皆さま、こんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 岡田です。
エヌアイシー・パートナーズでは2016年からCisco Unified Computing System(以下 UCS)の取り扱いを始めています。
UCSが発表されてから既に10年以上経っておりますが、再びUCSが注目を浴びています。今回は、これからUCSを検討しようとお考えの皆さんに向けて、その特徴やメリットをお伝えします。
1. Cisco UCSとは
ずばり、Cisco社製のIA(Intel Architecture)サーバです。
Intel製CPUが搭載されているので、Windows Server/Linux/VMware ESXiなどの、Intel CPU用のサーバOSがUCS上でも稼働します。
では、なぜネットワーク機器のベンダーであるCiscoがIAサーバを出したのでしょうか。
仮想化が一般化した現在のデータセンターでは、サーバ、ネットワーク、ストレージ、アプリケーションといった各構成要素を個別に構築、デザイン、最適化するサイロ型になっています。その結果として、各コンポーネント個別の管理となり、管理者間の連携の煩雑さや環境変更時の検討項目・調整・検証期間工数の増大が大きな課題となっています。
これらの問題を解決するために、UCS は、仮想環境やクラウド環境で利用されることを念頭に置き、すべてのコンポーネントを全体最適化されたアーキテクチャの下に統合することで、複雑さをなくし、リソース管理を容易にし、最適な仮想環境を実現しています。つまり、サーバやネットワークを大きな1つのリソースとして一元管理することにより、管理・運用がしやすくなるということです。
(UCSの全体最適化されたアーキテクチャ)
2. 他社IAサーバとの違い
では、UCSは他社IAサーバと比べて、どんなところが違うのでしょうか。UCSが他社IAサーバと異なるところは主に以下の3点になります。
ファブリックインターコネクト
ユニファイドポートという1Gbまたは10Gbのイーサネットポート、またはファイバーチャネルポートのどちらにも設定できるスイッチポートを搭載したスイッチです。一般的なIAサーバでは、ネットワークスイッチとファイバーチャネルスイッチそれぞれに接続しますが、UCSサーバは基本的にこのファブリックインターコネクトとのみ接続します。
UCS Manager
ファブリックインターコネクトに搭載された統合管理コンソールです。接続されたBladeサーバ、ラックサーバを一元管理します。
サービスプロファイル
UCSでは、サーバのハードウェア各種設定情報をサービスプロファイルとして保持し、これを実際のハードウェアに関連付けることでサーバやネットワークの設定を行います。
Intersight
Intersightはオンプレミスにある複数のCisco UCSやHCI製品のHyperFlexを統合的に管理するためのSaaSサービスです。地理的に離れた環境にある複数システムを一元管理できます。SaaSサービスなので管理サーバーを用意する必要がなく、管理者はどこからでも管理ダッシュボード画面にアクセスできます。
このような違いを持つUCSを選択すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
3. UCSのメリット
シンプルな構成
UCSサーバはファブリックインターコネクトとのみ10Gbイーサネットケーブルで接続します。この10Gbイーサネットケーブルの中に、イーサネットとファイバーチャネルの両方のプロトコルが流れます。
これにより、ラック背面のケーブル本数が激減し、より適切なエアフローと低い消費電力を実現します。この結果として、データセンターのファシリティコスト、配線コスト、配線トラブルを削減できます。
管理ポイントの削減
UCSでは、サーバやBladeシャーシ毎に管理モジュールを持たず、ファブリックインターコネクト上にあるUCS Managerで一元管理されます。これにより、台数が増えても管理ポイントはUCS Manger1箇所のみのままですので、管理対象が増えません。これにより、個々の機器毎に管理する必要がなくなり、管理工数を削減できます。
シンプルな運用
サービスプロファイルを利用することで、構築時や障害発生における機器交換時において時間がかかっていたハードウェア設定作業を大幅に削減することが可能になります。他社IAサーバでは、サーバ導入時にさまざまな設定を個々に実施する必要がありますが、サービスプロファイルを利用するとハードウェアにプロファイルを割り当てるだけでハードウェア設定が完了します。また、機器が届く前にMAC アドレスなどの予約や、BIOS の設定を先にやっておくといったことも可能になります。
ラックマウントサーバの統合
ファブリックインターコネクト配下に接続することで、UCS Managerによる統合管理機能を、サーバ形状を問わずに一元管理可能になります。
このような特徴を持つUCSですが、エヌアイシー・パートナーズでは日本IBM社が取り扱う、IBM保守のUCSをお勧めしています。
4. IBM保守 UCSの特徴
- IBM技術員によりオンサイト保守を実施します。
- スペシャリストによりリモート問題判別支援をおこないます。
- 保守時間帯の選択が可能です。
- UCSの運用を支援するオプション(交換したハードディスクのお渡しサービスと部品2時間配送サービス)を追加できます。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。UCSはサーバメーカーとしては後発であることのメリットを活かして、これまでのIAサーバが抱えていた課題を解決できるソリューションを備えています。これにIBM保守を加えることで、ネットワーク機器からサーバまで保守をまとめてIBM社に一元化することができます。現在のデータセンター運用に課題を抱えたお客様にはぜひUCSをご検討ください。
また、エヌアイシー・パートナーズではUCSとIBMストレージ、ネットワークスイッチ等の複雑な組み合わせでの構成でも対応可能です。ご相談からお見積り依頼まで、遠慮無くお申し付けください。
最後に、弊社サイトのUCSページにてラインナップや支援内容などを記載していますので、こちらももぜひ御覧ください。
https://www.nicpartners.co.jp/products/72456/?from_category=category_all
【変更履歴】
2020/12 Intersight説明を追加。弊社サイトのUCSページへのリンクを修正。
この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部
E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp
商標帰属
・すべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。