2024年12月

26

生成AIを活用してアプリケーション運用の簡素化と最適化を支援する「IBM Concert」

世界の IT支出は増加の一途を辿っており、これに AI や最新の開発手法を組み合わせると、近い将来、企業が導入・開発するアプリケーションは爆発的な数量になることが予測されています。新たなテクノロジーは企業に革新をもたらすと同時に、複雑さももたらします。

この複雑なアプリケーションの運用・管理を効率化する方法として注目されているのが「生成AIの活用」です。

今回は、生成AI を活用した洞察で管理を強化し、オンプレミスやハイブリッドクラウド環境全体でアプリケーション運用の簡素化と最適化をサポートする「IBM Concert」をご紹介します。

アプリケーション・ライフサイクル管理の大きな課題

ビジネス・アプリケーションは現在、柔軟なリソース配分ができるパブリッククラウドとコンプライアンスを自社でコントロールできるオンプレミス環境を組み合わせて利用するハイブリッドクラウド環境で展開することが主流になっており、今後さらに圧倒的な量のデータと依存関係、絡み合った相互接続や外部サービスとの連携を生み出すことが予測されるため、それらを管理するための様々なツールが必要とされています。

これらの「多すぎるデータ」「多すぎる環境」「多すぎるツール」がアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)の効率を低下させています。

ALM は、ソフトウェア・アプリケーションの構想、開発、デプロイ、管理、保守、および廃止のプロセスを指します。
ALM では DevOps とビジネスの各チームがアプリケーション・ライフサイクル全体にわたって協力し合い、アプリケーションをデプロイして提供しており、そこには要件管理、コンピューター・プログラミング、ソフトウェア開発、ソフトウェア・テスト、保守、変更管理、継続的インテグレーション、プロジェクト管理などの多数の関連分野が含まれます。

一方で、ALMプロセスの導入においては大きく「効率的な拡張性」と「一貫した可視性」という2つの課題があります。これらは、ユーザーに継続的なサービスを提供しながらアプリケーションの複雑なシステム全体に更新、修正、新しいコードをデプロイする必要があるため、たいへん困難な作業です。

さらに、アプリケーションとワークロードがマルチクラウドおよびハイブリッドクラウド・プラットフォームに分散されていて、コンプライアンスなどのアプリケーション管理の重要な部分が特定の部門にサイロ化されている場合、それはさらに困難になります。サイロ化によりコンプライアンス、パフォーマンス、その他の重要な要素を維持しながらアプリケーションをリアルタイムで更新することは非常に難しくなる可能性があるからです。

そのため、これらの課題に対応し克服するには各部門を通した可視化と、さまざまな専門分野のチームおよびメンバーに洞察を提供する ALMソリューションを実装する必要があります。また、近年増え続けているサイバー攻撃へのリスクを最小化するためにアプリケーションのセキュリティ対策も欠かせません。

アプリケーション・ライフサイクル管理とセキュリティ対策で必要なのはプロアクティブな対応

企業にとって増えづけるアプリケーションの複雑な管理とセキュリティレベルを最適化し効率化するためには、「リアクティブ(受け身)」から「プロアクティブ(積極的)」な対応に移行をし、問題が発生する前に課題を認識し、対策を練っておくことが重要です。
その際に留意すべきポイントとして次の3つが挙げられます。

1. 脆弱性管理の導入と強化

サイバー攻撃から重要な資産を守るためには、脆弱性の管理・対応は重要なテーマです。
企業の IT資産の脆弱性を発見し、優先順位を付け、対処するために必要となる継続的なプロセスを導入し強化することで、「プロアクティブな脆弱性の発見と解決」「戦略的なリソース配分」「より一貫した脆弱性管理プロセス」が実現し、脆弱性管理において戦略的に対処しセキュリティ体制を強化することができます。

脆弱性管理には主に次の5つのプロセスがあります。

  1. 資産インベントリと脆弱性の評価
  2. 脆弱性の優先順位付け
  3. 脆弱性の解決
  4. 検証と監視
  5. 報告と改善

特に1と2は非常に重要なタスクでありプロアクティブに対処する必要があるにも関わらず、リソースに限りがある状況においては軽視されがちであるのが現状です。

2. コンプライアンス要件への対応

精査できないほどの膨大なデータ量に対してコンプライアンス管理を効率化し、リソースの使用を最小限に抑え、セキュリティを強化するためには、コンプライアンスへの影響を一元的に把握することできるアプリケーション・コンプライアンスの管理が必要です。
アプリケーション、セキュリティ、およびコンプライアンスの各チーム間でのシームレスな連携が可能となることで、リスク管理とコンプライアンス対応に割く時間とコストを削減できます。

