2016年12月

27

【今さら聞けない】モバイル・セキュリティ対策の基本

前回は、以下の記事で、セキュリティ・トレンドである SIEM の基本についてご紹介しました。

【今さら聞けない】セキュリティ・トレンド「SIEM」って?

今回は、増え続けるモバイル・デバイスとそのセキュリティ対策の基本について考察してみたいと思います。

 

増え続けるモバイル・デバイスとセキュリティ対策の遅れ

カバンや上着のポケットにいくつものモバイル機器が入っている方も多いのではないでしょうか。

会社貸与の PC や携帯、私用のスマホ、タブレット PC などなど、マルチデバイス化がかなりのスピードで進んでいます。会社からノート PC は支給されているが、個人持ちのスマホも業務に使用し、企業が認識していない IT 機器として”シャドー IT” と言われるようになって久しい昨今です。

ふと不安になるのは、このカバンを無くしたら大変なことになってしまう、ということです。

会社は紛失等の注意喚起や発生後に罰則を科すことはしますが、ある意味紛失等のリスクを個人に押し付けているとも言えます。いくら、各個人が気を付けていても盗難にあったり、紛失してしまったりすることは発生してしまうものです。

MMD 研究所の「スマートフォンの業務利用動向調査」によると、

私物のスマートフォンを業務利用していると回答した人を対象に、「私物スマートフォンのセキュリティ対策」について質問したところ、「対策をしていない」と回答した人は60.6%に上った。

出展:「業務で私物スマホを使う人の6割が「セキュリティ対策をしていない」と回答–MMD調査」、2016/11/18、CNET Japan

とのことで、業務で使用している私用のスマホが何も対策がなされていない危機的な状況にあることがわかります。

 

モバイル・デバイスの企業利用のリスクとその対策

それでは、このような増え続けるモバイル端末に、どのようなリスクがあり、対策がとれるかを考えていきたいと思います。

 

◆増大するモバイル・セキュリティ市場

まず、IDC Japan がまとめたモバイル・セキュリティの市場規模予想から企業向けのモバイル・セキュリティー市場の注目度を見てみましょう。

IDC Japan は2016年10月25日、国内の企業向けモバイルセキュリティ市場に関する調査結果を発表した。2015 年の市場規模は前年比 21.3 %増の 56 億円。2015~2020年の年間平均成長率は16.1%で、2020年の市場規模は118億円に拡大すると予測した。

出展:「広がるモバイルセキュリティ市場、2020 年まで毎年 16 %で成長」、2016/11/04, ITpro

クラウド・サービスの利用拡大、さらに情報系システムだけでなく、基幹システムまでもモバイル・デバイスの活用が広がるとの見込みもあり、企業向けのモバイル・セキュリティ市場は拡大傾向にあることがわかります。

 

◆企業システムのゲートウェイ(入口)として標的にされるモバイル・デバイス

紛失した PC やスマホ が、悪意ある取得者の手に渡れば、ログインやパスコードは破られてしまうという危機感を持っていることが重要です。また、今後は、スマホが企業をターゲットにした攻撃の開始ポイントになるとの認識が必要です。

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社は、以下のようなサイバー・セキュリティ動向予測を発表しています。

現在は、企業・組織に標的型メールを送り付けることで内部への侵入を試みるケースが多いが、今後は、そこに属する人のモバイルデバイスをターゲットとする手法が増えると予測する。「モバイル端末に入りこみ、それをゲートウェイ(入口)にする。攻撃の開始ポイントになり得る」と卯城氏は話す。

モバイルデバイスに対する攻撃はすでにいくつも確認されており、同氏は16年8月に発見された iOS のゼロデイ脆弱性「トライデント」を悪用した例を紹介した。あるジャーナリストの iPhone にスパイウェアを送り込み、その活動をモニタリングし、情報を取得していた例が確認されているという。

出展:「チェック・ポイントが2017年のサイバー攻撃を予測 ―― モバイル・IoTデバイスが標的に」、2016/12/01、business network.jp

 

前回の特集で 大手旅行代理店のケース をご紹介しましたように、これまで標的型の攻撃は “メール” が主流でしたが、今後はシャドーIT を含む “モバイル・デバイス”  に対する標的型の攻撃に気を付ける必要がありそうです。

 

モバイル・セキュリティを確保する

MDM(Mobile Device Management)とは

企業のモバイル・デバイス活用は、今後進めざるを得ない状況です。そのような中で、モバイル・セキュリティを確保するには、各端末のセキュリティ設定や紛失時の対応など、様々な種類のモバイル・デバイスを統合的に効率よく管理する仕組み、MDM と呼ばれるソリューションが必要となります。

e-Wrds によると、MDM の以下のように定義されています。

MDM とは、企業などで社員に支給するスマートフォンなどの携帯情報端末のシステム設定などを統合的・効率的に管理する手法。また、それを実現するソフトウェアや情報システムなどのこと。

