2019年11月

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【てくさぽBLOG】超簡単データ分析!H2O Driverless AIを使ってみた

こんにちは。
てくさぽBLOGメンバーの河野です。

突然ですが、「Driverless AI」ってご存知ですか?

近年データ量はますます増加の一途をたどっていますが、このいわゆるビッグデータを AI を利用して分析・予測をするソリューションが、この Driverless AI です。
Driverless AI は、汎用的な AI(強いAI)ではなく、特化型の AI(弱いAI)の位置づけです。つまり、機械学習が欠かせない AI になります。

「機械学習ってすごく大変だ…」と、つい先日まで私もそう思っていました。

しかしこの Driverless AI は、なんと機械学習の自動化ツールが備わっており、高度な知識やスキルを持たずともいとも簡単に扱えるのです!

とはいえ、「本当に初心者でもできるのかな?」
ということで、今回実際にその Driverless AI を試してみました!(ちなみに私はデータ分析は未経験です)

 

H2O社が開発したDriverless AI

Driverless AIという製品は米国の AI エリート集団、「 H2O.ai 」が開発したソリューションです。

今までデータ分析や予測といった業務は専門家が行っていましたが、Driverless AI は その専門家に成り代わり、業務の一部を引き受けてくれます。そのため、スキル面での人材確保でもう頭を抱える必要はありません!

専門的な知識がなくても Driverless AI を使ってデータ分析や予測業務等、日々増加するデータを活用することができるため、ますますビジネスチャンスを広げられるでしょう。

 

Driverless AIを使った不動産売買価格のシミュレーションモデル作成

今回の環境

  • ノートPC(CPU : i5-8350U 1.7GHz、メモリ : 8GB、HDD:238GB、OS : Windows10)
  • 分析データ(今回はREINS のウェブサイト「REINS Market Information」を検索して入手した不動産売買データ)

Driverless AI の導入環境については、H2O.ai 社 Web ページ「Driverless AIのインストールとアップグレード」に記載されています。

Linux X86_64、IBM Power、Mac OS X、Windows10 Pro の環境をサポートしています。
Windows10Pro 版は GPU のサポートがありませんが、今回はすぐに試したかったので、普段業務で使っている自分のノート PC に導入してみました。仕様としては、最小メモリが 16GB 以上となっていますが、使っている PC のメモリは 8GB しかありません。これも「普段使いの自分の PC で動くかどうか」というの1つの実験です。

 

Driverless AI の導入手順

1. Driverless AIのアプリケーションのダウンロード・導入

H2O.ai 社のホームページを読みますと、Driverless AI の導入パッケージは、それぞれの環境ごとに docker、RPM、DEB 等、複数用意されております。Windows10Pro のガイドを読むと、docker と DEB イメージの2種類用意されていました。
ここに docker イメージ利用は推奨しない、と書かれていますので、素直に DEB イメージで導入することにします。

ただし、DEB インストールをする場合でも、普段使いの Windows10 を若干カスタマイズしないと使えません。それは、Windows に Linux(Ubuntu)を導入してその上で Driverless AI が動くのです。ただその設定は、比較的簡単で、Windows10 の設定画面を呼び出して「Windows Subsystem for Linux(WSL)」を ON して、この環境にUbuntu 18.04 LTS(Microsoft Storeから無償で入手)を導入するだけです。

この導入に関しては、YouTube を参考にすると誰でもセッティングできます。素晴らしい世の中になりました。

Ubuntu を WSL に導入した後は、H2O.ai のホームページから DEB イメージの導入パッケージを自分の PC へダウンロードするだけですが、このサイズが半端ない(3GB以上)ので、ネットワーク環境によっては少々時間がかかります。

ダウンロードが完了した後、DEBイメージからインストールを実施しました。
DEB からの導入については、Linux である Ubuntu のプロンプト画面からコマンドで実施します。詳細は割愛しますが、H2O.ai 社のホームページ通りにコマンドを実行すると Ubuntu に詳しくない人でも知らずに導入ができますので、ぜひお試しください。

さあ、さっそく Driverless AI を使ってみたいところですが、その前に、H2O.ai 社が許可している21日間有効なトライアル・ライセンスを取得しておきます。
このトライアル・ライセンスの取得がとても簡単でした。H2O.ai 社のホームページから Web 申請をすると10分ほどでライセンス・キーがメールで送付されます。

