2017年09月

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【てくさぽBLOG】いまさら聞けない「InfiniBand」

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。

最近 AI やディープラーニング基盤がブームとなっています。
そんな中弊社にも「1台では処理能力が不足するため、サーバー同士を接続してクラスタリングしシステムの処理能力を高めたい」との相談があります。

その際ポイントとなるサーバー同士を接続するネットワーク基盤として、InfiniBand か 10Gbps~40GbpsEther との比較で悩まれる方が多いかと思います。

InfiniBand はよくわからないから Ether でと選択される方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか?
InfiniBand はメリットがありますが、残念ながら Ether ほど普及はしていないため資料も非常に少なく、何なのかよくわからない方も多いと思います。

そこで今回は「InfiniBand」について解説していきます。
 

InfiniBandの歴史

デビューは2000年となり、歴史はかなり古いです。

当初は Intel が PCI-X の次世代規格として超強力に推進していましたが、結果 PCI-Expless が主流となり目論見が外れ Intel は早々に撤退、Microsoft も WindowsServer2003 でネイティブサポートしないことを発表したりと冬の時代が続きます。
最近では、2012年に Intel が Qlogic から InfiniBand 事業を買収して再参入といった動きがあります。

なお、WindowsServer2012 以降では標準ドライバが付属しますので、現在では安心してお使いいただけます。
 

InfiniBandのコンセプト (理想)

InfiniBand の基本コンセプトは “Bandwidth Out of the Box” です。
抄訳すると「PCI-Express のような内部の広帯域バスをそのまま外部接続用のポートとして使用する」となります。

内部バスという数十cm という短距離から SAS のような周辺機器系との数~10m程度の接続、Ether のような 10km といった長距離通信まですべてを賄うという野心的な規格でした。(当初の計画では…)
 

InfiniBandの用途 (現実)

さて、InfiniBand の現実ですが、歴史でもふれたように内部接続については PCI-Express に奪われてしまい頓挫しました。
現実には内部接続で採用された例はありません。

また、周辺機器系との接続についても USB や SAS、FC が主流となっており、IBM Flash900 のような一部の例を除いて InfiniBand の出番はありません。
当然のように長距離通信については Ether が主流となっており、こちらも出番がありません。

InfiniBand が活躍する場面は IBM の A9000 や EMC の VMAX といった Storageコントローラと Storageコントローラ、もしくは Storageコントローラと Storageドロワー間を超高速で接続するといった用途や、HPC のノード間接続 (サーバ同士の接続) に利用されています。

市販されている製品でも結構採用はされていますが、エンドユーザーの気づかないところに使われていることが多いです。
 

InfiniBandのメリット

では何が InfiniBand の何が、メリットでしょうか?
わかりやすく言うと、以下の3点です。

  1. 超高速
  2. 低レイテンシ
  3. 低価格

 

1.超高速

以下に InfiniBand の規格を並べます。

SDR DDR QDR FDR EDR
1X 2Gbps 4Gbps 8Gbps 14Gbps 25Gbps
4X 8Gbps 16Gbps 32Gbps 56Gbps 100Gbps
12X 24Gbps 48Gbps 96Gbps 168Gbps 300Gbps

1X、4X、12X というのはチャンネル数で複数を束ねることにより高速化を実現します。
通常一般的に販売されている HCA (Etherカードのようなもの)やスイッチは4Xタイプのものなので、4X を基準として見るとわかりやすいかと思います。

現行世代は EDR となり、100Gbps になります。
なお、2017年中に次世代の HDR が登場予定です。速度は 4X で 200Gbps となります。

「100Gbps なら Ether もあるではないか」と思われる方もいると思いますが、次に記載する2と3の理由からメリットがあります。
 

2.低レイテンシ

InfiniBand は低レイテンシです。*1

理由は複数ありますが、TCP/IP と比較してもともと高速にやり取りするために設計されていること、高速にやり取りするためのプロトコルが実装されていることが挙げられます。
その一つに、最近は Ether でも実装されていますが、RDMA があります。

RDMA は、ものすごくおおざっぱに説明すると宅配BOX のような仕組みです。
TCP/IP だと、配達先の住人の有無の確認、荷物の受け渡し、印鑑の授与が必要で、すべてにおいて受取人 (CPU) を介する必要がありますが、RDMA だと、配達先の宅配BOX (メモリ) の空きを確認するだけで、後は BOX に配達して完了通知して終了となり、CPU をほとんど介さずにデータ転送することが可能です。
 
*1. InfiniBandパフォーマンス : http://jp.mellanox.com/page/performance_infiniband
 

3.低価格

InfiniBand は速度のわりに超低価格です。

なぜか?ベンダーである Mellanox が長年頑張ってきたのも理由の一つですが、SDR~EDR すべての世代においてメタルケーブルを標準供給してきたのが非常に大きいです。

残念ながら EDR では最大長が 3メートルとなってしまいましたが、ラック内配線としては十分です。

光ケーブルだと長距離配線が可能ですが、トランシーバーモジュールの価格が非常に高価になりますので価格が吊り上がります。
スイッチについても、FCスイッチと比較すると半額以下、しかも1台で済んでしまいます。
比較するメーカーによりますが、100GbpsEtherスイッチと比較しても相当に安価な価格で提供されています。

なお、3M以上の配線を行いたい場合は光ケーブルの用意もありますのでご安心ください。
必要なところのみ光ケーブルで配線してもらえればと思います。
 
参考 :
Mellanox MCP1600-E003 Passive Copper Cable IB EDR up to 100GbpsQSFP LSZH 3m 26AWG mellanox.com 参考価格210ドル
– 100Gbpsでメタルケーブルは驚異的!26AWGなので取り回しはかなり固そうです。
Mellanox MFA1A00-C100 Active Fiber Cable Ethernet 100GbE 100Gb/s QSFP LSZH 100m  mellanox.com 参考価格3057ドル
– こちらはファイバの100mケーブル、トランシーバー内蔵しています。100mなので特に高額ですが、ファイバタイプだとこういう価格帯になります。

 

まとめ

InfiniBand は同一ラック内といった短距離接続であれば比類なき速度と低価格を実現します。

IBM でも純正オプションとして供給しており、Storage では Flash900、サーバーでは Minsky等の PowerSystem に搭載可能です。
供給ベンダも実質 Mellanox がほとんどで一部 Qlogic (Intel) といった状況ですので、相性問題も皆無です!

知名度が高いわけではありませんが、これを機にぜひ活用していただければと思います。

 

