こんにちは。てくさぽBLOGメンバー村上です。
2026年も、気づけばもう1月が駆け抜けていきそうですね。
さて今回は「IBM Bob」検証シリーズPart2をお届けします(Part1 はこちら)。
前回はBobの主要機能のひとつである「Explain機能(コード解析)」をご紹介しました。
今回はコード生成を行う機能「Generate機能」に注目し、アプリケーションの開発に挑戦した内容をお届けします。
はじめに
現在、私たちのチームではIBM BobのPreview版(Early Access版)を利用し、Generate機能によってBobがどんなコード生成ができるのか、どこまでの領域をカバーできるのか、そして実際の業務がどれほど効率化されるのか、その実力と効果を検証しています。
| これまでに実施したGenerate機能の検証例
・IBM Bobでwatsonx Orchestrate(wxO)のAIエージェントを作成 |
今回はこの中から、他社製品との比較が行いやすく、IBM Bob ならではの特徴をより分かりやすく伝えられると考えた「出退勤管理アプリ」に焦点を当ててご紹介します。
IBM Bob がどこまで意図通りの開発ができるか、また、他製品と比較した内容も合わせてお届けします。
IBM Bob のGenerate機能で市民開発を試してみた
「出退勤管理アプリ」作成の過程や成果としてご紹介する内容は下記です。
1. プロンプトの強化:曖昧な指示を具体的に補完
まず、「出退勤管理アプリ」の完成イメージをBobに伝えます。
Bobのチャット画面に、下記のように要件を箇条書きで記載し、要件を書き終わったら「プロンプト強化機能(Enhance Prompt)」ボタンを押下しプロンプトを強化しました(プロンプトの強化についてはPart1のブログでも記載しています)。

上記のプロンプトが下記のプロンプトに強化されました。
| チーム向け勤怠管理Webアプリケーションを以下の仕様で開発してください。 【基本機能】 メンバー全員が互いの勤怠状況を閲覧可能なチーム勤怠管理システムを構築します。 各メンバーは個人アカウントでログインし、自分の勤怠データのみ編集権限を持ち、他メンバーのデータは閲覧のみ可能とします。 【画面構成】 2. 個人別勤怠カレンダー画面:メンバーごとに過去の勤怠実績と未来の勤怠予定を時系列で確認・管理できるページを用意し、日付範囲を指定して表示できるようにします 【勤怠データ入力機能】 【勤務場所の選択肢】 【勤怠種別の選択肢】 【備考欄】 【認証・権限管理】 【技術要件】 |
「プロンプト強化機能」を利用することで、説明が不足している部分をBobが具体的に補完し、精度の高いプロンプトへとブラッシュアップしてくれます。
これにより、要件の意図を正しく反映させるための具体的な指示が整いました。
補足ですが、私は拡張機能として「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」を導入し、IDEを日本語化して利用しています。
(拡張機能の適用方法はPart1のブログにしています)

2. チャットモードを利用した対話型開発
次に、IBM Bob のチャットモードを試してみました。今回利用したのは「Planモード」です。
Planモードを選択した理由は、まずBobが計画立案をしてくれ、その計画を人間側が理解・承認してから開発を進められると思ったためです。

Planモードを利用して先ほど強化したプロンプトをチャット画面から流すと、Bobが下記のように指示が漏れている部分を確認してくれました。
技術スタックの確認:
このWebアプリケーションの技術スタックについて、どのような構成を希望されますか?

