2023年03月

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【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud Object Storageを接続してみた(Part1)

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの 高村です。

2021年に IBM Power Virtual Server(以下 PowerVS)のプロビジョニング、バックアップ、x86環境との接続をトライしたやってみたBLOG「IBM Power Virtual Server でAIX環境を作ってみた」を公開しました。
今回は PowerVS から IBM COS へバックアップ取得を想定し、AIX環境から Proxyサーバ経由で IBM COS へファイル転送を行う手順をご紹介します。

IBM COS については以前のブログ「【早わかり】IBM Cloud Object Storageを見積してみよう」でご紹介しているのでご覧ください。

それでは早速構築手順をご紹介いたします。

1)接続イメージのご説明

図の赤い線が今回検証したプライベートネットワーク経由の PowerVS から IBM COS の接続です。青い線はパブリックネットワーク経由で端末から各サービスに接続する経路になります。

接続イメージ

まず PowerVS と IBM Cloud(x86環境)接続ですが、両者はネットワークが独立に管理されているため直接通信はできません。そのため、Direct Link Connect を作成して接続します。

次に IBM COS と PowerVS の接続ですが、パブリックネットワーク経由で IBM COS のパブリックエンドポイントへアクセス可能ですが、プライベートネットワーク経由から IBM COS のプライベートエンドポイントへは直接アクセスすることは出来ません(2023年2月現在)。
プライベートネットワークから接続する場合は IBM Cloud の x86環境を経由して IBM COS に接続する必要があります。

今回は IBM Cloud の x86環境に Proxyサーバを立て Proxyサーバ経由で接続する方法を試してみたいと思います。
なお、構築手順は Qiita の BLOG「Power Virtual ServerからICOSにファイルをアップロードする」を参考にさせて頂きました。

2)IBM Power Virtual Serverの作成

・PowerVSの作成はこちらのBLOG「IBM Power Virtual Server でAIX環境を作ってみた」でご紹介しましたが、プロビジョニング画面がアップデートされました。
IBM Cloud にログインし、カタログから「Workspace for Power Virtual Server」をクリックします。

Workspace for Power Virtual Server

・ワークスペースを作成します。
ワークスペースは、PowerVSのデプロイする場所をゾーン毎に作成できる無償の作業環境です。任意のワークスペース名を入力し、リージョンは “東京04” を選択して作成します。

ワークスペースを作成

・PowerVS を作成した後にプライベートネットワークを作成するとうまくネットワークが認識されなかったので、先にプライベートネットワークを作成します。
左側メニューから「サブネット」をクリックします。プライベートネットワーク用に192.168.1.0/24のサブネットを作成します。

プライベートネットワークを作成

・次に「仮想サーバ・インスタンス」を選択しインスタンスを作成します。

インスタンスを作成

・今回は以下の構成でインスタンスを作成します。

  • インスタンス名:任意の名前
  • CPU:0.25
  • CPUタイプ:上限なし共有プロセッサー
  • メモリ:4GB
  • ストレージボリューム:Tier3(SSD)30GB
  • OS:AIX7.3 TL1
  • プライベートネットワーク:192.168.1.0/24

右側の月額費用を確認し「作成」をクリックします。

月額費用

・仮想サーバインスタンスの画面に戻り、しばらくするとプロビジョニングが完了しました。
ここまでは特に問題無く進みほっとします。

仮想サーバインスタンスの画面

3)VSI for VPCの作成

・次にProxy Serverを作成します。今回はVSI for VPCにProxy Serverをたてます。

「ナビゲーションメニュー」から「VPCインフラストラクチャー」を選択します。
左のメニューから「VPC」を選択し、「作成」をクリックします。

VPCインフラストラクチャー

VPC は以下のパラメータで作成しました。

  • 地域:アジア太平洋
  • リージョン:東京
  • 名前:任意の名前
  • リソースグループ:Default
  • ssh許可
  • ping許可

VPCパラメータ

・サブネットの追加をクリックしてサブネットを追加します。
以下のパラメータで作成しました。

  • 名前:sn-20230214-01(デフォルト値)
  • ゾーン:東京1(東京1-3を選択可)
  • リソースグループ:Default
  • アドレス接頭部:10.244.0.0/18
  • アドレスの数:256
  • IP範囲:10.244.0.0/24
  • パブリックゲートウェイ:接続無し

