2017年07月

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【Watson基礎】ビジネスに活かせる「AI」「ディープラーニング」とは?

座談会:画像認識だけじゃない!ディープラーニングの「使いどころ」とは?

 

AI、ディープラーニングが注目を集めているが、AI のビジネス活用は、「何ができるのか」から、具体的に「何をするか」という実践のフェーズに入ってきた。とはいえ、多くの企業は必要性は感じつつも、「使いどころ」が明確にイメージできていないのが現状だろう。

そこで今回は「ディープラーニング」にフォーカスし、日本IBM の ITスペシャリストの藤岡 英典 氏、頼 伊汝(らい・いる)氏とエヌアイシー・パートナーズの久田 修央 氏に、ビジネスのユースケースや活用のポイントについて聞いてみた。

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右から日本アイ・ビー・エム システムズ・ハードウェア事業本部 先進テクノロジー・センター 頼 伊汝氏、藤岡 英典氏、
エヌアイシー・パートナーズ 企画本部 企画推進部 久田 修央氏、ビジネス+IT編集部 松尾 慎司氏

ディープラーニングは「人間の認識レベル」を超えている

 

まず、AI の現状について、企業における認識の変化などで感じることを教えてください。

藤岡氏我々がお客さま先に訪問して感じるのは、「AI で何ができるのか」「何に使えるのか」がまだ明確になっていないケースです。AI は注目されているものの、自社の業務にすぐに活用できるというイメージを持っている企業はまだまだ多くないと感じます。

久田氏AI という言葉が社会に浸透してきて、企業は取り組む必要性を感じています。一方で、高かった期待値の反動というか、「自分たちに今できることは何か」を冷静に見極めようと考える企業が多いように感じます。

では、AI で何ができるのかについて、改めて現状を整理してください。

頼氏人工知能は「汎用型人工知能」と「特化型人工知能」に分かれます。汎用型は、人と同じような知能を備えた人工知能で、残念ながらこれはまだ実現できていません。 一方、特化型は、ある特定の領域、分野において人間より優れた知能を持ったテクノロジーのことです。コンピューター囲碁や将棋、自動運転、画像認識といった先端事例を目にする方も多いでしょう。 ルールが決まっている、プログラミングできる特定の領域で、大量のデータを学習することで、人間よりも高いパフォーマンスで正解を導き出そうというテクノロジーといえます。

AI というと、テクノロジーの変化が早く、また、マーケットにはさまざまな用語が飛び交い、そこが混乱を招いている側面もあります。そのあたりを整理していただけますか。

頼氏人工知能は、1960 年代に提唱され、人間の知能を再現するためのソフトウェアや、ロボティクスなども含む幅広い学問の分野です。その中の 1 つのテクノロジーが機械学習。これは大量のデータからパターンをみつけて、未来を予測していくものです。そして、機械学習の 1 つの手法がディープラーニングで「IBM Watson」(Watson)は、機械学習とディープラーニングの双方にまたがっています。

AI 関連の用語の整理
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Watson は PaaS としての「IBM Bluemix」上で動作し、自然言語処理、画像認識などの技術を用いて、様々な機能を API として提供しています。ディープラーニングは Watson の基礎技術の 1 つです。 

ディープラーニングについて、もう少し詳しく教えてください。

藤岡氏次の写真を見て欲しいのですが、この中で、写っているのが「唐揚げ」でないのはどれだか分かりますか?

唐揚げでないのはどれか?
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ぱっと見たところでは難しいですね。どれも唐揚げに見えます。

藤岡氏実は、唐揚げでないのは2なのです。写っているのは犬(トイプードル)ですが、このように人が誤認識してしまうかもしれない画像を、正しく認識できることが期待されています。

最先端の画像認識技術を競う世界的なコンテストがありますが、2011 年までは、画像認識のアルゴリズムは機械学習のロジックを用いるのが主流で、誤認識率は 25 % あたりが限界値だと思われていました。

これが、2012 年のコンテストでディープラーニングが登場し、一気に 15 % くらいまで、誤認識率が 10 % ほど改善したのです。その後、さらにテクノロジーが洗練され、2015 年の段階で、誤認識率は 5 % 未満に達しました。

人間の誤認識率は平均で 5 % といわれます。すでにディープラーニングは人間の認識レベルを超えるところまで進化しているのです。

AI のがそう認識率は人間を越えている
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すでに製造業の工場や、サービス業などでディープラーニングの活用事例が出てきた

 

では、実際に、ディープラーニングで何ができるのか、もう少し詳しく教えてください。

藤岡氏AI のゴールは「人間の知能の代わりになること」にあり、特に、知覚、ビジュアルに関する領域でユースケースが広がってきています。たとえば、画像や映像の中に何が映っているかを検出し、それをカテゴリー分けする技術などがあります。

人が物体を見て「何か」を認識、判断するプロセスは、それまで経験してきた膨大なデータ(記憶)から照らし合わせて判断しています。これが 1 つの学習です。AI も同じで、膨大な画像データから、ものの色や大きさ、形状などさまざまな要素を照合し、「これが リンゴ である」と区別しています。

また、画像の一部が欠損している場合に、人間は頭の中で「そこに何が写っているか」を補うことができますが、機械も同じようなことができます。

そうしたことが実現できると、どんなメリットがあるのですか。

藤岡氏これまでの機械学習は、たとえば、「目が 2 つあって鼻と口があるのは人間ですよ」というように、正解(特徴)を人間が定義する必要がありました。正解を人が機械に教える必要があるという意味で、これを「教師あり学習」といいます。ディープラーニングはそれをしないで、人工知能自身が記憶を洗練させていくことができる特徴があります。

頼氏これまでの機械学習とディープラーニングの大きな違いは、扱えるデータ量です。従来の機械学習な得意な領域は数値データ。たとえば、小売店でこういう商品が売れた、その傾向から、このお客さまにはこの商品も売れるのではないか、と予測することです。

過去のデータから予測するので、入力する特徴量がシンプルなのです。

一方、ディープラーニングは、画像や音声、テキストといった非構造化データを扱うことが得意です。たとえば、画像は同じ犬の写真でも、複雑で、1 つとして同じ画像がありません。そうしたデータから正解を予測するのは難しく、上述した通り、これまでは誤認識率が高かったのです。

ディープラーニングにより、煩雑なデータに対しても、高い正解率が期待できるようになりました。

では、実際の事例について教えてください。

頼氏画像認識については、ディープラーニングを用い、半導体などの製造ラインで、傷やゴミ、汚れなどを判別し、不良品を検出する事例や、工場に限らず、高層ビルやダムなど、人が立ち入りにくい場所にある構造物のひび割れなども、ドローンなどと組み合わせることで、より高精度で効率よく検出できるような事例が出てきています。

実際に、国内企業でディープラーニングの取り組みは進んでいるのですか?

藤岡氏国内でも徐々に事例が出てきました。ある損保企業では、自動車保険を乗り換える顧客が保有するさまざまな保険証、車検証などを画像データでもらい、色んな会社の書式をディープラーニングで学習することで、契約時の手入力を省力化する業務効率化のツールとして活用しています。

別の会社では、人の視覚を肩代わりして、熟練したエンジニアの作業を代わりに行うとか、熟練エンジニアの作業を学んで、スキル移転のツールに使うといった事例もあります。

企業にディープラーニング活用を提案する立場として感じることはありますか?

久田氏ディープラーニングには大きな可能性を感じます。今は代表的な分野として画像認識に注目が集まっていますが、ビッグデータの時代に、データの組み合わせで色々な発想、可能性が広がってくるでしょう。

ユーザー企業に提案する立場としては、お客さまのビジネスに今、何が求められているかを考えることが、AI のユースケースを広げていくことにつながると考えます。

導入には「正しい教師データ」が不可欠。ハードウェアの整備とあわせて進めたい。

では、企業がAI活用をうまく進めていくためのポイントはどこにありますか?

