2016年04月

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【てくさぽBLOG】今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは

皆様こんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 佐野です。

 

本記事では最近注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とはどんなものなのか、どんなメリットがあるのかについて簡単にご紹介します。

 

1.ハイパー・コンバージド・インフラが生まれた背景

2016年現在で、エンタープライズ向けに最も普及しているであろう仮想化環境は以下の構成内容が多いと考えられます。

ハイパーコンバージド10

サーバー層、SANスイッチ層、ストレージ層の3層から成るこの構成を3Tier(3層)仮想化インフラと呼びます。

 

この3Tier仮想化インフラは一度構築が済んでしまえば安定して稼働するため、使い勝手は非常によいですが、以下のような課題があります。

ハイパーコンバージド01

特に小規模なお客様であれば、運用管理面での課題が日頃の業務に大きく影響してきます。

また、コスト面においても拡張する際に初期構築と同等レベルの費用がかかってしまうことが大きな重荷になりなかなか簡単に拡張ができないという現実もあります。

 

そこで出てきたのが垂直統合型のインフラである「コンバージド・インフラ」です。

IBM製品でいえば「PureFlex」がこれに該当します。OracleのExadataなんかも該当しますね。

ハイパーコンバージド02

コンバージド・インフラは3Tier仮想化インフラの課題のうち以下のことを解決してくれます。

・メーカーが組み合わせを検証済みの状態で出荷をするため、導入時の構成の複雑性を解決。

・運用管理を統一したインターフェース上から実行することで運用管理負荷の軽減。

 

先ほどの3Tier仮想化インフラの課題とこのコンバージド・インフラが解決してくれることを見比べると分かりますが、3Tier仮想化インフラの課題全てをコンバージド・インフラの導入によって解決できるわけではありません。

拡張性の観点ではストレージのパフォーマンスがコントローラの性能に大きく依存しますし、ラック単位での導入となるため設置スペースや空調には3Tier仮想化インフラよりも多くのコストがかかります。

また、パッケージ化され管理画面は1つになっていても、サーバー・ストレージ・SANスイッチは別々に管理を行う必要があり、どのようにメンテナンスを行うのかの計画を立てる必要があります。

 

そんな中で生まれたソリューションが「ハイパー・コンバージド・インフラ」です。

ハイパーコンバージド03

「ハイパー・コンバージド・インフラ」はx86サーバー向けの基盤となり、2Uサイズのアプライアンスに最大4ノードを稼働させることでコンパクトさを実現しています。

また、サーバーの機能とストレージの機能はソフトウェアにより提供されており、サーバー機能はvSphere ESXiハイパーバイザーやHyper-Vなどの仮想化テクノロジーを利用することができます。

ストレージは、Software Defined Storageとしてサーバーローカルのディスクを利用してプール化し、ハイパーバイザーに提供します。

 

2.ハイパー・コンバージド・インフラのメリット

このソリューションを利用することによるメリットは多々ありますが、特徴的なところを3つほどご紹介します。

 

<設置スペースの削減>

前の章でも書いた通り、SANスイッチと専用ストレージが不要になるため、設置スペースを大幅に削減できます。

以下の図はNutanixというソリューションを利用した場合の実際の事例になります。

ハイパーコンバージド04

5ラックあった環境がわずか1/2ラックに収まってしまっています。

機器が減る分、空調や電力にかかる費用も削減できることが分かりますね。

 

<運用コストの低減>

3Tier仮想化環境では、新しい機器を環境に追加する場合などにFirmwareを最新版に上げねばならず、都度更新作業が発生していました。場合によってはサービスを停止しての作業だったかもしれません。

ハイパー・コンバージド・インフラの場合には、1台のアプライアンスにサーバーの機能とストレージの機能が載ることで、SANスイッチと専用のストレージ装置が不要になり、管理ポイントが激減します。
そのため、更新対象機器が少なくなり、ローリングアップデートをすることで無停止での更新作業が可能となります。

ハイパーコンバージド05

 

<導入・追加が簡単>

3Tier仮想化環境の構築では一からハードウェアの構築・設定・テストが必要でした。物品数が多くなればなるほどそれぞれの作業に時間がかかり、数日という単位での作業期間が必要となります。

ハイパー・コンバージド・インフラでは、予めセットアップされたアプライアンスが届きますので、ラッキングした後に電源とネットワークケーブルを接続し、数クリックするだけで仮想環境が利用できるようになります。(HP製品の場合には、OneView InstantOnというセットアップ自動化ツールが提供されますので、そのツールを利用して設定を自動実行します。)

ハイパーコンバージド06

これにより、インフラが利用できるようになるまでのスケジュールがかなり短縮でき、アプリケーション開発チームへすぐに環境を提供することができます。

昨今のビジネス環境はスピード感が非常に重要ですので、このリードタイムの削減は大きな効果となります。

 

