こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。
最近でも、10GbpsEtherを含めたサーバの構成依頼を多くいただきます。
種類がいくつかありますので、どの10GEtherにしましょうか?と確認すると
種類が多すぎてどれにしていいかわからない、どうお客様にヒヤリングしていいかわからない
といったお困りの声が多いため
今回は、何を選定していいか迷ってしまいがちな「10GbpsEther」について改めて解説いたします。
10GbpsEtherとは?
読んで字の通りですが従来のGbitEtherの後継で10倍の転送速度を持つEtherとなります。
10GbpsEtherの難点は複数の種類があるところです。
代表的なものを以下にあげます。
なお、これ以外にもありますが現在あまり販売していないもの、WAN回線用の長距離通信の規格については除いています。
・10GBASE-T
・10GBASE-SR
・10GBASE-LR
・10GBASE-SFP+
それぞれについての技術的な解説等は多数のサイトにお任せするとして 本ブログでは、
何を選択すればいいか?に焦点を絞って解説致します。
10GbpsEtherを選定する際は基本的には以下の2つの要素から決めます。
1.汎用性
2.配線距離
1.汎用性
2016年8月現在、サーバに搭載する10GbpsEther汎用性ランキング*は以下の通りです。
*個人的な感覚を含みます。
ランキング | 名称 | 成長率 |
---|---|---|
1位 | 10GBASE-SFP+ | → |
2位 | 10GBASE-T | ↑ |
3位 | 10GBASE-SR | → |
4位 | 10GBASE-LR | → |
1位は10GBASE-SFP+としています。
今買うのであればもっとも普及しており、汎用性が高い規格となります。
スイッチの種類も豊富です。
ただし、今後は10GBASE-Tの動向次第といったところです。
2位の10GBASE-Tは、期待を背負って最後に登場した規格となりますが
様々な理由から穏やかに成長しており、価格的にも今のところは10GBASE-SFP+と同じくらいです。
しかしながら、RJ-45コネクタおよびメタルケーブル接続という潜在的なコストメリットは最も高いため、今後普及がさらに進めば価格が下がることが期待されます。
3位以下は次にあげる配線長の理由が無い限り特に大きなメリットが感じられません。
2.配線距離
各規格の最大配線長は以下の通りです。
配線長 | 名称 | 種類 |
~10m | 10GBASE-SFP+(Cu Twinnax) | メタル |
~100m | 10GBASE-T | メタル |
~300m | 10GBASE-SR | 光(MMF) |
~10km | 10GBASE-LR | 光(SMF) |
SFP+(Cu Twinnax)はダイレクトアタッチケーブルと呼ばれるものです。
最大10m以下となりますので、実質ラック内配線専用となります。
10GBASE-Tの最大長は最も高品質なCat6a/Cat7ケーブルを使った場合で100mまで、Cat6/Cat6eですと55mまでとなります。
そのため、データセンターなどの広いフロア内の配線や、上下階配線ではやや物足りない長さとなります。
10GBASE-SRはOM3という高品質光ケーブルを使用すると300mまで伸ばすことができます。
300mあれば、フロア内配線で困る事は無いでしょう。
10GBASE-LRは最大長10kmと敷地内の棟をまたぐような特別長い配線をする場合に必要になります。
基本的にスイッチ間接続が主用途となります。
10GBASE-SFP+
ここで、SPF+について補足します。
上記の通り、10mまでしか配線出来ないのであればSPF+は汎用性高くないではないか?
と疑問に思われる事でしょう。
しかし、SFP+は、モジュールを選択することによって10GBASE-SFP+(Cu Twinnax)と10GBASE-SR両方に対応可能です。
たとえば、ラック内配線では10GBASE-SFP+(Cu Twinnax)で安価に、ラック外との接続はSRトランシーバーを使用し光ファイバで接続といった具合に、メタルケーブルの経済性と光ケーブルの長距離、高品質を両立させることができます。
設置環境の情報が不明なケースが多いため、私はもっとも汎用性が高いSFP+を選択することが多いです。
10GBASE-SFP+(Cu Twinnax)_ダイレクトアタッチケーブルの例
10GBASE-SFP+ SRトランシーバモジュールの例
まとめ
さまざまな規格が存在する10GbpsEtherの世界ですが、今から購入するのであれば10GBASE-SFP+か10GBASE-Tのどちらかとなります。
今のところ迷ったり、指定がない場合、汎用性と配線距離を踏まえてSFP+を選択します。
10GBASE-Tについては、現状ではSFP+と比較して
・RJ-45ではあるが、ケーブルを引き直す必要が有り、配線を流用できない
・最大ケーブル長がSFP+と比較して短い
・消費電力が高め(改善されつつある)
・高レイテンシ
となり、積極的に選ぶか?といわれると意見の分かれるところになります。
敷設のしやすさ、ケーブルの取り回しのしやすさ1GbpsEtherとの接続性といった点を
評価するのであれば 10GBASE-Tとなります。
普及が進み、スイッチ含め、価格がもう一段下がれば基本は10GBASE-Tで構成となるかと思います。
※SFP+ダイレクトアタッチケーブルを使用する場合の注意点(2018/11/2追記)※
SFP+のダイレクトアタッチケーブルですが、ネットワークスイッチ側で制限がかけられているケースがあるようです。
具体例ですとCISCOのCatalystシリーズと接続する場合はCISCO以外のメーカーのケーブルを接続するとリンクアップしないようです。
Catalystの場合、回避策がありますので知りたい方は”#no errdisable detect cause gbic-invalid”や”#service unsupported-transceiver”で検索ください。
ダイレクトアタッチケーブルの場合、サーバーとネットワークスイッチのメーカーが違う場合は相互にサポートするケーブルはありませんのでサポートを気にされる場合は、SRトランシーバーでの接続をお勧めいたします。
以下は、ダイレクトアタッチケーブルの適合性についての資料となりますがこちらのリンク先の資料については、各メーカーのサポート状況をまとめたものではなく、あくまで互換SFP+モジュールを販売しているPanduit社の調査結果に基づくデータとなります。
こちらの情報で使用可能となっていても、メーカーのサポートは受けられない、もしくは動かないケースもあり得ます。
あくまで自己責任の範囲でご参照ください。
http://www.panduit.com/heiler/TechnicalReferences/D-COTR104–WW-JPN-Rev2-SFPCprCblAsmbl.pdf
http://www.panduit.com/heiler/TechnicalReferences/D-COTR104–WW-ENG-Rev5-SFPCprCblAsmbl.pdf
25GbpsEtehrの記事も追加しております。
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いまさら聞けない25GbpsEther
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