頼氏正しい教師データがあるかどうかがポイントです。一般的な数値データであれば、既存の機械学習の手法で、いいスコアが出ることが期待できます。しかし、ディープラーニングは、先のクイズの”唐揚げ”のような画像や動画といったこれまで分析対象ではなかった非構造化データが必要です。

教師データを整備するには、大量の非構造化データをどう溜め、整理するかという課題もあります。

頼氏分析の精度に関わるのはデータ量で、画像であれば枚数が多ければ多いほどよいです。

久田氏そう考えると、データを溜める「器」が重要で、サーバやストレージといったデータセンターの整備が欠かせません。

ディープラーニングを取り入れるに際して、導入ステップというか、環境作りをどう進めるかを教えてください。

頼氏サーバやストレージの他にはポイントは 3 つ あります。 1 つ は「GPU マシン」で、ビッグデータ解析が可能なコンピューティングパワーが必要です。

2 つ目は「フレームワーク」。ここでいう「フレームワーク」とは、ディープラーニングの分析モデルをパーツ化したもので、これを組み合わせる知識が必要です。そして、3 つ目はそのための「プログラミング」スキルです。

最近は、サービス化されたフレームワークも出てきており、分析モデルを指定してデータを投入すれば、学習結果を出力してくれるサービスが出てきています。その意味で、昔に比べると非常に環境構築はやりやすくなりました。

とはいえ、導入のハードルはかなり高いように感じます。

藤岡氏IBM では、上述したフレームワークを使いこなせるスキルがなくても、画像を入れれば学習結果を返してくれるサービスを開発しています。これが、ノンプログラミングで、既成の学習パターンで学習してくれるサービス「AI Vision」です。これは「データの準備」「モデルの作成」「モデルの学習」「モデルの利用」の 4 ステップで活用できます。

今はディープラーニングも簡単に活用できる!
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画像をアップロードして、学習モデル(例えば、鳥の画像を分類するというような「タスク内容」)を作成すれば、学習結果が得られ、さらにそれを API として利用できるようになるものです。 API は Web で広く使われているREST API に対応しており、例えば、モバイルアプリと連携することも可能です。

ハードウェアのコスト感はどの程度でしょうか?

藤岡氏IBM では、GPU を積んだディープラーニング専用のハードウェアを推奨しており、ディープラーニング用のサーバとして「Minsky」を用意しています。

ディープラーニング用のサーバー「Minsky」
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GPU を搭載し、画像等のデータを大量に処理する場合に、GPU と RAM の通信を高速化する「NVLink」に対応しています。提供価格 400 万円からで、Minsky と相性のいいストレージ」「ESS (Elastic Storage Server)」を組み合わせれば、並列に分散処理を行う環境を構築することもできます。

「Minsky」と相性の良いストレージ
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最後に、今後、AIやディープラーニングはどう進化していくと思いますか?

藤岡氏画像以外の領域としては、IoT のセンサーデータから機器のメンテナンスタイミングを予測する予兆分析などにディープラーニングが活用されるようになるでしょう。

あるいは、音声データから文章を要約、テキストを自動生成することや、広告のキャッチコピーを学習して、コピー文案を考えるといった領域での活用が期待されます。

頼氏これまではロボティクスと AI を結びつけるのは難しいことでした。今後は、例えばディープラーニングの画像認識でモノを認識し、そのモノにあったつかみ方を判断することで、ロボットアームが最適なピッキングをする、というように、AI が現実世界に対してインタラクションするケースが増えてくるでしょう。

久田氏こうした先端事例が増えていく中で、まずは「AI Vision」のように、お客さまにはディープラーニングに実際に触れる体験をしていただき、弊社でも新しい技術、製品に習熟していくことで、パートナーと一緒に、お客さまのビジネスに最適な提案、ユースケースを考えていきたいです。

 

本日は、貴重なお話をありがとうございました。

 


当セミナーの”動画”は、以下にて公開中です。あわせてご視聴ください。

[ダイジェスト動画公開] 7月13日【NI+C P主催】Webセミナー「Watson の基礎技術 今のビジネスに活かせる AI / ディープラーニング とは?」 ~ 繰り返しますが”今”です ~

[動画・資料公開]7月13日【NI+C P主催】「Watson の基礎技術 今のビジネスに活かせる AI / ディープラーニングとは?」~ 繰り返しますが”今”です ~(MERITひろば)
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ご参考情報

◆製品発表情報
【新製品発表】 HPC 用 Linux モデルIBM Power System S822LC (8335-GTB)
◆技術情報
“Minsky” POWER8 NVLink Server (日本情報通信株式会社サイト)

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2025年09月03日

レノボのファンレス常温水冷サーバーって?

