2021年07月

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2021年最注目のトレンド・キーワード「分散クラウド」を紐解く!

企業が利用するクラウドサービスは、これまでの情報系システムだけでなく基幹システムでの採用実績も増えています。

クラウドサービスを活用している企業は、より大きな価値を生み出すために、複数ベンダのパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミス、エッジコンピューティングを連携し活用しています。
一方で、様々な ITプラットフォームが混在することでシステム運用の煩雑さを生み、それぞれの環境でアプリケーションの開発・運用・管理の方法が異なることにより、サービス提供するまでの俊敏性や運用の効率性が損なわれてしまう、という課題があります。

この課題を解決する2021年のテクノロジー・トレンドワードとして最注目されているのが、「分散クラウドコンピューティング(以下 分散クラウド)」です。
そこで本記事では、「分散クラウド」とそれを実現する「IBM Cloud Satellite」について解説します。

 

Index


 

2021年の最注目トレンド「分散クラウド」に期待される効果

既にパブリッククラウドを利活用している企業のよくある課題には、主に以下が挙げられます。

  1. 法規制やコンプライアンス遵守のためオンプレミスにデータ保持する必要がある
  2. ネットワークの遅延時間増加により、データとアプリケーションを近い場所に置く必要がある
  3. 複数のパブリッククラウドを利用した場合、個々のクラウド環境毎での運用が必要となるため、運用効率が悪く運用コストがかかってしまう
  4. オンプレミス側でも、パブリッククラウドと同等スピードでの新技術を導入し利用したい

これら、多くのクラウドユーザーが抱えている課題を解決するためのテクノロジーとして、今最も注目されているのが「分散クラウド」です。

分散クラウドとは、パブリッククラウドのサービスを、オンプレミスや他のパブリッククラウド環境といった異なる物理的な場所で分散稼働させながら、「サービスの運用」や「ガバナンス」、「クラウドの進化」、「ライフサイクル管理」、「セキュリティ・信頼性・エンジニアリング」については、パブリッククラウド・プロバイダの責任のもとで利用するクラウドの利用形態のことを指します。

例えば、複数の環境で同一のアプリケーションを展開している場合、物理的に多くの場所で稼働していることによってアプリケーションの修正反映といった「俊敏性」が失われる、という課題があります。
これに対して、分散クラウドを導入することにより、複数の環境にアプリケーションを稼働する場合であってもパブリッククラウドと同じ使い勝手でアプリを迅速に開発し、リリースすることが可能になります。

また、分散クラウドではオンプレミス環境でも稼働できるため、自社所有のハードウェア上にデータを保持することで、外部にデータを保管するためのデータ保護の考慮が不要になります。
同様に、同一ロケーション内でデータを処理できるため、社外へのデータ転送がなくネットワークの遅延時間の制約を受けにくい、などの効果をもたらします。

運用面においても、クラウドベンダに依存しない一貫したアプリケーション稼働基盤となるため、インフラ層とアプリ層の運用を分離してアプリ層に注力した運用の統一化を可能にするだけでなく、オンプレ環境であっても利用量に応じた課金モデルで利用することができます。
また、分散クラウドベンダにより、随時新しい技術に更新されて利用可能となるため、運用スキルが乏しい機能であっても容易に使い始めることができるのも大きなメリットです。

このように、分散クラウドを活用することで、パブリッククラウドを活用する上での様々な課題が解決できるだけでなく、オンプレミス環境の利点も享受できるようになるのです。

 

IBMの分散クラウドサービス「IBM Cloud Satellite」

今、企業が抱えている課題を解決するために必要となる分散クラウドの導入を迅速に実現するのが、IBM が提供する分散クラウドサービス「IBM Cloud Satellite」です。

IBM Cloud Satelliteはフルマネージドのクラウドサービスで、IBM Cloudの様々なサービスを任意の場所で稼働させ、as-a-serviceとしてパブリッククラウドの単一の管理画面で提供します。
また、Kubernetes と Red Hat OpenShift をコアテクノロジーとしているため、デプロイ先に Red Hat OpenShift があれば、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジなどの環境を問わず自由に展開することが可能です。

IBM Cloud Satellite の主な特長には以下が挙げられます。

  1. パブリッククラウド・オンプレミスといった、複数の環境に導入した IBM Cloud Satellite上で稼働するコンテナアプリケーションを、IBM Cloud のコントロールプレーンで一元管理し、場所によらない一貫したサービスの稼働
  2. セキュリティ・コンプライアンスの課題により、オンプレミス環境から移動できないデータや画像・動画といった大容量のデータ処理をする場合に、データを移動させず IBM Cloud の機能をマネージドサービスとして、データがある環境で利用可能
  3. 5Gやエッジを活用するような新しいワークロードの処理をローカル環境で実施することができるため、レイテンシが軽減でき、アプリケーションやエッジを容易に大量展開できる

