2021年09月

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設備保全管理は、事後保全から将来の事業を生み出すための「予防保全」へ

製造現場やプラントでの設備資産保全業務は、「人手不足」と「属人性」がボトルネックとなって生産性向上を妨げられていることが少なくありません。
日常的に安全を確保し効率的に設備資産保全業務を運用するためには、トラブルや故障時だけに実施する「後手の対応」ではなく、未然にトラブルや故障を防ぐ「予防保全」の発想を基にした保全管理業務のDXが必要となります。

本記事では、設備資産保全業務の課題解決とともに設備資産保全業務のDXを加速する統合型デジタル・プラットフォーム「IBM Maximo Application Suite」をご紹介いたします。
 

Index

設備資産保全業務の課題とソリューションの必要性
保全戦略を進化させる設備管理パッケージ「IBM Maximo Application Suite」
IBM Maximo Application Suiteの3つの強み
IBM Maximo Application Suiteが企業の成長に寄与する理由
ビジネス機会を逃していませんか?NI+C Pなら提案・サポートが可能です
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関連情報


 

設備資産保全業務の課題とソリューションの必要性

製造現場やプラントの設備資産保全業務は、これまで慢性的に「深刻な人手不足」や「設備の老朽化」、それに伴う「作業品質の低下」などの課題を抱え、その対応に迫られてきました。
これら「人手不足」と「属人性」を背景とした課題だけでなく、昨今ではさらにコロナ禍における「リモート作業」や「少人数での業務遂行」もそれに加わっています。

今、設備資産保全業務には非常時にも事業を継続するための新たな取り組みが急務とされるとともに、その実現に必要となる柔軟な基盤が求められています。

こうした状況の改善方法の1つが「予防保全」へのDXを支援するソリューションの導入です。
「予防保全」とは、設備構造や情報を見える化し、稼働状況や履歴、環境などを総合把握することで、トラブルが起きてから後追いで対応する従来の「事後保全」ではなく、先回りしてトラブルを予防することを意味します。

この「予防保全」を実現する戦略的設備管理ソリューションがもたらすのは、現場における人手不足と属人性からの脱却だけではありません。
管理部門に対しては、生産設備の稼働時間を最大化することにより、設備停止に伴う「機会損失の最小化」、無駄に部品を交換しないことによる「交換費用の最小化」など、新たな設備資産保全業務の改善策ももたらします。

また、従来は作業負荷や入力フォーマットの物理的な限界などから記録が限定的だった保全作業の実施履歴も、現在では、IoTセンサーやモバイル端末などによって様々なデータを取得・記録できるテクノロジーが整ってきています。
そして、これらの情報のすべてを保管し分析することで、設備・機器の管理に必要な予防、予測に用いることができるのです。

最近では、これらのデータをAIとエッジ・コンピューティングを活用し分析することで 以前とは桁違いの高レベルの洞察へと変換し、設備・機器の信頼性の向上と障害に強い運用を実現するために活用できます。
ただ、このようなソリューションの機能を一度にすべて手にしても使いきれない恐れがあるため、自社に必要な機能のみを必要になったときに取得できる方が、使わない機能に投資をしなくて済み、経済効率が高いといえます。

そこで力を発揮するのが「IBM Maximo Application Suite」です。
続いて下記では、その強みと企業の成長に寄与する理由を紹介します。

 

保全戦略を進化させる設備管理パッケージ
「IBM Maximo Application Suite」

製造現場やプラントにおいて、作業者や技術者、管理者が日々使用しているCMMS(設備保全管理システム)、または EAM(エンタープライズ資産管理)システムの中で、現在世界で最も利用されているソリューションの1つが、統合型デジタル・プラットフォーム「IBM Maximo Application Suite(以下、IBM MASと表記)」です。

IBM MASは、Red Hat OpenShiftを基盤に実績のある Maximo EAM (エンタープライズ・アセット・マネジメント)、及び、APM(アプリケーション・パフォーマンス管理)ソリューションを単一パッケージ化しています。
これにより、障害に強く信頼性の高い設備保全管理と運用に必須のインテリジェンスを提供。将来の事業を生み出す設備保全のDX加速を支援するソリューションとなっています。

IBM MASによって製造現場やプラントは、「ニューノーマル(新常態)」と呼ばれる現在の状況に対応する手段を構築するとともに、設備保全管理の新たな洞察と新しい働き方の循環モデルを実現し、保全戦略そのものを進化させることができるのです。

図1. IBM Maximo Application Suite主要機能一覧

※バージョンによりご利用できる機能の範囲は異なります
※予定情報を含みます
※利用コンポーネント(CP4D、Kafkaなど)はアプリケーション毎に異なります

 

IBM Maximo Application Suiteの3つの強み

次に、IBM MASの3つの強みを紹介しましょう。

 

1. 豊富な導入実績と高度な専門知識を誇る、強力なコミュニティ基盤

IBM MAS の大きな強みの1つは、約30年に渡り積み上げられたIBMの豊富な導入実績です。
IBM は、その実績で生み出された多くの熱心なクライアントから成るユーザーグループを支援しており、そこで収集された膨大なお客さまの声は、IBM MAS の開発にしっかりと取り入れられています。