MDM では、社員が使用する端末の設定などを管理部門で一元的に管理し、社の方針に沿ったセキュリティ設定を施したり、使用するソフトウェアの種類やバージョンを揃えたり、利用できる機能に制限を加えたり、勝手に私用のソフトやデータを導入できないようにする。端末の紛失時に遠隔からデータを消去したり、操作できないようロックをかけたり、GPS 機能で社員の居場所をリアルタイムに把握する製品などもある。

出展:「MDM 【 Mobile Device Management 】 モバイルデバイス管理」、 e-Words

MDM のソリューションにより 企業での利用が増え続けるモバイル・デバイスを統合的、かつ効率的に管理し、セキュリティ・リスクを低減することが可能となります。

 

モバイル・セキュリティ・ソリューション導入のポイント

それでは、MDM 関連の企業のモバイル・セキュリティ・ソリューションを導入する場合のポイントを具体的に見ていきましょう。

 

【ポイント1】デバイス、コンテンツ、データの保護

はじめに、モバイル・デバイスはその性質上、端末自体を社外に持出し利用します。リモート・ワークも増えることが予想され、個人所有のデバイスの利活用の課題も含め紛失、盗難にあった場合の対策を検討すべきです。その対策の実現には、以下の機能を有した製品、ソリューションの選定が必要となります。

  1. 会社から貸与、および個人所有のデバイス(BYOD)まで、多彩なモバイル端末に実装して管理できる
  2. 企業が独自開発のモバイル・アプリケーションを安全化し、データ漏えいから保護できる (※1)
  3. モバイル端末で安全にファイルや文書を利用・共有できる(※2)
【ポイント2】不正アクセスと詐欺の検知・対策

次に、不正アクセスや詐欺といった脅威のターゲットがモバイル・デバイスにも広がりつつあります。会社提供、個人所有に限らずインストールできるアプリケーションやアクセスできるサイトを抑止し、不正を検知する必要があります。以下の対応が重要なポイントになります。

  1. 無許可のモバイル・アクセスを防ぐことができる
  2. モバイル・マルウェアや不正アプリケーションを検知できる
  3. クラウド・ベースの脅威インテリジェンス(最後に確認された場所などの情報の集合体)をもとにした分析ができる
【ポイント3】セキュリティ・インテリジェンス(※3)への対応

最後に、現在では、セキュリティ・ポイント毎の脅威の監視・検知だけの対策では限界となってきており、脅威の侵入を前提とした統合的な対策が求められています。モバイル・デバイスが脅威の入口として、また脅威そのものとして、その振る舞いの傾向を監視対象とすべきです。

  1. モバイルを含むセキュリティ・イベント全体での傾向を特定できる
  2. 企業が潜在的な攻撃に素早く対処でき、誤検出の結果を排除できる
  3. イベントやセキュリティ・ログなどの情報をリアルタイム収集し、手間なく分析が可能である

MDM を始めとし、モバイル・アプリケーション管理(MAM)(※1)やモバイル・コンテンツ管理(MCM)(※2) を統合的に実現するモバイル・セキュリティ・ソリューションを導入することにより、社員個人に任せていたモバイル・セキュリティ対策を企業全体の課題として人的コストを増大せずに実現することが可能です。

(※1) モバイル・アプリケーション管理(MAM):”ラッピング”、”モバイル・アプリコンテナ”などの技術を使って、デバイス全体ではなく、業務アプリケーションとそのデータを管理するシステム

(※2) モバイル・コンテンツ管理(MCM) : モバイル・デバイスを対象として、閲覧、コピー、期限設定による削除など企業文書を安全に管理する機能を提供するシステム

(※3)セキュリティ・インテリジェンス : イベントログやセキュリティ・ログに加えて、ネットワーク・トラフィック情報をリアルタイム収集し、自動的に正規化、知見を活かした提供ルールに基づいて分析する機能

 

 まとめ

企業で活用が進むモバイル・デバイスですが、個人所有の端末を含め、そのセキュリティー対策は遅れており、MDM などの対策は急務となっています。今回の特集”モバイル・セキュリティ”に関する当記事のポイントは以下になります。

  • 企業でのモバイル・デバイスの活用は更に進むが、個人デバイスやシャドーIT 含め、対策が遅れている
  • モバイル・セキュリティーの市場規模は年 16 % 以上の伸びで推移することが予測されており、拡大傾向である
  • 今後、モバイル・デバイスは、標的型攻撃のゲートウェイとしてターゲットになる可能性がある
  • MDM(Mobile Device Management)はモバイル・デバイスのシステム設定などを統合的に管理する手法でモバイル・セキュリティを確保する上で必要なソリューション
  •  モバイル・セキュリティ・ソリューション導入のポイントは、以下の3つ
    1.  デバイス、コンテンツ、データの保護
    2.  不正アクセスと詐欺の管理
    3.  セキュリティ・インテリジェンスへの対応

