2020年10月

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システム連携とは?代表的な方法や課題について解説

ERP、SFAツール、顧客管理システム、POSシステム…

今日では、様々なシステムを活用してビジネスを展開することが当たり前となりました。
さらにそれぞれのシステムを必要に応じて連携して利用することによって、組織全体として、システムやデータをより有効に活用していくことができます。

そこで本コラムでは、システム連携の代表的な手法や課題などを解説していきます。

 

Index

システム連携とは?
システム連携の代表的な方法
幅広いシステム連携方法に対応するのはコストがかさみ、手間も増える…
用途・目的に合ったシステム連携の方法を選べる統合プラットフォーム「IBM Cloud Pak for Integration」
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システム連携とは?

かつて、システムは一部の大企業だけのものであり大型メインフレームの導入が主流でした。
しかし、1990年代以降にダウンサイジングの波が押し寄せ、今日では大企業だけではなく、幅広い規模・業種の企業が業務別・目的別に最適化された多種多様なシステムを導入しています。

こうした中で、すでに多くの企業が取り組み始めているのがシステム連携です。システム連携とは、異なるシステム間でデータを相互に共有・処理できるようにすることを言います。

システム連携を行うことで、システム間で分断されていたデータを連携して活用することが可能となり、私たちはより深い洞察を得たり、オペレーションミスを減らしたりといった効果を得ることができます。

例えば、SFA(Sales Force Automation/営業支援)ツールと MA(Marketing Automation)ツールを連携することで、営業担当者やマーケティング担当者は、見込み客の獲得から最終的な受注に至るプロセスを俯瞰的に把握できるようになります。
その結果、マーケティング担当者はウェブサイトの流入数や見込み客の獲得数だけではなく、アポイントメント獲得数や最終的な受注数といった営業側の指標も見ながら、マーケティング施策の検証や効果改善に向けて精度の高い施策検討を行うことができます。

また、勤怠管理システムと給与計算システムを連携すれば、勤務時間に応じた毎月の給与計算を自動化することができるため、Excel での集計など人による作業工数の削減に加え、勤務時間管理や給与計算でありがちな入力ミスや計算ミスといったオペレーションミスの防止につながります。

次項でシステム連携を実現するための具体的な方法を解説していきます。

 

システム連携の代表的な方法

現在よく使われているシステム連携の代表的な方法は、以下の3つです。

  1. ファイル転送
  2. メッセージキュー
  3. API

それぞれについて解説します。

 

1. ファイル転送

ファイル転送は、ファイル単位で1対1でのシステム連携を実現する方法です。長年にわたってシステム連携の代表的な手段として利用されてきました。

ファイル転送は、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)、CIFS(Common Internet File System)といったプロトコルを用いて実現します。
このうち、FTP はファイル転送で利用される代表的なプロトコルの1つです。後述する方法に比べ、大容量データを高速でやり取りすることができるという利点があります。
データ連携は通信プロトコルである FTP を通じて行うので、連携するシステムそのもののプログラムに手を加える必要がありません。そのため、一方のシステムで障害が発生しても、もう一方のシステムに及ぶ影響範囲を限定することができます。

一方で、ファイル転送でシステム連携を実現する際にはファイルの静止点(※1)が必要になります。
ファイル転送はデータを一括して転送するバッチ処理によって行われるので、全データの処理が完了しなければ結果がわからず、途中経過を把握することができません。そのため、リアルタイム処理に近い形でスピーディに結果を知りたいという場合には、1回のデータ量を減らして転送時間を短くする、といった工夫が必要になります。

※1:ファイル内のデータが更新されていない状態のこと

 

2.メッセージキュー

メッセージキュー(Message Queue)は、メッセージ単位で N対1、または N対N でのシステム連携を実現する方法です。
送信側が送信したメッセージは、受信側が取り出すまでキューと呼ばれるデータ領域に保管されます。キューは、メッセージ指向ミドルウェア(MOM:Message Oriented Middleware)やメッセージブローカー(Message Broker)で管理するのが一般的です。

送信側の処理は、キューにメッセージを送信することで完了します。
直接受信側にデータが送信されるわけではないので、受信側のシステムの負荷やリソースなどを意識する必要はありません。受信側でシステムダウンが発生していたりリソースが逼迫していたりしても、送信側は処理の完了を待つ必要がないのです。そのため、送信側が意図したメッセージの順序を維持することができる、というメリットがあります。
このような特性から、メッセージキューは非同期処理が必要なシステム連携に向いています。

 

3.API

API(Application Programming Interface)は、HTTP あるいは HTTPS 形式で実装されることが多い N対1 でのシステム連携を実現する方法です。

API は、システムの外部仕様を定義して各機能を利用するためのインターフェースを提供するものです。
そのため、多くの場合 API は、システムを構築する言語と同じ言語のライブラリと通信プロトコルで提供されます。

API を使用すると、そのシステムの実装方法を知らなくても他のシステムと連携させることができます。Webアプリケーションの特定の機能のみ API として実装して公開することで、社外の一般ユーザーが利用できるようにするといったことが可能になります。
例えば、下図のように社外の一般ユーザー向けに自社の Webサーバー上にある Webアプリケーションを提供した上で、ゲートウェイ上でアクセス制御を行うことで、セキュリティを担保することができます。


 

幅広いシステム連携方法に対応するのはコストがかさみ、
手間も増える…

前項で紹介したように、一口にシステム連携といっても様々な方法が存在します。そして、連携するシステムの仕様、やり取りするデータ量、データ形式などによって、採用するべきシステム連携の方法は異なります。

例えば、CADデータをやり取りするといったようにシステム間で大容量データを送受信する場合には、FTP によるファイル転送が適しています。
一方で、SaaS型ソリューションの多くが API を公開しているように、顧客や取引先といった外部のユーザーが任意に特定のシステムと連携するための方法を提供したい、という場合には API が適しています。従来のように個別にシステム連携のプログラムを開発することなく、ユーザー側で連携作業を完了できるからです。

しかし、用途に合わせて複数のシステム連携の方法に対応するとなると複数のソリューションを導入しなければならず、それでは、製品毎のライセンス・導入コストがかさんでしまいます。
また、利用するソリューションが多くなると個別に管理・運用をする必要があるため、運用管理の手間も煩雑化してしまいがちです。実情として、用途に応じてシステム連携の方法を使い分けるのはハードルが高いと言えます。

一方、最近では様々なシステム連携の方法を統合的に運用管理できるプラットフォームが登場しています。

 

用途・目的に合ったシステム連携の方法を選べる
統合プラットフォーム「IBM Cloud Pak for Integration」

「IBM Cloud Pak for Integration」は、IBM が提供している MQ(メッセージキュー)、App Connect(アプリケーション連携)、API Connect/DataPower(API連携)、Aspera(ファイル転送)といったシステム連携を実現する様々なソリューションを統合したプラットフォームで、システム連携をワンストップで実現することが可能です。

また「IBM Cloud Pak for Integration」 は、実績のある Red Hat OpenShift Container Platformで稼働し、コンテナ技術に最適化しているので、オンプレ、IBM Cloud、他社クラウドなど様々な環境にデプロイできます。

システム連携に課題を感じているという方は、ぜひ、「IBM Cloud Pak for Integration」についてお問い合わせください。

 
 

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エヌアイシー・パートナーズ株式会社
企画本部 事業企画部

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2022年06月24日

【早わかり】AIX と IBM i ライセンス情報

こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。   セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント   1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。   2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。   3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。   さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。   お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp  

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