2021年05月

20

【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerでAIX環境を作ってみた

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの村上です。

本ブログは、IBM Power Virtual Server をトライしてみた手順や感想をご紹介するブログです。

IBM Power Virtual Serverの 正式名称は、
IBM Power Virtual Server on IBM Cloud です。
(※2021/7 追記:正式名称に変更があり「on IBM Cloud」の部分が削除されました)
一般的には、PowerVS や Virtual Server と略されているようなのですが、似たような略称が他にもあって混同してしまいそうです・・。
そのため、本ブログではあまり略さずに、Power Virtual Server と記載します。

 

これから何回かに分けて ブログをアップしていきますので、まずインデックスのご紹介です。

インデックス

・IBM Power Virtual ServerでAIX環境を作ってみた ← 本ページ
IBM Power Virtual ServerのAIX環境にSWを導入してみた
IBM Power Virtual ServerのAIX環境を日本ロケールにしてみた
IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.1)
IBM Power Virtual ServerのAIX環境をバックアップしてみた(Part.2)
IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud x86環境を接続してみた

 

構築手順をご紹介する前に、Power Virtual Server を簡単にご説明します。

Power Virtual Server とは?

Power Virtual Server とは、IBM が提供するビジネス向けのクラウド 「IBM Cloud」とともに利用する、IBM の Power Systems を基盤として稼働しているLPAR環境です。

2021年5月現在、IBM Cloud には350個ものサービスがあるそうです。
以下に、 IBM Cloud と Power Virtual Server の歴史を簡単に纏めてみました。

2012年 IBMが買収したIaaS専門クラウド SoftLayer にてIaaSサービスを提供開始
2016年 SoftLayer に PaaS や SaaS のクラウドサービスを統合し、名称をBluemix に変更
2017年 Bluemix にAIの Watson が加わり、IBM Cloud としてブランド統合
2019年 Power Systems を基盤としたLPARサービス Power Virtual Server の提供開始
2020年 11月。東京データセンターにて 日本初、Power Virtual Server オープン

IBM Cloud は、ここ10年も経たない間に、SoftLayer から Bluemix に。そして IBM Cloud と着々とパワーアップしています。
同様に、Power Virtual Server も新しい機能がどんどん追加されています。近い将来で、また大きな変化があるかもしれませんね。

 

それでは、本題に戻ります。
本ページでは、Power Virtual Server のAIX環境を作成するまでの手順を以下の2つのセクションに分けてご紹介します。

1)  Power Virtual Server サービスの作成
2)  AIXインスタンス 作成

利用したクライアント端末(私のPC)は、Windwos10 バージョン2004 です。

ちなみに、私は若かりし頃、基盤SEを数年間やっていましたが、遥か遠い昔のような気がする(本当に遠い昔)・・というくらいのSEスキルです。

 

1)  Power Virtual Server サービスの作成

まずPower Virtual Server のサービスの作成から取り掛かります。サービスの作成は無償です。

IBM Cloud へログインします。IBM Cloud の ID をお持ちでない方は新規登録が必要です。

Blackの背景にWhite文字、IBMっぽいですね。

・ログイン後、画面のバーにある「カタログ」をクリックします。

・カタログの画面で Power Virtual Server を選択します。検索バーに「Power」と入力すると「Power Virtual Server」が一番先頭に出てきますので「Power Virtual Server 」を選択します。

自動でサービスの作成画面に変わります。

・Power Virtual Server で利用する「ロケーション」として「東京04(tok04)」を選択します。

2021年5月現在、Power Virtual Server は13か所のロケーションから選択できます。
私の自宅(テレワーク中です)は東京なので、一番近いロケーション「東京04(tok04)」を選択してみました。
ちなみに、日本には東京以外で大阪にもロケーションがあります。大阪は「Osaka21(osa21) 」として2021年3月にオープンしました。

・ロケーションの選択ができたら、画面右側の「サマリー」を確認し「作成」をクリックしてサービスを作成します。

     

以下のメッセージが出力されますが、まだサービスの作成は完了していません。

画面は「リソース・リスト」に自動で変わり、数分待つとリソース・リストの「Services」の欄に「Power Virtual Server 」が追加されました。

サービスの「状況」が「アクティブ」になったら、いよいよ「インスタンス作成」に移ることができます。

アクティブになったサービスの「名前」の部分はリンク付きになっているのでクリックし、次の作業「AIXインスタンス作成」に進みます。

 

<参考情報>
「Power Virtual Server サービス」はリージョン(地理環境)毎に作成し、「Power Virtual Server サービス」の中に「Power Virtual Server インスタンス」を作ります。
「インスタンス」とは 「LPAR(区画)」のことです。Power Virtual Server のサービス内には、複数の インスタンス(AIX/IBM i/LinuxどれでもOK)を作成することができます。
異なるリージョンにインスタンスを作成したい場合は、別の Power Virtual Server サービスを作成する必要があります。