これらの特長が示す通り、オンプレミス、エッジ、パブリッククラウドなど、あらゆる環境で、いつでも・どこでも、一貫した環境をスピーディー、かつ、容易に提供・管理することができるのです。

図1. 「IBM Cloud Satellite」とは


 

「IBM Cloud Satellite」の主要なユースケース

次に、「IBM Cloud Satellite」の主要なユースケースをご紹介しましょう。

 

1.場所によらない一貫したサービスの稼働

自社のデータセンター内であれば、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションのスタックは統一できますが、複数のパブリッククラウドも含めた環境のように、異なる基盤上で同じスタックを稼働することは簡単ではありません。
特に、パブリッククラウドを利用したマルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境であればなおさら困難です。
しかし、運用管理の負担を軽減するためにシステム構成スタックを統一したい、という強い要件があるのも事実です。

IBM Cloud Satellite を利用することで、オンプレミス、複数のパブリッククラウドを組み合わせた基盤上で、Cloud Satellite、および OpenShift とその上で稼働するアプリケーションという、同一のスタックでアプリケーションやサービスを稼働させることが可能となり、設定の共通化・ワークロードの一元管理ができるようになります。

これにより、アプリケーション品質の均質化、リリース回数の増加、サービスの市場投入速度の短縮化が実現でき、利便性向上や顧客満足度向上にも繋がります。
さらに運用の観点では、スタックを共通化することで、運用の共通化に伴う運用コストの削減、問題発生時の切り分けが容易になります。

 

2.移動できないデータの処理

個人情報をはじめとしたセキュリティ・コンプライアンスの課題により、「オンプレミス環境から移動できないデータをクラウドサービスの機能を使って処理したい」というケースや、医療機関や工場におけるセンサーデータや画像データを活用した機械学習モデルを利用した分析処理など、「大量のデータを処理する時にデータを移動すると処理が間に合わない」ケースにおいては特定の場所以外ではデータを保持することができません。

これらのケースで威力を発揮するのが、IBM Cloud Satellite です。

IBM Cloud Satellite を利用することで、オンプレミス環境においても IBM Cloud の機能を活用することができるため、データ保護の観点で守るべき法規制の遵守と、クラウドサービスで様々な分析機能を利用した高度な分析の実行を両立することができます。
また、データ処理を行うアプリケーションとデータが近くに存在するため、処理にかかる時間を最小化することが可能になります。

今までデータ分析のためにクラウドにデータをアップロード、あるいは加工したデータをダウンロードしていた場合には、この操作がなくなるだけではなく、クラウドからデータを転送するための時間や費用を最小化することができます。
これによって、処理するデータの幅を広げるとともに処理時間を短縮することができるため、より多くの分析処理の実行や洞察を素早く得た上で次のアクションを決定することができるようになります。

 

3.新しいワークロードの処理

「5G」や「エッジコンピューティング」に代表される新しいテクノロジーは、これを活用することで大量のデバイスから発生するデータを処理し、自動車の自動運転や IoT機器を活用したリアルタイムでの分析を可能にします。
一方で、これらの処理においてはトラフィックをデータの発生元にできるだけ近い場所に集約し処理する機器 (エッジ) を利用することで、レイテンシを軽減することを基本とするシステムの稼働が求められます。

エッジは、その特性から数ヵ所のデータセンターに集約するのではなく、広い範囲に分散して配置する必要があります。
そのため、様々な場所に同じシステムを同じ形で提供し運用する必要がありますが、実現することは簡単ではなく多大なコストを要します。

こういった環境で威力を発揮するのが、IBM Cloud Satellite です。

エッジに、IBM Cloud Satellite を利用した OpenShift環境を配置し、アプリケーションを一元的に管理・更新することができるようになるため、運用管理にかかるコストを減らすことができます。
また、クラウドの特長を取り込んだ機能追加が迅速にできるため、ビジネスニーズに合わせたシステムの実現が可能になります。

 