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2024年12月26日

生成AIを活用してアプリケーション運用の簡素化と最適化を支援する「IBM Concert」

公開日:2024-12-26 世界の IT支出は増加の一途を辿っており、これに AI や最新の開発手法を組み合わせると、近い将来、企業が導入・開発するアプリケーションは爆発的な数量になることが予測されています。新たなテクノロジーは企業に革新をもたらすと同時に、複雑さももたらします。 この複雑なアプリケーションの運用・管理を効率化する方法として注目されているのが「生成AIの活用」です。 今回は、生成AI を活用した洞察で管理を強化し、オンプレミスやハイブリッドクラウド環境全体でアプリケーション運用の簡素化と最適化をサポートする「IBM Concert」をご紹介します。 目次 アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題 アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応 複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」 生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」 IBM Concertの3つの特徴 まとめ お問い合わせ アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題 ビジネス・アプリケーションは現在、柔軟なリソース配分ができるパブリッククラウドとコンプライアンスを自社でコントロールできるオンプレミス環境を組み合わせて利用するハイブリッドクラウド環境で展開することが主流になっており、今後さらに圧倒的な量のデータと依存関係、絡み合った相互接続や外部サービスとの連携を生み出すことが予測されるため、それらを管理するための様々なツールが必要とされています。 これらの「多すぎるデータ」「多すぎる環境」「多すぎるツール」がアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)の効率を低下させています。 ALM は、ソフトウェア・アプリケーションの構想、開発、デプロイ、管理、保守、および廃止のプロセスを指します。ALM では DevOps とビジネスの各チームがアプリケーション・ライフサイクル全体にわたって協力し合い、アプリケーションをデプロイして提供しており、そこには要件管理、コンピューター・プログラミング、ソフトウェア開発、ソフトウェア・テスト、保守、変更管理、継続的インテグレーション、プロジェクト管理などの多数の関連分野が含まれます。 一方で、ALMプロセスの導入においては大きく「効率的な拡張性」と「一貫した可視性」という2つの課題があります。これらは、ユーザーに継続的なサービスを提供しながらアプリケーションの複雑なシステム全体に更新、修正、新しいコードをデプロイする必要があるため、たいへん困難な作業です。 さらに、アプリケーションとワークロードがマルチクラウドおよびハイブリッドクラウド・プラットフォームに分散されていて、コンプライアンスなどのアプリケーション管理の重要な部分が特定の部門にサイロ化されている場合、それはさらに困難になります。サイロ化によりコンプライアンス、パフォーマンス、その他の重要な要素を維持しながらアプリケーションをリアルタイムで更新することは非常に難しくなる可能性があるからです。 そのため、これらの課題に対応し克服するには各部門を通した可視化と、さまざまな専門分野のチームおよびメンバーに洞察を提供する ALMソリューションを実装する必要があります。また、近年増え続けているサイバー攻撃へのリスクを最小化するためにアプリケーションのセキュリティ対策も欠かせません。 アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応 企業にとって増えづけるアプリケーションの複雑な管理とセキュリティレベルを最適化し効率化するためには、「リアクティブ(受け身)」から「プロアクティブ(積極的)」な対応に移行をし、問題が発生する前に課題を認識し、対策を練っておくことが重要です。その際に留意すべきポイントとして次の3つが挙げられます。 1. 脆弱性管理の導入と強化 サイバー攻撃から重要な資産を守るためには、脆弱性の管理・対応は重要なテーマです。企業の IT資産の脆弱性を発見し、優先順位を付け、対処するために必要となる継続的なプロセスを導入し強化することで、「プロアクティブな脆弱性の発見と解決」「戦略的なリソース配分」「より一貫した脆弱性管理プロセス」が実現し、脆弱性管理において戦略的に対処しセキュリティ体制を強化することができます。 脆弱性管理には主に次の5つのプロセスがあります。 資産インベントリと脆弱性の評価 脆弱性の優先順位付け 脆弱性の解決 検証と監視 報告と改善 特に1と2は非常に重要なタスクでありプロアクティブに対処する必要があるにも関わらず、リソースに限りがある状況においては軽視されがちであるのが現状です。 