3.ここまでのまとめ

・3Tier仮想化インフラには以下の課題が存在する

-設置スペースなどのファシリティーコストの高止まり

-複雑な構成

-運用管理の課題

-基盤拡張時における費用の課題

-性能拡張の限界

・「コンバージド・インフラ」により上記課題のうち解決するものもあるが「設置スペースなどのファシリティーコスト」「運用管理」「性能拡張の限界」は依然として課題が残る

・3Tier仮想化インフラの課題を解決するソリューションが「ハイパー・コンバージド・インフラ」である

・ハイパー・コンバージド・インフラの大きなメリットは以下の3つである

– 設置スペースの削減

– 運用管理コスト・リスクの削減

– 導入・追加時のリードタイムの削減

 

 

4.ハイパー・コンバージド・インフラの具体的な製品

さて、ここからは具体的な製品をご紹介していきます。

 

<Nutanix>

ハイパー・コンバージド・インフラといえば外せない存在なのがNutanixです。

NutanixはIDCの2014年の調査でマーケットシェア52%を獲得している製品であり、Gartnerの2015年版Magic Quadrantでも「リーダー」のポジションに位置づけられています。製品は全世界ですでに2100社以上に導入されています。

「もっとも優れたITインフラストラクチャーはインビジブル(見えない=意識しなくて良い存在)」というコンセプトで、インフラをあまり意識することなく利用できるように作られています。

また、筐体を拡張していくとパフォーマンスが頭打ちにならずにリニアに伸ばせるという特徴を持っています。

Prismという画面からパフォーマンス情報や稼働状況を確認でき、数クリックでインフラの自動バージョンアップを無停止で実施できます。

ハイパーコンバージド07

さらに、製品としてKVMをベースとしたハイパーバイザー(Acropolis Hypervisor)が搭載されていますので、vSphereを購入しなくても仮想化環境として利用することが可能となります。

アプライアンスのモデルは多数あり、2Uサイズに4ノードが稼働するものや、1ノード/1Uサイズのモデルもあります。GPUを搭載できるモデルもあるので、VDI環境でCADを扱うようなケースにも対応できますし、ALL SSD構成のモデルもあるのでIO負荷が高いアプリケーションにも対応ができます。

お客様が稼働させたいワークロードに応じてモデルを選べるのが非常に良い点です。

 

<Lenovo HXシリーズ>

LenovoからはNutanixソフトウェアをOEMで搭載したアプライアンスが提供されています。

ハードウェアは2Uラックマウント型サーバーである「x3650」がベースとなっており、1筐体あたりのドライブ数によりモデルが3種類あります。

・HX3500:2.5インチSSDを2本+2.5インチHDDを6本のモデル

・HX5500:3.5インチSSDを2本+3.5インチHDDを6本のモデル

・HX7500:2.5インチSSDを4本+2.5インチHDDを20本のモデル

搭載できるCPUやメモリに大きな差はないので、必要なディスク容量に応じてモデルを選ぶこととなります。

ハイパーコンバージド08

 

Lenovo版の良い点は、LenovoOEM版のWindowsやvSphereライセンスを購入すると問い合わせ窓口がLenovoに統一できることです。

現時点ではNutanix純正アプライアンスほどのラインナップはありませんが、ワンストップでの問い合わせ対応というメリットを受けることができます。

 

<HPE Hyper Converged 250 System>

最後に、HPのハイパー・コンバージド・システムです。

まず、HP製品の場合はvSphereまたはHyper-Vの利用が大前提になります。自社製の無償ハイパーバイザーというものはありません。

この環境の導入・設定を自動的に実行してくれる「OneView InstantOn」というソフトウェアがHP製品の肝になります。OneView InstantOnを利用することで、初期パラメーターを入力するだけで仮想化環境のセットアップを自動で実行してくれます。

特にHyper-V版ではSCVMM環境のセットアップを自動で実施してくれるので、単に構築作業を減らすという観点でも利用できるツールです。

vSphere版の管理はvCenterの利用が前提となり、管理クライアント上にハードウェアやストレージの管理用タブが新たに追加され、管理クライアントで統一して日々の運用管理をするというのがコンセプトです。

ハイパーコンバージド09

 

ディスクの冗長性に関してはProLiantシリーズにも搭載されている専用チップを使ったハードウェアRAIDと、StoreVirtual(Software Defined Storage製品)の機能であるNetwork RAIDの2種類の仕組みで保護しています。

サーバーとしては2Uサイズに最大4ノードが稼働できます。

 

5.最後に

ハイパー・コンバージド・インフラとは何なのか、利用することでどんなメリットがあるのか、製品としてどんなものがあるのかをご理解いただけましたでしょうか?

つい先月にはCiscoもハイパー・コンバージド製品に取り組むと発表するなど、このカテゴリの選択肢も増えつつあります。

仮想化インフラが利用できる環境であれば、そのままハイパー・コンバージド・インフラに置き換えることもできてしまうので、私はスピード重視のビジネス環境には適したソリューションであると考えています。

このブログ記事が皆様の力になれたら幸いです。

 

 

<関連記事>

ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説!

ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! Vol.2

ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! Vol.3

10分でわかる『Nutanix製品』まとめ New! (※ MERITひろば へのログインが必要です。)

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エヌアイシー・パートナーズ株式会社

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2025年02月26日

【参加レポート】「watsonx Tech Challenge 2024」に参加してきた

こんにちは。てくさぽブログメンバーの佐野です。 2025年2月12日・13日に、愛徳会主催(日本IBM共催)のイベント「watsonx Tech Challenge 2024」が IBM箱崎にて開催され、弊社ではソリューション推進部から5名とソリューション企画部から1名の合計6名が参加しました。 本記事では、イベントの様子をレポートいたします。 チーム写真撮影風景 目次 イベントの概要と参加のきっかけ イベント当日までの準備 イベント当日 感想・まとめ お問い合わせ イベントの概要と参加のきっかけ このイベントは、IBM watsonx を活用したビジネスを実現出来る技術者の育成を目的とした、ハッカソン/アイディアソンです。「地域課題解決(人口減少、少子高齢化、労働力不足)」「環境問題対策」「わくわく社会の実現」の3つのテーマに関連する課題を watsonx を使ってどのよう解決できるのかのアイディアをチームで検討し発表する場となります。また、スキルのキャッチアップとして月次で「watsonx.ai Dojo」が配信されており、そこでは、watsonx.ai の使い方や watsonx で何ができるか、といったことが説明されています。 実は NI+C P(弊社)はこのイベントのスポンサーなのですが、 「我々自身がお客様へ watsonx を提案する際にも "具体的にどのようなシーンで使えるのだろう?" ということを自分たちで考えてみる場としてチャレンジしてみよう!」 という思いで参加することにしました。 個人的には、「他の参加者の方々がどういうアイディアを持ってくるのかな?」という興味もありました。 イベントの案内ページには "事前準備不要" と表記されていたものの、上記のテーマを検討しアウトプットするための作業がとても正味1日だけで完成できるものではないと感じたため、事前準備としてテーマに沿った内容を検討しソリューションの内容を固めることにしました。 イベント当日までの準備 まずはテーマに沿った課題を抽出しその課題を watsonx でどう解決できるのか、その実装を検討することにします。幅広く意見が欲しかったので本部内のメンバーに声をかけテーマにおける課題感や実装アイディアを募集したところ、合計で19個の課題を集めることができたのですが、ここから苦戦します… 1つずつ内容を確認しペルソナとその課題、効果、ビジネス拡張性を定義していったのですが、ペルソナが「行政」や「被災者」という設定になり、当事者でない我々では課題の想像を膨らませるだけで、具体性が欠けて課題や効果がぼやけてしまったのです。また、調査を進めると実現しようとしていることの類似サービスが既に多く存在していることも判明し、「いろいろなサイトの情報をまとめる比較し最適なものをお勧めする」というような結論となります。そうなるとだれからどのようにお金をもらうのか?マネタイズの面も怪しくなってしまいます。 検討を重ねていくうちに時間が過ぎて1月末になり、イベントまでの残り2週間ではソリューションを固めるのは難しい状況となりました。そこで事前準備のゴールを変更し、「自分もしくは家族」または「取引先」といった身近な人をペルソナとした課題抽出をし、後は当日にディスカッションし内容を固めることにしました。 イベント当日 1日目 まず発表順の抽選がありました。結果、最初でも最後でもない3番手という、なかなかな(個人的にはホッとする)順番を引き当てました。 イベント期間中は各チーム毎に1部屋が割り当てられ、それぞれの部屋で最終準備をします。IBM様がテクニカルなフォローのため相談部屋で待機されていました。 我々は事前に洗い出しておいた課題を整理し、解決すべきモノとして「高齢者向けのサービス」に絞り、さらにディスカッションで発散と収束を繰り返し、最終的に発表内容を「地方に住む高齢の両親が安全・安心に暮らしているかをリモートから見守るサービス」に決定しました。この段階では事前準備の最初に検討したことも活かせており、某セキュリティ会社が類似の見守りサービスを提供していることは把握していましたが、観点やアプローチが異なるため十分ニーズがあり差別化できるものであると結論を出しました。 初日はここまでで時間切れとなり、発表資料は2日目に役割分担して作ることとし、解散となります。 