サブネットを追加

・最後に「仮想プライベート・クラウドの作成」をクリックします。
VPCのプロビジョニングが完了しました。

VPCのプロビジョニングが完了

・次に作成した VPC に VSI を作成します。
左側のメニューから「仮想サーバ・インスタンス」を選択し「作成」をクリックします。

VPC に VSI を作成

VSI は以下のパラメーターで作成しました。

  • インスタンス名:任意の名前
  • アーキテクチャー:Intel x86アーキテクチャー
  • ホスティングタイプ:パブリック(マルチテナント)
  • 地域:アジア太平洋
  • リージョン:東京
  • ゾーン:東京2
  • 名前:proxy-test(任意の名前)
  • リソースグループ:Default
  • オペレーティングシステム:RedHatEnterprise Linux
  • バージョン:ibm-redhat-9-0-minimal-amd64-1
  • プロファイル:2vCPU, メモリ4GB
  • 配置グループ:デフォルト値
  • ブート・ボリューム:デフォルト値
  • データ・ボリューム:デフォルト値
  • ネットワーキング:tok-vpc-01(先ほど作成したVPCを選択)
  • アドレス接頭部:10.244.64.0/18
  • IP範囲:10.244.64.0/24

・パラメーターを入力したら右側画面の金額を確認し「仮想サーバの作成」をクリックします。

金額を確認

プロビジョニングが完了しました。PowerVS よりもプロビジョニングは速かったです。

プロビジョニングが完了

・作成したVSI(RHEL)に Tera term を使用し SSH でログインします。

作成したVSI(RHEL)に Tera term を使用し SSH でログイン

ログインしようと試みましたが、rootユーザのデフォルトパスワードでログインが出来ません。
調べたところレスキューモードで初期パスワードの再設定が必要であることがわかりました!
今更ですが、私は現場から離れかれこれ10数年、Linux のレスキューモードは初めてです。いきなりハードルが高くなりました…

そしていざレスキューモード!と思い、VNCコンソール画面を開こうと思ったら…今度は VNCコンソールがグレーアウトされ開けません。
今回検証で使用するユーザは所有者ユーザではないため、こちら(IBMサイト)の説明にある通りVNC/シリアルコンソールの使用には権限の付与が必要であることがわかりました。更に回り道です。お付き合いください😢

・IBM Cloudサービスへのアクセス権限はアクセス管理システム “IBM Cloud Identity and Access Management(以下 IAM)” で設定することができます。
IBM Cloud画面の「管理」⇒「アクセス(IAM)」⇒「ユーザー」をクリックします。

IBM Cloud画面

・「アクセス権限の割り当て+」をクリックします。

アクセス権限の割り当て+

・「ポリシーの作成」でサービスから「VPC Infrastructure Services」を選択します。

VPC Infrastructure Services

・「リソース」は「すべて」、「役割とアクション」はサービス・アクセスで「Console Administrator」、「プラットフォーム・アクセス」は「Operator」以上を選択し、最後に追加をクリックして完了です。

「リソース」「役割とアクション」「プラットフォーム・アクセス」

・VNCコンソールが開けるようになりました!

VNCコンソール

・やっとレスキューモードの準備が整いました。
レスキューモードは RHEL の Customer Portal「23.3. 起動時のrootパスワードのリセット」の手順を参考に行いました。ここでは手順は記載しませんが、Customer Portal の手順で問題なくパスワード設定ができます。システム再起動からすばやく [e]キーを押して起動プロセスを中断しなければいけないので目を凝らして行いました!
(ご参考に下の画面は起動プロセス中断直後の画面です。)

起動プロセス中断直後

・VNCコンソールから rootログインをしてみたところ、無事ログインできました!
今回の検証では検証用のユーザを作成してsuして作業したいと思います。

ログイン完了

・Teraterm から検証用ユーザで SSHログインし、root にスイッチします。
無事ログインできました。

Teraterm から検証用ユーザで SSHログイン

4)Direct Link Connectの作成

前述した通り、PowerVS と VPC を接続するため Direct Link Connect を作成します。

・作成した PowerVS のワークスペース(PowerVS_Tokyo_01)に入り、左側メニューの「クラウド接続」をクリック、「作成」をクリックします。

Direct Link Connect を作成

以下のパラメーターで作成しました。

  • 名前:任意の名前
  • 速度:1Gbps(50Mbpsから選択可)
  • グローバルルーティング:選択無し
  • Enable IBM Cloud Transit Gateway:選択無し(Transit Gatewayを使用する場合はチェックします)
  • 宛先の構成:VPC
  • VPC名:tok-vpc-01(作成済みのVPC)
  • サブネット:PowerVSで作成したプライベートサブネット

・作成をクリックします。
しばらくすると Direct Link Connect の状況が “確立済み” になりました。以前は Case起票をしてプロビジョニングを行う必要がありましたが、ユーザーの操作からできるようになり使いやすくなりましたね。