2. コンプライアンス要件への対応 精査できないほどの膨大なデータ量に対してコンプライアンス管理を効率化し、リソースの使用を最小限に抑え、セキュリティを強化するためには、コンプライアンスへの影響を一元的に把握することできるアプリケーション・コンプライアンスの管理が必要です。アプリケーション、セキュリティ、およびコンプライアンスの各チーム間でのシームレスな連携が可能となることで、リスク管理とコンプライアンス対応に割く時間とコストを削減できます。 コンプライアンス要件に対応することは、同時にセキュリティ証明書とアプリケーションのパフォーマンスを効率的に管理することも意味します。企業がネットワークに配置されたすべてのセキュリティ証明書のライフサイクルを監視・管理するプロセスは、リリースされるソフトウェアの完全性と信頼性を保証するためにも重要です。 3. 電子証明書管理の自動化 この10年間、セキュリティ強化と危殆化(compromise)リスクの軽減を目的に「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間は著しく短縮化の方向に進んでいます。米Google社から始まったこの動きは、2024年10月に米Apple社が現在最長398日の「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間を数年かけて徐々に短縮し、2027年までに最大45日に短縮する投票草案を提出したことでさらに加速しました。 有効期間の短縮化はセキュリティ上のメリットがある一方で、頻繁に更新作業が必要となり、アプリケーション管理者の運用にとって大きな負担となります。SSLサーバ証明書の取得やインストール、更新などといった業務を更新のたびに実施する必要があり、有効期限の異なる SSLサーバ証明書を複数利用している場合には、更新作業漏れによる有効期限切れが発生することでサービス中断のリスクにつながる懸念もあります。 リスクを最小化するためには、電子証明書管理を自動化することが不可欠です。 複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」 管理するアプリケーションの数が数十・数百となると、このようなポイントを人力で全て把握しタイムリーに対応することは非常に困難です。だからといって放置をすれば、セキュリティレベルが低下するだけでなく多くのリスクを抱え続けることとなります。 そこでこの状況を切り抜けるための方法として注目されているのが、生成AI を活用したアプリケーション管理の自動化です。 生成AI には、課題分類の改善、コード生成、自動修復システムの強化、コンテキスト対応の自動化、コードデバッグの高速化、提案の最適化、上質なドキュメントの生成、リバース・エンジニアリング機能、コードのリファクタリングなど、多くの潜在的なメリットがあります。 自律型IT運用によりオブザーバビリティー(可観測性)を強化することで、システムエンジニアは従来の ITヘルスメトリクスの監視に追われることから解放され、システム遅延、ネットワーク・トラフィック・メトリクス、ネットワーク飽和度、エラー率など、「ゴールデン・シグナル」といったアプリケーションの可用性に影響があるメトリックを把握できます。 また、セキュリティやコンプライアンスの領域でのデータ内異常の特定や過去の障害と対応方法などへの関連付けなどにも生成AI の活用は有用です。 生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」 ビジネス特化の AIソリューション「IBM watsonx」を搭載し、アプリケーション管理とテクノロジー運用を簡素化および最適化できる生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォームが「IBM Concert」です。 IBM Concert は、従来のアナリティクスと IBM watsonx の生成AI を組み合わせることで、運用の健全性に関する包括的な「インサイト(洞察)」を提供し、アプリケーションのライフサイクル全体にわたって重大なリスクを特定します。 具体的には、アプリケーション・データのインベントリ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込みアプリケーション・トポロジを構築することで、異なるツール間で生成・サイロ化された膨大な量のデータを元に統合的な見える化および洞察を行います。また、多様な環境やツールセットにわたる複雑なデータを解釈し、さまざまなディメンションを通じて脆弱性(CVEなど)やコンプライアンスの問題、期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理の問題などに関連するリスクの優先順位付けと軽減、関連するアクションの推奨を行います。 図1. 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2024年12月26日

【参加レポート】「Lenovo Tech World 2024」に参加してきた

「Lenovo Tech World 2024」パネル こんにちは。ソリューション推進部の宮里です。 2024年11月26日に都内で開催された「Lenovo Tech World Japan 2024」に参加しました。 このイベントでは、AI技術の進化と多様な応用について、豊富な知見とともに最新のソリューションが紹介されました。主なポイントとしては、以下の内容が挙げられます。 Smarter AI for All:AI技術は様々な場所で利用できるようになっており、より多くの分野で活用されています。 Neptune水冷技術の進化:第6世代垂直式液体冷却システムによりデータセンターの効率が向上し、環境への負担も減少しています。 仮想化基盤とハイブリッドクラウド:仮想化技術とハイブリッドクラウドの導入によりお客様は運用コストを削減し、システムの拡張も容易になっています。 クライアントコンピューティング:AI搭載デバイスで作業効率がアップし、新しいカテゴリーのWindowsPCによってユーザー体験がさらに向上しています。 以下に、参加したセッションのより詳細な内容をお伝えいたします。 レポート目次 Smarter AI for All Sustainabilityに貢献する「Neptune(水冷技術)」 仮想環境に最適なHCIソリューション AI PCによるこれからの世界 まとめ レポート Smarter AI for All セッションの全体構成は「AI」を中心に展開されており、デバイス(Edgeやサーバーなど)やサービスも含めて全体的に AI が中心に位置づけられている内容となっていました。数年前の AI導入時代から AI を活用していく時代に入っていると考え「様々な場所でAIを稼働させることが必要」であるとメッセージされていました。 「Lenovo AI Now」のセッションではデモンストレーションがあり、実際に AI PC を操作している画面が映し出され、その機能が詳細に説明されました。特に印象的だったのは、スケジュール管理が非常にスムーズである点や、ローカルに保存されているファイルを検索する際にファイル名だけでなくその内容までをも読み取って検出できるという高度な検索機能です。 さらに、説明の中で非常に興味深い機能も紹介されました。それは、メールの返信文書を作成する際に使用者の書き方の癖を学習し、まるで実際に使用者が書いたかのような文章を自動作成するというものです。この説明を聞いて、AI技術が日々進化していることをあらためて実感しました。 Sustainabilityに貢献する「Neptune(水冷技術)」 第6世代の垂直式液体冷却システム「ThinkSystem N1380 Neptune」と、Neptune水冷技術を採用する高性能サーバー「ThinkSystem SC777 V4 Neptune」。レノボでは IBM からの技術継承以降、10年以上にわたり水冷技術を進化し続けてきた結果に繋がったとメッセージされています。AI や HPCデータセンター向けのサーバーであり、サステナビリティの観点で今後のデータセンターへの展開に注目していきたいと考えます。 以下にその特長について簡潔にご紹介いたします。 水冷サーバー 展示 レノボの Neptune®テクノロジーは水冷技術のスペシャリストとして知られ、”100%直接水冷(市場をリードする独自開発技術)” ”温水による冷却(最大45°Cまで)” ”ExaScaleからEveryScaleの設計によるPUE(電力使用効率)向上” が主な特長として挙げられます。 直接水冷の利点としては、”CPUやGPUなど、熱源となるコアコンポーネントを対象に冷却することによる高効率冷却” や ”グリコールを使用せず産業廃棄物扱いされない純水で冷却することによる環境への配慮” などが挙げられます。 第6世代Neptuneシステムは以下のラインナップとなっています。 NeptuneV5(6Uエンクロージャー):最大12ノード、23.4kW対応 NeptuneV6(13Uエンクロージャー):最大8ノード、60kW対応 仮想環境に最適なHCIソリューション 仮想化基盤の見直しは企業にとって重要な課題です。VMware製品のライセンス体系変更によるコストの増加やデータセンターの統合が進む中、運用コストの削減と管理の合理化が求められています。また、ハイブリッドクラウドの導入による拡張性、柔軟性、コスト削減が期待されています。レノボのソリューションは、これらのニーズに応えるための強力なツールです。 迅速なAI導入と仮想化基盤(ThinkAgile HCI) レノボの ThinkAgile HCIソリューションは、エッジからクラウドまであらゆるワークロードや、Nutanix GPT-in-a-box、Nutanix Edge AI、VMware Data Center、Azureクラウドサービスといった AIアプリケーションを容易に実行できるよう最適化されています。また、Microsoft、Nutanix、VMware と事前に統合されたソリューションが提供されるため、選択肢も柔軟、かつ、迅速な導入が可能です。さらに、データセンターの AIトレーニングと推論、エッジAI推論、データ分析、機械学習モデリングなど、複数のユースケースに対応し、多くのコンピュートと低コストを実現します。 