2018年03月

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AI活用をお客様と共創する具体的な進め方「ブレーン・ストーミング」

AI は今や話題に事欠かないテーマとなっており、日々様々な意見や事例を目にするようになっています。

前回の特集(『AI に怯えず積極的な活用と人の武器を磨いてみよう!』)で、AI プロジェクトを進めていく上でのポイントとして、以下を挙げました。

●準備に時間をかけ過ぎず、始める
●小さく始めて、大きく育てる
●失敗から学ぶ
●最初から完全を目指さない(ある程度の完成度でトライ・アンド・エラーで改善する)
●ユーザーに共感し、利便性や生産性を上げ、本来の仕事に集中させる

では、実際に自社やお客様が「AI を活用したい」となった時にどのようなアプローチを取れば良いのでしょうか。

AI プロジェクトの成否の鍵は・・・

AI を業務に実装するには(もちろん、AI だけに特化することでもありませんが・・・)「構想フェーズ」から始まり、「検討フェーズ」を経て、「試作・評価フェーズ」を繰り返し、「実装フェーズ」、「運用フェーズ」と進めていきます。

まだまだ未知のことが多い AI を業務やビジネスに活かすには、新しいアイデア、これまで考えつかなかった発想の転換などが必要となります。この新しいアイデアや発想の転換をいかに生み出せるかが、AI のプロジェクトの成否を分けるキーになり、フローの冒頭にあたる「構想フェーズ」が重要になるのです。

今回は、この”構想フェーズ”にフォーカスをあて、アプローチの方法について迫っていきましょう。

「構想フェーズ」でのアイデア出し

プロジェクトにおいては、まず、課題と目的が設定されます。そして課題を解決するアイデア出しに進みますが、この”アイデア出し”が、 AI プロジェクトの要となる 「構想フェーズ」で実施されます。

では、AI プロジェクトを成功させるため、最も重要となる「構想フェーズ」において、新しいアイデアや発想の転換を生み出すためには、どうするのが良いのでしょう。

昨今、以前、第3弾に渡りご紹介したデザイン思考(「なぜクラウドとデザイン思考なの?」「何がデザイン思考導入を難しくするのか」「日本企業にはイノベーションの素養がある(前編/後編)」)がアプローチ法として使われることも多いのですが、デザイン思考を知らなければできないというわけではありません。今回は、より一般的で、誰もが一度は経験したことがあるであろう”ブレーン・ストーミング“について、確立されている細やかな手法などを改めてご紹介してみたいと思います。

ブレーン・ストーミング

以降は、共創という形で、アイデアを出す方法を考えてみます。

共創とは、複数人で創造(発想)することを言います。ブレーン・ストーミングなどの手法を使うのが一般的ですが、まず、この発想のための会議をどのように取り仕切るか、という検討が必要となります。参加者はどうすれば良いのか、場所は?時間は?など、共創の前には準備が必要です。

1. 人選をどうするか?

Amazon のジェフ・ベゾスが、最適なチームの規模について「ピザ2枚で足りる」ぐらいが良いと言っています。これは、5~8人前後の人数ということで、アイデア出しにはこれぐらいの人数が良いと思います。また、そこに参加する方は、フラットで雑多な(上下関係がなく、職種がバラエティに富んでる)方がより多くのアイデアが出ると言われています。お客様も含め、部門や職域などがあまり重ならないようにすることが重要です。

2. 場所をどうするか?

いつもの会議室などあまり場所にこだわらないことも多いと思います。しかし、意外に場所は大事です。広さは十分か、机は固定されていないか、ホワイトボードは足りているか、暗く閉鎖的ではないか…など気をつける必要があります。開催場所を変えてみる、会議が煮詰まったら参加者で散歩する、なども効果的です。

3. 時間は?

アイデア出しは、長くやったからと言って良いわけではありません。また、一人のときにアイデアが湧くこともたくさんあります。アイデア出しの時間は1時間程度、更にウォーミングアップ(アイスブレイク)の時間もしっかり取るとよいでしょう。

 

ブレーン・ストーミングの進め方

それでは、実際にブレーン・ストーミングはどのように実施すれば良いのでしょうか。
流れから言うとこのようなイメージになります。

アイスブレイク とは、初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法です。

それでは、ブレーン・ストーミングのプロセスを詳しく見ていきましょう。

アイスブレイク

アイスブレイクの心構え

  1. 誰もが平等(フラット)な立場でいること
  2. バイアスを取り除くこと、
    アイデアを検閲しないこと、
    固定概念を取り払うこと
  3. 反応速度を上げること、
    創造性を刺激しておくこと
  4. 間違っても良い雰囲気を作ること、
    相手が喜ぶように受け取ること
  5. 否定しないこと、肯定だけしないこと、
    相手のアイデアに自分のアイデアを加えて返すこと

ブレーン・ストーミングを使って共創する場合、普段の脳を仕事モードから発想モードへ切り替える必要があります。また、会議に対し、いつも叱責されるとか、時間がダラダラと長いとか、一人の決まった人が発言しているなど、ネガティブ・イメージがある場合は特にアイスブレイクをしっかり実施し、どんな発言も許されるような安心な場と雰囲気を作る必要があります。

アイスブレイクのためのエクササイズ

1. 私あなた

コミュニケーションの基本であるアイコンタクト(相手を見る、相手に影響される)を学び、打ち解け合う

  1. 立ってグループで円になり向かい合います
  2. 開始する人を決めその人が、「わたし」と言いながら自分の胸に手を置き、
    次の人に「あなた」とパスをまわします
  3. パスを受け取った人は同じように「わたし」と言いながら自分の胸に手を置き、
    別の人に「あなた」とパスを回します
  4. 2,3 を繰り返します
  5. この際、相手の目を見てパスを回すことが重要です
2. 私あなた(名前バージョン)