 

2)  AIXインスタンス作成

「1) Power Virtual Server サービスの作成」でできた Power Virtual Server のサービス内にAIXインスタンスを作成します。

・「インスタンスの作成」をクリックします。

・「インスタンス名」に任意のインスタンス名を入力します。インスタンス名は「AIX72-test」にしました。作成するインスタンスは1つなので「インスタンスの数」が「1」になっていることを確認します。

VMピン(IBMサイト)」は「オフ」のままでOKです。
VMピンは、IBM i の場合はオンにするか検討しますが、AIXではシリアルナンバー固定のソフトウェアは滅多にないので(今まで出会ったことがありません)、気にしなくて良さそうです。

・SSH鍵の設定を行うため、「SSH鍵の作成」をクリックします。

・Windows標準搭載の「コマンドプロンプト」をPC上で立ち上げ、「ssh-keygen」コマンドを利用してSSHの秘密鍵と公開鍵を作成します。
※Windwos10の1803バージョンからsshクライアントが組み込まれ、特に設定を行わなくてもすぐsshを利用できるようになったようです。便利になりましたー。

# ssh-keygen -t rsa -b 4096

・SSH秘密鍵「id_rsa」と公開鍵「id_rsa.pub」が作成できたことを、PC上で確認します。

・「type」コマンドでSSH公開鍵の中身を表示し、公開鍵の文字列をコピーします。

# type . shh\id_rsa.pub

AIXインスタンス作成のWEB画面に戻ります。

・「鍵名」に任意のSSH鍵名を入力し(「my_ssh_pub」としました)、「公開鍵」には先ほどコピーした公開鍵の文字列をペーストします。
・「SSH鍵の追加」をクリックします。

SSH鍵の追加ができたら、インスタンス設定WEB画面に戻ります。

・先ほど追加したSSH鍵「my_ssh_pub」が「SSH鍵(オプション)」リストに追加されたので選択し「SSH鍵の作成」をクリックします。

以下のコメントが出力され、SSH鍵が正常に作成されました。

「ブート・イメージ」を選択します。

・「オペレーティング・システム」は「AIX」を選択します。
・「イメージ」は最新の「7200-05-01」を選択します。
・「層」は「層3」を選択します。

「層」はストレージのタイプのことです。
層1:Tier 1 (NVMe-based flash storage)
層3:Tier 3 (SSD flash storage)                        で提供されています。
価格は、層1>層3 です。今回の検証ではディスク性能を求めませんので層3を選択しました。
Tier1とTier3は同一インスタンス内で同時に利用することはできず、インスタンス作成後にTierタイプを変更することはできません。インスタンス作成時の「層(Tier)」の選択は重要ですね。

「プロファイル」の設定画面です。

・「マシンタイプ」は「S922」を選択します。
・「プロセッサー」は3種類のタイプから選択できます。「上限なし共有」を選択します。

「マシンタイプ」は東京では「E980」or「S922」が選択可能です。同じリソースを選択した場合の価格は、E980>S922となります。S922は14コアまで利用できるので、余程の大きな環境でない限り、S922で良さそうです。ただし、IBM i の場合、S922 は 1LPAR 4core までです。

・「コア」は「0.5」core、「メモリ」は「4」GBとします。
今回のデモ環境構築としてのリソースはこれくらいあれば足りるかな・・と仮置きで決めました。

コアとメモリーはインスタンス作成後、柔軟に変更できます。

「ストレージ・ボリューム」の選択画面です。

・「新規ストレージ・ボリューム」をクリックします。

AIXでは初期で20GBがrootvgに割り当てられており、ストレージを追加しなくてもインスタンスは作成できますが、後でソフトウェアを導入したいので、インスタンス作成段階で10GBを追加してみました。
ストレージ・ボリュームはインスタンス作成後でも追加できます。

・「名前」に任意の名前「stg01」を入力します
・「サイズ」は「10GB」で、「数量」は「1」とします
・「作成して接続」をクリックします。

・作成した「stg01」がリストアップされます。

 

「ネットワーク・インターフェース」の選択画面です。

・「パブリック・ネットワーク」を「オン」にします。

既存のプライベート・ネットワークは持っていませんので、インターネット回線を利用したパブリック・ネットワークで検証を行います。

これでインスタンス作成前の全ての選択が完了しました。

・「使用条件に同意する」に「✓」を入れ「インスタンスの作成」をクリックします。
※このボタンをクリックすると課金が発生します。

さすがIBM!ストレージの料金が安いですね。

「インスタンスの作成」をクリックした後は自動で「リソース・リスト」の画面に戻ります。

暫く反応がなくてドキドキしますが、3~5分後にメッセージが出力され始めます。

インスタンスの「状況」が「ビルド」→「警告」→「アクティブ」に変わり、「アクティブ」になったらインスタンスの作成が完了です。

・「名前」の「AIX72_test」の項目がリンクになっているのでクリックし、作成したインスタンスの「詳細」を確認します。

これで、AIXインスタンスの作成は完了です!

 

続きは、
【やってみた】IBM Power Virtual Server のAIX環境にSWを導入してみた
でご紹介しています。

<続きの内容>
③ AIXインスタンス 接続
④ ストレージ・ボリュームの反映
⑤ ソフトウェア導入

 

最後に

ここまでの作業は(SE歴が遠い昔)の私にも楽勝でした。
インスタンスが数分で作成できるのは、ちょっとした感動です。

今回の検証は、IBM Partner Package (IBMサイト)で提供されている IBM Cloud クレジットを利用しました。
定められているクレジット内(料金枠内)で Power Virtual Server のみではなく、IBM Cloud の様々なサービスを自由に使うことができます。

自分のIBM ID で Partner Package を利用する際は、企業とIBM IDの紐づけが必要になります。
手順が分からない、という方はご相談ください。

 

お問い合わせ

この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部

E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
 
 


参考情報

 

その他の記事

2026年02月18日

【開催レポート】IBM様主催 Bobathon in Tokyo - IBM Bobで何が生まれた?

公開日:2026-02-18 2月12日、日本IBM様 箱崎オフィスにて、弊社(NI+C Partners)のパートナー様を対象としたハッカソン「Bobathon(ボバソン)」を開催しました。 Bobathonでは、次世代AIエージェント型開発支援ツールである「IBM Bob」を活用。 USより来日したIBM Bobの開発責任者や、GlobalのTechリーダーをファシリテーターに、 Early Access版(早期アクセス版)のBobを使い倒す、非常に濃密で実践的なワークショップとなりました。 目次 イベント概要 IBM Bobで形にした驚きの活用アイデア パートナー様からのリアルな声 今後の展望とアクション お問い合わせ イベント概要 参加: 7社 17名 目的: IBM Bobを用いた自社利用の具体化、およびお客様への提案アイデアの磨き込み 手法: IBM Bobの実機を使用し、テーマに沿った実践的なプロトタイピングを実施 IBM Bobで形にした驚きの活用アイデア 各社チームに分かれ、Bobを操作しながら導き出された活用案は、どれも現場の課題に即した非常に具体的なものでした。 業務自動化: 紙の社内申請のデジタル化、RFP回答の自動補助、プロジェクトメンバーの最適アサイン 開発・モダナイズ: レガシーRPGコードの解析・モダナイズ支援、ETL構成の自動確認・移行 戦略・分析: 食品ロス防止の在庫分析、特許情報の収集・解析による知財戦略の高度化 スピード開発: キャンペーンサイトの短期間構築・運用 パートナー様からのリアルな声 実際にIBM Bobを触り、他社の活用法を目の当たりにした皆様からは、驚きと期待の声を多数いただきました。 他のパートナー様のアウトプットを見て、業務活用のイメージがぐんと広がりました 自分の中にはなかったアイデアに触れ、非常に刺激になりました 「ついに開発もここまで来たか!」と驚きました。実機を触ることで、想像以上に参考になるイベントでした 立場や業務によって、Bobの用途が無限に広がることを実感できました 今後の展望とアクション 今後は、検討いただいた内容をクライアントゼロとしてご活用いただくこと、および、実案件への提案展開を全力でご支援してまいります。 また、弊社は今後も、IBM様と協業し継続的な「Bobathon」の開催を予定しています。 IBM Bobの社内評価・PoC・導入ご支援 お客様への提案同行のご依頼 これらに関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 最後になりますが、ご参加いただいたパートナーの皆様、そして素晴らしいファシリテーションをいただいたIBMの皆様、本当にありがとうございました! お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2026年02月06日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateでAIエージェント開発してみた(Part2)

公開日:2026-02-06 こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 前回の記事「【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateでAIエージェント開発してみた(Part1)」では、昨年6月のアップデート後のwatsonx OrchestrateのUIを用いてサンプルエージェントを開発し、Salesforceから顧客情報および在庫情報を取得するところまでをご紹介しました。 Part2(本記事)では、生成AIツールとメールツールを使ったメールの作成・送信を実装し、AIエージェントの動作確認をデモ動画でご紹介いたします。 目次 サンプルエージェントのシナリオ サンプルエージェントの開発 さいごに お問い合わせ サンプルエージェントのシナリオ Part2の内容に入る前に、サンプルエージェントのシナリオをあらためてご紹介します。 サンプルエージェントのシナリオは、企画担当者が在庫商品を参照し、在庫情報に基づいて顧客へキャンペーンメールを送信する作業を想定しています。通常は担当者がデータベースで在庫を目視確認して対象商品を選定し、SFAで送信対象者を抽出、メール文面を作成してメールツールで送信するなど、複数システムをまたいで人手で作業するため、煩雑で時間と労力を要します。 watsonx Orchestrateを導入すれば、AIエージェントが在庫・顧客情報を取得し、在庫の多い商品のキャンペーン文面を生成、メールの作成・送信までを一気通貫で実行します。これにより、担当者の作業負荷軽減とリードタイム短縮、ミスの削減が期待できます。 Part1では、AIエージェントが「Salesforceからの顧客情報取得」と「在庫情報の取得」を実行するところまでをご紹介しました。Part2では、図のピンクで囲った部分である「生成AIによるキャンペーンメールのドラフト作成」と「メールツールによる送信」を開発します。最後に、Part1で作成した機能を含め、全体を通したAIエージェントのデモ動画をご紹介します。 サンプルエージェントの開発 生成AIプロンプトとメール作成・送信をAgentic workflowで実装する それでは、Part1の続きとしてエージェント開発を進めます。ここでは、Agentic workflow機能を使用します。 Agentic workflowとは複数ツールの組み合わせや生成AIプロンプト処理、ユーザからの入出力フォームなどフロー形式でカスタムツールとして作成することができます。今回は生成AIプロンプトを使用して商品のキャンペンーンメールを作成し、メールツールからメール作成・送信を行うフローを作成します。 watsonx Orchestrateにログインして、メニューバーのBuildからPart1で作成したSales agentをクリックして開きます。 エージェント開発画面が開きます。2026年1月のアップデートによりエージェントが使用するモデルのデフォルトがGPT-OSS 120B-OpenAI(via Groq)になりました。llama-3-2-90b-vision-instruct、llama-3-405b-instructは2026年3月末に withdrawalとなります。 Toolsetまでスクロールし、Add tool +をクリックします。 以下画面が表示されるのでAgentic workflowをクリックします。 任意のworkflow名を入力してStart buildingをクリックします。 下記の画面が表示されます。左のボックスには追加可能なアクティビティとツールの一覧が表示されます。画面中央のフロー図にツール、アクティビティを構成します。 左上にあるEdit detailsをクリックします。 Parametersタブをクリックし、フローのインプットとアウトプットの型を定義します。今回はstringでName,Descriptionは画面の様に設定しました。設定したらDoneをクリックします。 下記画面に戻るので、左のボックスにあるGenerative promptをクリックしてフロー図の中央に追加します。 プロプト設定画面が表示されます。左のプロンプトへのインプットではユーザが指定する商品名(テキスト)を変数として設定します。右のシステムプロンプトでは全体の会話の方針やトーンを入力し、ユーザプロンプトでは具体的な指示を指定します。また、プロンプトで使用するLLMはリストから選択でき、ここでは「llama-3-3-70b-instruct」を指定しています。 Add exampleタブでは例を追加することができます。以下の通り二つ例を追加しました。 Adjust LLM settingsタブでは最大/最小トークン数などを設定することができます。 Generate Previewをクリックすると、生成結果を確認できます。確認後は右上の×を押して保存します。これで、ユーザー指定のテキストからキャンペーンメールを生成するプロンプトが完成しました。 次に、ユーザーにキャンペーンメールの内容を確認してもらえるよう表示を構成します。左のボックスからUser activityを選び、Generative promptの下に挿入します。 Add +をクリックし、Collect from userからFormをクリックします。今回はFormを利用しますが、このほかにも日付やファイルアップロードなどのアクティビティを構成することができます。 左上の鉛筆マークをクリックして任意のアクティビティ名に変更します。次にAdd field + からCollect from userを選択し、Textをクリックします。 Requiredをオンにし、Input typeはMulti lineを選択します。さらに、BehaviorのInitial valueを有効化し、値にGenerative promptの出力変数を指定します。 左の「mail body」ボックスを選択し、ユーザー向けのインストラクションを設定します。Instructionsをオンにして、下記のガイドを入力し、Cancel buttonもオンにします。設定後は右上の×をクリックして保存します。 フロー図が下記画面の様に表示されます。 次に、件名をユーザーに入力してもらうフォームを作成します。下記の画面のように、User activity1の下にもう一つUser activityを挿入します。 Add +をクリックし、Collect from userからFormをクリックします。下記画面が表示されるので任意のフォーム名を入力し、Add field + からCollect from userを選択し、Textをクリックします。 任意のLabel名を入力し、Requiredをオン、Input typeはSingle lineを選択します。 左の「mail subject」ボックスを選択し、ユーザー向けインストラクションを設定します。Instructionsをオンにして下記のガイドを入力し、Cancel buttonもオンにします。設定後は右上の×をクリックして保存します。 フロー図は下記の画面のとおりです。 最後にメールを送信するためのツールを追加します。今回は、カスタム作成した Brevoを用いたメール送信ツールを使用します。User activity2の下に左ボックスのToolタブからsend_mail_brevoのツール挿入します。 追加したsend_mail_brevoノードをクリックしてInputsを設定します。contentはUser activity1の出力変数、subjectはUser activity2の出力変数を指定します。to_addressはAuto-map設定にして右上の✖をクリックして保存します。 下記の画面の様にフローが作成できました!Doneをクリックしてワークフローを保存します。 Agent builder画面に戻り、Toolsetまでスクロールすると作成したAgentic workflowが追加されています。以上でAgentic workflowの作成は完了です。 Behaviorを設定する Behaviorまでスクロールします。InstructionsにPart1作成したSalesforceのツール、Knowledge、本記事で作成したAgentic workflowをエージェントがどのように利用するか定義します。エージェントの役割と動作の流れを定義し、プレビューで挙動を確認しながら内容を繰り返し修正しました。 サンプルエージェントを使ってみる それでは、作成したエージェントを使ってみます!エージェントの動きは下記動画をご覧ください。 動画では、キャンペーンメールを送付する対象顧客情報をSalesforceから取得し、コンタクトリストを確認。その後、商品の在庫状況を参照して在庫の多い商品に合わせたキャンペーンメールを作成し、送信します。 動画の長さの関係上、二本に分けて紹介します。 1本目:Salesforceから顧客情報を取得し、コンタクトリストを確認 2本目:在庫情報を確認のうえ、在庫の多い商品のキャンペーンメールを作成・送信 2本目の動画がPart2で開発した内容になります。商品と顧客名を指定すると、AIが商品情報をもとにキャンペーンメールを生成し、顧客名に紐づくメールアドレスを自動入力して送信できます。Agentic Workflowで追加したUser Activityを使うことで、生成したメール本文の確認・修正・追記が可能です。このように、定型の流れや承認プロセスが必要な場合は、フロー化することでより確実に処理を実行できます。 さいごに Part1・Part2の2回にわたってサンプルエージェントの開発をご紹介しました。2025年6月のアップデートでUIや機能が刷新され、当初は戸惑いもありましたが、ご覧のとおりAIが自動で入力や抽出を行うため、よりエージェンティックに動作するエージェントを開発できます。 今回最も苦労したのは、Behaviorの調整です。わずかな文言の違いで動作が変わるため、確認と修正を繰り返してチューニングしました。今回のように1つのエージェントに複数ツールを組み込む場合は、Behavior設定が複雑化します。回避策として、機能ごとにエージェントを分割し、親エージェントから呼び出す構成も可能ですのでご検討ください。 事前定義ツールとしてはSalesforceのツールを2つ利用しました。要件に合うツールがあれば、認証情報を設定するだけですぐに利用できます。ただし多くのツールは基本機能が中心となるため、より細かな動作が必要であればカスタムツールを開発してご利用いただく必要があります。カスタムツール開発にはこちらの「【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた」でご紹介したADKという開発ツールキットが提供されていますので、是非ご活用ください。 また、コード開発に心強い味方がございます。「【てくさぽBLOG】IBM Bobで市民開発に挑戦」でご紹介したIBM Bobはwatsonx Orchestrateのツール、エージェントのコード作成やSaaS環境へのインポートなどを支援してくれます。注目度も高いと思いますので、こちらは改めて別の機会にご紹介できればと思います。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2026年01月22日

