2020年12月

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「2025年の崖」を克服するアプリケーション・モダナイゼーションとは~IBM Cloud Pak for Applicationsの2つの優位点と3つの価値~

IBM Cloud Pak for Applicationsの新規販売は終了いたしました。
今後のアプリケーションランタイムソリューションは、2021年1月15日に発表されたWebSphere Hybrid Editionとなります。


現在、日本の多くの企業にとって「2025年の崖」をいかに克服するかが大きな課題となっている中で、レガシーシステムの抱える数々の問題が足かせになっています。

本コラムでは、”企業が抱えるレガシーシステム特有の課題を解決してデジタルトランスフォーメーション(以下:DX)を実現するためには、なぜ新しいアプリケーション開発や既存アプリケーションのモダナイゼーションが必要なのか?” について考察します。

 

Index


 

DX実現にアプリケーションのモダナイゼーションが必要な理由

レガシーシステムが抱える問題

2000年代に構築した基幹システムを現在に至るまで改修を繰り返しながら利用しているケースは珍しくありません。これらのシステムは今や15年〜20年が経過しており、レガシーシステムと呼ばれています。

既存のレガシーシステムは属人性が高く、さらに、レガシーシステムを運用・保守できるスキルを持った人員は不足しているので、それにともなう運用・保守コストの増大は大きな課題です。また、アプリケーションの改修に数ヵ月単位の工数がかかってしまうため、柔軟性や迅速性の低下も課題となっています。

レガシーシステムを抱える企業の問題

  1. システム開発・管理の「属人化」による、弊害
    • 運用・保守のコスト増大による、新規開発への投資不足
    • スキル要員の不足による、新規案件への対応の遅れ
  2. 「外部連携ができない」システムによる、デジタル・ビジネス創出の損失
    • アプリケーション構造による、業務の拡大や変化に対する制約
    • データへのアクセスの難しさによる、データ資産の利活用不足
  3. ビジネススピードを左右する、「アプリケーションの開発サイクル」の遅れ
    • 迅速性・柔軟性の低下による、新業務・新商品の投入の遅れ
    • 複雑化した構造による、開発・保守の生産性・品質の低下

これらレガシーシステムを抱える企業の問題は、DX がめざすビジネス変革に対する制約となっており、差し迫った足元の課題としてこれを解決することが必要不可欠です。

 

「マイグレーション」と「モダナイゼーション」の違い

レガシーシステム特有の課題を解決し DX を実現するために不可欠な手法として、「モダナイゼーション」があります。
モダナイゼーションを検討するにあたっては、まず「マイグレーション」と「モダナイゼーション」の違いを知っておくことが大切です。

 
マイグレーションとは、「TCO削減」を目的としたクラウド環境への移行

マイグレーションは、TCO(総所有コスト)の削減を主要な目的としたクラウド化のことをいいます。具体的には、既存のアプリケーションの構造を変えることなくクラウド環境に移行することです。
マイグレーションによる成果としては主に以下が挙げられます。

    1. 迅速にアプリケーションのクラウド化が可能
    2. クラウド化による IT資源の効率的利用
    3. 運用効率化・自動化を取り入れた設計指向

 
モダナイゼーションとは、「ビジネス拡大」を目指すクラウド・ネイティブ化

モダナイゼーションは、マイグレーションによりコスト削減を狙う領域を見定めつつ、戦略領域についてはモダナイゼーションによりビジネス拡大を目指すクラウド・ネイティブ化のことをいいます。具体的には、クラウド・ネイティブ化することで既存アプリケーションのアプリケーション構造を変革し、最新技術を取り入れ最適化することです。
モダナイゼーションによる成果としては主に以下が挙げられます。

    1. 将来にわたってアプリケーションの保守・管理が継続できる環境を整備
    2. API化によるビジネス機会の拡大
    3. Agile/DevOps (アジャイル/デプオプス) によるビジネス要求への迅速な対応

 