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2025年06月09日

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Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管されて丸6年が経ちました。 Domino は、高い開発生産性と堅牢性を兼ね備えたアプリケーション基盤で、長きにわたり企業の業務効率化を支えてきた歴史ある製品です。一方、重ねてきた実績の分だけ、バージョンアップに対する課題も垣間見えます。 今回は、エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware のテクニカルリードである松浦光様に HCL Domino のビジネス状況や今後の展開など、多岐にわたり話を伺いました。(本ページは後半です[前半も公開中]) 対談者 【ゲスト】 エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware テクニカルリード 松浦 光 様 【インタビュアー】 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 ソリューション企画部 松田 秀幸 ※対談者情報は2025年6月9日時点 新バージョン V14.5 が刻む新たな一歩 生成AI を Domino の中に ── この夏に新バージョンの出荷が予定されていますね。 松浦: はい、2025年6月にバージョン V14.5 の出荷が予定されています。 ── V14.5 のポイントは何でしょうか? 松浦: 目玉の1つとして、Domino の中に AI を持つ「Domino IQ」 という機能がリリースされます。 なぜ、わざわざ自社で生成AI を持たなければいけないか、と思われる方もいると思いますが、理由の1つはセキュリティです。 Domino と生成AI の統合「Domino IQ」 自社のベストプラクティスを得られる ── 「Domino IQ」は、どのようなものでしょうか? 松浦: 完全にローカルで生成AI を持つことで、機密度が高い自社の情報についても問い合わせできるようになります。 加えて、自社の Domino を20~30年使い続けているお客様は結構多く、その積み重ねた情報に注目しています。そこで、今まで溜め込んだナレッジを生成AI に教え込み、ベテランの方が持つナレッジや自社のベストプラクティスを回答する生成AI を作っていく 流れですね。 このような利用も考えて、Domino IQ を開発しています。 ── 生成AI のモデルは、HCL で作っているのですか。 松浦: HCL で開発しているわけではなく、オープンソースの LLM を使っています。今ベータ版で使えるのは、Meta社の Llama3.2 などです。 ゼロから HCL で作ったものではなく、もう既に賢く育てられた LLM を使える点が大きな強みの1つだと思います。RAG を使って LLM に足りない情報を学習させられるようになるので、自社のデータベースで蓄えていた情報を AI が活用できるようになります。 Domino による生成AI の活用方法 ── RAG による拡張はキーになりそうですね。 松浦: Domino に溜まっている色々な情報やデータを社外や国外の生成AI に出さなくても、Domino IQ で新しい使い方が可能です。 ── Domino と生成AI の組み合わせで業務効率も向上しそうですね。 松浦: Domino は、業界用語や社内用語なども扱える 『生き字引き』のような人に代わる存在になっていき、皆さんの業務を支えられる のではないかと考えています。 REST API による効率的なシステム間の連携 ── フロントエンドの作り込みはどうでしょうか。例えば、チャットボット以外の入口を作る必要はありますか? 松浦: フロントエンドは何でもいいと考えていて、様々な Web やモバイルアプリに組み込むこともできますし、Notesクライアントが好きであれば Notesクライアントでもいいですし、Nomad Web でもいいと思います。Nomad Mobile というスマホやタブレット向けの Notesクライアント相当のものもあるので、それを使ってもいいですね。 ── 他社システムとの連携はどうでしょうか? 松浦: 前半でも少し触れたディレクトリサービスの連携だけではなく、REST API で他社システムと繋ぐことも想定しています。例えばフロントエンドとしては、チャットボットはもちろん、それ以外にも様々なシステムから入力してもらうこともできます。 Domino IQ 用に設定された Domino Server は、Dbserver プロセスから推論エンジンを起動する。(画像クリックで拡大)(出典:HCL Software|Configuring / Configuring users and servers / Domino IQ) 松浦: オープンソースの LLM を Dominoサーバーのデータディレクトリの下にインストールし、アプリケーションからの参照は、簡単な Lotus Script の読み込み・書き込みという2つのメソッドで問い合わせる仕様です。 先程も触れましたが、既存の LLM を使える点は大きな強みだと思います。 バージョンアップの鍵は互換性の安心感 新旧バージョンの互換性は移行チェックツールで担保する ── 互換性を気にされる方が多いと思いますが、いかがでしょうか? 松浦: 12.0.1 については 64bit対応、Open Java への変更があり、10 から 14 のタイミングで足回りをアップデートしました。その対応も含めて確認したところ、アプリケーションの互換性に関しては問題はありませんでした。 それでも互換性に懸念をお持ちのお客様には、NotesConsortium(ノーツコンソーシアム)で会員特典として利用できる移行チェックツールの使用も検討していただきたいと思います。 