圧縮後のデータ容量が6.6GB)でした。

検証はAIXのインスタンスで行いましたが、IBM i のインスタンスでも同等の手順で操作を行うことができます。

利用したクライアント端末(私のPC)は、Windows10 pro バージョン2004です。

 

1) Image Capture の説明

Image Capture  は Power Virtual Server の WEBインターフェース画面で簡単に実行することができます。

<Image Capture とは>

説明 ・IBM Cloud で提供され、LPARのOVAイメージ(※)が出力される
・OVAイメージを使って別のインスタンスのデプロイが可能となる
主な用途 ・移行
・複製(マスターイメージの管理)
・遠隔地保管
対象 rootvg を含む任意のボリューム
保管場所 ・Image Catalog
・IBM Cloud Object Storage
取得時の
LPAR停止有無
不要
※ ファイルの整合性担保のためにLPARを停止することが推奨される
制約事項
など
手順を検証した上でバックアップとしても運用可能
・サービス内の同時実行数は「1」
・合計のボリュームサイズは最大10TB
Flash Copy に比べると時間がかかる

(※) OVAイメージとは、Open Virtual Appliance の略で、仮想サーバの構成や状態を丸ごとデータとしてファイルに写し取ったデータ形式のことです。

本来、Image Capture は移行や複製を目的とするようなのですが、制約事項に記載した通り、手順を確立する必要はあるもののバックアップとして利用できそうです。

また、制約事項に「Flash Copy より時間はかかる」とありますが、AIXユーザは mksysb や savevg の長時間バックアップに慣れているので、Flash Copy のような高速バックアップに比べて時間がかかる、くらいなら問題ないと感じます。

 

2) Image Capture によるバックアップ取得

前置きの説明が長くなりましたが、ここからは実際のバックアップ取得の手順となります。

IBM Cloud にログインし、インスタンスの詳細画面を表示します。
(インスタンスの詳細画面の表示方法は以前のブログに記載しています
【やってみた】IBM Power Virtual Server のAIX環境にSWを導入してみた  )

・「サーバ詳細」の右上に表示されている「VMアクション」のプルダウンをクリックし、「取り込んでエクスポート」をクリックします。

「AIX72-test の取り込みおよびエクスポート」画面が表示されます。

・バックアップ対象ボリュームを選択します。
・エクスポート先は「イメージ・カタログ」を選択します。
・「カタログ・イメージ名」に任意の名前を入れます。「AIX72_CP」という名前にしました。
・「取り込んでエクスポート」をクリックします。この操作がバックアップ実行ボタンです。

 

バックアップが進行しているメッセージが出力されます。

上記のメッセージのように「completed」が表示されたらバックアップが完了です。
取得したバックアップデータを確認します。

・WEBインターフェース画面の左ペインの「ブート・イメージ」をクリックします。

・「ブートイメージ」のリストに、先ほどバックアップを取得した「AIX72_CP」がリストアップされていることを確認します。

※「AIX72_CP」の上に表示されている「7200-05-01」は、インスタンス「AIX72-test」作成時にできるイメージです。

 

以上で、簡単にバックアップが取得できました!

通常は数十分かかるようなバックアップが1分もかからずに実行できたので驚きました。
次のセクションでは、取得したバックアップを別の場所(IBM Cloud Object Storage)にエクスポートします。

 

3) IBM Cloud Object Storage の準備

2) で取得したバックアップをIBM Cloud Object Storageにエクスポートする前に、IBM Cloud Object Storage のサービスを作成する必要があります(IBM Cloud Object Storage は、これ以降、ICOS と記載します)。

バックアップをICOS上にエクスポートすることで、Power Virtual Server のサービスが削除された後もバックアップデータを残しておくことができます。

ICOS には無料のライトプランが以下の条件で提供されており、今回は以下の条件に当てはまるのでライトプランを利用します。

・1サービス、1ICOS
・最大25GBのストレージ容量
・最大20,000 GET 要求/月
・最大2,000 PUT 要求/月
・最大10GB/月 のデータの取得
・最大5GBのパブリック・アウトバウンドライト・プラン・サービスは、非アクティブで 30 日経過すると削除されます。

では、ICOSの環境を準備します。
(ICOSの準備は手順が少し長いですが、難しくないので ぜひお付き合いください)

・IBM Cloud のWEB画面右上の「カタログ」をクリックします。

・検索バーに「object」と入力し、一番上にリストされる「Object Storage」を選択します。

以下の様に、ICOS のサービス作成画面が表示されます。

・「リソースの構成」の「サービス名」の欄に任意のサービス名を記載します。今回は「COS-TEST」という名前にしました。

・ライトプランなので金額が無料であることを確認し「作成」をクリックします。

ICOS サービスが作成できると下記の画面が表示されます。

ICOSサービスは、以下の通り、リソース・リストで確認でき、「ストレージ」のプルダウン以下にリストされます。

次は、「COS-TEST」内にバケットを作成します。

・リソース・リストにリストされた「COS-TEST」をクリックします。
・「バケットを作成」をクリックします。

・「バケットのカスタマイズ」をクリックします。

「カスタム・バケット」の画面に移動します。

・「固有のバケット名」に任意の名称を入れます。今回は「cos-test-2021」としました。
・「回復力」は初期状態の「Regional」を選択したままとします。
・「ロケーション」は「jp-tok」を選択します。
・「ストレージ・クラス」は初期状態の「Smart Tier」を選択したままとします。

・その他の項目は初期状態のままとし、画面の一番下にスクロールして「バケットの作成」をクリックします。

バケットが作成できました。

このバケットにアクセス・ポリシーを設定します。

・上記の画面で「cos-test-2021」をクリックします。
・左ペインに表示される「アクセス・ポリシー」をクリックします。
・「ユーザを選択」のプルダウンから権限を付与するユーザを選択します。
・「このパケットの役割」は初期状態の「ライター」を選択します。
・「アクセス・ポリシーの作成」をクリックします。

アクセス・ポリシーの設定が完了すると以下が出力されます。

ICOSサービス資格情報を生成します。

・左ペインより「サービス資格情報」を選択し、「サービス資格情報」の画面上に表示される「新規資格情報」をクリックします。

「資格情報の作成」の画面となります。

・「HMAC資格情報を含める」を「オン」にします。
・内容を確認して「追加」をクリックします。

サービスの資格情報が生成されました。

・「cos_hmac_keys」の情報は、ICOSへバックアップデータをエクスポートする際に利用するのでコピペしておきます。

ICOSの準備が完了しました。
さて、次はバックアップイメージのエクスポート作業です。

 

4) IBM Cloud Object Storage への保管

2)で取得したバックアップイメージを、3) で作成したICOSのバケット内にエクスポートします。

・2)で取得したバックアップイメージを表示します。
・ブート・イメージ「AIX72_CP」の右側にある上矢印のマークをクリックします。これがエクスポートのボタンです。

「AIX72_CPを Cloud Object Storage にエクスポート」の画面が表示されます。

・「リージョン」は「jp-tok」を選択します。
・「バケット名」は3)で作成した「cos-test-2021」を入力します。
・「HMACアクセス鍵」には、3) の手順でコピーしたサービス資格情報を入力します。
・「HMAXシークレット・アクセス鍵」にも、3) の手順でコピーしたサービス資格情報を入力します。
・すべての内容を確認し「エクスポート」をクリックします。

エクスポートの進捗は、ポップアップで画面に表示されます(すぐにポップアップが消えてしまい画面ショットは取れませんでした・・)。

バックアップイメージのエクスポートが完了したら、以下のようにICOSの「オブジェクト」画面にオブジェクトが追加されます。

バックアップイメージのエクスポートが完了しました!

6.6GB のバックアップイメージがエクスポートされたことが分かります。
(OVAイメージは自動で圧縮されていました)
エクスポートは約17分程度で完了しました。約6.6MB/秒 の転送速度です。 ICOSはIBM Cloud の x86側のサービスを利用しているのもあり、転送速度はちょっと遅いですね。

転送速度を上げるためには、Aspera の利用を検討してみてもよいかもしれません(利用する際は別料金です)。

ICOSを初めて利用する際はICOSの準備に少し手間がかかりましたが、バックアップイメージのエクスポートはとても簡単でした!

 

次のブログでは、AIXインスタンスのバックアップ手順 Part.2をご紹介しています。
【やってみた】IBM Power Virtual Server のAIX環境をバックアップしてみた Part.2

 

最後に

実は、Power Virtual Server のバックアップの検証は2021年2月に完了していました。
本ブログを書くタイミングで、久しぶりにPower Virtual Server を触ってみると、ちょこちょこと仕様(画面の見え方など)が変わっていることに気づきまして、検証をやり直しました。

さすが、更新が頻繁に入っているPower Virtual Server ですね。
(情報発信は時間を置かずにすぐにやらないといけませんね!)