クラウド・ネイティブ化のメリット

このように、アプリケーション・モダナイゼーションは現行のアプリケーションを最新技術で更改し、「ビジネスの成長と拡大」を目的として「クラウド・ネイティブ化」することで新たな価値を生み出すよう変革することを意味します。

クラウド・ネイティブとは「クラウドの利点を徹底的に活用するシステム」を意味しており、様々なクラウドサービスを利用して開発・構築された、クラウドでの運用を前提としたシステムやサービスです。

そのメリットは、既に提供されているサービスを使うことによる開発期間の短縮や、アプリケーションを細分化することにより改修時の影響範囲が小さくなることによって修正期間・工数の削減ができる、などが挙げられます。昨今では、IaaS を用いて既存のシステムを最小限の改修でクラウドに移行し、その上で、PaaS や SaaS を活用してクラウド・ネイティブに作り替える「リフト&シフト」と呼ばれる手法も広まっています。

つまり、アプリケーション・モダナイゼーションによってレガシーシステムを「クラウド・ネイティブ化(Shift)」することでアプリケーション開発および管理の場を最適化し、レガシーシステムの課題であった「可用性」「スケーラビリティ」「リリースまでの期間短縮」などの問題を解決することができるのです。

参考)「CNCF Cloud Native Definition v1.0

 

モダナイゼーションの事例

2018年に経済産業省の DXレポートが公開されて以降、多くの企業がブラックボックス化したレガシーシステムを様々なレベルで刷新し、「2025年の崖」を克服するべく DX 実現のための IT基盤整備に取り組んでいます。

ここで、モダナイゼーションの事例を幾つか紹介しましょう。

 

サイロ化されたインターネットサービスを改善

この企業では、部分最適によってサイロ化され、利便性が低くなったインターネットサービスを改善する必要に迫られていました。
アプリケーションフレームワークに Struts* を採用していたためにセキュリティ上の問題も抱えており、そのほかにも、各種キャッシュレス決済の技術を採用することや、ソーシャルメディア連携を強化して新しいビジネス領域を開拓する必要もありました。

これに対して同社は、ToBe アーキテクチャとして、フレームワーク更改や PaaS化、コンテナ化/マイクロサービス化、DevOps 適用を採用。
最新のアプリケーションフレームワークを導入し、コンテナ化による保守性と拡張性の高いアプリケーション構造を実現しました。さらに、DevOps によって新しいサービスをタイムリーに実装・展開できるようになりました。

*Struts : Java Servlet API を拡張してMVC (Model, View, Controller) アーキテクチャを採用した、オープンソースのフレームワーク

 

レガシーシステムに散在していた顧客データを収集・集約

またある企業では、顧客データが事業ごとに散在して再利用が困難になっており、ガバナンスにも課題がありました。また、システム構造がサイロ化していたため、アプリケーションのリリースサイクルが長期化していることも問題となっていました。

これに対して同社は、ToBe アーキテクチャとして UXモダナイゼーション、SoE/SoR分離、コンテナ化/マイクロサービス化、DevOps 適用を採用。
レガシーシステムに散在していた顧客データを収集し、IBM が提唱する、次世代アーキテクチャに従った変化に強いデジタルサービス層に集約しました。さらに、マイクロサービスのアプリケーションをコンテナで実装することで柔軟性の高いシステム構造を実現しています。

 

レガシーシステムのデータはそのままに、メインフレーム資産を API連携

メインフレームを利用していたある企業は、レガシーシステムのデータはそのままに、フロント側の各チャネルにデータを提供したいと考えていました。

これに対して同社は、ToBeアーキテクチャとして API化、SoE/SoR分離、コンテナ化/マイクロサービス化を採用。次世代アーキテクチャのデジタルサービス層にアプリケーション基盤、API管理基盤を設けることで、メインフレーム資産をシンプルに API連携させています。

 

アプリケーションのモダナイゼーションを推進する
「IBM Cloud Pak for Applications 」

モダナイゼーションとクラウド・ネイティブ・アプリケーション開発・実行を
サポートする「IBM Cloud Pak for Applications 」

レガシーシステムの問題点を解決し、オープンなコンテナ技術によるアプリの可搬性向上と、オープンなオーケストレーションによる管理・運用の効率化を実現するのが IBM Cloud Paks シリーズです。

IBM Cloud Paks とは、Red Hat OpenShift 上で稼働するミドルソフトウェア群で、オープンなコンテナ技術によるアプリの可搬性向上と、オープンなオーケストレーションによる管理・運用の効率化を実現します。
Red Hat OpenShift とコンテナ化された IBMソフトウェアを含み、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウド、エッジ・コンピューティングを同じアーキテクチャで提供。エンタープライズでは、オープンソースそのものだけでは難しく、運用の負荷も増大します。

IBM Cloud Paks は、他社の Kubernetesサービスと比べて、運用サービスがエンタープライズ用に共通化されており、ソフトウェアが最適化された形で提供されます。ユースケース別に6製品があり、そのなかで、アプリケーションのビルド、拡張、デプロイ・実行を支援する製品が、「IBM Cloud Pak for Applications」です。

 

IBM Cloud Pak for Applications の2つの優位性

IBM Cloud Pak for Applications は、既存のアプリケーションを最新化し、Red Hat OpenShift で実行するクラウド・ネイティブのアプリケーションを新規開発するための、エンタープライズ対応のコンテナ化されたソフトウェア・ソリューションとして提供されています。

CI/CD開発・実行環境である「Accelerators for Teams」とコードのモダナイゼーションをアドバイスする「Transformation Advisor」の2つの優位点があり、開発者、IT運⽤者、LOB (Line of Business) それぞれに、大きなメリットを与えます。

「IBM Accelerators for Teams 」は、従来型のアプリケーションのハイブリッドクラウド/マルチクラウドへの移行を支援するとともに、必要なツールとランタイムを使用して革新的なクラウド・ネイティブ・アプリケーションを開発できる基盤を提供します。
また「Transformation Advisor」は、既存のレガシーシステムのアプリケーションをコンテナ上で実行できるかを分析、必要な手順を教示しコンテナ環境への移行をサポートします。

 

IBM Cloud Pak for Applications の3つの価値

先程ご説明した2つの優位点は、いま必要なものから将来必要となるものまで、お客様にとって3つの価値を提供します。

 

  1. 既存アプリの実行 :
    現在の環境で、従来どおりアプリケーションを実行

– パブリッククラウド、オンプレミス、プライベートクラウドのどこでもアプリケーションが
実行可能 –

IBM Cloud Pak for Applications は、既存のアプリケーションが存在する場所で実行し、最新化されたアプリケーションと新しいクラウド・ネイティブのアプリケーションをコンテナ内のクラウドにデプロイします。そのため、パブリッククラウド、オンプレミス、プライベートクラウドのどこでも、ビジネスに最適な場所と方法でアプリケーションを実行できます。
また、既存のアプリケーションに対して、オープンソース標準に基づいて構築された統合 Kubernetesプラットフォームである Red Hat OpenShift に合わせたツールを提供するとともに、アプリケーションの実行場所にかかわらずそれらをサポートします。

 

  1. 既存アプリのモダナイズ :
    コンテナ環境へ移行が必要となったときに、それをサポートする
    ツール・知見を提供

– 既存システムのリフト&シフトを支援ツール「Transformation Advisor」を活用可能 –

IBM Cloud Pak for Applications には、既存アプリケーションのモダナイゼーションを支援するツールとして、「Transformation Advisor」が用意されています。これは、オンプレミス環境で実行されていた Java EE のアプリケーションをコンテナ上で実行できるかを分析し、どういう手順が必要かをレポートするなど、既存システムのリフト & シフトを支援します。
また、「WebSphere Migration Toolkit」やローカル開発と連携する IDE 拡張機能などにより、コンテナ環境への移行をサポートします。

 

  1. 新規アプリの開発 :
    新規アプリケーションをクラウド・ネイティブで作成するための
    開発ツールや環境、各種オープンソースを統合して提供

-「Accelerators for Teams」フレームワークに含まれている各種オープンソースを
サポート付きで開発可能 –

IBM Cloud Pak for Applications には、複数のオープンソースを組み合わせてコンテナ上のアプリケーションを開発・テスト・管理できるようにした「Accelerators for Teams (旧 Kabanero) 」が含まれます。
ツールをひとつひとつ組み合わせて開発環境を構築するのは容易ではありませんが、「Accelerators for Teams」は開発者がすぐに使えるかたちで提供されており、しかも IBM のサポートが付いているので安心して利用することができます。
また、テンプレートや管理のためのアーキテクト・ツール、開発者向けツールなども充実。Accelerators for Teams で作成したアプリケーションをテスト・本番で実行するランタイムも各種用意されており、なかでも「Libertyランタイム」はスピーディーな開発に対応する軽量の次世代ランタイムです。これにより、自動化された環境で最小人数のエンジニアでの開発が可能となります。

 

このように、OpenShift ベースの基盤でコンテナ化することでハイブリッド・クラウド/マルチ・クラウド双方に対応し DX を加速させる IBM Cloud Pak for Applications は、これを利用することで既存アプリケーションの利用、モダナイゼーション、新たなネイティブ・アプリケーションの開発がスムーズに行えるようになります。

アプリケーション・モダナイゼーションを検討する上で、IBM Cloud Pak for Applications はエヌアイシー・パートナーズが自信をもってお勧めするソリューションです。

 
 


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2025年09月03日

レノボのファンレス常温水冷サーバーって?

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2025年08月21日

【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました

公開日:2025-08-21 こんにちは。てくさぽブログメンバーの佐野です。 2025年7月17日に「watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ」第一回を開催しました。 2024年12月にもwatsonx Orchestrate(以下wxO)のハンズオンセミナーを開催しておりますが、6月にwxOの大幅なアップデートが入り使い方・作り方が大きく変更になったため、最新情報と基本的な使い方をいち早くお届けするべく企画・開催しました。 また、ハンズオンだけでなくワークショップの時間を設け、wxOがどのように使えるのかを参加者同士でディスカッションし、最後に各チーム毎に発表・共有をすることでwxOの理解を進めるとともに参加者同士のコミュニケーションを図りました。 本ブログではこのテクニカルワークショップについて簡単ですがご紹介します。 目次 watsonx Orchestrate概要 watsonx Orchestrateハンズオン ワークショップ まとめ お問い合わせ watsonx Orchestrate概要 旧wxOと比べて新wxOはAgentの開発方法が変わっています。画面が変わったのはもちろんのこと、エージェントで実行部分を示す用語も「Skill」から「Tool」へ変更となっています。他に大きく変わったのは以下の点になります。 新しく「Knowledge」機能が追加され、Agent内にファイルを添付することができ、簡易的なRAGの構成をNo-Codeで実現 Agent内で定義しているToolを呼び出す際に、LLMが自動でチャットに入力されたテキストから必要な情報を抜き出し、Toolへ渡す Agentから他のAgentを呼び出せる(wxO以外のAgentも呼び出せる)Multi-Agent Orchestration機能 「Behavior」に日本語で返答させたりAgentの挙動を定義 人事業務や購買業務、営業業務といった特定業務向けの事前定義Agentを提供 AgentやToolをPythonで実装するためのAgent Development Kit (ADK)および開発者向けのDeveloper Editionを提供 モニタリング機能でAgent処理履歴のトレース情報を参照可能 自社で開発したエージェントを提供する”Agent Connect”というAIエージェントのエコシステム上でマーケットプレイス環境 wxOの各エディション内の機能の変更と課金対象の変更 このように大きな機能追加や使い方の変更が入ったことをご紹介し、理解頂きました。 watsonx OrchestrateでAgentを作成する時の主な設定項目は以下のようなものがあります。 watsonx Orchestrateハンズオン 概要でお伝えしたように、用語も変わった上に画面も新しくなっています。 そのため、AI Agentを動作させるための以下の基本的な操作をハンズオンで体験頂きました。 wxO環境の説明や基本的な操作 Agentの新規作成 Toolの作成・利用 Knowledgeを利用した簡易的なRAG Agent Tool Builderを利用しFlowやCodeblockの作成 Agentから他のAgentを呼び出し これらのハンズオンはCodeblockを除きNo-CodeでWebブラウザ上の操作で実行できるため、プログラミングやシステム開発の知識・経験が無くてもAI Agentを動かすことができます。Codeblock機能はAgentの動作・処理順を定義する”Flow”の中でPythonを使ってデータを操作するための機能であり、簡易的なETLを実現するものです。 今回のハンズオンでは、サンプルとその手順をご用意したので、参加者の方々が一通りのことを体験頂くことができました。実際にハンズオンで体験頂いた内容のサンプルをいくつかご紹介します。 Agentのサンプル1:都市名からお天気情報を返答するAgent APIで他サービスを呼び出し、都市名を入力すると天気と気温を回答してくれます。 複数の都市名を入力し、表形式で回答してもらうこともできます。 Agentのサンプル2:簡易的なRAG Agent ファイルを添付し、そのファイルの内容から回答をしてくれる機能です。 ハンズオンではIBMの2024年度の年次レポートを添付し、その内容を元に財務パフォーマンスのサマリーを回答させました。 ファイルの該当箇所が参照できるので、根拠を確認できるのがよいところです。 ファイルは事前にAgentに添付しておくこともできますし、ユーザー自身がファイルを添付する使い方もできます。 ワークショップ 今回、ハンズオンだけでなくwxOを自社または自社のお客様がどのように利用すると効率化できるか?という観点でチームに分かれてワークショップを行いました。 1チーム4人の合計3チームに分かれてNI+C Pメンバーがファシリテートしながらアイディア出し・ディスカッションを行いました。 最後に各チームのディスカッション結果を発表いただき、「こんなことできたらいいな」というアイディアを全員で共有し合いました。 ワークショップで上がった意見の中からいくつかピックアップします。 市役所の窓口業務を実施するAI Agent チャットだけでなく音声対応もできる 個別業務を処理するTool/Agentと情報参照のRAGを併用してユーザーへの問い合わせへ回答 ブログを書いてくれるAI Agent 過去のブログを参考にして文体や言い回しを自分流に ドラフト書くAgent、推敲Agent、ファクトチェックAgentなど組み合わせ 薬局の在庫予測や自動発注にAI Agentを活用 まとめ 新しくなったwxOのハンズオンを1か月とちょっとで実施するというチャレンジングなワークショップでしたが、無事終えることができてホッとしています。 ご参加頂いた方々からのアンケートで「最新情報を知り、その環境で動作させられたのがよかった」とご意見を頂いており、準備した甲斐があったと嬉しく思っております。 wxOテクニカルワークショップの第二回も企画しておりますし、他の製品についても企画中ですので、この記事をご覧の皆様のお役に立てるよう、今後も企画・実現していきます。 「こんなことやって欲しい」というご意見ありましたら是非ご意見お願いいたします。 お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年08月04日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの高村です。 早速ですが、今年5月に開催されたIBMの年次イベント「Think2025」で、watsonx Orchestrateの新機能が発表されました!その中の一つとして、開発者向けの「Agent Development Kit(以下、ADK)」があります。今回はこのADKを活用し、watsonx Orchestrate環境への接続やエージェントの追加といった操作を行い、その使用感をご紹介します。  なお、watsonx Orchestrateについては、今年2月、3月に公開した「watsonx OrchestrateやってみたBLOG」でご紹介しておりますので、是非こちらもご一読ください。 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1) 【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part2) 目次 はじめに ADKとは? ADK使ってみた さいごに お問い合わせ はじめに Think2025で発表された新機能は、6月に環境へ追加されました。それ以前の環境とは、メニュー構成や操作方法、機能名称に変更があります。 例えばこれまで「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」へと名称変更されています。 アップデート後の環境につきましては、別ブログにて改めて詳しくご紹介させていただく予定ですので、ぜひご期待ください! ADKとは? まずはADKについてご紹介します。ADKとは開発者向けにwatsonx OrchestrateのAgentやToolをスクラッチ開発するための開発キットになります。ローカル端末などに導入し、pythonベースで開発を行うことができます。 また、ADKとは別に、watsonx Orchestrate Developer Editionをローカル端末に導入することで、ADKで開発したAgentやToolのテストが可能になります。なお、watsonx Orchestrate Developer EditionはDockerコンテナ上で動作し、現時点のハードウェア要件はCPUは最小8コア、メモリは最小16GBが必要です。詳細はInstalling the watsonx Orchestrate Developer Editionをご確認ください。   ADKとwatsonx Orchestrate Developer Editionを利用することで、コードの迅速な作成・修正や柔軟なカスタマイズに加え、環境へのデプロイ前にローカルでテスト・修正が可能となり、作業効率の向上が期待できます。 ADK使ってみた 前述ではADKでAgent開発し、watsonx Orchestrate Developer Editionで動作確認、SaaS watsonx Orchestrateへインポートする構築の流れをお話しましたが、今回の検証における動作確認は検証環境として利用しているIBM Cloud 上のwatsonx Orchestrate利用します。よって前述したwatsonx Orchestrate Developer Editionは利用せず、ADKからwatsonx Orchestrate検証環境へAgentとToolを直接インポートし、動作確認を行いたいと思います。また、ADKのインストール先は自分の端末ではなく、IBM Cloud上に構築したUbuntuのVirtual Server Instance(以下、VSI)を使用します。検証環境の構成イメージは下記の図の通りです。 尚、ADKのインストール要件はPython 3.11以上、Pip、そして仮想環境(以下venv)が必要です。詳細については、Getting started with the ADKをご確認ください。 それでは早速使ってみましょう! VSIのプロビジョニング まずはADKをインストールするVSIをプロビジョニングします。本ブログではプロビジョニング方法について詳しく記載いたしませんが、手順は「【てくさぽBLOG】IBM Power Virtual ServerのAIX環境とIBM Cloud Object Storageを接続してみた(Part1)」のVSI for VPCの作成をご参考ください。 OSはUbuntu 22.04 LTS Jammy Jellyfish Minimal Install、リソースは2vCPU,4GB RAMで作成しました。VSI作成時にSSH鍵が必要なるので作成を忘れないようにしてください。 作成すると数分で起動します。端末からSSHログインするため浮動IPが必要になります。赤枠で囲った浮動IPを作成しインスタンスに紐づけします。以上でVSIの作成は完了です。 Ubuntuの設定 ターミナルを開きsshでUbuntuにログインします。私はWindowsのコマンドプロンプトを使用しました。Ubuntuユーザでログイン後、rootパスワードを設定し、スイッチできるようにします。 ubuntu@nicptestvsi:~$ sudo passwd root New password: Retype new password: passwd: password updated successfully ubuntu@nicptestvsi:~$ su - pythonのバージョンを確認したところ3.10.12でした。ADKの要件は3.11以上ですので、バージョンアップが必要になります。最初は3.13にバージョンアップしてみたのですが、後続作業と最新バージョンではパッケージが合わなかったのかうまく動かず…仕切り直して3.11を利用することにしました! root@nicptestvsi:~# apt install python3.11 バージョンアップ後、デフォルトバージョンとして3.11を指定します。 root@nicptestvsi:~# sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.10 1 sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.11 2 sudo update-alternatives --config python3 update-alternatives: using /usr/bin/python3.10 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode update-alternatives: using /usr/bin/python3.11 to provide /usr/bin/python3 (python3) in auto mode There are 2 choices for the alternative python3 (providing /usr/bin/python3).Selection Path Priority Status ------------------------------------------------------------ * 0 /usr/bin/python3.11 2 auto mode 1 /usr/bin/python3.10 1 manual mode 2 /usr/bin/python3.11 2 manual modePress <enter> to keep the current choice[*], or type selection number: 2 root@nicptestvsi:~# root@nicptestvsi:~# python3 --version Python 3.11.13 次に下記コマンドを実行して任意のvenvを作成します。 