NotesConsortium(ノーツコンソーシアム) Domino に関する様々な知識やノウハウを交換、蓄積して会員同志で共有するユーザーコミュニティ 引用 以前のバージョンの環境で動作していたプリケーションの互換性(@関数/LotusScriptのみ) をチェックするツール、アプリケーションコードチェッカー(NDACC)をご提供しています。 カンタン移行判定ツールもご利用頂けます。 引用元:NotesConsortium「会員の特典」|移行支援ツールの提供 移行チェックツールとその効果 ── 実際に 9、10 から、V14、V14.5 へのバージョンアップは、移行チェックツールで試した場合の非互換はどれぐらいでしょうか。 松浦: 非互換はほとんどありません。 一言で非互換といっても、インパクトの程度は異なります。少し見た目が変わってしまうといった軽微なものから、挙動が変わってしまうという大きなものまであります。 移行チェックツールも過去20年以上の歴史があり、インパクトが小さい内容もチェックする仕組みでしたが、今はインパクトが小さい内容はチェックから外せるようになりました。 ── 非互換性の影響が少なく、迅速かつ正確な対応が可能であれば、安心してバージョンアップできますね。 松浦: もちろんインパクトの大小に関わらずチェックすることもできるので、気になる方は互換性に関するすべての内容を把握できます。すべてを確認していただいても、大きな影響を及ぼすような非互換はほとんどない と思います。 バージョンアップ vs 他社製品への移行 バージョンアップはしないが、移行もしない ── 前半にも話があったとおり、Domino の旧バージョンを利用されているお客様は多いようですね。 松浦: はい、旧バージョンのまま利用されているお客様も多いです。やはり、「バージョンアップをしなくても現状で満足」というのが理由 だと思います。 ── 一方で Domino から別製品への移行を検討されるお客様の声も聞きます。他製品への移行が検討される理由についてはいかがでしょうか。 松浦: DX を旗印に企業の形を大きく変えたいと思われた時に、エンドユーザーが日々使う情報系システムを刷新するのは象徴的だと思います。特に社外から新しい CIO が来たという様なケースだと顕著です。 引用 DX推進の際の障壁としては、「投資するための予算確保が少ない」が最も多くなっており、今後DXをさらに推進していく上で、約4割が「IT投資にかかる予算の増加」に取り組みたいと回答しました。 引用元:一般社団法人 中小企業個人情報セキュリティー推進協会「アンケート調査レポート」|「DX推進に成功している経営者」の実態調査アンケートの結果について ── DX の観点はひとつの肝かもしれませんね。 松浦: Web対応やモバイル対応、AI対応への再投資に対して、もっと価値を出していけるのではないかと考えています。 ── ただ、基幹的な情報系システムだと、気軽に移行するわけにはいかないですよね。 松浦: 他社ツールへのスイッチングコストの中には教育費を含め色々なものが発生するので、それだけお金をかける価値があるのかということに悩みながら検討されていると感じます。 やはりコストが大きいということで、移行ではなく共存で落ち着く ことがかなり多いですね。 HCL Domino の運用事例 内製化で自社の強みを生かしたDXを実践(日経XTECH) 20年で培ったデジタルカイゼンの文化 エームサービスの現場とIT部門をつなぐNotes(ZDNET Japan) 結論!バージョンアップが最適解 ── 他社製品への移行リスクや未知のコストも考えると、Domino を利用し続けるのがよさそうですね。 松浦: 異なる基盤でも併用して共存でき、互換性も担保されている ので最新バージョンアップでの利用をお勧めします。 ── ここまでの話以外で、他社製品への移行が検討される理由はありますか? 松浦: お客様から、Notesクライアントの強力な機能は変わらずご評価いただきながらも、そのインストールやセットアップなどの運用管理はやはり大変だ、という声もいただいております。 ── 最新バージョンでも同様でしょうか? 松浦: 最新バージョンでは改善されています。具体的には、V14 では ブラウザベースで Notesクライアントとほぼ同じようなことができる「HCL Nomad」という機能があります。特長は、専用Notesクライアントのインストールが必要ない点と、ブラウザベースなので複数の端末から使っていただける点です。 ── 「今までNotesクライアントでしかできなかったことが、Web でもできるようになる」ということでしょうか? 松浦: 例えば、Excelマクロを使った帳票の集計業務などですね。これまでは、Notesクライアント内でオフィス系のアプリケーションを起動するようなものは、ブラウザのセキュリティ制限によりブラウザからの利用ができませんでした。 しかし、2025年6月に出る新バージョン V14.5 は「HCL Nomad Web」が COM をサポートするのが目玉機能の1つで、Nomad Web から Excel や Word や PowerPoint を起動してマクロ実行などができるようになります。 ── V14.5 における進化の1つですね。 松浦: はい、バージョンアップの利点ともいえます。 すでに、以前から使用されているお客様がトライアルを始めている という状況です。 バージョンアップを推奨する理由 新旧バージョンの互換性を担保している。 コミュニケーション基盤が別製品でも、Domino を併用できる。 Domino IQ の実装/HCL Nomad Web の COMサポート HCL Domino について問い合わせる 今後の戦略 V14.5 は 描いたロードマップの答え合わせになるバージョン ── 今後の HCL の Domino のロードマップ、戦略はどのようになっているでしょうか。 松浦: この夏に出荷予定の V14.5 では実行環境のアップデートやスマホ・Web対応の進化や生成AI連携など、HCL になってから大きく描いたロードマップの答え合わせになるバージョンです。 アプリケーションを作り、うまく使ってもらう というのが、Domino の軸になっていると思います。Notesクライアントで動くアプリケーションから Webブラウザやモバイルで動くアプリケーションまで、様々なものがあります。それらを支えていくというのが Domino の DNA です。 ── 確固たる理念と設計思想があるのですね。支えるためには、Web対応や生成AI連携なども見越した拡張性も重要だと。 松浦: 作成したアプリケーションを拡張していくという方向性として API連携が挙げられます。Domino だけで全ての業務が回るとは考えていないので、周辺の製品サービスとの連携が簡単にできる というのがポイントの1つです。 兄弟製品に繋げる二段構えの展開 ── バージョンアップ以外での、ビジネス戦略は何かありますか? 松浦: アーキテクチャは異なりますが、開発環境の観点も含めれば兄弟製品といえるものがあります。 例えば Volt MX という製品には、モバイルOS を含む様々なプラットフォームのネイティブアプリケーションを作る機能があり、単一の開発環境で作成できます。 ── 開発するアプリケーションによって、戦略の幅が広がりますね。 松浦: Volt MX は一例ですが、プラットフォームを問わず使っていただけるような 本格的なアプリケーションについては兄弟製品 に繋げていく、という二段構えの戦略を考えています。 ── 兄弟製品への横展開…Domino が秘めるビジネスの可能性といえそうですね。 松浦: 今後のロードマップは、我々が描いた V14.5 の評価をユーザーから得ながらアプリケーションの軸はぶらさずに兄弟製品と補完しながら作っていく予定です。 ── Volt MX 以外に、どのような兄弟製品がありますか? 松浦: Nomad Web Designer、Domino Leap という製品があり、どちらもブラウザで動きます。 Domino Leap は、エンドユーザー様が『ITの専門知識を必要とせずに簡単にアプリケーションを作成したい』というローコードの需要を補完できるツールとして位置づけています。 Nomad Web Designer は今まで Windows PC でしか提供されなかった Domino Designer を MacOS でも同じように使えるようにしたイメージです。 ── いくつもの製品があり今後の展開も楽しみですが、まずは V14.5 からですね。 松浦: 旧バージョンをご利用中のお客様においては、まず他社製品との連携までかと思っています。 今は塩漬けの状態で、Domino の中だけで流通している情報があると思うので、それを他のシステムにも流通させてもらいたいですね。 1つの製品内だけでは情報の流れが停滞することもあると思います。業務の活性化のためにも、他社製品やAIとうまく連携し Domino を『情報の流れを淀ませないような解決策』という位置づけ に持っていきたいという思いもあります。 HCL 様からのメッセージ 過去にとらわれない新たな事例でアプローチ ── 長年 Domino を販売されているパートナー様に、特にお伝えしたいことはありますか。 松浦: HCL に移ってから使っていただいてるお客様から、「色々なツールを使っているが、やはり Domino は凄く良い製品だよね」という声をいただくことがとても増えている気がします。 お客様がやりたいことに耳を傾けると、今までにない新しい使い方 もどんどん出てきます。 弊社サイトで公開しているお客様事例にも掲載しているので、Domino を長らく販売していただいているパートナー様はもちろん、Domino の販売に興味をお持ちの企業様にも、ぜひご覧いただければ嬉しいです。 Domino はかゆいところに手が届く業務アプリを作るには最適なツールだと思うので、そこを強みとしてどんどんビジネスを仕掛けて欲しいと思っています。 インフラの観点においても、堅牢でパフォーマンスのいい製品に仕上がっていますし、他の SaaS製品との連携も充実しているので、「今までの Domino ってこうだよね」という枠の中だけで考えずに 販売していただきたいと思います。 V14.x を避けて V12 にする意味はない ── では最後に、Dominoユーザー様、パートナー様へのメッセージをお願いします。 松浦: Domino に限らず、バージョンアップの際は『どのバージョンにするか』を迷われるケースがよくあります。 今回のバージョンアップは V14.5 と刻まれたバージョンなので、V14 や V12 という実績があるバージョンを検討したいと思われるお客様もいるかと思いますが、この度 V14.0 の非互換検査をしたところ、12.0.1以上であればアップデートされたプラットフォームとして動作が変わらないことが分かりました。つまり、『14.5 もしくは 14 を避けて V12 にする意味はない』 ということなので、ぜひ最新バージョンを検討していただきたいと思います。 14.5 も新機能を使わなければ 14 と同じような挙動なので、保守期間が残っている新バージョンを使っていただいて、興味のある新機能にトライしていただくのが良いのかなと考えています。 ── 本日はありがとうございました。 HCL Domino について問い合わせる まとめ ここまで HCL Domino の新バージョンや今後の展開など、多岐にわたり HCLSoftware 松浦様にお伺いしてきました。 最後に、前半の話を含め HCL Domino の特長となる強みとバージョンアップを推奨する理由をまとめます。 HCL Domino の強み 高い開発生産性と堅牢性 簡潔で迅速なアプリケーションの開発。 長期的に使用されることに適した、運用の安定性。 優れた互換性と柔軟性 チェックツールにより、新旧バージョンの互換性を担保している。 古いバージョンのデータやアプリケーションも最新バージョンで動作可能。 コミュニケーション基盤が別製品でも、Domino を併用できる。 新バージョン V14.5 の新機能「Domino IQ」 セキュリティを確保しながら自社データを活用した生成AI の活用が可能。 過去のナレッジを活用し、業務改善を支援。 Domino の現状とバージョンアップを推奨する理由 Domino の現状 Domino は35年以上にわたり利用されている製品で、現在も市場は活況。 ユーザー数は多く、旧バージョンのまま利用される「塩漬け運用」も多い。 バージョンアップを推奨する理由 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2025年06月09日