公開日:2025-09-03 こんにちは。ソリューション企画部 柳澤です。 みなさま「水冷サーバー」と一言聞いて、何を思い浮かべますか? オフィスに置いてあるドリンク用ウォーターサーバーを思い浮かべる方もいらっしゃいますでしょうか? 弊社のお客様のみなさまはIT業界の皆様ですので、水冷サーバーというとサーバーを特殊な液体のタンクで冷やす「液浸」を思い浮かべる方も多いかと思います。 しかし、この液浸は、タンク設置場所の確保やサーバーを重ねられないといった課題があり、大規模な投資や、床面積の拡大を避けられませんでした。 そこで、液体をサーバー内部の管に通して冷却する「直接液冷」が近年注目されています。 今日のサーバーはかつてないほどの計算能力を要求されており、人工知能(AI)、機械学習(ML)、高性能コンピューティング(HPC)といったワークロードの台頭は、より強力なサーバーと、それに伴うより高度な冷却ソリューションの必要性を浮き彫りにしています。 この状況を受け、各メーカーは水冷サーバーに注力し始めており、今後のサーバー選択において冷却効率が新しい基準として加わることになりそうです。 本日ご紹介するレノボのファンレスの常温水冷サーバーは、革新的な水冷技術を搭載しており、その冷却効率が注目されています。 目次 レノボのファンレス常温水冷サーバーとは 水冷サーバーの導入を検討するお客様の例 関連情報 お問い合わせ レノボのファンレス常温水冷サーバーとは レノボの水冷は「直接液体冷却」技術を採用しています。これらのソリューションは、GPUやCPUのような発熱量の多いコンポーネントを直接冷却しています。 サーバートレイ、シャーシにはファンがない設計なので、とても静かなサーバーです。またファンがないことで電力消費量を削減することにも役立っています。 採用されている液体は99%の純水で、ほぼサラサラの液体となり、環境にもやさしい設計です。 また、この液体が常温から45度の温水でも排熱効果を発揮するので、液体を氷のように冷たくはしなくても効果を発揮する設計になっています。 主な製品と特徴 レノボの水冷サーバーのシリーズのLenovo Neptune™ は、HPC、ミッションクリティカルサーバーはもちろんのこと、従来のラック型サーバーに加え、エッジコンピューティングなどの筐体でも構成できる柔軟な構成オプションが準備されています。 そのためお客様の特定のニーズに合わせてカスタマイズや拡張ができます。 水冷サーバーの導入を検討するお客様の例 Lenovo Neptune™ は、以下のようなお客様にご利用いただくことで特に大きな価値を発揮します。 高性能コンピューティング(HPC):科学研究、シミュレーション、モデリングなど、膨大な計算能力を必要とするHPC環境では、水冷が不可欠です。 人工知能(AI)と機械学習(ML):AIトレーニングや推論は、GPUに大きな負荷をかけるため、効率的な冷却はパフォーマンスを維持するために重要です。 高密度データセンター :限られたスペースに多くのサーバーを詰め込む必要がある場合、水冷は高密度化を可能にします。 エネルギー効率の重視 :持続可能性と運用コストの削減を重視する企業にとって、水冷は魅力的な選択肢です。 エッジコンピューティング :コンパクトで効率的な冷却ソリューションが必要なエッジ環境でも、水冷の利点は大きいです。 どうでしょうか。レノボの水冷サーバーのイメージが変わりましたでしょうか。 ここまでざっと簡単にレノボの水冷サーバー製品をご紹介させていただきましたが、もっと詳しく知りたい、などのご興味ございましたら、ぜひ弊社へお問い合わせいただければと思います。 関連情報 Lenovo サーバー/ストレージ 製品(NI+C Pサイト) 【参加レポート】Lenovo TechDay @ Interop Tokyo 2025(NI+C Pサイト) 第6世代のLenovo Neptune液体冷却が AI 時代を牽引(Lenovoサイト) 【AI電力消費40%削減事例も】レノボの「直接水冷」Lenovo Neptune™(YouTube) お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年08月21日