コミュニケーションの基本であるアイコンタクト(相手を見る、相手に影響される)を学び、打ち解け合い、名前を覚える

  1. 円になり向かい合う
  2. 開始する人を決めその人が、「○○(自分のニックネーム)」と言いながら自分の胸に手を置き、次の人に「〇〇(相手のニックネーム)」とパスを回します
  3. パスを受け取った人が同じように「○○(自分のニックネーム)」と言いながら自分の胸に手を置き、次の人に「〇〇(相手のニックネーム)」とパスを回します
  4. 2,3 を繰り返します
  5. 名札があるとハードルが下がる、ニックネームでなくても良いが、肩書を意識させない呼び名が良い(社長、部長 ☓)
3. Two Dots(ツードッツ)

直感で表現する(すぐ描く)、また相手の表現に影響されて表現するトレーニング

  1. ホワイトボードの真ん中に「 ・ ・ 」のように2つの点を描きます
  2. ホワイトボードの前(1m ぐらい離れて)に参加者全員が立ちます
  3. 「 ・ ・ 」に各参加者が交互に一筆書きで線や図形を描きます
  4. この際特に絵のテーマや上手い下手にこだわる必要はありません
  5. 次々に一筆で描かれていく図形に影響を受け、即座に描き足すこと意識します
  6. 2~3回転ぐらい、もしくは絵の完成でエクササイズを終了します
4. スケッチ

架空の物や場面を想像し表現、参加者全員で一つの架空のシーンを共有するエクササイズ

  1. 題:「自動車の日常点検」とし、日常点検について想像し、どのような要素があるかを指し示しながら伝えます
  2. 例えば、最初の人が「ここにライトがあります」
  3. 次の人は、「ライトを点けてみます、ライトが点きました」
  4. 次の人は、「ここにブレーキがあります」
  5. 次の人は、「ブレーキを踏むとブレーキランプが点きます」
  6. 次の人は、「この辺で面倒くさくなって点検をやめてしまうユーザーがいます」…どんどん続けます

このようにお題に対して、そこにあるものを広げていったり、情報を詳しくしたり、その場所のイメージを共有します。お題は、ブレーン・ストーミングのテーマに関係のなく、想像しやすいものから始めても良いでしょう。また、難しい可能性もありますが、「自動車の日常点検」のような具体的なテーマに沿ったお題で実施することにより、よりユーザー目線でテーマを考えるきっかけになります。

しっかりとアイスブレイクを実施し、お互いが心を許せる居心地の良い場をつくり、心理的安全性を確保することで、ブレーン・ストーミングによる共創がより充実したものになります。

 

課題解決のアイデア出し ~ブレーン・ストーミングの実施~

さて、アイスブレイクも終了しましたので、次はアイデア出しをします。今回は最も基本的なブレーン・ストーミングのやり方で、Post Up(張り出し法)を使ってみたいと思います。

Post Up (ポスト・アップ)

最もシンプルなブレーン・ストーミングの方法

  1. 1人作業で3分間でできるだけ多くのアイデアを付箋紙に書き出します
  2. 時間を決め(例えば10分間)2人で相手とアイデアをホワイトボード/模造紙に貼りながら、アイデアを共有します
  3. 付箋紙を貼っている間に相手のアイデアから違うアイデアが出てきたら、すぐに付箋紙に書き出して貼ります
  4. 各ペアの発表者を決め、他のペアとどんなアイデアが出たかを発表しあいます

Post Up は複数回実施することもでき、1回目は、課題の洗い出しに、2回目はその解決方法を考えるといったことが可能です。

様々な職域の方でブレーン・ストーミングを実施する場合、課題の理解や持っている情報レベルが違う場合があります。情報共有の意味を含め、改めて、課題の洗い出しを実施します。

2回目では「1回目で出てきた課題を解決する方法」のアイデアを出します。ここで大事なことは、目的は完璧な答えを探すことではなく、どんなつまらない、突拍子もないイデアでも歓迎し、アイデアを出し尽くすことです。変なアイデアがあったとして、他の2つ以上のアイデアを掛け合わせる、引き算する、反対を考えるなど、一見使えないようなアイデアでも視点を変えることにより、使える場合があります。更に重要なことは、他の人のアイデアに影響を受けて、アイデアを重ね、一人で考えていては、思いつかないようなアイデアを出すことです。

優先順位を決める(ドット投票)

アイデア出しの優先順位決めには、「ドット投票」を使います。ドット投票は、加点方式の評価法です。

  1. 一人5票までと決め、参加者にシールを5枚ずつ渡します
  2. 発表され、張り出されたアイデア(付箋紙)から良いアイデアにシールを貼ります

また、少し投票や集計に時間がかかりますが、

のように意味を分けて、シールを貼る方法もあります。このようにシールを分け、意味づけすることにより、アイデアの優先順位やまとめるための情報を多く得ることができます。

発表・評価 ~ブレーン・ストーミングの収束方法~

ブレーン・ストーミングはあくまでもアイデアを出す場で、何かを決定したり、判断したりする場ではありませんので、一旦ここで終了します。

ブレーン・ストーミング終了後に担当者が画像や箇条書きでアイデアをまとめ、参加者全員で共有します。

ブレーン・ストーミングの結果を共有することで、参加者全員が当事者意識を持って、ブレーン・ストーミング以外の日常でもこの課題に対して発想を意識してもらいます。アイデアは共創で生まれることもありますが、シャワーを浴びているとき、散歩をしているときなどにふと湧いてくることも多いからです。