詳細な設定確認:
初期メンバー5名の名前を教えてください。ログイン時に使用するユーザー名として設定します。

このように、Bobが具体的な選択肢やデータの入力を促してくれるため、抜け漏れのない状態で計画を立て、実装へと進めることができます。
このTodoリストを承認した後は、Bobがリストを上から順番に自動で進めてくれます。
プログラムを作成する工程まで行くと「Codeモードに切り替えます」と宣言があり、チャットモードがPlanモードからCodeモードに自動で切り替わり、実装フェーズへ移行しました。
この流れは非常にスムーズで、Bob の優秀さに感心しました。
ちなみに、私のPCにはNode.jsがインストールされていなかったのですが
・Node.jsのダウンロード、インストール方法
・コマンド実行がうまくいかなかったときのトラブル対応
は、全てBobが教えてくれました。
教えてもらう相手が人間だと、ある程度調べてから聞かないと迷惑だよなぁ・・と思ってしまうような疑問でも、Bobになら遠慮せず聞くことができるので、スピードを落とさずに作業を進めることができました。
3. 完成した成果物の紹介
こうしたプロセスを経て完成した「出退勤管理アプリ」がこちらです。


市民開発への挑戦を決めた当初は、「どのような指示を出せばいいのか」と少し身構えていました。しかし、実際には細かな指示に悩む必要はなく、Bobがプロンプト強化機能やチャットモードを通じて、使い勝手の良いアプリケーションを自律的に構築してくれました。
完成した「出退勤管理アプリ」には、ユーザー別のログイン機能だけでなく、パスワード変更やチームメンバーが各自のPCからアクセスできる外部接続の仕様まで標準的に実装されており、その完成度の高さには正直驚かされました。
4. プロンプトの強化による成果物の比較
「1.プロンプトの強化」にて、プロンプトを強化してからアプリケーションを作成する方法を記載しましたが、試しに、プロンプトは強化せずに「出退勤管理アプリ」を作成してみました。
成果物にどのような違いが現れたかをご紹介します。
| プロンプト強化前 | 指示が曖昧だった機能は実装されなかった |
| プロンプト強化後 | イメージしていた機能が全て実装された |
プロンプトを強化し指示の解像度を上げることが、そのままアプリケーションの完成度に直結することを実感した検証となりました。
Generate機能の他社製品との比較
さて、今回の検証では「他社製品ではどのような結果になるか」も合わせて検証しました。
正確に比較するため、他社製品もBobと全く同じプロンプトを用いて検証を行っています。
両者の操作感やアウトプットを細かい観点で比較し、Bobの特徴としてお伝えしたい部分を下記の表にまとめました。
| 比較項目 | IBM Bob | 他社製品 |
| ドキュメント生成 | 基盤~運用に関するドキュメントを作成
・基本設計書 |
開発視点のドキュメントを作成
・要件定義書
|
| アーキテクチャのレベル | 本番運用に耐えうる可用性・信頼性を考慮した構成 (フロントエンド・バックエンドの分離) |
すぐに動く構成 (フロントエンド・バックエンドを分離しない構成) |
| デプロイの容易性 | 〇
・プロンプト強化により不足情報が補完 |
△
・プロンプト補完の機能は見当たらない |
今回の比較検証を通して、IBM Bobの自律型エージェントとしての高い実力を実感しました。
実運用に耐えうる構成を自動で選択してくれる点はとても心強いです。また、基盤から運用までを網羅する圧倒的なドキュメント生成力や、対話を通じて迷わず進められるデプロイ支援により、開発のハードルが下がるだけでなく、実装の透明性も高いレベルで担保されています。
作った後もチームや組織で説明・維持ができる、という安心感こそが、IBM Bobが組織利用を見据えたエンタープライズ向けの製品であると言える大きな理由なのだと感じました。
さいごに
Part2となる今回のブログは、IBM Bobの「Generate機能」を使った市民開発をご紹介しました。
実際にBobと一緒にアプリケーションを作ってみて、やっぱりBobは頼りになる相棒でした。
(最近、Bobを実在する人のように「Bobさん」と呼んでしまうことがあります)
私は開発業務に深く携わった経験はほとんどありませんが、今回の検証を通じて、自分の手で形にできるワクワク感を肌で感じることができました。
これからも、この頼もしい相棒と一緒に業務の新しい形を探り、その可能性をパートナーの皆さまにもお届けしていきたいと思います。
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