最新情報を逃さないよう、頻繁にチェックしていきたいと思います。

 

お問い合わせ

この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部

E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

 

その他の記事

2025年09月03日

レノボのファンレス常温水冷サーバーって?

公開日:2025-09-03 こんにちは。ソリューション企画部 柳澤です。 みなさま「水冷サーバー」と一言聞いて、何を思い浮かべますか? オフィスに置いてあるドリンク用ウォーターサーバーを思い浮かべる方もいらっしゃいますでしょうか? 弊社のお客様のみなさまはIT業界の皆様ですので、水冷サーバーというとサーバーを特殊な液体のタンクで冷やす「液浸」を思い浮かべる方も多いかと思います。 しかし、この液浸は、タンク設置場所の確保やサーバーを重ねられないといった課題があり、大規模な投資や、床面積の拡大を避けられませんでした。 そこで、液体をサーバー内部の管に通して冷却する「直接液冷」が近年注目されています。 今日のサーバーはかつてないほどの計算能力を要求されており、人工知能(AI)、機械学習(ML)、高性能コンピューティング(HPC)といったワークロードの台頭は、より強力なサーバーと、それに伴うより高度な冷却ソリューションの必要性を浮き彫りにしています。 この状況を受け、各メーカーは水冷サーバーに注力し始めており、今後のサーバー選択において冷却効率が新しい基準として加わることになりそうです。 本日ご紹介するレノボのファンレスの常温水冷サーバーは、革新的な水冷技術を搭載しており、その冷却効率が注目されています。 目次 レノボのファンレス常温水冷サーバーとは 水冷サーバーの導入を検討するお客様の例 関連情報 お問い合わせ レノボのファンレス常温水冷サーバーとは レノボの水冷は「直接液体冷却」技術を採用しています。これらのソリューションは、GPUやCPUのような発熱量の多いコンポーネントを直接冷却しています。 サーバートレイ、シャーシにはファンがない設計なので、とても静かなサーバーです。またファンがないことで電力消費量を削減することにも役立っています。 採用されている液体は99%の純水で、ほぼサラサラの液体となり、環境にもやさしい設計です。 また、この液体が常温から45度の温水でも排熱効果を発揮するので、液体を氷のように冷たくはしなくても効果を発揮する設計になっています。 主な製品と特徴 レノボの水冷サーバーのシリーズのLenovo Neptune™ は、HPC、ミッションクリティカルサーバーはもちろんのこと、従来のラック型サーバーに加え、エッジコンピューティングなどの筐体でも構成できる柔軟な構成オプションが準備されています。 そのためお客様の特定のニーズに合わせてカスタマイズや拡張ができます。 水冷サーバーの導入を検討するお客様の例 Lenovo Neptune™ は、以下のようなお客様にご利用いただくことで特に大きな価値を発揮します。 高性能コンピューティング(HPC):科学研究、シミュレーション、モデリングなど、膨大な計算能力を必要とするHPC環境では、水冷が不可欠です。 人工知能(AI)と機械学習(ML):AIトレーニングや推論は、GPUに大きな負荷をかけるため、効率的な冷却はパフォーマンスを維持するために重要です。 高密度データセンター :限られたスペースに多くのサーバーを詰め込む必要がある場合、水冷は高密度化を可能にします。 エネルギー効率の重視 :持続可能性と運用コストの削減を重視する企業にとって、水冷は魅力的な選択肢です。 エッジコンピューティング :コンパクトで効率的な冷却ソリューションが必要なエッジ環境でも、水冷の利点は大きいです。 どうでしょうか。レノボの水冷サーバーのイメージが変わりましたでしょうか。 ここまでざっと簡単にレノボの水冷サーバー製品をご紹介させていただきましたが、もっと詳しく知りたい、などのご興味ございましたら、ぜひ弊社へお問い合わせいただければと思います。 関連情報 Lenovo サーバー/ストレージ 製品(NI+C Pサイト) 【参加レポート】Lenovo TechDay @ Interop Tokyo 2025(NI+C Pサイト) 第6世代のLenovo Neptune液体冷却が AI 時代を牽引(Lenovoサイト) 【AI電力消費40%削減事例も】レノボの「直接水冷」Lenovo Neptune™(YouTube) お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年08月21日