この後は、ドット投票の結果なども踏まえ、具体的な試作に落としていきます。具体的な試作へ落とす方法については、ここでは詳細に書きませんが、まずは、「小さく進めること」が重要です。

それには、アプリであればいきなり試作を作り始めるのもありですが、模造紙やダンボール、粘土、モールなど使って簡易的にデバイスやアプリの画面を作っても良いかも知れません。また、試作のリアリティを追求するために、お客様役、店員役などに分かれて寸劇(スキット)をやるのも良いでしょう。

試作で結果が出なければ、ブレーン・ストーミングを再度実施したり、結果に戻ったりしても良いでしょう。小さく始めていれば、後戻りもスムーズです。

新しい発想から生まれた AI 活用(例)

さて、ブレーン・ストーミングについて詳細にご紹介してきましたが、最後に実際の AI 活用のお客様事例を見てみましょう。

THINK Watson の記事によるとオートバックス社は、AI の画像認識能力を活用した「タイヤ摩耗診断」を2017年9月に公開しました。自動車の日々の点検は、安全には欠かせない作業ですが、様々な理由から十分に実施されている状況にはありません。オートバックス社では、スマホを使って簡単にメンテナスの必要性の有無を診断できれば、ユーザーの意識向上に一役買えるのではと、「かんたんタイヤ画像診断」を開発しました。これは、メンテナス不良による事故原因ともなっているタイヤの摩耗度合いをユーザーが撮った画像から診断するというものです。

この事例、「かんたんタイヤ画像診断」の開発の経緯は、以下のようなものでした。

——「かんたんタイヤ画像診断」開発の経緯を教えてください。

八塚 自動車点検整備推進協議会の調査からもわかるとおり、自動車ユーザーの日常点検に対する意識を高めていく必要があります。オートバックス各店舗ではかねてより「タイヤ安全点検」を実施していますが、点検のために店舗に行くということ自体がお客様にとってはハードルのひとつになっていると感じていました。

この状況を改善するために、当初はオートバックスのピットマンがユーザーから送られてくるタイヤの画像を診断するという案も検討しましたが、人手で対応するには限界があります。そこで、AI による画像認識でタイヤの摩耗状態を診断するサービスを発案しました。メンテナンスをなかなか行えないという方々の「面倒・お金がかかる・時間がない」というお悩みに「簡単・無料・すぐにできる」というかたちでお応えできると考えています。

出典:THINK Watson, 『オートバックスに聞く:新たな顧客価値を創造するAIビジネス戦略』

上記の事例では、課題と目的は、以下になります。

この課題と目的を元に、これまでご紹介してきた”ブレーン・ストーミング“のような手法を用い課題を解決するアイデア出しを行っていきます。
例えばこの事例であれば、先にご紹介の Post Up で、「課題とその理由」の洗い出しを行い「自動車ユーザーの日常点検に対する意識が低い」という課題、そしてその理由「点検は面倒・お金がかかる・時間がない」を掘り下げて考えます。
こうしたアイデア出しが行われた結果、新たな発想から、「簡単・無料・すぐできる」を実現し、”自動車ユーザーのユーザーの日常点検に対する意識を高める”目的を達成する新しいAI を活用したソリューション「かんたんタイヤ画像診断」が誕生したのです。

まとめ

AI プロジェクトの成否を握る「構想フェーズ」で、より有効なアイデア創出に役立つ”ブレーン・ストーミング“の進め方を改めてご紹介してみました。
繰り返しとなりますが、AI プロジェクトを進めていく上で大事なことは以下のようなことです。

●準備に時間をかけ過ぎず、始める
●小さく始めて、大きく育てる
●失敗から学ぶ
●最初から完全を目指さない(ある程度の完成度でトライ・アンド・エラーで改善する)
●ユーザーに共感し、利便性や生産性を上げ、本来の仕事に集中させる

チームで”アイデア出し”を行いそこで出たアイデアを元に試作し、評価します。

アイデア出しから試作までに必要なことは、子供のような遊び心、そしてどんなことでも言い合える、また寸劇をやっても恥ずかしくない、安心安全な場と関係づくりなのではないでしょうか。

皆さんが、AI プロジェクトに携わる際、この”ブレーン・ストーミング“を活用することで、今までになかった新しい発想を生み出し、AI プロジェクトを成功に導いていただければ幸いです。

 