コンプライアンス要件に対応することは、同時にセキュリティ証明書とアプリケーションのパフォーマンスを効率的に管理することも意味します。企業がネットワークに配置されたすべてのセキュリティ証明書のライフサイクルを監視・管理するプロセスは、リリースされるソフトウェアの完全性と信頼性を保証するためにも重要です。

3. 電子証明書管理の自動化

この10年間、セキュリティ強化と危殆化(compromise)リスクの軽減を目的に「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間は著しく短縮化の方向に進んでいます。米Google社から始まったこの動きは、2024年10月に米Apple社が現在最長398日の「SSLサーバ証明書証明書」の有効期間を数年かけて徐々に短縮し、2027年までに最大45日に短縮する投票草案を提出したことでさらに加速しました。

有効期間の短縮化はセキュリティ上のメリットがある一方で、頻繁に更新作業が必要となり、アプリケーション管理者の運用にとって大きな負担となります。SSLサーバ証明書の取得やインストール、更新などといった業務を更新のたびに実施する必要があり、有効期限の異なる SSLサーバ証明書を複数利用している場合には、更新作業漏れによる有効期限切れが発生することでサービス中断のリスクにつながる懸念もあります。

リスクを最小化するためには、電子証明書管理を自動化することが不可欠です。

複雑なビジネス・アプリケーション管理でプロアクティブな対応を実現する「AIによる自動化」

管理するアプリケーションの数が数十・数百となると、このようなポイントを人力で全て把握しタイムリーに対応することは非常に困難です。だからといって放置をすれば、セキュリティレベルが低下するだけでなく多くのリスクを抱え続けることとなります。

そこでこの状況を切り抜けるための方法として注目されているのが、生成AI を活用したアプリケーション管理の自動化です。

生成AI には、課題分類の改善、コード生成、自動修復システムの強化、コンテキスト対応の自動化、コードデバッグの高速化、提案の最適化、上質なドキュメントの生成、リバース・エンジニアリング機能、コードのリファクタリングなど、多くの潜在的なメリットがあります。

自律型IT運用によりオブザーバビリティー(可観測性)を強化することで、システムエンジニアは従来の ITヘルスメトリクスの監視に追われることから解放され、システム遅延、ネットワーク・トラフィック・メトリクス、ネットワーク飽和度、エラー率など、「ゴールデン・シグナル」といったアプリケーションの可用性に影響があるメトリックを把握できます。

また、セキュリティやコンプライアンスの領域でのデータ内異常の特定や過去の障害と対応方法などへの関連付けなどにも生成AI の活用は有用です。

生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォーム「IBM Concert」

ビジネス特化の AIソリューション「IBM watsonx」を搭載し、アプリケーション管理とテクノロジー運用を簡素化および最適化できる生成AI駆動型のテクノロジー自動化プラットフォームが「IBM Concert」です。

IBM Concert は、従来のアナリティクスと IBM watsonx の生成AI を組み合わせることで、運用の健全性に関する包括的な「インサイト(洞察)」を提供し、アプリケーションのライフサイクル全体にわたって重大なリスクを特定します。

具体的には、アプリケーション・データのインベントリ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込みアプリケーション・トポロジを構築することで、異なるツール間で生成・サイロ化された膨大な量のデータを元に統合的な見える化および洞察を行います。また、多様な環境やツールセットにわたる複雑なデータを解釈し、さまざまなディメンションを通じて脆弱性(CVEなど)やコンプライアンスの問題、期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理の問題などに関連するリスクの優先順位付けと軽減、関連するアクションの推奨を行います。

図1. IBM Concertのユースケースと機能概要
図1. IBM Concertのユースケースと機能概要

IBM Concertの3つの特徴

Concert には、大きく次の3つの特徴があります。

1. 360度アリーナ・ビューによりアプリケーションを統合的に可視化

Concert は、既存の環境やツールセットとシームレスに接続し、生成AI(watsonx)でリアルタイムのデータと依存関係をマッピングすることで「360度ビュー」を提供します。さらに、アプリケーション・データ(ソース・コード・リポジトリ、イメージ、環境)を取り込み見える化とインパクト分析を行うことでアプリケーション・トポロジを構築し「アリーナ・ビュー」* を提供します。

これにより、脆弱性に関連するリスクや期限切れの証明書、パッケージのライセンスやバージョン管理、コンプライアンスの問題などを迅速に解決できます。

図2. アリーナ・ビュー
図2. アリーナ・ビュー

*アリーナ・ビュー

アリーナ・ビューは、現在のトポロジー(デプロイされたイメージ、ソース・レポジトリ、アプリケーション定義、環境、プライベート・アクセス・ポイント、および各エンティティ間の関係)をインタラクティブに表示します。オブジェクトの1つにカーソルを合わせるとその名前やその他の識別情報が表示され、依存関係がハイライトされます。また、フィルタリング機能を使い、アプリケーションに関連した情報のみを表示することも可能です。

2. ビジネス・インサイトを生成し問題解決を支援

Concert は、従来の分析と生成AI を組み合わせて運用の健全性に関する洞察を提供し、複雑なアプリケーション管理を省力化するとともに、アプリケーションのライフサイクル全体にわたる重大なリスクを特定します。

さまざまな環境のアプリケーションやツールセットからデータを引き出すことでアプリケーションを全方向から観測できるため、依存関係と接続を分析、リスクやコンプライアンス、費用、セキュリティなどにおける成果主導のビジネス・インサイト(洞察)を生成します。
このインサイトを活用することで、アプリケーションの復旧時間を短縮することができます。

3. アプリケーションの状況を統合的に可視化しリスクや問題を把握し早期に意思決定できるように

Concert に情報を集約し分析をすることで、アプリケーションに対する様々なリスクを早期に把握し対応することができます。

例えば、アプリケーションが持つ脆弱性への対応については、脆弱性とその影響範囲を把握することができ、リスクスコアに応じて自動的にチケットを起票しパッチを適用するといったアクションへ繋げることもできるため、対応にかかる時間を短縮できます。

証明書の管理についても同様に期限や対象を一元管理できるため、更新状況を把握しチケットシステムと連動させることで更新漏れを無くすことができます。また、設定したコンプライアンスポリシーに準拠しているかをスキャンすることで、コンプライアンス違反がどこで起きているのか、何が違反しているかを確認できます。

このように、Concert を活用することで多くのアプリケーションに対してのリスクを軽減し、早期に問題を解決することができるようになります。

まとめ

エヌアイシー・パートナーズは、IBM ソフトウェアおよびハードウェアの認定ディストリビューターとして、IBM Concert も含めた watsonxシリーズのご支援が可能です。

「アプリケーション・ライフサイクル管理で悩んでいる」
「AIを活用した自動化について知りたい」
「watsonx.aiおよびwatsonxシリーズの理解を深めたい」

といったお悩みをお抱えのパートナー様は、お気軽にエヌアイシー・パートナーズへご相談ください。IBM製品の特徴や利点をお客様にわかりやすくご説明するとともに、IBM ソフトウェア・ハードウェアを組み合わせた、お客様・パートナー様のビジネスに最適なご提案をサポートいたします。

お問い合わせ

この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。

 

その他の記事

2025年10月29日

水冷サーバーの違いとは?(レノボの水冷サーバー#2)

公開日:2025-10-29 こんにちは。ソリューション企画部 柳澤です。 前回レノボの水冷サーバーについてのブログを書かせていただき、いろいろなお客様にブログを読んでいただきました。 前回の記事はこちら 昨今、お客様ご自身の身の回りでもChatGPTの普及などでAIについて皆様も身近に感じてこられるようになってきたかと思います。 今後はさらにAI、機械学習、HPCの台頭による計算能力の劇的な向上が見込まれます。 それに伴う発熱量の増加で、従来の空冷システムの限界により水冷技術への注目度が高まっています。 レノボの水冷と聞いて、レノボが今年初めて水冷サーバーを発表したのでは?と思うお客様もいらっしゃるかもしれません。しかし、レノボの水冷は2012年に発表された製品であり、その導入事例も世界に多数あります。 弊社としましては、レノボの水冷サーバーについてラインナップの多さ、その歴史と導入事例の多さから、今後のAIやHPCの需要が高まる時代を取り巻く中で皆様にぜひご提案させていただきたく、今回もレノボの水冷サーバーにテーマを絞ってブログを掲載させていただきたいと思います。 では早速ですが、前回お伝えできなかった部分もふくめて、下記にてさらにレノボの水冷サーバーについて、ご紹介させていただきます。 目次 レノボの水冷サーバーの歴史と導入事例 Lenovo Neptune®とは レノボの水冷サーバーと他メーカーの違いとは レノボの水冷サーバーの問題解決対策について 関連情報 お問い合わせ レノボの水冷サーバーの歴史と導入事例 前述のとおり、レノボの水冷サーバーは発表されてからすでに12年以上経っており、水冷サーバーについては業界をリードする存在です。 導入事例も多数あり、下記の導入事例を含め、世界トップ10のパブリッククラウドプロバイダーで8社を支えるインフラとなっています。各国の研究機関や、企業でも導入が進んでおり、スーパーコンピューターから小規模な拠点まで採用されており、日本でも今後採用が進むことと思われます また以前は空冷サーバーにくらべて10〜20%の追加コストが発生していましたが、これまでの空冷サーバーとの部品共通化でコストの違いはそこまで大きなものにならなくなってきています。 Lenovo Neptune®とは 「Lenovo Neptune®」はLenovoが展開する水冷技術ブランドであり、以下の3つの技術カテゴリで構成されています。 Neptune® :システム全体の温水冷却により温水再利用を実現 Neptune® Core :コンポーネントレベル冷却(CPU、GPU、メモリ)により通気要件を削減 Neptune® Air :空冷ベースシステムでの液体補助冷却 本稿で取り上げるのはこのうちの「Neptune®」の直接液体冷却構成となります。サーバー筐体からラック全体に至るまで、純水を用いた直接水冷(DWC)によって冷却を最適化。空冷ファンを排除し、最大40%の電力削減と100%の熱除去を実現します。AI・HPC用途に最適化された設計で、静音性・省スペース・環境対応の面でも優れています。 導入事例から見るNeptune®の実力 DreamWorks AnimationNeptune®導入により、レンダリング性能20%向上、電力コスト削減を達成。MoonRayレンダラーやArrasクラウド計算システムの性能を最大限に引き出している。事例詳細 韓国気象庁(KMA)8000台のNeptune®搭載サーバーで、気象予測の高速化と省エネを実現。SD650 V2およびSD530サーバーを活用し、精度の高い気象モデルを運用。事例詳細 ハーバード大学同じスペースで従来の4倍の計算性能を実現。Neptune®による完全ファンレス運用で、研究成果の加速に貢献。事例詳細 レノボの水冷サーバーと他メーカーの違いとは 前回の記事でもふれましたが、水冷にはレノボや多くのIAサーバーメーカーが採用している直接液冷と、専用メーカーが採用している液浸冷却などいくつかの方式があります。 直接液冷は発熱源に直接アプローチすることで効率的な冷却と省電力・静音性を実現します。液浸冷却はサーバー全体を冷却液に浸すことで非常に高い冷却能力と省エネ性能、高密度化を可能にしますが、設備投資が高額というデメリットもあります。 では直接液冷のレノボのNeptuneと直接液体冷却方式を採用しているメーカーとの比較とレノボの優位性がある部分はどうなっているのでしょうか。 主な違いは下図のようになっています。 直接液体冷却方式のレノボと他メーカーとの違い レノボの水冷サーバーの問題解決対策について 水冷サーバーというと液体を扱うサーバーゆえにこぼれたり、漏れたりするのではないか、とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。 そのための対策もレノボでは下の表のように対策されています。 いやいや、でもAI×水冷サーバーといったってよくわからないし、というお客様にはレノボさんでAIディスカバリーワークショップもやっていただけます。 ワークショップ→POC→アセスメント→本番環境導入という流れで実施となりますので、ご提案や、ご不明な点などございましたら、ぜひ弊社へお問い合わせいただければと思います。 関連情報 Lenovo サーバー/ストレージ 製品 【参加レポート】Lenovo TechDay @ Interop Tokyo 2025 レノボのファンレス常温水冷サーバーって? 第6世代のLenovo Neptune液体冷却が AI 時代を牽引(Lenovoサイト) 【AI電力消費40%削減事例も】レノボの「直接水冷」Lenovo Neptune™(YouTube) お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年10月22日

今こそ着手すべきセキュリティ対策:サイバーレジリエンス法(CRA)とSBOMの関係

公開日:2025-10-22 目次 はじめに:CRAとSBOMがもたらす変革 CRAが企業に課す義務とタイムライン SBOMの必要性・重要性:CRA対応を超えて CRAとSBOMの具体的な関係 SBOM生成・活用ツールのご紹介 まとめ:SBOMはCRA準拠と持続的な品質維持の鍵 お問い合わせ はじめに:CRAとSBOMがもたらす変革 「サイバーレジリエンス法(CRA)」は、EU市場で流通する「デジタル要素を持つ製品」(ハードウェア、ソフトウェア、IoTデバイスなど)のセキュリティ水準向上を目指し、EUが策定した新たな規制です。この法規制への対応において、中核的な役割を果たすのが「SBOM(Software Bill of Materials:ソフトウェア部品表)」です。 SBOMは、CRA対応に不可欠な構成要素であると同時に、本来ソフトウェアの脆弱性管理やセキュリティ維持を実現するための根本的な情報基盤です。CRAの有無にかかわらず、自社製品の安全性と品質管理の観点から、その導入は急務と言えます。 本記事では、CRA対応に求められるSBOMの具体的な要件と、それが企業のセキュリティにもたらす本質的な貢献についてご説明いたします。 CRAが企業に課す義務とタイムライン CRAは、製品開発の設計段階(Secure by Design)からのセキュリティ考慮を徹底し、製品提供後の脆弱性管理までを一連の義務として企業に課します。主な要件は以下のとおりです。 Secure by Designの文書化:設計段階でセキュリティを考慮した証拠を文書として整備し、補完すること。 脆弱性の特定と報告:製品に含まれる脆弱性を特定・文書化し、迅速に公開する義務。 SBOMの整備:製品構成を「一般的な形式で機械可読」な形で作成し、技術文書の一部とすること。 特に日本企業が留意すべき適用スケジュールは以下の通りです。 日付 義務内容 内容 2026年9月11日 脆弱性およびインシデントの報告義務の適用開始 悪用された脆弱性やセキュリティインシデントについて、EU内の当局へ24時間以内に報告することが求められます。 2027年12月11日 CRA全面施行、CEマーク非取得製品の販売禁止 この日以降、CRAの全要件を満たしCEマークを取得しない製品は、EU市場での販売が原則として禁止されます。 SBOMの必要性・重要性:CRA対応を超えて SBOMは、ソフトウェアに含まれるすべてのコンポーネントや依存関係を網羅的に記録し、脆弱性発生時の迅速な影響範囲の特定と市場対応を可能にするリストです。 2021年12月のLog4j問題*1が示したように、SBOMの有無は企業の対応速度を決定づけます。SBOMが整備されていれば、脆弱性の影響範囲を素早く特定し、迅速な対応が可能となります。逆にSBOMがなければ、企業は重大な潜在的脆弱性を抱えた製品を市場に出し続け、ユーザーのセキュリティリスクを増大させることになります。 このように、CRAの法的要求以前に、SBOMは製品構造を把握し、リスクを継続的に管理するための不可欠なツールです。 *1.脆弱性の重大度を示すCVSSスコアが10点中10点であった、極めて重大な脆弱性。 CRAとSBOMの具体的な関係 CRAは、SBOMを技術文書の一部として位置づけ、「製品の最上位レベルの依存関係を網羅し、一般的に使用される機械可読な形式で作成すること」を義務付けています(附属書I、Part II (1))。 脆弱性への迅速な対応の根幹 SBOMがなければ、製品に含まれるオープンソースの脆弱性情報を把握できず、CRAが求める迅速な脆弱性公開と対応(ユーザーやWebサイトでの情報提供)は実現困難です。CRAが求める「脆弱性を速やかに提出せよ」という要求に応えるための基盤情報こそがSBOMです。 技術文書としての準拠証明 CRAでは、市場監査当局から要請があった場合、製品が要求事項に準拠していることを証明するための情報・文書の提供が義務付けられています。SBOMは、「Secure by Design」の設計思想と継続的な脆弱性管理が実施されていることの客観的な証拠として、極めて重要な役割を果たします。 SBOMは、ソフトウェアの構造把握による脆弱性管理という主目的とともに、CRA準拠を達成するための重要な鍵となります。 SBOM生成・活用ツールのご紹介 CRA準拠のためには、製品の提供形態や開発プロセスに応じ、適切なツールを利用してSBOMを効率的かつ正確に生成・管理する必要があります。 ソースコードを所持している場合:SCA(ソフトウェア・コンポジション解析) オープンソース活用が不可欠なソフトウェア開発では、使用しているライブラリと、それに内在する脆弱性を把握するために、「SCA(Software Composition Analysis/ソフトウェア・コンポジション解析)」が必要です。 ソリューション:HCL AppScan on Cloud の SCA 機能 HCL AppScan on Cloud の SCA 機能は、ソースコード内の依存関係ファイルを解析し、ソフトウェア内のOSSコンポーネントを検出、脆弱性を持つものを特定します。 OSS情報の検出と脆弱性特定:ソースコードからOSS情報を検出し、脆弱性を持つコンポーネントを特定します。 業界標準フォーマット対応:SBOM出力の業界標準の一つであるSPDX 2.3フォーマットに対応。これはCRAが要求する「一般的に使用され、機械可読な形式」でのSBOM作成に貢献します。 バイナリデータからSBOMを生成する場合 組み込みソフトウェアやファームウェア、あるいはサプライヤーから受け取ったソースコードがない(またはアクセスできない)バイナリデータのセキュリティを検証したい場合に有効なのが、バイナリ解析ツールです。 ソリューション:SBOMスキャナ サイエンスパーク社の「SBOMスキャナ」は、以下のユニークな特色を持ちます。 バイナリデータからのSBOM生成: PCアプリケーションやWebサイトだけでなく、監視カメラ、ネットワーク機器、IoTデバイスなどの組み込みソフトウェアのバイナリデータからも、簡単にSBOMを生成します。 脆弱性レポートの生成:生成したSBOM情報(OSSのベンダー、プロダクト、バージョン)とCVE(Common Vulnerabilities and Exposures:脆弱性に付与される識別番号)を突き合わせ、脆弱性レポートを迅速に生成します。 オフライン対応:オフライン環境での利用が可能であり、機密性の高い環境でも安心して利用できます。 まとめ:SBOMはCRA準拠と持続的な品質維持の鍵 CRAの適用期限が目前に迫る今、SBOMによる効率的な脆弱性管理が、CRA準拠を成功させる鍵です。 SBOMは単なる法対応のための手段ではなく、企業が持続的にソフトウェアの品質を維持し、安全な製品を市場に提供するための基本情報基盤です。 法施行に向けたタイムラインを強く意識し、本記事で紹介したような適切なツールを活用して、迅速にSBOMの整備に着手することが、企業の競争力維持に不可欠です。 ご紹介したソリューション 【HCL AppScan on Cloud】 HCL AppScan(エヌアイシー・パートナーズ株式会社 サイト (AppScan 全般)) HCL AppScan on Cloud(HCLSoftware サイト(開発元)) ※HCL AppScan on Cloud の SCA 機能は、HCL AppScan on Cloudのオプションです。 【SBOMスキャナ】 SBOMスキャナ(エヌアイシー・パートナーズ株式会社 サイト) SBOMスキャナ(株式会社サイエンスパーク サイト(開発元)) お問い合わせ 上記製品についてのお問い合わせ、ご説明のご依頼、お見積り依頼など、エヌアイシー・パートナーズまでご相談ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年10月10日