Direct Link Connect の状況

5)AIXで静的ルーティングの設定

・PowerVS から VPC への静的ルートを設定します。
AIX なので smit を使用します。

PowerVS から VPC への静的ルートを設定1

PowerVS から VPC への静的ルートを設定2

・netstatコマンドで静的ルーティングが設定されたことを確認します。

netstatコマンド

・pingコマンドで疎通を確認します。

pingコマンド

これで PowerVS から VSI に接続ができるようになりました。
PowerVS、VSI のプロビジョニングはスムーズでしたが慣れない RHEL の操作と IAM の仕組みの理解に時間がかかりました。IAM の仕組みについては今後整理してご紹介したいと思います。

6)IBM COSの設定

・IBM COS にバケットを作成します。
今回は以前作成した Liteプランのストレージインスタンスにバケットを追加します。
以下のパラメータで作成しました。

  • バケット名:任意の名前
  • 回復力:Regional
  • ストレージクラス:Smart Tier

IBM COS にバケットを作成

・バケットが作成されました。
こちらのバケットにファイルを転送します。(バケット自体に課金は発生しません)

バケットが作成

これでサービスのプロビジョニングができました。
あらかじめ準備していた手順通りには進みませんでした…が全体の半分まで完了です!!

さいごに

IBM Cloud も初めて、慣れない Linux の構築、VNCコンソールが開けないトラブルなど…多々問題にあたり苦戦しましたがなんとか全体の半分まで完了しました。
10数年ぶりの構築作業でしたがデリバリSEの感覚が残っていてよかったです。

次回は AIX の設定、RHEL の Proxy の設定、ファイル転送試験です。
実際作業してみてわかった点をご紹介予定ですので是非ご覧ください。

お問い合わせ

この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社
E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

 