ミーティング風景 2日目 発表資料に何を書くかは初日にプロットしてあるので、あとは資料を作るだけです。発表時間は7分しかないので、作りこむチャートは5枚に絞ります。 初日に役割分担を決めておいたこととメンバーそれぞれが事前に内容を考えてきてくれたこともあり、資料はすんなりと完成。内容も、十分にメッセージを伝えられる内容に仕上げられたと自負しています。 午後の発表に向け、朝に配布された青いシャツを着て準備万端、いよいよ発表の時です。 発表中の様子 私が発表を担当したのですが、なんと、発表時間を2分余らせるというひどい時間管理ミスをやらかしてしまいました。QAタイムも想定外の質問に苦戦し、反省しきりの状態でした… ともあれ、発表後はメンバー全員の緊張が解けて笑顔が見られるようになりました。 発表後のメンバーの様子 全チームトラブルもなくスムーズに発表が終わり、ついに採点です。 発表は失敗の自覚があったので「審査員の反応は悪くなかったけれど、真ん中ぐらいなんじゃないかな」とぼんやり考えていると、あっという間に結果発表の時間がやってきました。スポンサー賞、優秀賞、最優秀賞の順番で発表されていきます。(『』内は私の心情です) スポンサー賞(レノボ・ジャパン賞)・・・・・田中電機工業様チーム!『うちが一番可能性ありそうなのはこの賞だったけど違ったかー』 スポンサー賞(エヌアイシー・パートナーズ賞)・・・・・スカイウイル様チーム!『ここは…まあ、ないよね』 優秀賞・・・・・CSS様チーム!『うんうん。キントーンとの連携はユースケース多そうだった』 優秀賞・・・・・エヌアイシー・パートナーズチーム!『うんうん。。。え!まじで!!』 最優秀賞・・・・・オーイーシー様チーム!『うん。ここは発表資料が一番印象的だった』 という結果で、我々のチームは晴れて優秀賞をいただくことができました。受賞者の一言では適当なことを言っていた気がします。まったく覚えていません。 受賞の記念撮影を愛徳会会長の藤田さんとパシャリ。 愛徳会 藤田会長とNI+C Pチーム 感想・まとめ 今回、幸いにも「優秀賞」をいただくことができました。 私としては、自チームのよかったところは、今後の拡張性に可能性があるところかなぁと思います。他チームの発表内容も素晴らしかったので、かなり僅差だったのではないでしょうか。 ただ、最優秀賞のオーイーシー様においては、おそらく誰もが納得のダントツTOPでした。発表資料は事前に準備してきたものだと確信できるほどの出来で、事前準備の差が歴然でした。これは、イベント期間である1日のワーク時間をどう使うのかの考え方に差があったようです。また、チーム内での事前の課題検討で発表対象から外した課題(災害時の避難支援や自治体向けの企業誘致支援)をうまく深堀しているチームもあり、課題を捉えた後にいかに深堀りできるかが大事なんだとあらためて考えさせられました。 このように、他チームの発表を聞くことで自分たちができていたこと・できていなかったこと、今後改善できそうなことを学ぶことができ、大変有意義な機会となりました。メンバー全員、今回のイベントでは前向きな刺激を受けたようです。(以下メンバーの感想) 「Dojoでwatsonx.aiを勉強したがデモを作って発表にまで至らなかったのは残念だった。」 「テレワークが主体なので、オンサイトでチーム集ってまとまった時間の中ディスカッション、アウトプットすることが刺激になった。たまにはオンサイトでの共同作業をやりたい。」 「発表資料作成時間が限られている中、意見を出し合って効率的に作成できた。」 「テーマが大きすぎて自分事に捉え切れなかった。視点を変えることが大事だと学んだ。」 「IBM様の寸劇やオーイーシー様のEVA風発表資料のように、プレゼンテーションにも遊び心があると聞き手の印象が変わることを実感できた。」 「普段から情報のアンテナを張っておくことが重要であり、それをビジネスのヒントと捉え意識することで普段から良いアイディアが発想できそう。」 「他の要素との組み合わせ、その次のステップではどうなるのか?などモノゴトの周辺や先のことを融合させることでアイディアに厚みと説得力が加えられることが理解できた。」 イベントで各チームの発表内容を、守隨 佑果(しゅずい ゆか)様(https://shuzui-yuka.com/)がグラフィックレコーディングしてくださいました。事前情報なしの一発勝負でこれを作れるのは、「スゴイ!」の一言です。 守隨佑果さまのグラフィックレコーディング 今回のイベントに参加したことで、チームメンバー全員がよい経験を積むことができました。オンサイトでまとまった時間にみんなで作業したことで学ぶことも多くありました。この経験を今後の活動にも活かしていきます。 おまけ 2日目のお昼ご飯には、主催の愛徳会様が用意してくださった人形町今半の美味しいお弁当をいただきました。 人形町今半のお弁当 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2025年02月07日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1)

