2012年11月

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実際どうでしょう Vol.1「仮想化を軸にすると、お客様メリットやPureSystemsの凄さがわかった」

普段の製品・ソリューション紹介だけでは聞き出せない情報を「実際のところはどうなんだろう?」という素人視点で、専門家に聞いてみるシリーズです。題して「実際どうでしょう」。。。どうぞ、ご覧ください。

このインタビューでエバンジェリストの新井さんが用意した詳細資料をダウンロードできます。記事とあわせてどうぞ。

Linuxの仮想化技術(KVM)とIBM PureSystemsについて、その道のエキスパートをお呼びしてインタビューさせていただきました。

インタビューを通して、新井さんは誰にでも分かりやすい言葉を使いながらもマクロ(動向)とミクロ(事例やお客様の声など)を交えて詳しく解説してくださいました。MERITひろばの会員の皆様に少しでも役立つ記事になっていれば幸いです。(インタビュアー:重山)

 

対談イメージ

PROFILE

IBM 新井 真一郎 さん X(旧称:Twitter)@araishin

・IBM Linux / OSS エバンジェリスト

・入社以来、金融サービスに従事しAIXに深く関わる

・その後、よりオープン性の高いLinuxのサポートセンターに移動し、エバンジェリストとして活躍

 

MERITひろば事務局 重山 勝彦 (インタビュアー)

日本情報通信株式会社。MERITひろば事務局。入社3年目にてMERITひろばの運営、コンテンツ全般を担当。

※ 2012年10月時点のプロフィールです。

 

— いきなりですが、Linuxって「リナックス」「ライナックス」「リヌークス」と色々読み方がありますがエバンジェリストの新井さんはなんと発音されていすか?(重山)

弊社では、日本でビジネスを開始した当初から「リナックス」で統一しています。語源にもなっている開発者のリーナス・トーバルズさんのお名前の呼び方が「ライナス」さんではなく「リーナス」さんと呼ばれることも多くなったからでしょう。 (新井)

— Linuxもコモディティ化して、呼び方も安定したのですね。しかし、私は日頃の業務でLinuxを触れることはないのですが、若いエンジニアから見るとLinuxに対する思いはどうなのでしょう。

今の学生はUbuntu(ウブントゥ)ベースのLinux Mintのような洗練されたユーザインタフェースのデスクトップを抵抗なく使っていますね。「Linux女子部」という女性技術者向けの活動もあります。エンジニア育成というのはどの技術でも重要ですが、仮想化技術が普及して、Linuxの上でWindows Serverを動かすのも普通になってきましたね。

 

Linuxの思想は「誰のものでもない」というのが基本にある

— なるほどリナックスミントですか、今度見てみます。ところで、新井さんは学生時代にUNIX,社会人になってAIXに触れたそうですね。実は私は、AIXとLinuxの違いも良くわかっていないのです。ポイントを教えて頂けないでしょうか。

AIXは運用保守性を追求したOSと言えます。そのため、中長期的に安定稼働させることに注力する仕様になっています。

例えば、

・H/W RAIDを使わずに、ディスク管理と一体化されたLVMベースの機能で簡単にディスク障害保守作業ができます。これはLinuxにはありません。

・パッチの適応は小さい単位(ファイル単位)、コミットしなければ一世代前にすぐに戻れるので、適応後に悪影響があっても影響を最小化できるという、保守担当者にはうれしい仕組みがあります。

一方、Linuxの思想は「誰のものでもない」というのが基本にあるのです。

— 「誰のものでもない」?それはどういう意味でしょうか?