仮想化基盤の移行とAIアプリケーション(ThinkAgile HX) ThinkAgile HXソリューションは、KVM をベースにした10年以上の歴史を持つ仮想化ソフトで多数の VM移行の実績があります。直感的な 1-Click管理が可能で、簡易なシングル・コンソール「Prism」でのエンドツーエンドの管理、監視と修復が行えます。また、アプリケーションの必要性に合わせた柔軟なシステム拡張やデータ保護が可能です。 生成AIソリューション(GPT-in-a-Box) GPT-in-a-Box は、Nutanix認定設計の AIターンキーソリューションで、Nutanix Cloud Infrastructure や Unified Storage、AI Infrastructure を統合しています。生成AI を迅速かつ簡単に導入・管理できるため、モデルのトレンドや変更にも迅速に対応できます。主なユースケースとしては、データセキュリティとプライバシーを管理する生成AIチャットボット、コード生成、コンテンツ作成、知財保護などが挙げられます。 仮想化基盤の統合とクラウド連携(ThinkAgile MX) ThinkAgile MX は、Hyper-Vベースの仮想化基盤で、Azureクラウドと連携した高可用性とデータ保護を提供します。仮想デスクトップ(AVD)をオンプレとクラウドでシームレスに統合でき、ネットワークやデータ主権の課題を克服することが可能です。小規模スイッチレス構成にも対応しているため、スモールスタートが可能です。 お客様事例:大阪回生病院様 大阪回生病院様は、電子カルテを含む部門システムの移行という大規模なプロジェクトに直面しました。プロジェクトの成功には、厳しいスケジュール内での実施とシステム停止を最小限に抑えることが課題でした。レノボの Professional Service部隊は迅速な対応と高い専門性を発揮し、半日間のシステム停止でデータ移行を完了させ、短期間での安定稼働を実現しました。 具体的なサービス内容としては以下が挙げられます。 コンサルティングサービス 現状調査と分析:ツールを使って現在の環境を調査し、課題や問題を明確化。 設計サービス:詳細なインフラ設計と、実績に基づいた策を提案。 ワークショップ:ビッグデータ活用やクラウド移行など、特定のテーマに応じたワークショップを開催。 移行支援サービス 移行アセスメント:現行環境の評価を行い、最適な移行方法を策定。 データマイグレーション:安全かつ効率的にデータを新しい環境に移行。 クラウド移行:ハイブリッドやプライベートクラウドへの移行を包括的にサポート。 プロジェクトマネジメントサービス プロジェクト計画:スコープ、スケジュール、リスク管理計画を包括的に作成。 定例会議の開催:進捗確認や課題の解決策を議論し、プロジェクトを円滑に進行。 品質管理とリスク管理:クロスチェック体制を確立し、リスクを分析・軽減。 ※詳細な内容につきましては以下のリンク先にてご確認ください。 GPT-in-a-Box 2.0 発表 : GenAI を活用する4つの方法(Nutanixサイト) 導入事例 - 大阪回生病院(Lenovoサイト) AI PCによるこれからの世界 クラウドとエッジAI の活用によりユーザーは作業を効率よくこなし、時間の使い方を変革することができます。具体的には、文章の読解サポートやリアルタイム翻訳、AIベースの画像編集などが可能となり、ビジネスでもその活用範囲が広がっています。AI による恩恵は「どのように時間を使うか」を変えることにあります。 小規模言語モデル(SLM)と大規模言語モデル(LLM)の違いも大きなポイントです。LLM は主にパブリッククラウドやデータセンターで動作し、大規模なリソースを消費します。一方、SLM はクライアントデバイスやエッジコンピューティングで動作し、小規模なリソースでの運用が可能です。この違いにより、クライアントデバイスでも生成AI の恩恵を受けられるようになります。 パーソナライズされた ”ローカルAI” により、業務の効率化が進みます。個人ごとのナレッジベースが作成され、情報検索、サマリ作成、文章のブラッシュアップなどをサポートします。また、PC操作のアシスタントとして、デバイス設定のコントロールや構成情報の迅速な確認、トラブルシューティングなどが可能です。 クラウドベースの AIガバナンスも重要なポイントです。クライアントとクラウドのインターフェイスにおいては、データのロケーション、コスト、パフォーマンスなどを考慮する必要があります。パーソナルナレッジベース(PKB)によるデータ管理が強化され、ローカルでの安全なデータ管理が可能です。 SLM由来の AI体験をオンデバイスで実現するための新しい WindowsPC が登場します。自然言語による処理や OCR、イメージの超解像度処理など、さまざまな AI機能が標準搭載され、コンピューティングパワーがユーザーに寄り添い、効率的な作業をサポートします。 AI の進化により私たちの作業効率が飛躍的に向上し、時間の使い方も大きく変わることが期待されます。 一部展示 まとめ 今後どのようにビジネスにもたらしていくのか、またもたらされるのか、楽しみですね! 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2024年12月23日