python3 -m venv /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest <環境のパスを指定 venvを活性化してログインします。下記コマンド結果のようにvenvに入れましたらUbuntuの設定は完了です。 root@nicptestvsi:~# source /path/to/nicpse/project/your-venv-adktest/bin/activate (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# ADKのインストール 以下コマンドを実行してADKをインストールします。ADKは6月時点で1.5.1が最新バージョンです。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# pip install ibm-watsonx-orchestrate Collecting ibm-watsonx-orchestrate Downloading ibm_watsonx_orchestrate-1.5.1-py3-none-any.whl.metadata (1.4 kB) Collecting certifi>=2024.8.30 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading certifi-2025.6.15-py3-none-any.whl.metadata (2.4 kB) Collecting click<8.2.0,>=8.0.0 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading click-8.1.8-py3-none-any.whl.metadata (2.3 kB) Collecting docstring-parser<1.0,>=0.16 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading docstring_parser-0.16-py3-none-any.whl.metadata (3.0 kB) Collecting httpx<1.0.0,>=0.28.1 (from ibm-watsonx-orchestrate) Downloading httpx-0.28.1-py3-none-any.whl.metadata (7.1 kB) ----中略---- (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate --version ADK Version: 1.5.1 ADKの環境設定 次にADKの環境設定を行います。watsonx OrchestrateのインスタンスIDが必要になるため、watsonx OrchestrateのSetting画面に入り確認します。下記画面をご参考にしてください。 環境設定コマンドはこちらになります。-nの後はvenv名を指定し、-uの後はインスタンスIDを指定します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env add -n <仮想環境名> -u <環境のインスタンスID> [INFO] - Environment 'my-name' has been created [INFO] - Existing environment with name 'nicpse' found. Would you like to update the environment 'nicpse'? (Y/n)y [INFO] - Environment 'nicpse' has been created 以下コマンドを実行して、IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateと認証設定をします。APIキーの取得方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx.aiを使ってみた(Part2)」のAPIキーの取得をご確認ください。尚、リモート環境に対する認証は2時間ごとに期限切れになります。期限が切れた場合は再度認証する必要があります。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env activate nicpse --apikey <APIキー> [INFO] - Environment 'my-ibmcloud-saas-account' is now active [INFO] - Environment 'nicpse' is now active 下記コマンドを実行してCLIから利用できる環境のリストを表示します。IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateがactiveとなっていました! (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~# orchestrate env list nicpse https://api.us-south.watson-orchestrate.cloud.ibm.com/instances/XXXXXXXX (active) local http://localhost:XXXX Toolとagentのインポート 次にToolとAgentのインポートを行います。ToolとはAgentがタスクを実行する際に利用する機能です。今回は、IBM様より共有いただいたyfinanceを活用したToolおよびAgentのコードを、ADKを用いてインポートします。なお、yfinanceはヤフーファイナンスから株価などの金融データを取得するためのPythonライブラリです。 最初にToolのインポートを行います。下記の様に、scpなどでToolファイルとrequirements.txtをディレクトリにアップロードしておきます。requirementsファイルは他のモジュールと依存関係がある場合使用します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# ls -l total 12 -rw-r--r-- 1 root root 0 Jun 24 04:42 __init__.py drwxr-xr-x 2 root root 4096 Jun 24 04:38 __pycache__ -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 8 Jun 24 03:02 requirements.txt -rw-rw-r-- 1 ubuntu ubuntu 1778 Jun 24 02:46 yfinance_agent.py 下記コマンドを実行してToolファイルとrequirementsファイルをインポートします。企業情報を取得するstock_infoと株価を取得するstock_quoteの2つのToolがインポートされました。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate tools import -k python -f "./yfinance_agent.py" -r "./requirements.txt" [INFO] - Using requirement file: "./requirements.txt" [INFO] - Tool 'stock_info' imported successfully [INFO] - Tool 'stock_quote' imported successfully listコマンドを実行するとインポートされたToolを確認できます。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:# orchestrate tools list ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┳ ┃ Name ┃ Description ┃ Permission ┃ Type ┃ Toolkit ┃ App ID ┃ ┡━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━╇ │───────────┼────────────┼── │ send_mail_brevo │ send a meil using Brevo. │ write_only │ python │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_quote │ 企業のTickerSymbolを用いて株価… │ read_only │ python │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ Untitled_6160RC │ No description │ read_only │ openapi │ │ │ ├─────────────────────────────────┼──── │ stock_info │ 企業のTickerSymbolを用いて企業… │ read_only │ python │ │ │ └─────────────────────────────────┴──── 次にAgentをインポートします。下記コマンドを実行します。 (your-venv-adktest) root@nicptestvsi:~/orchestrate_tool/py/source_02# orchestrate agents import -f ./yfinance_agent.yaml agent listコマンドでインポート済みのAgentを確認できました。Agentが使用するToolも表示されています。 (your-venv-adktest) # orchestrate agents list ┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━ ┃ Name ┃ Description ┃ LLM ┃ Style ┃ Collaborators ┃ Tools ┃ Knowledge Base ┃  ┡━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━━━━━━━━╇━━━━━━━━ │ yfinance_age… │ 企業の会社情… │ watsonx/meta- │ react │ │ stock_info, │ │ │ │ │ llama/llama-3 │ │ │ stock_quote │ │ ││ │ │ -2-90b-vision ││ │ -instruct │ │  IBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで動作確認 インポートしたAgentとToolをIBM Cloud上のwatsonx Orchestrateで確認します。 watsonx Orchestrateへログインし、BuildからAgent Builderを選択します。 yfinanceエージェントが表示されているので、クリックします。 クリックすると、Agent作成画面に入ります。UIから基盤モデルを変更したり、Agentの振る舞いなど変更することができます。 スクロールして、Toolsetを確認するとADKからインポートしたToolが登録されています。 右のPreviewからAgentの動きを確認することができます。今回はDeployせずPreviewで確認します。入力欄には「IBMの株価は?」と質問してみます。しばらくすると本日の株価が回答されました。Show Reasoningを開くと推論過程を確認することができます。株価を取得するTool「stock_quote」を使用し、AIがユーザの入力から自動的にTicker symbolを入力していることがわかります。 次に「IBMの企業情報」と質問をします。しばらくするとAIがユーザの入力からTicker symbolを入力し、Tool「stock_info」を利用して企業情報を取得、回答されました。ユーザの入力内容からAgentが使用するToolを選択し、実行していることがわかります。   さいごに ADKのご紹介とADKを使ってToolとAgentのインポートを行いました。 ADKのインストールおよび設定について、Pythonバージョンの設定やvenvの作成でつまずく部分はありましたが、venvが作成できればその後の設定はスムーズに進められました。 今回はVSI上のUbuntuサーバにADKをインストールしましたが、ご自身の端末に導入することで、より気軽にAgent開発を行えるかと思います。なお、今回は検証対象外でしたが、watsonx Orchestrate Developer Editionを利用する場合は、インストール要件としてやや高めのスペックが必要になる点にご注意ください。 検証時のADKのバージョンは1.5.1でしたが、7月末では1.8.0が最新バージョンとなっています。比較的頻繁にアップデートされますので適宜Release Notesをご確認ください。バージョンアップでコマンドオプションも変更される場合があるため、マニュアルを確認するかコマンドに`--help`を付与してパラメータを確認することをおすすめします。   お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp   .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; }

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