【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました

公開日:2025-08-21 こんにちは。てくさぽブログメンバーの佐野です。 2025年7月17日に「watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ」第一回を開催しました。 2024年12月にもwatsonx Orchestrate(以下wxO)のハンズオンセミナーを開催しておりますが、6月にwxOの大幅なアップデートが入り使い方・作り方が大きく変更になったため、最新情報と基本的な使い方をいち早くお届けするべく企画・開催しました。 また、ハンズオンだけでなくワークショップの時間を設け、wxOがどのように使えるのかを参加者同士でディスカッションし、最後に各チーム毎に発表・共有をすることでwxOの理解を進めるとともに参加者同士のコミュニケーションを図りました。 本ブログではこのテクニカルワークショップについて簡単ですがご紹介します。 目次 watsonx Orchestrate概要 watsonx Orchestrateハンズオン ワークショップ まとめ お問い合わせ watsonx Orchestrate概要 旧wxOと比べて新wxOはAgentの開発方法が変わっています。画面が変わったのはもちろんのこと、エージェントで実行部分を示す用語も「Skill」から「Tool」へ変更となっています。他に大きく変わったのは以下の点になります。 新しく「Knowledge」機能が追加され、Agent内にファイルを添付することができ、簡易的なRAGの構成をNo-Codeで実現 Agent内で定義しているToolを呼び出す際に、LLMが自動でチャットに入力されたテキストから必要な情報を抜き出し、Toolへ渡す Agentから他のAgentを呼び出せる(wxO以外のAgentも呼び出せる)Multi-Agent Orchestration機能 「Behavior」に日本語で返答させたりAgentの挙動を定義 人事業務や購買業務、営業業務といった特定業務向けの事前定義Agentを提供 AgentやToolをPythonで実装するためのAgent Development Kit (ADK)および開発者向けのDeveloper Editionを提供 モニタリング機能でAgent処理履歴のトレース情報を参照可能 自社で開発したエージェントを提供する”Agent Connect”というAIエージェントのエコシステム上でマーケットプレイス環境 wxOの各エディション内の機能の変更と課金対象の変更 このように大きな機能追加や使い方の変更が入ったことをご紹介し、理解頂きました。 watsonx OrchestrateでAgentを作成する時の主な設定項目は以下のようなものがあります。 watsonx Orchestrateハンズオン 概要でお伝えしたように、用語も変わった上に画面も新しくなっています。 そのため、AI Agentを動作させるための以下の基本的な操作をハンズオンで体験頂きました。 wxO環境の説明や基本的な操作 Agentの新規作成 Toolの作成・利用 Knowledgeを利用した簡易的なRAG Agent Tool Builderを利用しFlowやCodeblockの作成 Agentから他のAgentを呼び出し これらのハンズオンはCodeblockを除きNo-CodeでWebブラウザ上の操作で実行できるため、プログラミングやシステム開発の知識・経験が無くてもAI Agentを動かすことができます。Codeblock機能はAgentの動作・処理順を定義する”Flow”の中でPythonを使ってデータを操作するための機能であり、簡易的なETLを実現するものです。 今回のハンズオンでは、サンプルとその手順をご用意したので、参加者の方々が一通りのことを体験頂くことができました。実際にハンズオンで体験頂いた内容のサンプルをいくつかご紹介します。 Agentのサンプル1:都市名からお天気情報を返答するAgent APIで他サービスを呼び出し、都市名を入力すると天気と気温を回答してくれます。 複数の都市名を入力し、表形式で回答してもらうこともできます。 Agentのサンプル2:簡易的なRAG Agent ファイルを添付し、そのファイルの内容から回答をしてくれる機能です。 ハンズオンではIBMの2024年度の年次レポートを添付し、その内容を元に財務パフォーマンスのサマリーを回答させました。 ファイルの該当箇所が参照できるので、根拠を確認できるのがよいところです。 ファイルは事前にAgentに添付しておくこともできますし、ユーザー自身がファイルを添付する使い方もできます。 ワークショップ 今回、ハンズオンだけでなくwxOを自社または自社のお客様がどのように利用すると効率化できるか?という観点でチームに分かれてワークショップを行いました。 1チーム4人の合計3チームに分かれてNI+C Pメンバーがファシリテートしながらアイディア出し・ディスカッションを行いました。 最後に各チームのディスカッション結果を発表いただき、「こんなことできたらいいな」というアイディアを全員で共有し合いました。 ワークショップで上がった意見の中からいくつかピックアップします。 市役所の窓口業務を実施するAI Agent チャットだけでなく音声対応もできる 個別業務を処理するTool/Agentと情報参照のRAGを併用してユーザーへの問い合わせへ回答 ブログを書いてくれるAI Agent 過去のブログを参考にして文体や言い回しを自分流に ドラフト書くAgent、推敲Agent、ファクトチェックAgentなど組み合わせ 薬局の在庫予測や自動発注にAI Agentを活用 まとめ 新しくなったwxOのハンズオンを1か月とちょっとで実施するというチャレンジングなワークショップでしたが、無事終えることができてホッとしています。 ご参加頂いた方々からのアンケートで「最新情報を知り、その環境で動作させられたのがよかった」とご意見を頂いており、準備した甲斐があったと嬉しく思っております。 wxOテクニカルワークショップの第二回も企画しておりますし、他の製品についても企画中ですので、この記事をご覧の皆様のお役に立てるよう、今後も企画・実現していきます。 「こんなことやって欲しい」というご意見ありましたら是非ご意見お願いいたします。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年08月04日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの高村です。 早速ですが、今年5月に開催されたIBMの年次イベント「Think2025」で、watsonx Orchestrateの新機能が発表されました!その中の一つとして、開発者向けの「Agent Development Kit(以下、ADK)」があります。今回はこのADKを活用し、watsonx Orchestrate環境への接続やエージェントの追加といった操作を行い、その使用感をご紹介します。  