【てくさぽBLOG】IBM Bobで市民開発に挑戦

公開日:2026-01-22 こんにちは。てくさぽBLOGメンバー村上です。 2026年も、気づけばもう1月が駆け抜けていきそうですね。 さて今回は「IBM Bob」検証シリーズPart2をお届けします(Part1 はこちら)。 前回はBobの主要機能のひとつである「Explain機能(コード解析)」をご紹介しました。 今回はコード生成を行う機能「Generate機能」に注目し、アプリケーションの開発に挑戦した内容をお届けします。 目次 はじめに IBM Bob のGenerate機能で市民開発を試してみた Generate機能の他社製品との比較 さいごに お問い合わせ はじめに 現在、私たちのチームではIBM BobのPreview版(Early Access版)を利用し、Generate機能によってBobがどんなコード生成ができるのか、どこまでの領域をカバーできるのか、そして実際の業務がどれほど効率化されるのか、その実力と効果を検証しています。 これまでに実施したGenerate機能の検証例 ・IBM Bobでwatsonx Orchestrate(wxO)のAIエージェントを作成 ・Bobで生成したマークダウン形式のファイルをExcelへ出力するツールの作成 ・チーム内で利用している勤怠確認用のスプレッドシートを操作性の高い「出退勤管理アプリ」にする開発 今回はこの中から、他社製品との比較が行いやすく、IBM Bob ならではの特徴をより分かりやすく伝えられると考えた「出退勤管理アプリ」に焦点を当ててご紹介します。 IBM Bob がどこまで意図通りの開発ができるか、また、他製品と比較した内容も合わせてお届けします。 IBM Bob のGenerate機能で市民開発を試してみた 「出退勤管理アプリ」作成の過程や成果としてご紹介する内容は下記です。 プロンプトの強化:曖昧な指示を具体的に補完 チャットモードを利用した対話型開発 完成した成果物の紹介 プロンプトの強化による成果物の比較 1. プロンプトの強化:曖昧な指示を具体的に補完 まず、「出退勤管理アプリ」の完成イメージをBobに伝えます。 Bobのチャット画面に、下記のように要件を箇条書きで記載し、要件を書き終わったら「プロンプト強化機能(Enhance Prompt)」ボタンを押下しプロンプトを強化しました(プロンプトの強化についてはPart1のブログでも記載しています)。 上記のプロンプトが下記のプロンプトに強化されました。 チーム向け勤怠管理Webアプリケーションを以下の仕様で開発してください。   【基本機能】 メンバー全員が互いの勤怠状況を閲覧可能なチーム勤怠管理システムを構築します。 各メンバーは個人アカウントでログインし、自分の勤怠データのみ編集権限を持ち、他メンバーのデータは閲覧のみ可能とします。 【画面構成】 1. 当日勤怠一覧画面:本日の全メンバーの勤怠状況を一画面で一覧表示し、各メンバーの勤務場所、勤怠種別、勤務開始・終了時刻、備考を即座に把握できるダッシュボード形式とします 2. 個人別勤怠カレンダー画面:メンバーごとに過去の勤怠実績と未来の勤怠予定を時系列で確認・管理できるページを用意し、日付範囲を指定して表示できるようにします 【勤怠データ入力機能】 実績入力:毎日の勤務開始時と勤務終了時に手動で時刻を入力する機能を実装します。入力フォームはシンプルで素早く操作できるUIとします 予定入力:複数日分の勤怠予定を一括登録できる機能を実装し、登録後もいつでも個別または一括で変更・削除が可能とします 【勤務場所の選択肢】 - テレワーク - 聖路加オフィス - 外出 - その他 各勤怠記録に対してドロップダウンまたはラジオボタンで選択できるようにします 【勤怠種別の選択肢】 - 休(終日休暇) - AM休(午前休) - PM休(午後休) - 時間休 - FLEX(フレックス勤務) 勤務場所と同様に選択式で入力できるようにします 【備考欄】 各勤怠記録に自由記述可能な備考欄を設け、特記事項や補足情報を入力できるようにします 【認証・権限管理】 初期メンバー5名分のアカウントを作成し、各メンバーは個人名でログインします。 パスワード設定機能を実装し、初回ログイン時または設定画面から任意のパスワードに変更可能とします。編集権限は自分の勤怠データに限定し、他メンバーのデータは読み取り専用とします 【技術要件】 レスポンシブデザインでPCとモバイル端末の両方で快適に操作できるようにし、 データの永続化にはデータベースを使用してください。モダンなWebフレームワークを使用し、保守性と拡張性の高いコード構造で実装してください 「プロンプト強化機能」を利用することで、説明が不足している部分をBobが具体的に補完し、精度の高いプロンプトへとブラッシュアップしてくれます。 これにより、要件の意図を正しく反映させるための具体的な指示が整いました。 補足ですが、私は拡張機能として「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」を導入し、IDEを日本語化して利用しています。 (拡張機能の適用方法はPart1のブログにしています) 2. チャットモードを利用した対話型開発 次に、IBM Bob のチャットモードを試してみました。今回利用したのは「Planモード」です。 