こんにちは。
現在エヌアイシー・パートナーズ 技術企画本部のメンバーで、アメリカのラスベガスで開催されている「IBM TechXchange 2024」に参加しています。
(現地時間:2024年10月24日、日本時間:2024年10月25日時点)
本記事では 現地からの速報 として、このイベントがどんな内容だったのか、そのポイントをお伝えしていきます!
イベント概要
IBM TechXchange 2024 とは、1,600以上もの技術者向けセッションが展開される IBMグローバルのイベントであり、今年はアメリカのネバダ州にあるラスベガス マンダレイベイにて10月21日から10月24日(現地時間)の4日間開催されています。
今年のテーマは「Fuel Your AI ‐あなたのAIを加速、促進させる-」です。
IBM は、ユーザーが設定作業やその後の運用をできる限り簡単に行えるよう、さまざまな製品に AI機能やチャットインターフェースを搭載するなど、AI ソリューションに注力しています。
ここからは、各分野ごとのポイントをお伝えしていきます。
分野ごとレポート
1. AI・Automation
AI AGENT
単なる AI ASSISTANT ではなく「AI AGENT」を活用することで業務を自動化し、よりユーザーの利用効率を上げることができます。
watsonx Code Assistant
IBM は「生成AI がブームとなる中、企業内で活用する際に一番効果が発揮されるのは “開発業務とLoBでの利用シーン” である」と考えています。
その考えを元に、これまで Ansible や IBM Z のみが対象とされていましたが、今回、開発の生産性向上を目的としたより汎用的な「watsonx Code Assistant」が発表されました。
watsonx Code Assistant の新モデル(旧for Enterprise Java)では、Java だけでなく Python や C、C++ などのコード生成がサポートされます。無料版や PC上で稼働するモデルの提供もあり、数ユーザーからの利用といったエントリーポイントとして利用可能です。
Granite 3.0
同じく新たに発表された基盤モデル「Granite 3.0」は、他社製の同一サイズのモデルに比べて高パフォーマンス・高信頼性を誇ります。
2024年12月には RHEL や OpenShift でも利用可能になり、将来的には、128Kコンテキスト長への拡張やイメージ機能、スピーチ機能が追加される予定です。
Granite 3.0 は主に以下の3つの分類で提供されます。
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- エンタープライズタスク向けの2B/8Bサイズ
- 低遅延・CPU上での実行向けの1B/3Bサイズ
- AIガードレールなど信頼性向上のための2B/8Bサイズ
2. IBM Cloud
IBM Cloud のセッションでは、「AIはハイブリッドクラウド上で動き、ハイブリッドクラウドはAIで強化される(原文:AI runs on hybrid cloud, Hybrid Cloud is powered by AI)」というメッセージがありました。
IBM Cloud は企業から信頼され、多くのミッションクリティカルな業務を支えるクラウドであり続けるとともに、デジタル変革を加速させるためにハイブリッドクラウドのデザインも変わり続けています。
3. Security
データセキュリティ製品である Guardiumシリーズでは、今後拡大が見込まれる量子コンピューターへの対応を見越したエンドツーエンドの耐量子変換を実行する Quantum Safe をはじめ、データセキュリティを統合管理する「Guardium Data Security Center」が発表されました。
これにより、単一のプロダクトであらゆる場所に展開するデータを保護することが可能になります。
QRadar については、クラウド版が先日 PaloAlto へ移管されましたが、オンプレミス版は引き続き開発・拡張されることが発表されました。
4. IBM Storage
データを AI に提供するという従来型の考えから、AI がストレージを意識して利用する形への進化を目指すという旨のメッセージがありました。
また、従来の HA(High Availability)や DR(Disaster Recovery)、バックアップに対する考え方をハイブリッドクラウドのデザインに合わせ変えていく必要がある、ということもメッセージされました。
今回新製品の発表はありませんでしたが、IBM Flash Gid、IBM Storage Ceph、IBM Storage Defender、IBM Storage Fusion HCI は今後の主力製品になります。
5. IBM Z & LinuxONE
昨年「watsonx Code Assistant for Z」がリリースされ、メインフレームの世界でも AI の活用が加速しています。
今年8月には、IBM Telum® IIプロセッサーと IBM Spyre™アクセラレーターのアーキテクチャーが新たに発表されました。次世代の IBM Zメインフレーム・システム全体で処理能力を大幅に拡張するように設計されています。
今年も sandbox展示会場では、LEGO で作られた LinuxOne が展示されていました。
6. IBM Power
Power Processor の今後のロードマップとして、Power11 が近くリリースされる予定です。
Power11 について、Samsung とのパートナーシップの強化による Enhanced 7nm プロセッサーの搭載や、IBM Spyre アクセラレーターに関する情報が紹介されました。
また、古い RPG から新しい RPG へ変換する取り組みとして、「Code Assistant for IBM i」についての紹介もありました。
IBM Power では今後も、少なくとも2030年まで、分散型ハイブリッド・インフラストラクチャ上で提供されるミッション・クリティカルなワークロードに対するリーダーシップを継続する、ということがメッセージされました。
さいごに
今回の IBM TechXchange 2024 の見どころは、会場1階に設置された「sandbox 2.0」です。
この sandbox 2.0 の会場には世界各国の技術者同士のコミュニティを重視した展示ホールが用意されており、IBM やビジネスパートナー様の最新テクノロジーを体験したり、技術者同士で情報交換を行うことができました。
私たちは TechXchange のグッズも色々と集め、sandbox 2.0 を楽しんでいます!
さて、アメリカにて大盛況の IBM TechXchange 2024 ですが、日本では11月27日に目黒雅叙園で「IBM TechXchange Japan 2024」が開催されることをご存知ですか?
弊社エヌアイシー・パートナーズは、日本における IBM TechXchange Japan 2024 のスポンサー として協賛させていただいています。
ぜひ皆さんも「IBM TechXchange Japan 2024」で IBM の最新テクノロジーをご体感ください!
お問い合わせ
エヌアイシー・パートナーズ株式会社
E-mail:voice_partners@niandc.co.jp