図1:トライアルキーの申請書画面

すでに稼働しているDriverless AIですが、使う時はブラウザ(Google Chrome を使いました)からポート番号を呼び出して実行します。これはどのオペレーティングシステムの環境でも同じ手順になります。今回は、自分の PC で動いているので “http://localhost:12345” を指定しました。

図2:検索バーでlocalhost:12345 を指定

図3:サインイン画面に遷移

図3のサインイン画面に任意のユーザー ID とパスワードを入力して Driverless AI の GUI 画面を立ち上げました。ライセンスを要求してきますので、入手済みのトライアル用ライセンス・キー(かなり長い)をコピペで適用して、すぐに使えるようになりました。

この間サイズが大きいのでダウンロードに時間がかかりましたが、そのほかの設定や導入は至ってシンプルな印象です。慣れていない方には、ややこしいと感じられるかもしれませんが、YouTube などでも説明されていますし、「何とかなる」と感じました。

 

 

2.分析モデル作成

今回の検証では、現実にある業務として、不動産の売り出し価格を機械学習させて適切な(売れ残らず、利益もとれる)販売価格の推論モデルを作成しました。

Driverless AI で以下の3つのステップを実行します。

  1. データアップロード:
    不動産売買データを Excel で表にし、そのExcelファイルを Driverless AI へドラッグ&ドロップ。
  2. ターゲットを選択:
    GUI メニューを使って列名をクリック。
  3. Experiment -モデル作成実行-:
    GUI 画面の赤枠のボタンをクリック。

図4:不動産価格情報を検索したのち、画面のコピーから作成したファイル

図5:Driverless AI実行画面

以上の処理はすぐ終わりましたが、検索画面コピーだけで作った図4のデータはテキスト・データだけのため(例えば価格は、150万円という表示であって、1,500,000という数字ではない)、回帰解析は作成されませんでした。

統計解析のプロから見ると当たり前のことなのでしょうけれども、初心者には、ファイルを与えてみて、試して、目で見れた結果が大事なのです。

そこで、最初に使ったデータの ”単価”、”専有面積”、”駅からの徒歩時間”など、数値であるべきものは数値に変換してみました。(図6参照)

図6:価格等を数値データ変換したファイル

この図6の Excel ファイルを使って再度 Driverless AI の機械学習ステップ1から3を実行したところ、今度はモデルが作成されました。

「本当に初心者でもできたー!」

 

ただし、GPGPU を持たないWindows10Pro版 のため、Driverless AI のデフォルト値ではなかなか機械学習が終わらず…途中で実行をキャンセルし、パラメーターを操作して低い精度に変更してから(といっても操作はマウスでクリックするだけです)、ステップ3を実行したところ予測モデルが完成しました。

こんなところも GUI オペレーションでやりながら対応していけるのは、ありがたい。

 

納得のすごさ!Driverless AI

今までのツールでは、学習データを作った後もデータ欠損やどのパターンで推論するのか等のデータ整備作業を行わないと予測モデルが作成できなかったり、データ整備後もどのような分析を行うかをデータ・サイエンティストが試行錯誤する、というプロセスが必要でした。

が、この Driverless AI は、ある程度のデータ欠損には自動対応してくれます!さらに推論パターン(推論モデル)もデータから自動判断して予測モデルを作成してくれるのです!
そのため、本当に AI や機械学習の初心者でも推論モデルを作成することができてしまいました!

完成した予測モデルの精度は、実際の販売価格と比較することでわかります。
また、さらに性能アップをしたい場合は、インプットするファイルのデータの数を増やしたり、精度パラメーター (GUI から簡単に増減できます)を上げるなどしてとても簡単に実施できそうです。次は、こうしたチューニングをやってみたいと思います。

※ノート PC での実行では、データ数を増やすと演算負荷増大に繋がり、相当時間がかかる可能性があります。このような場合は、機械学習計算性能を最大化する GPGPU 演算が可能なサーバー環境(IBM PowerAC922 のように NVIDIA TeslaV100GPU を搭載するサーバー)で実行すれば、推論モデルは、より高速で作成できます。

※弊社では、AC922 で Driverless AI の実行環境(PoC 環境)の貸出しをしています。是非こちらもご活用ください!
IBM AIソリューション PoC環境ご利用ガイド

 