公開日:2025-02-07 こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 早速ですが最近「AIエージェント」という言葉を耳にされませんか?ユーザーの入力に対してコミュニケーションを行い、適切な応答を返すシステムは「AIアシスタント」と呼ばれています。AIアシスタントの例としては、対話型AIチャットボットなどは日常生活で触れたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 この AIアシスタントですが、最近ではユーザーの問い合わせを理解し、自律的にタスクを実行できる「AIエージェント」へと進化しています。これにより、より複雑な問題も人間が介在することなく対応できるようになり、業務を効率的に遂行することが可能になります。 今回は、IBM watsonx製品群の AIエージェントを担う watsonx Orchestrate を検証し、その感想をご紹介します。 ※Part1(本記事)では、watsonx Orchestrate のご紹介と IBM Cloud版の watsonx Orchestrate のプロビジョニング、Part2(次回記事)では、生成AIスキルやプリビルドスキル、スキルを繋げたスキルフローを作成および検証した感想をご紹介します 目次 watsonx Orchestrateとは watsonx Orchestrateのプロビジョニング さいごに お問い合わせ watsonx Orchestrateとは まず、IBM watsonx製品群における watsonx Orchestrate の位置づけについてご紹介します。図のように、watsonx Orchestrate は AIアシスタントソリューションの中において生成AI で業務を効率化・自動化するAIエージェント製品です。 現状のIT環境では以下のような課題があり、ユーザーの作業効率が最大化できていません。 メールで見積もり依頼を受けて回答する場合、①メールツールで依頼を受け、②営業支援システム(SFA)に登録し、③見積もり作成ツールで見積もりを作成し、④再度メールツールで顧客に回答する、という手順となり、複数のシステムやツールをまたいで作業することでツールの操作に多くの時間が取られる ツール間で手作業でコピー&ペーストや書き起こしを行うことにより、データ入力に時間がかかるだけでなく入力ミスによる手戻りのリスクが発生する 使用頻度が低いシステムを利用する際、単純な作業にも関わらずマニュアルを読んで操作方法を確認する必要があり、取りかかるまでに時間がかかる このような課題に対し、watsonx Orchestrate ではチャットにやりたいことを入力するだけで複数のシステムにログインすることなく処理を実行し、生成AI を活用して効率的に業務を遂行することが可能です。 次に、watsonx Orchestrate の主な機能を簡単にご紹介します。 スキル watsonx Orchestrate はスキルと呼ばれる自動化の機能を呼び出します。スキルには大きく分けて以下の2種類があります。 プリビルドスキル 様々なアプリケーションと連携する30以上のアプリと1000近くのスキルがスキル・カタログとして製品に登録されており、すぐに利用することが可能です。 以下の画像はプリビルドスキルの一例です。 カスタムスキル  プリビルドスキルでは実現できない操作がある場合、 OpenAPI の仕様に準拠したサービスであれば、OpenAPI定義書を記述しスキルとして取り込むことが可能です。 以下の画像はカスタムスキルのインポート画面です。 スキルフロー 例えばチャットに「会議情報一覧を表示して」と入力すると、会議ツールのプリビルドスキルを呼び出して会議一覧を表示することができます。 しかし実際の業務で考えると、「会議情報一覧を表示してから、参加者へメールを招集をして」など複数のプロセスが含まれていることが多いと思います。そういった場合はプリビルドスキルやカスタムスキルを複数繋げて、一連のスキルとして実行できるスキルフローという機能を使用します。 以下の画像はスキルフローの作成画面です。会議ツール Webex の「List all meeting」スキルから会議参加者のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスを Gmail の「Send an email」スキルに繋げることで、自動でメールドラフトに宛先を入力することができます。 なお、2024年12月のアップデートでスキルフローに条件分岐を設定し、条件によって異なるスキルを実行することが可能になりました。例えば、会議に参加してほしい人のカレンダーの空き時間を確認し、条件分岐を用いて空き時間がある場合は会議情報を作成してメール送信したり、空き時間がない場合は、生成AIスキルを利用してメール文を作成しメールを送信する、といった使い方が考えられます。 生成AIスキル watsonx Orchestrate はスキルとして生成AI を活用することができます。 言語モデルを選択しプロンプトへ指示文を入力すると、文章が生成されます。例えば、「顧客情報に基づいて旅行プランを考えて」とチャットへ入力すると、生成AIスキルが呼び出され、顧客情報に基づいた旅行プランを作成してくれます。 チャット(レガシーチャット) 対話型でスキルを呼び出すチャット画面を提供します。 入力バーに呼び出すスキルのフレーズを入力するとスキルを開始します。今回は検証時期の関係でレガシーチャットを使用しますが、2024年12月に新機能の AIエージェントチャットが利用可能になり、今後は AIエージェントチャットへ機能拡張される予定です。 