Planモードを選択した理由は、まずBobが計画立案をしてくれ、その計画を人間側が理解・承認してから開発を進められると思ったためです。 Planモードを利用して先ほど強化したプロンプトをチャット画面から流すと、Bobが下記のように指示が漏れている部分を確認してくれました。 技術スタックの確認: このWebアプリケーションの技術スタックについて、どのような構成を希望されますか? 詳細な設定確認: 初期メンバー5名の名前を教えてください。ログイン時に使用するユーザー名として設定します。 このように、Bobが具体的な選択肢やデータの入力を促してくれるため、抜け漏れのない状態で計画を立て、実装へと進めることができます。 全ての要件が明確になると、Todoリストが作成されました。 このTodoリストを承認した後は、Bobがリストを上から順番に自動で進めてくれます。 プログラムを作成する工程まで行くと「Codeモードに切り替えます」と宣言があり、チャットモードがPlanモードからCodeモードに自動で切り替わり、実装フェーズへ移行しました。 この流れは非常にスムーズで、Bob の優秀さに感心しました。 ちなみに、私のPCにはNode.jsがインストールされていなかったのですが ・Node.jsのダウンロード、インストール方法 ・コマンド実行がうまくいかなかったときのトラブル対応 は、全てBobが教えてくれました。 教えてもらう相手が人間だと、ある程度調べてから聞かないと迷惑だよなぁ・・と思ってしまうような疑問でも、Bobになら遠慮せず聞くことができるので、スピードを落とさずに作業を進めることができました。 3. 完成した成果物の紹介 こうしたプロセスを経て完成した「出退勤管理アプリ」がこちらです。 市民開発への挑戦を決めた当初は、「どのような指示を出せばいいのか」と少し身構えていました。しかし、実際には細かな指示に悩む必要はなく、Bobがプロンプト強化機能やチャットモードを通じて、使い勝手の良いアプリケーションを自律的に構築してくれました。 完成した「出退勤管理アプリ」には、ユーザー別のログイン機能だけでなく、パスワード変更やチームメンバーが各自のPCからアクセスできる外部接続の仕様まで標準的に実装されており、その完成度の高さには正直驚かされました。 4. プロンプトの強化による成果物の比較 「1.プロンプトの強化」にて、プロンプトを強化してからアプリケーションを作成する方法を記載しましたが、試しに、プロンプトは強化せずに「出退勤管理アプリ」を作成してみました。 成果物にどのような違いが現れたかをご紹介します。 プロンプト強化前 指示が曖昧だった機能は実装されなかった プロンプト強化後 イメージしていた機能が全て実装された プロンプトを強化し指示の解像度を上げることが、そのままアプリケーションの完成度に直結することを実感した検証となりました。 Generate機能の他社製品との比較 さて、今回の検証では「他社製品ではどのような結果になるか」も合わせて検証しました。 正確に比較するため、他社製品もBobと全く同じプロンプトを用いて検証を行っています。 両者の操作感やアウトプットを細かい観点で比較し、Bobの特徴としてお伝えしたい部分を下記の表にまとめました。 比較項目 IBM Bob 他社製品 ドキュメント生成 基盤~運用に関するドキュメントを作成 ・基本設計書 ・詳細設計書(実装計画書) ・使い方ガイド(README) ・開発設計書 ・導入手順書(SETUP GUIDE) ・障害対応手順書(作業中のトラブル対応) 開発視点のドキュメントを作成 ・要件定義書 ・基本設計書 ・詳細設計書(実装計画書)   アーキテクチャのレベル 本番運用に耐えうる可用性・信頼性を考慮した構成 (フロントエンド・バックエンドの分離) すぐに動く構成 (フロントエンド・バックエンドを分離しない構成) デプロイの容易性 〇 ・プロンプト強化により不足情報が補完 ・選択肢(推奨案)が提示され対話を通じてステップバイステップで進められる △ ・プロンプト補完の機能は見当たらない ・選択肢が提示されることはなかった 今回の比較検証を通して、IBM Bobの自律型エージェントとしての高い実力を実感しました。 実運用に耐えうる構成を自動で選択してくれる点はとても心強いです。また、基盤から運用までを網羅する圧倒的なドキュメント生成力や、対話を通じて迷わず進められるデプロイ支援により、開発のハードルが下がるだけでなく、実装の透明性も高いレベルで担保されています。 作った後もチームや組織で説明・維持ができる、という安心感こそが、IBM Bobが組織利用を見据えたエンタープライズ向けの製品であると言える大きな理由なのだと感じました。 さいごに Part2となる今回のブログは、IBM Bobの「Generate機能」を使った市民開発をご紹介しました。 実際にBobと一緒にアプリケーションを作ってみて、やっぱりBobは頼りになる相棒でした。 (最近、Bobを実在する人のように「Bobさん」と呼んでしまうことがあります) 私は開発業務に深く携わった経験はほとんどありませんが、今回の検証を通じて、自分の手で形にできるワクワク感を肌で感じることができました。 これからも、この頼もしい相棒と一緒に業務の新しい形を探り、その可能性をパートナーの皆さまにもお届けしていきたいと思います。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2025年12月25日

