皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの河野です。
2018年6月に IBM i が AS/400 として誕生してから30年が経ちました。
IBM i は、この30年間に様々なテクノロジーを吸収し、名称をその時々で変えつつ、性能も大幅に進歩しています。長きにわたり全世界のユーザーに支持されているのは、移植性、堅牢性等の製品コンセプトが、誕生から変わらないことが、大きな要因ではないでしょうか。
次の30年に向けてスタートを切った、IBM i。全世界にも中継された、記念すべき IBM i World 2018に参加してきました様子をご報告します。
IBM i World 2018は、秋葉原コンベンション・ホールで開催されました。会場内は満席で、その期待と熱気が伝わってきました。そして、14:00 の定刻通りにオープニング・セッションが開始されました。
IBM i ユーザーがすぐにでも取り組める事例
講演は、どれも興味深いものでした。その中でも IBM i ユーザーがすぐに取り組める話として、九州三菱自動車販売株式会社様の開発事例が特に興味深かったので、ご紹介します。
九州三菱自動車販売様では、来店のお客様情報をリアルタイムに把握できないという課題に対して、ナンバープレートをカメラで読み取り、リアルタイムにお客様担当者へ通知する仕組みを導入していました。
しかし、1台のPCにしか情報が届かないために、結果として“ご用件を伺って予約いただいたお客様”に対して、ご来店時に再度ご用件を伺うといったような“効率の悪さ”があり、うまく仕組みを活用できていない、という課題がありました。そこで、通知を専用PCではなく、音声で担当者のPCに知らせる、インカムで来店通知を一斉発報する仕組みを構築しました。
その際に必要となったのが、ナンバープレート読み取り機能と IBM i 上の顧客データとの連携です。そこで、採用した技術がOSS(Open Source Software)を組合せて独自開発して、IBM i と連携させる仕組みでした。
最新の IBM i は、OSS 連携ツールが充実してきており、また、ユーザー研究会等の IBM i コミュニティからアドバイスやヒントが得られることも、実装する上で大きかったようです。
開発が進み、最終的には、インカムへ音声通知する仕組みまでを3ヶ月で完了しました。
私は、IBM i は基幹システム、という堅いイメージがあったのですが、最近の活用のされかたは、画像情報とリアルタイム連携するなど、進化し続けていることを改めて感じました。
増々 OSS が進化することと思います。OSS の進化に併せOSS との連携(データ連携)に関連しセキュリティやネットワークといった技術との連携も意識して取り組みが必要となってくるはず、と感じました。
事例発表の後、IBM からの使用技術の説明があり、更に理解を深めることができ、参加されたユーザーの方々もチャレンジして欲しい内容の話でした。
働き方改革に貢献する事例
もう一つのユーザー事例は、住商モンブラン株式会社様の働き方改革に対する取り組みでした。
それは、IBM i 上のリアルタイムの売り上げデータを IBM Watson へデータ連携することにより、生産計画のための分析資料を、簡単に作成できるというものでした。
住商モンブラン様では、IBM i の基幹データをコアに、様々なツールと簡単に連携させることにより、生産性が向上し、残業を削減させることに成功しました。これはまさに、今問われている働き方改革に IBM i とそのデータ活用が貢献する話でした。
最新技術との連携で課題解決に貢献する IBM i
今後は、IBM i を企業を支える基幹システムとしての役割だけはなく、生産性向上、顧客満足度向上、企業価値の向上など多くの役割を担える、ということがわかった IBM i World 2018での事例紹介でした。
今後も、IBM i をフォローしていきたいと思います。
※この記事は2018年7月6日時点の情報を基に作成しています。
この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
技術支援本部
E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp