2023年03月

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【てくさぽBLOG】IT資産管理ソリューション「Flexera One with IBM Observability」を使ってみる(Part2)

こんにちは。てくさぽBLOGメンバー佐野です。

前回のPart1 では、Flexera One の概要と検証環境についての説明をしました。
今回のPart2では実際に導入検証した内容を共有します。

前回のおさらいとして、検証環境の構成を再掲します。

検証環境の構成

今回の検証手順の紹介において、Flexera OneはSaaSですので、SaaSの契約およびプロビジョニングまで完了していることが前提となります。
また、初回ログインのための最初のユーザー登録は済んでいる状態と想定しております。ログインが求められる場合にはこのユーザーで実施下さい。

導入手順の検証

Flexera One を検証するにあたって、以下の手順で構築を進めました。

  1. ビーコンサーバーの構築
  2. エージェントの導入
  3. レポートの出力

今回はエージェント導入先として Windowsサーバーへの導入検証結果・手順を共有します。
※エージェント導入対象サーバーの構築手順については省略します

1.ビーコンサーバーの構築

まず初めにビーコンサーバーを構築します。

ビーコンサーバーを構築

システム要件に書いてある通り、OS は Windows Server 2012 から 2022、Windows 8,10,11 がサポート対象です。
ソフトウェアの要件として Power Shell 3.0以上と IIS7.0 with ASP.NET 4.5.2以上(ただし.NET v 4.6.2以上推奨)が必要です。

本検証環境では Windows Server 2022 を利用しています。
※英語版で構築したため画面ショットが全て英語となっていることご了承ください。

ビーコンサーバーを構築するためには以下のステップが必要となります。それぞれについて操作を進めていきます。

1-1.事前設定(信頼済みサイトの設定、IIS導入、.NET導入、TLS設定)
1-2.ビーコンサーバープログラムのダウンロードおよびインストール
1-3.ビーコンサーバー設定

1-1.事前設定(信頼済みサイトの設定、IIS導入、.NET導入、TLS設定)

IBM Cloud上にデプロイされている Windows Server 2022 ではシステム要件に必要な IIS、.NET などは導入済みでしたので省略します。TLS も要件にある 1.1/1.2 が設定されていました。
個別に設定が必要なものは「信頼済みサイトの設定」のみでした。
IEのインターネットオプションから「Trusted Site」で指定されたドメインを信頼済みサイトとして登録します。

検証時点ではSaaSの管理サーバーとして選択できるロケーションがヨーロッパと北米であったため、距離が近い北米で契約・デプロイしました。そのため、「https://app.flexera.com」を設定しています。
※2023年3月時点ではアジアも選択できるようになっています

事前設定

これで事前の設定は終了です。次にビーコンサーバーのプログラムを導入していきます。

1-2.ビーコンサーバープログラムのダウンロードおよびインストール

Flexera One の管理画面にログインし、プログラムをダウンロードします。

  • 左側のペインにある「Data Collection」から「IT ASSETS INVENTORY TASKS」内の「Beacons」を選択します。
  • 画面右上に表示されている「Deploy A Beacon」ボタンを押します。
  • 「Download a beacon」内にある「Download A Beacon」ボタンを押します。もしバージョンを変更したい場合には「Version to Deploy」欄に表示されているバージョンから変更ください。

Flexera One管理画面

ビーコンサーバー上以外でダウンロードを実行した場合にはダウンロードした実行ファイルをビーコンサーバーへコピーします。

  • 実行ファイルを右クリックし「管理者として実行」を選択し実行します。
  • 「Next」を押し、操作を進めます。特に何かを変更する必要はありません。
    「Configure Scheduled Tasks」では「Run as a named user」が選択されているのでそのまま、管理者権限を持つユーザー名とパスワードを入力します。
  • “Install Wizard Completed”が表示されればインストール終了です。

