2016年09月

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【てくさぽBLOG】ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説!Vol.2

皆様こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。

前回の記事の続編になります。

 

1.Nutanixのエディション

前回、ソフトウェアに3つのエディション(Starter、Pro、Ulitamate)があるということを書きました。
詳細を書いていなかったので、今回はエディションの違いから説明します。

Starter:最大12ノードまで、データは2重ミラーのみ、その他基本的な機能は利用可能なので、可用性要件が厳しくなければこのエディションです。

Pro:最もスタンダードなエディション。イレイジャー・コーディングやデータの3重ミラー、可用性ドメイン機能でStarterエディションに比べて可用性を高めることができます。またCloud Connect機能でAWSやAzureに仮想マシンをバックアップさせることもできます。

Ultimate:Proエディションの機能に加えて、VMフラッシュモードやマルチサイトDR機能が追加。これらの特殊な要件があった場合に選択します。

差がある機能を一覧にまとめると以下のようになります。

Nutanix06

選択の基準としては、
・基本的にはStarterを選択
・可用性要件でRF3や可用性ドメイン機能(後述)を使う場合にProエディションを選択
・災害対策要件がある場合やRDBサーバーとして利用し、パフォーマンスを担保する必要がある場合にはUltimate
となります。

2.可用性ドメイン

ハードウェアとして、2Uサイズに4ノードが入るモデルがありますが、筐体障害に対応するための機能が「可用性ドメイン」機能となります。

4ノード間で共有しているのは電源のみであり、電源は2重化されていますので、よっぽどのことがない限りは障害で全部が止まるなんてことは起こりませんが、不安に思うユーザー向けの機能です。

Nutanixはデータを2重に書き込むといっても、あくまで違うノードに書き込みをするというだけで、必ず筐体をまたがってデータを保管しているとは限りません。

「可用性ドメイン」機能を使うことで必ずドメインをまたいでデータの書き込みが行われるようになります。イメージ図は以下になります。

Nutanix07

可用性ドメインを設定すると、赤色のデータが異なるドメイン上に書き込まれます。これにより、仮に可用性ドメインAの筐体が全障害でダウンしても他のノードにデータが残り、リカバリが可能になります。

3.Cloud Connect

あまり他の製品では見かけない機能で「Cloud Connect」というものがあります。
この機能では、Nutanixから仮想マシンをAWSもしくはAzureに保管します。現時点ではクラウドへの一方通行でのバックアップという位置づけです。
Nutanix08

他のクラウド環境への対応は未定ですが、今後増えていくかもしれません。
また、Nutanixは「EnterpriseのAWSになる」ことを目指していますので、バックアップだけでなくAWS上に仮想マシンを移動して稼働させるところまで実装する可能性があります。
クラウドとの連携については拡張が見込まれるので要注目です。

 

4.VMフラッシュモード

ここからはUltimateの機能です。

VMフラッシュモードで、仮想マシンの稼働をSSDのみ(もしくはHDDのみ)に限定することができます。
通常では、ホットなデータはSSDに書き込まれ、コールドデータ(=アクセスの少ないデータ)はHDDに保管されます。

仮想マシンのデータを常にSSDに保管することで、常にSSDへのアクセスとしハイパフォーマンスが担保されるようになります。

Nutanix09
IOパフォーマンスが求められるRDBやExchangeサーバー向きの機能といえるでしょう。
逆に、アーカイブシステムのようなIOパフォーマンスが求められないシステムにはHDDへ固定化することでSSDのリソースを他サーバーに使ってもらえます。

よい機能だと思いますが、個人的にはこの機能を使いこなすのは非常に難しいのではないかと思います。

5.マルチサイトDR、Metro Availability

データセンター間でのデータ同期やフェールオーバーを行うのがこの機能です。

複数サイトにデータをミラーリング(バックアップ)するための機能がマルチサイトDR機能で、多対多でのレプリケーションを実施できます。

Nutanix10

Metro Availabilityは、あるサイトが全滅した場合でもデータロスなく別のサイト上で稼働させるための機能です。
VMware SRMが機能イメージとしては一番近いかもしれません。

Nutanix11

ただ、日本の環境で考えると、東京-大阪間ではMetro Availabilityを利用するための要件を満たすことができないので、実際に利用することはないかもしれません。
要件が緩和されることに期待です。

6.まとめ

今回はNutanixソフトウェアのエディションと一部機能について解説しました。
Cloud Connectのようにまだ発展途上の機能もあり、フルで活用するのは難しい印象はありますが、基本機能がしっかりしているので基本的な機能を使うだけでも実は十分利用する価値があります。

次回はパフォーマンスに関する話と今年発表された新バージョンv4.6、v4.7で追加された新機能について解説をしていく予定です。
お楽しみに!

 

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