なお、watsonx Orchestrateについては、今年2月、3月に公開した「watsonx OrchestrateやってみたBLOG」でご紹介しておりますので、是非こちらもご一読ください。 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1) 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part2) 目次 はじめに ADKとは? ADK使ってみた さいごに お問い合わせ はじめに Think2025で発表された新機能は、6月に環境へ追加されました。それ以前の環境とは、メニュー構成や操作方法、機能名称に変更があります。 例えばこれまで「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」へと名称変更されています。 アップデート後の環境につきましては、別ブログにて改めて詳しくご紹介させていただく予定ですので、ぜひご期待ください! ADKとは? まずはADKについてご紹介します。ADKとは開発者向けにwatsonx OrchestrateのAgentやToolをスクラッチ開発するための開発キットになります。ローカル端末などに導入し、pythonベースで開発を行うことができます。 また、ADKとは別に、watsonx Orchestrate Developer Editionをローカル端末に導入することで、ADKで開発したAgentやToolのテストが可能になります。なお、watsonx Orchestrate Developer EditionはDockerコンテナ上で動作し、現時点のハードウェア要件はCPUは最小8コア、メモリは最小16GBが必要です。詳細はInstalling the watsonx Orchestrate Developer Editionをご確認ください。   ADKとwatsonx Orchestrate Developer Editionを利用することで、コードの迅速な作成・修正や柔軟なカスタマイズに加え、環境へのデプロイ前にローカルでテスト・修正が可能となり、作業効率の向上が期待できます。 ADK使ってみた 前述ではADKでAgent開発し、watsonx Orchestrate Developer Editionで動作確認、SaaS watsonx Orchestrateへインポートする構築の流れをお話しましたが、今回の検証における動作確認は検証環境として利用しているIBM Cloud 上のwatsonx Orchestrate利用します。よって前述したwatsonx Orchestrate Developer Editionは利用せず、ADKからwatsonx Orchestrate検証環境へAgentとToolを直接インポートし、動作確認を行いたいと思います。また、ADKのインストール先は自分の端末ではなく、IBM Cloud上に構築したUbuntuのVirtual Server Instance(以下、VSI)を使用します。検証環境の構成イメージは下記の図の通りです。 尚、ADKのインストール要件はPython 3.11以上、Pip、そして仮想環境(以下venv)が必要です。詳細については、Getting started with the ADKをご確認ください。 それでは早速使ってみましょう! VSIのプロビジョニング まずはADKをインストールするVSIをプロビジョニングします。本ブログではプロビジョニング方法について詳しく記載いたしませんが、手順は「【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud Object Storageを接続してみた(Part1)」のVSI for VPCの作成をご参考ください。 OSはUbuntu 22.04 LTS Jammy Jellyfish Minimal Install、リソースは2vCPU,4GB RAMで作成しました。VSI作成時にSSH鍵が必要なるので作成を忘れないようにしてください。 作成すると数分で起動します。端末からSSHログインするため浮動IPが必要になります。赤枠で囲った浮動IPを作成しインスタンスに紐づけします。以上でVSIの作成は完了です。 Ubuntuの設定 ターミナルを開きsshでUbuntuにログインします。私はWindowsのコマンドプロンプトを使用しました。Ubuntuユーザでログイン後、rootパスワードを設定し、スイッチできるようにします。 ubuntu@nicptestvsi:~$ sudo passwd root New password: Retype new password: passwd: password updated successfully ubuntu@nicptestvsi:~$ su - pythonのバージョンを確認したところ3.10.12でした。ADKの要件は3.11以上ですので、バージョンアップが必要になります。最初は3.13にバージョンアップしてみたのですが、後続作業と最新バージョンではパッケージが合わなかったのかうまく動かず…仕切り直して3.11を利用することにしました! root@nicptestvsi:~# apt install python3.11 バージョンアップ後、デフォルトバージョンとして3.11を指定します。 root@nicptestvsi:~# sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.10 1 sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.11 2 sudo update-alternatives --config python3 update-alternatives: using /usr/bin/python3.10 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode update-alternatives: using /usr/bin/python3.11 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode There are 2 choices for the alternative python3 (providing /usr/bin/python3).Selection Path Priority Status ------------------------------------------------------------ * 0 /usr/bin/python3.11 2 auto mode 1 /usr/bin/python3.10 1 manual mode 2 /usr/bin/python3.11 2 manual modePress <enter> to keep the current choice[*], or type selection number: 2 root@nicptestvsi:~# root@nicptestvsi:~# python3 --version Python 3.11.13 次に下記コマンドを実行して任意のvenvを作成します。 