現地からお届け!【参加レポート】IBM TechXchange 2025 Orlando

公開日:2025-10-10 こんにちは。 現在エヌアイシー・パートナーズ 技術企画本部のメンバーで、アメリカのオーランドで開催されている「IBM TechXchange 2025」に参加しています。 (現地時間:2025年10月9日、日本時間:2025年10月10日時点) 本記事では 現地からの速報 として、このイベントの概要や見どころ、最新情報をお伝えいたします。 目次 イベント概要 IBM Techxchange 2025 主要メッセージ - 1. Anthropicとのパートナーシップ発表 - 2. コード開発AI Agent「Project Bob」 - 3. AI基盤のための「Project Infragraph」 AI Accelerator “Spyre” Observability さいごに お問い合わせ イベント概要 IBM TechXchange は世界各国のIBMファンが集う年に1度の技術者向けイベントで、今年は3回目となりました。 年々規模も参加者も拡大しており、IBM TechXchange 2025 では、1,800以上の技術者向けセッションがあり、その中で400以上のハンズオンラボやデモが展開されています。 今年はアメリカのフロリダ州にあるオーランドの Orange Country Convention Center にて10月6日から10月9日の4日間で開催中で、日本から100名近くの方々が参加しています。 今年のテーマは「we are GO / Explore Build Launch 」です。 IBM Techxchange 2025 主要メッセージ TechXchange 2025の基調講演では、AIエージェントを活用・展開するために必要となる4つの要素を紹介していました。 この4つの要素のうちEcosystem・Developer Tools・AI infrastructure managementについてお伝えします。 Ecosystem IBMが単独でAIエージェントを開発・展開するのではなくパートナーシップやIBMパートナーがAIエージェントを開発・運用することでOpenな展開をしていくという方針となります。 この方針を実現するためにAgent Connectプログラムを展開しており、多数のAIエージェントを早期に提供することを目指しています。 Developer Tools Developer Toolsとしてドメインエージェントの提供があります。 ドメインエージェントとは、業務特化型のエージェントを指します。例えば購買業務に特化したエージェントであったり、人事業務に特化したエージェントです。 AI infrastructure management AIを利用する上で必要となる基盤の管理を指します。これを実現するためにProject “Infragraph” というプロジェクトでソリューション提供を目指しています。   他にも、TechXchangeでは様々な新しい発表がありました。その発表の中から今後大注目となる3点について共有します。 1.  Anthropicとのパートナーシップ発表 既に日本でもニュースとなっているので認識されている方も多いと思いますが、Anthropicとのパートナーシップの発表がありました。 IBMはAIのガバナンス、セキュリティ、オブザーバビリティ分野でソリューションを提供しており、これがIBMの強みとなっています。Anthropicとの協業は、この強みを背景とした補完的なパートナーシップであると思われます。 このパートナーシップの目的は、LLMであるClaudeをIBMソリューションに組み込むことだけではありません。企業ユースでAIエージェントを開発・運用する時に検討が必要となる要素を体系化した「Architecting secure enterprise AI agents with MCP」をIBMが作成し、Anthropicがそれを検証する協業も行っています。 このガイドを参照してAIエージェントを開発することで、今後拡大が見込まれるAIエージェントを安全かつ安心して活用できるベースとすることができます。 2.  コード開発AI Agent「Project Bob」 統合開発環境(IDE)をエージェント型で提供する「Project Bob」が発表されました。 このニュースと共にかわいらしいマスコットのBobもお披露目になりました。 Project Bobを利用することで、コードをバージョンアップするための設計、テストの自動化、本番運用、コンプライアンス維持と開発のライフサイクル全体をAIエージェントを用いて自動化することができます。 Project Bobは、発表と共にPublicプレビュー段階に入りました。 開発者のワークフロー負荷を軽減してくれるProject Bob の提供開始が楽しみですね! 3.  AI基盤のための「Project Infragraph」 HashiCorpが主体となって開発している基盤自動化のためのプロジェクトです。 詳細は不明ですが、以下の実現を目指しています。 サイロを横断した統合インサイト クラウドインフラストラクチャーリソースを単一のビューで把握できます。 実用的なインテリジェンス コストの最適化、ガバナンスの強化、リスクの軽減に役立つコンテキストを提供します。 自動化の基盤 インフラストラクチャークラウド全体にわたる、次世代のインテリジェントなAI駆動型運用を実現します。 AI Accelerator “Spyre” IBM Spyre Accelerator はエンタープライズワークフロー向けのAIソリューションを提供し、AIサービスを簡単にインストール・構成・移動できる統合された推論プラットフォームとアクセラレートされたインフラストラクチャーを備えています。 Spyreのユースケースとしては、IT運用、開発、ERP、銀行・金融、ヘルスケア、保険、公共分野など、様々な業界でデジタルアシスタント、データ・コンテンツ管理、ディーププロセス統合などのプリビルドAIサービスを提供します。 Observability AI Firstとして各種機能提供、Intelligent、Integrated experienceとしてUIやDataレイヤーの統合がされるという情報が共有されました。 またAIキーワードとしてはLLMやAIのワークロードをInstanaでObservabilityする機能が2025 4Qのロードマップとして示されました。 さいごに 2日目の夜のお楽しみとして「Evening Entertainment at Universal Orlando Resorts Islands of Adventure」が開催されました。 世界各国から集まった技術者とともに過ごした Universal Orlando Resorts Islands of Adventure での一夜は格別な体験となりました。 さて、本日、来年のTechXchangeがアメリカ ジョージア州の「アトランタ」で開催されることが正式に発表されました。 次回のイベントにも期待が高まります! お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