 

 

モバイル・セキュリティの実現はIBM MaaS360で

 

今回は、企業のモバイル・セキュリティの確保のための MDM、そして、MAM、MCM の重要性について考えてきました。ここで、それらの機能を有する IBM の統合的なモバイル・セキュリティ・ソリューション、IBM MaaS360 をご紹介したいと思います。

IBM MaaS360 は、スマートフォンやタブレット端末に対して、自社のセキュリティ・ポリシーに応じ、遠隔操作(リモートロック/ワイプ)や端末管理を、異種混在の状態でも一元管理することができるソリューションです。

maas360-001

モバイル・デバイス管理(MDM)、モバイル・アプリケーション管理(MAM)、モバイル・コンテンツ管理(MCM)、を包括した、エンタープライズ・モビリティ管理(EMM)を実現するソリューションで、SaaS型、自社運用型(オンプレミス)の2つのタイプを提供します。

< IBM MaaS360 の特長 >
MDM
機能
  • ロック、ワイプ、パスワード変更、位置情報
  • 迅速なモバイル・デバイス登録を実現、管理者、ユーザそれぞれ負担を軽減
  • インベントリーやデバイス・ポリシーの管理と制御を提供
MAM
機能
  • 企業領域から私用領域へのコピーが制限
  • 特にユーザー所有のデバイスから安全にメールやWeb アクセスができるアプリケーションを提供
  • 企業領域から私用領域へのコピーが制限
MCM
機能
  • データ漏えい防止機能で重要情報を保護
  • コンテナ向けにドキュメントを配布、認証によって使用許可を与えます
  • データ漏えい防止機能で重要情報を保護

 

モバイル関連のイベントやセキュリティ・ログも次世代SIEMのIBM QRadarで

 

“モバイル・セキュリティ・ソリューション導入のポイント” の3つ目に “セキュリティ・インテリジェンスへの対応” について述べましたが、各セキュリティ・ポイント毎の監視・検知では、日々進化する脅威を完全に防ぐことはできません。企業のモバイル・デバイスの活用が進み、攻撃のゲートウェイとして注目されている中、モバイル関連のイベント、セキュリティ・ログなどの情報を収集し、統合的に検知・分析する仕組みが必須です。

前回の特集でも紹介しました次世代 SIEM の IBM QRadar 製品は、デバイス・サポート・モジュール (DSM) と呼ばれるプラグイン・ファイルを使用することにより、各種セキュリティ製品からのイベントの収集を行うことができます。MaaS360 もサポートしており、MaaS360用の DSM を使用し MaaS360コンソールよりイベント・ログを収集することができます。

qradar1

包括的なモバイル・セキュリティ、および管理を実現する、IBM MaaS360、モバイル関連のイベント、セキュリティ・ログ情報を含む、次世代SIEM を実現する IBM Security Qradar をご紹介しました。

当特集記事が、今後 モバイル・セキュリティを検討する中で、少しでもご参考になれば幸いです。

 

