こんにちは。毎年恒例のIBM社主催「IBM i World 2025」が2025年6月24日(火)・25日(水)の2日間に渡り日本IBM本社 虎ノ門ヒルズにて開催されました。
セミナーではグローバルのCTOによる講演や技術者向けセッション、6社によるお客様事例講演がありました。また、協賛企業による展示ブースも活気あふれる様子でした。
毎年大盛況の本イベントに参加した弊社技術企画本部メンバーより、最新情報をお届けいたします。
注目セッション
メインセッションでは、IBM i の製品戦略や最新テクノロジーの紹介がありました。
IBM i は世界115カ国の様々な規模や業種で利用されるIBMの戦略的製品であり、統合性や継続的な技術革新、セキュリティ強化について語られました。
OSは3年ごとのバージョンアップと半年ごとの新機能追加が行われ、各IBM i OSは10年のサポート・ロードマップが表明されております。また、2025年4月にはIBM i 7.6がリリースされました。特にユーザーの関心はセキュリティに集中しており、IBM i 7.6では多要素認証(MFA)が強化され注目を集めています。また、RPGを主力とした開発者へのサポートやAI技術の統合を進めています。
IBM i は2040年までの確実なロードマップが計画されており、未来に向けたオープンプラットフォームの提供とAI投資も重視されています。
2025年4Qに発表が予定されている「IBM Watsonx Cord Assistant for i」についても最新情報が紹介されました。グローバルチームとは別に日本で進行するプロジェクトチームでは、RPGやCOBOLコードの検証や日本語化対応を実施中です。Saas提供とオンプレミス配置での2つの提供パターンが検討されています。また、自然言語入力からコード生成可能な「VScode」の機能拡張や「コードレンズ」にも要注目です。
YKK株式会社は「IBM Watsonx Cord Assistant for i」のPoCに参加中で、基幹システムでのRPGコード生成に期待感を示しました。
「IBM Watsonx Cord Assistant for i」の今後の動向から、ますます目が離せません。
技術トラック
COMMON*1によって開催された技術トラックでは、IBM i の開発環境に役立つツールやセキュリティー管理ツールの紹介、パートナー企業によるAPI活用やモダナイゼーション実践の講演に参加し、技術スキルを深めることができました。
IBM i 開発において、VS Code + Code for IBM i は新たなスタンダードとなる可能性を秘めたツールだと感じました。特にGitHubとの連携のしやすさが秀逸で、ローカルで編集したプログラムをIFSに直接デプロイし、そのままビルドできる点が非常に便利です。「まずはメモ帳の代わりで試してみる」という姿勢で触れ、このツールの利便性と可能性を実感できると思うので、開発効率を上げたいSEの方には、ぜひおすすめしたいツールです。
IBM PowerSCは、IBM i 含むPowerサーバー環境のセキュリティ管理を強化する優れたツールだと感じました。特に印象的だったのは、コンプライアンスチェックが行えるプロファイル機能と、ClamAVエンジンを用いたマルウェア検出の高い信頼性です。多要素認証(MFA)も簡単に実装でき、TOTPアルゴリズムによる安全性向上も魅力です。さらに、TCP/IPネットワークの侵入検知機能も標準搭載で、疑わしい侵入を早期にキャッチできます。管理の一元化でセキュリティ運用の負担が軽減され、安心して活用できるソリューションだと実感しています。
*1.(参考情報)COMMON=IBMとその関連技術に特化したITプロフェッショナルの世界最大の団体
お客様事例講演
この講演では、各社の赤裸々で熱のこもったIBM i にまつわるDX活用事例が紹介されました。
首都圏のみならず、日本全国でのIBM i への関心の高さを改めて実感しました。
講演企業と講演内容
- 小岩井乳業株式会社 様
「リモートバックアップから始める IBM Cloud活用 PVS One iDRによるBCPへの第一歩」 - 株式会社イーネット 様
「国産汎用機からIBM i へ移行成功、次のステップは」 - アイコム株式会社 様
「AI活用APIとEDIで企業はこう変わる!アイコムにおけるサプライチェーン強化のための成功戦略」 - 株式会社イチネンホールディングス 様
「IBM i 開発環境モダナイズについて」 - 尾家産業株式会社 様
「IBM i を使った尾家流モダナイゼーション~そして、次世代への継承~」 - エム・シーシー食品株式会社 様
「IBM i で実現する未来志向 × 最小工数の新工場システム構築事例」
展示ブース紹介
セミナー会場の一角では、本イベントの協賛企業8社による展示ブースが設けられました。各社イチオシのソリューションについて担当者とマンツーマンでコミュニケーションできる場となっており、大変な賑わいを見せていました。