インストール終了

1-3.ビーコンサーバー設定

次にビーコンサーバーからインベントリ情報をFlexera One環境へアップロードするための設定をします。

  • インストールした「FlexNet Beacon」を右クリックし「管理者として実行」を選択し実行します。
  • Parent Connectionを有効化するため「Enable parenet connection」にチェックを入れます。
  • 「Configure inventory beacon connection」内の「Configure and import configuration file」をチェックし「Download Configuration」ボタンを押します。

Download Configuration

  • ブラウザが自動的に起動し、Flexera Oneの画面が表示されますのでログインします。
  • 「Configure Beacon」ページが表示されるので、Name欄にビーコンサーバーの名前を入れます。今回はビーコンサーバーのホスト名である「IBMcloudBeaco」と入れます。他の項目は変更しません。
  • 「Download Configuration」ボタンを押します。拡張子が「flxconfig」となっているファイルをダウンロードし保存します。

flxconfig

  • (FlexNet Beaconが起動していない場合)ビーコンサーバーの「FlexNet Beacon」を右クリックし「管理者として実行」を選択し実行します。
  • ウィンドウの真ん中にある「Download and import configuration file」を選択し「Import configuration」ボタンを押します。
  • 先ほどダウンロードした設定ファイルをインポートし「Connection details」欄にServer URLやDownload URL、Upload URLなどが表示されることを確認します。
  • その後、Testing parent connectio…欄の結果が “Succeeded” になることを確認します。

Succeeded

  • Flexera One画面の左側のペインにある「Data Collection」から「IT ASSETS INVENTORY TASKS」内の「Beacons」に登録したビーコンサーバーが表示され、「Connectivity status」が “Connected” になっていることを確認します。

Connected

ここまででビーコンサーバーの設定は終了です。
次に管理対象サーバーにエージェントを導入します。

2.エージェントの導入

管理対象サーバーにエージェントを導入します。
今回は Windowsサーバーへエージェントを導入する手順を紹介します。

エージェントの導入

AIX や Linux は設定ファイルの書き方や実行方法が異なりますので詳細はエージェント導入のドキュメントをご参照下さい。
また、導入先のシステム要件は必ず事前に確認するようにして下さい。

エージェントの導入は以下ステップで実施します。

2-1.エージェントをダウンロードする
2-2.エージェント導入前の設定ファイルを作成する
2-3.エージェントを導入する

2-1.エージェントをダウンロードする

Flexera Oneエージェントを管理画面からダウンロードします。

  • 左側のメニュー「Data Collection」から「IT ASSETS INVENTORY TASKS」内の「Inventory Settings」を選択します。
  • Inventory agent for download欄にある”Inventory agent:”からバージョンと導入先プラットフォームに適切な組み合わせを選びます。今回はWindowsなので”Version 19.1.0 FlexNet Inventory Agent”を選択し「Download」ボタンを押します。
  • また、この後設定に使う設定ファイルも”Download bootstrapping template file”リンクからダウンロードします。
  • ダウンロードしたエージェントのプログラム(ZIP)を解凍し設定ファイルを「FlexNet Inventory Agent.msi」と同じディレクトリ内に配置します。

エージェントをダウンロード

2-2.エージェント導入前の設定ファイルを作成する

こちらを参考にしてエージェント導入前に設定ファイルを作成します。

  • ダウンロードした設定ファイルから3点変更します。
    • URLを変更
      DEPLOYSERVERURL = http://10.244.0.4/ManageSoftDL
      ※”10.244.0.4″はビーコンサーバーのIPアドレスを指定します。
    • 以下2行の冒頭にあるコメント(;)を外す
      TMPMAINDIR = c:\Program Files\ManageSoft
      USAGEAGENT_DISABLE = False

エージェント導入前の設定ファイルを作成

2-3.エージェントを導入する

  • 「FlexNet Inventory Agent.msi」を実行します。
    基本、デフォルトの選択のままで進めればOKです。
    エラーが発生せずに”Install Wizard Completed”と表示が出ればインストール完了です。