【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました

公開日:2025-08-21 こんにちは。てくさぽブログメンバーの佐野です。 2025年7月17日に「watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ」第一回を開催しました。 2024年12月にもwatsonx Orchestrate(以下wxO)のハンズオンセミナーを開催しておりますが、6月にwxOの大幅なアップデートが入り使い方・作り方が大きく変更になったため、最新情報と基本的な使い方をいち早くお届けするべく企画・開催しました。 また、ハンズオンだけでなくワークショップの時間を設け、wxOがどのように使えるのかを参加者同士でディスカッションし、最後に各チーム毎に発表・共有をすることでwxOの理解を進めるとともに参加者同士のコミュニケーションを図りました。 本ブログではこのテクニカルワークショップについて簡単ですがご紹介します。 目次 watsonx Orchestrate概要 watsonx Orchestrateハンズオン ワークショップ まとめ お問い合わせ watsonx Orchestrate概要 旧wxOと比べて新wxOはAgentの開発方法が変わっています。画面が変わったのはもちろんのこと、エージェントで実行部分を示す用語も「Skill」から「Tool」へ変更となっています。他に大きく変わったのは以下の点になります。 新しく「Knowledge」機能が追加され、Agent内にファイルを添付することができ、簡易的なRAGの構成をNo-Codeで実現 Agent内で定義しているToolを呼び出す際に、LLMが自動でチャットに入力されたテキストから必要な情報を抜き出し、Toolへ渡す Agentから他のAgentを呼び出せる(wxO以外のAgentも呼び出せる)Multi-Agent Orchestration機能 「Behavior」に日本語で返答させたりAgentの挙動を定義 人事業務や購買業務、営業業務といった特定業務向けの事前定義Agentを提供 AgentやToolをPythonで実装するためのAgent Development Kit (ADK)および開発者向けのDeveloper Editionを提供 モニタリング機能でAgent処理履歴のトレース情報を参照可能 自社で開発したエージェントを提供する”Agent Connect”というAIエージェントのエコシステム上でマーケットプレイス環境 wxOの各エディション内の機能の変更と課金対象の変更 このように大きな機能追加や使い方の変更が入ったことをご紹介し、理解頂きました。 watsonx OrchestrateでAgentを作成する時の主な設定項目は以下のようなものがあります。 watsonx Orchestrateハンズオン 概要でお伝えしたように、用語も変わった上に画面も新しくなっています。 そのため、AI Agentを動作させるための以下の基本的な操作をハンズオンで体験頂きました。 wxO環境の説明や基本的な操作 Agentの新規作成 Toolの作成・利用 Knowledgeを利用した簡易的なRAG Agent Tool Builderを利用しFlowやCodeblockの作成 Agentから他のAgentを呼び出し これらのハンズオンはCodeblockを除きNo-CodeでWebブラウザ上の操作で実行できるため、プログラミングやシステム開発の知識・経験が無くてもAI Agentを動かすことができます。Codeblock機能はAgentの動作・処理順を定義する”Flow”の中でPythonを使ってデータを操作するための機能であり、簡易的なETLを実現するものです。 今回のハンズオンでは、サンプルとその手順をご用意したので、参加者の方々が一通りのことを体験頂くことができました。実際にハンズオンで体験頂いた内容のサンプルをいくつかご紹介します。 Agentのサンプル1:都市名からお天気情報を返答するAgent APIで他サービスを呼び出し、都市名を入力すると天気と気温を回答してくれます。 複数の都市名を入力し、表形式で回答してもらうこともできます。 Agentのサンプル2:簡易的なRAG Agent ファイルを添付し、そのファイルの内容から回答をしてくれる機能です。 ハンズオンではIBMの2024年度の年次レポートを添付し、その内容を元に財務パフォーマンスのサマリーを回答させました。 ファイルの該当箇所が参照できるので、根拠を確認できるのがよいところです。 ファイルは事前にAgentに添付しておくこともできますし、ユーザー自身がファイルを添付する使い方もできます。 ワークショップ 今回、ハンズオンだけでなくwxOを自社または自社のお客様がどのように利用すると効率化できるか?という観点でチームに分かれてワークショップを行いました。 1チーム4人の合計3チームに分かれてNI+C Pメンバーがファシリテートしながらアイディア出し・ディスカッションを行いました。 最後に各チームのディスカッション結果を発表いただき、「こんなことできたらいいな」というアイディアを全員で共有し合いました。 ワークショップで上がった意見の中からいくつかピックアップします。 市役所の窓口業務を実施するAI Agent チャットだけでなく音声対応もできる 個別業務を処理するTool/Agentと情報参照のRAGを併用してユーザーへの問い合わせへ回答 ブログを書いてくれるAI Agent 過去のブログを参考にして文体や言い回しを自分流に ドラフト書くAgent、推敲Agent、ファクトチェックAgentなど組み合わせ 薬局の在庫予測や自動発注にAI Agentを活用 まとめ 新しくなったwxOのハンズオンを1か月とちょっとで実施するというチャレンジングなワークショップでしたが、無事終えることができてホッとしています。 ご参加頂いた方々からのアンケートで「最新情報を知り、その環境で動作させられたのがよかった」とご意見を頂いており、準備した甲斐があったと嬉しく思っております。 wxOテクニカルワークショップの第二回も企画しておりますし、他の製品についても企画中ですので、この記事をご覧の皆様のお役に立てるよう、今後も企画・実現していきます。 「こんなことやって欲しい」というご意見ありましたら是非ご意見お願いいたします。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年08月04日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの高村です。 早速ですが、今年5月に開催されたIBMの年次イベント「Think2025」で、watsonx Orchestrateの新機能が発表されました!その中の一つとして、開発者向けの「Agent Development Kit(以下、ADK)」があります。今回はこのADKを活用し、watsonx Orchestrate環境への接続やエージェントの追加といった操作を行い、その使用感をご紹介します。  