カモシーこと、日本IBM 鴨志田です。
昨今、「働き方改革」という言葉を耳にしない日はありませんが、実際に取り組まれている企業はどのくらいあるのでしょうか? ある調査によりますと、既に取り組んでいる企業の割合は、36.4%(2017年調査*1)と前年に比べ4.5ポイント上昇しています。一方、6割強の企業では、取り組んでいない、わからないという状況であり、「働き方改革」への取り組みも様々であり、またどこから取り組んでよいのかわからないお客様も多いという実態のようです。
日本の人口構成の変化に伴い、労働力の低下が避けられない今、限られた労働時間内でいかに効率良く生産性を高められるかが問われています。ここでは、身近なところから「生産性の向上」を追求し、「働き方改革」に寄与するソリューションをご紹介いたします。
身近なところから生産性向上を目指す
日頃、仕事の中で、時間を取られてしまっていることは何でしょうか? 「会議」「メールの処理」「資料検索・作成」に多くの時間を費やしていませんか? そのため、「会議を減らしたい」「メールを減らしたい」と言った方の割合がそれぞれ、76%、68%にのぼります*2。また、日本IBMの社内調査によると資料の検索や作成といった資料準備にかかる時間に43%も取られてしまっているという結果があります。我々は、この「会議」「メール」「資料準備」といった身近なところにメスを入れ、生産性向上を目指し、働き方改革の第一歩を踏み出していただくことを推奨いたします。
効率よく会議をこなす
「会議」にもいろいろなタイプのものがあると思います。部門やチームでの定例会議や突発的な会議など様々です。
会議を開催するところから会議終了およびそこで出た宿題のフォローと言った会議に係る一連の行動を追ってみたいと思います。
項番
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会議開催で
行うこと |
IT ツールを使った対応 | 予想効果 |
1
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会議を招集
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グループウェアで参加者および会議室の空き時間検索、会議招集、出欠の返信 | 各参加者への確認時間の削減 |
2
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議題や資料の共有
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グループウェアで会議案内時に連絡、または別途資料共有の場で共有 | 会議時間の短縮、説明・報告時間の削減による会議の質の向上 |
3
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当日の開催
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Web会議による外出先や自宅からの参加 | 移動時間(事業所に戻る、出張)の削減 |
4
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議事録作成
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共同編集ツールによるリアルタイム共有、質疑応答、アイディア出し等の共同作成・編集 | 発言機会の均等、リモート参加の孤立感の排除 |
5
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宿題管理
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同上 | その場で認識、承諾 |
6
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宿題の進捗
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同上のツールを利用した進捗報告、コメント、タスク完了のOn/Off | 次回の会議を待たずして進捗や早めの軌道修正 |
「きほんのき」グループウェアを使った空き時間検索
既にご利用の方も多いと思いますが、上記1. グループウェアを利用した会議参加者メンバーや会議室の空き時間検索および会議招集です。ここで最も大事なのは、メンバー自身の日頃予定を必ずグループウェアに登録していることです。これをやっておかないと空き時間検索の意味がなくなります。「あ、そこは予定が入ってます。手帳で管理してました」なんて言われるとせっかくの生産性向上が台無しです。基本中の基本(きほんのき)ですね。最近ですと、スマホでご自身の予定表を見ることも多いと思いますので、きちんとグループウェアに登録して、外出先やスマホで見えるように習慣づけられているのではないか思います。
会議の質の向上
続きまして上記2.議題や資料を事前に共有することによる「会議の質の向上」です。
会議を減らしたいと言ってもなかなか減らすことは難しいのではないでしょうか。であるならば、「会議の時間を短くする」「会議の時間配分を考え効果的に進める」ようにして会議の質の向上を目指してはいかがでしょうか。その方法はちょっとしたことで可能になります。つまり、事前に議題や当日の資料を共有しておくことです。カレンダーの本文内にそれらの内容を記載しても良いですし、Box などのファイル共有、Box Notes (後述します) などの文書管理ツールを利用して共有することも良いと思います。あとは、事前に共有したものを参加者全員が事前に目を通しておくことをルール化することが重要です。
Web会議による外出先や自宅からの参加
次に、3.「Web会議」です。先程も述べました通り、会議そのものを減らすことは容易ではないと思います。であるならば、会議の質を変えるとともに、その会議への参加方法も柔軟に対応できること、これも効率よく会議をこなし、生産性向上を図ることに繋がると思います。
これは利用者にとってありがたいツールです。直接対面で会議をすることが最も意思疎通を図れると思いますが、会議のための移動コストを考えると、Web会議で十分事が足りるという会議も多いのではないでしょうか。しかもPCで利用するだけでなく、タブレット端末等のスマートデバイスで手軽に利用できることが一層の利便性を増します。
IBM Connections Meetings Cloud というクラウド (SaaS) によるサービスで、インターネットに接続するだけで利用できます。
また、Web会議は、1.で紹介しましたグループウェアの会議招集の際に同時にセットすることができます。議長は会議室を予約するのと同じ感覚で、Web会議の部屋を選択するだけ、会議参加者は会議の時間になったらWeb会議に参加するボタンもしくは設定されたURLをクリックするだけで、会議に参加できます。
【 カレンダーにて会議やWeb会議の設定画面 】
【 Web 会議に スマートデバイスから参加 】
会議の進行や進捗を支援するBox Notes
続いて、4.-6.を支援するソリューションをご紹介します。「Box Notes」です。
Box は、クラウド(SaaS)型のファイル・コンテンツ管理ソリューションですが、Box Notesという便利な”おまけ”が付いています。「Box Notes」は、リアルタイムに共同編集できる文書管理ツールのようなもので、これを利用することで、会議議事録を作成できるだけでなく、
議題に対して質問や意見を同時に書き込んでいくことができます。特に、同じ会議室で参加している人だけでなく、リモートからWeb会議で参加している人であっても、タブレットなどから書き込みを行い、アイディア出しや意見を言い、会議に積極的に参加することができます。
さらに、ToDoを作成していくこともできるので、宿題事項はToDo(タスク)として列記することができます。従来、会議の議事録管理はどのようにされていましたでしょうか? 「誰かがWord等で作成し、会議終了後にメールに添付をして送る。一旦開いたら次の会議になるまで
見ない、宿題事項も次回の会議にならないと経過・結果がわからない」となっていませんか?
Box Notesでは、宿題への書き込みがあった場合に通知を行ったり、”@-メンション”機能でお知らせをしたりすることができます。次の会議開催を待たずして、進捗を共有し、経過を見ていく中で、アドバイスをしたり方向性が違っていれば軌道修正をすることができるのです。
会議改善の例
ある製造業様の事例ですが、前述の1.-6.を利用することで次のような効果が出ています。
これまでの課題
・会議に時間がかかり、半分は資料説明や報告の時間
・次のアクションや進捗が見えない、次回の会議にならないとわからない
IT・コラボレーションツールの利用での改善
・事前に資料をアップし、対策討議に集中できる
・リアルタイムに議事録を生成し、全員でToDoを確認できる
・次回の会議を待たなくてもToDoの進捗を確認、コメントできる
以下の図で示すような数字で表す効果が出ています。
【 会議改善効果の例 】
是非、皆様も身近な「会議の改善」から「働き方改革」に着手してみませんか?