はい、「皆に選択肢が与えられている」とも表現できるのです。通常のシステムは利用者や開発ベンダーのシステム要件に合わせて作られますよね。しかし、オープンであるLinuxは1社に偏らずに、またソフトだけでなく、ハードベンダーまでもが協力し、皆がその恩恵を受けられるというベンダーのエコシステムが作れる環境になっています。

例えば、

・IntelもLinux/KVMのソース改修に開発者を投入して力を入れています。Linuxが普及することで、Intel CPUを使ったサーバの利用促進につながるという間接的なリターンを考えての活動と思います。

・また、エンドユーザはこのベンダーのエコシステムによって、同じシステム要件でも沢山の方法が提供されているため選択肢が広がります。

oVitを設立し、KVMを推進

— なるほど、最近 MicrosoftがWindows Azure(クラウドサービス)でLinuxも選択可能にしましたよね。

そういえば、10年前ぐらいでしょうか。Windows OSとLinuxに代表されるオープンソース系OSとのやり合いがすごかったですよね。ネガティブキャンペーンなども良く見ました。最近は見ないですね。そうです、当時は普及期だったので、ベンダー側からするとシェアの取り合いという意味で様々にプロモーション方法がありました。 近年は、Windows  or  Linux というOSレベルでの選択には意味がなくなっているのです。つまり、お客様は「OSで選ぶ」という視点ではなくなっているのです。

— Windows vs Linuxという構図や議論ではなく、別の構図になったという事でしょうか?

そうなのです。あるお客様は「目的のシステムはLinuxもサポートしてるからLinuxした」とおっしゃっていました。これは、Linuxだとあれができるから・・というOSありきでシステム検討を始めるのではなく、システム要件を満たすミドルウェア、ソフトウェア、アプリケーションを考えていく上でそれがLinuxでも動くというアプローチになっただけなのです。

 

 

OS有りきではなく、結果としてLinuxを採用していた

— お客様の意識が変わったという事でしょうか?

少し話が逸れるかも知れませんが、近年のお客様は、OSの違いよりも自社でシステムを作り、ノウハウを貯めていきたいという思考が強いです。意欲的ですよ。そのため今までLinuxを使った事がないお客様でも、システム要件を詰めていった結果としてLinuxを採用したというケースも多いです。

カシオ計算機様の事例は、そのケースです。

IBM BladeCenterの導入の2年後に複数の環境で仮想化を進め、その過程でLinux KVMに出会い、実装を進めました。

その際、KVM環境もお客様自身が積極的に実装しております。もちろんRedHat社の後方支援はあります。
カシオ計算機Linux導入プレスリリース記事

 

 

— いわゆる内製化ですね。そうなると、SI会社もビジネス形態を変えて行かなければなりませんね。

はい、しかし一方では、Linuxやx86系のシステムの進展はすごく早いため、お客様が全てをカバーするのは無理があります。そのような幅広い知識をもちながら、お客様のシステム構築・運用を支えてくれるパートナーが求められています。

— なるほど。最近のMERITひろばのWebアクセスを解析してみるとオープンソースの情報やその上のミドルウェアのページが人気です。ノウハウを自社で・・というお客様の背景があるのですね。

そのとおりです。Linuxはあくまでも基盤なので、システム採用はその上のミドル、アプリケーションで決めるわけですからね。

 

領域拡張しても追加課金が発生しないのは大きなメリット

— 概要としては理解できました、恐らくですが(笑)。ここからは、お客様がLinux、KVMを選択するポイントをもう少し具体的に教えてください。
KVMロゴイメージ

当初の狙いではなく、結果として、Linux KVM採用でメリットが出たというケースをご紹介します。

国内の教育サービス事業会社様のケースです。この事業会社様は、WebShpere Application Server(以下WAS)のJVMを沢山ならべる必要があり、当初、物理サーバ上で1つのOSで複数のJavaを稼働させたところパフォーマンスが低下してしまいました。
教育サービス事業者様事例

この時にお客様が採用していたRed Hat Enterprise Linux (以下 RHEL)のバージョン5.4は、パッケージ内でKVMを標準サポートしていました。

あまり知られていないポイントですが、RHEL Version5.4以上だったらすぐにいくつでも仮想マシンが作れます。Red Hatのモジュールになっているので、KVMを利用していくつ仮想化してもそれに対する追加ライセンスは発生しないのです。最小構成のエディションでも1Guestはついています。これは、いちいち他のハイパーバイザーと箱(H/W)を用意して環境を構築しなくても「すぐに初められる」のです。RHELを使った仮想化の強みと言えます。

これによってお客様は、低コストでパフォーマンスの高い環境を得ることができました。

 

 

「PureSystemsは仮想化を前提に設計されている」

— KVMの強み理解できてきました。次はKVMとIBM PureSystemsの相性や強みを教えて下さい。PureSystemsは4月にリリースされて間もないですが最近導入採用事例がでてきました。

しかし私は、カタログレベルの知識しかなく、強みなどを人にうまく説明できるレベルではないのです。勉強不足なだけですが・・・(苦笑)
そうですね、非常に良くできたシステムですが、高機能=複雑と思われることもあると思います。ここでは、本仮想化技術を中心に見た場合でご紹介しますね。私は、「PureSystemsは仮想化を前提に設計されている」と紹介しています。

IBMエバンジェリスト 新井さん

例えば

・シャーシ、ブレードを14ブレードでも14OSではなく仮想化することで何倍ものアプリを可動できる

・ハードと仮想化を統合して管理する思想に基づいている

・個別に管理していたパッチ(OS /ファームウェア等)も統合管理できる

などが挙げられます。特に管理業務に対するサポートは強力です。

「仮想化すると仮想化ゆえのワークロードが発生するがそれを吸収していこうという思想」がPureSystemsにはあります。

また、KVMはハイパーバイザーだけなので、管理ツールについては別途用意する必要があります。冒頭でLinuxは「皆に選択肢が与えられている」と申しましたが、

・よく言えば「選択肢が多い」

・悪く言えば「統合的なツールは含まれていない」 とも言えます。太鼓判構成ではこれらの管理ツールを含めた構成モデルがあります。

もちろん、PureSystemsはKVM以外もサポートしていますのでマルチハイパーバイザーでプライベートクラウドを簡単に始められます。そして、PureSystemはブラウザのクリックひとつでクラウド領域を増やせていける点も導入後の拡張容易性を支援しています。

逆に特定の仮想化ソフトひとつだけでシステム構築すると依存度が高いのでKVMも使ってみようというお客様も多いです。

 

 

お客様はスキルをためて、調べた上でSI/開発会社に提案、助言を求める

— ここまでお話を伺っていて「仮想化という軸を持っていると、採用側も提案側もシナリオ一貫して共通理解が得やすい」と感じました。

そのとおりですね。仮想化技術はこれからも発展していき、クラウドサービスにしても特定のシステムにしても当たり前の選択肢になっていきます。

一方でH/W、OS,アプリはそれぞれ進化していきますので、選択肢も複雑化していきます。

冒頭は内製化の話がありましたが、クラウド環境を見てもコストメリットはありますが、外部委託にするとサービス提供者の仕組みに従わなければなりません。Linuxのカーネルバージョンひとつとっても、お客様都合で変更はできませんからね。お客様はこのように、スキルをためて、スペック等は調べた上で、SI / 開発会社に提案、助言を求めてくると思われます。

そのような状況で、スペックだけの提案をしても前に進みませんから、お客様のメリットを中心にご提案差し上げるという視点はいつでも大事です。「業務でうれしい、新しいこと」から伝えられるといいですね。

— 仮想化技術により興味がわいてきました。もっと勉強したいと思います。本日は楽しく会話させていただきながら、大変勉強になりました。お時間いただき、ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