なお、watsonx Orchestrateについては、今年2月、3月に公開した「watsonx OrchestrateやってみたBLOG」でご紹介しておりますので、是非こちらもご一読ください。 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1) 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part2) 目次 はじめに ADKとは? ADK使ってみた さいごに お問い合わせ はじめに Think2025で発表された新機能は、6月に環境へ追加されました。それ以前の環境とは、メニュー構成や操作方法、機能名称に変更があります。 例えばこれまで「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」へと名称変更されています。 アップデート後の環境につきましては、別ブログにて改めて詳しくご紹介させていただく予定ですので、ぜひご期待ください! ADKとは? まずはADKについてご紹介します。ADKとは開発者向けにwatsonx OrchestrateのAgentやToolをスクラッチ開発するための開発キットになります。ローカル端末などに導入し、pythonベースで開発を行うことができます。 また、ADKとは別に、watsonx Orchestrate Developer Editionをローカル端末に導入することで、ADKで開発したAgentやToolのテストが可能になります。なお、watsonx Orchestrate Developer EditionはDockerコンテナ上で動作し、現時点のハードウェア要件はCPUは最小8コア、メモリは最小16GBが必要です。詳細はInstalling the watsonx Orchestrate Developer Editionをご確認ください。   ADKとwatsonx Orchestrate Developer Editionを利用することで、コードの迅速な作成・修正や柔軟なカスタマイズに加え、環境へのデプロイ前にローカルでテスト・修正が可能となり、作業効率の向上が期待できます。 ADK使ってみた 前述ではADKでAgent開発し、watsonx Orchestrate Developer Editionで動作確認、SaaS watsonx Orchestrateへインポートする構築の流れをお話しましたが、今回の検証における動作確認は検証環境として利用しているIBM Cloud 上のwatsonx Orchestrate利用します。よって前述したwatsonx Orchestrate Developer Editionは利用せず、ADKからwatsonx Orchestrate検証環境へAgentとToolを直接インポートし、動作確認を行いたいと思います。また、ADKのインストール先は自分の端末ではなく、IBM Cloud上に構築したUbuntuのVirtual Server Instance(以下、VSI)を使用します。検証環境の構成イメージは下記の図の通りです。 尚、ADKのインストール要件はPython 3.11以上、Pip、そして仮想環境(以下venv)が必要です。詳細については、Getting started with the ADKをご確認ください。 それでは早速使ってみましょう! VSIのプロビジョニング まずはADKをインストールするVSIをプロビジョニングします。本ブログではプロビジョニング方法について詳しく記載いたしませんが、手順は「【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud Object Storageを接続してみた(Part1)」のVSI for VPCの作成をご参考ください。 OSはUbuntu 22.04 LTS Jammy Jellyfish Minimal Install、リソースは2vCPU,4GB RAMで作成しました。VSI作成時にSSH鍵が必要なるので作成を忘れないようにしてください。 作成すると数分で起動します。端末からSSHログインするため浮動IPが必要になります。赤枠で囲った浮動IPを作成しインスタンスに紐づけします。以上でVSIの作成は完了です。 Ubuntuの設定 ターミナルを開きsshでUbuntuにログインします。私はWindowsのコマンドプロンプトを使用しました。Ubuntuユーザでログイン後、rootパスワードを設定し、スイッチできるようにします。 ubuntu@nicptestvsi:~$ sudo passwd root New password: Retype new password: passwd: password updated successfully ubuntu@nicptestvsi:~$ su - pythonのバージョンを確認したところ3.10.12でした。ADKの要件は3.11以上ですので、バージョンアップが必要になります。最初は3.13にバージョンアップしてみたのですが、後続作業と最新バージョンではパッケージが合わなかったのかうまく動かず…仕切り直して3.11を利用することにしました! root@nicptestvsi:~# apt install python3.11 バージョンアップ後、デフォルトバージョンとして3.11を指定します。 root@nicptestvsi:~# sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.10 1 sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.11 2 sudo update-alternatives --config python3 update-alternatives: using /usr/bin/python3.10 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode update-alternatives: using /usr/bin/python3.11 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode There are 2 choices for the alternative python3 (providing /usr/bin/python3).Selection Path Priority Status ------------------------------------------------------------ * 0 /usr/bin/python3.11 2 auto mode 1 /usr/bin/python3.10 1 manual mode 2 /usr/bin/python3.11 2 manual modePress <enter> to keep the current choice[*], or type selection number: 2 root@nicptestvsi:~# root@nicptestvsi:~# python3 --version Python 3.11.13 次に下記コマンドを実行して任意のvenvを作成します。 