その他の記事

2024年05月13日

AIでランサムウェアの脅威に立ち向かう ~IBM Storage DefenderとFlashSystemの連携でシームレスにセキュリティを強化~

ランサムウェア攻撃は収束するどころか、ますます戦いは苛烈を極める状況になっています。凶悪化する一方のこの脅威に対抗するため、IBM はストレージ領域のソリューションに AI を活用した新機能を次々と発表しています。 それが、IBM Storage FlashSystem における「第4世代FlashCore Module(以下 FCM4)」であり、IBM Storage Defender です。 被害を拡大させないためには早期検知が何よりのカギといえます。本記事では新機能の概要とともに、関連ソリューションの相互活用により脅威検知とデータ復旧がどのように迅速化できるかをご紹介します。 目次 すべての企業が“自分ごと”として考えるべきランサムウェア攻撃 IBMはランサムウェア対策のためAI活用をハード/ソフトで推進 一層の早期検知が可能になった脅威検知フロー お客様環境や予算に応じて柔軟に構成可能なIBM Storage Defender 「無償セキュリティー・リスクWEB診断」でお客様に気づきを お問い合わせ 関連情報 すべての企業が“自分ごと”として考えるべきランサムウェア攻撃 ランサムウェア攻撃との戦いは、まだまだ収束には至っていないようです。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2024」の組織編において1位となったのは「ランサムウェアによる被害」でした。 2016年にランキングに登場して以降10大脅威に入り続け、今年で9年連続になると言います。もはや "運の悪い企業がたまたま遭う災難" という次元ではなく、ランサムウェア攻撃のリスクはすべての企業が自分ごととして考えなければならないところまで来ています。 ひとたび被害に遭うと、大幅なシステム侵害に見舞われます。事業停止に追いこまれたり、全面システム復旧に数週間から半年もかかってしまうということが過去の事例からわかっています。 現代の企業には、ランサムウェア攻撃を受けないよう予防するだけでなく、万が一攻撃を受けたとしてもそこから迅速にシステム復旧を遂げ、もとの企業活動に戻るという能力、レジリエンスが求められるようになっています。 IBMはランサムウェア対策のためAI活用をハード/ソフトで推進 脅威者が人質に取ろうと狙うのはデータです。そのデータが格納されているストレージは、彼らにとって格好の標的のひとつです。 IBM では凶悪化する一方のランサムウェア攻撃に対抗するため、ハードウェアとソフトウェアの両面からストレージ領域でこの課題によりよく対処できるよう、支援を強化しています。 まずはハードウェアです。 先日、IBM Storage FlashSystem に新しい FlashCore Moduleテクノロジーが導入されました。これは FCM4 と呼ばれ、IBM Storage FlashSystem と共に新たなランサムウェア検知に貢献する AI機能(機械学習モデル)を実装しています。 すべての I/Oデータに関する統計情報(エントロピー、圧縮率、暗号化レベル、アクセスパターンなど)を FCM4 が継続的に監視しており、取得したデータをサマライズし、IBM Storage FlashSystem上の AI機能により1分未満でランサムウェアの脅威を検知できるようにします。 昨年から提供している IBM Storage FlashSystem でのソフトウェアによる書き込みデータの監視やエントロピーなどの統計情報の収集および処理機能と IBM Storage Insights Pro での脅威の検知を組み合わせた方法と比較すると、より正確かつ早期に検知することが可能になります。 また、この新しいランサムウェア検知機能ではボリューム単位で脅威を検知できるため、疑わしい箇所をピンポイントで特定し、より早くデータ復旧にむけたアクションに入れます。 ランサムウェア対策において、被害を最小限に抑える早期検知は大きな進歩となります。 続いて、データ・レジリエンスのためのソフトウェアソリューション IBM Storage Defender での進化について説明します。 こちらには、IBM Defenderセンサーという新機能が加わりました。これは、ランサムウェアの脅威を高い精度で迅速に検出するよう設計された、IBMリサーチ開発の AI搭載センサーです。ストレージのリソースを消費しないライトウェイト設計のエージェントを使用し、ファイルのメタデータや I/O への攻撃パターンを分析、数秒から数分で異常を検出します。 IBM Storage Defender にはすでに、IBM Storage FlashSystem のセーフガード・コピー機能で作成された改変不可なスナップショットをアプリケーションデータとして不整合な点はないか検証できる IBM Storage Sentinel というラインナップソフトウェアがあります。IBM Defenderセンサーが加わったことで、さらに精度高く脅威を検知できるようになります。 