まとめ

ビジネスで利用する AI で重要なことは、ビジネス課題の解決に役立てるということです。

例えば、製品生産計画策定のために統計解析ツールや AI を使った生産予測をすでに行っている企業においてスムーズに業務が遂行されているケースはいいのですが、解析課題が多すぎて現状体制ではこなせなくなっている場合は、なにかしらの対策をしなければなりません。

しかし、通常の統計解析ツールや AI を使いこなすためにはかなりの勉強と経験を必要とするため、すぐに解決できないことが多いようです。育成ではなく外から人材確保するにも、企業間での採用競争が高まっており、なかなか優良な人材を確保できていないのが実情ではないでしょうか。

また、たとえ技術者がいたとしてもその人材が退職してしまうと途端に業務が滞ってしまう、という懸念もあります。

業務の AI 化というのはこれらの課題を補ってくれるツールである一方、使いこなすのもとても大変です。そのような状況において、AI を使った分析業務を簡略化したり既存の業務の補足をしてくれる Driverless AI は、まさに今の時代に待ち望まれていたソリューションだと言えるでしょう!

 


この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社

技術支援本部

E-Mailnicp_support@NIandC.co.jp

その他の記事

2025年10月29日

水冷サーバーの違いとは?(レノボの水冷サーバー#2)

公開日:2025-10-29 こんにちは。ソリューション企画部 柳澤です。 前回レノボの水冷サーバーについてのブログを書かせていただき、いろいろなお客様にブログを読んでいただきました。 前回の記事はこちら 昨今、お客様ご自身の身の回りでもChatGPTの普及などでAIについて皆様も身近に感じてこられるようになってきたかと思います。 今後はさらにAI、機械学習、HPCの台頭による計算能力の劇的な向上が見込まれます。 それに伴う発熱量の増加で、従来の空冷システムの限界により水冷技術への注目度が高まっています。 レノボの水冷と聞いて、レノボが今年初めて水冷サーバーを発表したのでは?と思うお客様もいらっしゃるかもしれません。しかし、レノボの水冷は2012年に発表された製品であり、その導入事例も世界に多数あります。 弊社としましては、レノボの水冷サーバーについてラインナップの多さ、その歴史と導入事例の多さから、今後のAIやHPCの需要が高まる時代を取り巻く中で皆様にぜひご提案させていただきたく、今回もレノボの水冷サーバーにテーマを絞ってブログを掲載させていただきたいと思います。 では早速ですが、前回お伝えできなかった部分もふくめて、下記にてさらにレノボの水冷サーバーについて、ご紹介させていただきます。 目次 レノボの水冷サーバーの歴史と導入事例 Lenovo Neptune®とは レノボの水冷サーバーと他メーカーの違いとは レノボの水冷サーバーの問題解決対策について 関連情報 お問い合わせ レノボの水冷サーバーの歴史と導入事例 前述のとおり、レノボの水冷サーバーは発表されてからすでに12年以上経っており、水冷サーバーについては業界をリードする存在です。 導入事例も多数あり、下記の導入事例を含め、世界トップ10のパブリッククラウドプロバイダーで8社を支えるインフラとなっています。各国の研究機関や、企業でも導入が進んでおり、スーパーコンピューターから小規模な拠点まで採用されており、日本でも今後採用が進むことと思われます また以前は空冷サーバーにくらべて10〜20%の追加コストが発生していましたが、これまでの空冷サーバーとの部品共通化でコストの違いはそこまで大きなものにならなくなってきています。 