また、IBMには強力な業界ごとの専門知識を持つグローバルEAM(エンタープライズ・アセット・マネジメント)ビジネスパートナーたちがおり、長年にわたり、製品の品質向上に寄与し続けています。

これらの分厚いコミュニティ基盤と高度な専門知識が、 IBM MAS の構成に大きな価値を与える基盤となっているのです。そのため、規制への準拠を支援するIBM MAS の適応力の高さはユーザーから高く評価されています。

 

2. カスタマイズの容易さが生み出す、スピード感ある開発

IBM MASの2つ目の強みは、高度なカスタマイズをアプリケーション内で容易に行うことができることです。
IBM MASの「テーラリング機能」は、プログラミングなしのGUIによる簡単設定で、ユーザー要件に合わせた高度なカスタマイズを実行することができます。しかも、同機能によるカスタマイズはバージョンアップ対応時においても製品のサポート内です。

つまり、同機能を最大活用することにより開発期間、工数、リスクを低減し、長期に使用するシステムのTCO (Total Cost of Ownership)を低減することが可能になります。
また、製品の持つ機能でカスタマイズを実現するため、簡単かつ素早くシステムを組織の固有のニーズに適合させ、効果を素早く得ることができるのです。

 

3. 必要な機能のみを簡単導入、成長に合わせて必要なアプリを追加購入

IBM MASの3つめの強みは、当初は必要な機能のみを導入し、ビジネスの成長やユーザーの状況に応じて必要なアプリケーションを簡単に追加導入できることです。
これにより、アプリケーションの使用開始タイミングをいつでも自由に変更できるだけでなくムダなく必要なときに必要な機能を追加できるため、資産ライフサイクルに大きな柔軟性を加えることができます。

また、スイート製品全体でユーザー単位のライセンスを使用できるため、ユーザーは含まれる全ソリューションを利用でき、データの収集と分析、分析に基づく保全の実施にいたる包括的なソリューションを実現することが可能です。

 

IBM Maximo Application Suiteが企業の成長に寄与する理由

このように、IBM MASは、急速に変化する状況や想定外が続く状況下であっても、事後保全だけでなく将来の事業を生み出すための設備保全管理の「予防保全」を実現します。

次に、IBM MASが企業の成長に寄与する理由を「マネジメント」「現場」「保全」の各視点から紹介しましょう。

 

【マネジメントの視点】保全戦略の高度化と現場の徹底的な見える化の実現

IBM MASによる設備構造・情報の見える化によって、「設備構造の全体俯瞰」と「ドリルダウン」が可能になります。

そのため、直感的に稼働状況や履歴、環境など製造現場の総合的な状態を把握できるだけでなく、データの集計レベルをさらに詳細に掘り下げることも可能です。
これにより、保全戦略の高度化、現場の徹底的な見える化を実現するとともに、データに基づく意思決定を素早く行うことができるようになります。

 

【現場の視点】日常業務の効率化の実現

IBM MASは、今まで紙ベースだった「在庫の予実管理」や「設備台帳」、「状態保全・予知保全の記録」といった情報を、システム上に集約・保管します。

そのため、「点検・検査結果や設備情報の一元管理」や「直感的な情報検索や参照」が可能になります。
これにより、現場では日常点検を行う前の履歴を確認しやすくなるといった効果を得ることができ、記録を元に分析を進めることで属人性の排除や省人化を実現することができます。

 

【保全の視点】保全コストの最適化

IBM MASで、デジタル化された「在庫の予実管理」や「設備台帳連携」、「状態保全・予知保全」などの情報を一元管理することで、情報検索を可能にするだけでなく、想定外の事象が発生する頻度を下げる「計画外の保全防止」や「保全作業の効率化」にも有効です。

これにより、日常点検を効率化するとともに、保全コストを最適化することができます。

 

NI+C Pならご提案サポートが可能です

エヌアイシー・パートナーズは、IBM Value Add Distributorとして、お客さまの課題に対し長年の実績とIBM製品への深い理解を持って、IBM製品を組み合わせた複合的な解決策をご提案しています。
また、Maximo Visual Inspectionの検証環境を提供可能なため、パートナー様提案前の技術検証(PoC)環境の提供も可能です。

以下に当てはまるお客様の課題を解決したい方は、ぜひ、エヌアイシー・パートナーズまでご相談ください。

    • 資産ロケーションと利用状況をトラッキング・可視化できていない
    • 複雑化しすぎている資産管理作業と契約体系をシンプルにしたい
    • 運用コストとメンテナンスコストを低減できていない
    • 資産のライフサイクルを延長し、メンテナンスを最適化したい
    • 機器資産の管理方法・ツールが分散しており、包括的な計画が立てられていない


 
 

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エヌアイシー・パートナーズ株式会社
企画本部 事業企画部

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関連情報

  • IBM Maximo (製品情報)
    – 30年以上にわたり、EAMソフトウェアを代表する製品として高い評価を受けています。
  • IBM Maximo Visual Inspection (旧 IBM Visual Insights) (製品情報)
    – AI による業務の生産性向上、業務改革に取り組まれる方向けのソリューションです。

 

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2022年06月24日

【早わかり】AIX と IBM i ライセンス情報

こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。   セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント   1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。   2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。   3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。   さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。   お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp  

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