2020年12月

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AutoML(自動機械学習)の先駆者として ~第3次AIブームを牽引するH2O Driverless AI~

20世紀後半から2度のブームを経て、21世紀に入り、現在第3次ブームのなかにあるとされる AI(人工知能)。技術的には、ビッグデータを用いた機械学習にはじまり、特徴量をみずから習得するディープラーニングが登場し、現在に至ります。

こうしたなか、AI活用のハードルを下げ、データサイエンティストがいない企業にも道を開くものとして期待されているのが “AutoML” 機能を搭載した最新の AIソリューションです。

AutoML は、時間と手間のかかる機械学習のモデル作成・調整・最適化などを自動化するプロセスです。AutoML を利用することで劇的な業務効率化が期待できます。
そして、AIソリューションの代表であり、先駆的存在として知られる H2O Driverless AI(以下 DAI)は、グローバルでの知名度はもとより、最近は国内でも注目されつつあります。

そこで本記事では、DAI を取り扱う国内 AIソリューションベンダーの1つである、日本アイ・ビー・エム株式会社 ハイブリッドクラウド&AIシステムズセンターの河井 裕 氏に、DAI を用いた AutoML への取り組みについてお聞きしました。

 

Index

機械学習からのアーリーアダプターとDXで動き出したフォロワーが混在
OSSの先端AIソリューションであることが決め手
導入効果を最大化するハードウェアなど、多彩なオプションをフルスタックで取り揃え
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機械学習からのアーリーアダプターとDXで動き出した
フォロワーが混在

近年、拡大成長傾向にある国内 AIシステム市場は、コロナ禍の影響が懸念される2020年以降も引き続き大幅な高成長が続くと予想されています。
こうしたなか、河井氏によると、AI導入についての問い合わせや相談をしてくる企業は大きく2パターンに分かれると言います。

1つは「AI活用の効率化を求めるアーリーアダプター」で、以前から機械学習に取り組んでいて社内に知見を有する人材もおり、AutoML による効率化メリットも理解している企業。
もう1つは、「新規でAI活用を検討するフォロワー」で、DX を進めたいと焦るなかで AI活用に興味を持つが、知見を有する人材が少ない企業。

やりたいことと予算のギャップが大きく、導入にいたらないケースも多いとのことです。AutoML を搭載した AIソリューションの登場は、こうしたフォロワー企業にも AI活用の道を開くため、AIシステム市場の高成長を実現する上でもカギとなる存在と言えそうです。

 

OSSの先端AIソリューションであることが決め手

IBMコーポレートと DAI を提供する H2O.ai との間でパートナーシップが締結されたのは2017年7月。それを受け2018年7月からグローバルで DAI の販売を開始。日本国内でもはじめてとなります。

その後も日本アイ・ビー・エムからのリクエストが H2O.ai に採用され、日本語版の開発や Webマニュアルの日本語化など、同社が DAI の国内販売に大きく貢献しています。

ちなみに IBM の AIソリューションといえば「IBM Watson」が有名ですが、主としてオンプレミス環境で利用される DAI に対しこちらは主にクラウド型で提供されます。
特に国内企業の “情報セキュリティの観点から、手元で機械学習をおこないたい” というニーズに応えるにはオンプレミスの方が向いており、顧客企業に多様な選択肢を提供する上でも、DAI の取り扱いは自然な流れだったと言えそうです。

数ある AIソリューションのなかから DAI が選ばれたのには、以下の4つの理由がありました。

 

1. 知名度・実績

AutoML を搭載する AIソリューションの先駆けである DAI は、グローバルで圧倒的な知名度を誇ります。
データサイエンティストのスキルを必要とするモデル作成を自動化し、AI予測分析の効率を劇的に改善することから、FORTUNE 500 に名を連ねる企業222社を含む1万4000社以上が利用するなど、導入実績もトップクラスです。

 

2. オープンソースソフトウエア(以下OSS)として最先端を維持

DAI は OSS の機械学習エンジンを搭載し、そのソースはもちろん公開されています。
このため世界有数のデータサイエンティスト・コミュニティ「kaggle」との関係も深く、世界中のトップクラスのデータサイエンティストが開発に参加する形で日々ブラッシュアップされ、常に最先端を走りつづけています。

 

3. GPUを用いた高速性

AutoML で多数のモデルを効率よく作成する上で、ハードウェアの処理能力は高いにこしたことはありません。
DAI は他社の AIソリューションに先駆け、GPU の能力を最大限に引き出すことで処理を高速化することに成功。ビジネスのスピードアップを求める企業にとって最適なソリューションを提供します。

 

4. 説明性・納得性

特徴量加工やパラメータチューニングの自動化によるモデル開発の効率化とならぶ提供価値と言えるのが、生成されたモデルについての優れた説明性です。
その部分がブラックボックスとなってしまう AIソリューションも多いなか、学習結果をきちんと説明している DAI の場合、モデルの意味を理解してスキルアップを図っていくことが可能です。

 

導入効果を最大化するハードウェアなど、多彩なオプションをフルスタックで取り揃え

DAI を取り扱うベンダとして日本アイ・ビー・エムならではの強みと言えるのが、ユーザー企業の多様なニーズに応える製品やサービスのポートフォリオです。
ハードウェアについては、高速 GPU に加え、NVLink 対応の Power CPU を搭載する「IBM Power Systems AC922(以下AC922)」を提供。トライアンドエラーをスピード重視で繰り返す必要がある DAI環境として抜群の相性の良さを発揮し、AI活用の効率の最大化を実現します。

これらは、ソフトウェア・ハードウェアからクラウド基盤、さらにはサポートを含むソリューションまで、フルスタックで取り揃える IBM ならではの強みと言えます。
加えて、環境構築はもちろん、活用フェーズにおいて個別企業のニーズにあわせた QAサービスを一定期間提供するなど、AI活用を確実に成功へと導く充実サポートについても提案します。

 

DAI on AC922を体験できる!セキュアなPoC環境をご用意

AC922 は、NVIDIA の高速 GPU「Tesla V100」を最大6枚搭載可能なほか、世界で唯一 NVLink2.0 のインターフェースを搭載する CPU Power9 を2基搭載。さらに、CAPI2.0+PCIe Gen4 などにより、圧倒的なパフォーマンスを実現しています。

実際に AC922上で DAI を利用してそのパフォーマンスを試してみたい……という企業にぜひお勧めしたいのが、エヌアイシー・パートナーズの PoCサービスです。

下図スペックの環境を、インターネットVPN 経由でセキュアに利用できることから、製薬会社、製造業、通信会社など大手企業を中心に人気を集めています。
AIツールとして、ここで紹介した DAI に加え、IBM Maximo Visual Inspection (旧 IBM Visual Insights)も搭載。数値データ分析だけでなく、画像データ分析のトライアルも可能です。

ハイスペック環境を無料で2週間お試しできるので、大量のデータを保有し AI分析のための環境を検討中の企業は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズに相談してみてはいかがでしょう。


 
 

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2022年06月24日

【早わかり】AIX と IBM i ライセンス情報

こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。   セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント   1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。   2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。   3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。   さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。   お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp  

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