エージェントを導入

  • エージェント導入後にしばらく待つと、Flexera One管理画面の左側のペインにある「Inventory」から「INVENTORY」内「All Inventory」ページにエージェントを導入したホスト名が表示されます。
    ホスト名が表示されたらエージェントから収集したデータがビーコンサーバー経由でFlexara One環境にアップロードされたため、正常にセットアップできたことが確認できました。
    ※図はWindowsだけでなくPower Virtual Serverもエージェントを導入した後となります

Power Virtual Server

3.レポートの出力

ソフトウェアの導入状況と数量のレポートを出力します。
エージェント導入サーバーに管理対象となるソフトウェアを導入し、Flexera One の管理画面でライセンスの登録およびレポート出力を実行します。

レポートの出力

今回はIBMソフトウェアをサブキャパシティとして利用していることのレポートを出力します。
対象ソフトウェアは WebSphere Application Server 9.0 Base(以下 WAS)となります。

レポート出力は以下のステップで実施します。

3-0. エージェント導入サーバーへWASの導入
3-1. ライセンスの登録
3-2. ライセンス数量入力
3-3. レポート出力

3-0. エージェント導入サーバーへWASの導入

エージェント導入サーバーへ WAS を導入します。

この手順はエージェント導入前に実施しても問題ありません。
※本ブログはFlexera Oneの導入ブログであるため、WAS の導入手順は省略します

3-1. ライセンスの登録

レポートを出力するためには、ご自身が所有しているライセンスを登録し、そのライセンスを Flexera One が検出したソフトウェアと紐づける必要があります。
そのため、まずは利用しているソフトウェアのライセンスを登録します。

  • Flexera One管理画面の左側のペインにある「License」から「LICENSE MANAGEMETNT」内「All Licenses」を選択します。
  • 画面中央付近にある「Create A License」ボタンを押します。

ライセンスの登録

  • 「Application:」欄に”WebSphere Application Server”を入力し「Search」ボタンを押します。
  • 検索結果に表示されたProductから導入している製品(WebSphere Application Server 9.0 Base)を選択します。
  • 「Add Application」ボタンを押します。

Add Application

  • 「License Type」で「IBM PVU」を選択します。
  • 「Create」ボタンを押します。

Create

これで WebSphere Application Server のライセンスが登録できました。

WebSphere Application Serverのライセンス登録

この後に保有しているライセンス数量を入力します。

3-2. ライセンス数量入力

保有している WAS のライセンス数量を入力します。

  • 右側にある「Compliance」を選択し、中央ペインの下段に「Entitlements and consumption」項目にライセンス数量を入力します。
  • 「Extra entitlements」項目の「+」の右側に保有しているライセンス数量を入力します。
    今回は400PVU分と入力し、ページ右上にある「Save」ボタンを押します。

ライセンス数量入力

これでライセンス数量の入力まで終わりました。

3-3. レポート出力

最後にレポートを出力します。

今回は IBMソフトウェアをサブキャパシティとして利用していることのレポートとなるので、IBM の Auditレポートになります。
※WAS は PVU課金の製品であるため、PVU課金のレポート画面から内容を確認した上で Auditレポートを出力します

  • Flexera One管理画面の左側のペインにある「Reporting」から「LICENSE REPORTS」内「IBM PVU License Consumption」を選択します。
  • 「Run Report」ボタンを押します。
    少し待つと、画面下段の表に「License Name」が「IBM WebSphere Application Server 9.0」となっている項目が出てきます。
    ※画像では他のソフトウェアも表示されています

    表内で「License Consumption」列に現在WASが稼働しているサーバーのスペックにあわせたPVU数が表示されていることを確認します。
    ※反映までに時間がかかることがあるので、もし出てこない場合には翌日再確認してみてください

レポート出力

  • 正しく内容が反映されている場合には「Run Report」ボタンの右側にある「Download the IBM audit report」リンクをクリックします。
  • これにより、ZIPファイルに圧縮されたIBM Audit Reportをダウンロードできます。
    IBMへはこちらのZIPファイルをご提出ください。
  • ZIPファイルの中身を見ると、環境内にあるPVU・VPC課金、Cloud Pakライセンスのインベントリ情報、使用数量などのデータが入っているCSVファイルが存在することが分かります。
    (各CSVファイルの中身を確認し、保有数量と消費している数量に乖離が無いかを念のためご確認頂くのがよいでしょう)

ZIPファイルの中身

おわりに

Flexera One を使った IBMソフトウェアのライセンスの監査レポートの出力までの手順を追って説明いたしました。
今回は Windowsサーバーを対象にした手順をご紹介しましたが、AIX や Linux の場合に異なるのはエージェントの導入方法のみで管理画面の操作方法は同じです。

管理対象のプラットフォームが違っていても一つの画面でソフトウェアの導入状況が分かり、監査レポートとして提出できるのは非常に良い点だと感じました。
また、Flexera One を利用する際に RDBMS をはじめとした他の製品が不要なので、問題の切り分け対応が楽です。

今回は検証していませんが、SaaS や IaaS のコスト管理・最適化機能もありますので、ソフトウェアを管理するだけでなくSaaS含めたコストの最適化ができ、応用範囲が広い製品です。
ご興味ある方は是非使ってみて下さい。

お問い合わせ

この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。

エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部

E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

 

 

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2025年07月11日

【参加レポート】Domino Hub 2025

公開日:2025-07-11 みなさまこんにちは。ソリューション企画部 松田です。 2025年6月19日・20日と2日間に渡って開催された「Domino Hub 2025」に参加しました。これは HCL Ambassador有志が企画・実行する Dominoコミュニティイベントです。去年に続き、今回が3回目の開催となります。 昨年同様、今回もエヌアイシー・パートナーズはスポンサーとしてご支援させていただき、両日参加いたしました。そのレポートをお送りします。 目次 イベント概要 セッション内容 - Domino 14.5 リリース 特徴的機能とライセンス改定 -ロードマップ -お客様事例:曽根田工業様 最後に 関連情報 お問い合わせ イベント概要 「Domino Hub」は、HCL Ambassadorが主宰となり、Dominoの利用者、開発者、ソリューションベンダーが一堂に会するコミュニティイベントです。今回は1日目がオンライン、2日目はオンサイトのみの開催でした。 特に2日目は参加率が非常に高かったとのことで、会場も大変盛況でした。結婚式場としても使われている今回の会場は、中庭から陽の光が差し込み、解放感があるラグジュアリーな空間で、一般的なビジネスミーティングよりも上質な雰囲気が感じられました。 併せて展示ブースも設置され、Dominoアプリケーションがスマートフォンやブラウザで使えるようになる「HCL Nomad」などのHCL製品とともに、様々なビジネスパートナー様の多彩な関連製品が数多く展示・紹介されていました。 セッション内容 2日間で全22セッションが行われました。セッションはHCLをはじめ、HCL Ambassadorから、様々な開発ベンダー、製品ベンダー、エンドユーザーからの事例紹介などのセッション、そしてパネルディスカッションがありました。まずHCLからのセッション内でのトピックをお伝えします。機能のみならずライセンスまわりで大きなニュースもありました。 Domino 14.5 リリース 特徴的機能とライセンス改定 Domino Hubの2日前、2025年6月17日にリリースされました。 Domino IQ 特徴的な機能で最も注目すべき、今回もご説明に時間を割かれていたのが「Domino IQ」です。 一言で言えば「Domino内にローカルでLLMを持たせ、蓄積されてきたDominoアプリ内の情報も取り込み、セキュアな環境で生成AIを用いた業務を実現する」ものです。 企業内業務で生成AIをどのように実装し利用していくかは今、皆様の大きな関心事項であられると思います。自社のDomino環境内で、Dominoアプリケーションを用い、Notesクライアントからそれが実現できることになります。 (画像クリックで拡大) Nomad for Web COM対応 またNomad for WebがCOMに対応したことにより、これまではNotesクライアントだけでしかできなかったExcelやPowerPointを埋め込んだDiminoアプリもブラウザから利用できるようになりました。 ライセンスダッシュボード:DLAUの統合 これまでGitHubからダウンロードしてセットアップしていたDomino License Analysis Utility (DLAU)がDomino内にデフォルトで統合され、The Domino License Administration (DLA) となりました。 (画像クリックで拡大) ライセンス改定 そしてライセンスにも大きなベネフィットが付加されました。CCB Termライセンスにはこれまで「Domino Leapで5アプリケーションまで開発・利用が可能」という権利が含まれていましたが、2025年7月1日からその制限がなくなりました。すなわち「2025年7月1日以後有効なCCB Termライセンスをお持ちのお客様は、Domino Leapのフル機能が利用できる」となります。 同時に、Domino Leapライセンスの利用範囲であるHCL Enterprise Integrator(HEI)の利用権利も含まれます。これでCCB Termライセンスのみで、追加費用なく「ブラウザによるノーコード/ローコード開発」「基幹業務とDominoアプリケーションの連携」が可能になります。 さらにCCB Termで利用できるSametime Chatで添付ファイルと画像添付も可能になりました。 ロードマップ Domino、Notes、Verse、Nomadなど各ソリューションについてのロードマップも紹介されました。先々の計画は出てこないものですが、このようにHCLから明確に提示されることにより、Dominoをお使いのお客様はこれからも安心して利用を継続していただけると思います。 Dominoのロードマップ(画像クリックで拡大) Notesのロードマップ(画像クリックで拡大) Nomad, VerseといったエンドユーザーのUI部分が短期間でバージョンアップされていく。(画像クリックで拡大) お客様事例:曽根田工業 様 Dominoユーザーの有限会社曽根田工業 代表取締役 曽根田 直樹 様より、Domino事例のご講演がありました。曽根田様は2001年に静岡県磐田市で個人で起業され、切削機械の刃物を製造されています。曽根田様のお話で非常に興味深かった部分を抜粋致します。 "独立・起業するにあたり、前職で使っていたNotes/Dominoを自社でも使うことにした。現在は大手メーカーからの発注依頼や過去に作った品番の再発注など数多く受けており、当時のCAD/CAMのデータや販売管理データなどをDominoに入れて運用している。 オンプレミス環境のリスクやセキュリティ、IT技術のトレンドに合わせてクラウド化を検討した場合、Dominoからは離れたほうがいいのではないか?と思い、他社SaaS製品も検討しトライアルで利用登録をした。 しばらく触れずにいたところ、アカウント情報に登録していた支払い口座から利用料の引き落としがされていなかったためアカウントが凍結、さらに保存していたデータも突然消去されてしまっていた。支払いが滞っただけで中身まで削除されてしまうようなシステムには会社の大事な資産であるデータを載せられないので、「Dominoを『やめることを止める』判断」をした。" Dominoから他製品への移行を検討され断念されるお客様は多く、その理由は「Dominoの業務アプリケーションを、サービス内容を落とさずに別プラットフォームに移行することがはなはだ困難である」ということをよくお聞きしますが、この点にも意外な理由が潜んでいました。 最後に 初の2年連続開催となった今年のDominoHubは、コミュニティの力を象徴するかのような盛り上がりを見せました。14.5のリリース、生成AIの実装、ライセンス強化など、今後のDominoの発展を確信させる要素が数多く披露されたほか、実際のユーザー事例も非常に示唆に富むものでした。加えてロードマップの提示による未来への安心感も得られました。 DominoHubは単なる情報共有の場に留まらず、技術、コミュニティ、そしてビジネスの未来を交差させる特別な場となっています。これからもこのような取り組みが継続していき、多くのDominoユーザー、デベロッパー、そして販売パートナーが更なる価値を引き出していけることを楽しみにしています。これからもDominoと私たちの未来を築いていきましょう。 関連情報 「Domino Hub」大阪開催 Domino Hubは、2025年9月18日に大阪でのオンサイト開催が決定致しました。詳細およびお申し込みについては、こちらのリンクからご確認ください。 お問い合わせ エヌアイシー・パートナーズ株式会社E-mail:voice_partners@niandc.co.jp   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:30px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; } figcaption { color: #7c7f78; font-size: smaller; }

2025年06月30日

APMとARMのシームレスな連携で効率的な統合アプリケーション運用管理を実現する ~Instana+Turbonomicのシナジー~

公開日:2025-06-30 ワークロードが変化しつづけるハイブリッド・クラウド環境下においては、アプリケーションスタックが複雑化し、分散され、流動的となり、それがアーキテクチャーと、正しい設計および変化する需要に対応できる十分なリソースの提供を難しくしています。 複雑化したIT環境で、システムの正常性やパフォーマンスリスクに対応するためには、アプリケーションの運用管理において、アプリケーションとインフラ両方の情報を一元管理します。そして、統合的に参照することができ、システムの変調を見逃さない高度な可観測性を実現するアプリケーションの運用の高度化が重要となります。 本コラムでは、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)ツール「IBM Instana Observability」(以下 Instana)とアプリケーション・リソース管理(ARM)ソリューション「IBM Turbonomic」の連携で生まれる、統合アプリケーション運用管理の相乗効果について紹介します。 目次 1. 複雑化したIT環境に求められるAPMによる可視化とアプリケーションの運用高度化 2. アプリケーションリソース管理の課題を解決するARMの活用 3. APMとARMの統合が可能にするアプリケーションの運用管理の効率化 4. InstanaとTurbonomicの連携による、一元的な管理の相乗効果 5. InstanaとTurbonomicの連携による、統合的なアプリケーションの運用管理の価値 6. まとめ お問い合わせ 1. 複雑化したIT環境に求められるAPMによる可視化とアプリケーションの運用高度化 アプリケーションの稼働環境がオンプレミスだけでなくクラウド環境へ拡大しています。クラウド上では様々なクラウドネイティブなサービスが稼働しており、それを利用することはコスト面・スピード面で必然となっています。しかし、クラウドネイティブ環境が増え続けることで複雑化しがちであり、そのような複雑なクラウドネイティブ環境の運用監視をいかに効率的に行うか、がビジネスにおいて大きな課題となっています。 システムを構成するハードウェアとソフトウェアが正常に稼動しているかについて、個々の状態を把握することに主眼がおかれた従来型モニタリングは、ハードウェアの障害やソフトウェアの異常を素早く検知することに役立つ一方で、ハードウェアの故障やサービスの停止をともなわないアプリケーションの性能低下などが検知することが難しく、原因の特定に非常に多くの時間がかかります。 また、従来型モニタリングの多くは、各環境で利用されている言語やプログラムにあわせた事前の導入と構成・設定が必要なだけではなく、サービス間の依存関係が把握できず、固定の閾値を超えたかどうかの確認しかできないため、ダイナミックに変化しつづけるクラウドネイティブ環境に追随していくことは困難です。 これに対して、アプリケーションのパフォーマンスを監視し、問題が発生した際に迅速に検知し、解決するのが、アプリケーションパフォーマンス管理(Application Performance Management: APM)による「アプリケーションの運用高度化」です。 APMにより、アプリケーションが本番環境で正常に動作していることをモニタリングして、システムやアプリケーションが利用者に提供している「サービスの品質」と「システムの状態」を可視化し、トランザクションのパフォーマンスの状態を測定するのが可能になります。 IBMのAPMツール「Instana」は、「自動化」「コンテキストの把握と解析」「インテリジェントなアクション」の特長を持ち、デジタルプラットフォームの効率的な管理および迅速な障害個所の特定など、クラウドネイティブ環境の可視化を実現しアプリケーションの可用性向上に貢献します。 2. アプリケーションリソース管理の課題を解決するARMの活用 一方、アプリケーションが安定したパフォーマンスを提供し続けるには、アプリケーションがユーザからのリクエストを処理するため必要なリソースを確保することが前提条件となります。 そのためには、適切なリソースを割り当て、必要に応じて増減させる管理をする必要があります。その上で、利用者の要望を実現する高度な機能とストレスのない使いやすいUX/UIの提供、24時間365日無停止での安定したサービスの継続、急激なアクセスの増加にも耐える拡張性や俊敏性が求められます。さらには、システム上で実行されるアプリケーションが、事前に定義されたセキュリティポリシーやルールに完全に適合していなくてはなりません。 しかし、アプリケーションスタックが複雑化し、ワークロードが変化しつづけるハイブリッド・クラウド環境下で、従来のインフラ中心のアプローチや手動ツールを使った人手主体の管理や監視手法だけで24時間365日アプリケーションリソースを維持管理し、適切なリソースを予測し確保し続けることは非常に困難です。 また、リソース不足にならないように、必要以上の余剰な CPU/メモリ/ディスクなどのサーバリソースを持たせることは、コスト面で大きな負担となります。さらに、多頻度のリリースに対応しうる高速・高効率で、継続的な品質担保に対応することが求められる一方で、高スキルのIT人材が、慢性的に不足していることも現状の管理体制の大きな負担となっています。 これに対して、コンピュートリソースの不足を早期に把握し、最適化を行い人手をかけずに適切な意思決定を適切なタイミングで行うことで、アプリケーションのレスポンスを維持するのが、アプリケーションリソース管理(Application Resource Management : ARM)です。 IBM の AI駆動型ARMソリューション「IBM Turbonomic ARM」は、アプリケーションからインフラまでをフルスタックで可視化し、アプリケーションが必要とする ITリソースを最適化します。そして、AI を用いてアプリケーションパフォーマンス、コンプライアンスおよびコストの継続的な管理を可能にします。 3. APMとARMの統合が可能にするアプリケーションの運用管理の効率化 アプリケーション運用管理の効率化は、宣言的に定義されたシステムのあるべき状態にシステムを制御する各種のオーケストレータによって、APMとARMを活用し徹底して自動化することで実現できます。ただし、システムで現在起きている問題のリアルタイムでの監視や、オーケストレータを介した問題へ自動に対処することはもちろん、あるべき姿へ迅速に回帰する「クローズドループサイクル(循環生産)」型のプロセスを実現することが不可欠となります。 このプロセスにおいて、APMとARMをそれぞれ独立した状態で活用するだけでは、目的に応じた画面の切り替えやツールごとの設定・操作などに非常に手間が掛かります。 APMであるInstanaとARMであるTurbonomicを連携することで、「統合的なアプリケーションの運用管理」を実現し、運用管理作業効率を向上することで以下のような効果を発揮します。 (1)ワンストップでインフラやアプリUXなどのパフォーマンスを統合管理できる (2)素早く問題の発生を検知し原因を特定できる (3)新規の監視対象を自動で認識でき個別の作業が不要となる (4)メンテナンスに工数がかからない 4. InstanaとTurbonomicの連携による、一元的な管理の相乗効果 InstanaとTurbonomicを連携させ、双方向の統合を設定することで、画面を切り替えることなく、1ヵ所・1画面の一元化された操作で、効率的に統合的なアプリケーションの運用管理を行うことが可能です。 InstanaとTurbonomic の連携による相乗効果には、次のようなものか挙げられます。 (1)アプリケーションレベルからインフラレベルまで統一管理できる TurbonomicにInstanaの情報を連携することにより、1つの画面でインフラからアプリケーションレベルまでアプリケーション・スタック全体を統合的に可視化し、操作もシームレスに連携することで、パフォーマンスのリスクを把握しリソースを最適化するための積極的な推奨策を得るとともに、リスクの軽減や迅速な判断をすることが可能になります。 (2)故障が発生する前に予兆を検知して事前に対応できる アプリケーション視点でのパフォーマンス・障害分析とインフラ観点でのリソース分析と最適化を同時に行うことで、障害の発生を未然に防ぐための対策を実施できるようになるため、アプリケーションの可用性を向上することができるようになります。 そのため、リソースの輻輳を最小限に抑えることができ、その効果として、平均修復時間(MTTR)と平均故障間隔(MTBF)を改善し、機会損失を最小限に抑えます。 (3)パフォーマンスに影響するリソースを理解し対応ができるようになる Instanaは、Turbonomicの実行したアクションと監視対象アプリケーションのパフォーマンスへの影響について、履歴の記録を得ることができます。また、Turbonomicによって提供されるリソース自動最適化機能を統合し、IT環境全体の集約された性能を最適な状態に維持します。これにより、ユーザは、単一の場所から一元的にアプリケーションを監視し、リアルタイムのデータと需要に基づいた状況に合わせて、需要に則したリソース割りあて・確保の決定を実行することができます。 InstanaとTurbonomicの統合によって、クラウド環境やKubernetesのリソース費用を正確に把握できるようになるため、十分に活用されていないリソースやオーバープロビジョニングされたリソースを最適化するための推奨案が得られます。これを元に、ハイブリッド(セルフ・マネージド)やクラウドネイティブ、Kubernetesのワークロードのパフォーマンス改善、効率化、コンプライアンス対応、コスト削減を促進し、クラウドの無駄を削減するとともに、その効果を向上させることが可能になります。 5. InstanaとTurbonomicの連携による、統合的なアプリケーションの運用管理の価値 このようにInstanaとTurbonomicを連携させることで、お客様は、インフラ・アプリケーションを統合的に可視化できるようになるだけでなく、アプリケーションのパフォーマンスリスクに素早く対応することが可能になります。 また、Turbonomicと連携できるAPMはInstanaだけではなく、お客様が、現在お使いになっているAPMとも連携することも可能です。さらには下図のロードマップのように、APM+ARMだけでなく、他のソリューションとも連携させることで、お客様のアプリケーションの運用高度化をさらに進め、ビジネスにより大きな価値をもたらすことができます。 図1:InstanaとTurbonomicの連携によるアプリケーションの運用高度化 6. まとめ このように、InstanaとTurbonomicを連携させた一元的な操作によって、複雑化したIT環境においても、ワンストップでインフラやアプリUXなどを監視・管理し、リソースの無駄やクラウド費用の増加なしに、アプリケーションに最適なリソースを動的に割りあてることができます。これにより、効率的なアプリケーションの管理の実現と、期待どおりのパフォーマンスを発揮して顧客のニーズを満たすことが可能になります。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社は、IBMソフトウェア(SW)とハードウェア(HW)の認定ディストリビュータとして、InstanaおよびTurbonomicに関する支援が可能です。 お客様のニーズや要件に合わせて、IBMのSWとHWを組み合わせた最適な提案やカスタマイズの支援、IBM製品の特長・利点をお客様にわかりやすく説明し、お客様・パートナー様のビジネスに最適な提案でサポートいたします。 「シナジー効果の高いInstanaおよびTurbonomicに絡めたセールスをサポートしてほしい」といったご要望があれば、いつでもお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。 お問い合わせ この記事に関するお問い合せは以下のボタンよりお願いいたします。お問い合わせ   .highlighter { background: linear-gradient(transparent 50%, #ffff52 90% 90%, transparent 90%); } .anchor{ display: block; margin-top:-20px; padding-top:40px; } .btn_A{ height:26px; } .btn_A a{ display:block; width:100%; height:100%; text-decoration: none; background:#eb6100; text-align:center; border:1px solid #FFFFFF; color:#FFFFFF; font-size:16px; border-radius:50px; -webkit-border-radius:50px; -moz-border-radius:50px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #eb6100; transition: all 0.5s ease; } .btn_A a:hover{ background:#f56500; color:#999999; margin-left:0px; margin-top:0px; box-shadow:0px 0px 0px 4px #f56500; } .bigger { font-size: larger; }

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