python3 -m venv /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest <環境のパスを指定 venvを活性化してログインします。下記コマンド結果のようにvenvに入れましたらUbuntuの設定は完了です。 root@nicptestvsi:~# source /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest/bin/activate (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# ADKのインストール 以下コマンドを実行してADKをインストールします。ADKは6月時点で1.5.1が最新バージョンです。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# pip install ibm-watsonx-orchestrate Collecting ibm-watsonx-orchestrate Downloading ibm_watsonx_orchestrate-1.5.1-py3-none-any.whl.metadata (1.4 kB) Collecting certifi>=2024.8.30 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading certifi-2025.6.15-py3-none-any.whl.metadata (2.4 kB) Collecting click<8.2.0,>=8.0.0 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading click-8.1.8-py3-none-any.whl.metadata (2.3 kB) Collecting docstring-parser<1.0,>=0.16 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading docstring_parser-0.16-py3-none-any.whl.metadata (3.0 kB) Collecting httpx<1.0.0,>=0.28.1 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading httpx-0.28.1-py3-none-any.whl.metadata (7.1 kB) ----中略---- (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate --version ADK Version: 1.5.1 ADKの環境設定 次にADKの環境設定を行います。watsonx OrchestrateのインスタンスIDが必要になるため、watsonx OrchestrateのSetting画面に入り確認します。下記画面をご参考にしてください。 環境設定コマンドはこちらになります。-nの後はvenv名を指定し、-uの後はインスタンスIDを指定します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env add -n <仮想環境名> -u <環境のインスタンスID> [INFO] - Environment 'my-name' has been created [INFO] - Existing environment with name 'nicpse' found. Would you like to update the environment 'nicpse'? (Y/n)y [INFO] - Environment 'nicpse' has been created 以下コマンドを実行して、IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateと認証設定をします。APIキーの取得方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」のAPIキーの取得をご確認ください。尚、リモート環境に対する認証は2時間ごとに期限切れになります。期限が切れた場合は再度認証する必要があります。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env activate nicpse --apikey <APIキー> [INFO] - Environment 'my-ibmcloud-saas-account' is now active [INFO] - Environment 'nicpse' is now active 下記コマンドを実行してCLIから利用できる環境のリストを表示します。IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateがactiveとなっていました! (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env list nicpse https://api.us-south.watson-orchestrate.cloud.ibm.com/instances/XXXXXXXX (active) local http://localhost:XXXX Toolとagentのインポート 次にToolとAgentのインポートを行います。ToolとはAgentがタスクを実行する際に利用する機能です。今回は、IBM様より共有いただいたyfinanceを活用したToolおよびAgentのコードを、ADKを用いてインポートします。なお、yfinanceはヤフーファイナンスから株価などの金融データを取得するためのPythonライブラリです。 最初にToolのインポートを行います。下記の様に、scpなどでToolファイルとrequirements.txtをディレクトリにアップロードしておきます。requirementsファイルは他のモジュールと依存関係がある場合使用します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# ls -l total 12 -rw-r--r-- 1 root root 0 Jun 24 04:42 __init__.py drwxr-xr-x 2 root root 4096 Jun 24 04:38 __pycache__ -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 8 Jun 24 03:02 requirements.txt -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 1778 Jun 24 02:46 yfinance_agent.py 下記コマンドを実行してToolファイルとrequirementsファイルをインポートします。