一層の早期検知が可能になった脅威検知フロー それでは、上記のような新機能を包含するとランサムウェアの脅威検知はどのような流れになるでしょうか。 まず動きだすのは IBM Storage FlashSystem上の FCM4 です。これが I/Oデータを常にモニターし、ランサムウェア検知に必要なデータを IBM Storage Virtualize に送ります。IBM Storage Virtualize ではボリュームごとに情報を集約し、自身が持つ推論エンジンで脅威検出を行います。 ランサムウェアの脅威を検知するとその情報を IBM Storage Insights Pro へ通知し、IBM Storage Defender などと連携し次のアクションへ繋げます。(図1) 図1. FlashSystem:FCM4を使ったランサムウェア検知 これによってランサムウェア攻撃を受けた日時を絞りこめるため、データ復旧に用いるべきセーフガード・コピーのバックアップ世代にただちに当たりをつけることができます。 そこで Copy Service Manager などからリカバリー指示を出し、当該世代をボリュームグループ単位でリカバリー・ボリュームに移します。ここでマウントを行うことで、IBM Storage Sentinel でただデータとしてクリーンであるというだけでなく、アプリケーションデータとしても不整合がないことを検証します。 晴れて良好な結果が出れば、安心してデータをシステムに戻せるというわけです。(図2) 図2. セーフガード・コピーのワークフロー お客様環境や予算に応じて柔軟に構成可能なIBM Storage Defender IBM Storage Defenderソリューションのおもしろいところは、さまざまな機能を持つソフトウェアを1つの Defenderライセンスの下で利用できる点です。まるでツール・ボックスから道具を選ぶように、必要に応じて必要なものを柔軟に利用することができます。 ここが、ライセンスにすべてのコンポーネントが含まれるパッケージとは大きく異なります。 ランサムウェア対策をご検討中のお客様の中には、予算や既存システムの活用を優先するなどの理由で対策の優先度があるかと思いますが、 "すでに実装されているデータコピーの健全性を素早く特定する検知に取り掛かるため、今期は Sentinel への投資をする""来期は Flash の更改時期のため、SGC機能込みのモデルの Flash と共に CSM にも投資する" など、シチュエーションに合わせた対応が可能です。 IBM には「IBM Sales Configurator」(IBMサイト/要IBMid)という構成見積りツールが用意されています。これを使って、お客様環境における IBM Storage Defender の構成をざっくりシミュレーションすることができます。 「無償セキュリティー・リスクWEB診断」でお客様に気づきを いかがでしょうか。 ランサムウェア攻撃が日常になった今日、この攻撃に焦点を合わせて着々と機能強化を図っている IBM Storage FlashSystem、IBM Storage Defender は、一度じっくり検討してみる価値があります。 すでにこのストレージをお持ちのお客様にも、これから堅牢なストレージを求めたいというお客様にも、ぜひお勧めください。 中には、「何も起きていないからうちは大丈夫」と、最初からセキュリティに関心の薄いお客様もおられるかもしれません。そのときは、IBM が新しく用意した「無償セキュリティー・リスクWEB診断診断」(IBMサイト)を紹介して試していただきましょう。 上記の診断では、(重要データの)「特定」「防御」「検知」「対応」「復旧」という5つのプロセスからなる22の質問があり、解答者は「はい」「どちらかと言えばはい」「部分的に」「どちらかと言えばいいえ」「いいえ」のいずれかにチェックをつけていきます。(図3) 図3. 無償セキュリティー・リスクWEB診断 正式な診断結果を確認するには連絡先情報を入力する必要がありますが、回答していくだけでも現在実現しているセキュリティレベルに対する "気づき" が得られます。 エヌアイシー・パートナーズでは、IBM Storage FlashSystem や IBM Storage Defender に関して潜在ニーズを含めたシステム構成の検討支援から、お客様システム全体に対する提案支援や構成作成支援を提供しています。お客様の課題を解決するための方法をリセラーの皆様とともに、お客様の視点、リセラーの視点を大事にしながら一緒に検討していきます。 お気軽に、なんなりとご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ 関連情報 NI+C Pサイト情報 データを守り抜く鍵は「IBM Storage Defender」にあり(コラム)- IBM Storage Defender の構成要素や、それぞれの構成要素を企業がどう採り入れていくことで堅牢な守りを形にできるのか、を見ていきます。   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