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2025年03月26日

【てくさぽBLOG】VMwareユーザー必見!IBM CloudのVCFaaSで、コストを抑えたままVMwareを継続利用

公開日:2025-03-26 こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの宮里です。 皆さんは VMware を利用されていますか?多くの企業が仮想化技術のリーダーである VMware を採用されていますが、Broadcom による買収とそれに伴うライセンス体系の変更で価格が高騰し、多くの企業にとって大きな課題となっています。 このブログでは「VMwareを使い続けたいけど高いライセンスを買うのは嫌!」というお客様に向けて、その最適な解決方法として IBM Cloud for VMware Cloud Foundation as a Service を詳しくご説明します。 目次 VMwareを更新する際の課題 VCFaaSとは VCFaaSのメリット まとめ お問い合わせ VMwareを更新する際の課題 VMware を更新するにあたり、以下の3つの課題が存在します。 価格の高騰化 ライセンス体系の変更に伴いユーザーごとに購入可能なエディションは Broadcom側が設定するようになり、ユーザー側で自由にエディションを選択することができなくなりました。また、以前までの基本ライセンス+アドオンとしての使い方がパッケージ化されたことにより、柔軟性が以前よりも乏しくなってしまっています。 ライセンス料金が約1.2倍近く、ユーザーによっては購入できるライセンスの制限により、最大でも約8倍近く膨れ上がってしまう場合もあります。 DRサイトにかかるコスト 全ての機器が VMware である必要はないものの特定の環境では引き続き VMware を維持したい、など、依然として VMware を使用しなければならないユーザーも多く存在します。 「どうにかコストは抑えたまま今まで通りに VMware を使い続けたい。」という場合に重要なのが、DR(ディザスタリカバリ)サイトの運用方法です。DRサイトはビジネスを継続するための重要な要素ですが普段から使う環境ではないため、サービスレベルは維持しつつコストはおさえることが必要です。 見積もりに時間がかかる VMware のライセンス体系が変更されてから「VMwareのライセンス見積もりに時間がかかる」というお声もよく耳にします。これは、個別見積対応となるため見積を取得するまでに時間がかかってしましまうことが原因となっています。 特に急いでいるプロジェクトの予算計画を立てる際の大きな課題となります。 VCFaaSとは VMware Cloud Foundation as a Service(以下 VCFaaS)は、IBM Cloud上でハードウェアリソースと VMware のライセンスを提供するクラウドサービスです。1VMから利用でき、クラウドサービスのためハードウェアの調達やソフトウェアのライセンス管理に煩わされることなくすぐに利用を開始できます。 シングルテナントとマルチテナント VCFaaS は、シングルテナントとマルチテナントの2つモデルを提供しています。 マルチテナントモデルでは、月額約18,900円(127米ドル)からのスモールスタートが可能です。手頃な価格でスタートできるため、小規模なプロジェクトや初期段階の導入に最適です。一方、シングルテナントモデルはより大規模な運用や特別な要件が必要な場合に適しています。2台のサーバー(vSANプロファイルの場合は6台のサーバー)が最小構成として必要です。 ※2025年3月19日時点の価格 モデルごとの特長 マルチテナントモデル: 1VMから利用可能で、数分で利用開始が可能 オンデマンドタイプは時間課金、リサーブドタイプは月額課金のどちらかを選択可能 仮想サーバのプロファイルを複数から選択可能 課金単位はvCPUおよびRAM(1ゲストOSから) シングルテナントモデル: ユーザー専用の物理ホストを提供し、ハイパフォーマンスとセキュリティを確保 リザーブドタイプによる月額課金のみ 複数のIBM Cloud Bare Metal Serversからプロファイルやコンポーネントを必要に応じて選択可能 課金単位は物理ホスト(2台から) VCFaaSのメリット VCFaaS を導入することによって得られる具体的なメリットについて詳細にご説明します。 コスト効率と柔軟性 VCFaaS は必要に応じてリソースを容易に追加・削減することができ、ビジネスの規模やワークロードに合わせた最適なリソース管理が可能です。また、高可用性の管理プレーンを通じて VCFaaS が提供しているハードウェアとハイパーバイザーの監視やパッチ適用、アップグレード、セキュリティ管理を IBM が支援するため、企業は安心してクラウド環境を運用することができます。 以上の様に VCFaaS は迅速な展開と運用が可能であり、コスト効率と柔軟性を兼ね備えたクラウドソリューションと言えます。 DRサイトのコスト低減 VCFaaS は VMware Cloud Director Availability(VCDA)というツールが利用可能で、既存のオンプレミス環境と IBM Cloud間を簡単に行き来することができます。 すぐに本番環境を移行ができない場合、DRサイトだけでも VCFaaS に移行させることでデータセンターやラックの費用を抑えることができ、DRサイトの運用にまつわるコストを削減することができます。 迅速な見積もり IBM Cloud による見積もりプロセスは非常にシンプルであり、金額情報も明確に公開されています。複雑な計算や営業担当との煩雑なやり取りをせずに、必要なコスト情報を迅速に入手することが可能です。 また、マルチテナントモデルを選択することで購入後すぐにデプロイして利用を開始することが可能です。この即時性によりリードタイムを大幅に短縮し、迅速なビジネス運用を実現できます。ITリソースの準備を待つことなく、すぐにプロジェクトを始動できるため、タイムロスを最小限に抑えられます。 まとめ VCFaaS は、VMware のライセンス体系の変革や DRサイトの運用コスト、見積もり時間の課題をまとめて解決するクラウドソリューションです。IBM Cloud上で提供されるこのサービスはマルチテナントとシングルテナントの2つのモデルを選択可能で、柔軟かつ拡張性に優れた環境を提供します。特にマルチテナントモデルでは手軽にスモールスタートが可能で、小規模プロジェクトやテスト環境に最適です。 また、DRサイトのコストを大幅に低減する機能や迅速な見積もりプロセスにより、ビジネスのスピードを損なうことなく運用を開始でき、ストレスフリーで効率的なクラウド環境を実現し、ビジネスの成長と変化に柔軟に対応することが可能です。 VMware の環境をご利用の方は、まずは 1VM からでも VCFaaS の良さを体感してみていただけたらと思います。このブログを見て興味を持たれた際は、是非一度ご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2025年03月25日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part2)

公開日:2025-03-25 こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 当ブログ Part1 (前回記事)では、watsonx Orchestrate の概要と IBM Cloud版 watsonx Orchestrate のプロビジョニングおよび環境設定をご紹介しました。Part2(本記事)では、生成AIスキル、プリビルドスキルおよびスキルフローを作成し、検証してみた感想をご紹介します。 目次 はじめに 検証シナリオ 検証実施 さいごに お問い合わせ はじめに 検証に入る前に watsonx Orchestrate について簡単におさらいをしたいと思います。 watsonx Orchestrate は、チャットにやりたいことを入力するだけで複数のシステムへログインすることなく処理を実行し、生成AI を活用して効率的に業務を遂行できる製品です。主要機能には、様々なアプリケーションと連携するためのプリビルドスキルや生成AI を活用したスキル作成、プリビルドスキルや生成AIスキルを一連のスキルとして実行できるスキルフローなどが備わっています。 ※機能の詳細については Part1 をご参照ください。 検証シナリオ 検証のシナリオは、営業担当者が顧客との打ち合わせ後に議事録をまとめ、それを関係者に送信し、さらに社内の営業支援システム(以下SFA)に登録する作業を想定しています。 通常では以下の図の様に、打ち合わせ後に人力で会議ツールから会議情報を取得し、メモを議事録としてまとめ、メールツールを起動して関係者へメールを送信し、その後 SFA へ議事録を登録する、という流れになるかと思いますが、このような作業は時間がかかるうえに日常業務の中でも頻繁に発生します。 watsonx Orchestrate を使用すると、チャットに「議事録の作成と送信」と入力するだけで、会議ツールから情報を取得、議事録をまとめ、メールのドラフトを作成、SFA への登録を実行するため、作業時間の短縮と情報の共有、SFA への登録忘れの防止、コピー&ペーストミスの低減ができます。 検証環境 Part1 でプロビジョニングした IBM Cloud上の watsonx Orchestrate を利用します。検証では、会議ツールは Webex(無償版)、メールツールは Gmail(弊社アカウント)、議事録を登録する SFA は Salesforce(弊社Sandbox環境)を使用します。 検証実施 前述の通り、会議ツール(Webex)から会議情報を取得し、会議メモを生成AI が要約し、メールツール(Gmail)でメールドラフトを作成し、内容を確認してメール送信し、SFA(Salesforce)に登録する、という処理を作成していきます。 ※以降から検証の紹介になりますが、まずは watsonx Orchestrate での処理の流れを見たいという方は、「こちらの動画」をご覧ください。 1. 生成AIスキルの作成 まずはじめに、議事録をまとめる生成AIスキルを作成します。(以下の図オレンジ色の枠部分) 左サイドメニューから「スキル・スタジオ」をクリック 右上の「作成」プルダウンを開き「プロジェクト」をクリック 「Name」に任意のプロジェクト名を入力(当検証では「イニシャル_Summary」と入力しています。) 入力後「Create」をクリック スキルタイプ選択画面にて「Generative AI」をクリック 「Name」に任意のスキル名を入力(当検証では「イニシャル_Summaryskill」と入力しています。) 入力後「Create」をクリック 以下の画面が表示されます。デフォルトで選択している言語モデルは利用可能期限が近いため、画面上部に "Foundation model deprecated~" とアテンションが表示されています。 「Model: ibm/granite-15b-chat-v2」右横のプルダウンを開き、言語モデルを変更(当検証では「mixtral-8x7b-instruct-v01」を選択しています。) アテンションが消え、以下の画面の状態になります。 以下の画面①~⑤の入力・設定 1-9-1. 言語モデルのパラメータ値(Parameters)を設定 当検証では最小値 "1"、最大値 "3000" にしてトークンを設定し、出力の長さを調整します。(最大値は言語モデルによって異なる) 1-9-2. 変数を設定 watsonx Orchestrate では生成AI の入力として変数を使用することができます。Variables で会議メモを変数 "text" として設定します。 1-9-3. コンテキスト(Context)を設定 会議メモの内容をもとに日本語で議事録を作成する指示文を入力します。会議メモの箇所は変数 {{text}} に設定します。(変数は{{}}で囲う) 1-9-4. 入力プロンプト(Prompt input)を設定 ここでは言語モデルに応答してほしい文を入力します。今回は変数 {{text}} のみを入力します。 1-9-5. インプット・アウトプットの例(Training examples)を入力 「New example +」をクリックし、インプットとアウトプットの例をそれぞれ入力します。 右上の「Generate」をクリックすると文章が生成され、Generated output(出力プロンプト)で文章を確認できます。 次に、生成AI を公開してスキルを使用できるように設定します。 スキル名の横にある目のマークをクリックし、地球儀のマークに変更 右上の「Share changes」をクリック 「Share」をクリック 表示されたポップアップにて「Share」をクリック 右上に "Success" とポップアップされることを確認し、左の「← Back to xx_Summary」をクリックして戻る 右上の「Publish」をクリック 表示された「Version and publish」画面にて「Version name」に任意のバージョン名を入力し、「Create version and publish」をクリック(当検証では「1.0.0」と入力) 右上に "Published" と表示されることを確認し、左上の「←(PJ名)」をクリック 「スキル・スタジオへようこそ」画面にて、「スキルおよびアプリ」を選択 スキル一覧に作成したスキルの状況が「公開済み」となっていることを確認後、スキルの右側をクリックし「このスキルの強化」を選択 スキルの強化画面が表示されます。