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2025年06月26日

次世代型のインフラ構築を実現するIBM Fusion HCIがクラウドシフトを加速

公開日:2025-06-26 クラウドファースト時代となり、企業のインフラ構築においてもクラウドネイティブなアーキテクチャをめざす潮流が高まりつつあります。なかでも重要な技術とされるのが、コンテナベースの基盤づくりで、アプリケーションをコンテナ化できれば、その移植性や効率性、スケーラビリティなどが大きく高まり、ビジネスの展開を高速化できると期待が集まっています。 しかし、基盤のコンテナ化は、これまでのシステム構築のあり方と大きく“作法”が異なり、専門のナレッジやスキルが求められます。ただでさえ IT人材が不足している今日、一朝一夕に移行するのは難しく、この点が多くの企業にとって大きなジレンマとなっています。 貴社においても、 「クラウド移行は進めたものの、残るオンプレミスシステムとどう連携させればいいのか」 「自社で腰を据えてAI活用に取り組みたいが、社内リソースが足りない」 などのお悩みはないでしょうか。 今回は、企業が課題を抱えがちな次世代型のインフラ構築をあっさり実現するソリューションIBM Fusion HCIを紹介します。 目次 インフラ基盤が抱える課題 IBM Fusion HCIの概要 インフラ基盤が抱える課題への最適策 IBM Fusion HCIを利用したユースケース 次世代のインフラ基盤への鍵を握るIBM Fusion HCI お問い合わせ インフラ基盤が抱える課題 今日、企業情報システムのインフラ基盤は様々な意味で岐路に立っているといえます。これまで同様の手法では、刻一刻と変化し続けるビジネス環境を受けとめきれず企業競争力を低下させる恐れもあります。 例えば、具体的な危惧の内容として次のようなものがあります。 1. クラウドネイティブなアーキテクチャ導入の高い難易度 クラウドネイティブなアーキテクチャは柔軟性やスケーラビリティを重視した設計手法で、ビジネススピードの向上にも貢献します。しかしその導入には既存のシステムとは手法が異なるため、互換性確保や高度な専門知識を持つ人材の確保といった点に障壁があります。また、従来型の開発手法から移行する際には、文化的変革や技術的理解のギャップが課題になっています。結果、プロジェクトを立ち上げたものの頓挫してしまった、というケースも発生しています。 2. マルチクラウド戦略を推進する上での壁 マルチクラウド戦略とは複数のクラウドサービスを使い分けることで、効率的なリソース管理やリスク分散を実現することを指します。多くの企業が「オンプレとクラウドを統合」または「複数のクラウド環境を最適化」したいと考えています。 しかし、相互接続性やデータ移動に大きな課題があります。また、異なるプロバイダ間での運用調整やコスト管理の複雑化も実践の妨げになりがちです。特に、各クラウド特有の設計要件への対応やパブリッククラウドとプライベートクラウド間のデータ連携には多くのリソースとノウハウが必要です。 3. 自社AIワークロードの拡大 AIワークロードの拡大は、迅速なデータ処理や大量データ解析を可能にします。しかし、これに伴って高性能なインフラ整備が求められます。既存のインフラでは計算負荷が高く、パフォーマンスが著しく制限されるためです。慎重に選定を進めなければ計算資源の増加による費用の急増が発生するリスクがあります。 エッジ環境でのデータ処理や通信コストの抑制に対応できる基盤という観点も重視しなければなりません。開発プロセスの最適化や適切な AIモデルの選定なども大きな課題です。 4. VMware基盤のコスト問題 すべての企業に当てはまるわけではありませんが、仮想化基盤として VMware を採用するのは普遍的なソリューションであり、信頼性の高い仮想化テクノロジーを提供します。 しかし、近年そのコスト問題が大きく取り沙汰されており、ライセンス料や運用費用の高さが企業にとって大きな負担となっています。長期的な予算圧迫を招く可能性があり、特に運用規模が拡大していくビジネス環境の場合、コスト管理が難航するリスクがあります。さらに、技術的な側面では仮想マシン単位でしか運用管理できないという点があり、リソースの効率的な活用に限界があります。 IBM Fusion HCIの概要 IBM Fusion HCI は、上記のようなインフラ課題を解決するために登場したハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソリューションです。コンテナ(Red Hat OpenShift、以下 OpenShift)ベースのシステムを構築するために必要な機能をあらかじめすべてパッケージ化しており、コンテナ専用のオール・イン・ワンソリューションといえます。 具体的に必要な機能とは、統合運用管理ダッシュボード、ストレージファイルシステム、バックアップリストア、コンテナ、仮想マシンを指しており、オプションでデータ連携カタログも選択できます。納品後最短4時間で構築が完了し、すぐに使用を開始することができます。 図1:IBM Fusion HCI概念図 これにより、企業において統合データ管理やクラウドとの透過的アクセス、アプリケーションの高速化といった次世代志向のインフラ構築が実現します。また、IBM Fusion HCI はサーバー/スイッチも統合管理でき、サポートを IBM に統一できるという点においても企業の運用管理負荷を大きく軽減することが可能です。AI を含む負荷の高いワークロードにも対応できます。 このプラットフォームで、データ管理、計算リソース、ストレージを効率的に統合できるため、AIアプリケーションの実行に必要な環境がシームレスに整います。例えば、AIモデルのトレーニングや推論処理を高速化するために計算資源にスケーラビリティをもたせるといったことも可能です。さらに、セキュリティ面でも信頼性の高い機能が提供されており、企業の重要なデータを安全に保護します。 インフラ基盤が抱える課題への最適策 IBM Fusion HCI は 導入しやすく柔軟でパフォーマンスに優れたインフラ基盤 です。コンテナベースのシステム構築を進めたい企業にとって最適の選択肢といえ、そのメリットとしては次のようなものがあります。 1. クラウドネイティブへのスムーズな移行を実現 Red Hat OpenShift を基盤とし、これをあらかじめパッケージした HCI であるため、ユーザーはクラウドネイティブなコンテナ基盤を導入する際に設計を始めとした複雑な調整を省けます。また、専用インストーラーを搭載しており導入をスムーズに進めることができるため、製品が到着したその日からデジタルトランスフォーメーションに着手することが可能です。 2. マルチクラウド/エッジ環境への移行 IBM Fusion HCI は、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジ環境のどこでも稼働することができます。特に、ハイブリッドクラウドのアプローチを強化するために設計された新しいサービス「IBM Cloud Satellite」を活用すれば、IBM Cloud サービスのメリットを IBM Fusion HCI の環境にも容易に拡張できます。 例えば、データが特定の地域に留まる必要がある法規制に従う際に、IBM Cloud Satellite はその地域でのデプロイメントをサポートしつつ IBM Cloud が提供する最新の AI、セキュリティ、ストレージ機能をオンプレミス環境で利用できます。 この透過的なデータ連携能力は、マルチクラウド環境のデータ制御に大きな力を発揮します。 3. AIワークロードに対する優れた対応力 セルフ型オンプレミスクラウドの提供 IBM Fusion HCI は AIワークロードに特化した柔軟で高度なインフラ基盤を提供します。強みは、watsonx との連携によるセルフ型オンプレミスクラウドの構築が可能 である点です。この連携により、クラウドの利便性をオンプレミス環境に取り入れ、AIモデルのトレーニングやインファレンス(推論)作業をシームレスかつ効率的に進められます。 AI処理に最適化された設計 IBM Fusion HCI には高速な AI処理を実現する設計が施されています。NVIDIA GPU の活用を可能とし、AIモデルのトレーニングや推論の速度を飛躍的に向上させます。また、watsonx.data と組み合わせることでデータクエリのパフォーマンスを従来インフラの最大90倍まで高速化 することが可能です。 エンタープライズグレードのデータ基盤 IBM Fusion HCI はデータレイクハウスとしての機能を提供し、AIワークロードに必要なデータ収集・分析基盤の構築を支援します。エンタープライズ規模の大容量データ管理に対応し高い柔軟性と拡張性を持つため、DX を推進する企業にとって理想的な選択肢と言えます。 4. コスト削減と効率性の向上 VMwareのライセンス費用をカット IBM Fusion HCI は、VMware を利用した仮想化基盤の代替として大幅なコスト削減の可能性とします。