python3 -m venv /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest <環境のパスを指定 venvを活性化してログインします。下記コマンド結果のようにvenvに入れましたらUbuntuの設定は完了です。 root@nicptestvsi:~# source /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest/bin/activate (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# ADKのインストール 以下コマンドを実行してADKをインストールします。ADKは6月時点で1.5.1が最新バージョンです。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# pip install ibm-watsonx-orchestrate Collecting ibm-watsonx-orchestrate Downloading ibm_watsonx_orchestrate-1.5.1-py3-none-any.whl.metadata (1.4 kB) Collecting certifi>=2024.8.30 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading certifi-2025.6.15-py3-none-any.whl.metadata (2.4 kB) Collecting click<8.2.0,>=8.0.0 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading click-8.1.8-py3-none-any.whl.metadata (2.3 kB) Collecting docstring-parser<1.0,>=0.16 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading docstring_parser-0.16-py3-none-any.whl.metadata (3.0 kB) Collecting httpx<1.0.0,>=0.28.1 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading httpx-0.28.1-py3-none-any.whl.metadata (7.1 kB) ----中略---- (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate --version ADK Version: 1.5.1 ADKの環境設定 次にADKの環境設定を行います。watsonx OrchestrateのインスタンスIDが必要になるため、watsonx OrchestrateのSetting画面に入り確認します。下記画面をご参考にしてください。 環境設定コマンドはこちらになります。-nの後はvenv名を指定し、-uの後はインスタンスIDを指定します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env add -n <仮想環境名> -u <環境のインスタンスID> [INFO] - Environment 'my-name' has been created [INFO] - Existing environment with name 'nicpse' found. Would you like to update the environment 'nicpse'? (Y/n)y [INFO] - Environment 'nicpse' has been created 以下コマンドを実行して、IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateと認証設定をします。APIキーの取得方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」のAPIキーの取得をご確認ください。尚、リモート環境に対する認証は2時間ごとに期限切れになります。期限が切れた場合は再度認証する必要があります。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env activate nicpse --apikey <APIキー> [INFO] - Environment 'my-ibmcloud-saas-account' is now active [INFO] - Environment 'nicpse' is now active 下記コマンドを実行してCLIから利用できる環境のリストを表示します。IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateがactiveとなっていました! (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env list nicpse https://api.us-south.watson-orchestrate.cloud.ibm.com/instances/XXXXXXXX (active) local http://localhost:XXXX Toolとagentのインポート 次にToolとAgentのインポートを行います。ToolとはAgentがタスクを実行する際に利用する機能です。今回は、IBM様より共有いただいたyfinanceを活用したToolおよびAgentのコードを、ADKを用いてインポートします。なお、yfinanceはヤフーファイナンスから株価などの金融データを取得するためのPythonライブラリです。 最初にToolのインポートを行います。下記の様に、scpなどでToolファイルとrequirements.txtをディレクトリにアップロードしておきます。requirementsファイルは他のモジュールと依存関係がある場合使用します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# ls -l total 12 -rw-r--r-- 1 root root 0 Jun 24 04:42 __init__.py drwxr-xr-x 2 root root 4096 Jun 24 04:38 __pycache__ -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 8 Jun 24 03:02 requirements.txt -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 1778 Jun 24 02:46 yfinance_agent.py 下記コマンドを実行してToolファイルとrequirementsファイルをインポートします。