2024年04月08日

【てくさぽBLOG】watsonx Assistant + Watson Discovery + watsonx.aiを連携してみた

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 ビジネスへの生成AI の取り込みに注目が集まっている今日、watsonx.ai をどう活用すればいいのか、多くのお客様からお問い合わせ頂いています。そこで前回の「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」では、watsonx.ai のユースケースとして Retrieval-Augmented Generation(以下 RAG)をご紹介しました。 今回は、RAG の仕組みを利用し AIチャットボットを提供する「watsonx Assistant(以下 Assistant)」と検索エンジン機能を提供する「Watson Discovery(以下 Discovery)」、「watsonx.ai」を組み合わせた連携ソリューションをご紹介します。 目次 AssistantとDiscoveryの連携 watsonx.aiを取り入れた連携 Assistant + Discovery + watsonx.aiを連携してみた さいごに お問い合わせ AssistantとDiscoveryの連携 本来なら各製品を一つのブログで詳しくご説明したいところですが、今回は連携した結果についてのご紹介となりますので、Assistant と Discovery については今後のブログであらためてご紹介したいと思います。 Assistant は watsonx の大規模言語モデルが搭載され、自然言語の問い合わせを理解し、適切な回答を返すことができるチャットボット機能を提供する製品です。一方 Discovery はドキュメントから適切な情報を検索する検索エンジン機能、パターンや傾向を読み取る分析エンジンとしての機能を備えた製品です。 Assistant と Discovery を組合わせたユースケースでは Assistant にあらかじめ回答を用意してルールベースで回答させ、答えることが難しい問い合わせに対しては Discovery の検索結果を利用して回答します。 watsonx.aiを取り入れた連携 上記の連携では Discovery の検索結果がユーザーに表示される仕組みとなっていますが、watsonx.ai を介して回答を提供することでDiscovery が得た検索結果をさらに整理し、より理解しやすい形での返答が実現できます。 Assistant + Discovery + watsonx.aiを連携してみた Assistant、Discovery、watsonx.ai を連携してみます。 事前準備 利用環境 今回は IBM Cloud で提供される SaaS を利用して検証します。なお、Assistant と Discovery の Plusプランは30日間無償期間が付属されていますので、是非ご活用ください。 watsonx Assistant:Plusプラン(30日間無償期間あり、以降は有償) Watson Discovery:Plusプラン(30日間無償期間あり、以降は有償) watsonx.ai:Essentialプラン(有償) 検証の目的 検証では構築手順の他、以下の点を確認します。 「Assistant + Discovery + watsonx.ai」と「Assistant + Discovery」の連携による回答の違いを比較 言語モデルを変えて問い合わせを行い、回答の違いの比較 実施手順 以下の流れで検証を実施します。 Assistantのプロビジョニング Discoveryのプロビジョニング、検索対象とするデータの取り込み※取り込むデータは「IBM Power S1014 データシート」のS1014のPDF watsonx.aiのプロビジョニング Assistantの初期設定 Assistantのカスタム拡張機能からDiscoveryを繋げる Assistantのカスタム拡張機能からwatsonx.aiを繋げる Assistantアクションの作成、問い合わせの検証 言語モデルを変えて問い合わせの検証 検証実施 1. Assistantのプロビジョニング はじめに Assistant のプロビジョニングを行います。 IBM Cloud にログインし、カタログ画面から "Assistant" を選択します。 ロケーションとプランを選択し「作成」をクリックします。 しばらくすると以下の画面の様に、Assistant がプロビジョニングされます。 2. Discoveryのプロビジョニング 次に Discovery をプロビジョニングします。 カタログ画面から "Discovery" を選択します。 ロケーションとプランを選択し「作成」をクリックします。 しばらくすると以下の画面の様に、Discovery がプロビジョニングされます。※ここで、資格情報内にある「API鍵」と「URL」をメモに控えます 「Watson Discoveryの起動」をクリックし「New Project +」をクリックします。 Project name に任意の名前を入力、Project type では「Conversational Serch」を選択し「Next」をクリックします。 作成されたプロジェクトをクリックします。 「Integration Deploy」をクリックします。 「API Information」タブをクリックし「Project ID」をメモに控えます。 次に検索対象の PDF を Discovery に取り込みます。 「Manage collections」から「New collection +」をクリックし、「Collection name」に任意の名前を入力、「Select language」を「Japanese」に設定します。 Upload files の領域に PDF をドラッグアンドドロップして「Finish」をクリックします。 アップロードが完了しました。次に、Smart Document Understanding機能(以下 SDU)を利用して PDF内のヘッダーやテキストなどのフィールドを定義します。 SDU は、PDFをはじめとする非構造化データの文書構造を理解して検索や分析の精度を向上させる機能です。例えばタイトルと定義した箇所を検索キーとしたり、検索対象をテキストと定義した箇所のみとするなど可能になります。 「Identify Field」タブをクリックします。 取り込んだ PDF が表示されるので右側の Field labels からヘッダー箇所やタイトル箇所などをドラッグアンドドロップして指定していきます。 ページの定義が終わったら「Submit page」をクリックして次の頁を定義していきます。 SDU では数ページ指定すると自動的にヘッダー箇所やテキスト箇所を認識してくれるので、何ページもあるドキュメントには便利な機能です。 今回は SDU を使って PDF の文書構造を定義しました。SDU以外の Discovery の機能については、また別の機会にご紹介したいと思います。 