2025年10月06日

【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第二回 開催しました

公開日:2025-10-06 こんにちは。てくさぽブログメンバーの高村です。 2025年9月24日に第2回「watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ」を開催しました。 第一回(7月開催)では、アップデートされた watsonx Orchestrate の基本的な使い方をご紹介しました。詳しくは、ブログ記事「【イベントレポート】watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ第一回 開催しました」をご覧ください。 今回の第二回では、Agent Development Kit(以下、ADK) を用いた、Pythonによるエージェント開発のハンズオンを実施しました。 また、第1回同様、ハンズオン終了後にはグループに分かれてワークショップを行いました。参加者様同士が、日々の業務で抱えている課題を洗い出し、AIを活用して解決できる方法についてディスカッションし、その結果を発表する時間を設けました。参加者同士のコミュニケーションも活発に行われ、有意義な時間となりました。 それでは、当日の様子をご紹介します。 目次 watsonx Orchestrate概要 watsonx Orchestrateハンズオン- Agent Development Kitを用いたエージェント開発 ワークショップ まとめ お問い合わせ watsonx Orchestrate概要 このセッションでは、watsonx Orchestrate概要、ユースケース、ご提供プランをご紹介しました。 watsonx Orchestrateでは、ユーザーの目的や業務に合わせたエージェント開発が可能です。開発方法としては、ローコード と コーディング の両方が提供されており、ニーズに応じて選択できます。 今回のハンズオンで使用して頂く Agent Development Kit(ADK) および watsonx Orchestrate Developer Edition は、コーディングによるエージェントやツールの開発を支援するための環境です。Toolは Python または OpenAPI 定義によって開発でき、高度な実装やデバッグも柔軟に行えます。 watsonx Orchestrateのご提供プランは、Essentials Agentic、Standard Agentic、Premium Agenticの3種類があり、特に最近ご質問の多いEssentialsとStandardの規模感と費用感についても目安をご紹介させて頂きました。 watsonx Orchestrateハンズオン – Agent Development Kitを用いたエージェント開発 ハンズオンでは、ADK と watsonx Orchestrate Developer Edition を使い、実際にエージェント開発を体験していただきました。 参加者には事前に IBM Technology Zone(以下、Techzone) の ADK 環境を予約していただき、VSCode がインストールされた環境で開発を進めました。VSCode上でADKを利用し、完成したエージェントを watsonx Orchestrate Developer Edition にインポートして動作確認を行う流れです。 実施内容 Tool・Agent の作成 watsonx Orchestrate Developer Editionで Agent の動作確認 Knowledge を使用する Agent の作成 内部基盤モデルの追加 Flow の作成 実施した内容の中でTool、エージェントの作成とwatsonx Orchestrate Developer Editionで エージェントの動作確認について簡単にご紹介します。 作成して頂いたエージェントは、入力フレーズを造語「ザルガリ語」に翻訳し、その文字数をカウントした後、ジョークを回答します。 まずADKから①Tool(translateToZargari)と②Tool(word_length)をPythonで定義してwatsonx Orchestrate Developer Editionへインポートします。下記画面ショットのサンプルはtool() 関数を利用することでエージェントが使用可能なツールとして定義します。 次にエージェントをyaml形式で定義し、watsonx Orchestrate Developer Editionへインポートします。下記がエージェントのサンプルです。エージェントのスタイル、基盤モデルの指定、振る舞い、使用するtoolを定義します。 最後にwatsonx Orchestrate Developer Editionでエージェントの動作確認を行います。下記画面ショットがwatsonx Orchestrate Developer Editionのホーム画面です。watsonx Orchestrate Developer Editionは本製品とほぼ同等の機能を利用することができます。 Previewでエージェントの動作確認を行い、想定通り入力フレーズがザルガリ語に翻訳され、文字数をカウント、ジョークが生成されることを確認しました。 Tool、エージェントの作成、エージェントの動作確認のハンズオンは以上です。その他のハンズオンについて詳しく知りたい方は、ブログの最後に記載している「お問い合わせ」までお気軽にご連絡ください。 ワークショップ ワークショップでは2チームにわかれて日々の業務やお客さまの業務で困っていることを洗い出し、AIでの解決方法を考えるブレインストーミングを行いました。 以下のステップで進行しました 個人作業:「時間がかかっていること」「困っていること」「やりたいのにできていないこと」を3つ挙げ、ポストイットに記入し、AIでの解決可能性を考える チーム作業:模造紙にポストイットを貼りながらカテゴリー分け、AI活用のアイデアをディスカッション。 チームで話あったことを発表 当日挙がった意見を抜粋してご紹介します。 「検索業務に関して検索結果が多すぎて回答にたどり着くまで時間がかかる」 「顧客からの質問に対する回答探しに手間取る」 「同じ質問に対して効率化できないか」 AI活用について RAGを取り入れる方法 予め質問と回答を用意しチャットボットで回答させるなど工夫が必要 といった意見が出ました。 その他、コード開発でのレビューや修正にAIを活用すること、複雑な社内手続きをスムーズにするためにAIエージェントを導入する可能性についても、意見が挙がりました。 AIでどのように解決できるか、具体的な方法まで議論が進んでいない項目もありましたが、参加者同士で現在の課題や困りごとを共有いただけたことは大きな収穫でした。 今回の意見交換が、社内の「クライアントゼロ化」や日々の業務改善の検討につながる一歩となり、今後の改善活動に活かしていただけると幸いです。 まとめ 第2回 watsonx Orchestrate テクニカルワークショップ では、ADKと watsonx Orchestrate Developer Edition を用いてコードベースのエージェント開発を体験していただきました。 後半のワークショップでは、日々の業務課題から、AI活用について活発な意見交換が行われ、技術的な学びと参加者間の交流の場となりました。 今後も、製品を実際に体験できるハンズオンと、参加者同士が交流・情報共有を行えるワークショップを継続的に開催してまいります。次回もぜひご参加いただけますと幸いです。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社技術企画本部E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .bigger { font-size: larger; } .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .table { border-collapse: collapse; border-spacing: 0; width: 100%; } .td { padding: 10px; vertical-align: top; line-height: 1.5; } .tbody tr td:first-child { font-weight: bold; width: 20%; } .tbody tr td:last-child { width: 80%; } .ul { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .ol { margin: 0 !important; padding: 0 0 0 20px !important; } .tr { height: auto; } .table { margin: 0; } *, *:before, *:after { -webkit-box-sizing: inherit; box-sizing: inherit; } .html { -webkit-box-sizing: border-box; box-sizing: border-box; font-size: 62.5%; } .btn, a.btn, button.btn { font-size: 1.6rem; font-weight: 700; line-height: 1.5; position: relative; display: inline-block; padding: 1rem 4rem; cursor: pointer; -webkit-user-select: none; -moz-user-select: none; -ms-user-select: none; user-select: none; -webkit-transition: all 0.3s; transition: all 0.3s; text-align: center; vertical-align: middle; text-decoration: none; letter-spacing: 0.1em; color: #212529; border-radius: 0.5rem; } a.btn--orange { color: #fff; background-color: #eb6100; border-bottom: 5px solid #b84c00; } a.btn--orange:hover { margin-top: 3px; color: #fff; background: #f56500; border-bottom: 2px solid #b84c00; } a.btn--shadow { -webkit-box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, .3); }

back to top