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2025年09月03日

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2025年08月21日

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2025年08月04日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの高村です。 早速ですが、今年5月に開催されたIBMの年次イベント「Think2025」で、watsonx Orchestrateの新機能が発表されました!その中の一つとして、開発者向けの「Agent Development Kit(以下、ADK)」があります。今回はこのADKを活用し、watsonx Orchestrate環境への接続やエージェントの追加といった操作を行い、その使用感をご紹介します。  なお、watsonx Orchestrateについては、今年2月、3月に公開した「watsonx OrchestrateやってみたBLOG」でご紹介しておりますので、是非こちらもご一読ください。 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1) 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part2) 目次 はじめに ADKとは? ADK使ってみた さいごに お問い合わせ はじめに Think2025で発表された新機能は、6月に環境へ追加されました。それ以前の環境とは、メニュー構成や操作方法、機能名称に変更があります。 例えばこれまで「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」へと名称変更されています。 アップデート後の環境につきましては、別ブログにて改めて詳しくご紹介させていただく予定ですので、ぜひご期待ください! ADKとは? まずはADKについてご紹介します。ADKとは開発者向けにwatsonx OrchestrateのAgentやToolをスクラッチ開発するための開発キットになります。ローカル端末などに導入し、pythonベースで開発を行うことができます。 また、ADKとは別に、watsonx Orchestrate Developer Editionをローカル端末に導入することで、ADKで開発したAgentやToolのテストが可能になります。なお、watsonx Orchestrate Developer EditionはDockerコンテナ上で動作し、現時点のハードウェア要件はCPUは最小8コア、メモリは最小16GBが必要です。詳細はInstalling the watsonx Orchestrate Developer Editionをご確認ください。   ADKとwatsonx Orchestrate Developer Editionを利用することで、コードの迅速な作成・修正や柔軟なカスタマイズに加え、環境へのデプロイ前にローカルでテスト・修正が可能となり、作業効率の向上が期待できます。 ADK使ってみた 前述ではADKでAgent開発し、watsonx Orchestrate Developer Editionで動作確認、SaaS watsonx Orchestrateへインポートする構築の流れをお話しましたが、今回の検証における動作確認は検証環境として利用しているIBM Cloud 上のwatsonx Orchestrate利用します。よって前述したwatsonx Orchestrate Developer Editionは利用せず、ADKからwatsonx Orchestrate検証環境へAgentとToolを直接インポートし、動作確認を行いたいと思います。また、ADKのインストール先は自分の端末ではなく、IBM Cloud上に構築したUbuntuのVirtual Server Instance(以下、VSI)を使用します。検証環境の構成イメージは下記の図の通りです。 尚、ADKのインストール要件はPython 3.11以上、Pip、そして仮想環境(以下venv)が必要です。詳細については、Getting started with the ADKをご確認ください。 それでは早速使ってみましょう! VSIのプロビジョニング まずはADKをインストールするVSIをプロビジョニングします。本ブログではプロビジョニング方法について詳しく記載いたしませんが、手順は「【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud Object Storageを接続してみた(Part1)」のVSI for VPCの作成をご参考ください。 OSはUbuntu 22.04 LTS Jammy Jellyfish Minimal Install、リソースは2vCPU,4GB RAMで作成しました。VSI作成時にSSH鍵が必要なるので作成を忘れないようにしてください。 作成すると数分で起動します。端末からSSHログインするため浮動IPが必要になります。赤枠で囲った浮動IPを作成しインスタンスに紐づけします。以上でVSIの作成は完了です。 Ubuntuの設定 ターミナルを開きsshでUbuntuにログインします。私はWindowsのコマンドプロンプトを使用しました。Ubuntuユーザでログイン後、rootパスワードを設定し、スイッチできるようにします。 ubuntu@nicptestvsi:~$ sudo passwd root New password: Retype new password: passwd: password updated successfully ubuntu@nicptestvsi:~$ su - pythonのバージョンを確認したところ3.10.12でした。ADKの要件は3.11以上ですので、バージョンアップが必要になります。最初は3.13にバージョンアップしてみたのですが、後続作業と最新バージョンではパッケージが合わなかったのかうまく動かず…仕切り直して3.11を利用することにしました! root@nicptestvsi:~# apt install python3.11 バージョンアップ後、デフォルトバージョンとして3.11を指定します。 root@nicptestvsi:~# sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.10 1 sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.11 2 sudo update-alternatives --config python3 update-alternatives: using /usr/bin/python3.10 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode update-alternatives: using /usr/bin/python3.11 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode There are 2 choices for the alternative python3 (providing /usr/bin/python3).Selection Path Priority Status ------------------------------------------------------------ * 0 /usr/bin/python3.11 2 auto mode 1 /usr/bin/python3.10 1 manual mode 2 /usr/bin/python3.11 2 manual modePress <enter> to keep the current choice[*], or type selection number: 2 root@nicptestvsi:~# root@nicptestvsi:~# python3 --version Python 3.11.13 次に下記コマンドを実行して任意のvenvを作成します。 python3 -m venv /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest <環境のパスを指定 venvを活性化してログインします。下記コマンド結果のようにvenvに入れましたらUbuntuの設定は完了です。 root@nicptestvsi:~# source /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest/bin/activate (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# ADKのインストール 以下コマンドを実行してADKをインストールします。ADKは6月時点で1.5.1が最新バージョンです。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# pip install ibm-watsonx-orchestrate Collecting ibm-watsonx-orchestrate Downloading ibm_watsonx_orchestrate-1.5.1-py3-none-any.whl.metadata (1.4 kB) Collecting certifi>=2024.8.30 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading certifi-2025.6.15-py3-none-any.whl.metadata (2.4 kB) Collecting click<8.2.0,>=8.0.0 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading click-8.1.8-py3-none-any.whl.metadata (2.3 kB) Collecting docstring-parser<1.0,>=0.16 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading docstring_parser-0.16-py3-none-any.whl.metadata (3.0 kB) Collecting httpx<1.0.0,>=0.28.1 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading httpx-0.28.1-py3-none-any.whl.metadata (7.1 kB) ----中略---- (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate --version ADK Version: 1.5.1 ADKの環境設定 次にADKの環境設定を行います。