Lenovo Neptune®とは 「Lenovo Neptune®」はLenovoが展開する水冷技術ブランドであり、以下の3つの技術カテゴリで構成されています。 Neptune® :システム全体の温水冷却により温水再利用を実現 Neptune® Core :コンポーネントレベル冷却(CPU、GPU、メモリ)により通気要件を削減 Neptune® Air :空冷ベースシステムでの液体補助冷却 本稿で取り上げるのはこのうちの「Neptune®」の直接液体冷却構成となります。サーバー筐体からラック全体に至るまで、純水を用いた直接水冷(DWC)によって冷却を最適化。空冷ファンを排除し、最大40%の電力削減と100%の熱除去を実現します。AI・HPC用途に最適化された設計で、静音性・省スペース・環境対応の面でも優れています。 導入事例から見るNeptune®の実力 DreamWorks AnimationNeptune®導入により、レンダリング性能20%向上、電力コスト削減を達成。MoonRayレンダラーやArrasクラウド計算システムの性能を最大限に引き出している。事例詳細 韓国気象庁(KMA)8000台のNeptune®搭載サーバーで、気象予測の高速化と省エネを実現。SD650 V2およびSD530サーバーを活用し、精度の高い気象モデルを運用。事例詳細 ハーバード大学同じスペースで従来の4倍の計算性能を実現。Neptune®による完全ファンレス運用で、研究成果の加速に貢献。事例詳細 レノボの水冷サーバーと他メーカーの違いとは 前回の記事でもふれましたが、水冷にはレノボや多くのIAサーバーメーカーが採用している直接液冷と、専用メーカーが採用している液浸冷却などいくつかの方式があります。 直接液冷は発熱源に直接アプローチすることで効率的な冷却と省電力・静音性を実現します。液浸冷却はサーバー全体を冷却液に浸すことで非常に高い冷却能力と省エネ性能、高密度化を可能にしますが、設備投資が高額というデメリットもあります。 では直接液冷のレノボのNeptuneと直接液体冷却方式を採用しているメーカーとの比較とレノボの優位性がある部分はどうなっているのでしょうか。 主な違いは下図のようになっています。 直接液体冷却方式のレノボと他メーカーとの違い レノボの水冷サーバーの問題解決対策について 水冷サーバーというと液体を扱うサーバーゆえにこぼれたり、漏れたりするのではないか、とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。 そのための対策もレノボでは下の表のように対策されています。 いやいや、でもAI×水冷サーバーといったってよくわからないし、というお客様にはレノボさんでAIディスカバリーワークショップもやっていただけます。 ワークショップ→POC→アセスメント→本番環境導入という流れで実施となりますので、ご提案や、ご不明な点などございましたら、ぜひ弊社へお問い合わせいただければと思います。 関連情報 Lenovo サーバー/ストレージ 製品 【参加レポート】Lenovo TechDay @ Interop Tokyo 2025 レノボのファンレス常温水冷サーバーって? 第6世代のLenovo Neptune液体冷却が AI 時代を牽引(Lenovoサイト) 【AI電力消費40%削減事例も】レノボの「直接水冷」Lenovo Neptune™(YouTube) お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年10月22日