- 株式会社MONO-X - PVS One –
あたりまえの選択肢となったIBM Power Virtual Serverへのクラウド移行を支援する「PVS One」。クラウド移行における最適解とコストパフォーマンスを最大化する方法をご案内します。 - 株式会社クレスコ・ジェイキューブ - 販売管理システム TREE –
IBM iで稼働する本格的な卸売業向け基幹業務システム。特に、電気・電子部品、電設資材、機械部品の業界には強みのあるパッケージ製品です。システムを中心としたお客様の業務改善やDX対応をご支援いたします。 - 株式会社アイエステクノポート - 待望のWeb版「帳票ワークフロー Ver2.0」&新製品-漢字管理・編集ツール「i-CGU」 –
IBM i 上から帳票の申請承認と押印レスができる「帳票ワークフロー」がバージョンアップし、Webからの操作が可能となりさらに使いやすくなりました。その他、IBMi7.6でサポート終了となるCGUの代替として漢字管理ツール「i-CGU」をリリースしました。IBMi周りのお悩みをトータルに解決します。 - 株式会社GxP -X-Analysis、X-Elevate-
X-AnalysisとAI駆動NLP技術が融合し、IBM i アプリケーションを自然言語で解析。 複雑なコードを分かりやすく説明し、難解なプログラムを意味のある文章に変換します。 この革新的展示ではX-Elevateとともに、IBM i エンジニアの皆様にAI活用による開発変革と 次世代システム構築の可能性をご体感いただけます。(展示製品:X-Analysis、X-Elevate) - 株式会社イグアス -IBM i の総合情報サイト「iWorld Web」-
iWorld Webは、IBM i ユーザー様のための総合情報サイトです。お客様の最新事例やインタビュー、IBM i 関連製品情報やソリューション情報、最新テクノロジー解説記事や動画など、IBM i に関する情報をまとめて、タイムリーにお届けいたします。 - 三和コムテック株式会社 -IBMiを次世代に繋ぐ開発とセキュリティソリューション-
IBMi開発環境を次世代に継承するためのFFRPG化、DXやクラウドとの連携を容易にするAPI化、そして他システムとの連携を支えるIFSを安全に利用するためのアンチウィルスなどこれからのIBMi活用を支える様々なソリューションを展示します。Merlin As A Serviceもご紹介! - ソリューション・ラボ・ジャパン株式会社 -【Quick!シリーズ】RPG研修・ローコード開発フレームワーク・クラウド移行-
SSS(SLJ Sustainable Solutions)は、開発人材不足を解消するRPG研修サービス「Quick! Learning for RPG」、開発プロセスの効率化を図るフレームワーク「Quick! Base for LANSA」、初期投資削減&スケーラビリティ重視のクラウド移行が可能な「Quick! PVS」など様々なソリューションをご用意しております。ぜひお悩みご相談ください。 - 株式会社アグレックス -アグレックス IBM i ソリューション-
◎Toolboxシリーズに新製品「Toolbox API Client(仮)」登場! 簡単にWebAPIアクセスを実現
◎IBM i既存資産とさまざまなフロントエンドシステムの統合環境を実現
◎長年の経験に培われたノウハウを活用したお客さまシステムサポート
まとめ
日本IBM Power事業部の原 事業部長からは「IBM i 」について力強いお言葉がありました。
IBM のど真ん中の製品であり、今後も着実に投資を続けていく。”
弊社では、時代とともに進化を続けるIBM i を今後も見守り続けながらお客様のAI活用やDX推進をご支援してまいります。
Webセミナー版「IBM i World 2025」開催情報
東京会場でのオンサイトイベントに参加できなかった方のために、Webオンラインセミナーが予定されております。
開催日時 | 2025年7月29日(火)、30日(水)10:00-15:00 |
会場 | Webセミナー |
費用 | 無料/事前登録制 |
アジェンダ |
※COMMON Japan 技術トラックも同日開催です。 |
Webサイト | https://ibm.biz/ibmiworld2025 |
案内状 | ![]() IBM i World 2025 (2025年5月21日更新版)ダウンロード(PDF 2.1MB) |
お申し込み | 以下リンクからお申し込みください。 https://ibm.biz/iworld2025nicpartnersweb |
主催 | 日本IBM(株) |
お問い合わせ | IBMiContact@wwwpdl.vnet.ibm.com |
お問い合わせ
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
E-mail:voice_partners@niandc.co.jp