watsonx OrchestrateのインスタンスIDが必要になるため、watsonx OrchestrateのSetting画面に入り確認します。下記画面をご参考にしてください。 環境設定コマンドはこちらになります。-nの後はvenv名を指定し、-uの後はインスタンスIDを指定します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env add -n <仮想環境名> -u <環境のインスタンスID> [INFO] - Environment 'my-name' has been created [INFO] - Existing environment with name 'nicpse' found. Would you like to update the environment 'nicpse'? (Y/n)y [INFO] - Environment 'nicpse' has been created 以下コマンドを実行して、IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateと認証設定をします。APIキーの取得方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」のAPIキーの取得をご確認ください。尚、リモート環境に対する認証は2時間ごとに期限切れになります。期限が切れた場合は再度認証する必要があります。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env activate nicpse --apikey <APIキー> [INFO] - Environment 'my-ibmcloud-saas-account' is now active [INFO] - Environment 'nicpse' is now active 下記コマンドを実行してCLIから利用できる環境のリストを表示します。IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateがactiveとなっていました! (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env list nicpse https://api.us-south.watson-orchestrate.cloud.ibm.com/instances/XXXXXXXX (active) local http://localhost:XXXX Toolとagentのインポート 次にToolとAgentのインポートを行います。ToolとはAgentがタスクを実行する際に利用する機能です。今回は、IBM様より共有いただいたyfinanceを活用したToolおよびAgentのコードを、ADKを用いてインポートします。なお、yfinanceはヤフーファイナンスから株価などの金融データを取得するためのPythonライブラリです。 最初にToolのインポートを行います。下記の様に、scpなどでToolファイルとrequirements.txtをディレクトリにアップロードしておきます。requirementsファイルは他のモジュールと依存関係がある場合使用します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# ls -l total 12 -rw-r--r-- 1 root root 0 Jun 24 04:42 __init__.py drwxr-xr-x 2 root root 4096 Jun 24 04:38 __pycache__ -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 8 Jun 24 03:02 requirements.txt -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 1778 Jun 24 02:46 yfinance_agent.py 下記コマンドを実行してToolファイルとrequirementsファイルをインポートします。企業情報を取得するstock_infoと株価を取得するstock_quoteの2つのToolがインポートされました。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate tools import -k python -f "./yfinance_agent.py" -r "./requirements.txt" [INFO] - Using requirement file: "./requirements.txt" [INFO] - Tool 'stock_info' imported successfully [INFO] - Tool 'stock_quote' imported successfully listコマンドを実行するとインポートされたToolを確認できます。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:# orchestrate tools list ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┳ ┃ Name ┃ Description ┃ Permission ┃ Type ┃ Toolkit ┃ App ID ┃ ┡━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━╇ │───────────┼────────────┼── │ send_mail_brevo │ send a meil using Brevo. │ write_only │ python │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_quote │ 企業のTickerSymbolを用いて株価… │ read_only │ python │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ Untitled_6160RC │ No description │ read_only │ openapi │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_info │ 企業のTickerSymbolを用いて企業… │ read_only │ python │ │ │ └─────────────────────────────────┴──── 次にAgentをインポートします。下記コマンドを実行します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate agents import -f ./yfinance_agent.yaml agent listコマンドでインポート済みのAgentを確認できました。Agentが使用するToolも表示されています。 (your-venv-adktest) # orchestrate agents list ┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━ ┃ Name ┃ Description ┃ LLM ┃ Style ┃ Collaborators ┃ Tools ┃ Knowledge Base ┃  ┡━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━ │ yfinance_age… │ 企業の会社情… │ watsonx/meta- │ react │ │ stock_info, │ │ │ │ │ llama/llama-3 │ │ │ stock_quote │ │ ││ │ │ -2-90b-vision ││ │ -instruct │ │  IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで動作確認 インポートしたAgentとToolをIBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで確認します。 watsonx Orchestrateへログインし、BuildからAgent Builderを選択します。 yfinanceエージェントが表示されているので、クリックします。 クリックすると、Agent作成画面に入ります。UIから基盤モデルを変更したり、Agentの振る舞いなど変更することができます。 スクロールして、Toolsetを確認するとADKからインポートしたToolが登録されています。 右のPreviewからAgentの動きを確認することができます。今回はDeployせずPreviewで確認します。入力欄には「IBMの株価は?」と質問してみます。しばらくすると本日の株価が回答されました。Show Reasoningを開くと推論過程を確認することができます。株価を取得するTool「stock_quote」を使用し、AIがユーザの入力から自動的にTicker symbolを入力していることがわかります。 次に「IBMの企業情報」と質問をします。しばらくするとAIがユーザの入力からTicker symbolを入力し、Tool「stock_info」を利用して企業情報を取得、回答されました。ユーザの入力内容からAgentが使用するToolを選択し、実行していることがわかります。   さいごに ADKのご紹介とADKを使ってToolとAgentのインポートを行いました。 ADKのインストールおよび設定について、Pythonバージョンの設定やvenvの作成でつまずく部分はありましたが、venvが作成できればその後の設定はスムーズに進められました。 今回はVSI上のUbuntuサーバにADKをインストールしましたが、ご自身の端末に導入することで、より気軽にAgent開発を行えるかと思います。なお、今回は検証対象外でしたが、watsonx Orchestrate Developer Editionを利用する場合は、インストール要件としてやや高めのスペックが必要になる点にご注意ください。 検証時のADKのバージョンは1.5.1でしたが、7月末では1.8.0が最新バージョンとなっています。比較的頻繁にアップデートされますので適宜Release Notesをご確認ください。バージョンアップでコマンドオプションも変更される場合があるため、マニュアルを確認するかコマンドに`--help`を付与してパラメータを確認することをおすすめします。   お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; }

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