はじめに
クラウドインフラ自動化の、新たなスタンダードへ。IBM Terraform
2025年、IBMはクラウド自動化のリーディングカンパニーであるHashiCorpの買収を完了しました。これは複雑化するハイブリッドクラウド環境の運用に悩むすべての企業にとって、大きな一歩を意味します。
多くの組織がクラウドの価値を最大化しようとする一方で「コストの無駄」「セキュリティリスク」「複雑な運用管理」といった共通の課題に直面しています。手作業によるインフラ構築は時間がかかり、人的ミスを誘発し、ガバナンスの徹底を困難にします。
IBM Terraformは、これらの課題を根本から解決し、お客様があるべきクラウド活用、セキュリティやコンプライアンスの問題を解決するための強力なソリューションです。
概要
IBM Terraformとは? — Infrastructure as Code (IaC)によるインフラ管理の革新
IBM Terraformは、インフラストラクチャをコードとして定義し、そのプロビジョニング(構築)と管理を自動化するツールです。AWS、Azure、Google Cloudといった主要なパブリッククラウドからオンプレミスのVMware環境まで、あらゆるプラットフォームに対応しています。
手動での画面操作やスクリプト作成に代わり、「HCL(HashiCorp Configuration Language)」という人が読みやすく、学習しやすい言語で「あるべきインフラの姿」を記述するだけで、Terraformが依存関係を自動で解決し、迅速かつ正確に環境を構築します。
この「Infrastructure as Code」のアプローチにより、Terraformはクラウドインフラ自動化のデファクトスタンダードとしての地位を確立しています。
詳細
コミュニティ版からエンタープライズへ。組織のためのTerraform
Terraformには誰でも利用できる「コミュニティ版」と、組織での利用を前提とした「IBM Terraform Standard/Terraform Enterprise」があります。
- Terraformコミュニティ版の課題 — DIY(Do It Yourself)の限界
コミュニティ版は個人開発者にとっては非常に強力なCLIツールですが、組織やチームで利用するには多くの課題が伴います。
- ガバナンスの欠如:誰が、何を、いつ変更したのかを管理できず、セキュリティポリシーに反した構成が乱立するリスクがあります。
- セキュリティリスク:クラウドの認証情報(シークレット)が個人のPCに散在し、漏洩のリスクが高まります。
- ワークフローのサイロ化:チームごとにバラバラのツールや手順で運用され、非効率な二重開発や管理コストの増大につながります。
- ステートファイルの管理:インフラの状態を記録する「ステートファイル」の共有や同時実行時の排他制御が複雑で、設定の衝突や破損のリスクがあります。
- 製品版が提供する、統制の取れた自動化ワークフロー
IBM Terraformの製品版は、コミュニティ版の課題をすべて解決し、エンタープライズが必要とするガバナンス、セキュリティ、コラボレーションの機能を提供します。
- 中央集権的な管理とGUI:直感的なWebコンソールから、すべてのワークフローを管理。SSO連携や役割ベースのアクセス制御(RBAC)により、セキュアな共同作業を実現します。
- 安全なステート・シークレット管理:ステートファイルと認証情報を暗号化し、安全なリポジトリで一元管理。同時実行時の排他制御も自動で行います。
- Policy as Code (Sentinel / OPA):「インスタンスは承認されたサイズのみ」「特定のタグ付けを必須」といった組織のポリシーをコード化し、プロビジョニング前に自動でチェック。コンプライアンスを徹底します。
- コスト予測 (Cost Estimation):インフラ変更が月々のコストに与える影響を事前に予測し、不要な支出を抑制します。
- ドリフト検知 (Drift Detection):コードと実際の環境との間に発生した設定のズレ(ドリフト)を自動で検知し、インフラの一貫性を維持します。
特長・メリット
ビジネスを加速させるIBM Terraformの導入効果
IBM Terraformは、単なるツールではありません。企業のクラウド活用を成功に導くためのプラットフォームです。
- 時間短縮 (Speed) 再利用可能な「モジュール」の活用とセルフサービス化により、開発者の生産性が飛躍的に向上。インフラ提供のリードタイムを劇的に短縮し、市場投入までの時間を最大5倍に高速化します。
- リスク削減 (Risk) Policy as Codeによるガバナンスの自動化と、安全なシークレット管理により、設定ミスや認証情報の漏洩といったリスクを大幅に低減。承認済みモジュール利用で、**96%**のプロビジョニングがセキュリティやコンプライアンスの問題なく実行されます。
- コスト削減 (Cost) コスト予測やポリシー適用により、リソースの過剰なプロビジョニングを防止。不要になった開発環境の自動破棄機能なども活用し、クラウドの無駄をなくし、インフラコストを最大25%削減します。
国内トップ企業が選ぶ信頼性
業界をリードする多くの日本企業が、ガバナンス強化や開発効率向上のためにIBM Terraformの製品版を選択し、成果を上げています。
IBM製品群との強力な連携
IBM Terraformは、他のIBM製品と連携することで、その価値をさらに高めます。
- Red Hat Ansibleとの連携:Terraformでインフラをプロビジョニング(Day0-1)し、AnsibleでOSやミドルウェアの構成管理(Day1-2)を行う組み合わせは、ITインフラ自動化のベストプラクティスです。
- FinOpsソリューションとの連携: IBM TurbonomicやCloudabilityと連携し、リソースの継続的な最適化や、より精緻なコスト分析・計画を実現します。
クラウドインフラ管理を次のステージへ。 IBM Terraformが、貴社のビジネス変革を強力に支援します。
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