3. watsonx.aiのプロビジョニング ※watsonx.ai のプロビジョニング方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part1)」をご参照ください。 4. Assistantの初期設定 Assistant の初期設定を行います。 Assistant を起動します。 起動後、以下の項目を入力します。 Assistant name:任意の名前を入力 Assistant Language:「English」を選択※日本語を選択することが可能ですが、Assistant のスターターキットは英語での利用を想定しているため今回はEinglishを選択します Assistant の公開先を「web」に設定します。※"Tell us about your self" 以降はご自身の情報を入力ください 入力後「Next」をクリックします。 デフォルトのチャットUI を利用するため「Next」をクリックします。 プレビュー画面が表示されるので「Create」をクリックします。(以下の画面は「Create」が隠れてしまっています) 「Congratulations!」と表示されたら初期設定は完了です。 5. Assistantのカスタム拡張機能からDiscoveryを繋げる 「Githubのassistant-toolkit」から "watson-discovery-query-openapi.jsonファイル" をダウンロードします。 Assistant のメニューから「Integration」をクリックします。 下にスクロールし「Build custom extension」をクリックします。 以下の画面が表示されるので「Next」をクリックします。 「Extension name」に任意の名前を入力し「Next」をクリックします。 先程ダウンロードした watson-discovery-query-openapi.jsonファイルをドラッグアンドドロップでアップロードします。 以下の画面が表示されるので「Finish」をクリックします。 追加した Extension の「Add +」をクリックします。 以下の画面が表示されるので「Next」をクリックします。 以下の画面が表示されるので、選択および入力します。 Authentication type:「Basic auth」を選択 Username:「apikey」と入力 Password:メモに控えたWatson DiscoveryのAPI鍵 discovery_url:メモに控えたWatson DiscoveryのURLから"http://"を除いた値 ※以下の画面ショットは discovery_url入力箇所が切れてしまっていますが、実際は「Servers」の下に discovery_url の項目があります 以下の画面が表示されるので「Finish」をクリックします。 Extension が「Open」となっていることを確認します。 これで watsonx Assistant と Watson Discovery が連携できました。 6. Assistantのカスタム拡張機能からwatsonx.aiを繋げる 次に、Assistant のカスタム拡張機能から watsonx.ai を利用できるように設定します。 設定には IBM Cloud の APIキーと watsonx.ai のプロジェクトID が必要です。取得方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」をご参照ください。なお、今回は東京リージョンで watsonx.ai をプロビジョニングします。 Github の「assistant-toolkit」から "watsonx-openapi.json" をダウンロードします。 Visual Studio Code などで東京リージョンの URL に編集し保存します。 Discovery の連携と同様に、Assistant のメニューから「Integration」「Build custom extension」をクリックします。 以下の画面が表示されるので、任意の Extension name を入力して「Next」をクリックします。 編集した watson-discovery-query-openapi.jsonファイルをドラッグアンドドロップでアップロードして「Next」をクリックします。 以下の画面が表示されるので「Finish」をクリックします。 追加した Extension の「Add +」をクリックします。 以下の画面が表示されるので、選択および入力します。 Authentication type:「Oauth 2.0」を選択 Grant type:「Custom apikey」を入力 apikey:取得済みのIBM CloudのAPIキー Client authentication:「Send as Body」を選択 Header prefix:Bearer(デフォルト) Servers:https://jp-tok.ml.cloud.ibm.com(自動入力) 以下の画面が表示されるので「Finish」をクリックします。 Extension が「Open」となっていることを確認します。 これで Assistant と watsonx.ai が連携できました。 7. Assistantアクションの作成、問い合わせの検証 Github の「assistant-toolkit」から "discovery-watsonx-actions.json" をダウンロードします。 Assistant の「Actions」から「Global Setting」をクリックします。 「Upload/Download」タブをクリックし、Uploadスペースに discovery-watsonx-actions.json をドラッグアンドドロップしてアップロードします。 以下の画面が表示されるので「Upload and replace」をクリックします。 以下の画面の通り、3つのアクションが作成されます。 メニューから「Variables」「Created by you」をクリックします。 「discovery_project_id」の値をメモに控えていた Discovery のプロジェクトID を入力し「Save」をクリックします。 「watsonx_project_id」の値をメモに控えて置いた watsonx.ai のプロジェクトID を入力し「Save」をクリックします。 「model_id」の値で watsonx.ai で使用する言語モデルを指定します。2024年2月29日に GA された日本語で訓練された Granite-japaneseモデルを使用するため、「ibm/granite-8b-japanese」を入力し「Save」をクリックします。(その他変数はデフォルト値とします) 「Actions」から「Generate Answer」を選択し、「model_input」の値を以下の例の様に日本語に変更します。 例: ("<s>[INST] <<SYS>>\nあなたは親切で、礼儀正しく、誠実なアシスタントです。常に安全を保ちながら、できるだけ役立つように答えてください。答えは簡潔に日本語で回答してください。回答には、有害、非倫理的、人種差別的、性差別的、有毒、危険、または違法なコンテンツを含めてはいけません。