今こそ着手すべきセキュリティ対策:サイバーレジリエンス法(CRA)とSBOMの関係

公開日:2025-10-22 目次 はじめに:CRAとSBOMがもたらす変革 CRAが企業に課す義務とタイムライン SBOMの必要性・重要性:CRA対応を超えて CRAとSBOMの具体的な関係 SBOM生成・活用ツールのご紹介 まとめ:SBOMはCRA準拠と持続的な品質維持の鍵 お問い合わせ はじめに:CRAとSBOMがもたらす変革 「サイバーレジリエンス法(CRA)」は、EU市場で流通する「デジタル要素を持つ製品」(ハードウェア、ソフトウェア、IoTデバイスなど)のセキュリティ水準向上を目指し、EUが策定した新たな規制です。この法規制への対応において、中核的な役割を果たすのが「SBOM(Software Bill of Materials:ソフトウェア部品表)」です。 SBOMは、CRA対応に不可欠な構成要素であると同時に、本来ソフトウェアの脆弱性管理やセキュリティ維持を実現するための根本的な情報基盤です。CRAの有無にかかわらず、自社製品の安全性と品質管理の観点から、その導入は急務と言えます。 本記事では、CRA対応に求められるSBOMの具体的な要件と、それが企業のセキュリティにもたらす本質的な貢献についてご説明いたします。 CRAが企業に課す義務とタイムライン CRAは、製品開発の設計段階(Secure by Design)からのセキュリティ考慮を徹底し、製品提供後の脆弱性管理までを一連の義務として企業に課します。主な要件は以下のとおりです。 Secure by Designの文書化:設計段階でセキュリティを考慮した証拠を文書として整備し、補完すること。 脆弱性の特定と報告:製品に含まれる脆弱性を特定・文書化し、迅速に公開する義務。 SBOMの整備:製品構成を「一般的な形式で機械可読」な形で作成し、技術文書の一部とすること。 特に日本企業が留意すべき適用スケジュールは以下の通りです。 日付 義務内容 内容 2026年9月11日 脆弱性およびインシデントの報告義務の適用開始 悪用された脆弱性やセキュリティインシデントについて、EU内の当局へ24時間以内に報告することが求められます。 2027年12月11日 CRA全面施行、CEマーク非取得製品の販売禁止 この日以降、CRAの全要件を満たしCEマークを取得しない製品は、EU市場での販売が原則として禁止されます。 SBOMの必要性・重要性:CRA対応を超えて SBOMは、ソフトウェアに含まれるすべてのコンポーネントや依存関係を網羅的に記録し、脆弱性発生時の迅速な影響範囲の特定と市場対応を可能にするリストです。 2021年12月のLog4j問題*1が示したように、SBOMの有無は企業の対応速度を決定づけます。SBOMが整備されていれば、脆弱性の影響範囲を素早く特定し、迅速な対応が可能となります。逆にSBOMがなければ、企業は重大な潜在的脆弱性を抱えた製品を市場に出し続け、ユーザーのセキュリティリスクを増大させることになります。 このように、CRAの法的要求以前に、SBOMは製品構造を把握し、リスクを継続的に管理するための不可欠なツールです。 *1.脆弱性の重大度を示すCVSSスコアが10点中10点であった、極めて重大な脆弱性。 CRAとSBOMの具体的な関係 CRAは、SBOMを技術文書の一部として位置づけ、「製品の最上位レベルの依存関係を網羅し、一般的に使用される機械可読な形式で作成すること」を義務付けています(附属書I、Part II (1))。 脆弱性への迅速な対応の根幹 SBOMがなければ、製品に含まれるオープンソースの脆弱性情報を把握できず、CRAが求める迅速な脆弱性公開と対応(ユーザーやWebサイトでの情報提供)は実現困難です。CRAが求める「脆弱性を速やかに提出せよ」という要求に応えるための基盤情報こそがSBOMです。 技術文書としての準拠証明 CRAでは、市場監査当局から要請があった場合、製品が要求事項に準拠していることを証明するための情報・文書の提供が義務付けられています。SBOMは、「Secure by Design」の設計思想と継続的な脆弱性管理が実施されていることの客観的な証拠として、極めて重要な役割を果たします。 SBOMは、ソフトウェアの構造把握による脆弱性管理という主目的とともに、CRA準拠を達成するための重要な鍵となります。 SBOM生成・活用ツールのご紹介 CRA準拠のためには、製品の提供形態や開発プロセスに応じ、適切なツールを利用してSBOMを効率的かつ正確に生成・管理する必要があります。 ソースコードを所持している場合:SCA(ソフトウェア・コンポジション解析) オープンソース活用が不可欠なソフトウェア開発では、使用しているライブラリと、それに内在する脆弱性を把握するために、「SCA(Software Composition Analysis/ソフトウェア・コンポジション解析)」が必要です。 ソリューション:HCL AppScan on Cloud の SCA 機能 HCL AppScan on Cloud の SCA 機能は、ソースコード内の依存関係ファイルを解析し、ソフトウェア内のOSSコンポーネントを検出、脆弱性を持つものを特定します。 OSS情報の検出と脆弱性特定:ソースコードからOSS情報を検出し、脆弱性を持つコンポーネントを特定します。 業界標準フォーマット対応:SBOM出力の業界標準の一つであるSPDX 2.3フォーマットに対応。これはCRAが要求する「一般的に使用され、機械可読な形式」でのSBOM作成に貢献します。 バイナリデータからSBOMを生成する場合 組み込みソフトウェアやファームウェア、あるいはサプライヤーから受け取ったソースコードがない(またはアクセスできない)バイナリデータのセキュリティを検証したい場合に有効なのが、バイナリ解析ツールです。 ソリューション:SBOMスキャナ サイエンスパーク社の「SBOMスキャナ」は、以下のユニークな特色を持ちます。 バイナリデータからのSBOM生成: PCアプリケーションやWebサイトだけでなく、監視カメラ、ネットワーク機器、IoTデバイスなどの組み込みソフトウェアのバイナリデータからも、簡単にSBOMを生成します。 脆弱性レポートの生成:生成したSBOM情報(OSSのベンダー、プロダクト、バージョン)とCVE(Common Vulnerabilities and Exposures:脆弱性に付与される識別番号)を突き合わせ、脆弱性レポートを迅速に生成します。 オフライン対応:オフライン環境での利用が可能であり、機密性の高い環境でも安心して利用できます。 まとめ:SBOMはCRA準拠と持続的な品質維持の鍵 CRAの適用期限が目前に迫る今、SBOMによる効率的な脆弱性管理が、CRA準拠を成功させる鍵です。 SBOMは単なる法対応のための手段ではなく、企業が持続的にソフトウェアの品質を維持し、安全な製品を市場に提供するための基本情報基盤です。 法施行に向けたタイムラインを強く意識し、本記事で紹介したような適切なツールを活用して、迅速にSBOMの整備に着手することが、企業の競争力維持に不可欠です。 ご紹介したソリューション 【HCL AppScan on Cloud】 HCL AppScan(エヌアイシー・パートナーズ株式会社 サイト (AppScan 全般)) HCL AppScan on Cloud(HCLSoftware サイト(開発元)) ※HCL AppScan on Cloud の SCA 機能は、HCL AppScan on Cloudのオプションです。 【SBOMスキャナ】 SBOMスキャナ(エヌアイシー・パートナーズ株式会社 サイト) SBOMスキャナ(株式会社サイエンスパーク サイト(開発元)) お問い合わせ 上記製品についてのお問い合わせ、ご説明のご依頼、お見積り依頼など、エヌアイシー・パートナーズまでご相談ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; 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2025年10月10日

