2020年12月

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「壊れにくく、処理速度が落ちない」IBM FlashSystem の特長とラインナップを徹底解説

数年前からその高速性が注目を集めていたオールフラッシュストレージですが、ここにきて大きく市場が伸びています。

以前は、特に高速な処理が必要なデータベースなどの特定用途に導入されるケースが多く見られましたが、SSD の低価格化とともに、より汎用的な用途で導入されるケースが増加。従来の HDDストレージとポジションが逆転し、「基本的にはオールフラッシュストレージを検討し、バックアップなど容量が大きく、アクセス頻度が少ないものに HDD を利用する」スタイルが一般的になりつつあります。

様々なベンダーがオールフラッシュストレージを展開するなかで、屈指の高いシェアと高い評価を誇るのが「IBM FlashSystem」です。
他製品との比較において、レイテンシ―が低く高速であることが最大の利点。加えて、データ圧縮などによるストレージ基盤の効率化やマルチベンダー・マルチクラウドへの対応…など、魅力の多い IBM FlashSystem について、その特長や活用シーンをまとめて解説します。

 

Index

IBM FlashSystem の2大特長を支える独自技術
エントリーからハイエンドまで、幅広い要件に対応できるラインナップ
IBM FlashSystem ならここまでできる!活用シーン別にみる導入メリット
オールフラッシュストレージ選定の有力候補に
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関連情報


 

IBM FlashSystem の2大特長を支える独自技術

IBM FlashSystem の魅力は、大きく「壊れにくいこと」「性能が落ちないこと」の2つ。これらを主にハードウェアベースでの設計・制御によって実現していることが特長と言えます。
そしてその中核を担うのが、IBM が特許を持つ高速かつ長寿命のフラッシュモジュール「FlashCore Module(以下、FCM)」です。

FCM は、モジュール単位ではなく1つのモジュール内に搭載されているチップ単位で RAID を組むため、チップが障害を起こしただけではモジュール交換の必要なく、高可用性(=壊れにくい)につながります。さらに FCM は、ハードウェアベースでのデータ圧縮を実現しており、コントローラに負荷をかけずに処理速度を維持したままデータ量を削減できます。

設計面でも様々な配慮がされています。
例えば、フラッシュストレージでは書き込み処理のための余剰領域が必要ですが、一般的には全体の数%程度にとどまるところ、IBM FlashSystem では全体の20%強をシステムで自動的に確保します。これにより、余剰領域不足のために突然性能が大きく下がる「Write Cliff(書き込み処理性能ダウンの崖)」を回避し、常に一定以上の性能が担保されます。
ベンチマークなどの検証環境だけでなく、実際の利用シーンの中でもしっかりスピードが出るような設計となっています。

オールフラッシュストレージは、製品ごとの「クセ」が強いものが多く、それぞれの特性を理解してチューニングしなければ「思ったような性能を得られない」「極端に遅くなってしまう」といったことも少なくありません。
IBM FlashSystem は、その特性をあまり意識しなくても「普通に使えば、一定以上の性能が出る」ことが大きなアドバンテージであり、使いやすい製品に仕上がっていると言えるでしょう。

 

エントリーからハイエンドまで、幅広い要件に対応できる
ラインナップ

IBM FlashSystem のラインナップは、エントリーモデル(5010/5030/5100)、ミッドレンジモデル(5100/7200)、ハイエンドモデル(9200)と幅広く展開され、様々な要件に対応できます。上述の FCM を選択できるのは5100以上のモデルとなりますが、そのほかはデータ圧縮や重複排除など必要な機能と、性能要件をベースに選定すれば問題ありません。

すべてのモデルが同じソフトウェア「IBM Spectrum Virtualize」をベースに動作するため、互換性が高く、移行・拡張時もスムーズです。
また、オールフラッシュストレージでは SSD の耐久性が問題になりますが、IBM FlashSystem では、エントリーモデルであっても耐久性が高いパーツを採用。「コストを抑えたモデルを選んだら、パーツの耐久性に問題があった」などのリスクがなく、どのモデルもパフォーマンスと耐久性を兼ね備えています。

IBM FlashSystem ならここまでできる!
活用シーン別にみる導入メリット

では、IBM FlashSystem のメリットについて活用シーンとあわせて紹介しましょう。

 

高速なデータ圧縮で、データベース・テキストのデータ量を大幅削減

上記で紹介した FCM のデータ圧縮が適しているのが、データベースやテキストデータの圧縮です。特にデータベースでは、データ量を7~8割削減※という試算もあり、大きな効果を期待できます。
ハードウェアベースで処理を行うため、データ量やモジュール数が増えても性能が落ちません。

※出典:IBM 季刊誌「ProVISION No.77」より
 

仮想環境・リモートデスクトップ環境で効果大!重複排除機能も搭載

データ圧縮と似た機能と思われがちな重複排除ですが、その役割は大きく異なります。
こちらは、仮想サーバーを複数台立ち上げている仮想環境や、クライアントOS を大量に利用しているリモートデスクトップ環境などで有効です。サーバーやデスクトップを複数台稼働させたとしても OS のデータはほぼ同じため、重複排除によりデータを大幅に削減できるのです。
IBM FlashSystem は、データ圧縮と重複排除の両機能を搭載していることがメリット。用途にあわせて使い分けることができます。

 

複数ベンダーのストレージを一元管理できる「ストレージ外部仮想化」

「既存のストレージもそのまま使い続けたい、管理負荷は最小限に抑えたい」、そんな要望に応えるのが、IBM FlashSytem の「ストレージ外部仮想化」機能です。
スイッチを介して IBM FlashSystem に接続することで、他社のストレージであっても一元管理できます。重複排除やデータ圧縮など、IBM FlashSystem ならではの機能も同様に使えるようになります。
ストレージ間のデータ移動も容易になる上、データの自動階層化機能「EasyTier」を使えば「比較的古い・低速なストレージに利用頻度の低いデータを配置する」、また「比較的新しい・高速なストレージに利用頻度の高いデータを配置する」、といったことも簡単に設定できます。


 

オールフラッシュストレージ選定の有力候補に

2013年にリリースされた IBM FlashSystem ですが、リリース当初の性能面を重視したラインナップから、近年は上述したデータ圧縮や重複排除、ストレージ外部仮想化などの機能を搭載し、市場のニーズに応えるラインナップへと大きく変化を遂げています。

さらに、パブリッククラウド上で展開できる「IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud」とあわせて利用すれば、ハイブリッド・クラウド環境として一元管理することも可能です。
ストレージ最適化やクラウド連携など、エンドユーザの目線でより活用しやすいストレージへと進化する IBM FlashSystem。今後のバージョンアップにも期待できます。

オールフラッシュストレージに必要な機能が揃い、クセのない設計でパフォーマンスを活かすことができる上、チューニング次第でさらに性能を伸ばすことも可能です。幅広いラインナップで、汎用的な用途からスピードを重視する構成、複数ストレージの一元化、クラウドとの連携まで、様々なシーンに対応。

オールフラッシュストレージを選定する際は、まず IBM FlashSystem を検討してはいかがでしょうか?

 
 

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2022年06月24日

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こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。   セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント   1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。   2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。   3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。   さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。   お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp  

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