安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(前編)

Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管されて丸6年が経ちました。 Domino は、高い開発生産性と堅牢性を兼ね備えたアプリケーション基盤で、長きにわたり企業の業務効率化を支えてきた歴史ある製品です。一方、重ねてきた実績の分だけ、バージョンアップに対する課題も垣間見えます。 今回は、エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware のテクニカルリードである松浦光様に HCL Domino のビジネス状況や今後の展開など、多岐にわたり話を伺いました。前半では「Domino の現状」を中心に、後半では「新バージョンの登場と互換性」をテーマにバージョンアップについてより具体的に語っていただきました。(本ページは前半です[後半も公開中]) 対談者 【ゲスト】 エイチシーエル・ジャパン株式会社 HCLSoftware テクニカルリード 松浦 光 様 【インタビュアー】 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術企画本部 ソリューション企画部 松田 秀幸 ※対談者情報は2025年6月9日時点 HCL Domino の現状 製品の変遷と現在のビジネス状況 ── Domino が誕生してから35年以上が経過し、IBM から HCL に移管(2019年7月)されてからも丸6年が経ちました。今、HCL としての Domino のビジネス状況はいかがでしょうか。 松浦: 現在も利用していただいているユーザーも多く、市場としては活況です。 見た目や使い勝手も含めた新機能が多く実装されてきた点、バージョンアップのサイクルが非常に良いペース で進んできている点が、ユーザー様、パートナー様から製品投資として評価をいただいてます。 一方、Domino のクラウドに対する対応が SaaS としてではなく Amazon や Google などのクラウドキャリアとの協業による提供に主眼をおいているので、その点が他の SaaS型コミュニケーションツールと比べてもう少しなんとかならないかという声は未だにいただいている状況です。 ── Domino のクラウドに対して、SaaS型コミュニケーションツールとしても期待もされているということですね。 松浦: 運用に関する負荷を下げたいということだと思います。 加えて人材確保やノウハウ継承などの課題に対し、生成AI との連携など新しい領域へのチャレンジがトレンドになっています。 旧バージョンでの利用も多い ── バージョンアップのサイクルといえば、多く利用されているバージョンは何でしょうか? 松浦: お陰様で現時点の最新バージョンである V14 が順調に立ち上がっています。ただ実は、特定のバージョンでいわゆる『塩付け運用』をされているお客様も多くいます。 そのような状況の中で1点、昨年末にあったケースについてお話しさせてください。 2024年12月13日に重要障害が発生し、多くのお客様と関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしました。大変申し訳なく思っております。この場を借りて、お詫び申し上げます。 対応として修正モジュールの適用をお願いしておりますが、実はこの障害は35年前のコードに含まれていたもので、Domino のすべてのバージョンで発生していました。 そのような中で、Domino の塩漬け運用をされているお客様、他社移行の事例記事になっており HCL とまったくお取引がないお客様からもお問い合わせをいただいています。 ── 古いバージョンのまま Domino を利用され続けているユーザー様もまだまだ多くいらっしゃる、ということが分かったのですね。 松浦: はい、良くも悪くも先ほどお話したような状態で、HCL と最近お付き合いがないお客様からもお問い合わせをいただくケースがありました。 古いバージョンを利用する際の注意点 ── 古いバージョンのまま利用することへの懸念は何でしょうか? 松浦: Java など サポートが終了したテクノロジーへの脆弱性対応 が懸念されます。 また、旧バージョンでは DXに対して十分な役割を果たせるとは言い難いです。新バージョンでは Web対応やモバイル対応、AI対応での活用もイメージしています。 例えば、新バージョンである V14.5 には、Domino と生成AI を統合した機能もあります。 ──『塩付け運用』をされた場合、サポート面はどうでしょうか。 松浦: 多くの塩漬け運用されているお客様からの声をお聞きすると、サポートが終了したバージョンで安定運用ができていたというのが Domino に対する今までの理解だったと思いますが、今回のようなことだけでなく、脆弱性対応も必要になるので、やはり サポートを受けられるバージョンの必要性 を意識していただけたのではないかと考えています。 Domino が選ばれ続ける理由 情報系基幹システムとしての性能と安定性 ── 旧バージョンでの利用も含め、Domino が利用され続ける理由は何でしょうか? 松浦: 情報系の基幹システムとして必要十分な機能を備えている点が大きいですね。 Domino が誕生した当初から兼ね備えており、「バージョンアップをしなくても現状で満足」というユーザーがいらっしゃる理由になっています。 ── Domino が古いまま使用されるのはなぜか、この点をより詳しくお聞かせください。捨てられないけれどバージョンアップもしない、というのは、なぜでしょうか? 松浦: 例えば、四半世紀前のデータがそのまま最新バージョンでも読み込めるなど、下位互換、上位互換性が非常に高い。動いてしまうがゆえに、使えてしまう。 便利に使っていただけるのはいいことなのですが、やはり15年前、20年前に作ったアプリケーションなので、見た目が古くなってくるというのは当然あります。 Domino でのアプリ開発の優位性 ── 一般的な市場感として Domino はすでに別製品に移行されてしまったという風潮もありますが、いかがでしょうか? 松浦: Domino はアプリケーションの開発生産性が非常に高い製品 だというのは、市場の評価として強くあります。 同じようなアプリケーションを、例えば SaaS型の Webベースの他製品、ノーコードの製品やローコードの製品に切り替えることにチャレンジされているお客様はいらっしゃると思うのですが、なかなかうまくいかないということを伺っております。 ── うまくいかないというのは? 松浦: その製品が悪いとか機能が足りないという話ではなく、Domino だと簡単にでき過ぎてしまうということで、エンドユーザーの満足度を得られないというのが1つの原因だとお客様はおっしゃっています。 他社製品と共存できるメリット ── メールはもう SaaSメールに移行しているという話はよく聞きますが、アプリケーションについては Domino の利用を続けているということでしょうか? 松浦: コミュニケーション基盤に関しては、在宅勤務やリモートワークが一般的になったので、好みの Web会議サービスに付帯したものへ切り替えたというお客様はいらっしゃると思います。 ただ、先ほどの話にあったように、アプリケーションはなかなか切り替えるのが難しいというのがあります。アプリケーション利用のために Domino が残っているというケース、共存されているというケースなど、多々あると思います。 ── Domino 以外のコミュニケーション基盤とアプリケーション基盤としての Domino を併用し、いわば一つのシステムとして使えると。 松浦: はい、その通りです。コミュニケーション基盤は別の製品を、アプリケーション基盤としては Domino を使っている 事例を、弊社ホームページにも事例記事として掲載しています。 ── コミュニケーション基盤とアプリケーション基盤でそれぞれのいいいとこ取りをされているのですね。 松浦: Domino と他製品が共存ができることは、バージョンアップの観点でも大きなポイントだと思います。 ──「基盤が2つあると運用管理も2倍になるのか」という疑問も出そうですが、どのような運用が可能でしょうか。 松浦: コミュニケーション基盤では、例えば1人に1つメールアドレスを発行するのが一般的だと思います。その場合、そちらのディレクトリシステムをメインにし、Domino は二次ディレクトリとして運用することもできます。 また、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)参照で認証委託をさせることもできますし、Dominoディレクトリと他のディレクトリ…例えばAzure AD(Azure Active Directory)のようなディレクトリサービスと連携させて運用している事例も多くあり、各社のやりたいことと運用負荷のバランスを考えて様々な方法がとれます。 なぜ Domino のバージョンを上げないのか 高い互換性が仇になっている?「動いてしまう」ジレンマ ── 互換性が高いということは、バージョンアップの障壁が低いともいえますね。 松浦: 互換性の高さは、単に過去のデータが「動く」以上の価値を提供していると考えています。 もし他社製品に移行する場合、往々にしてデータ移行が膨大なコストや技術的課題を伴い、互換性の問題が原因で取り残されたデータが発生するケースも見受けられます。