こんにちは。技術企画本部です。
2024年5月29日に、弊社として2回目のハンズオンセミナー『IBM Cloudハンズオンセミナー -PowerVS実践入門-』を開催しました。
今回のハンズオンセミナーは、以下の3つのことを目的として行いました。
- IBM Cloudの操作を体験していただき、その機能と応用の幅広さを理解していただくこと
- IBM CloudおよびIBM Power Virtual Serverの最新情報をお伝えすることで、知識の拡充とスキル向上に繋げていただくこと
- パートナー様同士の交流機会をご提供することで情報交換や意見共有を通じて新たな協業の機会を見出し、お互いのビジネス成長を促進いただくこと
第1回のハンズオンセミナー開催ブログ にも記載しましたが、私たちはご紹介商材を「実際に触ってみること」を重要視しています。
私たちのリアルな経験を交えながら製品のご説明をすることで、お客様の具体的な課題発掘や案件創出に繋がると考えているためです。
ハンズオンを通して、パートナー様のさらなるビジネス展開へのお役に立てれば幸いです。
それでは、開催したセミナーについて簡単にご紹介いたします。
目次 |
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開催レポート
1. IBM Cloudアカウントの説明
本セクションでは、IBM Cloud の利便性と機能、また、実際に業務に応用するための情報を、20分程度の講義形式でお届けしました。
まず、Power Systems Virtual Server のハンズオンを開始いただくにあたって、IBM Cloud とは何か、その基本構成や提供されるサービスについてご紹介しました。(IBM Cloud はオープンテクノロジーを基本に構成され、170以上のサービスがネットワーク経由で利用可能なビジネス向けクラウドであり、マルチアーキテクチャーをサポートしています)
また、IBM Cloud の歴史やインフラ概要、データセンターの拠点情報などもお伝えしました。
その後、IBM Cloudアカウントの概要についてご説明しました。
アカウント管理の全体像、ユーザーの種類、アクセスポリシー、IAM(Identity and Access Management)の設定方法についてざっくりとご理解いただけたのではないかと思います。
2. ハンズオン Part.1:Power Systems Virtual Server
本セクションでは、まず Power Systems Virtual Server(以下 PowerVS)の概要と、3月に東京・大阪リージョンで GA された Power Edge Router などの最新のアップデート情報をご紹介し、その後ハンズオンを実施していただきました。
ハンズオン環境はアクセスの集中を防ぐため、東京・大阪・ダラスの3拠点で行いました。
手順書は AIX と IBM i を準備し、参加者様には OS を選択して進めていただきました。
ハンズオンでは、参加者様に PowerVS と事前に作成した VSI(CentOS)を Transit Gateway を経由して疎通確認を行っていただき、構築時間や構築の難易度を体感いただきました。
限られた時間でのハンズオンのため最後まで終えられなかった方も一部いらっしゃいましたが、多くの参加者にオンプレミスと同様に利用できることを体感していただけたのではないかと考えます。
ハンズオン終了後には、オンプレミスからの接続方法や IBM Cloud Object Storage への接続に関するご質問をいただきました。(個別にご回答させていただいています)
3. ハンズオン Part.2:IBM Cloud Monitoring
本セッションでは、IBM Cloud Monitoring による PowerVS の監視についてご紹介しました。
PowerVS はエージェントの導入なしに監視が可能で、メトリクス取得を有効化するだけで開始できるサービスです。
ハンズオンでは、IBM Cloud Monitoring から作成した PowerVS の CPU、メモリ、ディスク、ネットワークの使用状況をご確認いただきました。
ネットワークの送受信状況など OS では取得できないメトリクスもあり、導入メリットのあるサービスではないかと思います。
また、IBM Cloud Monitoring は閾値を設定して Eメールアドレスなどのチャネルに通知することが可能ですが、通知内容をよりわかりやすいものとする案として、watsonx.ai で要約して通知するユースケースをご紹介しました。
実際に watsonx.ai で要約した場合のアウトプットをご覧いただき、その通知内容のイメージをご確認いただきました。
今後は、PowerVS・IBM Cloud と watsonx(生成AI)の活用についてもご紹介できればと考えています。
4. IBM Cloudサブスクリプション契約フローや課金の説明
本セッションでは、以下の2点についてご説明いたしました。
- IBM Cloudのサブスクリプション契約の開始方法や開始フロー
- IBM Cloudの課金の考え方や課金の確認方法
上記は多くのパートナー様からご質問をお受けするテーマです。
実際の業務で、特に営業部門が直面する疑問を少しでも解消いただきたく、このテーマについてご説明する場を設けました。
サブスクリプション契約は一見複雑に感じてしまいますが、一連のフローを理解し処理を進めることで容易に契約が締結でき、IBM Cloud の利用をスムーズに開始することができます。
また、サブスクリプションの消費方法も合わせてご理解することで、為替変動にも柔軟に対応することが可能です。
弊社は、これまで数多くの IBM Cloud の見積を実施し、多様な案件をご提案してきた経験があります。
そのため、お客様特有の状況に合わせ、見積もり段階からアドバイスをさせていただくことが可能です。
ご契約前のサポートはぜひ弊社にお任せください!
5. 最新情報紹介(日本アイ・ビー・エム 安田様)
日本アイ・ビー・エム株式会社 Cloud Platform テクニカルチーム 安田様より、「AI プラットフォーム『watsonx』とクラウドでのAI 開発 最前線!」と題した講義を実施いただきました。
昨年 IBM から発表された watsonx は「ビジネスに特化した企業向けの生成AI」として「信頼性」を重視しており、IBM Cloud は watsonx の信頼性を支える稼働環境(インフラ)として利用されています。
講義では、AI の処理に最適化された AI専用のインフラストラクチャーである、
- トレーニング実行用:Vela
- 推論実行用:AIU System(AI Accelerator System)
をご紹介いただきました。
AI を利用する上で「基盤モデル(foundation models)」は欠かせないものですが、基盤モデルの作成段階によって必要なコンピューターのパワーは異なります。
例えば、一番多くのパワーを必要する「トレーニングや検証」の段階では Vela を利用し、レイテンシやコストの観点が重要視される「データの準備やチューニング、推論」の段階では AIU System を利用する、といった使い分けができるそうです。
我々は用途によって適材適所であらゆる AI を使い分けています。
「ビジネスのためのAI」としてお客様が watsonx を選択いただくために、生成AI をどう使っていきたいのかお客様のイメージを確認しながら、インフラのみではなくアプリケーションなど広い枠で情報収集をしていこう、と改めて考えさせられる講義でした。
さいごに
ハンズオンセミナー後には、パートナー様およびご支援いただいた IBM様との情報共有会を開催いたしました。
4時間程におよぶ長時間のセミナーの後でお疲れだったと思いますが、8割のパートナー様にご参加いただきました。
情報共有会では、IBM様や弊社営業・SE との対話のみならず、パートナー様同士のコミュニケーションも進めていただくことができ、和やかながら活気のある会となりました。
ハンズオンセミナーは商材を限定して開催しますが、弊社は IBM Cloud のみではなく、その他の IBM製品に対しても専門スキルを持った SE が所属しており、パートナー様の取り扱い商材拡大のご支援をいたします。
いつでもお気軽にご相談ください。
では、次回のハンズオンセミナーでお会いしましょう!
お問い合わせ
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp