2016年06月

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【てくさぽBLOG】IBM iモバイルソリューションを触ってみた -LANSA LongRange-

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの原田です。

今回は、IBM i モバイルソリューションの第2弾として、LANSA LongRange (*) のソリューションについてご紹介します。
(*) 当ページにて製品紹介リーフレット、事例情報資料のダウンロード案内を掲載(追記:2018/02/06)

※第1弾は以下をご参照ください
IBM iモバイルソリューションを触ってみた -Db2 Web Query for i-

IBM iをご利用中のお客様にとって、業務効率の改善が期待できるお勧めのモバイルソリューションです。是非ご一読ください。

1. LongRangeとは

株式会社ランサ・ジャパンが提供する、IBM i 開発者のためのスマートデバイス向けネイティブ・アプリケーション開発ツールです。業務アプリを開発する際の、以下のような各種ハードルを取り除くことができるのが特徴です。

  • RPG/COBOL/CL のみを使用してネイティブアプリの作成が可能
  • Objective C や Java のスキルがなくても開発可能
  • 一日もかからずに短時間で、モバイル・アプリケーションを作成し、実用も可能
  • 一度作成すれば、Apple のモバイルデバイス、Android のモバイルデバイスのどちらにも配布が可能
  • GPS やカメラ、バーコード、電話等のモバイルデバイス特有の機能との連動も可能

2. LongRangeの仕組み

LongRange はサーバーサイドの管理サービス(LongRange サーバー)とモバイルデバイス上でネイティブに動くアプリ(LongRange モバイル・アプリ)から成っています。ユーザーはアプリをモバイルデバイスにダウンロードしてサーバーに接続すれば、ビジネス・アプリケーションを使用する準備が完了します。

モバイルデバイスのユーザーがLongRangeモバイル・アプリのフォームビューを起動する際、LongRange サーバーに要求を送り、アクションが関連するRPG/COBOL/CLプログラムを呼び出します。

モバイルデバイスのユーザーがLongRange モバイル・アプリのフォームビューを起動する際、LongRange サーバーに要求を送り、アクションが関連するRPG/COBOL/CLプログラムを呼び出します。これらのプログラムは他のRPG 、COBOL 、Java 、CL、Webサービス、メッセージ待ち行列なども呼び出すことができます。プログラムは処理を行ない、画面を送るコマンドを発行します。 LongRangeサーバーはアプリに画面を送り、モバイルデバイス上で画面を表示します。LongRangeモバイル・アプリは、画面を表示したり、 ユーザーアクションに応答する際、ブラウザベースのモバイル・アプリよりも処理が速いのが特徴です。

3. LongRange導入のメリット

◆ユーザー部門にとっては、以下のようなメリットが期待できます。

■業務効率の大幅改善が見込めます
  • 事業所、座席に戻らなければできなかった業務が外出先で可能になります
  • 人手・紙・電話・メールを使わなければできなかった業務がモバイル端末で可能になります
■同業界内で先行導入することが企業イメージのアップにつながります
  • 今までパソコンの業務とは無縁だった業務シーン(倉庫・物流現場や工事現場等)においていち早くモバイルデバイスを活用することで企業イメージ、業界イメージの刷新につながります
■社員の業務モチベーションがアップします
  • 業務効率が改善することで本来の業務により一層専念できます

◆システム部門にとっては、以下のようなメリットが期待できます。

既存のスキル・環境でのアプリ開発が可能です
  • 新たなモバイル・アプリ用の開発スキルは不要なため、少ない投資で新規の開発に取り組めます
■ユーザーニーズに迅速に対応できます
  • 同じRPG/COBOL/CL プログラムでiOS と Android の両方のデバイスに対応します
  • ネイティブ・アプリのユーザー・インターフェースが色々な画面サイズ(タブレットやスマートフォン)に合うように自動的にサイズや表示方法を変更します

 

「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」
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4. LongRangeモバイルソリューションデモを触ってみよう!

それでは、前置きはここまでにしてLongRangeのモバイルソリューションデモを実施してみましょう。

準備するものは以下の2点です。
・モバイル端末(iPad,iPhone,Android)及びApple StoreかGoogle PlayのID
・モバイル端末に導入するアプリケーション「LongRange」(無償)

今回はiPadを使ってデモを実施します。

まずは、iPadにLongRangeのアプリを導入します。
App Storeから「LongRange」と検索してみると、「LR」のロゴのアプリが見つかりました。早速インストールしてみます。

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インストールがうまくいったので、アプリを起動してみます。
まず初めに、「新規プロファイル作成」をタップしてデモ用のプロファイルを作成します。以下の画面で、「プロファイル名」、「サーバー名」、「サーバーポート」、「スキーマ名」を以下画面の通り入力して、画面左上の「設定」をタップするとプロファイルが作成されます。

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あっという間に「LongRangeデモ」のプロファイルが作成されました。右上の「完了」をタップして保存します。

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これで iPadでLongRangeのデモを行う準備が整いました。iPadをほとんど使ったことがない私でも、ここまで比較的サクサクっと設定できましたよ!

それでは引き続き、デモを開始してみましょう。
当デモには4つのメニューがあります。
1.『インシデント報告』は、保険会社における事故(インシデント) 報告です
2.『家具販売』は、家具販売店の店頭での販売業務アプリケーションです
3.『工程管理』は、工場での生産(作業) 実績報告です
4.『配送デモ』は運送会社での配送状況をリアルタイムに報告するアプリです

今回は1.と2.のデモを実施してみます。

「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」
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~LongRangeデモ①「インシデント報告」~

LongRangeのアプリ画面に戻り、画面左のメニューから「インシデント報告」をタップします。

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「インシデント報告」は事故情報などを報告するアプリです。

あなたは、某保険会社の契約者だとします。不幸にも自動車事故を起こしてしまいました。しかし幸いなことに死傷者はいませんでした。警察への連絡が済んだあと、自動車事故現場の報告を保険会社に行います。

下記画面から画面右上の「新規」をタップして報告書を作成してみましょう。

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下記は新規報告書の作成画面です。事故の報告にあたり、様々な情報を入力する必要があります。

当画面では、ほとんどプルダウンで選択して簡単に入力できるようになっています。

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まずは上から2つ目の「タイプ」を入力しましょう。「新規インシデント報告」をタップすると、プルダウンメニューが表示されます。今回は自動車事故なので、メニューから「自動車事故」を選択してタップします。

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次に、上から3つ目の「ステータス」を入力します。「ステータス」項目は、現在の案件の状況を示しています。今回あなたは初めて事故報告を提出するので、メニューから「オープン。初回の審査待ち」を選択します。

ふむふむ。だんだん操作にも慣れてきました。

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「メモ」項目欄には、現場の状況を詳細に残すことができます。
「メモ」右横の数字「0」をタップすると詳細情報を入力する画面が表示されます。
タイトルを「物損事故」、テキスト本文には「衝突事故。死傷なし。」と入力して、「~にメモを追加するにはここにタッチ」をタップして入力内容を保存します。

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事故報告には、現場の写真が不可欠です。当アプリでは、モバイル端末のカメラ機能と連動して簡単に写真を添付することができます。
「写真」右横の数字「0」をタップしてみます。下記のような選択画面が表示されます。写真は縦と横が選択できます。ここでは横(LANDSCAPE)を選択します。

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写真は新規に撮影することもできますし、あらかじめ撮った写真から選択することもできます。
「新規撮影」をタップするとカメラが起動します。撮影してみましょう。

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写真を添付するには、最下部の「~に写真を添付するにはここにタッチ」をタップします。写真項目の数字が「1」に変わります。
この「1」をタップすると添付した写真が呼び出せます。(注意:このデモでは写真を保存できない仕様となっています。)

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次に、あなたの姓、名を入力し、電話番号を入力します。電話番号と連携して、電話機能を利用できます。報告書を受け取った保険会社担当者があなたに連絡を取るために、電話番号の右横のボタンをクリックすると、「電話をかける」「メッセージを送る」がポップアップします。モバイル端末上で別途アプリを起動することなく、報告書に記載された内容から、電話をかけたり、メッセージを送ることができるのはとても便利ですね。

これで、最後に画面左下の「保存」をタップして保存すれば事故報告は完了です。

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いかがでしたか?

IBM i + LongRange なら、カメラ機能や電話機能、GPS機能を活用したこのようなアプリケーションが、RPGやCOBOLで簡単に作成することができます。登録したデータは、リアルタイムで共有できますので、迅速な事故対応プロセスが可能になることをご理解いただけたのではないでしょうか。

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~LongRangeデモ②「家具販売」~

続きまして、家具販売のデモを実施してみましょう。
LongRangeのホーム画面から、画面左メニューの「家具販売」をタップします。

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あなたは某家具販売店の仙台支店の社員です。お客様が展示品のダイニングテーブルを見て、購入したい、とおっしゃっています。まずは当製品の在庫状況を確認してみましょう。下記画面にて「在庫確認」をタップします。

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在庫確認をタップすると、商品のバーコードを読み取るために自動的にカメラ機能が起動します。当デモアプリでは、QRコードや12桁のバーコードであれば何でもスキャンします。お手元にあるバーコードを、ダイニングテーブルの商品コード という想定でスキャンしてみます。(このデモでは、スキャン結果としてダイニングテーブルが必ず表示されるようになっています。)

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ご覧ください!各店舗ごとのダイニングテーブルの在庫状況が即座に表示されました。
基幹システムの在庫データベースに直接アクセスしているので、全国の店舗のリアルタイム在庫情報をもとに、お客様に対応することができますね。

仙台店には在庫がないため、最寄の東京本店の在庫から引き当てします。「東京本店」の在庫の数量「10」をタップします。

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商品の写真が表示されることにより、お客様がご所望の商品と同一かどうかを確認できます。
東京本店の在庫から、商品1卓を引き当ててよいか確認メッセージが表示されますので、「次へ」をタップします。

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次に配送業者を指定します。ここでは「関東物流」を選択します。

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商品の配送可能日を確認し、「確定」をタップすると、あっという間に発注処理が完了しました。

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IBM i の基幹システムのアプリですので、在庫紹介-引き当て-配送指示-配送可能日回答 までの一連のプロセスを、お客様を接客しながらリアルタイムに進めることができますので、販売機会の増大、販売員の生産性向上、そしてお客様満足度に繋がりますね。

「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」
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5. 最後に

今回デモを実施したLongRangeですが、iPadの操作にさえあまり慣れていない私でも直観的に操作を進めることができました。また、アプリ内からカメラやバーコード、電話機能を呼び出して利用することができる点についても、とても便利です。

このようなモバイルアプリやモバイルソリューションは、アイデア次第で日頃の業務にいくらでも適用できる場面があるのでは、と思います。今回のデモ事例をヒントに、”IBM i + モバイルソリューション”のご提案にお役立ていただければ幸いです。
 

お問合せ先

この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社

技術支援本部
E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

商標帰属

すべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。

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参考情報

MERITひろばサイト(※): Power System “IBM i “ご提案の際に利用できるソリューション製品の情報が盛りだくさん!

メーカー 製品名 機能概要
LANSA LongRange
  • IBM i 開発者のための iPhone, iPad, Android などのスマートデバイス向けネイティブ・アプリケーション開発ツール。
  • PC や IT の恩恵を受けられていない紙、電話、アナログ・ベースの現場業務を効率化し業務改革を実現。
aXes
  • IBM i  5250 アプリをソースコードを変更せず自動的にブラウザベースに変換、既存アプリをそのまま Web で利用可能に。
  • ユーザー・インターフェースのデザインやレイアウトをカスタマイズするツールも提供。
Visual LANSA
  • Windows ベースの統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment) を提供。
  • シングル・スキルで Web,Windows,Mobile,IBM i 等のマルチ・プラットフォーム対応のアプリ開発・保守を実現。
Bitis Quick-EDD
  • 「想定外」に備える、進化を続ける IBM i の HA(ハイ・アベイラビリティ)ソリューション。
  • 確かな品質とサポートで運用負荷を最低限に抑えます。
Justi
  • 内部統制で必要な PDCA(Plan・Do・Check・Action)の4つのステップを網羅した IBM i の セキュリティー・ツール。
  • GUI クライアント画面も提供されており、セキュリティー運用管理の負荷を軽減します。

※ビジネスパートナー様専用サイト(MERITひろば)のコンテンツです。ログイン or  新規会員登録が必要となります。

その他の記事

2025年06月26日

次世代型のインフラ構築を実現するIBM Fusion HCIがクラウドシフトを加速

公開日:2025-06-26 クラウドファースト時代となり、企業のインフラ構築においてもクラウドネイティブなアーキテクチャをめざす潮流が高まりつつあります。なかでも重要な技術とされるのが、コンテナベースの基盤づくりで、アプリケーションをコンテナ化できれば、その移植性や効率性、スケーラビリティなどが大きく高まり、ビジネスの展開を高速化できると期待が集まっています。 しかし、基盤のコンテナ化は、これまでのシステム構築のあり方と大きく“作法”が異なり、専門のナレッジやスキルが求められます。ただでさえ IT人材が不足している今日、一朝一夕に移行するのは難しく、この点が多くの企業にとって大きなジレンマとなっています。 貴社においても、 「クラウド移行は進めたものの、残るオンプレミスシステムとどう連携させればいいのか」 「自社で腰を据えてAI活用に取り組みたいが、社内リソースが足りない」 などのお悩みはないでしょうか。 今回は、企業が課題を抱えがちな次世代型のインフラ構築をあっさり実現するソリューションIBM Fusion HCIを紹介します。 目次 インフラ基盤が抱える課題 IBM Fusion HCIの概要 インフラ基盤が抱える課題への最適策 IBM Fusion HCIを利用したユースケース 次世代のインフラ基盤への鍵を握るIBM Fusion HCI お問い合わせ インフラ基盤が抱える課題 今日、企業情報システムのインフラ基盤は様々な意味で岐路に立っているといえます。これまで同様の手法では、刻一刻と変化し続けるビジネス環境を受けとめきれず企業競争力を低下させる恐れもあります。 例えば、具体的な危惧の内容として次のようなものがあります。 1. クラウドネイティブなアーキテクチャ導入の高い難易度 クラウドネイティブなアーキテクチャは柔軟性やスケーラビリティを重視した設計手法で、ビジネススピードの向上にも貢献します。しかしその導入には既存のシステムとは手法が異なるため、互換性確保や高度な専門知識を持つ人材の確保といった点に障壁があります。また、従来型の開発手法から移行する際には、文化的変革や技術的理解のギャップが課題になっています。結果、プロジェクトを立ち上げたものの頓挫してしまった、というケースも発生しています。 2. マルチクラウド戦略を推進する上での壁 マルチクラウド戦略とは複数のクラウドサービスを使い分けることで、効率的なリソース管理やリスク分散を実現することを指します。多くの企業が「オンプレとクラウドを統合」または「複数のクラウド環境を最適化」したいと考えています。 しかし、相互接続性やデータ移動に大きな課題があります。また、異なるプロバイダ間での運用調整やコスト管理の複雑化も実践の妨げになりがちです。特に、各クラウド特有の設計要件への対応やパブリッククラウドとプライベートクラウド間のデータ連携には多くのリソースとノウハウが必要です。 3. 自社AIワークロードの拡大 AIワークロードの拡大は、迅速なデータ処理や大量データ解析を可能にします。しかし、これに伴って高性能なインフラ整備が求められます。既存のインフラでは計算負荷が高く、パフォーマンスが著しく制限されるためです。慎重に選定を進めなければ計算資源の増加による費用の急増が発生するリスクがあります。 エッジ環境でのデータ処理や通信コストの抑制に対応できる基盤という観点も重視しなければなりません。開発プロセスの最適化や適切な AIモデルの選定なども大きな課題です。 4. VMware基盤のコスト問題 すべての企業に当てはまるわけではありませんが、仮想化基盤として VMware を採用するのは普遍的なソリューションであり、信頼性の高い仮想化テクノロジーを提供します。 しかし、近年そのコスト問題が大きく取り沙汰されており、ライセンス料や運用費用の高さが企業にとって大きな負担となっています。長期的な予算圧迫を招く可能性があり、特に運用規模が拡大していくビジネス環境の場合、コスト管理が難航するリスクがあります。さらに、技術的な側面では仮想マシン単位でしか運用管理できないという点があり、リソースの効率的な活用に限界があります。 IBM Fusion HCIの概要 IBM Fusion HCI は、上記のようなインフラ課題を解決するために登場したハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソリューションです。コンテナ(Red Hat OpenShift、以下 OpenShift)ベースのシステムを構築するために必要な機能をあらかじめすべてパッケージ化しており、コンテナ専用のオール・イン・ワンソリューションといえます。 具体的に必要な機能とは、統合運用管理ダッシュボード、ストレージファイルシステム、バックアップリストア、コンテナ、仮想マシンを指しており、オプションでデータ連携カタログも選択できます。納品後最短4時間で構築が完了し、すぐに使用を開始することができます。 図1:IBM Fusion HCI概念図 これにより、企業において統合データ管理やクラウドとの透過的アクセス、アプリケーションの高速化といった次世代志向のインフラ構築が実現します。また、IBM Fusion HCI はサーバー/スイッチも統合管理でき、サポートを IBM に統一できるという点においても企業の運用管理負荷を大きく軽減することが可能です。AI を含む負荷の高いワークロードにも対応できます。 このプラットフォームで、データ管理、計算リソース、ストレージを効率的に統合できるため、AIアプリケーションの実行に必要な環境がシームレスに整います。例えば、AIモデルのトレーニングや推論処理を高速化するために計算資源にスケーラビリティをもたせるといったことも可能です。さらに、セキュリティ面でも信頼性の高い機能が提供されており、企業の重要なデータを安全に保護します。 インフラ基盤が抱える課題への最適策 IBM Fusion HCI は 導入しやすく柔軟でパフォーマンスに優れたインフラ基盤 です。コンテナベースのシステム構築を進めたい企業にとって最適の選択肢といえ、そのメリットとしては次のようなものがあります。 1. クラウドネイティブへのスムーズな移行を実現 Red Hat OpenShift を基盤とし、これをあらかじめパッケージした HCI であるため、ユーザーはクラウドネイティブなコンテナ基盤を導入する際に設計を始めとした複雑な調整を省けます。また、専用インストーラーを搭載しており導入をスムーズに進めることができるため、製品が到着したその日からデジタルトランスフォーメーションに着手することが可能です。 2. マルチクラウド/エッジ環境への移行 IBM Fusion HCI は、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジ環境のどこでも稼働することができます。特に、ハイブリッドクラウドのアプローチを強化するために設計された新しいサービス「IBM Cloud Satellite」を活用すれば、IBM Cloud サービスのメリットを IBM Fusion HCI の環境にも容易に拡張できます。 例えば、データが特定の地域に留まる必要がある法規制に従う際に、IBM Cloud Satellite はその地域でのデプロイメントをサポートしつつ IBM Cloud が提供する最新の AI、セキュリティ、ストレージ機能をオンプレミス環境で利用できます。 この透過的なデータ連携能力は、マルチクラウド環境のデータ制御に大きな力を発揮します。 3. AIワークロードに対する優れた対応力 セルフ型オンプレミスクラウドの提供 IBM Fusion HCI は AIワークロードに特化した柔軟で高度なインフラ基盤を提供します。強みは、watsonx との連携によるセルフ型オンプレミスクラウドの構築が可能 である点です。この連携により、クラウドの利便性をオンプレミス環境に取り入れ、AIモデルのトレーニングやインファレンス(推論)作業をシームレスかつ効率的に進められます。 AI処理に最適化された設計 IBM Fusion HCI には高速な AI処理を実現する設計が施されています。NVIDIA GPU の活用を可能とし、AIモデルのトレーニングや推論の速度を飛躍的に向上させます。また、watsonx.data と組み合わせることでデータクエリのパフォーマンスを従来インフラの最大90倍まで高速化 することが可能です。 エンタープライズグレードのデータ基盤 IBM Fusion HCI はデータレイクハウスとしての機能を提供し、AIワークロードに必要なデータ収集・分析基盤の構築を支援します。エンタープライズ規模の大容量データ管理に対応し高い柔軟性と拡張性を持つため、DX を推進する企業にとって理想的な選択肢と言えます。 4. コスト削減と効率性の向上 VMwareのライセンス費用をカット IBM Fusion HCI は、VMware を利用した仮想化基盤の代替として大幅なコスト削減の可能性とします。物理サーバー上に Red Hat OpenShift環境を直接構築する仕組みによって VMwareライセンス費用や運用コストを削減すると同時に、OpenShift利用における費用も最適化できます。 効率的なリソース管理 コンテナ単位での精細なリソース管理を実現する IBM Fusion HCI は、従来の仮想マシン管理よりも大きな効率性を発揮します。これにより、仮想化環境の課題(例:仮想マシン単位でしかリソースを扱えない問題)を解消し、リソースの使用効率を最大化します。 運用負荷とコストの削減 IBM Fusion HCI は設計・導入・運用にかかる負担を軽減し、運用管理の効率化を達成します。IBM による一元的なサポートが可能なため、トラブル発生時の対応が迅速かつスムーズです。また、watsonx を活用した次世代ワークロードに最適化されており、最新技術を活用しながら長期的なライセンスコストの抑制を実現します。 5. 障害時の運用負荷負担削減 IBM Fusion HCI は、システムの信頼性を高めるために設計された自動監視および報告機能である CallHome機能を搭載しています。そのため、障害発生時に IBM に自動通知でき、運用負担を軽減することができます。統合管理コンソールによりシステムの状態を一元的に確認できるため、トラブルシューティングも容易に行うことができます。 IBM Fusion HCIを利用したユースケース 1. IoTサービスでの利用 製造業で IoTサービスを開始したいという場合、製品や生産機械から IoTデータを収集し、このデータをクラウドなど IoTサービスの拠点に送る必要があります。しかし、生産拠点によってはセキュリティやネットワーク要件が厳しくデータをクラウドに出せないということもあります。 そこで、条件の厳しい工場には IBM Fusion HCI を設置しクラウド同様の IoTサービスを展開することで、エンドユーザーにデータから得られる知見を提供できます。 2. マルチクラウドでの利用 すでに進んでいるクラウド移行を統一管理したい場合にも IBM Fusion HCI は活躍します。例えば、複数クラウドの OpenShift環境に統一したセキュリティポリシーを適用するとした場合、お客様サイトの IBM Fusion HCI を起点として IBM Cloud を介して様々なロケーションの OpenShiftサービスを一元化できます。ポリシーをアップデートする際も変更が自動的に反映されるため、運用管理の負荷が大きく軽減できます。 3. AIワークロードでの利用 AIデータ処理を IBM Fusion HCI上の NVIDIA A100 GPU で実行することができます。これにより、大規模な AIシステムを構成するコアシステムやクラウド上の AIアプリケーションのデータへライブストリーミングすることができます。また、エッジで処理を終えてから、コアシステムやクラウド上のデータレイクやデータウェアハウスに送信するといったことも可能です。 図2:エッジのIBM Fusion HCIでAIデータ処理を実行 次世代のインフラ基盤への鍵を握るIBM Fusion HCI 未来志向のインフラ基盤に求められるのは「柔軟性」「効率性」「スピード」「安全性」です。IBM Fusion HCI は、これらすべてを備えた次世代型のソリューションとして、顧客提案の新しい切り札になると考えられます。 エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェア/ハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Fusion HCI のお客様への提案をサポートします。また、IBM のソフトウェア製品およびハードウェア製品を組み合わせた最適な提案を提供するとともに、製品の特長や利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスをサポートしています。 「お客様のニーズや要件に合わせて総合的なIBMソリューションを提案したい」 「IBM製品の機能や適用方法についての問い合わせに適切に対応したい」 「IBM製品の特長や利点を活かしてお客様ビジネスに最適なプランを提示したい」 といったご要望をお持ちの際は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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