Domino の場合、こうした課題を意識することなく 過去の資産を活用し続けることが可能 であり、移行リスクや未知のコストを回避 できる点でも独自の競争力を持っています。 ── 一方で、見た目を新しくすることは、バージョンアップの動機にはならない。 松浦: 見た目を新しくする機能もリリースはしていますが、そこに手をつけるよりは塩漬けで使ってしまおう、その方がお金がかからずに済む、ということで、古いバージョンのまま使うという決断をするお客様もいるのかなと思っています。 ── 確かに Notesクライアントだけを見たら、そんなに大きく変わらないですよね。 松浦: アーキテクチャは変わらないですし、Windows で動いてしまえばクリティカルな障害もなければ、上げる理由も作れなかったというところです(笑)。 最新バージョンは、バージョンアップをする理由になるか ── 大きな障害がなく動かせる状況の中で、上げる理由は何かとなると「最新バージョン V14 で何ができるのか」でしょうか。 松浦: そうですね。お客様が最新バージョンに上げる理由としては DX が多い印象です。再投資をする際の Web対応やモバイル対応、AI対応があります。そのようなところで、もっと価値を出していけるのではないかと考えています。 ── V14.5 については、後半でさらに詳しくお聞かせください。 松浦: 最新バージョンには、Domino と生成AI を統合した機能もあります。V14.5 は、大きく進化した面もあるので是非語らせてください(笑)。 ── 楽しみにしています(笑)。後半では、新バージョン V14.5 の新機能やアップデート、互換性についてお聞かせください。 HCL Domino について問い合わせる まとめ ここまで Domino の現状について、HCLSoftware 松浦様にお伺いしてきました。 最後に、前半のまとめと後半のトピックをご紹介します。 前半のまとめ Domino の現状 Domino は35年以上にわたり利用されている製品で、現在も市場は活況。 ユーザー数は多く、旧バージョンのまま利用されるケースも多い。 長期的に利用される理由は、高い開発生産性と安定性。 利用され続ける理由 Domino は情報系基幹システムとして必要十分な機能を備えている。 高い下位互換性と上位互換性があり、古いデータやアプリケーションが最新バージョンでも問題なく動作する。 旧バージョンの課題 特定バージョンを使い続ける「塩漬け運用」が多く、安定性を理由にアップグレードしないユーザーが多い。 古いままでもシステムが動作するため、アップグレードの動機になりにくい。 見た目の改良も費用対効果が低いとして、アップデートしないケースが多い。 Domino のバージョンアップと他社製品への移行 Domino は他社製品との共存が可能。 新バージョンは V14.5で、新たな機能が追加された。 DX領域での価値提供が、バージョンアップの理由となる可能性を秘めている。 次回予告 後半では、より具体的に新バージョン、互換性についてお届けします。 新バージョン V14.5 の機能はもちろん、今後のビジネス戦略も語って頂きました。 新バージョン V14.5 が刻む新たな一歩 生成AI を Domino の中に Domino と生成AI の統合「Domino IQ」 自社のベストプラクティスを得られる Domino による生成AI の活用方法 REST API による効率的なシステム間の連携 バージョンアップの鍵は互換性の安心感 移行チェックツールとその効果 新旧バージョンの互換性は移行チェックツールで担保する バージョンアップ vs 他社製品への移行 バージョンアップはしないが、移行もしない 結論!バージョンアップが最適解 今後の戦略 V14.5 は 描いたロードマップの答え合わせになるバージョン 兄弟製品に繋げる二段構えの展開 HCL 様からのメッセージ 過去にとらわれない新たな事例でアプローチ V14.x を避けて V12 にする意味はない (本ページは前半です[後半も公開中]) HCL Domino について問い合わせる このページを見ている人におすすめのページ 安定の裏に潜む意外な悩み?HCLに聞く「HCL Domino」のバージョンアップにおける課題と意義(後編) HCL Domino 製品紹介ページ Com-PASS Cloud|Domino Notes アプリのお預かりサービス .recommend-list{ margin-top: 0px; } ol.recommend-list li { color: #9b9b9b; } #recommend{ font-family: "Noto Sans Japanese"; font-size: 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