ここではスキルを実行する際の入力項目、出力項目、呼び出すためのフレーズを設定できます。今回は句タブでスキルを呼び出すフレーズのみ設定します。 句タブをクリックし、スキルを呼び出すフレーズを日本語で3つ追加 追加後、画面下の「発行」をクリック 右上に「正常に公開されました」と表示されることを確認 メインメニューから「スキル・カタログ」をクリック スキル・カタログから作成したスキルを自分のスキルとして追加します。 検索バーにイニシャルを入力し「スキル」をクリック タイル内の「スキルの追加 +」をクリックし、「追加」となることを確認 以上でスキルを実行する準備が整いました。早速チャットから実行してみましょう。 メインメニューから「チャット」をクリック チャット画面が表示されます。 下部の「スキルタイル」をクリックまたは入力バーにフレーズを入力(当検証では「議事録をまとめて」と入力しています。) 呼び出されたスキルを選択 text欄にサンプルの会議メモを入力し「適用」をクリック 10秒ほどで文章が生成されました。会議メモから体裁の整った議事録が生成されています! 生成AIスキルの作成は以上で完了です。 スキル作成自体の難易度は高くありませんが、整理された議事録を生成してほしいためプロンプト指示文の調整に時間がかかりました。Context の内容は指示ごとに改行し、日本語で生成することを明記するなど工夫が必要です。また最大トークン数2000としていましたが議事録が途中できれてしまう現象があったため、最大トークンを3000にして調整しました。言語モデルごとに最大トークン数、対応言語は異なるため、複数のモデルをテストして最も期待に合ったモデルを選択することをお勧めします。 2. プリビルドスキルの作成 次に、プリビルドスキルを追加ます。(以下の図緑色の枠部分) まず、Webex のプリビルドスキルを追加します。当検証では会議情報をリストする「List all meeting」とその会議情報から参加者のメールアドレス情報を取得する「List meeting invitees」を追加します。 メニューバーから「スキルカタログ」を選択し、Webexのタイルをクリック 次に、Webex への接続設定を行いなす。 「アプリの接続」をクリック Bearer Token を入力し「アプリの接続」をクリック(WebexのBearer TokenはWebex for Developersから取得しました。) 「正常に接続されました」というポップアップが表示されます。 「List all meetings」の「スキルの追加」をクリック 「追加」となったことを確認 会議参加者のメールアドレスを取得するため「List meeting invitees」を同様に追加 Webex の2つのプリビルドスキルをチャットから呼び出すことができるか確認します。 メニューからチャットを開きList all meetingsのタイルをクリックし、activeな会議をクリックするとスケジュールされている会議情報が表示されることを確認 List meeting inviteesのタイルをクリック 対象会議を選択すると、参加者の e-mailアドレスが表示されることが確認できます。※後続のGmailプリビルドスキルでメール送信先として使用します。 次に、議事録送信するための、Gmail の Send a email のプリビルドスキルを追加します。 スキルカタログからGmailの「Send a email」を選択し「アプリの接続」をクリック アカウント選択画面にて、検証用アカウントをクリック 以下の画面が表示にて「次へ」をクリック 「追加」となっていることを確認 これで、チャットから Gmail を呼び出しメールを送ることが可能になりました。 最後に、Salesforce へ議事録を登録するため、Salesforce のプリビルドスキルを追加します。ここでは、会議参加者のメールアドレスから対象リードをリストしオポチュニティーIDを取得する「Get all leads」と、Salesforceの商談に議事録を書き込む「Update an opportunity」の2つのプリビルドスキルを追加します。 スキルカタログを選択し、Salesforceのタイルをクリック 右上の「アプリの接続」をクリック Salesforce への接続に CustomURL を追加します。 (当検証ではSandbox環境を利用するため)「test.salesforce.com」を入力し「アプリの接続」をクリック 別ウィンドウに Salesforceログイン画面が表示されます。 ユーザー名、パスワードを入力しログインをクリック アクセス許可画面が表示されるので確認します。 画面をスクロールし「許可」をクリック 右側に「接続済み」と表示されました。 プリビルドスキルを追加します。 「Get all leads」をクリックし「追加」となることを確認 同様に「Update an opportunity」をクリックしてスキルを追加 これで Salesforce の商談に議事録を書き込むスキルが整いました。処理の動きは次のスキルフローで確認します。 3. スキルフローの作成 生成AIスキルと複数のプリビルドスキルを繋げたスキルフローを作成します。(以下の図ピンク色の枠部分) メインメニューバーから「スキルスタジオ」をクリック 「プロジェクト」を選択し「作成」から「スキル・フロー」をクリック 以下の画面にて、鉛筆マークをクリック 右側に任意のスキルフロー名を入力し「Save」をクリック 左画面のフローにスキルを追加していきます。