現地からお届け!【参加レポート】IBM TechXchange 2025 Orlando

公開日:2025-10-10 こんにちは。 現在エヌアイシー・パートナーズ 技術企画本部のメンバーで、アメリカのオーランドで開催されている「IBM TechXchange 2025」に参加しています。 (現地時間:2025年10月9日、日本時間:2025年10月10日時点) 本記事では 現地からの速報 として、このイベントの概要や見どころ、最新情報をお伝えいたします。 目次 イベント概要 IBM Techxchange 2025 主要メッセージ - 1. Anthropicとのパートナーシップ発表 - 2. コード開発AI Agent「Project Bob」 - 3. AI基盤のための「Project Infragraph」 AI Accelerator “Spyre” Observability さいごに お問い合わせ イベント概要 IBM TechXchange は世界各国のIBMファンが集う年に1度の技術者向けイベントで、今年は3回目となりました。 年々規模も参加者も拡大しており、IBM TechXchange 2025 では、1,800以上の技術者向けセッションがあり、その中で400以上のハンズオンラボやデモが展開されています。 今年はアメリカのフロリダ州にあるオーランドの Orange Country Convention Center にて10月6日から10月9日の4日間で開催中で、日本から100名近くの方々が参加しています。 今年のテーマは「we are GO / Explore Build Launch 」です。 IBM Techxchange 2025 主要メッセージ TechXchange 2025の基調講演では、AIエージェントを活用・展開するために必要となる4つの要素を紹介していました。 この4つの要素のうちEcosystem・Developer Tools・AI infrastructure managementについてお伝えします。 Ecosystem IBMが単独でAIエージェントを開発・展開するのではなくパートナーシップやIBMパートナーがAIエージェントを開発・運用することでOpenな展開をしていくという方針となります。 この方針を実現するためにAgent Connectプログラムを展開しており、多数のAIエージェントを早期に提供することを目指しています。 Developer Tools Developer Toolsとしてドメインエージェントの提供があります。 ドメインエージェントとは、業務特化型のエージェントを指します。例えば購買業務に特化したエージェントであったり、人事業務に特化したエージェントです。 AI infrastructure management AIを利用する上で必要となる基盤の管理を指します。これを実現するためにProject “Infragraph” というプロジェクトでソリューション提供を目指しています。   他にも、TechXchangeでは様々な新しい発表がありました。その発表の中から今後大注目となる3点について共有します。 1.  Anthropicとのパートナーシップ発表 既に日本でもニュースとなっているので認識されている方も多いと思いますが、Anthropicとのパートナーシップの発表がありました。 IBMはAIのガバナンス、セキュリティ、オブザーバビリティ分野でソリューションを提供しており、これがIBMの強みとなっています。Anthropicとの協業は、この強みを背景とした補完的なパートナーシップであると思われます。 このパートナーシップの目的は、LLMであるClaudeをIBMソリューションに組み込むことだけではありません。企業ユースでAIエージェントを開発・運用する時に検討が必要となる要素を体系化した「Architecting secure enterprise AI agents with MCP」をIBMが作成し、Anthropicがそれを検証する協業も行っています。 このガイドを参照してAIエージェントを開発することで、今後拡大が見込まれるAIエージェントを安全かつ安心して活用できるベースとすることができます。 2.  コード開発AI Agent「Project Bob」 統合開発環境(IDE)をエージェント型で提供する「Project Bob」が発表されました。 このニュースと共にかわいらしいマスコットのBobもお披露目になりました。 Project Bobを利用することで、コードをバージョンアップするための設計、テストの自動化、本番運用、コンプライアンス維持と開発のライフサイクル全体をAIエージェントを用いて自動化することができます。 Project Bobは、発表と共にPublicプレビュー段階に入りました。 開発者のワークフロー負荷を軽減してくれるProject Bob の提供開始が楽しみですね! 3.  AI基盤のための「Project Infragraph」 HashiCorpが主体となって開発している基盤自動化のためのプロジェクトです。 詳細は不明ですが、以下の実現を目指しています。 サイロを横断した統合インサイト クラウドインフラストラクチャーリソースを単一のビューで把握できます。 実用的なインテリジェンス コストの最適化、ガバナンスの強化、リスクの軽減に役立つコンテキストを提供します。 自動化の基盤 インフラストラクチャークラウド全体にわたる、次世代のインテリジェントなAI駆動型運用を実現します。 AI Accelerator “Spyre” IBM Spyre Accelerator はエンタープライズワークフロー向けのAIソリューションを提供し、AIサービスを簡単にインストール・構成・移動できる統合された推論プラットフォームとアクセラレートされたインフラストラクチャーを備えています。 Spyreのユースケースとしては、IT運用、開発、ERP、銀行・金融、ヘルスケア、保険、公共分野など、様々な業界でデジタルアシスタント、データ・コンテンツ管理、ディーププロセス統合などのプリビルドAIサービスを提供します。 Observability AI Firstとして各種機能提供、Intelligent、Integrated experienceとしてUIやDataレイヤーの統合がされるという情報が共有されました。 またAIキーワードとしてはLLMやAIのワークロードをInstanaでObservabilityする機能が2025 4Qのロードマップとして示されました。 さいごに 2日目の夜のお楽しみとして「Evening Entertainment at Universal Orlando Resorts Islands of Adventure」が開催されました。 世界各国から集まった技術者とともに過ごした Universal Orlando Resorts Islands of Adventure での一夜は格別な体験となりました。 さて、本日、来年のTechXchangeがアメリカ ジョージア州の「アトランタ」で開催されることが正式に発表されました。 次回のイベントにも期待が高まります! お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年10月06日