企業情報を取得するstock_infoと株価を取得するstock_quoteの2つのToolがインポートされました。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate tools import -k python -f "./yfinance_agent.py" -r "./requirements.txt" [INFO] - Using requirement file: "./requirements.txt" [INFO] - Tool 'stock_info' imported successfully [INFO] - Tool 'stock_quote' imported successfully listコマンドを実行するとインポートされたToolを確認できます。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:# orchestrate tools list ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┳ ┃ Name ┃ Description ┃ Permission ┃ Type ┃ Toolkit ┃ App ID ┃ ┡━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━╇ │───────────┼────────────┼── │ send_mail_brevo │ send a meil using Brevo. │ write_only │ python │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_quote │ 企業のTickerSymbolを用いて株価… │ read_only │ python │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ Untitled_6160RC │ No description │ read_only │ openapi │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_info │ 企業のTickerSymbolを用いて企業… │ read_only │ python │ │ │ └─────────────────────────────────┴──── 次にAgentをインポートします。下記コマンドを実行します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate agents import -f ./yfinance_agent.yaml agent listコマンドでインポート済みのAgentを確認できました。Agentが使用するToolも表示されています。 (your-venv-adktest) # orchestrate agents list ┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━ ┃ Name ┃ Description ┃ LLM ┃ Style ┃ Collaborators ┃ Tools ┃ Knowledge Base ┃  ┡━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━ │ yfinance_age… │ 企業の会社情… │ watsonx/meta- │ react │ │ stock_info, │ │ │ │ │ llama/llama-3 │ │ │ stock_quote │ │ ││ │ │ -2-90b-vision ││ │ -instruct │ │  IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで動作確認 インポートしたAgentとToolをIBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで確認します。 watsonx Orchestrateへログインし、BuildからAgent Builderを選択します。 yfinanceエージェントが表示されているので、クリックします。 クリックすると、Agent作成画面に入ります。UIから基盤モデルを変更したり、Agentの振る舞いなど変更することができます。 スクロールして、Toolsetを確認するとADKからインポートしたToolが登録されています。 右のPreviewからAgentの動きを確認することができます。今回はDeployせずPreviewで確認します。入力欄には「IBMの株価は?」と質問してみます。しばらくすると本日の株価が回答されました。Show Reasoningを開くと推論過程を確認することができます。株価を取得するTool「stock_quote」を使用し、AIがユーザの入力から自動的にTicker symbolを入力していることがわかります。 次に「IBMの企業情報」と質問をします。しばらくするとAIがユーザの入力からTicker symbolを入力し、Tool「stock_info」を利用して企業情報を取得、回答されました。ユーザの入力内容からAgentが使用するToolを選択し、実行していることがわかります。   さいごに ADKのご紹介とADKを使ってToolとAgentのインポートを行いました。 ADKのインストールおよび設定について、Pythonバージョンの設定やvenvの作成でつまずく部分はありましたが、venvが作成できればその後の設定はスムーズに進められました。 今回はVSI上のUbuntuサーバにADKをインストールしましたが、ご自身の端末に導入することで、より気軽にAgent開発を行えるかと思います。なお、今回は検証対象外でしたが、watsonx Orchestrate Developer Editionを利用する場合は、インストール要件としてやや高めのスペックが必要になる点にご注意ください。 検証時のADKのバージョンは1.5.1でしたが、7月末では1.8.0が最新バージョンとなっています。比較的頻繁にアップデートされますので適宜Release Notesをご確認ください。バージョンアップでコマンドオプションも変更される場合があるため、マニュアルを確認するかコマンドに`--help`を付与してパラメータを確認することをおすすめします。   お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; }

back to top