本記事ではご紹介していませんが、watsonx Orchestrate には他にも、AIチャットボットを作成する AIアシスタント・ビルダー機能や承認プロセスなどのワークフローを作成する機能も備わっています。 watsonx Orchestrateのプロビジョニング それではwatsonx Orchestrateのプロビジョニングを行ってみます! ※Part1 では watsonx Orchestrate のプロビジョニング、Part2 で実際にスキル、スキルフローを作成し検証を行います 検証環境について 今回の検証環境では、SaaS提供の IBM Cloud版の watsonx Orchestrate を利用します(他にはAWS版があります)。プランは "Essentialsプラン" と "Standardプラン" の2種類で、今回は Standardプランを利用します。 ※プランの違いについては、エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部(nicp_support@NIandC.co.jp)までお問い合わせください※IBM Cloud版の watsonx Orchestrate は IBM Cloud のサービスとして提供されるため、事前に IBM Cloudアカウントをご準備ください(本記事ではアカウント作成手順は省略します) watsonx Orchestrateのアクセス権限設定 watsonx Orchestrate をプロビジョニングするためには、まずアクセス権限の設定が必要です。IBM Cloud版の watsonx Orchestrate のアクセス権限は IBM Cloud の管理画面で設定します。設定はアカウントオーナー以外に以下の権限が付与されているユーザーが行えます。 「Identity and Access 対応サービス」の管理者ロールとマネージャーロール 「すべてのアカウント管理サービス」の管理者ロール ※詳細は「IBM Cloud - Assigning access to resources」(IBMサイト)をご確認ください それではアクセス権限を設定します。 IBMid で IBM Cloud へログインしホーム画面へアクセス メニューバーの「管理」から「アクセス(IAM)」をクリック IAMのメニューから「アクセスグループ」を選択し、権限を付与するアクセスグループをクリック(今回はアクセスグループに対して権限を設定) 「アクセス」タブで「アクセス権限の割り当て +」をクリック ポリシー作成画面でサービスの「watsonx Orchestrate」にチェックを入れ「次へ」をクリック アクセス権限の範囲画面で(今回は)「すべてのリソース」を選択し「次へ」をクリック 役割とアクションの画面で(今回は watsonx Orchestrate のすべての操作ができるようにするため)サービスアクセスを「管理者」、プラットフォームアクセスを「管理者」「Service Configuration Reader」「Key Manager」に設定し、「保存」をクリック※設定は環境ごとに適宜変更ください watsonx Orchestrateのサービスが追加されたことを確認 アクセス権限の設定は以上となります。 watsonx Orchestrateのプロビジョニング 次に、watsonx Orchestrate をプロビジョニングします。 IBM Cloudのメニューバーから「カタログ」をクリック カタログ画面の検索バーに「watsonx」と入力し、watsonx Orchestrateタイルをクリック 「標準プラン」を選択し「以下のご使用条件を読み、同意します」にチェックを入れ「作成」をクリック※2025年1月時点ではロケーションはダラスのみとなっています 1分程でプロビジョニングが完了し、以下の画面が表示されます。右側にプロビジョニングされたプランが表示されているのが確認できます。 (プラン確認後)「Launch watsonx Orchestrate」をクリックしてwatsonx OrchestrateのUI画面にアクセス watsonx Orchestrate の UI画面が表示されました! (日本語表記に変更する場合)画面右上のProfileをクリックし「Settings」をクリック 「Platform languages」タブで「Add a language」を選択し、"Default languages for all users" を「Japanese」に設定し「Save」をクリック デフォルト言語変更確認画面で「Confirm」をクリック メッセージボックスで「OK」をクリック 言語が日本語に変更されました。 左上のメニューバーをクリックすると、チャット機能、プリビルドスキルを作成するためのスキル・カタログ、生成AIスキルを作成するスキル・スタジオが備わっています。Part2 ではこれらの機能を使用してスキルを作成、検証していきます。 さいごに watsonx Orchestrate の概要紹介と watsonx Orchestrate のプロビジョニングを行いました。 IBM Cloud版の watsonx Orchestrate のアクセス権限はユーザーごとの設定も可能ですが、複数人使用する場合はアクセスグループを作成しグループごとに設定することをお勧めします。プロビジョニング自体はカタログ画面から作成をクリックし、数分で利用開始できました! Part2では、生成AIスキルとプリビルドスキルを作成し、一連のスキルフローを検証します。実業務の処理フローにより近い内容になりますので、どのような動きになるのか楽しみです。乞うご期待ください! お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年12月26日

生成AIを活用してアプリケーション運用の簡素化と最適化を支援する「IBM Concert」

公開日:2024-12-26 世界の IT支出は増加の一途を辿っており、これに AI や最新の開発手法を組み合わせると、近い将来、企業が導入・開発するアプリケーションは爆発的な数量になることが予測されています。新たなテクノロジーは企業に革新をもたらすと同時に、複雑さももたらします。 この複雑なアプリケーションの運用・管理を効率化する方法として注目されているのが「生成AIの活用」です。 今回は、生成AI を活用した洞察で管理を強化し、オンプレミスやハイブリッドクラウド環境全体でアプリケーション運用の簡素化と最適化をサポートする「IBM Concert」をご紹介します。 目次 アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題 アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応 複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」 生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」 IBM Concertの3つの特徴 まとめ お問い合わせ アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題 ビジネス・アプリケーションは現在、柔軟なリソース配分ができるパブリッククラウドとコンプライアンスを自社でコントロールできるオンプレミス環境を組み合わせて利用するハイブリッドクラウド環境で展開することが主流になっており、今後さらに圧倒的な量のデータと依存関係、絡み合った相互接続や外部サービスとの連携を生み出すことが予測されるため、それらを管理するための様々なツールが必要とされています。 これらの「多すぎるデータ」「多すぎる環境」「多すぎるツール」がアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)の効率を低下させています。 ALM は、ソフトウェア・アプリケーションの構想、開発、デプロイ、管理、保守、および廃止のプロセスを指します。ALM では DevOps とビジネスの各チームがアプリケーション・ライフサイクル全体にわたって協力し合い、アプリケーションをデプロイして提供しており、そこには要件管理、コンピューター・プログラミング、ソフトウェア開発、ソフトウェア・テスト、保守、変更管理、継続的インテグレーション、プロジェクト管理などの多数の関連分野が含まれます。 一方で、ALMプロセスの導入においては大きく「効率的な拡張性」と「一貫した可視性」という2つの課題があります。これらは、ユーザーに継続的なサービスを提供しながらアプリケーションの複雑なシステム全体に更新、修正、新しいコードをデプロイする必要があるため、たいへん困難な作業です。 さらに、アプリケーションとワークロードがマルチクラウドおよびハイブリッドクラウド・プラットフォームに分散されていて、コンプライアンスなどのアプリケーション管理の重要な部分が特定の部門にサイロ化されている場合、それはさらに困難になります。サイロ化によりコンプライアンス、パフォーマンス、その他の重要な要素を維持しながらアプリケーションをリアルタイムで更新することは非常に難しくなる可能性があるからです。 そのため、これらの課題に対応し克服するには各部門を通した可視化と、さまざまな専門分野のチームおよびメンバーに洞察を提供する ALMソリューションを実装する必要があります。また、近年増え続けているサイバー攻撃へのリスクを最小化するためにアプリケーションのセキュリティ対策も欠かせません。 アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応 企業にとって増えづけるアプリケーションの複雑な管理とセキュリティレベルを最適化し効率化するためには、「リアクティブ(受け身)」から「プロアクティブ(積極的)」な対応に移行をし、問題が発生する前に課題を認識し、対策を練っておくことが重要です。その際に留意すべきポイントとして次の3つが挙げられます。 1. 脆弱性管理の導入と強化 サイバー攻撃から重要な資産を守るためには、脆弱性の管理・対応は重要なテーマです。企業の IT資産の脆弱性を発見し、優先順位を付け、対処するために必要となる継続的なプロセスを導入し強化することで、「プロアクティブな脆弱性の発見と解決」「戦略的なリソース配分」「より一貫した脆弱性管理プロセス」が実現し、脆弱性管理において戦略的に対処しセキュリティ体制を強化することができます。 脆弱性管理には主に次の5つのプロセスがあります。 資産インベントリと脆弱性の評価 脆弱性の優先順位付け 脆弱性の解決 検証と監視 報告と改善 特に1と2は非常に重要なタスクでありプロアクティブに対処する必要があるにも関わらず、リソースに限りがある状況においては軽視されがちであるのが現状です。 2. コンプライアンス要件への対応 精査できないほどの膨大なデータ量に対してコンプライアンス管理を効率化し、リソースの使用を最小限に抑え、セキュリティを強化するためには、コンプライアンスへの影響を一元的に把握することできるアプリケーション・コンプライアンスの管理が必要です。アプリケーション、セキュリティ、およびコンプライアンスの各チーム間でのシームレスな連携が可能となることで、リスク管理とコンプライアンス対応に割く時間とコストを削減できます。 コンプライアンス要件に対応することは、同時にセキュリティ証明書とアプリケーションのパフォーマンスを効率的に管理することも意味します。企業がネットワークに配置されたすべてのセキュリティ証明書のライフサイクルを監視・管理するプロセスは、リリースされるソフトウェアの完全性と信頼性を保証するためにも重要です。 3. 電子証明書管理の自動化 この10年間、セキュリティ強化と危殆化(compromise)リスクの軽減を目的に「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間は著しく短縮化の方向に進んでいます。米Google社から始まったこの動きは、2024年10月に米Apple社が現在最長398日の「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間を数年かけて徐々に短縮し、2027年までに最大45日に短縮する投票草案を提出したことでさらに加速しました。 有効期間の短縮化はセキュリティ上のメリットがある一方で、頻繁に更新作業が必要となり、アプリケーション管理者の運用にとって大きな負担となります。SSLサーバ証明書の取得やインストール、更新などといった業務を更新のたびに実施する必要があり、有効期限の異なる SSLサーバ証明書を複数利用している場合には、更新作業漏れによる有効期限切れが発生することでサービス中断のリスクにつながる懸念もあります。 リスクを最小化するためには、電子証明書管理を自動化することが不可欠です。 