幕張メッセで6月11日(水)から6月13日(金)の3日間に開催された「Interop Tokyo 2025」に参加してきました。
毎年この時期に開催される当イベントは500社以上の出展や200以上のセミナーやセッションが開催される大変大規模なイベントで、すべてのセミナーや展示ブースを見て回る事は不可能なくらい多数のテーマが出展されているのですが、会場を見て回るなかで気になったテーマについて感想を簡単に述べたいと思います。

AI時代のサーバーインフラを支える次世代冷却技術
会場に出展している企業のテーマとして最も目についたものが「AI」です。
chatGPT等のAIツールが身近になればなるほど、その便利さを裏で支えるハードウエア製品にも進化が求められ、その進化とは処理性能の高速化と消費電力の削減という相反する要件を解決すべく登場したのがLenovo社の「Neptune」というテクノロジーです。
ユーザーの立場として、CPU/GPUの高速化と冷却の関係を単純に素人考えで列挙してみると、
・CPU/GPUの高速処理
↓
・熱が発生、ファンで冷やす
↓
・CPU/GPUの高速処理
↓
・冷却効果を上げるために
・ファンの数を増やす
・ファンを大きくする
・ファンの回転数を上げる
↓
・消費電力の増大が止まらない、地球温暖化にも影響
「Neptune」テクノロジーは
”水冷”技術を用いた次世代冷却テクノロジー
規模や用途により様々な方式があるそうですが、素人でも理解し易かった技術としては以下が挙げられます。
- 水冷と言っても45℃までの温水の活用で冷却にかかる電力や資源の最小化
- 水ではない特殊な冷却液の循環活用で、冷却にかかる資源を最小化
- 冷却範囲として例えば
- データセンター全体の冷却
- ラック単位、シャーシ単位の冷却
- CPUやGPUなど熱源となる主要パーツへの直接水冷

等々、これまで水冷技術活用には大規模な熱交換設備が必須でしたが、熱源への局所冷却など規模に応じた適切な水冷技術の活用の進化はこれからのITインフラを支える最も重要なテクノロジーではないかと感じました。
AI活用基盤としてPCの進化
AIの利用がより身近に、当たり前になりつつある現在、AIソリューションとユーザーのインターフェースとなるPCについてもこれまでとは異なるニーズが求められ、PCメーカーはそれらのお客様ニーズを反映した新しい製品を提供し始めています。
コロナ禍が一段落した現在でも9割近くの企業が何らかの形でリモートワークを継続しているという調査結果もあり、PCの活用可否がビジネスの成果に直結する時代となりつつあります。
これまでのPCとの具体的な違い
- NPU(Neural network Processing Units)と呼ばれるAI処理に特化したプロセッサーを搭載し、CPUやGPUに負荷をかけずにPC上でのAI処理を行う
このNPUやCPU、GPUなどのシステムを動かすために必要なチップを一まとめにしたSoCを搭載したパソコンがAIパソコンと呼ばれる - これらの新たな能力の活用で、
PC:入出力装置
AI処理:クラウドやネットワーク越しにサーバーで行う
↓
エッジAI処理:ユーザー手元のPCでの処理が可能に
2024年にMicrosoft社より発表された「Copilot + PC」Microsoft社の定めた要件を満たす、AIパソコンの中でも特に高性能なNPUを搭載したパソコンのことで、従来のAIパソコンにはなかったさまざまなAIを機能を利用することができます。
Lenovo社の展示ブースでは、「Recall」機能のデモを行っており、ドライブレコーダーのようにPCが5秒ごとにスクリーンショットを取り、自動保存。ユーザーが後から「背景が青のXXXに関する説明資料のページ」といった曖昧検索も可能で、いかにもリソースを食いそうなこうしたAI機能がローカルのPCの能力で行えることに技術の進化を感じました。
まとめ
今回のイベントでは、その他にもセキュリティや仮想化技術等新しい技術動向の展示ブース、セッションが満載でした。そのほんの一部のご紹介となりますが特に印象に残った製品についてのご報告とさせていただきます。
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エヌアイシー・パートナーズ株式会社
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