“AI を学習用ではなく事業の現場に馴染ませる”
本格的なAI時代に誕生したIBM Power11の覚悟とは?

公開日:2025-12-25 本格的なAI時代の到来で、企業にとってIT基盤の存在感はこれまで以上に重みを増しています。IBM Power11は、そうした時代の要請に応えるべく誕生した真のエンタープライズ・サーバーです。堅牢な信頼性と高い処理性能に加え、外付けカードIBM Spyre Acceleratorによって、地に足がついたAIワークロードをすぐに実装できる実用性を備えるに至っています。既に先行ユーザーは、大きな業務効率化の効果を体感しており、このサーバーは単なるハードウェアを超えて、次世代の標準基盤となる期待を集めています。 今回は、日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)テクノロジー事業本部 Powerテクニカル・セールス部長 釘井 睦和 氏をお迎えし、AI時代をリードするべくして誕生したIBM Power11の“覚悟”について伺いました。 出席者 ゲスト 日本アイ・ビー・エム株式会社テクノロジー事業本部Powerテクニカル・セールス部長釘井 睦和 氏 インタビュアー エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部テクニカル・サポート部部長 広橋 稔 本格的なAI時代の到来で、さらに重みの増すIT基盤 広橋: 経営とITが不可分となった今日、企業のお客様が直面している課題としてどのようなものがあると考えておられますか。 釘井氏: 本格的にAIの時代が到来したことが非常に大きいと思います。企業競争力の維持を図る上で、もはや、AI活用を抜きに戦略を立てられないというところまで来ています。実践段階に入ってきたこともあり、アナリスト機関IDCによれば、これからはAIエージェントが自らアプリケーションを書くようになると予測されています。その結果、アプリケーションの数は爆発的に増加し、今後10億もの新しいアプリケーションが出現すると予測され、そのうち3分の1はAIによって開発される見込みです。こうなってくると、アプリケーションを支えるインフラは、これまでにないスピードと規模でアプリケーション増加への対応と高い可用性を求められます。計画停止すら許されないミッションクリティカルな業務が増えていくことでしょう。そのような世界では、油断をするとシステムのサイロ化やデータ爆発も起きやすくなるため、その対策も必要です。 その一方で、ランサムウェア攻撃を筆頭に、セキュリティリスクも劇的に高まっており、対策強化も喫緊の課題です。だからといって、ITばかりに予算を使うわけにはいきませんから、そこはコスト最適化を図る目線も要求されます。さらに、少子高齢化社会の進行で、IT人材も確保しづらい状況が続いているため、より少ない人員でより多くのことをカバーできるかといった観点での運用効率化も恒常的なテーマとなっています。つまり、今日の企業が対峙している課題は文字どおり山積しているといえます。 広橋: 確かに、日ごろパートナー企業やエンドユーザー企業のお悩みを聞く中で、こうしたお話はよく伺います。特にAI活用については、意欲を持ちつつも、プレッシャーも感じておられるようです。 AI時代のニーズに応える真のエンタープライズ・サーバー 釘井氏: こうした中、今年登場したIBM Power11は、本格的なAI時代のニーズに応える、真のエンタープライズ・サーバーとして位置づけられています。このサーバーは、単なるハードウェアを超えたまさに“企業の中枢を支える基盤”として設計されており、Powerとして従来から定評のある堅牢性と可用性をさらに進化させつつ、計画停止をほぼ不要とする自律的な運用機能や強靭なセキュリティを標準装備しました。また、最新のDDR5メモリと強化されたI/Oアーキテクチャにより、高負荷のトランザクション処理や大規模データ解析なども余裕を持ってこなすとともに、AI推論も得意とします。IBM Power11は、企業がAI時代に向けて加速できるようIBMが考え抜いたフルスタックのイノベーションです。 広橋: IBM Power11を特徴づけるキーワードをいくつか挙げていただけますか。 釘井氏: 一つは、「0」(ゼロ)です。これは、エンドツーエンドの自動化を実現し、計画的なダウンタイムを0にする、つまり、無停止運転を可能にすることを意味します。 従来はメンテナンスウィンドウを設けて実施していたファームウェア更新、I/Oアダプタ更新、仮想化ソフトウェア更新などを、IBM Power 11ではAutomated Platform Maintenance(APM、プラットフォーム自動保守)機能として、管理コンソールであるIBM Hardware Management Console(HMC)からワンクリックまたは準自動で実行可能です。環境をチェックする更新前準備、パッチ配布、ワークロードの退避・復帰を一連のフローで自動化できるため、停止せずに更新できるというわけです。 また、運用データを横断的に集約し、watsonxですぐに実行できる提案と自動化を結びつける、アプリケーション運用向けのAIオートメーション基盤 IBM Concertがあります。Concert for Powerでは、Powerインフラの脆弱性を検出して、現行バージョンに照らして優先度をAI算定、その後に推奨手順を提示し、必要に応じて更新をゼロ計画停止で実行するところまで担います。ここでいう実行とは、HMC/PowerVMが担う処理をConcertが呼び出して一気通貫に自動実行することを意味しています。 広橋: サーバー停止は業務に支障を及ぼしかねず、利用部門や経営層からの圧力も大きいため、情報システム部門としてはなるべく回避したい運用ですから、安定して動き続けてくれるならそれに越したことはないですね。 釘井氏: はい。もう1つのキーワードは「

back to top