複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」 管理するアプリケーションの数が数十・数百となると、このようなポイントを人力で全て把握しタイムリーに対応することは非常に困難です。だからといって放置をすれば、セキュリティレベルが低下するだけでなく多くのリスクを抱え続けることとなります。 そこでこの状況を切り抜けるための方法として注目されているのが、生成AI を活用したアプリケーション管理の自動化です。 生成AI には、課題分類の改善、コード生成、自動修復システムの強化、コンテキスト対応の自動化、コードデバッグの高速化、提案の最適化、上質なドキュメントの生成、リバース・エンジニアリング機能、コードのリファクタリングなど、多くの潜在的なメリットがあります。 自律型IT運用によりオブザーバビリティー(可観測性)を強化することで、システムエンジニアは従来の ITヘルスメトリクスの監視に追われることから解放され、システム遅延、ネットワーク・トラフィック・メトリクス、ネットワーク飽和度、エラー率など、「ゴールデン・シグナル」といったアプリケーションの可用性に影響があるメトリックを把握できます。 また、セキュリティやコンプライアンスの領域でのデータ内異常の特定や過去の障害と対応方法などへの関連付けなどにも生成AI の活用は有用です。 生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」 ビジネス特化の AIソリューション「IBM watsonx」を搭載し、アプリケーション管理とテクノロジー運用を簡素化および最適化できる生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォームが「IBM Concert」です。 IBM Concert は、従来のアナリティクスと IBM watsonx の生成AI を組み合わせることで、運用の健全性に関する包括的な「インサイト(洞察)」を提供し、アプリケーションのライフサイクル全体にわたって重大なリスクを特定します。 具体的には、アプリケーション・データのインベントリ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込みアプリケーション・トポロジを構築することで、異なるツール間で生成・サイロ化された膨大な量のデータを元に統合的な見える化および洞察を行います。また、多様な環境やツールセットにわたる複雑なデータを解釈し、さまざまなディメンションを通じて脆弱性(CVEなど)やコンプライアンスの問題、期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理の問題などに関連するリスクの優先順位付けと軽減、関連するアクションの推奨を行います。 図1. IBM Concertのユースケースと機能概要 IBM Concertの3つの特徴 Concert には、大きく次の3つの特徴があります。 1. 360度アリーナ・ビューによりアプリケーションを統合的に可視化 Concert は、既存の環境やツールセットとシームレスに接続し、生成AI(watsonx)でリアルタイムのデータと依存関係をマッピングすることで「360度ビュー」を提供します。さらに、アプリケーション・データ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込み見える化とインパクト分析を行うことでアプリケーション・トポロジを構築し「アリーナ・ビュー」* を提供します。 これにより、脆弱性に関連するリスクや期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理、コンプライアンスの問題などを迅速に解決できます。 図2. アリーナ・ビュー *アリーナ・ビュー アリーナ・ビューは、現在のトポロジー(デプロイされたイメージ、ソース・レポジトリ、アプリケーション定義、環境、プライベート・アクセス・ポイント、および各エンティティ間の関係)をインタラクティブに表示します。オブジェクトの1つにカーソルを合わせるとその名前やその他の識別情報が表示され、依存関係がハイライトされます。また、フィルタリング機能を使い、アプリケーションに関連した情報のみを表示することも可能です。 2. ビジネス・インサイトを生成し問題解決を支援 Concert は、従来の分析と生成AI を組み合わせて運用の健全性に関する洞察を提供し、複雑なアプリケーション管理を省力化するとともに、アプリケーションのライフサイクル全体にわたる重大なリスクを特定します。 さまざまな環境のアプリケーションやツールセットからデータを引き出すことでアプリケーションを全方向から観測できるため、依存関係と接続を分析、リスクやコンプライアンス、費用、セキュリティなどにおける成果主導のビジネス・インサイト(洞察)を生成します。このインサイトを活用することで、アプリケーションの復旧時間を短縮することができます。 3. アプリケーションの状況を統合的に可視化しリスクや問題を把握し早期に意思決定できるように Concert に情報を集約し分析をすることで、アプリケーションに対する様々なリスクを早期に把握し対応することができます。 例えば、アプリケーションが持つ脆弱性への対応については、脆弱性とその影響範囲を把握することができ、リスクスコアに応じて自動的にチケットを起票しパッチを適用するといったアクションへ繋げることもできるため、対応にかかる時間を短縮できます。 証明書の管理についても同様に期限や対象を一元管理できるため、更新状況を把握しチケットシステムと連動させることで更新漏れを無くすことができます。また、設定したコンプライアンスポリシーに準拠しているかをスキャンすることで、コンプライアンス違反がどこで起きているのか、何が違反しているかを確認できます。 このように、Concert を活用することで多くのアプリケーションに対してのリスクを軽減し、早期に問題を解決することができるようになります。 まとめ エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェアおよびハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Concert も含めた watsonxシリーズのご支援が可能です。 「アプリケーション・ライフサイクル管理で悩んでいる」「AIを活用した自動化について知りたい」「watsonx.aiおよびwatsonxシリーズの理解を深めたい」 といったお悩みをお抱えのパートナー様は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。IBM製品の特徴や利点をお客様にわかりやすくご説明するとともに、IBM ソフトウェア・ハードウェアを組み合わせた、お客様・パートナー様のビジネスに最適なご提案をサポートいたします。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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