物理サーバー上に Red Hat OpenShift環境を直接構築する仕組みによって VMwareライセンス費用や運用コストを削減すると同時に、OpenShift利用における費用も最適化できます。 効率的なリソース管理 コンテナ単位での精細なリソース管理を実現する IBM Fusion HCI は、従来の仮想マシン管理よりも大きな効率性を発揮します。これにより、仮想化環境の課題(例:仮想マシン単位でしかリソースを扱えない問題)を解消し、リソースの使用効率を最大化します。 運用負荷とコストの削減 IBM Fusion HCI は設計・導入・運用にかかる負担を軽減し、運用管理の効率化を達成します。IBM による一元的なサポートが可能なため、トラブル発生時の対応が迅速かつスムーズです。また、watsonx を活用した次世代ワークロードに最適化されており、最新技術を活用しながら長期的なライセンスコストの抑制を実現します。 5. 障害時の運用負荷負担削減 IBM Fusion HCI は、システムの信頼性を高めるために設計された自動監視および報告機能である CallHome機能を搭載しています。そのため、障害発生時に IBM に自動通知でき、運用負担を軽減することができます。統合管理コンソールによりシステムの状態を一元的に確認できるため、トラブルシューティングも容易に行うことができます。 IBM Fusion HCIを利用したユースケース 1. IoTサービスでの利用 製造業で IoTサービスを開始したいという場合、製品や生産機械から IoTデータを収集し、このデータをクラウドなど IoTサービスの拠点に送る必要があります。しかし、生産拠点によってはセキュリティやネットワーク要件が厳しくデータをクラウドに出せないということもあります。 そこで、条件の厳しい工場には IBM Fusion HCI を設置しクラウド同様の IoTサービスを展開することで、エンドユーザーにデータから得られる知見を提供できます。 2. マルチクラウドでの利用 すでに進んでいるクラウド移行を統一管理したい場合にも IBM Fusion HCI は活躍します。例えば、複数クラウドの OpenShift環境に統一したセキュリティポリシーを適用するとした場合、お客様サイトの IBM Fusion HCI を起点として IBM Cloud を介して様々なロケーションの OpenShiftサービスを一元化できます。ポリシーをアップデートする際も変更が自動的に反映されるため、運用管理の負荷が大きく軽減できます。 3. AIワークロードでの利用 AIデータ処理を IBM Fusion HCI上の NVIDIA A100 GPU で実行することができます。これにより、大規模な AIシステムを構成するコアシステムやクラウド上の AIアプリケーションのデータへライブストリーミングすることができます。また、エッジで処理を終えてから、コアシステムやクラウド上のデータレイクやデータウェアハウスに送信するといったことも可能です。 図2:エッジのIBM Fusion HCIでAIデータ処理を実行 次世代のインフラ基盤への鍵を握るIBM Fusion HCI 未来志向のインフラ基盤に求められるのは「柔軟性」「効率性」「スピード」「安全性」です。IBM Fusion HCI は、これらすべてを備えた次世代型のソリューションとして、顧客提案の新しい切り札になると考えられます。 エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェア/ハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Fusion HCI のお客様への提案をサポートします。また、IBM のソフトウェア製品およびハードウェア製品を組み合わせた最適な提案を提供するとともに、製品の特長や利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスをサポートしています。 「お客様のニーズや要件に合わせて総合的なIBMソリューションを提案したい」 「IBM製品の機能や適用方法についての問い合わせに適切に対応したい」 「IBM製品の特長や利点を活かしてお客様ビジネスに最適なプランを提示したい」 といったご要望をお持ちの際は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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