2017年07月

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クラウドとデザイン思考 Vol.1 ~そもそも最近よく聞くデザイン思考って何?~

最近「デザイン思考」という言葉をよく聞くようになってきました。IBM社が大量のデザイナーを採用していると話題となっています。そんな中、そろそろ「デザイン思考」って何?自社も取り組むべきなの?と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

Wikipedia によると「デザイン思考」とは、

” デザイン思考(でざいんしこう、英: Design thinking)とは、デザイナーが
デザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である。”

とのことですが、正直いいまして、私には全く理解できませんでした。

もう少しわかりやすい定義はないかと探してみますと、イノベーション創出サービスを提供する btrax の記事によると、

” 全てを “Why” から始め、最終的にイノベーションを創り出すプロセス”
出展: btrax, 「【やっぱりよくわからない】デザイン思考ってなに?

とあり、問いを元にイノベーションを創出するための過程とのことで、おぼろげにその概要が見えてきました。

しかし、これでもデザイン思考とは何なのかを理解するにはなかなか難しいと感じました。
そこで、最近よく聞くこの「デザイン思考」について書いてみたいと思います。

 

ユーザー中心の思考法からイノベーションを生み出す

 

思考法としての起源は1960年代後半にさかのぼるようです。ビジネスへの応用は、スタンフォード大学で、後に IDEO を創業するデビッド・ケリーによって開始されたと言われています。 ※ IDEO :カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くデザインコンサルタント会社

デザイン思考の「デザイン」とは、いわゆる、デザイナーが絵を描いたり、色を塗ったりすることではありません。デザインには、「新しい機会を見つける為の問題解決プロセス」という定義もあり、デザイン思考においては、この意味になります。

デザイン思考のビジネス応用の研究をスタートさせたスタンフォード大学には d.school という学科横断型のプログラムがあります。機械工学、コンピュータサイエンス、ビジネス、法律、文学など様々な学部学科から学生や教職員が集結、デザイン思考を学びながら、分野を越えてイノベーションを生み出していく力を身につけています。

その d.School 発行のデザインガイドによるとデザイン思考には、5つのステップがあります。

DesignThinkingProcessImage_600px

デザイン思考、人間中心の協調的問題解決アプローチ

Step1: 共感(Empathize)    ・・・ 共感のためのヒアリング
Step2: 問題定義(Define)    ・・・ 本当に解決すべき問題を定義する
Step3: 創造(Ideate)       ・・・ 問題解決のアイデアを拡散させる
Step4: プロトタイプ(Prototype) ・・・学びを得るために試行する
Step5: テスト(Test)      ・・・ 解決策を改善し評価する

※ 上記のステップを繰り返し改善する

これらを進め、繰り返していくことで、既成概念を排除し、ユーザーに焦点を当てた商品やサービス、またチーム全員が同じ方向を目指して、デザインすることが可能となります。

デザイン思考において最も重要なことは、「ユーザーに焦点を当てる」ということです。とにかく、デザイン思考は、ユーザー中心、ユーザー・ドリヴンな思考法ということがポイントです。

 

なぜいまデザイン思考なのか?

 

それでは、なぜ今、デザイン思考が注目されているのでしょうか。

現在、グローバルエコノミーにおける先進企業は、生き残りをかけ、イノベーションを生み出し続けなければならい状況にあります。日本では、優等生とされていた大企業の没落、海外企業への身売りなど、これまでのビジネスモデルや製品サイクルが急激に変化する状況にあります。

日本のみならず、全世界的に新興国発の企業、またベンチャー企業などから攻勢を受け、競争も激化し、大胆に収益モデルの転換を余儀なくされています。

また、スマートフォンを始めとするテクノロジーはどんどん進化するものの、成熟した社会におていては、ヒット商品が生まれにくい状況にあります。単なる性能強化や機能の充実では消費者を満足させ続けられなくなってきています。

このような状況下において、顧客が真に欲するもの、顧客すら気づいていないニーズを掘り起こす、「イノベーションを生み出し続ける」ユーザー中心の思考法としてデザイン思考が注目されているのです。

 

IT 業界と「デザイン思考」

 

さて、それでは我々の IT 業界でのデザイン思考の浸透度はどのようなものになっているのでしょうか。

日経ビジネスオンラインによると IBM 社はグローバルで、

“2012年には375人にすぎなかったIBMの社内デザイナーの数は、2015年には1100人にまで増加。さらに2017年には1500人に増やす計画だ。”

出展: 日経ビジネスオンライン, 「米IBM、2017年にはデザイナー1500人体制へ」, 2016年7月28日

としており、デザイン思考を現場で実践するためのデザイナーを相当な勢いで増やしています。

また、

“独ソフトウェア大手SAPも変革の手段としてデザイン思考を活用したグローバル企業です。直近5年で全世界の売り上げを1.4兆円から2.7兆円まで2倍近く伸ばした背景に、デザイン思考がありました。”

出展: Forbes, 「世界的企業は今、なぜ「デザインx経営」なのか?」, 2017年3月29日

とあり、SAP は、デザイン思考によって既に結果を出している企業の一つとのことです。余談ではありますが、スタンフォード大学の d.School は、SAP 創始者のハッソ・プラットナーの個人の寄付により設立されたことからも早い段階から SAP がデザイン思考に注目していたことがわかります。

Salesforce 社でも Ignite と呼ばれるデザイン思考の専門支援チームが、顧客のためのデジタル・トランスフォーメーションのビジョン作りを支援しています。

例を挙げるときりがないほど、多くの IT 企業でデザイナーが活躍し、デザイン思考が活用されていることがわかります。

 

以下は Techcrunch が、IT関連企業でのデザイナーの需要はこれまでになく高まっているとし、6社でのザイナーとディベロッパーの比率を割り出したもののまとめです。
明らかに、IT 関連大手企業でのデザイナーの採用が増えていることがわかります。

Atlassian Dropbox Intercom
2012年 2017年
1:25 → 1:9
2013年 2017年
1:10 → 1:6
2017年
1:5
LinkedIn Uber IBM
2010年 2017年
1:11 → 1:8
2017年
1:8
2012年 2017年
1:72 → 1:8

出典: Techcrunch, 「過去5年間でデザイナーの採用目標が倍増―
―大手6社のデータに見るデザイン人材の動向,
2017年6月2日

 

 

とは言ってもデザイン思考ってそんなに簡単なの?

 

それでは、デザイン思考を日本の IT 企業が実践していくことは、簡単なのでしょうか。

これは、「その会社による」としか言えません。

 

単純に「デザイナー」と呼ばれる方を社員として迎えたり、プロジェクトごとに配置したりすれば成功するようなものでもありません。前述の d.School がまとめた「デザイン思考に必要な39のメソッド」では、その題名だけからも 39 ものメソッドが必要というこで、その難しさを物語っています。

日本でもデザイン思考を大学で教えたり、研修が受けられるようになったりしてきました。しかし、短期研修ではなかなか上手く実践するところまで到達するのは難しく、また大学で勉強してきたとしても受け入れ側の態勢が整っていない、というのが現状のようです。

 

そこでまずは、自社が「デザイン思考」のメリットを享受しやすい文化にあるか?というところからチェックしてみるのはいかがでしょうか。

<デザイン思考のための社風チェック>

  • 行動よりも先にリスクに目が行ってしまう
  • 製品開発は、プロセスごとに縦割り、分業で、企画から製造までメンバーが共に創っている感覚がない
  • ユーザーの声を傾聴するよりもコントロールすべきだと考えている
  • ブレーンストーミングをやったことがない、やっても上手くいかない
  • 会議ではいつも決まった人が発言している

上記に一つでも当てはまることがあれば、デザイン思考を実践する前に自社のマインドセットを切り替えに注目した方がよいかもしれません。

 

多くのデザイナーを採用している IBM 社であっても、デザイン思考の導入には以下のようなアプローチを踏んでいます。

” IBMは巨大かつ複雑な組織で、製品のテクノロジーも複雑です。デザイナーが入社後、それぞれのチームに入る前に“橋”をかけるようなサポートを行う必要がありました。現在、新たなデザイナーに対して3カ月のブートキャンプ・プログラムを実施していますが、私は、その設計と運営、管理を行いました。

また、このデザイナー向けのプログラムを実施していく中で、IBM全社員に対しても、デザイン及びデザイン思考について教育を行い、会社を変化させないといけないことがわかりました。なぜなら、全社員も、企業としてどのような方向に変化していくのかを知る必要がありますから。

そこで一人でも多くのIBM社員がデザイン及びデザイン思考を体験し理解するための教育プログラムをつくりました。デザイナー向けから全社員向けに、私の役割はここ数年でこうした変化を遂げてきました。”

出典: Forbes,  「IBMがデザイナーを1000人雇い、デザイン思考を推める理由」, 2017年3月24日

 

まずは、デザイン思考を知り、この思考法を社内で展開できる雰囲気か判断し、そうでなければまずは、その目的づけ、会議や打ち合わせのやり方、ユーザーとの接し方、縦割りのプロセスなどを見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。

いきなり、「デザイン思考」ありきからスタートすると、単なる思考法マニュアルになってしまい、「デザイン思考でやってみたが何も起こらない」となってしまう可能性があります。

それでは、デザイン思考そのものの恩恵を十分享受し、真のイノベーションに到達することは難しいでしょう。

 

クラウドとデザイン思考

 

では、具体的に何か製品開発にデザイン思考を応用した例はないかと探してみると、身近な良い例がありました。それはBluemix です。Bluemix はデザイン思考を元に開発された製品なのです。

”The Bluemix team used IBM Design Thinking to focus on users—not functions or capabilities—with the goal of letting developers focus on their work, rather than on infrastructure and configuration.

【抄訳】Bluemix チームは、IBM デザイン・シンキングを使用して、インフラやコンフィグではなく、開発者が自分の仕事に集中できるように、「ユーザー」~ 機能や能力ではない ~ に焦点を当てました。”
出展: IBM Design, 「Case study: IBM Bluemix」, 2014年7月17日

また、当プロジェクトでは、多くの人数と時間をユーザーとの時間に費やし、マネジメント、エンジニアリング、設計、マーケティングに至るまで、一同が関わり、共創することで、計画より半年以上前倒しして、Bluemix を完成させることができたとのことです。

ここでは、多くを触れませんが、このような形で、IBM 社のクラウド戦略の根幹をなす製品開発にデザイン思考が活用され、成果が出ていることがわかります。

 

Bluemix でのケーススタディでもわかる通り、イノベーションのプラットフォームとしてのクラウド活用が今後進んでいくことは間違いないでしょう。それは、Bluemix の特長を例にとると、

  • 100以上のサービス連携が提供される
  • これらの組み合わせで、より早く幅広いアプリケーションを作ることが容易
  • 使用インスタンス等で課金されるため都度必要な分のコストで小さく始められる

など、デザイン思考のような、プロトタイピングを重視する早期実行型の思考法にマッチしやすいと考えられるからです。

今後は、IT企業だけではなく、別業態からもクラウドを中心にイノベーションを進めていく企業がどんどん増えるはずです。これらの企業や迎え撃つ既存の IT企業の開発者は、サーバー構築や運用の労力にとらわれず、プログラミングに集中できるBluemix をベースに新たなサービスを模索したり、構築を進めたりすることは自然な選択ではないでしょうか。

更に、デザイン思考をベースに開発された Bluemix 上で、デザイン思考を活用し、イノベーションを実現する、これらは非常に相性の良い組み合わせかと容易に想像できます。

 

今後もデザイン思考の取り組みにも注目していただければ幸いです。次回は「デザイン思考導入を阻むもの」について考えてみたいと思います。

 

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2025年12月24日

【イベントレポート】Automation テクニカルワークショップ第一回 開催しました

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2025年12月24日

【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateでAIエージェント開発してみた(Part1)

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの高村です。 8月は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx OrchestrateのADKを使ってみた」でADKの操作感や感想をご紹介しました。今回は、2025年6月のアップデート後のwatsonx OrchestrateのUIからエージェントを開発し、操作感や感想を2回に分けてご紹介いたします。なお、Part2ではエージェントのデモ動画もご紹介する予定ですのでぜひご期待ください! 目次 はじめに サンプルエージェントのシナリオ サンプルエージェント開発 さいごに お問い合わせ はじめに 6月のアップデートで、watsonx Orchestrateはメニュー構成・操作方法・機能名称が変更されました。例えば、従来「Skill」と呼ばれていたものが「Tool」に変更されています。Toolとは、AIエージェントが呼び出して実行するアクションの部品と考えて頂ければと思います。ユーザーがチャットへ自然言語で問い合わせると、AIエージェントは内容に応じて適切なツールを選択して実行します。これにより、生成AIによる要約や抽出などのテキスト処理だけでなく、外部システムやサービスと連携した処理も行うことができます。 その他の変更点については、「【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました」内でもご紹介していますのをご参照ください。 サンプルエージェントのシナリオ サンプルエージェントのシナリオは、企画担当者が在庫商品を参照し、在庫情報に基づいて顧客へキャンペーンメールを送信する作業を想定しています。 通常は、担当者が在庫情報を確認するためにデータベースへログインし、目視でキャンペーン対象商品を選定したうえでメールの文面を作成することが想定されます。キャンペーンメール送信対象はSFAなどのシステムで確認し、メールツールを利用して送信します。振り返ると、データベース・SFA・メールツールと複数のシステムを利用し、対象商品の選定やメール内容を人力で考える必要があるため、作業は煩雑で時間と労力を要します。 watsonx Orchestrateを導入すると、AIエージェントが在庫情報と顧客情報の取得し、在庫の多い商品のキャンペーンメール文面をAIが作成し、メールの作成・送信までを一気通貫で実行することが可能です。 サンプルエージェントの開発 それではサンプルエージェントを開発します。開発ではIBM Cloud 上の watsonx Orchestrate、メールツール(Brevoに弊社アカウントを紐づけて利用)、SFA の Salesforce(弊社 Sandbox 環境)を利用します。 本記事Part1では図のピンクで囲った部分「Salesforceから顧客情報を取得」と「在庫情報の取得」をご紹介いたします。 watsonx Orchestrateへログイン・環境のご紹介 watsonx Orchestrateへのログイン方法は「【てくさぽBLOG】IBM watsonx Orchestrateを使ってみた(Part1)」をご参照ください。ログインすると下記のチャット画面に入ります。作成したAIエージェントをデプロイすると、このチャット画面から問い合わせをすることができます。 左上のメニューバーをクリックします。一番上の「Chat」をクリックすると前述のチャットインターフェース画面に遷移します。「Discover」をクリックするとwatsonx Orchestrateに事前定義されたエージェントやツールのカタログをみることができます。 「Discover」内の事前定義エージェント、ツールを簡単にご紹介します。TypeをAgentsに絞ります。事前定義エージェントとは、特定のシステムとの接続が定義されたエージェントが提供されており、環境接続設定を行うとすぐ利用することが可能です。(watsonx Orchestrateのプランによっては追加費用がかかるエージェントがございます。) TypeをToolsに絞ると特定システムで利用できるツールが提供されています。下記画面はSalesforceで利用できる事前定義ツールの一覧です。今回はSalesforceから顧客情報を取得するため「List accounts in Salesforce」と「List contacts in Salesforce」のツールを使用します。ツールの機能は下記になります。 List accounts in Salesforce:ユーザーの入力に基づき、Salesforceからアカウント情報を表示 List contacts in Salesforce:ユーザーの入力に基づき、Salesforce からアカウントの連絡先を表示 Salesforceとの接続設定 Salesforceの事前定義ツールを用いてエージェントが顧客情報を取得できるようにするため、はじめにSalesforceとの接続設定を行います。 1. Salesforce側設定(コンシュマー鍵と秘密鍵の生成) Salesforceへログインし、設定>外部クライアントアプリケーション>外部クライアントアプリケーションマネージャーをクリックします。コールバックURLは「https://ご使用リージョン/mfe_connectors/api/v1/agentic/oauth/_callback」と設定します。OAuth範囲は下記画面の通りを設定します。 コンシュマー鍵と秘密鍵をクリックし、生成されたコンシュマー鍵と秘密鍵をメモをしておきます。Salesforceの設定は以上です。 2. watsonx Orchestrate側設定(接続設定と接続確認) watsonx OrchestrateのメニューからManage>Connectionsをクリックします。 接続設定の一覧が表示されるのでSalesforceを探し、鉛筆マークをクリックします。 下記画面が表示されます。Draft環境、Live環境と環境を分けて設定することができます。今回はDraftで設定します。各項目には以下を値を入力します。 Server URL:Salesforce環境のURL TokenURL:Salesforce環境のURL/services/oauth2/token Authorization URL:Salesforce環境のURL/services/oauth2/authorize ClientID:Salesforceで取得したコンシュマー鍵 Client Secret:Salesforceで取得した秘密鍵 下にスクロールし、Credential typeを選択します。Member credentialsにするとユーザーは個人の認証情報を使用してアプリケーションにアクセスできます。ここではTeam credentialsにし、チームメンバーが資格情報を使用してアプリケーションにアクセスできるようにします。最後にConnectをクリックします。 Webブラウザが開き、Salesforceのログイン画面が表示されます。ユーザ名、パスワードを入力してログインします。 watsonx Orchestrateの画面に戻り、Connectedとなっていることを確認しSaveします。 下記の様にConnectされている状態で緑のチェックがついていることを確認します。 Salesforceとwatsonx Orchestrateの接続設定は完了です。 Salesforceの事前定義ツール構成 それではエージェントを作成し、Salesforceから顧客情報を呼び出すツールをエージェントに構成していきます。 メニューのBuildをクリックします。 Create agent +をクリックしてエージェント作成画面に入ります。 Nameには任意のエージェント名、Decriptionはエージェントの説明を入力します。最後にCreateをクリックします。 下記画面が表示されます。エージェントが使用するモデルを選択します。2025年12月時点はllama-3-2-90b-vision-instruct(Default)、llama-3-405b-instruct、GPT-OSS 120B-OpenAI(via Groq)が利用できます。Agent Development Kitからは外部のLLMを紐づけることも可能です。弊社環境はgpt-oss-120bを紐づけています。今回はGPT-OSS 120B-OpenAI(via Groq)を指定します。 下にスクロールします。Welcomeメッセージとクイックスタートプロンプトを設定することができます。今回はデフォルトのままにします。 Agent Styleを設定することができます。Agent styleとはユーザの要求に対してどのように理解、決定、タスクを完了するか定義するものです。現在は DefaultとReActの2種類から選択することができます。今回はDefaultを指定します。 なお、Voice modalityではユーザとのコミュニケーションに音声を利用することができますが、今回は利用しません。 KnowledgeはエージェントでRAGを実装することができます。後程設定します。 エージェントが使用するツールを設定します。Toolset欄のAdd tool+をクリックします。 以下画面が表示されるのでCatalogをクリックします。 Appsの中からSalesforceにチェックを入れます。右側にエージェントが使用できるSalesforceのツール一覧が表示されます。 List accounts in Salesforceを選択しAdd to agentをクリックします。同様にList contacts in Salesforceも追加します。 Toolsetの画面に戻ると以下の様にツールが登録されています。 Behaviorのセクションまで下にスクロールします。Behaviorではエージェントがユーザの要求に対してどのように反応し、応答するか振る舞いを定義します。以下のように振る舞いを定義します。 ここまで設定したところでエージェントの動きを確認します。検証ではデプロイはせず右画面のPreviewから確認したいと思います。 チャットに「アカウントリストを教えて」と入力します。しばらくするとエージェントが登録したList accounts in Salesforceを使用してSalesforceからアカウント情報を取得、回答してくれました。(企業名は検証用に疑似的に作成しています) 次に担当者の連絡先を知りたいので、チャットへ「D&Gソリューションのコンタクトリストを表示して」と問い合わせます。しばらくすると、エージェントが指定した企業名をキーに「List contacts in Salesforce」を実行し、担当者名と連絡先を回答してくれました。このように、ツール自体はSalesforceからアカウント情報やコンタクトリストを取得する機能ですが、チャットで指定した企業名をキーとして、エージェントが絞り込んで回答することができます。 Salesforceの事前定義ツールの構成は完了です。 Knowledgeの構成 エージェントが在庫データから情報検索できるようにKnowledgeを構成します。2025年12月時点、構成できるデータソースはwatsonx.dataのMilvus、Elasticserch、AstraDB、カスタムサービス、watsonx Orchestrateへ直接アップロードの6つです。ここではサンプルのCSVファイルを用意し、直接watsonx Orchestrateへアップロードします。 Knowledgeセクションまでスクロールし、Add source +をクリックします。 New knowledgeをクリックします。 Select sourceからUpload filesを選択してNextをクリックします。 CSVファイルをドラッグアンドドロップしてNextをクリックします。 NameにはKnowledgeの任意の名前を、Descriptionにはユーザーからどのような要求でKnowledgeを使用するかを入力します。最後にSaveをクリックします。 下記画面の通り、Knowledgeが作成されました。 PreviewからエージェントがKnowledgeを使用して回答できるか確認します。チャットから「在庫情報を表形式で回答して」と問い合わせると下記画面のようにKnowledgeのCSVファイルデータを参照して表形式で回答されました。 矢印をプルダウンすると参照先を確認することができます。 行数が多いため、「在庫の多い上位5件を表形式で回答して」と問い合わせます。しばらくすると数量の多い上位5件の商品を表形式で回答してくれました。在庫一覧の提示だけでなく、ユーザーの要求から、情報を絞り込んだ回答も可能であることが確認できました。 Knowledgeの構成は完了です。 さいごに Part1ではAIエージェントを作成し、Salesforce環境へ接続して事前定義ツールを用いて顧客情報を取得。さらに、在庫データをKnowledgeに構成してRAGを実装しました。 今回はSalesforceの事前定義ツールとして「List accounts in Salesforce」と「List contacts in Salesforce」を構成しました。各ツールはアカウントやコンタクト情報をリストする機能ですが、List accountsの結果をAIが受け取り、ユーザーが特定の企業を指定すると、その企業のコンタクト情報を回答できることが確認できました。また、Knowledgeでは在庫データを表形式で提示するだけでなく、在庫の多い上位5件の抽出などの絞り込みも可能で、エージェント的な振る舞いを確認できました。 Part 2では、在庫の多い商品を基にAIがキャンペーンメールを作成し、コンタクト宛に送信する機能をエージェントへ実装したいと思います! お問い合わせ この記事に関するご質問は以下の宛先までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:nicp_support@NIandC.co.jp     .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

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