回答が社会的に偏見がなく、本質的に前向きであることを確認してください。\n\n質問が意味をなさない場合、または事実に一貫性がない場合は、正しくないことに答えるのではなく、その理由を説明してください。質問の答えがわからない場合は、誤った情報を共有しないでください。\n<</SYS>>\n\n質問に答えることで、次のエージェントの応答を生成します。タイトルが付いたいくつかの文書が提供されます。答えが異なる文書から得られた場合は、あらゆる可能性について言及し、文書のタイトルを使用してトピックまたは領域を区切ってください。与えられた文書に基づいて回答できない場合は、回答がない旨を記載してください。\n\n").concat(passages).concat("\n\n[question]: ").concat(query_text).concat("[/INST]") 以上で設定は完了です。 さっそく Assistant から問い合わせをしてみます。 右下の「Preview」をクリックします。 チャットから S1014 の特徴について問い合わせしてみます。約18秒後に以下の回答が返ってきました。 「Inspect」をクリックすると、Discovery の検索結果が以下の通り watsonx.ai に渡されていることがわかります。 <s>[INST] <<SYS>> あなたは親切で、礼儀正しく、誠実なアシスタントです。常に安全を保ちながら、できるだけ役立つように答えてください。答えは簡潔に日本語で回答してください。回答には、有害、非倫理的、人種差別的、性差別的、有毒、危険、または違法なコンテンツを含めてはいけません。回答が社会的に偏見がなく、本質的に前向きであることを確認してください。 質問が意味をなさない場合、または事実に一貫性がない場合は、正しくないことに答えるのではなく、その理由を説明してください。質問の答えがわからない場合は、誤った情報を共有しないでください。 <</SYS>> 質問に答えることで、次のエージェントの応答を生成します。タイトルが付いたいくつかの文書が提供されます。答えが異なる文書から得られた場合は、あらゆる可能性について言及し、文書のタイトルを使用してトピックまたは領域を区切ってください。与えられた文書に基づいて回答できない場合は、回答がない旨を記載してください。[title]: IBM Power S1014 柔軟かつセキュアなハイブリッドクラウド・インフ ラストラクチャーで俊敏性を実現[document]: 1 コ ア 当 た り 4 つ の M a t r i x Math Acceleratorによる迅速 なAI推論のために洞察と自動 化を合理化 業界標準のDIMMより2倍優 れたメモリーの信頼性と可用 性を提供 IBM® Power® S1014 は、1ソケット、4U Power10プロセッサーをベースにしたサー バーで、IBM AIX®、IBM iまたは Linux®上のビジネス・クリティカルなワークロード 向けに設計されています。Power S1014を使用することで、ワークロードはより 少数のサーバーに統合され、ソフトウェア・ライセンスの数、電力と冷却のコスト を削減します。Power S1014サーバーは、プロセッサー上でのメモリー暗号化を 使用してエンドツーエンドからデータを安全に保護し、ラック型またはタワーフォー ム・ファクターで購入できます。 プロセッサー・レベルでのメモリー暗号化と、POWER9 と比較してすべてのコア で4倍の暗号化エンジンによりコアからクラウドまでのデータを保護 ますます高度に分散した環境に存在するデータには、もはや境界線を設定すること は不可能です。 [question]: S1014の特徴は?[/INST] Assistant と Discovery のみの連携で検索した結果は以下の通りです。watsonx.ai を使用した方がより簡潔で分かりやすい回答を得られることが分かります。 8. 言語モデルを変えて問い合わせの検証 言語モデルを "llama-2-70b" にして同様の問い合わせをしたところ、約24秒後に回答が返ってきました。箇条書きで丁寧な印象です。 言語モデルを "elyza-japanese" にした際は10秒ほどで回答がありました。主語として「S1014の特徴は」とあることで、問いに対する回答が分かりやすくなっています。 言語モデルを変えて試した結果、llama-2-70B は箇条書きで回答し丁寧な印象を受けましたが、回答が得られるまでに24秒かかりました。一方 Granite-japanese や elyza-japanese はシンプルな回答を生成し、Granite-japanese は18秒、elyza-japanese は10秒というより短い時間で回答を得られました。 Watson Discovery の検索結果に基づき watsonx.ai で回答を生成するので、ある程度時間がかかると予想していましたが、elyza-japanese は速い回答で主語を添えてわかりやすく回答してくれました。 また、llama-2-70B は汎用的で使いやすいモデルですが、プロントで「日本語で回答して」と指示をしても問い合わせ内容によっては英語で回答することがありました。日本語の回答精度を求める場合は、Granite-japanese や elyza-japanese を使用した方が精度の高い回答を得ることができます。 モデルを変えて問い合わせてみると、モデルごとに得意なタスクが異なることがわかりました。数百億のパラメータで訓練された大規模言語モデルを一概に選択するのではなく、言語やタスクの特性に合わせて最適なモデルを選定することが重要になりそうですね。 さいごに いかがでしたでしょうか。Github から提供されているスターターキットを使って Assistant、Discovery、watsonx.ai を繋げてみましたが、ほどんど躓くことなく UI から簡単に設定することができました。 接続自体に高度な難しさは感じませんでしたが、問い合わせに対して正確な情報を得るためには Assistant の検索設定を調整する必要があります。今回は1つの PDFファイルの検索を行いましたが、複数の PDFファイルから情報を引き出す際には Assistant で query を設定することで特定の PDFファイルからの検索が可能です。 このように PDF などの非構造化データを検索対象として精度の高い回答を得るには、Discovery において文書の構造を明確に定義し、Assistant の検索設定を調整することが必要です。 実際にヘルプデスクなどの Webチャットで利用する場合は、Assistant にあらかじめ用意した回答をルールベースで回答させ、それでも解決できない問い合わせについては Discovery を通じて検索を行い、watsonx.ai を用いて回答を生成するという流れが効果的です。 ただし、生成AI によって生成される回答は常に”100%正確な回答”ではないので、より高い精度の回答を追求するためにはプロンプトの調整などチューニングを施すことが必要です。その結果、より使いやすい Webチャットの実現が期待できます。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

back to top