【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第二回 開催しました

公開日:2025-10-06 こんにちは。てくさぽブログメンバーの高村です。 2025年9月24日に第2回「watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ」を開催しました。 第一回(7月開催)では、アップデートされた watsonx Orchestrate の基本的な使い方をご紹介しました。詳しくは、ブログ記事「【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました」をご覧ください。 今回の第二回では、Agent Development Kit(以下、ADK) を用いた、Pythonによるエージェント開発のハンズオンを実施しました。 また、第1回同様、ハンズオン終了後にはグループに分かれてワークショップを行いました。参加者様同士が、日々の業務で抱えている課題を洗い出し、AIを活用して解決できる方法についてディスカッションし、その結果を発表する時間を設けました。参加者同士のコミュニケーションも活発に行われ、有意義な時間となりました。 それでは、当日の様子をご紹介します。 目次 watsonx Orchestrate概要 watsonx Orchestrateハンズオン- Agent Development Kitを用いたエージェント開発 ワークショップ まとめ お問い合わせ watsonx Orchestrate概要 このセッションでは、watsonx Orchestrate概要、ユースケース、ご提供プランをご紹介しました。 watsonx Orchestrateでは、ユーザーの目的や業務に合わせたエージェント開発が可能です。開発方法としては、ローコード と コーディング の両方が提供されており、ニーズに応じて選択できます。 今回のハンズオンで使用して頂く Agent Development Kit(ADK) および watsonx Orchestrate Developer Edition は、コーディングによるエージェントやツールの開発を支援するための環境です。Toolは Python または OpenAPI 定義によって開発でき、高度な実装やデバッグも柔軟に行えます。 watsonx Orchestrateのご提供プランは、Essentials Agentic、Standard Agentic、Premium Agenticの3種類があり、特に最近ご質問の多いEssentialsとStandardの規模感と費用感についても目安をご紹介させて頂きました。 watsonx Orchestrateハンズオン – Agent Development Kitを用いたエージェント開発 ハンズオンでは、ADK と watsonx Orchestrate Developer Edition を使い、実際にエージェント開発を体験していただきました。 参加者には事前に IBM Technology Zone(以下、Techzone) の ADK 環境を予約していただき、VSCode がインストールされた環境で開発を進めました。VSCode上でADKを利用し、完成したエージェントを watsonx Orchestrate Developer Edition にインポートして動作確認を行う流れです。 実施内容 Tool・Agent の作成 watsonx Orchestrate Developer Editionで Agent の動作確認 Knowledge を使用する Agent の作成 内部基盤モデルの追加 Flow の作成 実施した内容の中でTool、エージェントの作成とwatsonx Orchestrate Developer Editionで エージェントの動作確認について簡単にご紹介します。 作成して頂いたエージェントは、入力フレーズを造語「ザルガリ語」に翻訳し、その文字数をカウントした後、ジョークを回答します。 まずADKから①Tool(translateToZargari)と②Tool(word_length)をPythonで定義してwatsonx Orchestrate Developer Editionへインポートします。下記画面ショットのサンプルはtool() 関数を利用することでエージェントが使用可能なツールとして定義します。 次にエージェントをyaml形式で定義し、watsonx Orchestrate Developer Editionへインポートします。下記がエージェントのサンプルです。エージェントのスタイル、基盤モデルの指定、振る舞い、使用するtoolを定義します。 最後にwatsonx Orchestrate Developer Editionでエージェントの動作確認を行います。下記画面ショットがwatsonx Orchestrate Developer Editionのホーム画面です。watsonx Orchestrate Developer Editionは本製品とほぼ同等の機能を利用することができます。 Previewでエージェントの動作確認を行い、想定通り入力フレーズがザルガリ語に翻訳され、文字数をカウント、ジョークが生成されることを確認しました。 Tool、エージェントの作成、エージェントの動作確認のハンズオンは以上です。その他のハンズオンについて詳しく知りたい方は、ブログの最後に記載している「お問い合わせ」までお気軽にご連絡ください。 ワークショップ ワークショップでは2チームにわかれて日々の業務やお客さまの業務で困っていることを洗い出し、AIでの解決方法を考えるブレインストーミングを行いました。 以下のステップで進行しました 個人作業:「時間がかかっていること」「困っていること」「やりたいのにできていないこと」を3つ挙げ、ポストイットに記入し、AIでの解決可能性を考える チーム作業:模造紙にポストイットを貼りながらカテゴリー分け、AI活用のアイデアをディスカッション。 チームで話あったことを発表 当日挙がった意見を抜粋してご紹介します。 「検索業務に関して検索結果が多すぎて回答にたどり着くまで時間がかかる」 「顧客からの質問に対する回答探しに手間取る」 「同じ質問に対して効率化できないか」 AI活用について RAGを取り入れる方法 予め質問と回答を用意しチャットボットで回答させるなど工夫が必要 といった意見が出ました。 その他、コード開発でのレビューや修正にAIを活用すること、複雑な社内手続きをスムーズにするためにAIエージェントを導入する可能性についても、意見が挙がりました。 AIでどのように解決できるか、具体的な方法まで議論が進んでいない項目もありましたが、参加者同士で現在の課題や困りごとを共有いただけたことは大きな収穫でした。 今回の意見交換が、社内の「クライアントゼロ化」や日々の業務改善の検討につながる一歩となり、今後の改善活動に活かしていただけると幸いです。 まとめ 第2回 watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ では、ADKと watsonx Orchestrate Developer Edition を用いてコードベースのエージェント開発を体験していただきました。 後半のワークショップでは、日々の業務課題から、AI活用について活発な意見交換が行われ、技術的な学びと参加者間の交流の場となりました。 今後も、製品を実際に体験できるハンズオンと、参加者同士が交流・情報共有を行えるワークショップを継続的に開催してまいります。次回もぜひご参加いただけますと幸いです。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; 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