はじめに
前回はレポーティングサービスであるEmbeddable Reporting Service (CognosBIのレポート機能と同等)を作成しました。(前回はこちら)
今回は本シリーズの最終回で、そのERSを使用してグラフィカルなレポートを作成します。
今回は下記の枠内の箇所です。
Embeddable Reportingを開いてさっそくレポートを作成していきましょう。
Embeddable Reportingのホーム画面から「新規レポート定義」を選択します。
「SQL」グラフを選択し、「OK」を選択します。後からグラフ以外のコンテンツに変更することも可能です。
「datasource」を選択し、「OK」を選択します。
レポート内で使用したい項目(データアイテム)を取得するSQLを入力し、「OK」を選択します。(構文の検証が行われます。)
ここでは右記を入力します。 select 年月日時,気温,降水量 from tokyo
使用するグラフ(ここでは折れ線グラフ)を選択し「OK」を選択します。グラフの種類も後から変更可能です。
「データ・アイテム」タブを選択します。SQLのSelect句で定義した項目が表示され、レポート内で使用することが可能です。
X軸に「年月日時」(Date)、主軸に「気温」(Temp)をドラッグ&ドロップでセットします。「年月日時」(Date)は昇順で表示させたいので、選択した状態で上のツールバーからソートを選択し、Dateの横に▲が表示されることを確認します。
現時点(2015/10/1)では日本語が文字化けするため、正しく表示させたい場合はセットしたアイテムを選択し左下にあるプロパティより英名に変更します。
グラフの場合は気温(Temp)などの数値データはプロパティの「集計関数」を「合計」に変更しないと結果が表示されないので注意が必要です。
「レポートを実行」を選択します。
レポートが正常に実行され、気温の推移グラフが表示されました!
下記は見やすいように、プロパティで折れ線の色を変更しています。
<使ってみて>
・サービス構築が容易
オンプレで環境を構築する場合は、HW・OS・MWの導入が必要になりますが、BluemixはCloudなので本シリーズでご確認頂いたように短時間で環境を構築できるのが最大の利点です。
業務データをCloud上に保管することに抵抗がある方も少なくないかと思いますので、「開発・検証環境をすぐに短期間だけ使用したい」といった場合には非常に有効だと感じました。
・機能は限定的
ERSのレポーティング機能はCognosBIのReportAuthoringとほぼ同等ですが、データ項目を定義するモジュール(CognosBIで言うところのFrameworkManager)がないため、新規レポート作成ごとに必要なデータ項目を取得するSQLを記述する必要があるようです。手軽にレポーティングできる反面、毎回記述することを考えると個人的にはデータ項目定義の機能があるとうれしいですね。
以上で全4回のシリーズ「話題のBluemixのトライアルライセンスを活用してBIシステムの構築検証をしてみよう」は終了となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Bluemixは日々新しいサービスが追加され進化し続けています。
今後、他のBlumixサービスもご紹介できればと考えております。
—–
技術支援本部 テクニカル・サポート部
Analytics担当 伊藤
本件に関するお問い合わせは下記メールアドレスにお願い致します。
nicp_support@NIandC.co.jp