こんにちは、ソリューション企画部の久田です。
今回は、日本アイ・ビー・エム株式会社主催の「watsonxで実現するAIエージェント ハンズオンセミナー in 大阪」に参加してきました。本イベントは、AIを活用した業務効率化の具体的な事例や実践体験が盛り込まれており、非常に充実した内容でした。
この記事では、その参加レポートをお届けします。
イベント概要
2025年5月30日、IBM Innovation Studio大阪にて「watsonx Orchestrate」をテーマとしたセミナーが開催されました。内容は以下の2部構成となっています。
1.パートナー登壇セッション
- watsonx Orchestrateの基本解説やユースケース紹介、THINK2025最新情報のアップデート
- セッション1:「watsonx Orchestrate使ってみた!~会議後の営業業務効率化~」
- セッション2:「製造業様で実践!AIエージェントによる社内業務変革の実現の第一歩~AIエージェント×企業変革~」
2.ハンズオンセッション
- 参加者は利用者/役割に合わせた「watsonx Orchestrate」の操作を体験
イベント紹介
2つのセッションとハンズオンセッションをご紹介します。
セッション1:
「watsonx Orchestrate使ってみた!~会議後の営業業務効率化~」
弊社 エヌアイシー・パートナーズ株式会社(技術企画本部ソリューション推進部 高村 幸乃 )より「会議後の議事録作成・共有業務」をテーマに、AIエージェントによる効率化の具体例をご紹介いたしました。
主なご紹介内容
- 業務フローにおける課題
- 複数ツール間の作業連携や入力ミスが多発する従来のプロセス
- 会議後の議事録作成・送信に時間がかかる現状
- watsonx Orchestrateの解決策
- チャットベースの指示で議事録を作成 → 関係者へ共有 → システムへの登録が一括処理可能
- 定型業務の自動化でわずか数分で作業が完了
検証結果:作業時間が20分から2~3分に短縮

セッション2:
「製造業様で実践!AIエージェントによる社内業務変革の実現の第一歩~AIエージェント×企業変革~」
続くセッション2では、日本情報通信株式会社(データ&アナリティクス事業本部 エキスパートエンジニア 稲見 慎 さん)にご登壇いただき、「休暇申請プロセス」をモデルにした業務変革の実例と、AIエージェントとの連携による効率化手法をご紹介いただきました。
主なご紹介内容
- 現状の課題
- 人事異動や休暇申請などの手続きで処理時間がかかる
- 非効率な手順や承認プロセスをAIで改善
- 解決策
- watsonx OrchestrateとRPAを組み合わせた申請から承認、勤怠システム登録までの効率化
- ワークフロー生成の柔軟性を実例でデモ
- 拡張性
- 次期導入に向けた他業務フローの適用可能性(例えば備品管理や施設予約システムへの応用)

参加者からは、アプリケーションのプリビルドスキルやスキルフローに関する具体的な質問、さらには生成AIとの連携についての質問が寄せられ、これらがビジネスへの適用可能性に対して大きな関心を集めていることがうかがえました。
ハンズオンセッション:watsonx Orchestrateを触って体験
概要
パートナー登壇セッション後に実施されたハンズオンセッションでは、参加者が自身のPCを使って「watsonx Orchestrate」を操作しました。業務部門ユーザー、業務リーダー、IT部門ごとの役割に合わせたスキル構築やプロセス効率化を体験しました。
主な体験内容
- 業務部門ユーザー
- 業務リーダー
- IT部門
AIチャットを活用し、メール作成スキルを呼び出して議事録作成と共有を簡易化
カード申請情報取得フローを作成し、ルールベーススキルを活用したプロセスを構築
OpenAPI定義を基に生成AIとの連携スキルを構築
業務部門ユーザーとして、実践いただいた内容
- AIチャットを使って指示を出し、メール作成スキルを呼び出し、メールドラフトを生成。生成された内容を関係者へメール送信するプロセスを実践
業務部門リーダーとして、実践いただいた内容
- ルールベーススキルの作成
- 年齢、職業、年収などの条件を基に「クレジットカード審査スキル」を構築、審査基準に基づいて条件判断を行うスキルを作成
- スキルフローの作成
- 「申し込み情報取得スキル」と「与信審査スキル」を組み合わせたスキルフローを構築フロー間で出力と入力のデータをマッピングし、実行可否を確認
- 生成AIスキルの作成
- コメントから住所変更のための再審査を判断させるプロンプトを作成し、生成AIスキルとしてAIチャットから利用する
IT部門として、実践いただいた内容
- OpenAPIを活用したカスタムスキル作成
- REST APIの仕様を記述したOpenAPI定義に基づき、カスタムスキルを作成。AIチャットからスキルとして利用する
- アシスタント作成 (オプション)
- watsonx Orchestrateの機能であるアシスタント・ビルダーを使い、アシスタントを作成。作成したアシスタントをAIチャットから利用する

お客様の反応
環境ログイン時や操作において、多少戸惑う場面も見受けられましたが、日本アイ・ビー・エム株式会社 様をはじめ、日本情報通信株式会社 稲見さん、弊社 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 高村 が丁寧にサポートさせていただきました。その結果、最終的には完走された方もいらっしゃいました。また、オプションタスクに挑戦された参加者もおり、非常に意欲的な姿勢が印象的でした。
まとめ
今回、日本アイ・ビー・エム株式会社が主催したイベントでは、「watsonx Orchestrate」で実現する自動化・効率化を実感いただく機会となりました。また、懇親会では参加者から意識の高いコメントが寄せられ、自社業務への適用可能性を真剣に検討される姿勢が見受けられました。今後、「watsonx Orchestrate」の導入がさらに広がることが期待されます。
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- 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1)
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NI+C Pのテクニカル支援の取り組み
弊社エヌアイシー・パートナーズでは、検証環境貸し出し、セミナー・ハンズオンセミナーの開催などを通じて「watsonx Orchestrate」の技術支援を行っています。ぜひ、興味を持たれた際は、是非一度ご連絡ください。
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エヌアイシー・パートナーズ株式会社
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