2020年05月

12

クラウド環境へのOSの持ち込みって出来るの?

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの瓜谷です。

最近、クラウド上のソフトウェアのライセンス購入に関して
「自社で購入して持ち込んでいいの?」
「オンプレミス環境と同じ種類のライセンスでいいの? 」
「いくつ購入すればいいの? 」
といったお問い合わせが増えてきています。

そこで、よくお問い合わせいただくIBM Cloud ベアメタルへのWindows ServerとRed Hat Enterprise LinuxのOSの持ち込みライセンスの考え方についてご説明したいと思います。

IBM Cloud ベアメタル環境への持ち込み可否

「IBM Cloud ベアメタル環境へOSのライセンスを持ち込めるの?」に関して、結論から申しますと “Yes” です。
ただし、持ち込むOSによっては、オンプレミスで使用しているエディションが使用できない場合があります。

では最初に、IBM Cloud ベアメタルで使用できるOSのエディションの種類を説明します。
Windows Serverのエディションには、下記の2つがあります。

Windows Server DataCenter Core 2ライセンス ⇒”持ち込み可”
Windows Server Standard Core 2ライセンス     ⇒”持ち込み可”

この2つのエディションに関しましては、両方ともIBM Cloud ベアメタルへ持ち込むことが出来ます。
Windows Serverの場合には、エディションの種類を考慮しなくてもよいことなります。

それでは、次にRed Hat Enterprise Linuxを見ていきましょう。
Red Hat Enterprise Linuxのエディションには、下記の2つあります。

Red Hat Enterprise Linux Server                                   ⇒”持ち込み可”
Red Hat Enterprise Linux for Virtual Datacenters   ⇒”持ち込み不可”

残念ながらRed Hat Enterprise Linux for Virtual Datacenters(ゲストOS無制限)は、IBM Cloud ベアメタルへの持ち込みはできません。
Red Hat Enterprise Linuxの場合には、オンプレミスとクラウドでライセンスポリシーが違うので注意が必要です。

IBM Cloud ベアメタルへの持ち込み可能なOSのエディションの種類がわかったところで、次に「IBM Cloud ベアメタルへ持ち込むOSライセンスの考え方」を説明します。

IBM Cloud ベアメタルへ持ち込むOSライセンスの考え方

Windows Server とRed Hat Enterprise Linux Server は、IBM Cloud へ持ち込む場合でもオンプレミス環境と同じカウント方法になります。

【Windows Server を仮想OS上で使用する場合】

Windows Server のライセンスは、仮想OSが搭載されているサーバのCPUのソケット数とコア数やゲストOS数によってライセンスの数量が変わってきます。
ここでは、一番問い合わせが多い2CPU以下のサーバを例にとって説明します。

■Windows Server DataCenter Core 2ライセンスの場合
このライセンスは、サーバにゲストOSを無制限に搭載することができます。
そして、ライセンスの数量を考えるには、2つのルールがあります。
2コアで1ライセンスとして算出します。

1.サーバのCPUの合計コア数が16コア以上の場合には、合計コア数必要
2.サーバのCPUの合計コア数が16コア未満の場合、16コアとして計算

上記1、2の説明に対する図を、下の図1に示しています(説明1は左側の図、説明2は右側の図です)

■Windows Server Standard Core 2ライセンスの場合
このライセンスは、サーバのCPUの合計コア数とゲストOS数によってライセンス数が変わってきます。
サーバのCPUの合計コア数分のライセンスで、ゲストOS2つまで使用できますが
それ以上使用する場合には、サーバのCPUの合計コア数分のライセンスを加算することでさらにゲストOS2つ追加して使用することができます。
2コアで1ライセンスとして算出します。
ライセンスの数量の考え方の例を3つにまとめます。

1.サーバのCPUの合計コア数が16コア以上の場合には、合計コア数でゲストOSを2つまで使用可能
2.サーバのCPUの合計コア数が16コア未満の場合、16コアとしてゲストOSを2つまで使用可能