企業情報を取得するstock_infoと株価を取得するstock_quoteの2つのToolがインポートされました。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate tools import -k python -f "./yfinance_agent.py" -r "./requirements.txt" [INFO] - Using requirement file: "./requirements.txt" [INFO] - Tool 'stock_info' imported successfully [INFO] - Tool 'stock_quote' imported successfully listコマンドを実行するとインポートされたToolを確認できます。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:# orchestrate tools list ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┳ ┃ Name ┃ Description ┃ Permission ┃ Type ┃ Toolkit ┃ App ID ┃ ┡━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━╇ │───────────┼────────────┼── │ send_mail_brevo │ send a meil using Brevo. │ write_only │ python │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_quote │ 企業のTickerSymbolを用いて株価… │ read_only │ python │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ Untitled_6160RC │ No description │ read_only │ openapi │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_info │ 企業のTickerSymbolを用いて企業… │ read_only │ python │ │ │ └─────────────────────────────────┴──── 次にAgentをインポートします。下記コマンドを実行します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate agents import -f ./yfinance_agent.yaml agent listコマンドでインポート済みのAgentを確認できました。Agentが使用するToolも表示されています。 (your-venv-adktest) # orchestrate agents list ┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━ ┃ Name ┃ Description ┃ LLM ┃ Style ┃ Collaborators ┃ Tools ┃ Knowledge Base ┃  ┡━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━ │ yfinance_age… │ 企業の会社情… │ watsonx/meta- │ react │ │ stock_info, │ │ │ │ │ llama/llama-3 │ │ │ stock_quote │ │ ││ │ │ -2-90b-vision ││ │ -instruct │ │  IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで動作確認 インポートしたAgentとToolをIBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで確認します。 watsonx Orchestrateへログインし、BuildからAgent Builderを選択します。 yfinanceエージェントが表示されているので、クリックします。 クリックすると、Agent作成画面に入ります。UIから基盤モデルを変更したり、Agentの振る舞いなど変更することができます。 スクロールして、Toolsetを確認するとADKからインポートしたToolが登録されています。 右のPreviewからAgentの動きを確認することができます。今回はDeployせずPreviewで確認します。入力欄には「IBMの株価は?」と質問してみます。しばらくすると本日の株価が回答されました。Show Reasoningを開くと推論過程を確認することができます。株価を取得するTool「stock_quote」を使用し、AIがユーザの入力から自動的にTicker symbolを入力していることがわかります。 次に「IBMの企業情報」と質問をします。しばらくするとAIがユーザの入力からTicker symbolを入力し、Tool「stock_info」を利用して企業情報を取得、回答されました。ユーザの入力内容からAgentが使用するToolを選択し、実行していることがわかります。   さいごに ADKのご紹介とADKを使ってToolとAgentのインポートを行いました。 ADKのインストールおよび設定について、Pythonバージョンの設定やvenvの作成でつまずく部分はありましたが、venvが作成できればその後の設定はスムーズに進められました。 今回はVSI上のUbuntuサーバにADKをインストールしましたが、ご自身の端末に導入することで、より気軽にAgent開発を行えるかと思います。なお、今回は検証対象外でしたが、watsonx Orchestrate Developer Editionを利用する場合は、インストール要件としてやや高めのスペックが必要になる点にご注意ください。 検証時のADKのバージョンは1.5.1でしたが、7月末では1.8.0が最新バージョンとなっています。比較的頻繁にアップデートされますので適宜Release Notesをご確認ください。バージョンアップでコマンドオプションも変更される場合があるため、マニュアルを確認するかコマンドに`--help`を付与してパラメータを確認することをおすすめします。   お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; }

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