追加したスキルは開始から終了へ順番に実行され、画面の「+」をクリックするとスキルをフローに追加することができます。 はじめに Webex のプリビルドスキルを追加します。 List all meetingsの「Add Skill +」をクリック 追加が完了すると以下の画面の様になります。 同様にWebexのList meeting inviteesスキルを追加 追加が完了すると以下の画面の様になります。 議事録生成する生成AIスキル、GmailのSend a emailスキル、SalesforceのGet all leads、Update an opportunityスキルの順に追加 全ての追加が完了すると以下の画面の様になります。(画面ショットの都合上、Update an opportunityスキルは省略しています。) 次に、スキル実行結果から得られる値を次のスキルの引数として渡す設定をします。 フロー内のList meeting inviteesをクリック 右側に表示された入力時の引数設定画面meetingId欄にて、List all meetingsスキルから得られる値を選択(当検証ではidを選択しています。) 設定が完了すると以下の画面の様になります。 Send a email の入力引数を以下の様に設定※richTextBody.Content は生成AIスキルで生成された議事録がメールドラフト本文に自動的に入力されるように設定します CC:List all meetingsから"hostEmail"を選択 To:List meeting inviteesから"email"を選択 Subject:List all meetingから"title"を選択 richTextBody.Content:生成AIスキルから"generated_text"を選択 次に、Salesforce の Get all leads に入力引数を設定します。 Emailの値に、List meeting inviteesから「email」を選択 さらに、Update an opportunityに入力引数を設定します。 Descriptionに、生成AIスキルから「generated_text」を選択 Filterable input欄の"Value"の値に、Get all leadsの「ConvertedOpportunityid」を選択 設定完了後、画面上部Actionsの「Save as draft」をクリック スキル・スタジオの画面に戻り、スキルフロー右側の「このスキルの強化」をクリック 「句」タブにてスキルフローを呼び出すフレーズを入力(当検証では「議事録を送信して」と入力しています。) 入力後「発行」をクリック 状況が公開済みとなっていることを確認 以上でスキルフローの作成は完了です。 スキルフローを実行するためには、スキルからスキルへ引数を設定する必要があります。どのスキルのどの実行結果を引数として設定すればよいか検討が必要ですが、UI から簡単にスキルフローを作成することができました。 4. スキルフローを実行してみる(動画あり) 長くなりましたが、スキルフローを実行します!チャットから「議事録を送信して」と入力してみます。 処理結果は以下の動画をご覧ください。※音声・字幕無しの動画となっております。動作に関してご不明点がございましたら、お問い合わせ までご連絡ください。※画面右下音量調整マーク右横のアイコンをクリックすると動画表示画面を拡大できます [video width="720" height="405" mp4="https://www.nicpartners.co.jp/wp-content/uploads/2025/03/nicp-tech-blog_wxo_2025-03.mp4"][/video] 会議メモを議事録にまとめ、メール送信、Salesforce への登録作業がほんの3分程度で完了しました!複数のアプリにログインすることなく watsonx Orchestrate の画面から操作できるため、作業時間の短縮になり業務効率化になるのではないでしょうか。 さいごに いかがでしたでしょうか。Part2 では、生成AIスキル、プリビルドスキル、スキルフローの作成と実行を行いました。 生成AIを操作するにあたりプロンプトの技術は必要ですが、watsonx Orchestrate ではノーコードで生成AIスキルを作成できるため、開発未経験者の方も手軽に生成AI を活用したスキルを作成することができると思います。また、チャット画面が提供されているのでインターフェースUI を作る必要がなく、チャットから出来上がったスキルを呼び出すことが可能です。 今回利用した Standardプランはスキル・スタジオで生成AIスキルを作成することができるプランです。Essentialプランにはスキル・スタジオでの生成AIスキル作成の機能が含まれていないため、別途API経由で生成AI を呼び出す実装工程が必要になります。 プリビルドスキルについては、意外にも躓いた点はアプリケーションの認証です。アプリケーションの認証情報は各アプリケーションにより異なりますので、事前に認証情報をご確認いただくことをお勧めします。 今回検証したスキルフローはプリビルドスキルを繋げた構成で、フロー中に分岐は含めていません。実業務では作業の結果によって次の作業が分岐する場合もあると思いますので、Part1 で記載したスキルフローの分岐機能も利用できると思います。 当ブログ(Part1、Part2)では、チャットからスキルを呼び出しましたが、今後は AIアシスタントからのスキルの呼び出しや、複数の AIアシスタントを束ねる AIエージェントについても検証してみたいと思います。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ 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2025年02月26日

【参加レポート】「watsonx Tech Challenge 2024」に参加してきた

こんにちは。てくさぽブログメンバーの佐野です。 2025年2月12日・13日に、愛徳会主催(日本IBM共催)のイベント「watsonx Tech Challenge 2024」が IBM箱崎にて開催され、弊社ではソリューション推進部から5名とソリューション企画部から1名の合計6名が参加しました。 本記事では、イベントの様子をレポートいたします。 チーム写真撮影風景 目次 イベントの概要と参加のきっかけ イベント当日までの準備 イベント当日 感想・まとめ お問い合わせ イベントの概要と参加のきっかけ このイベントは、IBM watsonx を活用したビジネスを実現出来る技術者の育成を目的とした、ハッカソン/アイディアソンです。「地域課題解決(人口減少、少子高齢化、労働力不足)」「環境問題対策」「わくわく社会の実現」の3つのテーマに関連する課題を watsonx を使ってどのよう解決できるのかのアイディアをチームで検討し発表する場となります。また、スキルのキャッチアップとして月次で「watsonx.ai Dojo」が配信されており、そこでは、watsonx.ai の使い方や watsonx で何ができるか、といったことが説明されています。 実は NI+C P(弊社)はこのイベントのスポンサーなのですが、 「我々自身がお客様へ watsonx を提案する際にも "具体的にどのようなシーンで使えるのだろう?" ということを自分たちで考えてみる場としてチャレンジしてみよう!」 という思いで参加することにしました。 個人的には、「他の参加者の方々がどういうアイディアを持ってくるのかな?」という興味もありました。 イベントの案内ページには "事前準備不要" と表記されていたものの、上記のテーマを検討しアウトプットするための作業がとても正味1日だけで完成できるものではないと感じたため、事前準備としてテーマに沿った内容を検討しソリューションの内容を固めることにしました。 イベント当日までの準備 まずはテーマに沿った課題を抽出しその課題を watsonx でどう解決できるのか、その実装を検討することにします。幅広く意見が欲しかったので本部内のメンバーに声をかけテーマにおける課題感や実装アイディアを募集したところ、合計で19個の課題を集めることができたのですが、ここから苦戦します… 1つずつ内容を確認しペルソナとその課題、効果、ビジネス拡張性を定義していったのですが、ペルソナが「行政」や「被災者」という設定になり、当事者でない我々では課題の想像を膨らませるだけで、具体性が欠けて課題や効果がぼやけてしまったのです。また、調査を進めると実現しようとしていることの類似サービスが既に多く存在していることも判明し、「いろいろなサイトの情報をまとめる比較し最適なものをお勧めする」というような結論となります。そうなるとだれからどのようにお金をもらうのか?マネタイズの面も怪しくなってしまいます。 検討を重ねていくうちに時間が過ぎて1月末になり、イベントまでの残り2週間ではソリューションを固めるのは難しい状況となりました。そこで事前準備のゴールを変更し、「自分もしくは家族」または「取引先」といった身近な人をペルソナとした課題抽出をし、後は当日にディスカッションし内容を固めることにしました。 イベント当日 1日目 まず発表順の抽選がありました。結果、最初でも最後でもない3番手という、なかなかな(個人的にはホッとする)順番を引き当てました。 イベント期間中は各チーム毎に1部屋が割り当てられ、それぞれの部屋で最終準備をします。IBM様がテクニカルなフォローのため相談部屋で待機されていました。 我々は事前に洗い出しておいた課題を整理し、解決すべきモノとして「高齢者向けのサービス」に絞り、さらにディスカッションで発散と収束を繰り返し、最終的に発表内容を「地方に住む高齢の両親が安全・安心に暮らしているかをリモートから見守るサービス」に決定しました。この段階では事前準備の最初に検討したことも活かせており、某セキュリティ会社が類似の見守りサービスを提供していることは把握していましたが、観点やアプローチが異なるため十分ニーズがあり差別化できるものであると結論を出しました。 初日はここまでで時間切れとなり、発表資料は2日目に役割分担して作ることとし、解散となります。 ミーティング風景 2日目 発表資料に何を書くかは初日にプロットしてあるので、あとは資料を作るだけです。発表時間は7分しかないので、作りこむチャートは5枚に絞ります。 初日に役割分担を決めておいたこととメンバーそれぞれが事前に内容を考えてきてくれたこともあり、資料はすんなりと完成。内容も、十分にメッセージを伝えられる内容に仕上げられたと自負しています。 午後の発表に向け、朝に配布された青いシャツを着て準備万端、いよいよ発表の時です。 発表中の様子 私が発表を担当したのですが、なんと、発表時間を2分余らせるというひどい時間管理ミスをやらかしてしまいました。QAタイムも想定外の質問に苦戦し、反省しきりの状態でした… ともあれ、発表後はメンバー全員の緊張が解けて笑顔が見られるようになりました。 発表後のメンバーの様子 全チームトラブルもなくスムーズに発表が終わり、ついに採点です。 発表は失敗の自覚があったので「審査員の反応は悪くなかったけれど、真ん中ぐらいなんじゃないかな」とぼんやり考えていると、あっという間に結果発表の時間がやってきました。スポンサー賞、優秀賞、最優秀賞の順番で発表されていきます。(『』内は私の心情です) スポンサー賞(レノボ・ジャパン賞)・・・・・田中電機工業様チーム!『うちが一番可能性ありそうなのはこの賞だったけど違ったかー』 スポンサー賞(エヌアイシー・パートナーズ賞)・・・・・スカイウイル様チーム!『ここは…まあ、ないよね』 優秀賞・・・・・CSS様チーム!『うんうん。キントーンとの連携はユースケース多そうだった』 優秀賞・・・・・エヌアイシー・パートナーズチーム!『うんうん。。。え!まじで!!』 最優秀賞・・・・・オーイーシー様チーム!『うん。ここは発表資料が一番印象的だった』 という結果で、我々のチームは晴れて優秀賞をいただくことができました。受賞者の一言では適当なことを言っていた気がします。まったく覚えていません。 受賞の記念撮影を愛徳会会長の藤田さんとパシャリ。 愛徳会 藤田会長とNI+C Pチーム 感想・まとめ 今回、幸いにも「優秀賞」をいただくことができました。 私としては、自チームのよかったところは、今後の拡張性に可能性があるところかなぁと思います。他チームの発表内容も素晴らしかったので、かなり僅差だったのではないでしょうか。 ただ、最優秀賞のオーイーシー様においては、おそらく誰もが納得のダントツTOPでした。発表資料は事前に準備してきたものだと確信できるほどの出来で、事前準備の差が歴然でした。これは、イベント期間である1日のワーク時間をどう使うのかの考え方に差があったようです。また、チーム内での事前の課題検討で発表対象から外した課題(災害時の避難支援や自治体向けの企業誘致支援)をうまく深堀しているチームもあり、課題を捉えた後にいかに深堀りできるかが大事なんだとあらためて考えさせられました。 このように、他チームの発表を聞くことで自分たちができていたこと・できていなかったこと、今後改善できそうなことを学ぶことができ、大変有意義な機会となりました。メンバー全員、今回のイベントでは前向きな刺激を受けたようです。(以下メンバーの感想) 「Dojoでwatsonx.aiを勉強したがデモを作って発表にまで至らなかったのは残念だった。」 「テレワークが主体なので、オンサイトでチーム集ってまとまった時間の中ディスカッション、アウトプットすることが刺激になった。たまにはオンサイトでの共同作業をやりたい。」 「発表資料作成時間が限られている中、意見を出し合って効率的に作成できた。」 「テーマが大きすぎて自分事に捉え切れなかった。視点を変えることが大事だと学んだ。」 「IBM様の寸劇やオーイーシー様のEVA風発表資料のように、プレゼンテーションにも遊び心があると聞き手の印象が変わることを実感できた。」 「普段から情報のアンテナを張っておくことが重要であり、それをビジネスのヒントと捉え意識することで普段から良いアイディアが発想できそう。」 「他の要素との組み合わせ、その次のステップではどうなるのか?などモノゴトの周辺や先のことを融合させることでアイディアに厚みと説得力が加えられることが理解できた。」 イベントで各チームの発表内容を、守隨 佑果(しゅずい ゆか)様(https://shuzui-yuka.com/)がグラフィックレコーディングしてくださいました。事前情報なしの一発勝負でこれを作れるのは、「スゴイ!」の一言です。 守隨佑果さまのグラフィックレコーディング 今回のイベントに参加したことで、チームメンバー全員がよい経験を積むことができました。オンサイトでまとまった時間にみんなで作業したことで学ぶことも多くありました。この経験を今後の活動にも活かしていきます。 おまけ 2日目のお昼ご飯には、主催の愛徳会様が用意してくださった人形町今半の美味しいお弁当をいただきました。 人形町今半のお弁当 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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