上記の1と2を式にて表現してみると次のようになります。

変数α  =  サーバのCPUの合計コア数(但し、16コア未満の場合には16コアとして計算します)
変数β  = ゲストOS数(但し、ゲストOS数が奇数の場合には+1にして偶数にします)

ライセンス数 = 変数α ÷ 2(2コアライセンスのため) × 変数β ÷ 2(2ゲストOS毎のため)

3.サーバ毎に、最大ゲストOSを数えて計算(待機系であっても課金対象)

上記1、2、3の説明に対する図を、下の図2に示しています(説明1は左側の図、説明2は真ん中の図、説明3は右側の図です)

【Red Hat Enterprise Linux Serverを仮想OS上で使用する場合】

Red Hat Enterprise Linux Server は、仮想OSが搭載されているサーバのCPUのソケット数とコア数は関係なく、搭載するゲストOSの数量によってサブスクリプション数が決定されます。

■Red Hat Enterprise Linux Serverの場合
ライセンスの数量を考えるには、3つのルールがあります。

1.サブスクリプション毎に、2ゲストまで使用可能
2.稼動するRed Hat Enterprise Linux Server のOSの数量の合計で課金
3.同時稼動するRed Hat Enterprise Linux Server OSの最大数で課金

上記1、2、3の説明に対する図を、下の図3に示しています(説明1は左側の図、説明2は真ん中の図、説明3は右側の図です)

最後に

皆様、 IBM Cloud ベアメタルへのWindows ServerとRed Hat Enterprise LinuxのOSの持ち込みライセンスの考え方は、ご理解いただけましたでしょうか?

「意外と簡単だった!」
「理解できたけど、数を数えるの間違えちゃいそう!」

人それぞれ感想が異なるかと思います。

ここで注意してほしいのは、クラウド業者やOSのメーカーによって、持ち込みの可否や購入する際のルールや考え方等は異なるということです。
また、バージョンが変わることでライセンスのポリシーが変更になることもありますので、その都度確認が必要です。
常にライセンス見積に携わっていない方は「調べるのが大変!面倒!」と思われるかもしれませんが、そんな時はNI+C Pに是非ご相談ください。