大容量データの長期保管とコスト削減を両立 – IBM Storage Deep Archiveのメリット

公開日:2024-12-23 DX によるデータ活用の進展により、近年、企業で保有するデータ容量が急激に増加しています。一つの企業がペタバイトクラスのデータを持つことも珍しくありません。このような大量のデータの保管場所としてクラウドが選ばれることが多いですが、データ容量が増えると最も安価なストレージを使用してもコストが大幅に上昇してしまいます。 そこで注目していただきたいのが、IBM の次世代長期アーカイブソリューション「IBM Storage Deep Archive」です。導入が容易で、かつデータ保管コストを大幅に削減できるのが特徴です。 本コラムでは、その概要とともに、コストを抑えながら重要な大容量データを長期間保管する方法をご紹介します。 目次 大容量データの時代 – 企業が抱えるペタバイト級のデータ 大容量データのクラウド保管 – コスト面での難題 クラウドよりも経済的 – 大容量データの低コスト保管に最適 まとめ お問い合わせ 大容量データの時代 – 企業が抱えるペタバイト級のデータ 近年の技術革新とデジタル化の進展により、以下の分野で取り扱われるデータ量は急激に増加しています。これらのデータは日常的に使用されないものの、必要な際には速やかに参照できるよう長期にわたり安全に保管することが求められています。 例えば、以下のような分野のデータがあります。 HPC(高性能計算) 高性能計算システムでは、大規模なシミュレーションや計算モデルの結果として生成されるデータセットは非常に膨大です。これらのデータは研究や分析のために長期保管が必要であり、再現性の確認や後続の研究の基盤として重要です。 分析データ ビッグデータ分析や機械学習の普及により、企業や研究機関では大量の分析データが生成されています。これらのデータは将来の意思決定や新たなインサイトの発見のために保管しておく必要がありますが、日常的なアクセス頻度は高くありません。 研究データ 科学研究や工学分野で生成されるデータは、実験結果や観測データ、シミュレーションの出力など、多岐にわたります。これらのデータは、将来の研究や過去の記録の検証のために長期保存が求められます。 医療、ゲノム、製薬 患者の医療記録やゲノム解析データ、臨床試験の結果など、医療・製薬分野のデータは非常に重要です。長い期間アクセスされない場合もありますが、後続の治療や研究のために保管しておく必要があります。 映像、動画、エンタメ 映像制作や放送業界では、過去の作品や未使用の素材、大規模な映像プロジェクトのデータを長期保存する必要があります。頻繁にはアクセスされませんが、リメイクや再利用の際に重要な資産となります。 監査対応、法定保管資料 企業の監査対応や法的要件に基づく記録の保管は長期間にわたる保存が必要です。これらのデータは日常的にアクセスされることはほとんどありませんが、コンプライアンスや証拠として重要な役割を果たします。 大容量データのクラウド保管 – コスト面での難題 これらのデータを持つ企業にとって、長期間にわたってアクセスされないことを考慮しながら安全かつ効率的に保管することはますます重要な課題となっています。 例えば AWS S3 などのクラウドストレージは、スケーラビリティ、信頼性、アクセス性の高さから多くの企業に利用されています。これらのサービスは必要なストレージ容量を瞬時に拡張でき、データへのアクセスも非常に柔軟です。 しかし、大容量データの長期保管においては、そのコストが企業に大きな影響を与える要因となりえます。そのため、ペタバイト級に届く大容量データの長期保管においては、クラウド以外の手段でコスト効率の高い保管ソリューションを検討する必要があります。 クラウドよりも経済的 – 大容量データの低コスト保管に最適 そこでご注目いただきたいのが、大容量データの保管に最適化された次世代の長期アーカイブ・ソリューションである「IBM Storage Deep Archive」です。 このソリューションは、IBM Diamondbackテープライブラリを基盤としてミッドレンジとハイエンドの中間に位置づけられたテープ・ストレージと統合されています。また、S3 Glacierストレージクラスの標準化されたインターフェースを提供し、使いやすさを重視しています。 図1. 廉価なテープをS3オブジェクトAPIでアクセス 以下に、具体的な特徴や利点をご紹介します。 経済性 IBM Storage Deep Archive の最大の特長は ”コスト効率” です。1ラックで最大27PBのデータを格納でき、従来のクラウドストレージの約1/20以下のコストで保管が可能です。特に長期間の視点でのコスト抑制が求められる二次および三次のデータ保管には最適な選択肢です。 長期保存の信頼性 テープ・ストレージは数十年にわたりデータを安全に保管できるため、HPC(高性能計算)で生成されるデータや複雑な分析データ、研究データ、医療・ゲノム・製薬分野のデータなどの保管にも適しています。さらに、過去の映像素材や未使用のフィルムを低コストで長期にわたり保管することが可能で、法定保管資料や監査対応のデータ保管にも理想的です。 エア・ギャップ IBM Storage Deep Archive は物理的にネットワークから切り離せるテープ・ストレージを使用しており、サイバー攻撃や不正アクセスからデータを保護するためのエア・ギャップを実現します。これにより、重要なデータのセキュリティが格段に向上します。 導入のしやすさ IBM Storage Deep Archive は特別な設定が不要で、一般的なネットワークアクセスを使用して簡単に接続できます。既に AWS S3 Glacier対応のアプリケーションを使用している場合でも、接続先を IBM Storage Deep Archive に変えるだけで利用を開始できます。テープに関する専門技術がなくても、オブジェクトストレージ管理者であれば問題なくサポート可能です。 まとめ IBM Storage Deep Archive は、大容量データの二次および三次保管に最適なソリューションです。経済性、導入のしやすさ、長期保存の信頼性、エア・ギャップなど、多くの利点を提供します。これにより、企業は重要なデータを安全かつ経済的に長期保管し、ビジネスの継続性を確保することができます。 エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェア/ハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Storage Deep Archive のお客様への提案をサポートします。また、IBMのソフトウェア製品およびハードウェア製品を組み合わせた最適な提案を提供するとともに、製品の特長や利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスをサポートします。 「お客様のニーズや要件に合わせて総合的なIBMソリューションを提案したい」「IBM製品の機能や適用方法についての問い合わせに適切に対応したい」「IBM製品の特長や利点を活かしてお客様ビジネスに最適なプランを提示したい」 といったご要望をお持ちの際は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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