2020年11月

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10GbpsEtherは何を選べばよいの?

こんにちは。てくさぽBLOG新メンバーの佐藤です。

最近でも、10GbpsEtherを含めたサーバの構成依頼を多くいただきます。
種類がいくつかありますので、どの10GEtherにしましょうか?と確認すると
種類が多すぎてどれにしていいかわからない、どうお客様にヒヤリングしていいかわからない
といったお困りの声が多いため
今回は、何を選定していいか迷ってしまいがちな「10GbpsEther」について改めて解説いたします。

10GbpsEtherとは?

読んで字の通りですが従来のGbitEtherの後継で10倍の転送速度を持つEtherとなります。
10GbpsEtherの難点は複数の種類があるところです。
代表的なものを以下にあげます。
なお、これ以外にもありますが現在あまり販売していないもの、WAN回線用の長距離通信の規格については除いています。

・10GBASE-T

・10GBASE-SR

・10GBASE-LR

・10GBASE-SFP+

それぞれについての技術的な解説等は多数のサイトにお任せするとして 本ブログでは、
何を選択すればいいか?に焦点を絞って解説致します。
10GbpsEtherを選定する際は基本的には以下の2つの要素から決めます。

1.汎用性

2.配線距離

1.汎用性

2016年8月現在、サーバに搭載する10GbpsEther汎用性ランキングは以下の通りです。
 *個人的な感覚を含みます。

ランキング 名称 成長率
1 10GBASE-SFP+
2 10GBASE-T
3 10GBASE-SR
4 10GBASE-LR

1位は10GBASE-SFP+としています。
今買うのであればもっとも普及しており、汎用性が高い規格となります。
スイッチの種類も豊富です。
ただし、今後は10GBASE-Tの動向次第といったところです。
2位の10GBASE-Tは、期待を背負って最後に登場した規格となりますが
様々な理由から穏やかに成長しており、価格的にも今のところは10GBASE-SFP+と同じくらいです。
しかしながら、RJ-45コネクタおよびメタルケーブル接続という潜在的なコストメリットは最も高いため、今後普及がさらに進めば価格が下がることが期待されます。
3位以下は次にあげる配線長の理由が無い限り特に大きなメリットが感じられません。

2.配線距離

各規格の最大配線長は以下の通りです。

配線長 名称 種類
~10m 10GBASE-SFP+(Cu Twinnax) メタル
~100m 10GBASE-T メタル
~300m 10GBASE-SR 光(MMF)
~10km 10GBASE-LR 光(SMF)

SFP+(Cu Twinnax)はダイレクトアタッチケーブルと呼ばれるものです。
最大10m以下となりますので、実質ラック内配線専用となります。

10GBASE-Tの最大長は最も高品質なCat6a/Cat7ケーブルを使った場合で100mまで、Cat6/Cat6eですと55mまでとなります。
そのため、データセンターなどの広いフロア内の配線や、上下階配線ではやや物足りない長さとなります。

10GBASE-SRはOM3という高品質光ケーブルを使用すると300mまで伸ばすことができます。
300mあれば、フロア内配線で困る事は無いでしょう。

10GBASE-LRは最大長10kmと敷地内の棟をまたぐような特別長い配線をする場合に必要になります。
基本的にスイッチ間接続が主用途となります。

 

10GBASE-SFP+

ここで、SPF+について補足します。
上記の通り、10mまでしか配線出来ないのであればSPF+は汎用性高くないではないか?
と疑問に思われる事でしょう。
しかし、SFP+は、モジュールを選択することによって10GBASE-SFP+(Cu Twinnax)と10GBASE-SR両方に対応可能です。
たとえば、ラック内配線では10GBASE-SFP+(Cu Twinnax)で安価に、ラック外との接続はSRトランシーバーを使用し光ファイバで接続といった具合に、メタルケーブルの経済性と光ケーブルの長距離、高品質を両立させることができます。
設置環境の情報が不明なケースが多いため、私はもっとも汎用性が高いSFP+を選択することが多いです。

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10GBASE-SFP+(Cu Twinnax)_ダイレクトアタッチケーブルの例

無題

10GBASE-SFP+ SRトランシーバモジュールの例

まとめ

さまざまな規格が存在する10GbpsEtherの世界ですが、今から購入するのであれば10GBASE-SFP+か10GBASE-Tのどちらかとなります。
今のところ迷ったり、指定がない場合、汎用性と配線距離を踏まえてSFP+を選択します。
10GBASE-Tについては、現状ではSFP+と比較して
・RJ-45ではあるが、ケーブルを引き直す必要が有り、配線を流用できない
・最大ケーブル長がSFP+と比較して短い
・消費電力が高め(改善されつつある)
・高レイテンシ
となり、積極的に選ぶか?といわれると意見の分かれるところになります。
敷設のしやすさ、ケーブルの取り回しのしやすさ1GbpsEtherとの接続性といった点を
評価するのであれば 10GBASE-Tとなります。
普及が進み、スイッチ含め、価格がもう一段下がれば基本は10GBASE-Tで構成となるかと思います。

※SFP+ダイレクトアタッチケーブルを使用する場合の注意点(2018/11/2追記)※

SFP+のダイレクトアタッチケーブルですが、ネットワークスイッチ側で制限がかけられているケースがあるようです。
具体例ですとCISCOのCatalystシリーズと接続する場合はCISCO以外のメーカーのケーブルを接続するとリンクアップしないようです。
Catalystの場合、回避策がありますので知りたい方は”#no errdisable detect cause gbic-invalid”や”#service unsupported-transceiver”で検索ください。
ダイレクトアタッチケーブルの場合、サーバーとネットワークスイッチのメーカーが違う場合は相互にサポートするケーブルはありませんのでサポートを気にされる場合は、SRトランシーバーでの接続をお勧めいたします。

以下は、ダイレクトアタッチケーブルの適合性についての資料となりますがこちらのリンク先の資料については、各メーカーのサポート状況をまとめたものではなく、あくまで互換SFP+モジュールを販売しているPanduit社の調査結果に基づくデータとなります。
こちらの情報で使用可能となっていても、メーカーのサポートは受けられない、もしくは動かないケースもあり得ます。
あくまで自己責任の範囲でご参照ください。

http://www.panduit.com/heiler/TechnicalReferences/D-COTR104–WW-JPN-Rev2-SFPCprCblAsmbl.pdf
http://www.panduit.com/heiler/TechnicalReferences/D-COTR104–WW-ENG-Rev5-SFPCprCblAsmbl.pdf

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2022年06月24日

【早わかり】AIX と IBM i ライセンス情報

こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。   セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント   1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。   2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。   3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。   さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。   お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp  

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