また、クラウドに関わらず、●●●のライセンスの考え方を掲載してほしい等のご要望等ありましたらご連絡ください。要望が多いものから掲載していきたいと思います。

この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社

技術支援本部

E-Mailnicp_support@NIandC.co.jp

商標帰属

すべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。

※上記の記載は、2020/5/11現在の内容となります。

その他の記事

2022年06月24日

【早わかり】AIX と IBM i ライセンス情報

こんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 村上です。 2022年度は新しい試みとして、 ・理解しているつもりだけど説明はできない ・時間があれば調べたいと思っていた ・当たり前な知識かもしれなくて質問しにくい という内容を取り上げた「早わかりシリーズ」を掲載していきます。 今回は、IBM Power のメインOS、AIX と IBM i のライセンス情報をご紹介します。 AIX とIBM i は、片方のライセンス情報しか知らないという方も意外と多いので、ぜひこの機会に比較しながら読んでみてくださいね。   セクション 1) 永続ライセンスのおさらい 2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? 3) ライフサイクルとバージョンのポイント   1) 永続ライセンスのおさらい AIX とIBM i のスタンダードなライセンス「永続ライセンス」。 有効期限のない永続ライセンスは、SWMA (SoftWare MAintenance) と合わせて所有します。 永続ライセンス OSを利用できる権利。1年目に購入。 SWMA 「サブスクリプション(最新バージョンへのアップグレード)」と「テクニカルサポート(対象製品に対するQAサポート)」の権利。 1年~5年で選択し、継続するためには都度オーダーが必要。 更改などで新ハードウェアへ移行する場合、 AIX 永続ライセンスはIBM Power本体に紐づくので、新ハードウェアになるタイミングで永続ライセンスが買い直しになります IBM i 既存機のライセンスを新ハードウェア移管することが可能です(移行先の機械レベルが高くなる場合は追加料金が発生) IBM i には、移行中ライセンスとして安価なITL(IBM Temporary License)が提供されたり、DR機専用のライセンスがあったりもします。   2) マンスリーとサブスクリプションをご存じですか? さて、このセクションが今回のブログの本題です。 2022年6月現在、AIX とIBM i には「永続」「マンスリー」「サブスクリプション」と3種類のライセンスがあります。 以下は利用ケースのイメージです。 利用ケース 永続ライセンス ・長期間利用 マンスリーラインセンス ・移行時の短期利用 ・スパイク(最低限の環境をさっと作って概ねの方向性を確認する) サブスクリプションライセンス ・初期投資を抑えたい場合に利用 ・HWに依存せず臨機応変に利用(中長期間でAIXの場合) サブスクリプションライセンスは、AIX は2021年、IBM i は2022年に提供が開始されました。 (表が見えにくいのでクリックして拡大してご覧ください) サブスクリプションライセンスは、今後拡張が予定されています。 利用ケースにあったライセンスを選択できるようになってきたので、臨機応変な検討ができるようになりますね。   3) ライフサイクルとバージョンのポイント 2022年6月時点で、IBMは「AIX も IBM i も将来の投資を継続する」という発表をしています。 IBM Power ユーザとしては一安心です。 どちらのOSも、サポートライフサイクルは10年間となります。 下記にバージョンのポイントを纏めてみました。 <AIX > 購入できるバージョン v7.2 , v7.3 標準サポートがあるバージョン v7.1, v7.2, v7.3 どうやってもサポートが終わっているバージョン v5.3 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v6.1 TLが出るタイミング(※) 1回/年、成熟してくると1回/2年 サポートライフサイクル(10年) 標準(最短6年)+延長保守(3~5年) <IBM i > 購入できるバージョン v7.3 , v7.4, v7.5 標準サポートがあるバージョン v7.3, v7.4, v7.5 どうやってもサポートが終わっているバージョン v6.1 実はまだ有償延長サポートがあるバージョン v7.1, v7.2 TRが出るタイミング(※) 2回/年(最新バージョンと1世代前のバージョンに対して) サポートライフサイクル(10年) 標準(7年)+延長保守(3年) <※TLとTRの補足> TL:テクノロジー・レベル。AIXにおける問題の修正、新しいハードウェアのサポート、ソフトウェアの機能拡張が含まれたプログラム。 TR:テクノロジー・リフレッシュ。IBM i におけるオファリング、サービス、およびハードウェアの機能拡張を提供するプログラム。 かなり前のバージョンも、延長保守のサポートがあるため更改時も安心です。 ただ、延長保守サポートは、部品不足による急な保守終了や、新規の問い合わせに対応いただけない、という面があるので要注意です。 また、延長保守サポートには細かい前提が設けられており前提にも随時変更が入りますので、ご利用を検討される際はお問い合わせください。   さいごに つい先日(2022年6月)、IBM i の複数のソフトウェアラインセンスが無償化される発表(IBM PartnerWorld)がありました。 IBM i では更改の検討が始まると、実際に利用している有償ソフトウェアの見直しが入ったりして、見積もりに時間がかかることがありますよね。 有償ライセンスが減ったことで、見積もりが少しでも簡単になり助かります。 クラウドシフトが進む中で、ライセンス体系、課金、監査方法が複雑化しています。 弊社には毎日のようにパートナー様からライセンス関連の相談やお問い合わせが来ています。 OSのみではなく、あらゆるソフトウェアのライセンス情報収集に日々奮闘(?)しているSEが多数おりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください! ※ 本ブログの情報は時間経過とともに変更が入る可能性があります。   お問い合わせ この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 E-Mail:voice_partners@niandc.co.jp  

back to top